JP2002201137A - ビダラビン注射用乾燥製剤 - Google Patents

ビダラビン注射用乾燥製剤

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Abstract

(57)【要約】 【課題】投与液調製時の加温を必要としなくても室温で
速やかに溶解し、かつ保存安定性に優れたビダラビン注
射用乾燥製剤の提供。 【解決手段】ビダラビン注射用乾燥製剤に緩衝剤を含有
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗ウイルス剤である
ビダラビンの注射用乾燥製剤および該製剤を製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビダラビン(vidarabine:化
学名9−β−D−arabinofuranosyla
denine)は単純ヘルペス脳炎および免疫抑制患者
における帯状疱疹に有用な抗ウイルス剤であり、ウイル
スのDNA依存DNAポリメラーゼを強力に阻害するこ
とにより抗ウイルス作用を発現する(Muller,
W.E.G.et al.Ann.N.Y.Acad.
Sci.284:34〜48,1977)。ビダラビン
は白色の結晶性の粉末で、におい及び味はなく、吸湿性
である。また、ジメチルスルホキシドに溶けやすく、氷
酢酸に溶けにくく、水またはエタノールに極めて溶けに
くく、エーテルまたはクロロホルムにほとんど溶けな
い。また、ビダラビンの溶解性はpH依存性があり、中
性付近での溶解度は著しく低いがpHが低いほど、また
は高いほど溶解性が高くなる。一方、pHが低い場合に
はビダラビンは加水分解を受けやすくなり、分解物とし
てアデニンが生成することが知られている(WEN−H
AI HONG and DALE H.SZULCZ
ENWSKI,Journal of Pharmac
eutical Sciences.Vol.68,N
o.4,April 499〜503,1979)。
【0003】従来のビダラビン注射用製剤では室温で輸
液に製剤を容易に溶解できないため、投与前に輸液が
約40℃になるように輸液容器を温浴中で加温し、輸
液容器から注射筒で輸液を一部抜き取り製剤のバイアル
に注入し、バイアルを激しく振盪し白色の懸濁液を作
製し、バイアルから懸濁液を注射筒で抜き取り、注
射筒の懸濁液を元の輸液に戻し約40℃の温浴中に4〜
5分間放置後約1分間振盪し完全に溶解させ、透視し
て不溶物のないことを確認するという作業を行ってい
た。このとき、通常ビダラビン300mgあたり輸液は
500mLを使用するが、脳浮腫による脳圧亢進のみら
れる症例等輸液量を必要最小限度に抑える必要がある場
合、ビダラビン300mgあたり輸液250mLに溶解
する。輸液としては生理食塩液、5%ブドウ糖注射液の
ほか糖質輸液剤、電解質輸液剤、アミノ酸輸液およびそ
の他血漿増量剤等が用いられている。なお、バイアルな
どの保存容器に充填された注射用乾燥製剤を投与に際し
て輸液などに溶解させることを再溶解と呼ぶ。従来の製
剤は、室温で輸液に製剤を短時間に容易に溶解できない
ため、再溶解時に輸液の加温を必要とした。この調製方
法では、湯浴の準備、輸液の加温、溶解後の確認と手間
がかかり煩雑である。特に250mLの輸液に再溶解す
る時は溶解の確認を慎重に行う必要があった。そのた
め、再溶解時に室温でも速やかに溶解するビダラビン注
射用製剤処方の開発が強く望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ビダラビン
300mgあたり輸液250mLに室温でも速やかに溶
解する注射用乾燥製剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決するためにビダラビン300mgあたり生理食塩
液250mLに室温で速やかに溶解することを指標に鋭
意検討を重ね、製剤中に従来の製剤より多くの酸を添加
し再溶解時の溶液のpH値をある範囲に設定することに
より室温でも溶解可能な製剤を得ることに成功した。し
かし単に酸を増加した処方では、製剤の保存安定性が損
なわれることを見出し、さらなる研究を重ねた結果、単
に酸を増加させるのではなく、製剤に緩衝剤を添加する
ことにより、再溶解時に室温で速やかに溶解可能かつ保
存安定性が損なわれない製剤を得ることに成功し本発明
を完成させた。
【0006】すなわち、本発明は以下に示す注射用乾燥
製剤を提供するものである。 (1)(a)ビダラビンと、(b)ビダラビンを安定化
させるのに十分な量の少なくとも一種の医薬上使用可能
な緩衝剤とを含有し、ビダラビン300mgあたり25
0mLの生理食塩液に再溶解時のpH値がpH=2.5
〜3.7に調製されることを特徴とする注射用乾燥製
剤。 (2)ビダラビン300重量部あたり80重量部以上の
緩衝剤を含有してなる(1)に記載の注射用乾燥製剤。 (3)(a)ビダラビンと、(b)ビダラビン300重
量部あたり80重量部以上の少なくとも一種の医薬上使
用可能な緩衝剤とを含有し、ビダラビン300mgあた
り250mLの生理食塩液に25℃において5分以内に
再溶解することを特徴とする注射用乾燥製剤。 (4)緩衝剤のpKa値が、pKa=1.5〜4.7で
あることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記
載の注射用乾燥製剤。 (5)緩衝剤として、グリシン、ニコチン酸アミドおよ
びサリチル酸ナトリウムからなる群より選ばれた一種以
上を含有してなる(1)から(4)のいずれかに記載の
注射用乾燥製剤。
【0007】(6)(a)ビダラビンと、(b)ビダラ
ビン300重量部あたり80重量部以上の少なくとも一
種の医薬上使用可能な緩衝剤とを含有し、ビダラビン3
00mgあたり250mLの生理食塩液に再溶解時のp
H値がpH=2.5〜3.7に調製されることを特徴と
する注射用乾燥製剤。 (7)(a)ビダラビンと、(b)ビダラビン300重
量部あたり80重量部以上のグリシン、ニコチン酸アミ
ドおよびサリチル酸ナトリウムからなる群より選ばれた
1種以上の緩衝剤とを含有し、ビダラビン300mgあ
たり250mLの生理食塩液に再溶解時のpH値がpH
=2.5〜3.7に調製されることを特徴とする注射用
乾燥製剤。 (8)緩衝剤として、ビダラビン300重量部あたり8
0重量部以上のニコチン酸アミドを含有してなる(1)
から(7)のいずれかに記載の注射用乾燥製剤。 (9)緩衝剤として、ビダラビン300重量部あたり2
00重量部以上のグリシンを含有してなる(1)から
(7)のいずれかに記載の注射用乾燥製剤。 (10)緩衝剤として、ビダラビン300重量部あたり
200重量部以上のサリチル酸ナトリウムを含有してな
る(1)から(7)のいずれかに記載の注射用乾燥製
剤。
【0008】(11)pH調整剤として無機酸を含有す
る(1)から(10)のいずれかに記載の注射用乾燥製
剤。 (12)さらに賦形剤を含有する(1)から(11)の
いずれかに記載の注射用乾燥製剤。 (13)さらに抗酸化剤を含有する(1)から(12)
のいずれかに記載の注射用乾燥製剤。 (14)さらに安定化剤、等張化剤、分散剤、無痛化
剤、保存剤、溶解補助剤、懸濁化剤、崩壊剤および界面
活性剤からなる群より選ばれた一種以上の添加剤を含有
する(1)から(13)のいずれかに記載の注射用乾燥
製剤。 (15)(a)ビダラビンと、(b)グリシン、ニコチ
ン酸アミドおよびサリチル酸ナトリウムからなる群より
選ばれた一種以上の緩衝剤をビダラビン300重量部あ
たり80重量部以上と、(c)ビダラビン100重量部
あたり0.1〜800重量部の賦形剤と、(d)ビダラ
ビン100重量部あたり0.1〜80重量部の抗酸化剤
とを含有し、ビダラビン300mgあたり250mLの
生理食塩液に再溶解時のpH値がpH=2.5〜3.7
に調製されることを特徴とする注射用乾燥製剤。 (16)(a)ビダラビンと、(b)グリシン、ニコチ
ン酸アミドおよびサリチル酸ナトリウムからなる群より
選ばれた一種以上の緩衝剤をビダラビン300重量部あ
たり80重量部以上と、(c)ビダラビン100重量部
あたり100〜400重量部の賦形剤と、(d)ビダラ
ビン100重量部あたり1〜5重量部の抗酸化剤とを含
有し、ビダラビン300mgあたり250mLの生理食
塩液に再溶解時のpH値がpH=3.2〜3.5に調製
されることを特徴とする注射用乾燥製剤。
【0009】また本発明は、上述のビダラビン注射用乾
燥製剤の製造方法を提供する。 (17)ビダラビン、緩衝剤およびその他の成分の一部
または全部を酸溶液に溶解する工程、緩衝剤およびその
他の成分の残りまたは全部を塩基溶液に溶解する工程、
それぞれ無菌ろ過した後または無菌ろ過しながら、両液
を混合し撹拌して調製液とする工程、この調製液を容器
に充填し凍結乾燥する工程を具備する(1)から(1
6)のいずれかに記載の注射用乾燥製剤の製造方法。さ
らに本発明は、ビダラビン300mgあたり250mL
の生理食塩液に室温で速やかに再溶解するビダラビン注
射用乾燥製剤の安定化剤および安定化方法を提供する。 (18)ビダラビン300mgあたり250mLの生理
食塩液に25℃において5分以内に再溶解することを特
徴とするビダラビン注射用乾燥製剤の安定化剤であっ
て、グリシン、ニコチン酸アミドおよびサリチル酸ナト
リウムからなる群より選ばれる一種以上からなることを
特徴とするビダラビン注射用乾燥製剤の安定化剤。 (19)ビダラビン300mgあたり250mLの生理
食塩液に25℃において5分以内に再溶解することを特
徴とするビダラビン注射用乾燥製剤の安定化方法であっ
て、製剤中に、ビダラビン300重量部あたり80重量
部以上の緩衝剤を含有させることを特徴とするビダラビ
ン注射用乾燥製剤の安定化方法。 (20)緩衝剤として、グリシン、ニコチン酸アミドお
よびサリチル酸ナトリウムからなる群より選ばれる一種
以上を含有させることを特徴とする(19)に記載のビ
ダラビン注射用乾燥製剤の安定化方法。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の注射用乾燥製剤(以下、
単に「本発明の製剤」とも記す)は、ビダラビンおよび
緩衝剤を含有するものである。ビダラビンの溶解にはプ
ロトン(イオン化)が必要であるが、逆にプロトンの増
加はプリンヌクレオシドの加水分解を促進する。緩衝剤
を添加した製剤が、単に酸(プロトン)を添加した製剤
より保存安定性が優れているのは、乾燥工程において、
緩衝剤がプロトンを捕らえ、乾燥体中ではプロトンとビ
ダラビンが分離されているためと考えられる。本発明の
製剤に含まれる緩衝剤は、緩衝能を有しかつ医薬上使用
可能な成分であればいかなる物を1成分であるいは2成
分以上を組み合わせて用いても良い。例えば、アミノ酸
またはその塩、アミノ酸以外の両性電解質またはその
塩、弱酸の塩(プロトン過剰存在条件下では弱酸の塩が
解離して生成した共役塩基がプロトンと反応して弱酸を
生成し、弱酸とその共役塩基からなる緩衝系が成立す
る)からなる群より選ばれた緩衝剤を単独で用いたり複
数種併用したりすることができる。なお、弱酸のみでも
緩衝剤として取り扱われる場合もあるが、本来酸性条件
である本製剤においては弱酸のみでは十分な緩衝能を発
揮しないと考えられるので、本製剤においては弱酸は弱
酸の塩との組み合わせとして用いることが好ましい。緩
衝剤のより具体的な例としては、グリシン、アラニン、
アルギニン、グルタミン、システイン、セリン、トレオ
ニン、バリン、ヒスチジン、フェニルアラニン、メチオ
ニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、ロイシ
ンなどのアミノ酸またはその塩酸塩、ナトリウム塩、カ
リウム塩などの塩、ニコチン酸アミド、アミノ安息香酸
などの両性電解質またはそのナトリウム塩などの塩、ク
エン酸、リン酸、乳酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉
草酸、グリコール酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、
グルタル酸、アジピン酸、リンゴ酸、フマル酸、マレイ
ン酸、安息香酸、サリチル酸、フタル酸、酒石酸などの
弱酸のナトリウム塩、カリウム塩などの塩、上記弱酸の
塩と、弱酸、塩酸、硫酸などの強酸との組み合わせなど
が挙げられる。
【0011】一般的に緩衝剤は自身または共役酸のpK
a値の前後約1.0のpH範囲で緩衝能を有するが、十
分な緩衝能を発揮するのは自身または共役酸のpKa値
の前後約0.5のpH範囲である。本発明の製剤はビダ
ラビン300mgあたり250mLの生理食塩液に再溶
解時のpH値がpH=2.5〜3.7に調製されるの
で、pKa=1.5〜4.7、より好ましくはpKa=
2.0〜4.2である緩衝剤を含有することが好まし
く、グリシン、アルギニン、ロイシン、グルタミン酸ナ
トリウム、ニコチン酸アミド、サリチル酸ナトリウム、
クエン酸/乳酸ナトリウム、クエン酸/クエン酸ナトリ
ウム、乳酸/乳酸ナトリウム、クエン酸/サリチル酸ナ
トリウム、塩酸/乳酸ナトリウムなどが好適な例として
挙げられる。これらの緩衝剤のなかでも、pKa=2.
36〜3.47である緩衝剤を含有することが特に好ま
しく、このようなpKa値の緩衝剤としてはグリシン、
ニコチン酸アミド、サリチル酸ナトリウムが最も好適な
例として挙げられる。緩衝剤が多段階解離する場合には
いずれか1つの段階のpKa値がこの範囲に含まれれば
よい。
【0012】本発明の製剤は、医薬上許容可能な範囲
で、ビダラビンを安定化させるのに十分な量、すなわち
緩衝剤非存在下に比べて製剤の保存安定性を向上させる
のに十分な量の緩衝剤を含むことができる。前述のよう
に、緩衝剤の添加により製剤の保存安定性が向上するの
は、乾燥工程において緩衝剤がプロトンを捕らえるため
と考えられるので、緩衝剤非存在下に比べて製剤の保存
安定性を向上させるのに十分な緩衝剤の量とは、すなわ
ち、乾燥工程において製剤中のプロトンを捕らえるのに
十分な量であると言うことができる。ビダラビン300
mgあたり250mLの生理食塩液に速やかに再溶解可
能な製剤は、ビダラビンの溶解のために多くのプロトン
を含有する。このような製剤中では緩衝剤はプロトンを
捕らえることによりビダラビンの分解を防ぎ、ビダラビ
ンの安定化剤として機能する。その際、緩衝剤は1成分
でも2成分以上を組み合わせて用いても良く、全体とし
て十分量を含有していればよい。弱酸の塩と、弱酸また
は強酸を組み合わせて緩衝剤として用いる場合は、弱酸
の塩の量を緩衝剤の量とする。緩衝剤非存在下に比べて
製剤の保存安定性を向上させるのに十分な緩衝剤の量
は、ビダラビンに対する重量当量、酸塩基当量またはモ
ル当量で表すこともできる。ビダラビンを安定化させる
のに十分な緩衝剤の量は、ビダラビン300重量部に対
して少なくとも80重量部以上が好ましく、より好まし
くは200重量部以上である。たとえばニコチン酸アミ
ドを緩衝剤としたときはビダラビン300重量部に対し
て80重量部以上、グリシンを緩衝剤としたときはビダ
ラビン300重量部に対して200重量部以上、より好
ましくは400重量部以上、サリチル酸ナトリウムを緩
衝剤としたときはビダラビン300重量部に対して20
0重量部以上、かつ1日投与量として医薬品使用実績を
超えない範囲が好ましい。1日投与量として医薬品使用
実績を超えない範囲は、例えば医薬品添加物辞典200
0(日本医薬品添加剤協会 編;薬事日報社、2000
年)に記載されている静脈内注射における(一日)最大
使用量を参考に定めることができる。緩衝剤の量は、当
業者が通常用いうる技術によって適宜定めることができ
る。
【0013】本発明の製剤は、ビダラビンと緩衝剤を含
有し、ビダラビン300mgあたり250mLの生理食
塩液に再溶解時のpH値がpH=2.5〜3.7に調製
される。ビダラビン300mgあたり250mLの生理
食塩液に25℃で速やかに溶解可能なpH範囲はpH=
3.7以下であり、好ましくはpH=3.5以下であ
る。速やかにとは5分以内、好ましくは3分以内、より
好ましくは1分以内のことである。医薬上許容可能なp
H範囲は、製剤が投与された場合に患者に不快感を引き
起こさないか、引き起こしたとしても最小限にとどめる
もののいずれかであり、好ましくはpH=2.5以上で
ある。したがって、ビダラビン300mgあたり250
mLの生理食塩液に再溶解時に、ビダラビンが室温で溶
解可能かつ医薬上許容可能なpH範囲とはpH=2.5
〜3.7の範囲であり、好ましくはpH=3.2〜3.
5の範囲である。なお、本明細書中では、pH値は特に
断りのない限り25℃における測定値とする。
【0014】本発明の好ましい態様の一つは、該製剤中
の緩衝剤としてビダラビン300mgあたりグリシン4
00mgを含有し、ビダラビン300mgあたり250
mLの生理食塩液に再溶解時のpH値がpH=3.2〜
3.5に調製されることを特徴とする製剤である。
【0015】ビダラビンはpH=12以上で溶解性が急
激に上昇することが知られている。よって、ビダラビン
300mgあたり250mLの生理食塩液に再溶解時の
pH値が12.3以上になるように調製された製剤も、
再溶解時に室温で速やかに溶解する製剤として有用であ
る。
【0016】再溶解時の目的のpH値を実現するのに、
緩衝剤以外に酸および/または塩基の添加が必要である
場合には、目的のpHを実現するのに十分な量の酸およ
び/または塩基をpH調整剤として製剤中に含むことが
できる。例えば酸として、クエン酸、塩酸、硫酸、乳
酸、酢酸、酒石酸、リン酸、硝酸、プロピオン酸、酪
酸、吉草酸、グリコール酸、シュウ酸、マロン酸、コハ
ク酸、グルタル酸、アジピン酸、リンゴ酸、フマル酸お
よびマレイン酸等を1種または2種以上を組み合わせて
用いることができる。塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸は
強酸であり、製剤に含有させるとビダラビンの保存安定
性を悪化させることが予想されるが、本発明の製剤では
緩衝剤を含有させることによりビダラビンを安定化する
ことができ、かつ再溶解時に室温で溶解可能なpHにコ
ントロールすることが可能となった。有機酸はほとんど
の場合において、無機酸と比較して弱酸であると考えら
れ、有機酸をpH調整に使用する際には無機酸と比して
多くの量を必要とする。ビダラビンの安定化のために緩
衝剤を含有させた製剤では、目的のpHに調整するため
にはなおのこと多くの量が必要となる。そのため、本発
明の製剤ではpH調整剤として無機酸を用いることが好
ましく、本発明の製剤の好ましい態様の一つは、ビダラ
ビン、緩衝剤および無機酸を含む製剤である。また、無
機酸は有機酸と組み合わせて使うことも可能である。ま
た、塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等を用いることができる。製剤中では酸および/または
塩基はビダラビンや緩衝剤の塩として存在していても良
い。
【0017】本発明の製剤は、必要に応じて賦形剤とし
て、マルトース、デキストラン、マンニトール、ソルビ
トール、ガラクトース、ラクトース、グルコース、キシ
リトール、ポリエチレングリコール、サッカロース、プ
ロピレングリコール、トレハロースなどを1種または2
種以上を組み合わせて含有することができる。賦形剤
は、凍結乾燥処理の場合安定化剤または保存剤として役
立ち、適当な外観を有する凍結乾燥ケーキの実現、活性
成分の固体希釈、および水分の吸着のために用いる。賦
形剤は通常ビダラビン100重量部に対して0.1〜8
00重量部、好ましくは100〜400重量部存在させ
る。
【0018】本発明の製剤は、必要に応じて抗酸化剤、
安定化剤、等張化剤、分散剤、無痛化剤、保存剤、溶解
補助剤、懸濁化剤、界面活性剤、崩壊剤などの添加剤を
1種または2種以上を組み合わせて含有することができ
る。特に、アミノ酸を緩衝剤として含有する場合は、賦
形剤として使われる糖類との間で反応を起こし着色を起
こすことがあるので、塩酸システイン、亜硫酸水素ナト
リウム、亜硫酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、チオ
グリコール酸ナトリウムなどの抗酸化剤を着色防止剤と
して添加することが有用である。これらの添加剤は通常
ビダラビン100重量部に対して0.1〜80重量部、
好ましくは1〜5重量部存在させる。
【0019】次に、本発明の製剤の製造方法について説
明する。本発明の製剤は、無菌の調製液を調製した後、
特に限定されることなく任意の乾燥方法(例えば、噴霧
乾燥法、凍結乾燥法)によって製造し、無菌状態で容器
に密封して製造することができる。容器の例としては、
バイアル、アンプル、シリンジ型、バイアルと注射針が
ついたトランスファーセット部が一体化した容器等が挙
げられるが、無菌の容器であれば特に限定されない。本
発明の製剤の製造方法としては、ビダラビン、緩衝剤
およびその他の成分の一部または全部を酸溶液に溶解
し、緩衝剤およびその他の成分の残りまたは全部を塩基
溶液に溶解し、それぞれ無菌ろ過した後または無菌ろ過
しながら、両液を混合し撹拌して調製液とする方法、
ビダラビン、緩衝剤およびその他の添加剤を注射用水に
混合し、加温して溶解し、加温しながら無菌ろ過し、冷
却して調製液する方法、の方法との方法を組み合
わせて調製液とする方法が挙げられ、この調製液を容器
に充填し凍結乾燥し、打栓する。緩衝剤およびその他の
成分の一部は、緩衝剤、賦形剤、抗酸化剤およびその他
の添加剤の酸溶液、塩基溶液への溶解性を考慮して適宜
選択すれば良い。の方法との方法を組み合わせる
の方法としては、例えばビダラビン、緩衝剤およびその
他の成分の一部または全部を酸溶液に溶解し、緩衝剤お
よびその他の成分の残りまたは全部を塩基溶液に溶解
し、その際に溶解しきれない成分がある場合は、加温し
て溶解し、加温しながら無菌ろ過した後または無菌ろ過
しながら、両液を混合し撹拌して調製液とする方法が挙
げられる。これらの方法のほか、無菌の調製液を乾燥し
て粉末にし、無菌的に容器に充填してもよい。また、凍
結乾燥後に無菌化する方法、例えば放射線滅菌法を採用
しても製造することもできる。溶解に使用した酸および
/または塩基は中和の結果、塩として製剤中に含有され
る。中和の結果残った酸および/または塩基は、再溶解
時の目的のpH値を実現するために含有される。
【0020】本発明の製剤は、再溶解に際して輸液等の
加温を必要としない。すなわち、本発明の製剤はビダラ
ビンおよび緩衝剤を含有し、ビダラビン300mgあた
り250mLの生理食塩液に室温で速やかに、より好ま
しくは25℃において5分以内に、再溶解することを特
徴とする。例えば、容器がバイアルの場合は、室温で
輸液容器から注射筒で輸液を一部抜き取り製剤のバイア
ルに注入し、バイアルを激しく振盪し懸濁液を作製
し、バイアルから懸濁液を注射筒で抜き取り、注射
筒の懸濁液を元の輸液に戻し振盪して完全に溶解させ、
透視して不溶物のないことを確認することにより再溶
解することができる。急性毒性については、ビダラビン
は医薬品として使用され、その他添加剤は医薬添加物と
しての一日最大使用実績を参考に設定されているので問
題はないと考えられる。このとき、ビダラビン300m
gあたり輸液は250〜500mLが好ましく用いられ
るが、室温で速やかに溶解する限りにおいては、液量は
特に限定されない。輸液としては生理食塩液、5%ブド
ウ糖注射液のほか糖質輸液剤、電解質輸液剤、アミノ酸
輸液およびその他血漿増量剤等を用いることができる。
【0021】本発明の注射用乾燥製剤は、少なくともビ
ダラビン300mgあたり輸液250mLに輸液を加熱
することなく速やかに再溶解(透視して不溶物が目視さ
れない)し、注射用乾燥製剤が60℃2週間の保存試験
において実質的に変化しない保存安定性を有する。ここ
で、実質的に変化しないとは、具体的な例としては、保
存後/保存開始時の液体クロマトグラフィーによるビダ
ラビン含有量測定で、ビダラビン残存率が95%以上の
範囲であればよい。
【0022】
【実施例】以下に実施例ならびに比較例を挙げて本発明
をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例
により限定されるものではない。緩衝剤を含む注射用乾
燥製剤である実施例1〜18および緩衝剤を含まない乾
燥製剤である比較例1〜5の製造例を以下に示す。な
お、塩酸溶液および水酸化ナトリウム溶液などは、規定
度を測定して調製液を作製した。
【0023】(実施例1)ビダラビン30g、クエン酸
一水和物11g、0.5N硫酸10mL、亜硫酸水素ナ
トリウム0.46g、マンニトール100gを0.3N
塩酸539mLに溶かし、水を加えて800mLとし
た。別にグリシン40gを0.5N水酸化ナトリウム溶
液176mLに溶解し、水を加えて200mLとし無菌
ろ過した。この水酸化ナトリウム溶液に、先に調製した
塩酸溶液を無菌ろ過しながら徐々に加えて撹拌し、調製
液とした。この調製液をバイアルに10mLずつ充填
し、通常の方法で凍結乾燥し、乾燥後、打栓して製剤と
した。
【0024】(実施例2)ビダラビン6.0g、0.5
N硫酸8.2mL、乳酸ナトリウム(70w/w%)
0.71g、亜硫酸水素ナトリウム0.092g、マン
ニトール20gを0.3N塩酸110mLに溶かし、水
を加えて160mLとした。別にグリシン6.0gを
0.5N水酸化ナトリウム溶液36.5mLに溶解し、
水を加えて40mLとし無菌ろ過した。この水酸化ナト
リウム溶液に、先に調製した塩酸溶液を無菌ろ過しなが
ら徐々に加えて撹拌し、調製液とした。この調製液をバ
イアルに10mLずつ充填し、通常の方法で凍結乾燥
し、乾燥後、打栓して製剤とした。
【0025】(実施例3)ビダラビン6.0g、0.5
N硫酸12.6mL、ニコチン酸アミド1.6g、乳酸
ナトリウム(w/w70%)0.71g、亜硫酸水素ナ
トリウム0.092g、マンニトール20gを0.3N
塩酸111mLに溶かし、水を加えて160mLとし
た。別にグリシン4.0gを0.5N水酸化ナトリウム
溶液37.5mLに溶解し、水を加えて40mLとし無
菌ろ過した。この水酸化ナトリウム溶液に、先に調製し
た塩酸溶液を無菌ろ過しながら徐々に加えて撹拌し、調
製液とした。この調製溶液をバイアルに10mLずつ充
填し、通常の方法で凍結乾燥し、乾燥後、打栓して製剤
とした。
【0026】(実施例4)ビダラビン60g、クエン酸
一水和物22g、0.5N硫酸20mL、亜硫酸水素ナ
トリウム0.92g、塩酸システイン一水和物1.0
g、マンニトール200gを0.3N塩酸1100mL
に溶かし、水を加えて1600mLとした。別にグリシ
ン80gを0.5N水酸化ナトリウム溶液350mLに
溶解し、水を加えて400mLとし、無菌ろ過した。こ
の水酸化ナトリウム溶液に、先に調製した塩酸溶液を無
菌ろ過しながら徐々に加えて撹拌し、調製液とした。こ
の調製液をバイアルに10mLずつ充填し、通常の方法
で凍結乾燥し、乾燥後、打栓して製剤とした。
【0027】(実施例5)ビダラビン60g、0.5N
硫酸112mL、亜硫酸水素ナトリウム0.92g、塩
酸システイン一水和物1.0g、マンニトール200g
を0.3N塩酸1100mLに溶かし、水を加えて16
00mLとした。別にグリシン80gを0.5N水酸化
ナトリウム溶液350mLに溶解し、水を加えて400
mLとし、無菌ろ過した。この水酸化ナトリウム溶液
に、先に調製した塩酸溶液を無菌ろ過しながら徐々に加
えて撹拌し、調製液とした。この調製液をバイアルに1
0mLずつ充填し、通常の方法で凍結乾燥し、乾燥後、
打栓して製剤とした。
【0028】(実施例6)ビダラビン60g、クエン酸
一水和物22g、0.5N硫酸20mL、塩酸システイ
ン一水和物1.0g、マンニトール200gを0.3N
塩酸1100mLに溶かし、水を加えて1600mLと
した。別にグリシン80gを0.5N水酸化ナトリウム
溶液350mLに溶解し、水を加えて400mLとし、
無菌ろ過した。この水酸化ナトリウム溶液に、先に調製
した塩酸溶液を無菌ろ過しながら徐々に加えて撹拌し、
調製液とした。この調製液をバイアルに10mLずつ充
填し、通常の方法で凍結乾燥し、乾燥後、打栓して製剤
とした。
【0029】(実施例7)ビダラビン45g、0.5N
硫酸83mL、塩酸システイン一水和物0.75g、マ
ンニトール150gを0.3N塩酸840mLに溶か
し、水を加えて1200mLとした。別にグリシン60
gを0.5N水酸化ナトリウム溶液260mLに溶解
し、水を加えて300mLとし無菌ろ過した。この水酸
化ナトリウム溶液に、先に調製した塩酸溶液を無菌ろ過
しながら徐々に加えて撹拌し、調製液とした。この調製
液をバイアルに10mLずつ充填し、通常の方法で凍結
乾燥し、乾燥後、打栓して製剤とした。
【0030】(実施例8)ビダラビン120g、クエン
酸一水和物44g、塩酸システイン一水和物2.0g、
マンニトール400gを0.3N塩酸2130mLに溶
かし、水を加えて3200mLとした。別にグリシン8
0gを0.5N水酸化ナトリウム溶液744mLに溶解
し、水を加えて800mLとし、無菌ろ過した。この水
酸化ナトリウム溶液に、先に調製した塩酸溶液を無菌ろ
過しながら徐々に添加し撹拌し、調製液とした。この調
製溶液をバイアルに10mLずつ充填し、通常の方法で
凍結乾燥し、乾燥後、打栓して製剤とした。
【0031】(実施例9)ビダラビン120g、クエン
酸一水和物44g、塩酸システイン一水和物2.0g、
マンニトール400gを0.3N塩酸2376mLに溶
かし、水を加えて3200mLとした。別にグリシン1
60gを0.5N水酸化ナトリウム溶液696mLに溶
解し、水を加えて800mLとし、無菌ろ過した。この
水酸化ナトリウム溶液に、先に調製した塩酸溶液を無菌
ろ過しながら徐々に添加し撹拌し、調製液とした。この
調製液をバイアルに10mLずつ充填し、通常の方法で
凍結乾燥し、乾燥後、打栓して製剤とした。
【0032】(実施例10)ビダラビン9.0g、クエ
ン酸一水和物3.3g、マンニトール30g、アルギニ
ン1.23g、塩酸システイン一水和物0.15gを
0.3N塩酸173mLに溶かし、水を加えて240m
Lとし、無菌ろ過した。この液に0.5N水酸化ナトリ
ウム溶液60mLを無菌ろ過しながら、徐々に加えて撹
拌し、調製液とした。この調製液をバイアルに10mL
ずつ充填し、通常の方法で凍結乾燥し、乾燥後、打栓し
て製剤とした。
【0033】(実施例11)ビダラビン9.0g、クエ
ン酸一水和物3.3g、マンニトール30g、ロイシン
14.5g、塩酸システイン一水和物0.15gおよび
0.3N塩酸173mLに水を加えて240mLとし
た。この液に、0.5N水酸化ナトリウム溶液60mL
に加えて加温して溶解し、無菌ろ過後冷却して、調製液
とした。この調製液をバイアルに10mLずつ充填し、
通常の方法で凍結乾燥し、乾燥後、打栓して製剤とし
た。
【0034】(実施例12)ビダラビン9.0g、クエ
ン酸一水和物3.3g、マンニトール30g、グルタミ
ン酸ナトリウム一水和物2.22g、塩酸システイン一
水和物0.15gを0.3N塩酸173mLに溶かし、
水を加えて240mLとし、無菌ろ過した。この液に
0.5N水酸化ナトリウム溶液60mLを無菌ろ過しな
がら徐々に加えて撹拌し、調製液とした。この調製液を
バイアルに10mLずつ充填し、通常の方法で凍結乾燥
し、乾燥後、打栓して製剤とした。
【0035】(実施例13)ビダラビン9.0g、クエ
ン酸一水和物3.3g、マルトース30g、ニコチン酸
アミド2.4gを0.3N塩酸173mLに溶かし、水
を加えて240mLとし、無菌ろ過した。この液に0.
5N水酸化ナトリウム溶液60mLを無菌ろ過しながら
徐々に加えて撹拌し、調製液とした。この調製液をバイ
アルに10mLずつ充填し、通常の方法で凍結乾燥し、
乾燥後、打栓して製剤とした。
【0036】(実施例14)ビダラビン9.0g、クエ
ン酸一水和物3.3gおよびマルトース30gを0.3
N塩酸173mLに溶かし、水を加えて240mLとし
た。別にサリチル酸ナトリウム6.84gを0.5N水
酸化ナトリウム溶液60mLに溶かし、無菌ろ過した。
この水酸化ナトリウム溶液に、先に調製した塩酸溶液を
無菌ろ過しながら徐々に加えて撹拌し、調製液とした。
この調製液をバイアルに10mLずつ充填し、通常の方
法で凍結乾燥し、乾燥後、打栓して製剤とした。
【0037】(実施例15)ビダラビン9.0g、クエ
ン酸一水和物3.3g、乳酸(85w/w%<)2.7
9g、マルトース30gを0.3N塩酸173mLに溶
かし、水を加えて230mLとした。別に乳酸ナトリウ
ム(70w/w%)5.10gを0.5N水酸化ナトリ
ウム溶液60mLに溶かし、水を加えて70mLとし、
無菌ろ過した。この水酸化ナトリウム溶液に、先に調製
した塩酸溶液を無菌ろ過しながら徐々に加えて撹拌し、
調製液とした。この調製液をバイアルに10mLずつ充
填し、通常の方法で凍結乾燥し、乾燥後、打栓して製剤
とした。
【0038】(実施例16)ビダラビン9.0g、マン
ニトール30g 、クエン酸一水和物9.03gを0.3
N塩酸100mLに溶かし、水を加えて230mLとし
た。別に、クエン酸三ナトリウム二水和物1.44gを
0.5N水酸化ナトリウム溶液60mLに溶かし、水を
加えて70mLとし、無菌ろ過した。この水酸化ナトリ
ウム溶液に、先に調製した塩酸溶液を無菌ろ過しながら
徐々に加えて撹拌し、調製液とした。この調製液をバイ
アルに10mLずつ充填し、通常の方法で凍結乾燥し、
乾燥後、打栓して製剤とした。
【0039】(実施例17)ビダラビン3.0g、マン
ニトール10g、グリシン20g、塩酸システイン一水
和物50mgおよび0.3N塩酸57.6mLに、水を
加えて130mLとした。これに0.5N水酸化ナトリ
ウム溶液20mLを加え、加温して溶解し、無菌ろ過後
冷却し、調製液とした。この調製液をバイアルに15m
Lずつ充填し、通常の方法で凍結乾燥し、乾燥後、打栓
して製剤とした。
【0040】(実施例18)ビダラビン3.0g、マン
ニトール10g、グリシン0.5gおよび塩酸システイ
ン一水和物50mgを0.3N塩酸57.6mLに溶か
し、水を加えて80mLとし、無菌ろ過した。これに
0.5N水酸化ナトリウム溶液20mLを無菌ろ過しな
がら徐々に加えて撹拌し、調製液とした。この調製液を
バイアルに10mLずつ充填し、通常の方法で凍結乾燥
し、乾燥後、打栓して製剤とした。
【0041】(比較例1)ビダラビン75.0g、マン
ニトール250gを0.3N塩酸1214mLに溶か
し、水を加えて2000mLとし、無菌ろ過した。別に
0.5N水酸化ナトリウム溶液500mLを無菌ろ過
し、この液に先の塩酸溶液を無菌ろ過しながら徐々に加
えて撹拌し、調製液とした。この調製液をバイアルに1
0mLずつ充填し、通常の方法で凍結乾燥し、乾燥後、
打栓して製剤とした。
【0042】(比較例2)ビダラビン9.0g、マンニ
トール30gを0.3N塩酸184mLに溶かし、水を
加えて240mLとした。この液を、0.5N水酸化ナ
トリウム溶液60mLに徐々に加えて撹拌し、調製液と
した。この調製液をバイアルに10mLずつ充填し、通
常の方法で凍結乾燥し、乾燥後、打栓し、製剤とした。
【0043】(比較例3)ビダラビン9.0g、クエン
酸一水和物3.3g、マンニトール30gを0.3N塩
酸173mLに溶かし、水を加えて240mLとした。
この液を、0.5N水酸化ナトリウム溶液60mLに徐
々に加えて撹拌し、調製液とした。この調製溶液をバイ
アルに10mLずつ充填し、通常の方法で凍結乾燥し、
乾燥後、打栓して製剤とした。
【0044】(比較例4)ビダラビン9.0g、クエン
酸一水和物3.3g、マンニトール30gを0.3N塩
酸256mLに溶かし、水を加えて290mLとした。
この液を、0.5N水酸化ナトリウム溶液60mLに徐
々に加えて撹拌し、調製液とした。この調製溶液をバイ
アルに12mLずつ充填し、通常の方法で凍結乾燥し、
乾燥後、打栓して製剤とした。
【0045】(比較例5)ビダラビン9.0g、クエン
酸一水和物3.3g、マンニトール30gを0.3N塩
酸363mLに溶かし、水を加えて400mLとした。
この液を、0.5N水酸化ナトリウム溶液60mLに徐
々に加えて撹拌し、調製液とした。この調製溶液をバイ
アルに15mLずつ充填し、通常の方法で凍結乾燥し、
乾燥後、打栓して製剤とした。
【0046】表1に各製剤例の組成を示す。ただし、表
の塩酸量は中和後、製剤に残存した塩酸量を示す。
【表1】
【0047】上記製造例で作製した実施例1〜9、1
3、14、17、18および比較例1〜5の製剤を用い
て再溶解時の溶解性および保存安定性の比較実験を行っ
た。製剤の再溶解時の溶解性は以下のような方法で確認
した。すなわち、25℃において、バイアルあたり30
0mgのビダラビンを含有する製剤の場合は、250m
Lの生理食塩液の輸液容器から注射筒で10mLをと
り、それをバイアル内に注入し激しく撹拌して懸濁させ
る。これを注射筒でとり、250mL生理食塩液の輸液
容器に戻す。輸液容器を30秒間振盪し、次の30秒の
間に白色光源の直下で不溶物の有無を観察し、不溶物が
認められなければ1分間で溶解したとする。不溶物を認
めた場合は、さらに30秒間振盪し、次の30秒の間同
様に観察する。これを1分間ごとに繰り返す。
【0048】製剤の保存中の安定性は以下のような方法
で測定した。実施例1〜9、13、14、17、18お
よび比較例1〜5の製剤について製造直後(開始時)お
よび60℃恒温槽中に2週間保存後に測定を行った。バ
イアルあたり300mgのビダラビンを含有する製剤の
場合は、1バイアルに0.1N塩酸を加えて溶かし、正
確に100mLとする。この液を水で正確に10倍希釈
して試料溶液とする。別にビダラビン標準品30mgを
精密に量り、0.1N塩酸10mLを加えて溶かし、水
を加えて正確に100mLとし、標準溶液とした。試料
溶液および標準溶液5μLにつき、次の条件で液体クロ
マトグラフィーにより、ビダラビンのピーク面積より1
バイアル当たりのビダラビンの含有量を求める。製造直
後のビダラビン含有量を100%としたときの60℃2
週間保存後のビダラビン含有量をビダラビン残存率とし
て表2に示した。 試験条件 検出器:紫外吸光光度計(測定波長:254nm) カラム:内径約4mm、長さ約15cmのステンレス管
に5μmの液体クロマト グラフィー用にスルホン化したシリカゲルを充填 カラム温度:室温付近の一定温度 移動相:0.1Mリン酸二水素カリウム水溶液 流量:ビダラビンの保持時間が約4分になるように調整 また、ビダラビンの分解生成物であるアデニンのピーク
を測定することにより安定性の指標とすることも可能で
あり、保存安定性について同様の結果を得ることができ
る。
【0049】上記製造例で作製した製剤を用いて溶解性
および保存安定性の比較実験を行った結果をまとめると
次の表2の通りである。
【表2】 表2の結果によれば、比較例1〜5では、製剤中に酸を
増量することで溶解性は改善されるが、保存安定性は酸
の増加に伴い低下することが認められる。一方、実施例
1〜9、13、14および17に示されるように、酸を
増量した処方でも緩衝剤を添加することにより、保存安
定性を損なわずに室温で速やかに再溶解する製剤とする
ことができた。
【0050】
【発明の効果】本発明のビダラビン注射用乾燥製剤は、
溶解性の改善により投与液調製時の加温が不要となり有
用性が向上したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 31/22 A61P 31/22 (72)発明者 藤井 啓達 東京都新宿区四谷一丁目7番地 持田製薬 株式会社内 (72)発明者 井上 寿文 東京都新宿区四谷一丁目7番地 持田製薬 株式会社内 Fターム(参考) 4C076 AA29 BB11 CC35 DD22 DD24 DD30 DD38 DD43 DD43Z DD51Z DD60Z FF33 FF61 GG07 GG47 4C086 AA01 AA02 EA18 MA03 MA05 MA44 MA66 NA02 NA04 ZB33

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ビダラビンと、(b)ビダラビンを
    安定化させるのに十分な量の少なくとも一種の医薬上使
    用可能な緩衝剤とを含有し、ビダラビン300mgあた
    り250mLの生理食塩液に再溶解時のpH値がpH=
    2.5〜3.7に調製されることを特徴とする注射用乾
    燥製剤。
  2. 【請求項2】ビダラビン300重量部あたり80重量部
    以上の緩衝剤を含有してなる請求項1に記載の注射用乾
    燥製剤。
  3. 【請求項3】(a)ビダラビンと、(b)ビダラビン3
    00重量部あたり80重量部以上の少なくとも一種の医
    薬上使用可能な緩衝剤とを含有し、ビダラビン300m
    gあたり250mLの生理食塩液に25℃において5分
    以内に再溶解することを特徴とする注射用乾燥製剤。
  4. 【請求項4】緩衝剤のpKa値が、pKa=1.5〜
    4.7であることを特徴とする請求項1から3のいずれ
    かに記載の注射用乾燥製剤。
  5. 【請求項5】緩衝剤として、グリシン、ニコチン酸アミ
    ドおよびサリチル酸ナトリウムからなる群より選ばれた
    一種以上を含有してなる請求項1から4のいずれかに記
    載の注射用乾燥製剤。
  6. 【請求項6】緩衝剤として、ビダラビン300重量部あ
    たり80重量部以上のニコチン酸アミドを含有してなる
    請求項1から5のいずれかに記載の注射用乾燥製剤。
  7. 【請求項7】緩衝剤として、ビダラビン300重量部あ
    たり200重量部以上のグリシンを含有してなる請求項
    1から5のいずれかに記載の注射用乾燥製剤。
  8. 【請求項8】緩衝剤として、ビダラビン300重量部あ
    たり200重量部以上のサリチル酸ナトリウムを含有し
    てなる請求項1から5のいずれかに記載の注射用乾燥製
    剤。
  9. 【請求項9】pH調整剤として無機酸を含有してなる請
    求項1から8のいずれかに記載の注射用乾燥製剤。
  10. 【請求項10】さらに賦形剤を含有してなる請求項1か
    ら9のいずれかに記載の注射用乾燥製剤。
  11. 【請求項11】さらに抗酸化剤を含有してなる請求項1
    から10のいずれかに記載の注射用乾燥製剤。
  12. 【請求項12】(a)ビダラビンと、(b)グリシン、
    ニコチン酸アミドおよびサリチル酸ナトリウムからなる
    群より選ばれた一種以上の緩衝剤をビダラビン300重
    量部あたり80重量部以上と、(c)ビダラビン100
    重量部あたり0.1〜800重量部の賦形剤と、(d)
    ビダラビン100重量部あたり0.1〜80重量部の抗
    酸化剤とを含有し、ビダラビン300mgあたり250
    mLの生理食塩液に再溶解時のpH値がpH=2.5〜
    3.7に調製されることを特徴とする注射用乾燥製剤。
  13. 【請求項13】ビダラビン、緩衝剤およびその他の成分
    の一部または全部を酸溶液に溶解する工程、緩衝剤およ
    びその他の成分の残りまたは全部を塩基溶液に溶解する
    工程、それぞれ無菌ろ過した後または無菌ろ過しなが
    ら、両液を混合し撹拌して調製液とする工程、この調製
    液を容器に充填し凍結乾燥する工程を具備する請求項1
    から12のいずれかに記載の注射用乾燥製剤の製造方
    法。
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