JP2000229882A - 修飾シクロデキストリン含有トロンビン水性液剤 - Google Patents

修飾シクロデキストリン含有トロンビン水性液剤

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JP2000229882A
JP2000229882A JP11351387A JP35138799A JP2000229882A JP 2000229882 A JP2000229882 A JP 2000229882A JP 11351387 A JP11351387 A JP 11351387A JP 35138799 A JP35138799 A JP 35138799A JP 2000229882 A JP2000229882 A JP 2000229882A
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thrombin
cyclodextrin
aqueous
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JP11351387A
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Kunio Hata
邦雄 端
Masaru Murano
まさる 村野
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Sankyo Co Ltd
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Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安定性に優れ、かつ、使用時の手間の少ない、
トロンビン水性液剤を提供することを目的とする。 【解決手段】ヒドロキシプロピルシクロデキストリン等
の修飾シクロデキストリン含有トロンビン水性液剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、修飾シクロデキス
トリン含有トロンビン水性液剤に関する。
【0002】
【従来の技術】トロンビンは、タンパク分解酵素の1種
であり、フィブリノーゲンをフィブリンに変換する機能
を有する。また、フィブリンは、血液凝固を促進する機
能を有する。
【0003】従って、トロンビンを生体に局所投与すれ
ば、生体内でフィブリンが生成し、通常の結紮により止
血できない小血管、毛細血管や臓器からの出血を停止す
ることができるので、実際、トロンビンは、外創傷時や
手術時に広く使用されている(薬科学大辞典第2版、廣
川書店、1000ページ参照)。
【0004】また、血漿中のフィブリノーゲン量の測定
は、臨床検査項目の一つであり、該検査のためにも、ト
ロンビンは使用されている(三共株式会社製品;フィブ
リノーゲンテスト「三共」等)。
【0005】しかしながら、トロンビン水性液剤は、常
温でも、低温でも不安定であるため、凍結乾燥製剤を用
時調製して用いるのが、一般的であった(三共株式会社
製品;フィブリノーゲンテスト「三共」、トロンビン局
所溶液等)。しかし、一般に凍結乾燥製剤は水性液剤に
比べ使用時の操作が煩雑であるといった欠点がある。
【0006】一方、トロンビン水性液剤を安定化させる
試みとして、ポリオール(例えば、グリセロール)のよう
なポリヒドロキシ化合物を使用する方法が知られている
が(特開昭62−106028号)、これらを低濃度で
使用した場合には、得られたトロンビン水性液剤の安定
性は、未だ十分満足のいくものではないと考えられ、ま
た、高濃度で使用すれば、安定性は上がるものの、特
に、フィブリノーゲン測定用試薬には、直線範囲の狭い
検量線しか得られないため、適さないと考えられる。
【0007】また、未修飾のシクロデキストリンを、タ
ンパク質の水性液剤の安定化のために用いることは知ら
れている(特開昭59−104456号)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前述の
凍結乾燥製剤や水性液剤に内在する欠点を克服すべく、
鋭意努力した結果、修飾シクロデキストリンを含有した
水性液剤が、新規かつ有用なトロンビン水性液剤となり
得ることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、修飾シクロデ
キストリン含有トロンビン水性液剤に関する。また、本
発明は、止血又はフィブリノーゲン量測定のための修飾
シクロデキストリン含有トロンビン水性液剤に関する。
【0010】さらに、本発明は、修飾シクロデキストリ
ン含有トロンビン水性液剤の止血又はフィブリノーゲン
量測定のための使用である。
【0011】該「修飾シクロデキストリン含有トロンビ
ン水性液剤」とは、トロンビンを主剤とし、修飾シクロ
デキストリンをその安定化剤として含有する、水性液剤
である。
【0012】該「修飾シクロデキストリン含有トロンビ
ン水性液剤」における「修飾シクロデキストリン」と
は、α―シクロデキストリン、β―シクロデキストリン
又はγ―シクロデキストリンの誘導体であり、より具体
的には、シクロデキストリン上に存在する水酸基の一部
又は全部が化学修飾されたものであり、例えば、アルキ
ル化シクロデキストリン(例えば、ジメチル−α−シク
ロデキストリン、ジメチル−β−シクロデキストリン、
ジメチル−γ−シクロデキストリン);ヒドロキシアル
キル化シクロデキシトリン(例えば、ヒドロキシプロピ
ル−α−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β
−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シク
ロデキストリン);スルホアルキル付加シクロデキスト
リン(例えば、スルホブチルエーテル−α−シクロデキ
ストリン、スルホブチルエーテル−β−シクロデキスト
リン、スルホブチルエーテル−γ−シクロデキストリ
ン);分岐シクロデキストリン(例えば、マルトシル−
α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキ
ストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン);シ
クロデキストリンポリマー等をいい、好適には、ヒドロ
キシアルキル化シクロデキシトリン及びスルホアルキル
付加シクロデキストリンであり、さらに好適には、ヒド
ロキシプロピル−β−シクロデキストリン及びスルホブ
チルエーテル−β−シクロデキストリンである。
【0013】該「修飾シクロデキストリン含有トロンビ
ン水性液剤」における「トロンビン」は、α−トロンビ
ン若しくはその分解物であるβ−トロンビン又はα−ト
ロンビンの前駆体であるプロトロンビンであり、好適に
は、α−トロンビンである。
【0014】該「修飾シクロデキストリン含有トロンビ
ン水性液剤」における「水性液剤」とは、水性溶剤を使
用した液剤であり、該水性溶剤としては、注射用蒸留
水、イオン交換樹脂又は蒸留によって精製された精製
水、該精製水を滅菌した滅菌精製水等があげられ、好適
には、注射用蒸留水である。
【0015】本発明の修飾シクロデキストリン含有トロ
ンビン水性液剤における、トロンビンの含量は、通常、
トロンビンを水性液剤として調製し、使用する際の含量
であれば、特に限定はないが、止血剤として使用する場
合には、好適には、500乃至2000単位/mlであ
り、測定試薬として使用する場合には、好適には、50
乃至300単位/mlである。
【0016】本発明の修飾シクロデキストリン含有トロ
ンビン水性液剤における、修飾シクロデキストリンの含
量は、通常、トロンビン100単位に対し、0.05乃
至100mgであり、好適には、0.1乃至10mgで
ある。
【0017】本発明の修飾シクロデキストリン含有トロ
ンビン水性液剤は、所望のpHを得、かつ、そのpHを
一定に保つために、緩衝剤及びpH調節剤を含有するこ
とができる。
【0018】かかる目的のために使用される緩衝剤とし
ては、通常使用されるものであれば、特に制限はない
が、例えば、クエン酸、酒石酸、マレイン酸等の有機カ
ルボン酸類のナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金
属塩;リン酸、ホウ酸のような無機酸類のナトリウム
塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;グリシン、アラニ
ン等のアミノ酸類のナトリウム塩、カリウム塩等のアル
カリ金属塩等があげられ、フィブリノーゲン測定のため
の水性液剤の場合には、2−(N−モルホリノ)エタン
スルホン酸(MES)、N−(2−アセトアミド)−2
−アミノエタンスルホン酸(ACES)、N,N−ビス
(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンスルホン
酸(BES)、3−(N−モルホリノ)プロパン酸(M
OPS)、N−トリス(ヒドロキシメチル)−メチル−
2−アミノスルホン酸(TES)、N−2−ヒドロキシ
エチルピペラジン−N'−2−エタンスルホン酸(HE
PES)等のいわゆるグッドバッファーも含まれ、好適
には、止血に用いる場合には、クエン酸ナトリウム又は
リン酸ナトリウムであり、フィブリノーゲン量測定に用
いる場合には、これらに加えて、2−(N−モルホリ
ノ)エタンスルホン酸も好適である。
【0019】また、かかる目的のために使用されるpH
調節剤としては、通常使用されるものであれば、特に制
限はないが、例えば、塩酸、硫酸等の無機酸類;クエン
酸、蓚酸等の有機酸類;水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウムのようなアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、
炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナ
トリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸
水素塩;アルギニン、リジンのような有機塩基類があげ
られ、用いた緩衝剤に対応する、酸及びアルカリ金属水
酸化物が好適である。
【0020】さらに、該緩衝剤の濃度は、一般に水性液
剤で使用される範囲であれば、特に限定はないが、好適
には、1乃至200mMであり、さらに好適には、2乃
至50mM、最も好適には、2乃至10mMである。
【0021】本発明の修飾シクロデキストリン含有トロ
ンビン水性液剤のpHは、該水性液剤のトロンビンの安
定化効果が得られる範囲内であれば、特に制限はない
が、好適には、5.0乃至8.0であり、さらに好適に
は、5.5乃至6.5である。
【0022】本発明の修飾シクロデキストリン含有トロ
ンビン水性液剤を、フィブリノーゲン量の測定のために
用いる場合には、フィブリンの生成反応の時間を調節す
るために、塩化ナトリウムや塩化カリウムのようなアル
カリ金属塩化物、または塩化カルシウムや塩化マグネシ
ウムのようなアルカリ土類金属塩化物を含有することが
できる。止血のために用いる場合にも、フィブリンの生
成反応の時間を調節するために、塩化ナトリウムを含有
することができる。
【0023】本発明の修飾シクロデキストリン含有トロ
ンビン水性液剤は、通常、水性液剤に使用する添加剤を
含有することもでき、該添加剤としては、例えば、溶存
酸素を除去することを目的として使用される窒素、二酸
化炭素のような不活性ガス類、亜硫酸水素ナトリウム、
ピロ亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ロンガリ
ット、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸(すなわ
ち、D−アラボアスコルビン酸)のような抗酸化剤、E
DTA、チオグリコール酸、チオグリセリンのようなキ
レート化合物等の安定剤;パラオキシ安息香酸エステ
ル、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェノー
ル、塩化ベンザルコニウム、チメロサール、硝酸フェニ
ル水銀、アジ化ナトリウム等の保存剤をあげることがで
きるが、これらに限定されない。
【0024】本発明の(1)修飾シクロデキストリンを
含有するトロンビン水性液剤のうち、好適なものとして
は、以下のものをあげることができる:(2)該修飾シ
クロデキストリンが、ヒドロキシアルキル化シクロデキ
シトリン又はスルホアルキル付加シクロデキストリンで
ある、修飾シクロデキストリンを含有するトロンビン水
性液剤、(3)該修飾シクロデキストリンが、ヒドロキ
シプロピル−β−シクロデキストリン又はスルホブチル
−β−シクロデキストリンである、修飾シクロデキスト
リンを含有するトロンビン水性液剤、(4)緩衝剤及び
pH調節剤を含有する、修飾シクロデキストリンを含有
するトロンビン水性液剤、(5)緩衝剤が、リン酸二水
素ナトリウムであり、pH調節剤が、水酸化ナトリウム
である、(4)のトロンビン水性液剤、(6)緩衝剤
が、クエン酸ナトリウムであり、pH調節剤が、水酸化
ナトリウムである、(4)のトロンビン水性液剤、
(7)pHが、5.0乃至8.0に調節された、(5)
乃至(6)のトロンビン水性液剤、(8)pHが、5.
5乃至6.5に調節された、(5)乃至(6)のトロン
ビン水性液剤、(9)アルカリ金属塩化物を含有する、
(2)乃至(8)の修飾シクロデキストリンを含有する
トロンビン水性液剤、(10)アルカリ土類金属塩化物
を含有する、(2)乃至(8)の修飾シクロデキストリ
ンを含有するトロンビン水性液剤、(11)アルカリ金
属塩化物が、塩化ナトリウムである、(9)のトロンビ
ン水性液剤、(12)アルカリ土類金属塩化物が、塩化
カルシウムである、(10)のトロンビン水性液剤、
(13)フィブリノーゲン量の測定のための、(2)乃
至(12)のいずれかひとつに記載の修飾シクロデキス
トリンを含有するトロンビン水性製剤、(14)止血の
ための、(2)乃至(12)のいずれかひとつに記載の
修飾シクロデキストリンを含有するトロンビン水性製
剤。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明に使用する修飾シクロデキ
ストリンは、以下の文献に記載の方法に準じて得られ
る。例えば、天然型シクロデキストリンは、でんぷんを
シクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼによ
り分解、再編成することにより製造できる(Inst. Phys.
Chem. Res., Jpn. Maize Prod. Co.; Belg. Pat. 883,
579, 1980)。修飾シクロデキストリンは、得られた天
然型シクロデキストリンを化学的修飾することにより製
造できる(Croft A. P. and Bartsch R. A.; Tetrahedro
n39, 1417, 1983: Synthesis of chemically modified
cyclodextrins)。
【0026】また、該修飾シクロデキストリンは市販品
(α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、
γ−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルシクロデ
キストリンおよびジメチルシクロデキストリンは日本食
品加工株式会社等から購入することができる。また分岐
シクロデキストリンの一つであるマルトシル−α−シク
ロデキストリンおよびマルトシル−β−シクロデキスト
リンは塩水港株式会社から購入することができる。アル
キル化シクロデキストリン、アシル化シクロデキストリ
ン、ヒドロキシプロピル化シクロデキストリン、カルボ
キシアルキル化シクロデキストリン、シクロデキストリ
ンポリマーはサイクロラボリミテッドから購入できる。
またヒドロキシプロピル−α−シクロデキストリンはワ
ッカーケミカルズリミテッドから、スルホブチルエーテ
ル−β−シクロデキストリンはサイデックスインコーポ
レ−ティドからそれぞれ購入することができる。)を入
手して使用使することができる。
【0027】本発明に用するトロンビンは、日本薬局方
第13局解説書のトロンビンの製法の項を参照すること
により得ることができる。
【0028】また、トロンビンは市販品(伊藤ハム株式
会社製品、ワーナーランバート株式会社製品等)を入手
して使用することができる。
【0029】本発明の水性溶剤は、以下に記載される方
法により製造することができるが、本発明は、該製造方
法により製造されるものに限定されない。 (工程1)緩衝液のpHの調製 濃度が1乃至200mM(好適には、2乃至50mM、
さらに好適には、2乃至10mM)の緩衝剤を含有した
水性溶剤に、pH調節剤を加えて、所望のpHとする。 (工程2)トロンビン水性液剤の調製 工程1で調製された緩衝液に、所望の量のトロンビン及
び修飾シクロデキストリンを加え、さらに、所望により
添加剤を加えて、本発明のトロンビン水性液剤を調製す
る。
【0030】本発明の水性液剤中の、トロンビン力価と
しては、通常は10乃至10,000単位/mlであ
り、止血剤として用いる場合には、好適には、500乃
至2000単位/mlであり、フィブリノーゲン測定用
試薬として用いる場合には、好適には、50乃至300
単位である。
【0031】本発明の水性液剤中の、シクロデキストリ
ン類の濃度は、トロンビンの力価に依存するが、通常、
トロンビン100単位に対し、0.05乃至100mg
であり、好適には、0.1乃至50mgであり、さらに
好適には、0.1乃至10mgである。
【0032】本発明の修飾シクロデキストリン含有トロ
ンビン水性液剤は、止血を目的として、人を含む温血動
物に使用され、又は、フィブリノーゲン量の測定を目的
として、試験管内等で使用される。
【0033】温血動物に使用される場合、その投与形態
としては、病態組織への局所注射、同所への噴霧又は灌
注、特に上部消化管での止血をする場合には経口投与等
があげられ、その投与量は、病状の度合いにより異なる
が、通常、トロンビン力価で50乃至1000単位/m
lに生理食塩水で希釈された水性液剤を局所注射、噴霧
又は灌注するか、撒布する。上部消化管出血の場合に
は、通常使用される適当な緩衝剤で希釈した液(通常、
トロンビン力価で200乃至400単位/ml)を経口
投与する。
【0034】注射又は灌注用水性液剤は、単位投与用ア
ンプルまたは多投与量容器中で提供される。該液剤は、
通常、注射剤で使用される、等張化剤(例えば塩化ナト
リウム、グルコース、マンニトール、サッカロース等の
糖類)、安定化剤(例えばグリセリン、プロピレングリ
コール等の多価アルコール)、無痛化剤(例えばアルブ
ミン、グリセリン、プロピレングリコール等の多価アル
コール、リドカイン塩酸塩、ベンジルアルコールな
ど)、保存剤(例えばパラオキシ安息香酸エステル類、
塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、ベンジルア
ルコールなど)等の添加剤を含んでもよい。また、通
常、発熱物質を含まない滅菌水やエタノール等の有機溶
媒を含む水性液剤を分散媒または溶媒とした溶液製剤と
して使用する。
【0035】噴霧用水性液剤は、単位投与用アンプルま
たは多投与量容器中で提供される。該液剤は、通常、注
射剤で使用される、安定化剤(例えばグリセリン、プロ
ピレングリコール等の多価アルコール)、保存剤(例え
ばパラオキシ安息香酸エステル類、塩化ベンザルコニウ
ム、クロロブタノール、ベンジルアルコールなど)等の
添加剤を含んでもよい。また、通常、発熱物質を含まな
い滅菌水やエタノール等の有機溶媒を含む水性液剤を分
散媒または溶媒とした溶液製剤として使用する。
【0036】経口投与用水性液剤は、単位投与用アンプ
ルまたは多投与量容器中で提供される。該液剤は、通
常、経口投与用水性製剤で使用される、安定化剤(例え
ばグリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコー
ル)、保存剤(例えばパラオキシ安息香酸エステル類、
塩化ベンザルコニウムなど)、矯味剤(例えば白糖、果
糖、ブドウなど)、矯臭剤等の添加剤を含んでもよい。
また、通常、発熱物質を含まない滅菌水やエタノール等
の有機溶媒を含む水性液剤を分散媒または溶媒とした溶
液製剤として使用する。
【0037】フィブリノーゲン量の測定のために使用す
る場合、本発明の修飾シクロデキストリン含有トロンビ
ン水性液剤を、単位使用用アンプル又はバイアルに、ト
ロンビン力価で500乃至2000単位含有するよう
に、小分けしたものをそのまま、フィブリノーゲン測定
の公知の方法であるトロンビン時間法(血漿中のフィブ
リノーゲンは、トロンビンの作用により、フィブリンに
転換しフィブリン塊を形成する。このフィブリン塊形成
時間は、フィブリノーゲンの濃度に逆比例する。血漿中
に一定量のトロンビンを加え、そのフィブリン塊の形成
時間から血漿中のフィブリノーゲン濃度を求める方法:
三共株式会社製品;フィブリノーゲンテスト「三共」添
付文書参照)で使用することができる。
【0038】
【実施例】次に実施例等を用いて本発明を説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。 (トロンビン局所用液の調製) (実施例1)りん酸二水素ナトリウム水溶液(10m
M)のpHを、1N−水酸化ナトリウムを用いて、6.
0に調整した。得られた液に、トロンビン(10万単
位)、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン
(0.4g)、塩化ナトリウム(0.9g)を順次加
え、溶解し、全量100mlの溶液を得た。 (実施例2)クエン酸水溶液(20mM)のpHを、1
N−水酸化ナトリウムを用いて、6.5に調整した。得
られた液に、トロンビン(50万単位)、マルトシル−
β−シクロデキストリン(0.5g)、塩化ナトリウム
(0.9g)を順次加え、溶解し、全量100mlの溶
液を得た。上記実施例1及び2で得られた溶液を5ml
ずつ、10mlバイアル瓶に小分けし、トロンビン局所
用液を製造した。 (フィブリノーゲン測定用試薬の調製) (実施例3)2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸
水溶液(10mM)のpHを、0.1N−水酸化ナトリ
ウムを用いて、6.0に調整した。得られた液に、トロ
ンビン(1万単位)、スルホブチルエーテル−β−シク
ロデキストリン(0.4g)、塩化ナトリウム(2.0
g)、塩化カルシウム(0.2g)を順次加え、溶解
し、全量100mlの溶液を得た。 (実施例4)2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸
水溶液(10mM)のpHを、0.1N−水酸化ナトリ
ウムを用いて、6.2に調整した。得られた液に、トロ
ンビン(2万単位)、ヒドロキシプロピル−α−シクロ
デキストリン(0.2g)、塩化ナトリウム(2.0
g)、塩化カルシウム(0.2g)を順次加え、溶解
し、全量100mlの溶液を得た。 (実施例5)2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸
水溶液(10mM)のpHを、0.1N−水酸化ナトリ
ウムを用いて、6.0に調整した。得られた液に、トロ
ンビン(1万単位)、マルトシル−β−シクロデキスト
リン(0.4g)、塩化ナトリウム(2.0g)、塩化
カルシウム(0.2g)を順次加え、溶解し、全量10
0mlの溶液を得た。 (実施例6)2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸
水溶液(10mM)のpHを、0.1N−水酸化ナトリ
ウムを用いて、6.0に調製した。得られた液にトロン
ビン(1万単位)、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキ
ストリン(0.4g)、塩化ナトリウム(2.0g)、
塩化カルシウム(0.2g)を順次加え、溶解し、全量
100mlの溶液を得た。
【0039】上記実施例3乃至6で得られた溶液を5m
lずつ、10mlスクリューキャップ付茶瓶に小分け
し、フィブリノーゲン測定用試薬を製造した。 (試験例1)フィブリノーゲン測定用試薬の経時的安定
性試験 実施例4及び5で得られたフィブリノーゲン測定用試薬
を、5℃で、12ヶ月放置後、トロンビン残存量を、ベ
クトンーデッキンソン社製のフィブロシステム簡易測定
機で測定した。
【0040】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 着色 沈殿 トロンビン残存率(%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例4 なし なし 88 実施例5 なし なし 89 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例4及び5のいずれの水性液剤も高いトロンビン残
存率を示し、かつ、肉眼観察による外観検査において
も、作成時と比し、変化は認められなかった。
【0041】
【発明の効果】本発明の修飾シクロデキストリン含有ト
ロンビン水性液剤は、安定性に優れており、かつ、凍結
乾燥製剤の欠点である使用時の手間も少ないので、トロ
ンビン局所用液剤及びフィブリノーゲン測定用試薬とし
て有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G01N 33/48 G01N 33/48 K

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】修飾シクロデキストリンを含有するトロン
    ビン水性液剤。
  2. 【請求項2】修飾シクロデキストリンが、ヒドロキシア
    ルキル化シクロデキシトリン又はスルホアルキル付加シ
    クロデキストリンである、請求項1に記載のトロンビン
    水性液剤。
  3. 【請求項3】修飾シクロデキストリンが、ヒドロキシプ
    ロピル−β−シクロデキストリン又はスルホブチルエー
    テル−β−シクロデキストリンである、請求項1または
    2に記載のトロンビン水性液剤。
  4. 【請求項4】緩衝剤及びpH調節剤を含有する、請求項
    1乃至3のいずれか1つに記載のトロンビン水性液剤。
  5. 【請求項5】緩衝剤がリン酸二水素ナトリウムであり、
    pH調節剤が水酸化ナトリウムである、請求項4に記載
    のトロンビン水性液剤。
  6. 【請求項6】緩衝剤がクエン酸ナトリウムであり、pH
    調節剤が水酸化ナトリウムである、請求項4に記載のト
    ロンビン水性液剤。
  7. 【請求項7】pHが、5.0乃至8.0に調節された、
    請求項1乃至6のいずれかひとつに記載のトロンビン水
    性液剤。
  8. 【請求項8】pHが、5.5乃至6.5に調節された、
    請求項1乃至7のいずれかひとつに記載のトロンビン水
    性液剤。
  9. 【請求項9】アルカリ金属塩化物を含有する、請求項1
    乃至8のいずれかひとつに記載のトロンビン水性液剤。
  10. 【請求項10】アルカリ土類金属塩化物を含有する、請
    求項1乃至8のいずれかひとつに記載のトロンビン水性
    液剤。
  11. 【請求項11】アルカリ金属塩化物が、塩化ナトリウム
    である、請求項9に記載のトロンビン水性液剤。
  12. 【請求項12】アルカリ土類金属塩化物が、塩化カルシ
    ウムである、請求項10に記載のトロンビン水性液剤。
  13. 【請求項13】フィブリノーゲン量の測定のための、請
    求項1乃至12のいずれかひとつにに記載のトロンビン
    水性製剤。
  14. 【請求項14】止血のための、請求項1乃至12のいず
    れかひとつに記載のトロンビン水性製剤。
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