JP2002200487A - 排水処理装置及び排水処理方法 - Google Patents

排水処理装置及び排水処理方法

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JP2002200487A
JP2002200487A JP2001329249A JP2001329249A JP2002200487A JP 2002200487 A JP2002200487 A JP 2002200487A JP 2001329249 A JP2001329249 A JP 2001329249A JP 2001329249 A JP2001329249 A JP 2001329249A JP 2002200487 A JP2002200487 A JP 2002200487A
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wastewater treatment
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正博 井関
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率的にリンの除去及び窒素の除去を行うこ
とができると共に、装置の小型化及びコストの低減を図
ることができる排水処理装置を提供する。 【解決手段】 本発明の排水処理装置1は、排水処理室
4と、この排水処理室4内の排水中に少なくとも一部が
浸漬するように設けられ、少なくとも一方が排水中のリ
ン酸イオンを沈殿除去するための鉄イオン又はアルミニ
ウムイオンを電気分解により溶出する少なくとも一組の
電極5、6と、該一組の電極5、6に電解用電流を供給
するための電源7と、電源7を制御するための制御装置
8と、一組の電極5、6の少なくとも他方の電極5、6
近傍に設けられ、排水中で電極から発生する水素による
脱窒反応に作用する金属触媒9、10とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リン酸やリン化合
物及びリン酸イオンや有機態窒素、亜硝酸態窒素、硝酸
態窒素、硝酸イオン及びアンモニアを含む排水の排水処
理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】川や湖の富栄養化の原因の1つにリン化
合物や窒素化合物の存在があることは周知である。ま
た、このリン化合物や窒素化合物は一般家庭の生活排水
中に多く存在するが、浄化処理が困難なものであり、有
効な対策がとれないのが現状である。
【0003】リン化合物の処理装置は種々提案されてい
るが、家庭排水については鉄の電解溶出法が知られてい
る(特開平3−89998号公報)。この技術は、排水
中のリン酸イオンを鉄イオンと反応させ水不溶性の塩、
例えばFePO4やFe(OH)X(PO4Yとして凝縮
沈殿させて除去しようとする技術であり、電解槽中に設
置された鉄製の電極に通電して排水中に鉄イオンを溶出
させるものである。そして、係る電解溶出法を用いた排
水処理装置として、例えば嫌気槽、好気槽及び処理水槽
から成り、該処理水槽の排水を、リン酸イオンと反応す
る鉄イオンを溶出する処理槽を介して、嫌気槽に循環す
るように構成されたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記嫌気槽では、この
嫌気槽にしか存在しない脱窒素細菌が生息しているた
め、循環してきた排水中の硝酸イオンや亜硝酸イオンを
窒素ガスに還元して排水中から窒素を除去している。し
かしながら、前記脱窒素細菌での脱窒反応では、反応時
間が遅いため、処理効率が低下する問題があった。ま
た、十分な脱窒素細菌を保有するためには、大容量の嫌
気槽が必要となり、設備建設コストの高騰、装置設置面
積の増大を招く問題があった。更に、脱窒素細菌は、特
に、冬場になると、活動が低下するため、脱窒素作用が
低下し、処理効率が不安定となる問題があった。
【0005】そこで、上記技術的課題を解決するため
に、図2に示す如く、嫌気槽100内に図示しない水素
ボンベから水素を散気板101を介して嫌気槽100内
に供給し、係るH2ガス存在下で、還元触媒102を触
媒とする接触還元処理があり、これにより、安定かつ効
率的に脱窒処理がされる方法が考えられている。また、
この他にも、アルカリ溶液中における亜鉛などの金属の
反応を用いるなどの方法が考えられている。
【0006】しかしながら、上記種々の脱窒処理では、
装置が複雑化し、装置のコストの高騰を招く問題があっ
た。また、pH調整用の薬剤投与を必要とする方法もあ
り、メンテナンスの面で煩雑化する問題があった。
【0007】そこで、本発明は従来の技術的課題を解決
するために成されたものであり、効率的にリンの除去及
び窒素の除去を行うことができると共に、装置の小型化
及びコストの低減を図ることができる排水処理装置を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の排水処理装置
は、排水処理室と、この排水処理室内の排水中に少なく
とも一部が浸漬するように設けられ、少なくとも一方が
排水中のリン酸イオンを沈殿除去するための鉄イオン又
はアルミニウムイオンを電気分解により溶出する少なく
とも一組の電極と、該一組の電極に電解用電流を供給す
るための電源と、該電源を制御するための制御部と、一
組の電極の少なくとも他方の電極近傍に設けられ、排水
中で電極から発生する水素による脱窒反応に作用する金
属触媒とを備えることを特徴とする。
【0009】本発明によれば、排水処理室と、この排水
処理室内の排水中に少なくとも一部が浸漬するように設
けられ、少なくとも一方が排水中のリン酸イオンを沈殿
除去するための鉄イオン又はアルミニウムイオンを電気
分解により溶出する少なくとも一組の電極と、該一組の
電極に電解用電流を供給するための電源と、該電源を制
御するための制御部と、一組の電極の少なくとも他方の
電極近傍に設けられ、排水中で水素による脱窒反応に作
用する金属触媒とを備えたので、鉄イオン又はアルミニ
ウムイオンが電気分解により溶出する電極側で、リン酸
イオンの沈殿除去を行うことができるようになると共
に、他方の電極側で、電極から発生する水素による脱窒
反応に作用する金属触媒により窒素の除去を行うことが
でき、リンの除去と窒素の除去を合わせて行うことがで
きるようになる。
【0010】また、本発明による排水処理装置は、排水
収納室と、少なくとも一組の電極と、電源と、制御部及
び金属触媒とによって構成されているため、装置が単純
なものとなり、装置の小型化及びコストの低減を図るこ
とができる。更に、本発明による排水処理装置では、従
来の如く脱窒反応に使用される生体触媒や排水収納槽内
のpHを調整する薬剤を使用しないため、排水処理を行
う環境に影響されることなく、排水の処理を行うことが
できるようになる。
【0011】また、従来の排水処理装置と比して、処理
後の汚泥の生成量を著しく減少させることができるよう
になる。
【0012】請求項2の発明の排水処理装置は、請求項
1の発明に加えて、一組の電極の双方を、排水中のリン
酸イオンを沈殿除去するための鉄イオン又はアルミニウ
ムイオンを電気分解により溶出する電極とすると共に、
各電極の近傍に金属触媒をそれぞれ設け、制御部により
定期的に前記電極の極性を反転させることで、極性がア
ノードになった電極側で鉄イオン又はアルミニウムイオ
ンによるリン酸イオンの除去を行い、極性がカソードに
なった電極側で前記金属触媒のもと、電極から発生する
水素による脱窒反応による窒素の除去を行うことを特徴
とする。
【0013】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
に加えて、一組の電極の双方を、排水中のリン酸イオン
を沈殿除去するための鉄イオン又はアルミニウムイオン
を電気分解により溶出する電極とすると共に、各電極の
近傍に金属触媒をそれぞれ設け、制御部により定期的に
前記電極の極性を反転させることで、極性がアノードに
なった電極側で鉄イオン又はアルミニウムイオンによる
リン酸イオンの除去を行い、極性がカソードになった電
極側で金属触媒のもと、電極から発生する水素による脱
窒反応による窒素の除去を行うので、前記一組の電極
は、制御部によって電極の極性を定期的に反転させるた
め、一方の電極のみが溶出し、早期に電極が消耗又は不
働体化してしまう不都合を未然に回避することができる
ようになる。
【0014】請求項3の発明の排水処理方法は、排水処
理室内において、排水中に少なくとも一部が浸漬するよ
うに設け、少なくとも一方が排水中のリン酸イオンを沈
殿除去するための鉄イオン又はアルミニウムイオンを電
気分解により溶出する少なくとも一組の電極を備え、該
一組の電極に電解用電流を供給し、該電解用電流を制御
するための制御部を備え、一組の電極の少なくとも他方
の電極近傍に設けられると共に、排水中で電極から発生
する水素による脱窒反応に作用する金属触媒とを備える
ことを特徴とする。
【0015】請求項3の発明によれば、排水処理室内に
おいて、排水中に少なくとも一部が浸漬するように設
け、少なくとも一方が排水中のリン酸イオンを沈殿除去
するための鉄イオン又はアルミニウムイオンを電気分解
により溶出する少なくとも一組の電極を備え、該一組の
電極に電解用電流を供給し、該電解用電流を制御するた
めの制御部を備え、一組の電極の少なくとも他方の電極
近傍に設けられると共に、排水中で電極から発生する水
素による脱窒反応に作用する金属触媒とを備えるので、
鉄イオン又はアルミニウムイオンが電気分解により溶出
する電極側で、リン酸イオンの沈殿除去を行うことがで
きるようになると共に、他方の電極側で、電極から発生
する水素による脱窒反応に作用する金属触媒により窒素
の除去を行うことができ、リンの除去と窒素の除去を合
わせて行うことができるようになる。
【0016】また、本発明による排水処理方法によれ
ば、従来の如く脱窒反応に使用される生体触媒や排水収
納槽内のpHを調整する薬剤を使用しないため、排水処
理を行う環境に影響されることなく、排水の処理を行う
ことができるようになる。
【0017】また、従来の排水処理方法と比して、処理
後の汚泥の生成量を著しく減少させることができるよう
になる。
【0018】請求項4の発明は、請求項1、請求項2又
は請求項3の排水処理装置又は排水処理方法に加えて、
金属触媒は、銅原子で修飾した貴金属又は銅によって構
成することを特徴とする。
【0019】請求項4の発明によれば、請求項1、請求
項2又は請求項3の排水処理装置又は排水処理方法に加
えて、金属触媒は、銅原子で修飾した貴金属又は銅によ
って構成するので、鉄イオン又はアルミニウムイオンが
電気分解により溶出する電極側で、リン酸イオンの沈殿
除去を行うことができるようになると共に、他方の電極
側で、電極から発生する水素による脱窒反応に作用する
金属触媒により窒素の除去を行う際の窒素の除去効率を
向上させることができるようになる。
【0020】請求項5の発明は、請求項1、請求項2又
は請求項3の排水処理装置又は排水処理方法に加えて、
金属触媒は、すず原子で修飾した貴金属又はすずによっ
て構成することを特徴とする。
【0021】請求項5の発明によれば、請求項1、請求
項2又は請求項3の排水処理装置又は排水処理方法に加
えて、金属触媒は、すず原子で修飾した貴金属又はすず
によって構成するので、鉄イオン又はアルミニウムイオ
ンが電気分解により溶出する電極側で、リン酸イオンの
沈殿除去を行うことができるようになると共に、他の電
極側で、電極から発生する水素による脱窒反応に作用す
る金属触媒により窒素の除去を行う際の窒素の除去効率
を向上させることができるようになる。
【0022】請求項6の発明は、請求項1、請求項2、
請求項3、請求項4又は請求項5の排水処理装置又は排
水処理方法に加えて、電極間に隔膜を設けることを特徴
とする。
【0023】請求項6の発明によれば、請求項1、請求
項2、請求項3、請求項4又は請求項5の排水処理装置
又は排水処理方法に加えて、電極間に隔膜を設けたの
で、より一層脱窒反応による窒素の除去効率を向上させ
ることができるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態を詳述する。図1は本発明のリン酸イオン及び硝
酸イオン含有排水の処理装置の一実施の形態を示す説明
図を示している。本発明の排水処理装置1は、図示しな
い排水の流入口と流出口を有する排水処理室4と、該処
理室4内の排水中に少なくとも一部が浸漬するように対
抗して配置される一対の電極5、6と、該電極5、6に
通電するための電源7と、該電極7を制御するための制
御装置8と、それぞれの電極5、6近傍に設けられる金
属触媒9、10とから構成されている。この金属触媒
9、10は、例えば白金と銅の合金により構成されてお
り、係る金属触媒9、10は、例えば円筒状に形成され
ている。また、該金属触媒9、10は排水中の硝酸イオ
ンや、亜硝酸イオン、アンモニアとの接触面積を拡大す
るために、網状に形成されている。尚、本実施例では特
に脱窒素反応の効率を向上させるため、白金と銅の合金
により構成される金属触媒を用いているが、すず又はす
ずの合金若しくは他の金属触媒であってもよいものとす
る。
【0025】また、前記制御装置8は、電源7から電極
5、6に印加される電圧を調整することができると共
に、定期的に、例えば本実施例では一日毎に、電極5、
6の極性を反転させるものである。
【0026】前記電極5及び6は、鉄、鉄合金、アルミ
ニウム、アルミニウム合金又は鉄−アルミニウム合金な
どの鉄イオン及び/又はアルミニウムイオン発生源から
構成される溶解性電極である。尚、本実施例において制
御装置8によって電極の極性の反転を行わない場合に
は、この内一方の電極、例えば電極6は、不溶性金属、
例えば白金、金、チタン又はカーボンなどから構成され
る不溶性電極であってもよいものとする。
【0027】図1において、電極5、6のうち、電極5
が正極(アノード)側の電極、電極6が負極(カソー
ド)側の電極とされている。これにより、アノード側の
電極5では、電極5が鉄製である場合該電極5から鉄イ
オンが溶出される。これにより、電極5から溶出した鉄
イオンは、排水処理室4内に収容された排水中に含まれ
るリン酸イオンや水酸化物イオンが凝集反応し、リン酸
鉄や水酸化鉄を生成する。
【0028】ここで、リン酸イオン含有排水の鉄の電解
溶出法による処理は、電極5から溶出した鉄イオンが排
水中のリン酸イオンと反応して水不溶性のリン酸と鉄と
の塩を生成させる反応(反応A)を利用するものである
が、排水中は水酸化物イオンが存在しており、溶出した
鉄イオンが水酸化物イオンとも反応する(反応B)。反
応Bは反応Aよりも速いので、リン酸イオンを捕捉する
ためには電流量を多くして鉄イオンの流出量を増す必要
がある。以下に、反応A及び反応Bを示す。 反応A Fe3++PO4 3-→FePO4 反応B Fe3++3OH-→Fe(OH)3
【0029】しかしながら、排水中にカルシウムイオン
又はマグネシウムイオンが存在すると、それらのイオン
は水酸化物イオンと反応する(反応C)。この反応C
は、鉄イオンと水酸化物イオンとの反応Bを優先するた
め、反応Bが抑制され、鉄イオンはリン酸イオンとの反
応Aに有効に利用される。更に、カルシウムイオン及び
マグネシウムイオンもリン酸イオンと反応して水不溶性
の塩を形成するので、リン酸イオンの除去に貢献する。
以下に、反応Cを示す。 反応C Ca2++2OH-→Ca(OH)2 Mg2++2OH-→Mg(OH)2
【0030】このため、本発明では、カルシウムイオン
又はマグネシウムイオンを添加し、鉄イオンと水酸化物
イオンの反応Bを抑制し、鉄イオンとリン酸イオンの反
応Aを効率よく行わせることもできる。これにより、通
電量を低減することができ、節電できると共に鉄の溶出
量を低減できる。尚、本実施例では電極5を鉄として説
明しているが、アルミニウムにより構成してもよい。
【0031】一方、カソード側の電極6では、電源7に
より通電されると電極6の表面から水素が発生する。そ
のため、カソード側の電極6では、排水中の硝酸イオン
が前記金属触媒10下で電極6表面から発生した水素と
反応し、脱窒素作用により亜硝酸イオン又は窒素ガスに
まで還元される。また、窒素にまで至らなかった亜硝酸
イオンは更に、金属触媒10下で水素と反応し窒素に転
換される。
【0032】これにより、鉄イオン又はアルミニウムイ
オンが電気分解により溶出する電極5側で、リン酸イオ
ンの沈殿除去を行うことができるようになると共に、他
方の電極6側で、水素による脱窒反応に作用する金属触
媒10により窒素の除去を行うことができ、リンの除去
と窒素の除去を合わせて行うことができる。
【0033】また、本発明による排水処理装置1は、排
水収納室4と、電極5、6と、電源7と、制御装置8
と、金属触媒9、10とによって構成されているため、
装置が著しく単純なものとなり、装置の小型化及びコス
トの低減を図ることができる。更に、本発明による排水
処理装置1では、従来の如く脱窒反応に使用される生体
触媒や排水収納槽内のpHを調整する薬剤を使用しない
ため、排水処理を行う環境に影響されることなく、排水
の処理を行うことができると共に、煩雑となるメンテナ
ンスを簡素化することができるようになる。
【0034】また、従来の排水処理装置と比して、処理
後の汚泥の生成量を著しく減少させることができる、極
めて好適に排水の処理を行うことができるようになる。
【0035】前記制御装置8によって、電源7から電極
5、6に通電される電圧の極性を定期的に反転させた場
合には、それぞれの電極5、6の極性が上記とは逆とな
り、即ち、電極6が正極(アノード)側の電極、電極5
が負極(カソード)側の電極とされる。これにより、ア
ノード側の電極6では、該電極6から鉄イオンが溶出さ
れる。そして、電極6から溶出した鉄イオンは、排水処
理室4内に収容された排水中に含まれるリン酸イオンや
水酸化物イオンが凝集反応し、リン酸鉄や水酸化鉄を生
成し、排水中からリン酸イオンを除去することができ
る。
【0036】一方、カソード側の電極5では、電源7に
より通電されると電極5の表面から水素が発生する。そ
のため、カソード側の電極5では、排水中の硝酸イオン
が前記金属触媒9下で電極5表面から発生した水素と反
応し、脱窒素作用により亜硝酸イオン又は窒素ガスにま
で還元される。また、窒素にまで至らなかった亜硝酸イ
オンは更に、金属触媒9下で水素と反応し窒素に転換さ
れる。
【0037】これにより、鉄イオン又はアルミニウムイ
オンが電気分解により溶出する電極6側で、リン酸イオ
ンの沈殿除去を行うことができるようになると共に、他
方の電極5側で、水素による脱窒反応に作用する金属触
媒9により窒素の除去を行うことができ、リンの除去と
窒素の除去を合わせて行うことができる。
【0038】上述の如く、各電極5、6の近傍に金属触
媒9、10をそれぞれ設け、制御装置8により定期的に
電極5、6の極性を反転させることで、極性がアノード
になった電極側で鉄イオン又はアルミニウムイオンによ
るリン酸イオンの除去を行い、極性がカソードになった
電極側で金属触媒9、10のもと、水素による脱窒反応
による窒素の除去を行うので、電極5、6は、制御装置
8によって電極5、6の極性を定期的に反転させること
により、一方の電極のみが溶出し、早期に電極が消耗又
は不働体化してしまう不都合を未然に回避することがで
きる。そのため、両電極5、6が消耗するまで電極交換
を行う必要が無いため、メンテナンスの簡素化を実現す
ることができる。
【0039】尚、図1における12は隔膜であり、係る
隔膜12を設けることにより、上記実施例に加えて脱窒
反応による窒素の除去効率を向上させることができるよ
うになる。更にまた、上記実施例において各電極5、6
は鉄、鉄合金、アルミニウム、アルミニウム合金又は鉄
−アルミニウム合金などの鉄イオン及び/又はアルミニ
ウムイオン発生源から構成されている。また、上記金属
触媒9、10は銅原子で修飾した貴金属又は銅若しく
は、すず原子で修飾した貴金属又はすずにより構成する
ため、係る場合には、より一層脱窒反応による窒素の除
去効率を向上させることができるようになる。
【0040】本発明の排水処理装置1は一般家庭排水に
特に有効に利用できる。従って、単独で使用してもよい
が、他の浄化システム、例えば活性汚泥法、膜分離法、
嫌気・好気循環法などと組み合わせて家庭用、集合住宅
用の総合排水浄化システムとすることができる。また、
大規模処理システム(し尿処理場)にも利用できる。
【0041】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明によれば、排水
処理室と、この排水処理室内の排水中に少なくとも一部
が浸漬するように設けられ、少なくとも一方が排水中の
リン酸イオンを沈殿除去するための鉄イオン又はアルミ
ニウムイオンを電気分解により溶出する少なくとも一組
の電極と、該一組の電極に電解用電流を供給するための
電源と、該電源を制御するための制御部と、一組の電極
の少なくとも他方の電極近傍に設けられ、排水中で電極
から発生する水素による脱窒反応に作用する金属触媒と
を備えたので、鉄イオン又はアルミニウムイオンが電気
分解により溶出する電極側で、リン酸イオンの沈殿除去
を行うことができるようになると共に、他方の電極側
で、水素による脱窒反応に作用する金属触媒により窒素
の除去を行うことができ、リンの除去と窒素の除去を合
わせて行うことができるようになる。
【0042】また、本発明による排水処理装置は、排水
収納室と、少なくとも一組の電極と、電源と、制御部及
び金属触媒とによって構成されているため、装置が単純
なものとなり、装置の小型化及びコストの低減を図るこ
とができる。更に、本発明による排水処理装置では、従
来の如く脱窒反応に使用される生体触媒や排水収納槽内
のpHを調整する薬剤を使用しないため、排水処理を行
う環境に影響されることなく、排水の処理を行うことが
できるようになる。
【0043】また、従来の排水処理装置と比して、処理
後の汚泥の生成量を著しく減少させることができるよう
になる。
【0044】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
に加えて、一組の電極の双方を、排水中のリン酸イオン
を沈殿除去するための鉄イオン又はアルミニウムイオン
を電気分解により溶出する電極とすると共に、各電極の
近傍に金属触媒をそれぞれ設け、制御部により定期的に
前記電極の極性を反転させることで、極性がアノードに
なった電極側で鉄イオン又はアルミニウムイオンによる
リン酸イオンの除去を行い、極性がカソードになった電
極側で金属触媒のもと、電極から発生する水素による脱
窒反応による窒素の除去を行うので、一組の電極は、制
御部によって電極の極性を定期的に反転させるため、一
方の電極のみが溶出し、早期に電極が消耗又は不働体化
してしまう不都合を未然に回避することができるように
なる。
【0045】請求項3の発明によれば、排水処理室内に
おいて、排水中に少なくとも一部が浸漬するように設
け、少なくとも一方が排水中のリン酸イオンを沈殿除去
するための鉄イオン又はアルミニウムイオンを電気分解
により溶出する少なくとも一組の電極を備え、該一組の
電極に電解用電流を供給し、該電解用電流を制御するた
めの制御部を備え、前記一組の電極の少なくとも他方の
電極近傍に設けられると共に、排水中で電極から発生す
る水素による脱窒反応に作用する金属触媒とを備えるの
で、鉄イオン又はアルミニウムイオンが電気分解により
溶出する電極側で、リン酸イオンの沈殿除去を行うこと
ができるようになると共に、他方の電極側で、電極から
発生する水素による脱窒反応に作用する金属触媒により
窒素の除去を行うことができ、リンの除去と窒素の除去
を合わせて行うことができるようになる。
【0046】また、本発明による排水処理方法によれ
ば、従来の如く脱窒反応に使用される生体触媒や排水収
納槽内のpHを調整する薬剤を使用しないため、排水処
理を行う環境に影響されることなく、排水の処理を行う
ことができるようになる。
【0047】また、従来の排水処理方法と比して、処理
後の汚泥の生成量を著しく減少させることができるよう
になる。
【0048】請求項4の発明によれば、請求項1、請求
項2又は請求項3の排水処理装置又は排水処理方法に加
えて、電極は、銅原子で修飾した貴金属又は銅によって
構成するので、鉄イオン又はアルミニウムが電気分解に
より溶出する電極側で、リン酸イオンの沈殿除去を行う
ことができるようになると共に、他方の電極側で、電極
から発生する水素による脱窒反応に作用する金属触媒に
より窒素の除去を行う際の窒素の除去効率を向上させる
ことができるようになる。
【0049】請求項5の発明によれば、請求項1、請求
項2又は請求項3の排水処理装置又は排水処理方法に加
えて、金属触媒は、すず原子で修飾した貴金属又はすず
によって構成するので、鉄イオン又はアルミニウムイオ
ンが電気分解により溶出する電極側で、リン酸イオンの
沈殿除去を行うことができるようになると共に、他の電
極側で、電極から発生する水素による脱窒反応に作用す
る金属触媒により窒素の除去を行う際の窒素の除去効率
を向上させることができるようになる。
【0050】請求項6の発明の排水処理装置によれば、
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5
の排水処理装置又は排水処理方法に加えて、電極間に隔
膜を設けたので、より一層脱窒反応による窒素の除去効
率を向上させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した実施例としての排水処理装置
の構成説明図である。
【図2】従来の排水処理装置の構成説明図である。
【符号の説明】
1 排水処理装置 4 排水処理槽 5、6 電極 7 電源 8 制御装置 9、10 金属触媒 12 隔膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/70 Fターム(参考) 4D050 AA02 AA15 AB37 BA14 BC06 BD03 BD04 BD06 CA10 CA16 4D061 DA02 DA08 DB11 DC13 EA04 EA06 EB01 EB12 EB14 EB19 EB27 EB28 FA17

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排水処理室と、この排水処理室内の排水
    中に少なくとも一部が浸漬するように設けられ、少なく
    とも一方が排水中のリン酸イオンを沈殿除去するための
    鉄イオン又はアルミニウムイオンを電気分解により溶出
    する少なくとも一組の電極と、該一組の電極に電解用電
    流を供給するための電源と、該電源を制御するための制
    御部と、前記一組の電極の少なくとも他方の電極近傍に
    設けられ、排水中で電極から発生する水素による脱窒反
    応に作用する金属触媒とを備えることを特徴とする排水
    処理装置。
  2. 【請求項2】 一組の電極の双方を、排水中のリン酸イ
    オンを沈殿除去するための鉄イオン又はアルミニウムイ
    オンを電気分解により溶出する電極とすると共に、各電
    極の近傍に金属触媒をそれぞれ設け、制御部により定期
    的に前記電極の極性を反転させることで、極性がアノー
    ドになった電極側で鉄イオン又はアルミニウムイオンに
    よるリン酸イオンの除去を行い、極性がカソードになっ
    た電極側で前記金属触媒のもと、電極から発生する水素
    による脱窒反応による窒素の除去を行うことを特徴とす
    る請求項1の排水処理装置。
  3. 【請求項3】 排水処理室内において、排水中に少なく
    とも一部が浸漬するように設け、少なくとも一方が排水
    中のリン酸イオンを沈殿除去するための鉄イオン又はア
    ルミニウムイオンを電気分解により溶出する少なくとも
    一組の電極を備え、該一組の電極に電解用電流を供給
    し、該電解用電流を制御するための制御部を備え、前記
    一組の電極の少なくとも他方の電極近傍に設けられると
    共に、排水中で電極から発生する水素による脱窒反応に
    作用する金属触媒とを備えることを特徴とする排水処理
    方法。
  4. 【請求項4】 前記金属触媒は、銅原子で修飾した貴金
    属又は銅によって構成することを特徴とする請求項1、
    請求項2又は請求項3の排水処理装置又は排水処理方
    法。
  5. 【請求項5】 前記金属触媒は、すず原子で修飾した貴
    金属又はすずによって構成することを特徴とする請求項
    1、請求項2又は請求項3の排水処理装置又は排水処理
    方法。
  6. 【請求項6】 前記電極間に隔膜を設けることを特徴と
    する請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求
    項5の排水処理装置又は排水処理方法。
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CN113461271A (zh) * 2021-07-26 2021-10-01 陕西省环境科学研究院 一种用于农村黑臭水体处理的集约式装置及方法

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