JP2002196361A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JP2002196361A
JP2002196361A JP2000393465A JP2000393465A JP2002196361A JP 2002196361 A JP2002196361 A JP 2002196361A JP 2000393465 A JP2000393465 A JP 2000393465A JP 2000393465 A JP2000393465 A JP 2000393465A JP 2002196361 A JP2002196361 A JP 2002196361A
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liquid crystal
gate wiring
sealing material
counter electrode
gate
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JP2000393465A
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Yoshihisa Kato
喜久 加藤
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Casio Computer Co Ltd
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外部から水分が塩等の不純物とともに枠状のシ
ール材や液晶注入口の封止材を透過して侵入することに
よるゲート配線や対向電極の腐食を抑制し、書込み不能
や光漏れ欠陥の発生が無い良好な表示品質を長く維持す
ることができるアクティブマトリックス型液晶表示素子
を提供する。 【解決手段】ゲート配線31の端子部31aとは反対側
の端部の表面に、耐アルカリ性物質からなる保護膜32
を設けて、前記ゲート配線31と対向電極34との間に
生じる強い電界による塩と水との電気化学反応により発
生するアルカリに前記ゲート配線31の端部が曝される
のを前記耐アルカリ性物質からなる保護膜32により防
止し、前記アルカリによる前記ゲート配線の腐食を抑制
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、薄膜トランジス
タ(以下、TFTと記す)を能動素子とするアクティブ
マトリックス型の液晶表示素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】TFTを能動素子とするアクティブマト
リックス型液晶表示素子は、従来、次のような構成とな
っている。
【0003】図5は従来のアクティブマトリックス型液
晶表示素子のゲート配線に沿った一端部の液晶注入口部
分における断面図である。
【0004】この液晶表示素子は、枠状のシール材11
を介して接合された前後一対の透明基板1,2のうち、
一方の基板、例えば後側基板(図5において下側の基
板)2の内面に、行方向および列方向にマトリックス状
に配列する複数の画素電極3と、前記複数の画素電極3
にそれぞれ接続された複数のTFT(図示せず)と、各
行のTFTにそれぞれゲート信号を供給する複数のゲー
ト配線4と、各列のTFTにそれぞれデータ信号を供給
する複数のデータ配線(図示せず)が設けられ、他方の
基板である前側基板(図5において上側の基板)1の内
面に、前記複数の画素電極3に対向する一枚膜状の対向
電極6が設けられ、前記一対の基板1,2間の前記シー
ル材11により囲まれた領域に液晶層13が設けられた
構成となっている。
【0005】この液晶表示素子において、前記画素電極
3と対向電極6は、透明導電材であるITOにより形成
されており、前記ゲート配線4と図示しないデータ配線
は、低抵抗金属であるAl(アルミニウム)系合金によ
り形成されている。
【0006】前記ゲート配線4は、後側基板2の内面上
に設けられており、前記枠状のシール材11の外側に導
出された端子部(図示せず)を除いて前記TFTのゲー
ト絶縁膜5により覆われている。また、前記画素電極3
とデータ配線は、前記ゲート絶縁膜5の上に設けられて
おり、その上に、前記シール材11により囲まれた領域
のほぼ全域にわたって配向膜9が設けられている。
【0007】また、前側基板1の内面上には、前記複数
の画素電極3と対向電極6とが互いに対向する複数の画
素領域を除く領域に対応する遮光膜7と、前記複数の画
素領域にそれぞれ対応する複数の色、例えば赤、緑、青
の3色のカラーフィルタ8が設けられており、その上に
前記対向電極6が設けられ、この対向電極6の上に、前
記シール材11により囲まれた領域のほぼ全域にわたっ
て配向膜10が設けられている。
【0008】なお、前記遮光膜7は、一般に、前側基板
1の内面上に形成されたCrO(酸化クロム)層とそ
の上に形成されたCr(クロム)層との積層膜からなっ
ている。
【0009】一方、前記枠状のシール材11には、この
シール材の一部を欠落させることにより形成された液晶
注入口12が設けられている。この液晶注入口12は、
従来、前記シール材11の各辺のうち、前記ゲート配線
3の端子部とは反対側の端部に対向する辺に設けられて
いる。
【0010】そして、液晶層13は、前記一対の基板
1,2間の前記シール材11により囲まれた領域に前記
液晶注入口12から真空注入法により液晶を注入するこ
とにより形成されており、前記液晶注入口12は、液晶
の注入後に封止材14により封止されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記アクティブマトリ
ックス型液晶表示素子は、複数のゲート配線4にそれぞ
れその端子部からゲート信号を印加し、複数のデータ配
線にそれぞれその端子部からデータ信号を印加すること
により表示駆動されるが、前記ゲート配線4に印加され
るゲート信号は、前記データ配線に印加されるデータ信
号に比べて非常に高い電位の信号であるため、前記ゲー
ト配線4と対向電極6との間に強い電界が発生する。
【0012】一方、前記一対の基板1,2を接合してい
る枠状のシール材11および液晶注入口12の封止材1
4は耐吸湿性があまり高くないため、長時間のうちに、
外部から水分が塩等の不純物とともに前記シール材11
や注入口封止材14を透過して侵入し、前記シール材1
1の近傍の液晶中に溶け込む。
【0013】なお、前記シール材11にはエポキシ系樹
脂が用いられ、液晶注入口の封止材14には紫外線硬化
樹脂等が用いられているが、紫外線硬化樹脂はエポキシ
系樹脂よりもさらに耐吸湿性が低いため、液晶中への水
分や不純物の溶け込みは、前記液晶注入口12に近い領
域ほど多い。
【0014】また、前記ゲート配線4は、SiN(窒化
珪素)等からなるゲート絶縁膜5により覆われており、
さらに前記ゲート絶縁膜5の上にはポリイミド等からな
る配向膜9が設けられているが、前記配向膜9は耐吸湿
性が低いため、前記ゲート絶縁膜5にピンホールやクラ
ック等の欠陥があると、液晶中に溶け込んだ水分や不純
物が、前記配向膜9とゲート絶縁膜5の欠陥部分を浸透
してゲート配線4に達する。
【0015】そして、液晶表示素子の駆動中は、上述し
たようにゲート配線4と対向電極6との間に強い電界が
発生するため、シール材11の近傍の液晶中に溶け込ん
だ水分や不純物が配向膜9とゲート絶縁膜5の欠陥部分
を浸透してゲート配線4に達すると、その影響により前
記ゲート配線4がその端部(シール材11の外側に導出
された図示しない端子部とは反対側の端部)から腐食
し、このゲート配線4の腐食が引き金となって対向電極
6も、前記ゲート配線4の腐食部に対応する領域から腐
食する。
【0016】前記ゲート配線4と対向電極6の腐食のメ
カニズムを説明すると、水分とともに前記シール材11
や注入口封止材14を透過して液晶中に溶け込む不純物
には、例えば汗に含まれているNaCl(塩化ナトリウ
ム)等の塩がある。
【0017】そして、例えばゲート配線4に印加される
ゲート信号が、対向電極6の電位に対して−(マイナ
ス)の電位の信号であるとすると、まず第一段階とし
て、前記ゲート配線4と対向電極6との間に生じる強い
電界によるNaCl等の塩と水(HO)との電気化学
反応により、Al系合金からなるゲート配線4(−極)
側でアルカリ(NaOH)と水素ガス(H)が発生
し、ITOからなる対向電極6(+極)側で塩素ガス
(Cl)が発生する。
【0018】これにより、第二段階として、耐アルカリ
性の低いAl系合金からなるゲート配線4が、前記第一
段階で発生したアルカリ(NaOH)と反応して表面か
ら腐食し始め、その腐食にともなってNaAlOと水
素ガス(H)を発生する。
【0019】一方、ITOからなる対向電極6は耐アル
カリ性を有しているため、前記第一段階で発生したアル
カリ(NaOH)による対向電極6の腐食はほとんど生
じない。
【0020】しかし、前記第一段階および第二段階でゲ
ート配線4側に発生した水素ガス(H)が気泡となっ
て液晶中に入り込み、その水素ガスが前記第一段階で対
向電極6側に発生した塩素ガス(Cl)と反応して塩
化水素(HCl)が合成されるため、その塩化水素(H
Cl)がITOからなる対向電極6中のIn(インジウ
ム)と反応し、前記対向電極6がその表面から腐食し始
め、その腐食にともなってInClと水素ガス(H
を発生する。
【0021】なお、前記第一段階で発生する水素ガス量
は微量であるが、前記第二段階で発生する水素ガス量
は、第一段階で発生する水素ガス量に比べて格段に多く
(単純計算で約3倍)、したがって、前記第二段階での
ゲート配線4の腐食が、対向電極6の腐食の引き金にな
る。
【0022】また、前記前側基板1の内面に設けられた
遮光膜7は、上述したように、CrO層とCr層との
積層膜からなっており、この遮光膜7も耐アルカリ性を
有しているが、前記対向電極6の腐食が進み、その下の
遮光膜7が露出すると、この遮光膜7中のCrが前記塩
化水素(HCl)と反応して遮光膜7もその表面から腐
食し始め、その腐食にともなってCrClと水素ガス
(H)を発生する。
【0023】この反応は、水(HO)の存在により繰
り返し起こる反応であり、外部から前記シール材11や
注入口封止材14を透過して水分が侵入し続ける限り、
前記ゲート配線4と対向電極6および遮光膜7の腐食が
進行する。
【0024】図6は従来のアクティブマトリックス型液
晶表示素子のゲート配線4と対向電極6および遮光膜7
の腐食状態を示す模式図であり、(a)はゲート配線4
の端部に腐食が生じた状態、(b)は対向電極6および
遮光膜7にも腐食が生じた状態を示している。なお、図
6では便宜上、ゲート絶縁膜5と配向膜9,10を仮想
線(二点鎖線)で示している。
【0025】このように、従来のアクティブマトリック
ス型液晶表示素子は、外部から水分が不純物とともにシ
ール材11や注入口封止材14を透過して侵入すること
により、まずゲート配線4がその端部から腐食し初める
とともに、それが引き金となって対向電極6および遮光
膜7が腐食し始め、これらの腐食が、外部から水分が侵
入し続ける限り進行して行く。
【0026】そして、前記ゲート配線4や対向電極6お
よび遮光膜7が腐食すると、その腐食にともなって発生
する水素ガスが液晶中に気泡となって入り込み、その気
泡による光漏れ欠陥が発生する。
【0027】また、前記ゲート配線4の腐食は、その腐
食により断線状態となるため、このゲート配線4の腐食
がTFTにつながる領域まで進行すると、そのTFTに
ゲート信号が供給されなくなり、前記TFTに接続され
た画素電極3に対応する画素領域が書込み不能となって
表示欠陥が発生する。
【0028】なお、上述したように、液晶中への水分や
不純物の溶け込みは、液晶注入口12に近い領域ほど多
いため、前記液晶注入口12に近い領域のゲート配線4
ほど腐食が早く進み、したがって、前記液晶注入口12
に近い画素領域から順に書込み不能となって行く。
【0029】一方、対向電極6は一枚膜状の電極である
ため、この対向電極6が部分的に腐食しても対向電極6
が断線状態となることはないが、前記画素電極6が腐食
すると、その部分の電気抵抗が極端に高くなるか、ある
いは孔の開いた状態になり、その部分が電極として機能
しなくなるため、この対向電極6の腐食が画素領域に達
すると、その画素領域が書込み不能となって表示欠陥が
発生する。
【0030】さらに、前記遮光膜7が上述したようにC
rO層とCr層との積層膜からなっている場合は、前
記対向電極6の腐食の進行にともなって前記遮光膜7も
腐食するため、この遮光膜7の腐食部分の膜厚が極端に
薄くなるか、あるいは孔の開いた状態になり、その部分
の遮光機能が無くなるため、光漏れ欠陥が発生する。
【0031】この発明は、外部から水分が塩等の不純物
とともに枠状のシール材や液晶注入口の封止材を透過し
て侵入することによるゲート配線や対向電極の腐食を抑
制し、書込み不能や光漏れ欠陥の発生が無い良好な表示
品質を長く維持することができるアクティブマトリック
ス型の液晶表示素子を提供することを目的としたもので
ある。
【0032】
【課題を解決するための手段】この発明の液晶表示素子
は、液晶注入口を有する枠状のシール材を介して接合さ
れた一対の基板間の前記シール材により囲まれた領域に
液晶層が設けられ、前記液晶注入口が封止材により封止
されるとともに、前記一対の基板のうちの一方の基板の
内面に、行方向および列方向にマトリックス状に配列す
る複数の画素電極と、前記複数の画素電極にそれぞれ接
続された複数のTFTと、各行の前記TFTにそれぞれ
ゲート信号を供給する複数のゲート配線と、各列の前記
TFTにそれぞれデータ信号を供給する複数のデータ配
線が設けられ、他方の基板の内面に、前記複数の画素電
極に対向する対向電極が設けられ、さらに前記ゲート配
線の前記シール材の外側に導出された端子部とは反対側
の端部の表面に、耐アルカリ性物質からなる保護膜が設
けられていることを特徴とするものである。
【0033】この発明の液晶表示素子は、ゲート配線の
端子部とは反対側の端部の表面に、耐アルカリ性物質か
らなる保護膜を設けたものであるため、前記ゲート配線
と対向電極との間に生じる強い電界による塩が解けた水
分の電気化学反応により発生するアルカリに前記ゲート
配線の端部が曝されるのを前記耐アルカリ性物質からな
る保護膜により防止して、前記アルカリによる前記ゲー
ト配線の腐食を抑制することができ、したがって、前記
ゲート配線の腐食が引き金となって発生する対向電極の
腐食も抑制することができる。
【0034】そのため、この液晶表示素子によれば、外
部から水分が塩等の不純物とともに前記シール材や注入
口封止材を透過して侵入することによるゲート配線や対
向電極の腐食を抑制し、書込み不能や光漏れ欠陥の発生
が無い良好な表示品質を長く維持することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】この発明の液晶表示素子は、上記
のように、ゲート配線の端子部とは反対側の端部の表面
に、耐アルカリ性物質からなる保護膜を設けることによ
り、外部から水分が塩等の不純物とともに前記シール材
や注入口封止材を透過して侵入することによるゲート配
線や対向電極の腐食を抑制し、書込み不能や光漏れ欠陥
の発生が無い良好な表示品質を長く維持することができ
るようにしたものである。
【0036】この発明の液晶表示素子において、前記保
護膜は、クロムとITOのいずれか一方あるいはクロム
とITOの積層膜が好ましい。
【0037】また、前記液晶注入口は、枠状のシール材
の各辺のうち、ゲート配線の端子部とは反対側の端部に
対向する辺以外の辺に設けるのが好ましい。
【0038】
【実施例】図1〜図3はこの発明の第1の実施例を示し
ており、図1はアクティブマトリックス型液晶表示素子
の一方の基板に設けられた画素電極とTFTとゲート配
線およびデータ配線の等価回路的平面図、図2は前記液
晶表示素子の1つの画素領域の断面図、図3は前記液晶
表示素子のゲート配線に沿った一端部の液晶注入口部分
における断面図である。
【0039】この実施例の液晶表示素子は、図1〜図3
に示すように、エポキシ系樹脂等からなる枠状のシール
材39を介して接合された前後一対の透明基板(例えば
ガラス基板)21,22のうち、一方の基板、例えば後
側基板(図2および図3において下側の基板)22の内
面に、行方向(図1において左右方向)および列方向
(図1において上下方向)にマトリックス状に配列する
複数の画素電極23と、前記複数の画素電極23にそれ
ぞれ接続された複数のTFT24と、各行のTFT24
にそれぞれゲート信号を供給する複数のゲート配線31
と、各列のTFT24にそれぞれデータ信号を供給する
複数のデータ配線33が設けられ、他方の基板である前
側基板(図2および図3において上側の基板)21の内
面に、前記複数の画素電極23に対向する一枚膜状の対
向電極34が設けられ、前記一対の基板21,22間の
前記シール材39により囲まれた領域に液晶層42が設
けられた構成となっている。
【0040】なお、前記画素電極23と対向電極34
は、透明導電材であるITOにより形成されており、前
記ゲート配線31とデータ配線33は、低抵抗金属であ
るAl(アルミニウム)系合金により形成されている。
【0041】前記TFT24は、後側基板22上に形成
されたゲート電極25と、このゲート電極25を覆って
設けられたゲート絶縁膜26と、前記ゲート絶縁膜26
の上に前記ゲート電極25と対向させて形成されたi型
半導体膜27と、このi型半導体膜27の両側部の上に
図示しないn型半導体膜を介して形成されたソース電極
28およびドレイン電極29とからなっている。
【0042】また、前記ゲート配線31は、前記後側基
板22上に前記TFT24のゲート電極25と一体に形
成されており、その端子部31aは、後側基板22のシ
ール材39の外側に突出する一端縁部に導出されてい
る。このゲート配線31は、シール材11の外側に導出
された前記端子部31aを除いて前記TFT24のゲー
ト絶縁膜26により覆われている。
【0043】前記ゲート配線31は、その端子部31a
とは反対側の端部が前記シール材39のゲート配線端子
部31aの導出側とは反対側の辺の内側面に近接対向す
る長さに形成されており、このゲート配線31の端子部
31aとは反対側の端部の表面には、図3に示したよう
に、耐アルカリ性物質、例えば高い耐アルカリ性を有す
るCr(クロム)からなる保護膜32が設けられてい
る。
【0044】また、前記ゲート絶縁膜26の上には、前
記TFT24を覆って、前記複数の画素電極23にそれ
ぞれ対応する領域に開口を有する保護絶縁膜30が設け
られており、前記データ配線33は、前記保護絶縁膜3
0の上に設けられ、前記保護絶縁膜30に設けられたコ
ンタクト孔において前記TFT24のドレイン電極29
に接続されている。このデータ配線33の端子部33a
は、後側基板22のシール材39の外側に突出する一側
縁部に導出されている。
【0045】さらに、前記画素電極23は、前記ゲート
絶縁膜26の上に形成されており、その一側縁の端部に
おいて前記TFT24のソース電極28に接続されてい
る。
【0046】そして、前記後側基板22の内面の最も内
面には、前記シール材39により囲まれた領域のほぼ全
域にわたって配向膜37が設けられている。
【0047】また、前側基板21の内面には、前記複数
の画素電極23と対向電極34とが互いに対向する複数
の画素領域にそれぞれ対応する複数の色、例えば赤、
緑、青の3色のカラーフィルタ35と、前記複数の画素
領域を除く領域にそれぞれ対応する遮光膜36が設けら
れており、その上に前記対向電極34が設けられ、この
対向電極34の上に、前記シール材39により囲まれた
領域のほぼ全域にわたって配向膜38が設けられてい
る。
【0048】なお、前記遮光膜36は、前側基板21の
内面上に形成されたCrO(酸化クロム)層とその上
に形成されたCr(クロム)層との積層膜からなってい
る。
【0049】一方、前記枠状のシール材39は、このシ
ール材39を部分的に欠落させることにより形成された
液晶注入口40が設けられている。この実施例におい
て、前記液晶注入口40は、前記シール材39の各辺の
うち、前記ゲート配線31の端子部31aとは反対側の
端部に対向する辺に設けられている。
【0050】そして、液晶層42は、前記一対の基板2
1,22の前記シール材39により囲まれた領域に前記
液晶注入口40から真空注入法により液晶を注入するこ
とにより形成されており、前記液晶注入口40は、液晶
の注入後に紫外線硬化樹脂からなる封止材41により封
止されている。
【0051】この液晶表示素子は、図3に示したよう
に、ゲート配線31の端子部31aとは反対側の端部の
表面に、耐アルカリ性物質からなる保護膜32を設けた
ものであるため、前記ゲート配線31と対向電極34と
の間に生じる強い電界による塩と水との電気化学反応に
より発生するアルカリに前記ゲート配線31の端部が曝
されるのを前記耐アルカリ性物質からなる保護膜32に
より防止して、前記アルカリによる前記ゲート配線31
の腐食を抑制することができ、したがって、前記ゲート
配線31の腐食が引き金となって発生する対向電極34
の腐食も抑制することができる。
【0052】すなわち、[発明が解決しようとする課
題]の項で説明したように、水分とともに前記シール材
39や液晶注入口40の封止材41を透過して液晶中に
溶け込む不純物には、例えば汗に含まれているNaCl
(塩化ナトリウム)等の塩がある。
【0053】そして、例えばゲート配線31に印加され
るゲート信号が、対向電極39の電位に対して−(マイ
ナス)の電位の信号であるとすると、前記ゲート配線3
1と対向電極34との間に生じる強い電界によるNaC
l等の塩と水(HO)との電気化学反応により、Al
系合金からなるゲート配線31(−極)側でアルカリ
(NaOH)と水素ガス(H)が発生し、ITOから
なる対向電極34(+極)側で塩素ガス(Cl)が発
生する。
【0054】そのため、前記ゲート配線31の端部の表
面に前記保護膜32が無い場合は、耐アルカリ性の低い
Al系合金からなるゲート配線31が、前記NaCl等
の塩と水(HO)との電気化学反応によりゲート配線
31側に発生したアルカリ(NaOH)と反応して表面
から腐食し始め、その腐食にともなってNaAlO
水素ガス(H)を発生する。
【0055】一方、ITOからなる対向電極34は耐ア
ルカリ性を有しているため、前記アルカリ(NaOH)
による対向電極34の腐食はほとんど生じないが、前記
ゲート配線4側に発生した水素ガス(H)が気泡とな
って液晶中に入り込み、その水素ガスが前記NaCl等
の塩と水(HO)との電気化学反応により対向電極3
4側に発生した塩素ガス(Cl)と反応して塩化水素
(HCl)が合成されるため、その塩化水素(HCl)
がITOからなる対向電極34中のIn(インジウム)
と反応し、前記対向電極34がその表面から腐食し始め
る。
【0056】しかし、この実施例の液晶表示素子では、
ゲート配線31の端子部とは反対側の端部の表面が耐ア
ルカリ性物質からなる保護膜32により覆われているた
め、前記塩と水との電気化学反応により発生したアルカ
リが前記保護膜32により遮られ、前記アルカリによる
前記ゲート配線31の腐食が抑制される。
【0057】そして、前記ゲート配線31の腐食が抑制
されると、このゲート配線31の腐食によるNaAlO
と水素ガス(H)の発生が無くなくため、気泡とな
って液晶中に入り込む水素ガスは、前記電気化学反応に
よりゲート配線31側に発生した微量の水素ガスだけで
あり、したがって、水素ガスと前記電気化学反応により
対向電極34側に発生した塩素ガスとの反応により合成
される塩化水素の量も僅かであるため、前記ゲート配線
31の腐食が引き金となって発生する対向電極34の腐
食も抑制され、そのために、前記対向電極34の下のC
rO層とCr層との積層膜からなる遮光膜36の腐食
も抑制される。
【0058】そして、前記ゲート配線31や対向電極3
4の腐食が抑制されると、その腐食により水素ガスの発
生がほとんど無くなるため、液晶中に気泡が生じること
による光漏れ欠陥の発生を防ぐことができる。
【0059】さらに、前記ゲート配線31やゲート配線
31の腐食が抑制されれば、TFT24にゲート信号が
供給されなくなったり、対向電極34が部分的に電極と
して機能しなくなることはないため、画素領域が書込み
不能となって表示欠陥が発生することはなく、また、前
記遮光膜36の腐食が抑制されれば、この遮光膜36の
遮光機能が部分的に無くなって光漏れ欠陥を発生するこ
とも無い。
【0060】そのため、この液晶表示素子によれば、外
部から水分が塩等の不純物とともに前記シール材39や
液晶注入口40の封止材41を透過して侵入することに
よるゲート配線31や対向電極34の腐食を抑制し、書
込み不能や光漏れ欠陥の発生が無い良好な表示品質を長
く維持することができる。
【0061】なお、外部からシール材39や液晶注入口
40の封止材14を透過して侵入した水分や不純物の液
晶中への溶け込みは、前記シール材39の近傍において
生じるため、前記保護膜36は、図3に示したようにゲ
ート配線31の端部の表面にあれば充分である。
【0062】また、上記実施例では、前記保護膜32を
Crにより形成しているが、前記保護膜32は、Crと
同程度の高い耐アルカリ性を有するITOで形成しても
よく、さらには、CrとITOの積層膜としてもよい。
【0063】図4はこの発明の第2の実施例を示すアク
ティブマトリックス型液晶表示素子の一方の基板に設け
られた画素電極とTFTとゲート配線およびデータ配線
の等価回路的平面図である。
【0064】この実施例の液晶表示素子は、液晶注入口
40を、枠状のシール材39の各辺のうち、ゲート配線
31の端子部31aとは反対側の端部に対向する辺以外
の辺に設けたものであり、他の構成は上記第1の実施例
の液晶表示素子と同じである。
【0065】この実施例の液晶表示素子によれば、外部
から水分や不純物が侵入しやすい液晶注入口40を、ゲ
ート配線31の端子部31aとは反対側の端部に対向す
る辺以外の辺に設けているため、ゲート配線31の端部
が位置する領域における液晶中への水分や不純物の溶け
込み量を少なくし、ゲート配線31や対向電極34の腐
食をより効果的に抑制して、書込み不能や光漏れ欠陥の
発生が無い良好な表示品質をさらに長く維持することが
できる。
【0066】なお、この実施例において、前記液晶注入
口40は、ゲート配線31の端子部31aとは反対側の
端部に対向する辺以外の辺であればどの辺に設けてもよ
いが、ゲート配線31の端子部31aおよびデータ配線
33の端子部33aが導出された辺から液晶を注入する
のは好ましくないため、前記液晶注入口40は、図4に
示したように、データ配線33の端子部33aとは反対
側の端部に対向する辺の中央部付近に設けるのが望まし
い。
【0067】
【発明の効果】この発明の液晶表示素子は、ゲート配線
の端子部とは反対側の端部の表面に、耐アルカリ性物質
からなる保護膜を設けたものであるため、前記ゲート配
線と対向電極との間に生じる強い電界による塩と水との
電気化学反応により発生するアルカリに前記ゲート配線
の端部が曝されるのを前記耐アルカリ性物質からなる保
護膜により防止して、前記アルカリによる前記ゲート配
線の腐食を抑制することができ、したがって、前記ゲー
ト配線の腐食が引き金となって発生する対向電極の腐食
も抑制することができる。
【0068】この発明の液晶表示素子において、前記保
護膜は、クロムとITOのいずれか一方あるいはクロム
とITOの積層膜が好ましく、このようにすることによ
り、前記ゲート配線の端部がアルカリに曝されるのを効
果的に防ぐことができる。
【0069】また、前記液晶注入口は、枠状のシール材
の各辺のうち、ゲート配線の端子部とは反対側の端部に
対向する辺以外の辺に設けることが好ましく、このよう
にすることにより、ゲート配線の端部が位置する領域に
おける液晶中への水分や不純物の溶け込み量を少なく
し、ゲート配線や対向電極の腐食をより効果的に抑制し
て、書込み不能や光漏れ欠陥の発生が無い良好な表示品
質をさらに長く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す液晶表示素子の
一方の基板に設けられた画素電極とTFTとゲート配線
およびデータ配線の等価回路的平面図。
【図2】前記液晶表示素子の1つの画素領域の断面図。
【図3】前記液晶表示素子のゲート配線に沿った一端部
の液晶注入口部分における断面図。
【図4】この発明の第2の施例を示す液晶表示素子の一
方の基板に設けられた画素電極とTFTとゲート配線お
よびデータ配線の等価回路的平面図。
【図5】従来の液晶表示素子のゲート配線に沿った一端
部の液晶注入口部分における断面図。
【図6】従来の液晶表示素子のゲート配線と対向電極お
よび遮光膜の腐食状態を示す模式図。
【符号の説明】
23…画素電極 24…TFT 26…ゲート絶縁膜 27…遮光膜 31…ゲート配線 32…保護膜 34…対向電極 36…遮光膜 37,38…配向膜 39…シール材 40…液晶注入口 41…封止材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H090 HA03 HB06X 2H092 HA19 JA26 JA29 JA38 JA42 JA44 JB13 JB23 JB32 JB33 JB38 KA07 MA05 MA08 MA13 MA17 MA27 MA35 MA37 MA41 NA27 NA29 PA04 5C094 AA16 AA38 BA03 BA43 CA19 DA15 EA04 EA07 FB15

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶注入口を有する枠状のシール材を介し
    て接合された一対の基板間の前記シール材により囲まれ
    た領域に液晶層が設けられ、前記液晶注入口が封止材に
    より封止されるとともに、前記一対の基板のうちの一方
    の基板の内面に、行方向および列方向にマトリックス状
    に配列する複数の画素電極と、前記複数の画素電極にそ
    れぞれ接続された複数の薄膜トランジスタと、各行の前
    記薄膜トランジスタにそれぞれゲート信号を供給する複
    数のゲート配線と、各列の前記薄膜トランジスタにそれ
    ぞれデータ信号を供給する複数のデータ配線が設けら
    れ、他方の基板の内面に、前記複数の画素電極に対向す
    る対向電極が設けられ、さらに前記ゲート配線の前記シ
    ール材の外側に導出された端子部とは反対側の端部の表
    面に、耐アルカリ性物質からなる保護膜が設けられてい
    ることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】保護膜は、クロムとITOのいずれか一方
    あるいはクロムとITOの積層膜からなっていることを
    特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 【請求項3】液晶注入口は、枠状のシール材の各辺のう
    ち、ゲート配線の端子部とは反対側の端部に対向する辺
    以外の辺に設けられていることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の液晶表示素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN1301424C (zh) * 2002-12-10 2007-02-21 精工爱普生株式会社 电光装置的制造方法、电光装置和电子机器
CN111687022A (zh) * 2013-03-15 2020-09-22 Hzo股份有限公司 组合不同类型的耐湿性材料

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