JP2002196102A - ポリマー材料を光学的に改質する方法 - Google Patents

ポリマー材料を光学的に改質する方法

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JP2002196102A
JP2002196102A JP2001302549A JP2001302549A JP2002196102A JP 2002196102 A JP2002196102 A JP 2002196102A JP 2001302549 A JP2001302549 A JP 2001302549A JP 2001302549 A JP2001302549 A JP 2001302549A JP 2002196102 A JP2002196102 A JP 2002196102A
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optical
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John Border
ジョン・ボーダー
Michael R Mcgovern
マイケル・アール・マッガバン
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ある特定の波長でゼロパーセントの光反射率
を有する反射防止製品を製造するために、ポリマー材料
を光学的に改質する方法を提供する。 【解決手段】 ホスト材料14の屈折率(n)を変化さ
せて、光学的に改質された材料18を形成する。ここ
で、上記光学的に改質された材料18は、ホスト材料1
4の屈折率(n)よりも大きい屈折率(n)を有す
る。次いで、所定のパーセント反射率がゼロになるよう
に、上記光学的に改質された材料18を、屈折率
(n)を有する反射防止材料12でコーティングす
る。ホスト材料14は、例えば、ポリメタクリル酸メチ
ルであり、屈折率(n)は、ポリメタクリル酸メチルに
二酸化チタンのナノ粒子を分散させることによって変化
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般に、反射防止
製品に関する。特に、本発明は、ナノ粒子物質の充填材
で改質された結果、光学的な性能が改善されたポリマー
材料に関する。
【0002】
【従来の技術】眼のレンズのように、光学表面からの反
射を減少させるためにコーティングを用いることは、当
該産業分野では公知である。4分の1波長コーティング
は、ただ単一の層のみを必要とすることから、反射を減
少させる最も単純で安価なオプションとして知られる。
「4分の1波長」という用語は、数2が示すように、所
望の光の波長に対するコーティングの光学的な厚さtに
適用される。
【0003】
【数2】nt=λ/4
【0004】光が4分の1波長コーティングされた光学
表面に入射するときに発生するパーセント反射率は、好
ましくは、次式で与えられる。
【0005】
【数3】反射率(%)=100(n −nn)
(n +nn)=0
【0006】ここで、nは周囲の空気の屈折率であ
り、nは4分の1波長コーティングをする材料の屈折
率であり、nは光学材料の屈折率であり、tはコーティ
ングの厚さであり、λは所望の光の波長である。
【0007】ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネー
ト及びポリスチレンのような光学プラスチックは、典型
的には1.45乃至1.62の屈折率を有している。屈
折率1.37を有するフッ化マグネシウムのような4分
の1波長の反射防止コーティングと組み合わせるとき、
反射率は1.2%になる。フッ化マグネシウムは光学的
にコーティングするために典型的に用いられるすべての
材料のうちで最低の屈折率を有することを考慮すると、
この組合せは、4分の1波長コーティングを用いて得る
ことができる最良のものである。より低い反射レベルを
得るためには、より高価な多層の反射防止コーティング
が必要である。従って、反射防止コーティングは、プラ
スチックの光学装置を用いないで光学的な性能を損なう
か、又は、多層コーティングを用いて、コーティングの
コストがプラスチックの光学装置の主要なコストになる
かのいずれかである。
【0008】しかしながら、数3を検討すると、n
=nnのときにゼロの反射率を得る機会が存在するこ
とが分かる。フッ化マグネシウムでコーティングされる
光学装置の場合、プラスチックの屈折率を約1.9に増
大させることができれば、この条件は満足される。
【0009】プラスチックの屈折率を増大させるため
に、ナノ粒子材料の充填材が使用されてきた。ここで、
ナノ粒子材料とは、サイズの径が1nm乃至90nm、
好ましくは、数nm乃至数十nmである粒子形状の材料
である。可視光線の波長(400乃至700nm)をは
るかに下回るような十分に小さい充填材を用いることに
よって、当該充填材は光を散乱せず、充填されたプラス
チックはその透明度を保つことができる。高い屈折率の
粉末は、可視光線の波長をはるかに下回るnm単位の粒
子のサイズで使用することができる。高い屈折率のナノ
粒子材料の粉末を光学プラスチックに特定の添加量で分
散させると、プラスチックの屈折率を1.9にまで増大
させることができ、その結果、フッ化マグネシウムでコ
ーティングされた光学製品が与えられた波長でゼロの反
射率を有する。
【0010】従来技術には、反射防止コーティングを生
成するための多数の試みが存在している。例えば、19
72年12月19日に発行されたフォーセット他による
「単調に変化された屈折率を有する中間層を用いる多層
反射防止コーティング」と題された米国特許第3,70
6,485号の明細書は、広帯域の反射防止コーティン
グを生成するための一連の4分の1波長コーティングを
開示している。このコーティング構造は優れた反射防止
特性を提供するが、複数の層を必要とすることから、プ
ラスチックレンズにかかる総コストはかなり高額にな
る。
【0011】1976年10月5日に発行されたドブラ
ー他による「透明な有機ポリマーにてなる光学素子上へ
の反射防止コーティングの製造方法」と題された米国特
許第3,984,581号の明細書には、熱処理を行わ
ずにプラスチックの光学素子に反射防止コーティングを
施すための方法が開示されている。開示されたこの方法
は、反射防止コーティングをプラスチックの光学装置に
施すための製造プロセスを改良するが、反射防止コーテ
ィングの性能自体を改善させるものではない。
【0012】1980年12月2日に発行されたフジワ
ラ他による「合成樹脂レンズの表面処理のためのプロセ
スとその製品」と題された米国特許第4,237,18
3号の明細書では、フッ化マグネシウムのような反射防
止コーティングの接着性及び耐久性を改善させるために
プラスチックレンズの表面を処理するプロセスが開示さ
れている。ただしこの特許明細書は、反射防止コーティ
ングの性能を改善させるための方法については議論して
いない。
【0013】また、1996年9月10日に出願された
トエペンによる「視力矯正のための構造化された屈折率
の光学装置及び眼のレンズ」と題されたPCT出願の国
際公開WO97/10527号の明細書は、眼のレンズ
の厚さを減少できるように、眼のレンズ内にナノ粒子材
料を使用してレンズ材料の屈折率を増大させる方法を開
示している。この特許出願の明細書は、ナノ粒子材料を
使用してプラスチックの屈折率を変更する方法を開示し
ているが、反射防止コーティングの性能を改善させるた
めにプラスチックの屈折率を変更することについては開
示していない。同様に、特定の波長で反射率をゼロにす
るために、4分の1波長の反射防止コーティングによっ
て指定されるような特定の値にプラスチックの屈折率を
増大させる概念は開示されていない。
【0014】1999年6月8日に発行されたシュミッ
ト他による「光学的及び光電子的アプリケーションのた
めの複合接着剤」と題された米国特許第5,910,5
22号の明細書には、光学接着剤にナノ粒子材料を使用
して接着剤の熱に対する安定性を改善する方法が開示さ
れている。レンズ材料内にナノ粒子材料を使用して反射
させる方法は議論されていない。
【0015】最後に、1999年8月16日に出願され
たエイケンズ他による「透明な導電性のナノ粒子コーテ
ィングを形成するための組成物とそのための製法のプロ
セス」と題されたPCT出願の国際公開WO00/09
446A1の明細書には、透明な導電性のコーティング
を形成するためにコーティングにナノ粒子材料を組み入
れる方法が開示されている。コーティングの反射防止に
係る属性は議論されていない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ゆえに、当該技術分野
において、改善された光学的性能を可能にする、ゼロパ
ーセントの反射率を有する反射防止製品の製造方法に対
する必要が、依然として存在する。
【0017】従って、本発明の目的は、以上の問題点を
解決し、ある特定の波長でゼロパーセントの光反射率を
有する反射防止製品を製造するために、ポリマー材料を
光学的に改質する方法を提供することにある。
【0018】本発明のもう1つの目的は、改善された光
学的な性能のために、ナノ粒子材料の分散を有する光学
的に改質された材料を製造する方法を提供することにあ
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、ナノ粒
子材料の充填材をホスト材料中に分散させ、結果的に生
じた製造物を反射防止コーティングでコーティングし、
ゼロパーセントの光反射率を有する表面を生成すること
にある。
【0020】本発明は、上述の問題のうちの1つ又はそ
れよりも多くを克服することを目的としている。簡潔に
要約すると、本発明の1つの態様に係るポリマー材料を
光学的に改質する方法は、屈折率(n)を有するホスト
材料を含む製品を光学的に改質する方法であって、上記
ホスト材料の上記屈折率(n)を変化させて、光学的に
改質された材料を形成するステップを含み、上記光学的
に改質された材料は、上記ホスト材料の上記屈折率
(n)よりも大きい屈折率(n)を有し、次式で定義
されるパーセント反射率がゼロになるように、上記光学
的に改質された材料を、屈折率(n)を有する反射防
止材料でコーティングするステップを含み、
【数4】反射率%=100(n −n
(n +n=0 ここで、nは周囲の空気の屈折率であり、nは上記
反射防止材料の屈折率であり、nは上記光学的に改質
された材料の屈折率であることを特徴とする。
【0021】上記ポリマー材料を光学的に改質する方法
において、上記屈折率(n)を変化させるステップは、
上記ホスト材料中にナノ粒子充填剤の材料を分散させる
ステップを含み、上記ナノ粒子充填剤の材料は、二酸化
チタン、ニオブ酸リチウム、酸化亜鉛、チタン酸バリウ
ム、ダイヤモンド、炭酸カルシウム、ニオブ酸カリウ
ム、チタン酸ストロンチウム及び硫化亜鉛より成るグル
ープから選択された材料を備えたことを特徴とする。
【0022】また、上記ポリマー材料を光学的に改質す
る方法において、上記反射防止材料は、フッ化マグネシ
ウムを含む4分の1波長コーティング材料であることを
特徴とする。
【0023】さらに、上記ポリマー材料を光学的に改質
する方法において、上記ホスト材料はポリメタクリル酸
メチルであり、上記屈折率(n)は、上記ポリメタクリ
ル酸メチルに二酸化チタンのナノ粒子を分散させること
によって変化されることを特徴とする。
【0024】本発明の上述の目的、特徴及び利点と、他
の目的、特徴及び利点とは、以下の詳細な説明及び図面
が考慮されるときに、より明らかになるだろう。ただ
し、以下の詳細な説明及び図面で使用されている同一の
参照番号は、可能な限り、諸図面に共通して同一の特徴
を示している。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。
【0026】図1を参照すると、屈折率(n)を有する
典型的な従来技術に係るプラスチックレンズ1が図示さ
れている。屈折率(n)を有するホスト材料6を備えた
レンズ1は、到来光3からの反射損失4を減少させるた
めに、より小さい屈折率(n )を有するコーティング
層2でコーティングされている。従来技術に係るプラス
チックレンズ1のパーセント反射率は、上述の数3で定
義される。
【0027】図2を参照すると、本発明の実施形態に係
る方法に従って製造された、改善された反射防止レンズ
10のような光学製品が図示されている。レンズ10
は、(図1において示された)レンズ1と同様にコーテ
ィング層12を有しているが、レンズ10を構成するプ
ラスチックの光学的ホスト材料14は、屈折率を(n)
から(n)に変化するように改質されている(以下に
詳述する。)。ここで、屈折率(n)は典型的には屈折
率(n)よりも小さい。図2によれば、結果的に生じ
る光学的に改質されたコーティング層12は、数5によ
って定義されたゼロのパーセント反射率を有している。
【0028】
【数5】反射率(%)=100(n −n
/(n +n=0
【0029】ここで、nは周囲の空気の屈折率であ
り、nは4分の1波長コーティング材料の屈折率であ
り、nは光学的に改質された材料の屈折率である。
【0030】本発明の実施形態の重要な特徴は、プラス
チックの光学的ホスト材料14の屈折率(n)が製造プ
ロセスの間に変更される、すなわち増大されることにあ
る。本発明に従って屈折率(n)を増大させるために、
われわれは、屈折率(n)を有するナノ粒子材料の充
填材16をプラスチックの光学的ホスト材料14に分散
させることを選択した(以下でさらに詳述する)。ここ
で、屈折率(n)はプラスチックの光学的ホスト材料
14の屈折率(n)よりも大きい。
【0031】従って、本発明の実施形態に係る方法に従
って製造された、改善されたレンズ10に入射する到来
光3の100%は、屈折された光線5としてレンズ10
から出射される。
【0032】図3を参照すると、レンズ10のための光
学的に改質されたナノ複合材料18を製造するためのプ
ロセス20が示されており、ここで、ナノ複合材料18
は、プラスチックの光学的ホスト材料14とナノ粒子材
料16とを含む。最初にステップ22で、一般に光学製
品の光学的要件によって決定される透過率(パーセン
ト)、曇り度(パーセント)、屈折率、所定の温度での
降伏強さ(耐力)、衝撃強さ、引掻抵抗、ガラス転移温
度などのような、光学的、構造的及び熱的な設計上の検
討事項に基づいて、プラスチックの光学的ホスト材料1
4が選択される。第2に、ステップ24で、ナノ粒子材
料16は、好ましくは、コスト、利用可能性、屈折率及
び粒子のサイズに基づいて選択される。本発明に開示さ
れているように、ステップ24における適正なナノ粒子
材料16の選択に当たっては、高い屈折率、すなわち
2.0よりも大きい屈折率と、40nmに満たない平均
の粒子サイズとを有する物質を選択することを必要とす
る。第3に、ステップ26で、ナノ粒子材料16は好ま
しくはホスト材料14中に分散される。ただしこの他
に、ロール・ミリングのような混合プロセスを用いるこ
ともできる。ステップ26の分散は、好ましくは混合に
よって達成されることが可能である(図4を参照)。た
だし、溶媒に分散させるステップを用いると(図5を参
照)良好な結果が得られる。第4に、ステップ28で、
光学的に改質された材料18が光学製品として形成され
る。次いで、第5に、ステップ30で、光学製品は4分
の1波長の厚さのフッ化マグネシウムの層又は他の何ら
かの反射防止コーティング層でコーティングされ、ゼロ
のパーセント反射率を有する反射防止製品10が形成さ
れる。
【0033】図4及び図5を参照すると、ナノ粒子材料
16をホスト材料14中に分散させる2つの方法が概略
的に図示されている。図4には、混合による分散プロセ
ス32の概要が示されている。プロセス32の混合で
は、ステップ40において、ステップ36で選択された
ナノ粒子材料16は、ステップ34で選択されたホスト
材料14のペレットと共に、二軸スクリュー押出機又は
ファレル連続ミキサのような混合機に供給される。ステ
ップ40の混合の後、光学的に改質された材料18は、
ステップ42で射出成形機(図示せず。)での使用のた
めにペレット化される。図4が示すように、ステップ3
6で選択されたナノ粒子材料16をステップ34で選択
されたホスト材料14に対して相溶性のあるものにする
ために、ステップ38の表面処理を必要とすることがあ
る。当業者は、この処理がナノ粒子材料16に直接行わ
れ得るか、又はナノ粒子材料16及びホスト材料14と
共に添加剤として混合機に添加され得るということを理
解するだろう。
【0034】図5によれば、溶媒に基づく分散プロセス
44において、ステップ46において選択されたホスト
材料14と、ステップ48において選択されたナノ粒子
材料16とは、ステップ56で2種類の溶媒溶液が混合
される前に、各々ステップ50及びステップ54で溶媒
中に分散される。ステップ48で選択されたナノ粒子材
料16は、良好な分散が得られかつすべての凝集物が溶
解されていることを確実にするように、好ましくは中間
の溶媒分散ステップ52を施される。ステップ56で2
種類の溶媒溶液が混合された後は、ステップ58で溶媒
が除去され、ステップ60で光学的に改質された材料1
8が射出成形機(図示せず。)での使用のためにペレッ
ト化される。
【0035】光学的に改質された材料18を製造するた
めの図4及び図5の両方の技術に従えば、最終的に得ら
れる結果物は、十分に分散されたナノ粒子材料16を含
むプラスチックペレットである。ここで、ナノ粒子材料
16は、生産された、コーティングされた光学製品10
においてゼロの反射率に必要な屈折率を得るために十分
な量だけ存在している。
【0036】射出成形及び圧縮成形は、本発明において
使用される、反射防止レンズ10を形成するための2つ
の好ましい技術である(図3のステップ28を参照)。
フッ化マグネシウムの4分の1波長コーティング(又は
他の反射防止コーティング)は、真空コーティング又は
浸漬コーティングによって施される。
【0037】ある好ましい実施形態では、反射防止レン
ズ10は、熱可塑性プラスチック材料及び熱硬化性プラ
スチック材料より成るグループから選択されたポリマー
のホスト材料14で構成される。光学製品に使用される
熱可塑性プラスチック材料は、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリスルホン、
環状オレフィン及びこれらの混合物及び共重合体を含
む。光学製品に使用される熱硬化性プラスチック材料に
は、ジアリル炭酸グリコール、エポキシド及び熱硬化性
ポリエステルが含まれる。また、ナノ粒子材料の充填剤
は、好ましくは、二酸化チタン、ニオブ酸リチウム、酸
化亜鉛、チタン酸バリウム、ダイヤモンド、炭酸カルシ
ウム、ニオブ酸カリウム、チタン酸ストロンチウム及び
硫化亜鉛より成るグループから選択された材料を含む。
【0038】典型的に、本発明の意図の範囲内で生産さ
れる製品10は、単純なレンズ、複数のレンズにてなる
アレイ、眼のレンズ、窓ガラス、光ファイバ、ディジタ
ル画像化装置(digital imager)のカバーガラス、ディ
ジタル画像化装置のマイクロレンズ及び他の同様の光学
デバイスである。
【0039】当業者には、ホスト材料14の光学特性の
改質が、本発明の実施形態に係る方法に従って当該材料
の屈折率(n)を増大させることにより達成されること
は理解されるだろう。本発明の好ましい実施形態では、
このことは、ホスト材料14よりも大きい屈折率を有す
るナノ粒子材料16である充填材をホスト材料14中に
分散させることによって達成される。
【0040】
【実施例】実施例1.ホスト材料の屈折率(n)を増大
させるための前述の手順に係る典型的な実施例を以下に
示す。
【0041】ポリメタクリル酸メチルのホスト材料は、
二酸化チタンのナノ粒子材料を添加することによって光
学的に改質される。ポリメタクリル酸メチルは、屈折率
1.49を有する。二酸化チタンは、約2.5の屈折率
を有する。二酸化チタンのナノ粒子材料は、ナノフェー
ズ・テクノロジーズ・コーポレーション(NanophaseTec
hnologies Corp.)からサイズ20乃至40nmのもの
を入手可能である。ポリメタクリル酸メチルのホスト材
料において必要な二酸化チタンのナノ粒子材料の体積
(パーセント)は、下記の数6を用いて、体積に基づい
て計算することができる。
【0042】
【数6】γ=100(n−n)/(n−n)
【0043】ここで、γはゼロの反射率のための屈折
率の達成に必要なナノ粒子材料の体積%であり、n
ゼロの反射率のために光学的に改質された材料の屈折率
であり(フッ化マグネシウムの4分の1波長反射防止コ
ーティングの場合は、1.9である。)、nはプラスチ
ックのホスト材料の屈折率であり、nはナノ粒子材料
の屈折率である。
【0044】ポリメタクリル酸メチルと二酸化チタンの
組合せの場合、必要なナノ粒子材料の体積(パーセン
ト)は約40%である。
【0045】図5を参照すると、多様なポリマー(ポリ
メタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリカーボネート
及び環状オレフィン)と、多様なナノ粒子材料(二酸化
チタン、酸化マグネシウム及び酸化亜鉛)に対し、トル
エン又はキシレンを用いた溶媒に基づく分散プロセスが
良い結果をもたらし、その結果、十分に分散された溶液
が生成されている。
【0046】図5を再び参照すると、ステップ58の溶
媒除去は、中温で真空によって達成することができる。
乾燥された材料は、次に押出機にかけられ、ペレットが
形成される。次いで、ペレットは光学製品に射出成形さ
れ、上記光学製品は、薄いアルミニウムの層でコーティ
ングされ、そして反射防止のためにフッ化マグネシウム
でコーティングされる。
【0047】実施例2.とって代わって、上述の光学的
に改質される材料は、混合される方法を用いて準備され
る(図4を参照)。この場合において、相溶化させる添
加剤であるソルスパーズ(Solsperse(登録商
標))21000(アベシア・インコーポレイテッド
(Avecia Inc.)によって製造される)が、10%重量
の濃度でナノ粒子材料と混合される。混合された材料を
使用して形成されるレンズの最終的な反射防止製品は、
実施例1のプロセスを使用して形成されるレンズと同じ
反射防止性能を有している。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のポリマー
材料を光学的に改質する方法によれば、屈折率(n)を
有するホスト材料を含む製品を光学的に改質する方法で
あって、上記ホスト材料の上記屈折率(n)を変化させ
て、光学的に改質された材料を形成するステップを含
み、上記光学的に改質された材料は、上記ホスト材料の
上記屈折率(n)よりも大きい屈折率(n)を有し、
次式で定義されるパーセント反射率がゼロになるよう
に、上記光学的に改質された材料を、屈折率(n)を
有する反射防止材料でコーティングするステップを含
み、
【数7】反射率%=100(n −n
(n +n=0 ここで、nは周囲の空気の屈折率であり、nは上記
反射防止材料の屈折率であり、nは上記光学的に改質
された材料の屈折率である。
【0049】上記ポリマー材料を光学的に改質する方法
において、上記屈折率(n)を変化させるステップは、
上記ホスト材料中にナノ粒子充填剤の材料を分散させる
ステップを含み、上記ナノ粒子充填剤の材料は、二酸化
チタン、ニオブ酸リチウム、酸化亜鉛、チタン酸バリウ
ム、ダイヤモンド、炭酸カルシウム、ニオブ酸カリウ
ム、チタン酸ストロンチウム及び硫化亜鉛より成るグル
ープから選択された材料を備える。
【0050】また、上記ポリマー材料を光学的に改質す
る方法において、上記反射防止材料は、フッ化マグネシ
ウムを含む4分の1波長コーティング材料である。
【0051】さらに、上記ポリマー材料を光学的に改質
する方法において、上記ホスト材料はポリメタクリル酸
メチルであり、上記屈折率(n)は、上記ポリメタクリ
ル酸メチルに二酸化チタンのナノ粒子を分散させること
によって変化される。
【0052】従って、本発明のポリマー材料を光学的に
改質する方法によれば、従来技術の開発に優る多数の利
点が存在する。その利点として、本発明において使用さ
れる光学的に改質された材料で製造された製品は、コー
ティングコストが格段に少なく、しかもはるかに卓越し
た光学特性を有していることと、ホスト材料の屈折率は
容易に変更でき、結果として、より複雑でない構成の光
学系をもたらし、光学系全体のコストが実質的に減少さ
れることと、ナノ粒子材料の充填材を高い割合で添加す
ることにより、一般に光学コーティングの接着性及び耐
久性を改善させ得ることとを含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来技術に係る、部分的な光反射を示すコー
ティングされたレンズ1の縦断面図である。
【図2】 本発明の実施形態に係る、反射率がゼロであ
るコーティングされた反射防止レンズ10を示す。
【図3】 反射防止製品の製造プロセスを示すブロック
図である。
【図4】 混合に基づくナノ複合材料18の製造プロセ
スを示す概略的なブロック図である。
【図5】 溶媒への分散に基づくナノ複合材料18の製
造プロセスを示す概略的なブロック図である。
【符号の説明】
1…プラスチックレンズ、 2,12…コーティング層、 3…到来光、 4…反射損失、 5…回折された光線、 6,14…ホスト材料、 10…反射防止レンズ、 16…ナノ粒子材料の充填剤、 18…改質されたナノ複合材料。
フロントページの続き Fターム(参考) 2K009 AA04 BB01 BB13 BB14 BB24 CC06 DD03 4F006 AA22 AA55 AB73 BA14 CA05 DA04 4J002 BG061 DA016 DE106 DE146 DE186 DE236 DG026 GP01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率(n)を有するホスト材料を含む
    製品を光学的に改質する方法であって、 上記ホスト材料の上記屈折率(n)を変化させて、光学
    的に改質された材料を形成するステップを含み、上記光
    学的に改質された材料は、上記ホスト材料の上記屈折率
    (n)よりも大きい屈折率(n)を有し、 次式で定義されるパーセント反射率がゼロになるよう
    に、上記光学的に改質された材料を、屈折率(n)を
    有する反射防止材料でコーティングするステップを含
    み、 【数1】反射率%=100(n −n
    (n +n=0 ここで、nは周囲の空気の屈折率であり、nは上記
    反射防止材料の屈折率であり、nは上記光学的に改質
    された材料の屈折率であることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 上記屈折率(n)を変化させるステップ
    は、上記ホスト材料中にナノ粒子充填剤の材料を分散さ
    せるステップを含み、上記ナノ粒子充填剤の材料は、二
    酸化チタン、ニオブ酸リチウム、酸化亜鉛、チタン酸バ
    リウム、ダイヤモンド、炭酸カルシウム、ニオブ酸カリ
    ウム、チタン酸ストロンチウム及び硫化亜鉛より成るグ
    ループから選択された材料を備えたことを特徴とする請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 上記反射防止材料は、フッ化マグネシウ
    ムを含む4分の1波長コーティング材料であることを特
    徴とする請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 上記ホスト材料はポリメタクリル酸メチ
    ルであり、上記屈折率(n)は、上記ポリメタクリル酸
    メチルに二酸化チタンのナノ粒子を分散させることによ
    って変化されることを特徴とする請求項1記載の方法。
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