JP2002195921A - 薄膜試料および該薄膜試料の作製方法 - Google Patents

薄膜試料および該薄膜試料の作製方法

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JP2002195921A
JP2002195921A JP2000393766A JP2000393766A JP2002195921A JP 2002195921 A JP2002195921 A JP 2002195921A JP 2000393766 A JP2000393766 A JP 2000393766A JP 2000393766 A JP2000393766 A JP 2000393766A JP 2002195921 A JP2002195921 A JP 2002195921A
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plastic substrate
film sample
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JP2000393766A
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Masa Nakamura
雅 中村
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック基板の上に形成された積層膜の
構造をありのままに、透過型電子顕微鏡による高分解能
観察および分析や膜厚測定などの評価を良好に実施する
ことが可能な薄膜試料およびその作製方法を提供する。 【解決手段】 プラスチック基板と、該プラスチック基
板の上に設けられる積層膜とからなる物体の積層膜の断
面構造を評価するための薄膜試料であって、薄膜試料
は、物体の積層膜を支持するプラスチック基板の少なく
とも一部を除去することにより得られる物体と、該物体
を接着層を介して挟持する第1の支持体および第2の支
持体とから構成され、任意の手段によってさらに薄膜化
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜試料および該
薄膜試料の作製方法に関し、特に積層膜を有する物体の
積層断面を透過型電子顕微鏡で観察および評価するため
の薄膜試料およびその作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】透過型電子顕微鏡は、観察する物体の薄
膜試料に電子線を透過させ、電子線の透過時に試料中の
原子によって散乱・回折された電子を電子回折図形また
は透過電子像として出力するものである。このような透
過型電子顕微鏡は、主に物質の微視的な内部構造をナノ
メーターオーダで解析することが可能であり、生物試
料、金属材料および高分子材料ならびにそれらの積層膜
といった工業材料などの構造解析に広く用いられてい
る。通常、透過型電子顕微鏡を用いた試料の観察では、
電子を透過し、かつ十分なコントラストを提供できるサ
ブミクロン・オーダの薄膜試料を作製することが必要不
可欠である。そのため、薄膜試料の作製技術は極めて重
要である。
【0003】一般に、透過型電子顕微鏡による観察のた
めに要求される薄膜試料の厚さは、試料の種類、および
使用する透過型電子顕微鏡の加速電圧に依存し、通常の
加速電圧では約0.1〜0.2μmである。しかし、高
分解能における観察の場合には、試料をさらに薄くする
必要がある。このような超薄膜試料を作成するための方
法は、例えば「電子顕微鏡Q&A−先端材料解析のため
の手引き−」(堀内繁雄・引津禎彦・朝倉健太郎 共
編、アグネ承風社、発行日1996年12月15日)に
記載されている。
【0004】従来から上記薄膜試料を作製するための方
法に適用可能な技術として、粉砕法、化学研磨法、電解
研磨法、超薄切片法およびイオンミリング法などが知ら
れている。中でも、イオンミリング法は、半導体または
セラミックスの分野で多層膜の薄膜試料を作製する方法
として、近年、多用されている手法である。
【0005】イオンミリング法は、加速された不活性ガ
スイオンを真空下で固体試料の表面に照射して、試料を
構成する原子を試料表面からはじき出す(スパッタリン
グ現象)を利用して、試料を薄膜化する方法である。イ
オンミリング法を実施するための装置は、試料を搭載す
る回転試料台と、該回転試料台の両面から試料に対して
イオンビームを照射するイオンガンとを有する。なお、
イオンガンは所定の角度に傾斜させることで照射角を調
整することができる。イオンビームは、微量の不活性ガ
ス(例えばアルゴン)をアノードとカソードとの間で加
速することにより得られる。一般的なイオンミリング条
件は、加速電圧が2〜8kV、イオン電流が5〜200
μA、照射角が2〜15度である。
【0006】以下、イオンミリング法による従来の薄膜
試料の作製方法について図面を参照しながら説明する。
図6は、従来の超薄膜試料の作製方法を説明するための
ものであり、図中(1)〜(6)は各工程に対応する模
式図である。
【0007】従来の超薄膜試料の作製方法は、イオンミ
リング工程と、該イオンミリング工程に先立って物体の
試料を準備する準備工程とからなる。すなわち、準備工
程は以下の(1)〜(5)からなり、イオンミリング工
程は以下の(6)からなる。 (1)切り出し:観察対象となる物体を所定のサイズ
(例えば、5mm×2mm)に切り出す。 (2)加圧圧着:物体同士、または物体と支持体とを観
察面が内側になるように貼り合わせる。貼り合わせは、
例えば、エポキシ樹脂などの樹脂を硬化させることによ
り行う。硬化条件は例えば130℃、30分である。 (3)パイプ封入:補強および剥離防止のために、先の
工程で支持体と貼り合わせた物体を円筒状のパイプに挿
入し、隙間をエポキシ樹脂で埋め込み固定する。エポキ
シ樹脂の硬化条件は、例えば130℃、30分である。 (4)切断:低速切断機を用いて、パイプに封入された
物体をパイプごと切断する。切断厚さは、例えば300
〜400μmである。 (5)研磨:切断された物体の片面を研磨することによ
り鏡面に仕上げる(厚さは、例えば80μmである)。
次いで、鏡面仕上げの裏面ディンプル状(例えば中心部
の厚さは30μm以下)に研磨する。 (6)イオンミリング:先の準備工程によって作製され
た試料に不活性ガス(例えば、Arなど)のイオンビー
ムを照射することで試料を薄膜化する。なお、イオンビ
ームは、試料の鏡面仕上げ面およびディンプル仕上げ面
との両面側から照射することができるが、比較的スパッ
タされにくい基板側からビームを照射すると、スパッタ
され易い中心部が過剰にスパッタされなくて良い。ま
た、試料を回転させながら、その回転と同期させて変調
させたイオンビームを基板側から照射してもよい。な
お、図中の矢印はイオンビームの照射方向を示している
(但し、物体同士を貼り合わせて作製される薄膜試料の
場合を想定した)。
【0008】図7は、上述の方法によって作製された従
来の薄膜試料の構成を示す模式的断面図である。従来の
薄膜試料は、基板9(例えばガラス基板)と、該基板9
の上に設けられた積層膜10とからなる物体11と、該
物体11の積層膜10側に接着層12を介して設けられ
た支持体13とから構成され、このような薄膜試料がパ
イプ14内でエポキシ樹脂15によって固定されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、積層膜を支持
する基板が、プラスチック基板で代表される高分子樹脂
製基板である場合、従来の薄膜試料作製方法を適用させ
ると以下のような問題が生じる。すなわち、第1に、イ
オンミリングまでの物体の試料の準備工程において、プ
ラスチック基板あるいは該基板の上に設けられた積層膜
が変形し易く、イオンミリング用に準備される試料の作
製が困難となる。第2に、プラスチック基板はガラス基
板と比較してスパッタされ易いため、イオンビームの照
射により基板または該基板の上に設けられた積層膜が変
形し易い。そのため、透過型電子顕微鏡を用いる観察お
よび解析が困難となる。
【0010】したがって、本発明は上記従来の問題点を
解決し、プラスチック基板を有する積層構造に関し、本
来の積層構造をありのままに透過型電子顕微鏡による観
察および解析を実施できる薄膜試料およびその作製方法
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明らは、従来の薄膜
試料およびその作製方法における問題点を克服すべく鋭
意検討し、本発明を完成するに至った。
【0012】本発明にもとづく薄膜試料は、プラスチッ
ク基板と、該プラスチック基板の上に設けられる積層膜
とからなる物体の上記積層膜の構造を観察および評価す
るための薄膜試料であって、上記プラスチック基板の少
なくとも一部が除去された物体と、上記物体を接着層を
介して挟持する第1の支持体および第2の支持体とを有
することを特徴とする。
【0013】上記第1の支持体は、シリコンウェハであ
るか、またはプラスチック基板と、該プラスチック基板
の上に設けられる積層膜とからなる物体であることが好
ましい。
【0014】上記第2の支持体は、シリコンウェハであ
ることが好ましい。
【0015】上記物体は、磁気記録媒体であることが好
ましい。
【0016】本発明にもとづく薄膜試料の作製方法は、
プラスチック基板と、該プラスチック基板の上に設けら
れる積層膜とからなる物体の上記積層膜の構造を観察お
よび評価するための薄膜試料の作製方法であって、上記
物体を所定の寸法に切り出す工程と、上記物体の上記積
層膜側に接着層を介して第1の支持体を設ける第1の接
着工程と、上記第1の接着工程の後に、上記物体の上記
基板の少なくとも一部を除去する基板除去工程と、上記
基板除去工程の後に、上記基板が除去された側に接着層
を介して第2の支持体を設ける第2の接着工程と、上記
第1の支持体および上記第2の支持体によって挟持され
た上記物体の少なくとも一部を薄膜化する工程とを有す
ることを特徴とする。
【0017】ここで、上述の作製方法は、上記第1の支
持体および上記第2の支持体によって挟持された上記物
体を、パイプ内に挿入し、該パイプの内壁と上記物体と
の間の隙間を接着剤によって固定する工程をさらに有し
てもよい。
【0018】上記基板除去工程は、基板を研磨すること
により、または有機溶剤を用いて基板を溶解することに
より実施されることが好ましい。また、上記基板除去工
程は、基板を研磨した後に、さらに有機溶剤を用いて溶
解することにより実施してもよい。
【0019】上記第1の支持体は、シリコンウェハであ
るか、またはプラスチック基板と、該プラスチック基板
の上に設けられる積層膜とからなる物体であることが好
ましい。
【0020】上記第2の支持体は、シリコンウェハであ
ることが好ましい。
【0021】上記物体は、磁気記録媒体であることが好
ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明にもとづく薄膜試料
およびその作製方法について、図面を参照しながら説明
する。
【0023】図1は、本発明にもとづく薄膜試料の作製
方法の一例を示すフローチャートである。以下、図1に
示した各工程について詳細に説明する。
【0024】切り出し工程(S1) この工程では、プラスチック基板と、該プラスチック基
板の上に設けられる積層膜とからなる物体を、所定の寸
法に切り出す。なお、本明細書で使用される「積層膜」
とは、単層膜または多層膜のいずれであってもよい。切
り出しには、切断機などを使用する。また、切り出し寸
法は、特に限定されるものではないが、約10mm角以
下が適当である。
【0025】第1の接着工程(S2) この工程では、上記の工程(S1)で所定の寸法に切り
出された物体と、接着層を介して第1の支持体とを接着
させる。なお、第1の支持体として、シリコンウェハ、
アルミニウム板などの金属板を用いることができる。取
り扱いが容易なシリコンウェハが好ましい。または、プ
ラスチック基板および該プラスチック基板の上に設けら
れる積層膜からなる物体を第1の支持体として用いても
よい。いずれの場合において、接着は、物体の積層膜側
が接着面となるように(すなわち、基板が外側になるよ
うに)して実施される。
【0026】プラスチック基板および該プラスチック基
板の上に設けられる積層膜からなり、所定の寸法に切り
出された物体を第1の支持体とし、上記の工程(S1)
で所定の寸法に切り出された物体と接着させる場合は、
物体同士を貼り合わせることになる。この場合、各々の
物体は同一の積層膜を有するものであっても、異なる積
層膜を有するものであってもよい。このように物体同士
を貼り合わせることにより、物体と支持体とを接着させ
る上記方法によって作製される薄膜試料よりも効率良く
観察可能となる。特に、それぞれ異なる積層膜を有する
物体を貼り合わせた場合には、一度に2種類の薄膜を観
察できることになる。
【0027】なお、接着層は、この分野で公知のいかな
る技術によっても作製可能である。特に限定されるもの
ではないが、低温の加熱であっても短時間で硬化し、か
つ接着性に優れたエポキシ系樹脂を用いて接着層を構成
することが好適である。エポキシ系樹脂を使用する場合
は、積層膜と第1の支持体との間にエポキシ系樹脂を設
け、これらを圧着し、45〜60分にわたって、100
〜110℃に加熱することで樹脂を硬化させて完全に接
着させる。なお、基板の変形を防止するために、基板の
材質に応じて、適切な硬化温度、冷却条件を考慮する必
要がある。
【0028】基板除去工程(S3) この工程では、上記工程(S2)で第1の支持体に接着
させた物体の基板を、研磨するか、または有機溶剤を用
いて溶解させることにより基板厚さを10μm以下にす
る。かかる基板の除去は、基板を研磨した後、引き続き
有機溶剤を用いて溶解することによって実施してもよ
い。なお、上記第1の接着工程(S1)において、物体
を第1の支持体として使用し、物体同士を接着させた場
合は、それぞれの基板を除去する。本発明にもとづく薄
膜試料の作製方法では、この段階において高分子樹脂基
板を除去するため、以降に続く、鏡面仕上げ、ディンプ
リング仕上げといった研磨などの試料作製工程を容易に
行うことができる。
【0029】基板の研磨は、ヤスリ、研磨紙といった当
業者に知られた任意の方法によって達成することができ
る。また、基板の溶解除去に使用できる有機溶媒は、基
板を構成しているプラスチックを溶解する能力を有する
ものであればよい。特に限定されるものではないが、適
当な溶媒としてクロロホルムが挙げられる。
【0030】第2の接着工程(S4) この工程では、上記基板除去工程(S3)によって得ら
れる積層体の積層膜側(基板が除去された側)を、接着
剤を介して第2の支持体に接着させる。第2の支持体と
しては、シリコンウェハ、アルミニウム板などの金属板
を用いることができる。取り扱いが容易なシリコンウェ
ハが好ましい。なお、上記第1の接着工程(S1)にお
いて、物体同士を接着した場合は、それぞれの積層膜側
に第2の支持体を接着させる。
【0031】なお、接着層は、この分野で公知のいかな
る技術によっても作製可能である。特に限定されるもの
ではないが、低温の加熱であっても短時間で硬化し、か
つ接着性に優れたエポキシ系樹脂を用いて接着層を構成
することが好適である。接着層としてエポキシ系樹脂を
使用する場合は、薄膜と第1の支持体との間にエポキシ
系樹脂を設け、これらを圧着し、45〜60分にわたっ
て、100〜110℃に加熱することで樹脂を硬化させ
て完全に接着させる。なお、基板の変形を防止するため
に、基板の材質に応じて、適切な硬化温度、冷却条件を
考慮する必要がある。
【0032】固定工程(S5) この工程では、上記第2の接着工程(S4)によって得
られる積層体を、パイプ内に挿入して固定する。この工
程によって、積層体の補強および剥離防止が可能とな
る。積層体をパイプに固定するために、隙間に樹脂を流
し込み硬化させる。特に限定されるものではないが、好
適な樹脂としてエポキシ樹脂が挙げられるこのエポキシ
樹脂の硬化条件は、例えば130℃、30分である。
【0033】切断・研磨工程(S6) この工程では、上記固定工程(S5)によって、樹脂で
固定した積層体を、所定の寸法に切断して研磨する。こ
こで、「所定の寸法に切断」とは、以降の薄膜化工程
(S7)および透過型電子顕微鏡による観察時に破損す
ることなく取り扱うことができる範囲で、可能な限り薄
く切断することを意味する。特に限定されるものではな
いが、例えば80μm以下の厚さに切断する。切断には
低速切断機を使用する。
【0034】積層体を切断した後、切断面の片面を研磨
することにより鏡面仕上げする。また、その裏面を研磨
してディンプル仕上げする。ディンプル仕上げは、パイ
プ中に固定された薄膜試料の範囲に対応させて行う。そ
の際、特に限定されるものではないが、中心部を30μ
m以下の厚さとすることが好ましい。
【0035】薄膜化工程(S7) この工程では、第1の支持体および第2の支持体によっ
て挟持された物体の少なくとも一部をさらに薄膜化し、
観察に適した部分を形成する。薄膜化は、イオンミリン
グ法、ミクロトーム法といった当業者に知られた任意の
手段を用いて達成することが可能である。但し、本発明
においてはイオンミリング法が最適である。イオンミリ
ング法による薄膜化は、Arなどの不活性ガスのイオン
ビームを照射することによって達成される。なお、積層
体の積層方向に対して平行となる(接着面に対して垂直
となる)方向からイオンビームを照射することにより、
中心部付近の比較的スパッタされやすい面(膜)が過剰
にスパッタされて試料が破損することを防止できる。
【0036】上述のように構成される本発明にもとづく
薄膜試料作製方法の実施形態について以下に簡単に説明
する。なお、以下の説明は、プラスチック基板と、該基
板の上の積層膜である磁気記録層とを有する物体、すな
わち、磁気記録媒体の薄膜試料を作製する場合について
想定した。
【0037】(実施形態1)本実施形態は、第1の支持
体としてシリコンウェハを用いた場合の薄膜試料の作製
方法に関する。図2は、本実施形態を説明するため模式
的断面図であり、(a)〜(f)は作製方法の各工程に
対応する。
【0038】最初に、図2(a)に示すように、プラス
チック基板1と、該プラスチック基板1の上に設けられ
た磁気記録層2とからなる磁気記録媒体3を、所定の寸
法に切り出す。次に、図2(b)に示すように、磁気記
録層2の表面に接着層4を介してシリコンウェハ5を接
着する。次に、図2(c)に示すように、プラスチック
基板1の一部を除去する。次に、図2(d)に示すよう
に、基板を除去した側に接着層4を介してシリコンウェ
ハ6を接着する。次に、図2(e)に示すように、先の
工程で得られた積層体をパイプ7内に挿入し、パイプの
内壁と積層体との隙間に接着剤8を流し込み硬化させる
ことによって固定する。なお、積層体よりも一回り大き
い穴を有する中空円柱をパイプとして用いることが好ま
しく、積層体は積層方向がパイプの半径方向になるよう
に挿入される。最後に、図2(f)に示すように、パイ
プ内に固定された積層体を所定の寸法に切断し薄膜試料
とし、切断面の一方を研磨により鏡面仕上げし、切断面
の他方をディンプリング仕上げする。その後、観察部分
を中心にイオンビームを照射し、薄膜試料をさらに薄膜
化する。
【0039】図3は、上述の方法によって作製された薄
膜試料の断面図である。薄膜試料は、プラスチック基板
と、該プラスチック基板の上に設けられる磁気記録層と
からなる磁気記録媒体の磁気記録層の断面構造を観察す
るためのものである。すなわち、この薄膜試料は、磁気
記録媒体を支持するプラスチック基板の少なくとも一部
を削除することによって得られる磁気記録媒体3’およ
び該磁気記録媒体3’を接着層4を介して挟持する2枚
のシリコンウェハ5,6からなる積層体と、該積層体を
収容するパイプ7と、該パイプ7の内壁と上記積層体と
の隙間に介在する接着剤8とから構成される。
【0040】本実施形態によれば、磁気記録媒体を所定
の寸法に切り出した後に、シリコンウェハに接着させる
ことにより、磁気記録媒体のプラスチック基板の除去を
容易に行うことができる。また、変形しやすいプラスチ
ック基板の一部を除去した後にシリコンウェハで両側か
ら固定することにより、その後の鏡面研磨、ディンプリ
ング状研磨などの試料作製工程を容易に行うことができ
る。さらに、イオンビーム照射によるプラスチック基板
の変形の影響が軽減される。以上の効果によって、磁気
記録層の薄膜構造を変形することなく、磁気記録媒体の
磁気記録層を観察するための薄膜試料を容易に作製する
ことが可能になる。その結果、透過型電子顕微鏡の観察
目的に適した薄膜試料を提供することが可能になる。
【0041】(実施形態2)本実施形態は、第1の支持
体として磁気記録媒体を用いた場合の薄膜試料の作製方
法に関する。図4は、本実施形態を説明するため模式的
断面図であり、(a)〜(f)は作製方法の各工程に対
応する。
【0042】最初に、図4(a)に示すように、プラス
チック基板1と、該プラスチック基板1の上に積層され
た磁気記録層2とからなる磁気記録媒体3を、所定の寸
法に2枚切り出す。次に、図4(b)に示すように、切
り出された2枚の磁気記録媒体3を、互いに接着層4を
介して向かい合うように(磁気記録層2側が内側になる
ように)して接着する。次に、図4(c)に示すよう
に、磁気記録媒体3のプラスチック基板1の少なくとも
一部を除去する。次に、図4(d)に示すように、さら
に接着層4を介してシリコンウェハ6を接着する。次
に、図4(e)に示すように、先の工程で得られた積層
体をパイプ7内に挿入し、パイプ7の内壁と積層体との
隙間に接着剤8を流し込み硬化させることによって固定
する。なお、積層体よりも一回り大きい穴を有する中空
円柱をパイプとして用いることが好ましく、積層体は積
層方向がパイプの半径方向になるように挿入される。最
後に、図4(f)に示すように、パイプ内に固定された
積層体を所定の寸法に切断し薄膜試料とし、切断面の一
方を研磨により鏡面仕上げし、切断面の他方をディンプ
リング仕上げする。その後、観察部分を中心にイオンビ
ームを照射し、さらに薄膜試料を薄膜化する。
【0043】図5は、上述の方法によって作製された薄
膜試料の断面図である。薄膜試料は、プラスチック基板
と、該プラスチック基板の上に設けられる磁気記録層と
からなる磁気記録媒体の上記磁気記録層の断面構造を観
察するためのものである。すなわち、この薄膜試料は、
プラスチック基板の少なくとも一部がそれぞれ除去され
た2枚の磁気記録媒体3’(この2枚の磁気記録媒体
3’は接着層4を介して貼り合わされている)およびこ
れらを接着層4を介して挟持する2枚のシリコンウェハ
6からなる積層体と、該積層体を収容するパイプ7と、
該パイプ7と上記積層体との隙間に介在する接着剤8と
から構成される。
【0044】本実施形態によれば、先に説明した実施形
態1で述べた効果に加え、同じ磁気記録媒体を貼り合わ
せることで、イオンミリングによって観察に適した薄い
部分を実施形態1よりも効率的に形成することが可能と
なる。
【0045】
【実施例】以下、本発明にもとづく薄膜試料の作製方法
について、具体的な実施例により詳細に説明する。しか
し、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
あることはいうまでもない。
【0046】(実施例1)本実施例では、プラスチック
基板と、該プラスチック基板の上に、磁性膜、および有
機膜からなる硬質保護膜が順次積層されてなる磁気記録
媒体の薄膜試料を作製する。
【0047】最初に、切断機を用いて、上記磁気記録媒
体から解析部位を10mm角に切り出した。また、ガラ
ス切りを用いてシリコンウェハを10mm角に切り出し
た。先に切り出された磁気記録媒体の硬質保護膜の表面
に、エポキシ樹脂を塗布し、さらに先に切り出されたシ
リコンウェハを設け、エポキシ樹脂を硬化させることに
より磁気記録媒体とシリコンウェハとを圧着した。硬化
条件は、110℃、60分であった。
【0048】次に、磁気記録媒体のプラスチック基板
を、研磨紙を用いて研磨した後、クロロホルムを十分に
含ませた綿棒を用いて拭き取るようにして溶解除去し
た。基板を溶解除去した後に、引き続き、基板が除去さ
れた面にエポキシ樹脂を塗布し、さらにシリコンウェハ
を設け、先と同様にして圧着させた。なお、硬化条件は
110℃、60分である。
【0049】次に、上述のようにして得られた積層体を
トリミングした後、補強および剥離防止のためにパイプ
に挿入し、隙間をエポキシ樹脂で埋め込み110℃で4
5分間にわたって硬化させることによって固定し、さら
に300μmの厚さに切断した。
【0050】最後に、先の工程によって準備された磁気
記録媒体の薄膜試料を、不活性なArガスを用いたイオ
ンミリングによってさらに薄膜化した。その際、保護膜
が過剰にスパッタされることを防止するために、始めに
スパッタされにくい基板側からイオンビームを照射し、
次に、仕上げとして360°方向に均一にイオンビーム
を照射した。
【0051】以上のようにして得られた薄膜試料につい
て透過型電子顕微鏡を用いて高分解能観察および分析や
膜厚測定などを行ったところ、精度良く評価することが
できた。
【0052】(実施例2)本実施例では、プラスチック
基板と、該プラスチック基板の上に、磁性膜、および有
機膜からなる硬質保護膜が順次積層されてなる磁気記録
媒体の薄膜試料を作製する。
【0053】本実施例は、磁気記録媒体の基板を除去し
た後に設けられるシリコンウェハの代わりに、上記磁気
記録媒体を設けることを除き、実施例1と同様にして実
施される。よって、実施例1との相違点のみを簡単に説
明するものとし、それ以外は実施例と同様である。
【0054】最初に、切断機を用いて、上記磁気記録媒
体から解析部位を10mm角に2枚切り出した。切り出
した2枚の磁気記録媒体を、硬質保護膜が互いに向かい
合うようにして圧着させた。圧着にはエポキシ樹脂を使
用した。
【0055】次に、磁気記録媒体のそれぞれのプラスチ
ック基板を、研磨紙を用いて研磨した後、クロロホルム
を十分に含ませた綿棒を用いて拭き取るようにして溶解
除去した。基板を溶解除去した後に、引き続き、基板が
除去された面にエポキシ樹脂を塗布し、さらにシリコン
ウェハを設け、圧着させた。このようにして得られた積
層体を、実施例1と同様にパイプに挿入し、隙間をエポ
キシ樹脂で固定し、さらに300μmの厚さに切断し
た。
【0056】最後に、先の工程によって準備された磁気
記録媒体の薄膜試料をイオンミリングによってさらに薄
膜化した。その際、通常どおりイオンビームを照射した
後、仕上げとして360°方向に均一にイオンビームを
照射した。
【0057】以上のようにして得られた薄膜試料につい
て透過型電子顕微鏡を用いて高分解能観察および分析や
膜厚測定などを行ったところ、精度良く評価することが
できた。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
プラスチック基板の上に設けられる積層膜の構造を破壊
することなく比較的容易に薄膜試料を作製することが可
能となる。その結果、従来困難であったプラスチック基
板上の積層膜の実態構造の観察および解析評価を、積層
膜の実態構造のままに透過型電子顕微鏡によって実施す
ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にもとづく薄膜試料の作製方法を示した
フローチャートである。
【図2】本発明にもとづく薄膜試料の作製方法の第1の
実施形態を示す模式的断面図であり、(a)から(f)
は各工程に対応する図である。
【図3】本発明にもとづく薄膜試料の第1の実施形態を
示す模式的断面図である。
【図4】本発明にもとづく薄膜試料の作製方法の第2の
実施形態を示す模式的断面図であり、(a)から(f)
は各工程に対応する図である。
【図5】本発明にもとづく薄膜試料の第2の実施形態を
示す模式的断面図である。
【図6】従来の薄膜試料の作製方法を説明するための模
式図であり、(1)から(6)は各工程に対応する図で
ある。
【図7】従来法による磁気記録媒体の薄膜試料を示す模
式的断面図である。
【符号の説明】
1 プラスチック基板 2 磁気記録層 3 基板除去工程前の磁気記録媒体(物体、第1の支持
体) 3’ 基板除去工程後の磁気記録媒体(物体) 4 接着層 5 シリコンウェハ(第1の支持体) 6 シリコンウェハ(第2の支持体) 7 パイプ 8 接着剤 9 基板 10 積層膜 11 物体 12 接着層 13 支持体 14 パイプ 15 エポキシ樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 1/28 G

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック基板と、該プラスチック基
    板の上に設けられる積層膜とからなる物体の前記積層膜
    の構造を観察および評価するための薄膜試料であって、 前記プラスチック基板の少なくとも一部が除去された物
    体と、 前記物体を、接着層を介して挟持する第1の支持体およ
    び第2の支持体とを有することを特徴とする薄膜試料。
  2. 【請求項2】 前記第1の支持体が、シリコンウェハで
    あることを特徴とする請求項1に記載の薄膜試料。
  3. 【請求項3】 前記第1の支持体が、プラスチック基板
    と、該プラスチック基板の上に設けられる積層膜とから
    なる物体であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜
    試料。
  4. 【請求項4】 前記第2の支持体が、シリコンウェハで
    あることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載
    の薄膜試料。
  5. 【請求項5】 前記物体が、磁気記録媒体であることを
    特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の薄膜試
    料。
  6. 【請求項6】 プラスチック基板と、該プラスチック基
    板の上に設けられる積層膜とからなる物体の前記積層膜
    の構造を観察および評価するための薄膜試料の作製方法
    であって、 前記物体を所定の寸法に切り出す工程と、 前記物体の前記積層膜側に接着層を介して第1の支持体
    を設ける第1の接着工程と、 前記第1の接着工程の後に、前記物体の前記基板の少な
    くとも一部を除去する基板除去工程と、 前記基板除去工程の後に、前記基板が除去された側に接
    着層を介して第2の支持体を設ける第2の接着工程と、 前記第1の支持体および前記第2の支持体によって挟持
    された前記物体の少なくとも一部を薄膜化する工程とを
    有することを特徴とする薄膜試料の作製方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の支持体および前記第2の支持
    体によって挟持された前記物体を、パイプ内に挿入し、
    該パイプの内壁と前記物体との間の隙間を接着剤によっ
    て固定する工程をさらに有することを特徴とする請求項
    6に記載の薄膜試料の作製方法。
  8. 【請求項8】 前記基板除去工程が、基板を研磨するこ
    とにより実施されることを特徴とする請求項6または7
    に記載の薄膜試料の作製方法。
  9. 【請求項9】 前記基板除去工程が、有機溶剤を用いて
    基板を溶解することにより実施されることを特徴とする
    請求項6または7に記載の薄膜試料の作製方法。
  10. 【請求項10】 前記基板除去工程が、基板を研磨した
    後に、さらに有機溶剤を用いて溶解することにより実施
    されることを特徴とする請求項6または7に記載の薄膜
    試料の作製方法。
  11. 【請求項11】 前記第1の支持体が、シリコンウェハ
    であることを特徴とする請求項6から10のいずれかに
    記載の薄膜試料の作製方法。
  12. 【請求項12】 前記第1の支持体が、プラスチック基
    板と、該プラスチック基板の上に設けられる積層膜とか
    らなる物体であることを特徴とする請求項6から10の
    いずれかに記載の薄膜試料の作製方法。
  13. 【請求項13】 前記第2の支持体が、シリコンウェハ
    であることを特徴とする請求項6から12のいずれかに
    記載の薄膜試料の作製方法。
  14. 【請求項14】 前記物体が磁気記録媒体であることを
    特徴とする請求項6から13のいずれかに記載の薄膜試
    料の作製方法。
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