JP2002195541A - マイクロ波溶融装置 - Google Patents

マイクロ波溶融装置

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JP2002195541A
JP2002195541A JP2000394848A JP2000394848A JP2002195541A JP 2002195541 A JP2002195541 A JP 2002195541A JP 2000394848 A JP2000394848 A JP 2000394848A JP 2000394848 A JP2000394848 A JP 2000394848A JP 2002195541 A JP2002195541 A JP 2002195541A
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melted
container
pressure
melting
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JP2000394848A
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English (en)
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Hiroyuki Asano
啓行 浅野
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Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼却灰などの被溶融物の単位時間内の処理量
を大きくすることによって、マイクロ波溶融装置を現実
的なものとし、これにより被溶融物に含まれるダイオキ
シンや重金属などの環境に対して有害物質が溶出しない
ようにして無害化し、安全に廃棄あるいは再利用できる
ようにする。 【解決手段】 この発明に係るマイクロ波溶融装置は、
マイクロ波放射装置と、このマイクロ波放射装置が発生
するマイクロ波を絞り込み、かつ、内部圧力を保持する
圧力容器と、被溶融物が投入される被溶融物容器と、こ
の被溶融物容器と上記圧力容器とを気密接合する接合手
段とを備え、上記圧力容器により圧力を高めた状態で上
記被溶融物にマイクロ波を照射するようにしたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却灰等をマイク
ロ波により溶融するマイクロ波溶融装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】産業廃棄物や家庭から出されるゴミ等
は、産業構造の変化、経済活動の発展に伴って増大の一
途を辿っている。近年、地球環境問題に対する認識の高
まりにより再資源化率の向上の兆しを見せているが、依
然として焼却処理、直接投棄が廃棄物処理の主流を占め
ている。焼却時に残る焼却灰あるいは飛灰からは重金属
やダイオキシンなどの有害物質が溶出する可能性がある
ため、そのまま投棄できない。マイクロ波を用いた溶融
装置で焼却灰あるいは飛灰などを溶融すれば、処理温度
が高温であるためダイオキシンを発生せず、また溶融、
ガラス化による有害物質の閉じこめ効果が期待できる。
図5は、従来のマイクロ波溶融装置を示した構成図であ
る。本装置では、マイクロ波源にジャイロトロンを用い
ており、1cm程度の短い波長のマイクロ波を利用して
いる。短波長のマイクロ波を用いれば容易に高い電力密
度が得られる。というのも、集束ミラーを用いればマイ
クロ波ビームを波長程度の直径にまで絞り込むことが可
能だからである。被加熱物の温度は、入射するマイクロ
波の電力密度と輻射により放出される熱の密度とが、釣
り合うことによりほぼ決まるので、高い電力密度でマイ
クロ波を照射すれば被加熱物の温度を容易に高温にする
ことができ、溶融、ガラス化が可能である。
【0003】図5において、1は焼却灰などの被溶融物
5が詰め込まれる円筒状の容器であり、内部で被溶融物
5を溶融させるための、例えば炭化珪素等の高融点材料
からなる高融点容器6と、金属容器10とを組み合わせ
て成るものである。この容器1は高融点容器6を下側に
して斜めに設置されている。2は反射板であり、これは
マイクロ波を容器1の下部側となる高融点容器6の下端
開口部1a方向に反射させるものである。3は反射板2
冷却用の水を流すためのパイプ、4は赤外線の発散を防
ぐ赤外線閉じこめ部品、27Aはジャイロトロンなどの
マイクロ波放射装置、25Aはマイクロ波放射装置27
Aからのマイクロ波を放射するアンテナ、29Aはアン
テナ25Aから放射されてくるマイクロ波を反射板2に
集中させるためのマイクロ波集束ミラーである。7は高
融点容器6を高温に保ち、溶融物を流れ出しやすくする
ための高融点容器6を断熱する断熱材、8は断熱材7を
納めるケース、9はマイクロ波を遮蔽するためのマイク
ロ波遮蔽筐体、11は金属容器10に固定された歯車、
12は容器1を回転させるモータ、13は容器1の支持
体、13a〜13dは容器1を回転自在に支えるロー
ラ、14は投入口シャッター、15は被溶融物5を押し
固めるための容器、16は被溶融物5を押しつけるピス
トン、17は被溶融物5を蓄えるタンク、18は投入口
シャッター14を出し入れするシャフト、19は容器1
内の被溶融物5から放出されるガスを排出するために一
端側が排気ポンプに繋がれ、他端側19aが容器1内に
延長されたガス排気パイプ、20は反射板2表面に空気
を勢いよく吹き付けるためにコンプレッサなどに繋がれ
た空気吹き付けパイプ、21はマイクロ波遮蔽材、22
は溶融物を収集するタンクである。
【0004】上記マイクロ波遮蔽筐体9は例えばステン
レスで形成され、マイクロ波遮蔽筐体9の外にマイクロ
波が漏れるのを防いで、モータ12などの機械部品をマ
イクロ波から保護するためにマイクロ波を遮蔽するため
のものであり、図6に示すような斜面部9fを有する外
形の筐体から成る。その内部には、マイクロ波を放射し
て上記高融点容器6の下端開口部1a方向に導くための
構成部品としての上記アンテナ25A,マイクロ波集束
ミラー29A,反射板2,赤外線閉じ込め部品4、及び
溶融物を収集するための上記タンク22などが配置され
ている。尚、このタンク22は上記マイクロ波遮蔽筐体
9の側面に設けられた扉(図示せず)を介して外部に出
せるようになっている。マイクロ波遮蔽筐体9の斜面部
9fには円形孔9sが形成されており、上記容器1は、
上記高融点容器6の下端開口部1aが上記円形孔9sを
介してマイクロ波遮蔽筐体9内に臨むように配置され、
かつ、ローラ13a〜13dにより回転自在に支持され
ている。
【0005】上記ローラ13a〜13d及びモータ12
は、上記容器1を囲む、例えば図6に示すような円筒状
の支持体13の内周側の数箇所から上記容器1の外周側
に突出する支持アーム13xの先端側に取付けられてい
る。ガイドローラ13a〜13cは金属容器10の外周
面に沿って滑走し、ガイドローラ13dは金属容器10
の容器15側の一端側に設けられたフランジ10aと外
周面との間に形成されたR周面10rに沿って滑走す
る。また、マイクロ波遮蔽板9と上記ケース8のフラン
ジ8aとの間は摺動可能な材料を用いたマイクロ波遮蔽
材21により遮蔽されている。即ち、フランジ8aの表
面には、マイクロ波遮蔽筐体9の円形孔9sの周囲内面
側に対応するようにリング状の金属製のマイクロ波遮蔽
材21が取付けられており、このマイクロ波遮蔽材21
が上記円形孔9sの周囲内面側を摺動する。従って、容
器1は、ガイドローラ13dにより、図5に示すように
斜面部9fに対して直角に延長する状態、即ち、水平面
に対してその軸中心が傾斜した状態に支持され、かつ、
ガイドローラ13a〜13dにより回転自在に支持され
ている。
【0006】上記容器1の傾斜角度は、被溶融物5が溶
融状態になった物が高融点容器6の下端開口部1aから
タンク22にスムーズに落下し、かつ、焼却灰などの被
溶融物5が粉の状態でボロボロと落下しないような条件
を満たす傾斜角度に設定する。尚、マイクロ波を照射し
始めると、被溶融物においてマイクロ波が当たる部分は
全表面が短時間で溶融してしまうので、こうなると、そ
の奥にある粉状の被溶融物5はボロボロと落ちることは
無くなるため、溶融状態物をスムーズに落下させること
を優先して、容器1の軸中心が水平面に対して45°〜
60°ぐらいで傾斜するような状態に容器1を設置する
のが適当であると考えられるが、上記条件を満たすので
あれば45°〜60°の範囲以外であってもかまわな
い。ただし、極端に緩やかな傾斜角度だと、被溶融物5
が溶融状態になった物がスムーズに落下しにくく、ま
た、極端に急な傾斜角度だと、焼却灰などの被溶融物5
が粉の状態でボロボロと落下してしまうと考えられるの
で、好ましくない。
【0007】容器1はモータ12による回転駆動力で回
転する。つまり、モータ12の回転駆動力が歯車12a
を介して歯車11に伝達され、これにより、容器1がガ
イドローラ13a〜13dでガイドされながら回転す
る。よって、容器1の高融点容器6の下端開口部1aを
介してこの下端開口部1a側付近にある被溶融物5の表
面全体にマイクロ波を照射できるようになり、また、溶
融物の落下を促進させることができる。尚、この時の回
転速度は1秒に1回転以下の低速がよい。これは、溶融
物は溶融することにより流動性を持つようになるが、粘
度は依然大きく、流れ出すまでに時間がかかるためであ
る。
【0008】上記赤外線閉じ込め部品4は、高融点容器
6の下端開口部1a付近にある被溶融物5から放射され
る赤外線の発散を防止し、できるだけ多くの赤外線を反
射板2に導いて、再び被溶融物5の方に戻すことにより
加熱効率を向上する第1の目的と、溶融物をタンク22
に落下させるために高融点容器6と反射板2との間に隙
間を設ける第2の目的のために取り付けられている。赤
外線閉じ込め部品4は、例えばステンレスにより形成さ
れた円筒の一端側の一部を切欠いたものを用い、この切
欠部4aを、図5に示すように、高融点容器6の下端開
口部1aの下方側に対応するよう位置させることで上記
隙間が設けられることになる。尚、赤外線閉じ込め部品
4は、その軸中心が容器1の軸中心と一致するように、
高融点容器6の下端開口部1aと反射板2との間に設置
される。従って、上記切欠部4aにより、赤外線閉じ込
め部品4の一端側を高融点容器6の下端開口部1aに近
接して配置できるようになって上記第1の目的を達成で
きるとともに、高融点容器6の下端開口部1aの下方側
と反射板2との間に大きな隙間が設けられることになっ
て上記第2の目的を達成できる。
【0009】上記反射板2は、例えばアルミニウムやス
テンレスより成り、図7のように、表面にV字型の溝2
aが形成されている。このV字型の溝2aのピッチPは
マイクロ波の波長に対しては十分小さいが、赤外線の波
長に対しては十分大きくしてある。例えば、28GHz
のマイクロ波の波長は約10mmであるので、ピッチP
を1〜2mm程度にしておけばよい。このようにしてお
けば、マイクロ波に対しては反射板2は単に平面ミラー
として働くので、マイクロ波は矢印24aから24bの
方向に進む。一方、被溶融物5から放射される赤外線に
対しては、V字型の溝2aの1段1段がミラーとして働
くので、赤外線は破線矢印26のように反射されて戻っ
て行く。その結果、被溶融物5からの赤外線による熱の
逃げを抑え、加熱効率を向上させることができる。ま
た、この反射板2は表面に付着物があると十分な効果が
得られなくなるので、コンプレッサなどによりパイプ2
0を介して表面に空気を勢いよく吹き付け、表面に付着
しようとする物を吹き飛ばすようにする。また、反射板
2は赤外線を受けて高温になるので、パイプ3を介して
供給される冷却水で冷却するようにしている。パイプ3
は反射板2内に延長してジグザグ状に配置され、冷却水
を反射板のすみずみまで循環できるようにしている。
【0010】上記マイクロ波放射装置27Aとしてのジ
ャイロトロンは、図5及び図6に示すように、マイクロ
波遮蔽筐体9の側面に配置され、別の支持装置で支持さ
れている。尚、このジャイロトロンの一般的な構成は図
8に示すとおりである。即ち、電子銃27aから放射さ
れる電子ビームは、電磁石あるいは永久磁石で構成され
る磁場発生装置27bによって供給される軸方向磁界に
巻く付きように旋回運動をしながらキャビティ27cに
入射する。キャビティ27cでは、電子ビームと電磁波
(マイクロ波)とが相互作用を行うことにより、電磁波が
励振される。相互作用後の電子ビームはコレクタ27d
で回収され、発生した電磁波は出力窓27eを通過して
外部へ放出される。即ち、アンテナ5を介してマイクロ
波集束ミラー29Aに放射される。
【0011】次に動作について説明する。被溶融物5
は、最初にシャッター14が閉じた状態でタンク17か
ら導入され、ピストン16により容器15内で押し固め
られる。その後、シャッター14を開いて、ピストン1
6で被溶融物5を容器1の中に押し込む。押し固める目
的は、押し固めることによって被溶融物5の密度を大き
くし、マイクロ波の吸収効率を高めることと、容器1を
斜めに設置しても被溶融物5が落下することなく、表面
からマイクロ波の照射を受けて溶融して行くようにする
ためである。
【0012】そして、ジャイロトロンを駆動して発生さ
せたマイクロ波はアンテナ25によって集束ミラーに照
射され、マイクロ波ビームの中心が矢印24aおよび赤
外線閉じ込め部品4を介して矢印24bに沿うように進
み、回転する容器1の高融点容器6の下端開口部1a付
近に位置する被溶融物5に照射され、この被溶融物5を
加熱する。被溶融物5は1400℃程度に加熱され、溶
融して流動性を帯びて流れ出し、タンク22に落下す
る。溶融物はこのように高温になるので、それを納める
部材は高融点の材料で製作された物である必要があるた
め、1400℃以上の融点をもつ高融点材料で形成され
た高融点容器6を用いている。ただ、このように高温に
なるのは一部分であるので、それ程高温にならない部分
は高価な高融点材料を用いた部品である必要はなく、安
価で加工の容易なステンレスなどの金属でよい。高融点
容器6と金属容器10を接合して容器1を構成している
のはこの理由による。
【0013】尚、溶融時には被溶融物5からガスが発生
し、マイクロ波により点火されプラズマとなる。この現
象が起こると、プラズマはマイクロ波の反射体となり、
加熱効率が低下したり、マイクロ波放射装置27Aの動
作を不安定にする原因となるため、パイプ19に排気ポ
ンプを繋げ、発生ガスを排出するようにしている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来のマイクロ波溶融
装置は、以上のように構成されており、被溶融物にマイ
クロ波を照射したときに被溶融物から放出されるプラズ
マになりやすいガスを排気するようにして、マイクロ波
の照射時のプラズマ発生を避けようとしているがなお十
分とはいえず、またプラズマはマイクロ波を吸収あるい
は反射するという性質を持っているためにマイクロ波が
被溶融物まで到達することを妨げ、溶融効率が低下して
十分な処理能力が得られないといった課題があった。
【0015】そこで、本発明はこのような課題を解決す
るためになされたもので、プラズマの発生をできるだけ
防止して溶融効率を高め、十分な処理能力を得る新規な
マイクロ波溶融装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に係るマイクロ
波溶融装置は、マイクロ波放射装置と、このマイクロ波
放射装置が発生するマイクロ波を絞り込み、かつ、内部
圧力を保持する圧力容器と、被溶融物が投入される被溶
融物容器と、この被溶融物容器と上記圧力容器とを気密
接合する接合手段とを備え、上記圧力容器により圧力を
高めた状態で上記被溶融物にマイクロ波を照射するよう
にしたものである。
【0017】請求項2に係るマイクロ波溶融装置は、上
記圧力容器に気体を導入することにより被溶融物容器内
の圧力を高めることを特徴とする請求項1に記載のもの
である。
【0018】請求項3に係るマイクロ波溶融装置は、上
記接合手段を上記被溶融物容器及び上記圧力容器にそれ
ぞれ設けたフランジにより接合したものである請求項1
に記載のものである。
【0019】請求項4に係るマイクロ波溶融装置は、マ
イクロ波放射装置と、放電耐圧の高いガスが導入され、
被溶融物が投入される被溶融物容器とを有し、上記マイ
クロ波放射装置から発生したマイクロ波を上記被溶融物
容器中の被溶融物に照射するようにしたものである。
【0020】請求項5に係るマイクロ波溶融装置は、上
記放電耐圧の高いガスをSF6とした請求項4に記載の
ものである。
【0021】請求項6に係るマイクロ波溶融装置は、マ
イクロ波放射装置と、このマイクロ波溶融装置の上部に
配置され、被溶融物を貯蔵する貯蔵タンクと、この貯蔵
タンクの下部に配設され、マイクロ波を透過する透過板
とを有し、上記マイクロ波放射装置の照射により溶融さ
れたスラグを上記透過板の傾斜によって上記貯蔵タンク
に形成した排出口から取り出すようにしたものである。
【0022】請求項7に係るマイクロ波溶融装置は、上
記透過板をセラミックスから構成した請求項6に記載の
ものである。
【0023】請求項8に係るマイクロ波溶融装置は、マ
イクロ波放射装置と、このマイクロ波溶融装置の上部に
配置された被溶融物を収納する収納容器と、この収納容
器に上側が直線状で、下側がのこぎり歯状に形成された
開口部を設け、上記のこぎり歯状に沿って設けられたセ
ラミックスとを有し、このセラミックスを通して上記マ
イクロ波放射装置からのマイクロ波を上記被溶融物に照
射するようにしたものである。
【0024】請求項9に係るマイクロ波溶融装置は、上
記セラミックスを複数枚により上記のこぎり歯状を形成
し、上記のこぎり歯状の上記マイクロ波の電界成分に対
する角度をブリュースター角としたことを特徴とする請
求項8に記載のものである。
【0025】実施の形態1.以下、本発明の実施の形態
1について、図1及び2を用いて説明する。図1及び図
2は、それぞれ実施の形態1を示す構成図である。な
お、図1及び図2において、従来のマイクロ波溶融装置
を示す図11、図12と同一符号は、同一又は相当部分
を示すため、説明を省略する。図1において、31は気
体を導入する気体導入口、32はマイクロ波を絞り込む
機能と内部圧力を保つ圧力容器、33は容器1と圧力容
器32を接合し、かつ、気密を保つために圧力容器側に
取り付けられたフランジA、34はフランジAと同じ機
能を持ち、容器1側に取り付けられたフランジB、35
はフランジBを支える円筒を斜めに切断したパイプ、3
6はフランジBを容器1の軸に並行方向の移動を可能に
するためのベローズ、37はベローズ36と容器1とに
接合されるつば、38は容器1及びその周辺の部品を回
転させるための回転軸、39は溶融により生成されたス
ラグを落下させるためのスラグ落下用パイプである。ま
た、図2において、41はスラグを一時的に貯蔵するス
ラグ集積容器、40はスラグ落下パイプ39とスラグ集
積容器41を結合するカップラである。
【0026】次に動作を説明する。容器1へ被溶融物を
投入するときには、図1のように容器1は口を上向きに
しておく。被溶融物5を投入し終わり、十分押し固めた
後、容器を回転軸38の回りに回転させ、図2の状態に
する。このとき、容器1と圧力容器32の間は、それぞ
れに取り付けられ、接触面を平面に仕上げたフランジA
33、フランジB34を用いて接合する。場合によれ
ば、十分な密着圧を得るために補助的に締め付け具を利
用することが必要である。こうすることにより、この接
合部分においてある程度の気密が得られる。さらにこの
状態で、気体導入口31から空気あるいはその他の適切
なガスを注入して内部圧力を高めた状態で、マイクロ波
を被溶融物5に照射する。このようにすれば、高圧雰囲
気内で被溶融物5にマイクロ波を照射できる。パッシェ
ンの法則によれば、大気圧付近の圧力領域では、圧力が
高いほど放電開始電界が高くなる。これは一定のマイク
ロ波パワーにおいて放電が起こりにくくなることと同じ
意味である。したがって、本実施の形態1によれば、マ
イクロ波照射時の放電を起こりにくくしてプラズマ発生
を抑制することにより、十分大きなマイクロ波パワーを
被溶融物5に照射することが可能になり、被溶融物5の
溶融能力が向上する効果が得られる。
【0027】実施の形態2.実施の形態1では加圧する
ことによりプラズマの発生を抑制する方法を示したが、
次のような方法でもよい。すなわち、ガス導入により高
気圧雰囲気にするのではなく、例えばSF6などの放電
の起こりにくいガスを導入する。このような方法によっ
ても、マイクロ波照射時の放電を起こりにくくしてプラ
ズマ発生を抑制することにより、十分大きなマイクロ波
パワーを被溶融物5に照射することが可能になり、被溶
融物5の溶融能力が向上する効果が得られる。
【0028】実施の形態3.次に、実施の形態3につい
て、図3を用いて説明する。図3において、42は、例
えば焼却灰などの被溶融物5を蓄える被溶融物貯蔵タン
ク、43は被溶融物貯蔵タンク42の下部に取り付けら
れ、被溶融物5が落下しないように支えると同時に、マ
イクロ波を透過させる例えばアルミナなどのセラミック
ス板、44は被溶融物が溶融して生成されるスラグを排
出するとともに、発生したガスが外部に出るための排出
口である。次に動作について説明する。図3に示すのよ
うにセラミックス板43を透してマイクロ波を照射する
と、被溶融物5はセラミックス板43に接しているの
で、放電を起こしやすいガスが発生してもプラズマが発
生するための空間が無くなる。また、発生したガスは排
出口44から外部に抜け出す。このようにすれば、プラ
ズマの発生する空間が無くなるので、十分大きなマイク
ロ波パワーを被溶融物5に照射することが可能になり、
被溶融物の溶融能力が向上する効果が得られる。
【0029】実施の形態4.次に、実施の形態4につい
て、図4を用いて説明する。図4は、図3におけるセラ
ミックス板を保持する部分のみを示した部分拡大図であ
る。図4(a)はその平面図、(b)は正面図、(c)
は側面図である。ここでは、セラミックス板は複数枚、
例えば図4では6枚43a〜43fを用い、それぞれ角
度を付けて取り付けてある。48a〜48dは金属製の
角形容器、46a、46bはスラグ容器である。角形容
器の48a、48bにセラミックス板43a〜43fを
貫通させて支えるための、上は直線で、下はのこぎり歯
型をし、生成されたスラグを取り出すための開口部47
を設けてある。マイクロ波は49の矢印のように入射さ
せる。このとき、マイクロ波の電界の振動方向が側面図
の紙面に平行になるようにする。開口部47に設けたの
こぎり歯の部分の角度は、マイクロ波のセラミックス板
43a〜43fに対する入射角がブリュースター角にな
るように設定してあるため、マイクロ波はセラミックス
板43a〜43f表面で反射することなく透過し、効率
よく被溶融物5に達する。このようにすることにより、
プラズマの発生する空間が無くなるので、十分大きなマ
イクロ波パワーを被溶融物5に照射することが可能にな
り、被溶融物5の溶融能力が向上する効果が得られる上
に、セラミックス板43a〜43f表面でのマイクロ波
の反射が無くなるので、効率よくマイクロ波を被溶融物
5に照射できる。
【0030】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、被溶融
物をプラズマの発生をできるだけ防止して溶融効率を高
め、十分な処理能力を得るマイクロ波溶融装置を得るこ
とができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1で示された焼却灰溶融装置の主
要部を示す構成図である。
【図2】 実施の形態1で示した焼却灰溶融装置の主要
部を示す構成図である。
【図3】 実施の形態3で示した焼却灰溶融装置の主要
部を示す構成図である。
【図4】 実施の形態4で示した焼却灰溶融装置の主要
部を示す構成図である。
【図5】 従来の焼却灰溶融装置を示す構成図である。
【図6】 従来の焼却灰溶融装置を示す構成図である。
【図7】 従来の焼却灰溶融装置における反射板の形状
を示す構成図である。
【図8】 従来の焼却灰溶融装置に用いられるジャイロ
トロンの動作を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1…マイクロ波集束ミラー、2…反射板、3…パイプ、
4…赤外線閉じこめ部品、5…被溶融物、6…高融点容
器、7…断熱材、8…ケース、9…マイクロ波遮蔽板、
10…金属容器、11…歯車、12…モータ、13…ロ
ーラ、14…シャッター、15…被溶融物を押し固める
ための容器、16…ピストン、17…タンク、18…シ
ャフト、19…パイプ、20…パイプ、21…マイクロ
波遮蔽材、22…タンク、24…マイクロ波ビームの経
路を示す矢印、25…アンテナ、26…赤外線の経路を
示す矢印、27…ジャイロトロン装置、28…導波管、
29…マイクロ波用ホーン、30…排気スリット、31
…気体導入口、32…圧力容器、33…フランジA、3
4…フランジB、35…パイプ、36…ベローズ、37
…つば、38…回転軸、39…スラグ落下用パイプ、4
0…カップラ、41…スラグ集積容器、42…被溶融物
貯蔵タンク、43…セラミックス板、44…排出口、4
5…電源、46a、46b…スラグ容器、47…開口
部、48a〜48d…角形容器、49…マイクロ波入射
経路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F27B 7/34 F27D 11/08 Z 4K063 F27D 7/06 H05B 6/64 D 11/08 6/80 A H05B 6/64 B09B 3/00 ZAB 6/80 303L Fターム(参考) 3K061 NB01 NB21 3K090 AA02 AB14 BA10 BB01 BB13 BB14 CA01 DA01 DA14 EB29 FA01 FA03 4D004 AA36 AB07 CA29 CB33 4G075 AA37 BB03 CA26 4K061 AA08 BA12 DA00 FA11 4K063 FA82

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロ波放射装置と、このマイクロ波
    放射装置が発生するマイクロ波を絞り込み、かつ、内部
    圧力を保持する圧力容器と、被溶融物が投入される被溶
    融物容器と、この被溶融物容器と上記圧力容器とを気密
    接合する接合手段とを備え、上記圧力容器により圧力を
    高めた状態で上記被溶融物にマイクロ波を照射するよう
    にしたことを特徴とするマイクロ波溶融装置。
  2. 【請求項2】 上記圧力容器は、気体を導入することに
    より被溶融物容器内の圧力を高めることを特徴とする請
    求項1に記載のマイクロ波溶融装置。
  3. 【請求項3】 上記接合手段は、上記被溶融物容器及び
    上記圧力容器にそれぞれ設けたフランジを接合したもの
    であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ波溶
    融装置。
  4. 【請求項4】 マイクロ波放射装置と、放電耐圧の高い
    ガスが導入され、被溶融物が投入される被溶融物容器と
    を有し、上記マイクロ波放射装置から発生したマイクロ
    波を上記被溶融物容器中の被溶融物に照射するようにし
    たことを特徴とするマイクロ波溶融装置。
  5. 【請求項5】 上記放電耐圧の高いガスは、SF6であ
    ることを特徴とする請求項4に記載のマイクロ波溶融装
    置。
  6. 【請求項6】 マイクロ波放射装置と、このマイクロ波
    溶融装置の上部に配置され、被溶融物を貯蔵する貯蔵タ
    ンクと、この貯蔵タンクの下部に配設され、マイクロ波
    を透過する透過板とを有し、上記マイクロ波放射装置の
    照射により溶融されたスラグを上記透過板の傾斜によっ
    て上記貯蔵タンクに形成した排出口から取り出すように
    したことを特徴とするマイクロ波溶融装置。
  7. 【請求項7】 上記透過板は、セラミックスからなるこ
    とを特徴とする請求項6に記載のマイクロ波溶融装置。
  8. 【請求項8】 マイクロ波放射装置と、このマイクロ波
    溶融装置の上部に配置された被溶融物を収納する収納容
    器と、この収納容器に上側が直線状で、下側がのこぎり
    歯状に形成された開口部を設け、上記のこぎり歯状に沿
    って設けられたセラミックスとを有し、このセラミック
    スを通して上記マイクロ波放射装置からのマイクロ波を
    上記被溶融物に照射するようにしたことを特徴とするマ
    イクロ波溶融装置。
  9. 【請求項9】 上記セラミックスは、複数枚により上記
    のこぎり歯状を形成し、上記のこぎり歯状の上記マイク
    ロ波の電界成分に対する角度をブリュースター角とした
    ことを特徴とする請求項8に記載のマイクロ波溶融装
    置。
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