JPH0443992Y2

JPH0443992Y2 -

Info

Publication number: JPH0443992Y2
Application number: JP1986126484U
Authority: JP
Priority date: 1986-08-21
Filing date: 1986-08-21
Publication date: 1992-10-16
Also published as: JPS6333597U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は焼却灰・メツキスラツジ等の廃棄物を
加熱し、焼結・固化するためのマイクロ波加熱装
置に関する。

〔従来の技術〕

従来、焼却灰・メツキスラツジ等の廃棄物で、
粉状体・塊状体またはその混合物の処理方法とし
ては、そのまま投棄するか、またはセメントやア
スフアルト中に混入固化して投棄する方法がとら
れていた。しかしそのまま投棄した場合は、有害
物質の流出、雨水による汚泥化、風による飛散等
により環境を破壊し、セメントやアスフアルト中
に混入固化して投棄した場合でも、セメントやア
スフアルトによる体積の増加に伴う用地難、およ
び経年変化によるクラツク等により有害物質の流
出等環境破壊になる。

そのため粉状体・塊状体またはその混合物であ
るこれらの廃棄物を、マイクロ波で加熱し、焼
結・固化して投棄または保管する方法が用いられ
ている。すなわちこれら廃棄物は熱伝導が悪く、
外部加熱では効率が悪い反面、マイクロ波では中
心部から加熱されるため、効率良く加熱を行ない
焼結・固化することができるためである。

従来のマイクロ波加熱装置は、第４図のような
構成になつていた。すなわち、マイクロ波発生装
置（図示せず）からのマイクロ波を導波管１によ
り、被加熱物２を加熱処理するためのオーブン３
に導き、被加熱物供給装置４から、回転ドラム５
によつて移動させられる搬送用ベルト６に供給さ
れ、オーブン３内に搬入した被加熱物２を加熱
し、焼結・固化するものである。加熱処理を完了
した被加熱物２の焼結体は、保管容器７に収納
し、ふたをして投棄または保管するようにする。
また導波管１に導かれたマイクロ波が、オーブン
３の外に漏洩しないように、被加熱物２の入口お
よび出口にはチヨーク８を設けている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記マイクロ波加熱装置においては、被加熱物
を搬送するために回転用のベルトが用いられてお
り、このベルトの材質はマイクロ波を吸収しない
ような、ガラステープにテフロンをコーテイング
したものが用いられていた。

このベルトはそれ自身がマイクロ波を吸収して
加熱、焼損するということはないが、ベルトとし
て回転ドラム部分で曲がらなければならないの
で、ベルトの厚みは１mm以下にしなけらばなら
ず、このためベルト上の被加熱物が異常加熱され
た場合は短時間で穴があき、ベルトを交換しなけ
ればならないという問題があつた。特に原子力廃
棄物の処理等で保守が困難な場合において、寿命
の短いベルトに代え耐久性に優れた材料を用いる
ことで、保守頻度を低減させる必要があつた。

またオーブン内にベルトを通過させるようにし
ているので、被加熱物の入口および出口はオーブ
ンが開口状態になつており、この部分からマイク
ロ波が漏洩しないようにするためにオーブンの入
口および出口は長い範囲にわたりチヨーク構造を
設ける必要があつた。そして上記のようにオーブ
ンに開口部があるので、マイクロ波の加熱により
被加熱物から有害なガスが発生する場合には適用
が困難であつた。

そこで本考案は、ベルト交換の必要がなくオー
ブンに気密性を持たせ、処理工程で発生する有害
なガス、放射線、マイクロ波等が外部に放出しな
いようにしたマイクロ波加熱装置を提供すること
を目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点を解決するために、本考案は、被加
熱物の搬送手段としてベルトの代わりに振動フイ
ーダを用いることを特徴とするものである。振動
フイーダの取付け方としては、振動フイーダ本体
をマイクロ波加熱装置のオーブン内に設置する方
法と、振動フイーダ本体がオーブンの底面になる
ようにダイヤフラムで連結してオーブンを形成す
る方法がある。上記振動フイーダの適用により、
搬送用ベルトの使用をなくし、それに伴いオーブ
ンの開口部とチヨーク構造もなくしている。また
オーブンの素材は、破棄物の処理工程で発生する
有害な物質に侵されたり、透過したりしない物質
を用いている。

すなわち、本考案は廃棄物を加熱して焼結固化
するマイクロ波加熱装置において、被加熱物の搬
送手段に振動フイーダを用いることにより、オー
ブンの気密性を保持する構造を形成するととも
に、マイクロ波漏洩防止用のチヨーク構造付加部
分を取り除き、被加熱物の投入口および排出口に
開閉装置を設けて密閉することにより、有害な物
質を発生する廃棄物の処理もできるようにしたも
のである。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例について説明する。

第１図には、本考案の一実施例が示されてい
る。図において１，２，３，４，７は第４図の同
一符号と同一または相当する部分を示し、１１は
振動フイーダ、１２はばね、１３はダイヤフラ
ム、１４は開閉装置、１５は振動フイーダ駆動用
のロツド、１６は排気口である。

振動フイーダ１１は、オーブン３内に設置さ
れ、オーブン３の外にある振動機（図示せず）か
らダイヤフラム１３と駆動用ロツド１５を介して
振動が伝えられる。振動フイーダ１１の底面には
ばね１２の一端が取り付けられ、ばね１２の他端
はオーブン３の底面に取り付けられているので、
振動フイーダ１１の上に供給された被加熱物２
は、十分な振動により、加熱・固化されて排出口
に搬送される。また、振動フイーダ１１は、駆動
用ロツド１５により、ダイヤフラム１０を介し
て、オーブン３の密閉が保てるように形成されて
いるので、被加熱物供給装置４から投入された被
加熱物２が有害な物質を発生する場合には、被加
熱物２の投入口および排出口に開閉装置１４を取
り付け、オーブン３に排気口１６を設けることに
より安全に処理することができるようになる。

第２図は本考案の他の実施例を示すもので、第
１図と同一符号は同一または相当する部分を示
し、１７はオーブン内のマイクロ波分布を最適に
するための仕切板である。

本実施例においては、振動フイーダ１１がダイ
ヤフラム１３を介して、オーブン３の底面を形成
するように構成されている。被加熱物２は供給装
置４から、ダイヤフラム１３を介してオーブン３
の底面を形成している振動フイーダ１１上に投入
され、仕切板１７により効率よくマイクロ波が照
射され、駆動用ロツド１５を通じて、振動機（図
示せず）からの振動により、焼結・固化されなが
ら排出口に搬送されていく。

本実施例においても、被加熱物から有害な物質
が発生する場合には、第１図の実施例と同様に被
加熱物の投入口と排出口に開閉装置を取り付け、
オーブン３に排気口を設けることにより、安全に
加熱処理をすることができる。

第３図は本考案の第３実施例を示すもので、第
１図と同一符号は同一または相当する部分を示
し、２１は螺旋状に形成された振動フイーダ、２
２は円筒軸である。

第３実施例においては、オーブン３内に振動伝
達手段として円筒軸２２を設け、該円筒軸２２と
オーブン３とはダイヤフラム１３を介して連結さ
れ、オーブン外部の振動機（図示せず）からの振
動を円筒軸２２を螺旋状に取り囲んでいる振動フ
イーダ２１に伝達する構造になつている。

振動フイーダ２１は螺旋状に、一定の幅を持つ
て円筒軸２２に取り付けられているので、被加熱
物２が焼結・固化されて円筒軸２２上方に搬送さ
れると、被加熱物２の形状はほぼ振動フイーダ２
１の溝幅と同一になり、排出口より保管容器７に
積め込まれるとき、焼結物の形状はほぼ同一のも
のから成り立つようになる。

上記いずれの実施例においても、振動フイーダ
の材質は金属や厚いテフロン、ガラス、セラミツ
ク等何でも使用することが可能である。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、マイク
ロ波の加熱装置において被加熱物の搬送手段とし
て、ベルトの変わりに振動フイーダを用いている
ので、搬送手段の材質としていろいろな材料を使
用することができ、耐久性も向上させることがで
きると共に、オーブンの気密性も容易に保持でき
る構造を確保することができるので、電波の漏洩
を防止するとともに、有害な物質を発生する被加
熱物の処理も安全に行なうことができるという利
点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図、第３図は本考案の実施例を示
すマイクロ波加熱装置の説明図、第４図は従来の
マイクロ波加熱装置の説明図である。１……導波管、２……被加熱物、３……オーブ
ン、４……被加熱物供給装置、５……回転ドラ
ム、６……搬送用ベルト、７……保管容器、８…
…チヨーク、１１，２１……振動フイーダ、１２
……ばね、１３……ダイヤフラム、１４……開閉
装置、１５……ロツド、１６……排気口、１７…
…仕切板、２２……円筒軸。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 導波管によりマイクロ波を導き、被加熱物の
加熱処理を行なうオーブンの一端に被加熱物の
供給口を設け、該オーブンの他端に被加熱物の
排出口を設けたマイクロ波加熱装置において、
被加熱物の搬送手段として振動フイーダを用
い、該振動フイーダは気密性を有するオーブン
の内部に取り付けられていることを特徴とする
マイクロ波加熱装置。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項記載の装置に
おいて、前記振動フイーダは気密性を有するオ
ーブンの底面とばねで連結され、該オーブン外
部の振動をダイヤフラムと駆動用ロツドで振動
フイーダに伝えるようにしたことを特徴とする
マイクロ波加熱装置。 (3) 実用新案登録請求の範囲第１項記載の装置に
おいて、オーブン底面が前記振動フイーダを形
成するように、オーブン壁面と振動フイーダを
ダイヤフラムを介して連結したことを特徴とす
るマイクロ波加熱装置。 (4) 実用新案登録請求の範囲第１項記載の装置に
おいて、前記振動フイーダは、気密性を有する
オーブン内部に両端がそれぞれダイヤフラムを
介してオーブンに連結された円筒軸の周囲に螺
旋状に取り付けられていることを特徴とするマ
イクロ波加熱装置。 (5) 実用新案登録請求の範囲第１項、第２項、第
３項および第４項記載の装置において、オーブ
ンにガスの排気口を設け、被加熱物の投入口と
排出口にそれぞれ気密が保持できる開閉装置を
設けたことを特徴とするマイクロ波加熱装置。