JPH022627B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の分野］ 本発明は、固体廃棄物の減容化装置の排ガス処
理方法に関し、詳しくはプラスチツクを含む都市
ゴミあるいは原子力発電所の固体廃棄物を大幅に
減容処理可能なスクリユーコンベア式減容化装置
で処理する際に発生する排ガスを、本装置の外部
加熱部を加熱する誘導加熱コイルの冷却用媒体の
冷却に使用することにより経済性を向上させた固
体廃棄物の減容化処理装置の排ガス処理方法に関
する。

［発明の背景］ 家庭や工場から排出される各種プラスチツク
類、金属類、ガラス類、ゴム類等を含む都市ゴミ
における、いわゆる燃焼不適ゴミは焼却、埋立
て、資源回収等の方法で処理されているが、これ
らの処理にはそれぞれ問題がある。その主な原因
はゴミ中の各種プラスチツク類による場合が多
く、例えば焼却の際の溶融、付着による炉の閉
塞、局部的過熱による炉の損傷、塩素、ダイオキ
シン等有害ガスの発生等が挙げられる。また、埋
立て処分では特に発泡スチロール、ポリエチレン
シート、袋等のかさばる物が多く、運搬費用がか
かり、埋立てた後も表面から露出して風により飛
散してしまい、環境を汚染することもある。最近
は資源の有効利用の観点で、各種プラスチツク類
の回収、再利用の方法が各種提案されているが、
都市ゴミには種々雑多なものが含まれており、む
しろその分別にコストがかかりすぎるという欠点
を有している。

そこで、これらの都市ゴミをそれに含まれてい
る熱可塑性のプラスチツク類の特性に注目して、
粉粒状無機物（砂、砕石、焼却灰等）を添加する
ことによつて粗大粒状混合固化物を得るという方
法が提案されている（特公昭57−11273号公報）。
この方法では金属片、布等は造粒の対象となら
ず、分別した後の処理が要求される。

一方、原子力発電所等の作業に於て放射性物質
で汚染されたポリシート、紙ウエス、布ウエス、
コンクリート片、鋼材、高性能フイルタ、断熱材
等が発生し、これらはポリ袋に包装され雑固体廃
棄物として、場合によつては可燃性と不燃性ある
いは不適燃性とに区分されドラム缶に入れ、保
管、貯蔵されてきている。

例えば高性能フイルタのように木材、濾材（無
機物質）、金属板等が一体となつた比較的大きい
廃棄物の場合には解体し、仕分けしてからポリ袋
に包装してドラムカンに入れる必要があり、工程
が複雑になり、作業者の被曝の可能性が大きくな
るという不具合が生ずる。

これらのドラム缶は貯蔵庫に保管されてきた
が、貯蔵スペースが予想以上に手狭となり、これ
らの雑固体廃棄物のうち焼却可能なものは焼却処
理し、焼却灰はそのままドラム缶に保管するかセ
メント固化処理等さらに安定な固形物としてい
る。この焼却処理はポリシート、ポリ袋、紙ウエ
ス等のかさばるものが対象であるので、その減容
効果は非常に大きく、原子力発電所、RI施設等
の廃棄物処理に広汎に採用されてきている。

しかしながら、多量のプラスチツクを焼却する
と炉の損傷も考えられ、焼却処理装置には廃ガス
処理装置も付帯させる必要があり、そこから２次
廃棄物も生じ、また設備費がかかるという欠点を
有する。

雑固体廃棄物処理方法として、他にプレス機に
よる圧縮減容処理方法があり、特に面圧を1000〜
3000Kg／cm²程度の高圧力圧縮減容装置の開発が行
なわれている。この方法によればポリシート、ポ
リ袋、紙ウエス等もほとんど隙間なく圧縮するこ
とができ、減容化のための一つの有力な方法であ
る。しかしこの方法では得られた圧縮体そのもの
が不均質な物体の集合であり、長期保管のために
は好ましくない。

本発明者らは、上述のような問題点を解決する
ために、以下に示すような固体廃棄物の減容化装
置を特許出願をした。

この固体廃棄物の減容化装置とは、廃棄物投入
部と外部加熱部と廃棄物出口部とを有する中空円
筒状体内部にラセン状の連続した羽根を具備した
回転軸を収容し、該回転軸の上端側を軸振れ可能
な支持手段を介して動力部と接続して、該羽根と
該中空円筒状体内壁面との隙間で固体廃棄物がブ
リツジを起こすようなクリアランスを取り、かつ
該廃棄物出口部に該固体廃棄物の圧縮を可能とす
る廃棄物出口ノズル部を設けることを特徴とする
プラスチツクを含む固体廃棄物の減容化装置であ
る。ここで、第１図にこの固体廃棄物の減容化装
置の概略図を示す。同図において、１は中空円筒
状体、１ａは廃棄物投入部、１ｂは外部加熱部、
１ｃは廃棄物出口部、２は固体廃棄物、３は羽
根、４は回転軸、５は接続器（支持手段）、６は
動力部、７は自由式軸受け、８は誘導加熱コイル
等の加熱手段、９は廃棄物出口ノズル部および１
０は細断機である。

この固体廃棄物減容化装置を簡単に説明する
と、まず投入された固体廃棄物２は、回転軸４に
よつて支持されたラセン状の連続した羽根３の回
転により外部加熱部１ｂ方向に徐々に移送され
る。羽根３と中空円筒状体１の内壁のクリアラン
スは、固体廃棄物２がブリツジを起こすように取
つてあり、この間隙で固体廃棄物２の破砕、粉砕
が行なわれる。

この固体廃棄物の減容化装置によれば、雑固体
廃棄物が一貫処理によつて大幅に減容でき、放射
性物質、重金属等の有害物をプラスチツクで封じ
込めることができる等の種々の利点を有してい
る。

この減容化装置において発生する排ガス（主と
して水蒸気を含む空気）はフイルターで排ガス中
の粉塵を集塵した後、系外へ排出しているが、こ
の排ガスを有効利用することは省エネルギーの観
点から好ましいことである。

一方、一般に加熱手段として誘導加熱コイルを
使用する場合に、コイル絶縁体の限界温度が約
180℃程度であることから、コイル絶縁体保護の
ため、冷却水等の媒体を使用して冷却していた。
冷却水等を循環再使用する場合として、第２図に
冷却用媒体として冷却水を用いた冷却システムの
概略説明図を、第３図に冷却用媒体として不凍液
を用いた冷却システムの概略説明図を示す。第２
図および第３図において、８は誘導加熱コイル、
１１は冷却用媒体を循環させるポンプ、１３は熱
交換器（１３ａはクーリングタワー、１３ｂはフ
アンコイル）および１４はフアンコイル１３ｂを
空冷するフアンである。これらの方法において
は、熱交換器１３としてクーリングタワー１３ａ
を用いた場合には、設備費用が大幅にかかるとい
う欠点がある。また、フアンコイル１３ｂを用い
た場合には新たにフアン１４の設置を必要とする
という同様の問題がある。

［発明の目的］ 本発明は、このような観点から固体廃棄物減容
化装置の排ガス処理方法において、余分な付帯設
備を必要とせず、かつ余分な２次廃棄物を発生し
ないで排ガスを有効に利用する簡易な排ガス処理
方法を提供することを目的とする。

［発明の構成］ 本発明の排ガス処理方法は、前記固体廃棄物の
減容化装置の排ガス処理方法であつて、外部加熱
部の加熱手段として誘導加熱コイルを使用する場
合に、前記固体廃棄物の減容化装置より発生する
排ガス中の粉塵をフイルターで集塵した後、系外
に排出する排ガスラインに熱交換器を設け、前記
誘導加熱コイルの冷却用媒体を該排ガスにより冷
却することを特徴とする前記固体廃棄物の減容化
装置の排ガス処理方法である。

以下、本発明を図面に基づいて具体的に説明す
る。

第４図は、本発明の排ガス処理方法の概略説明
図である。同図において、８は誘導加熱コイル、
１１は循環ポンプ、１２はフイルター、１３は熱
交換器、１５は冷却水等の循環ライン、１６は排
ガスラインおよび１７は排気フアンである。

本発明の排ガス処理方法では、同図に示すよう
に、減容化の際に発生する排ガスは、廃棄物投入
部１ａから排ガスライン１６上の排気フアン１７
により吸引され、フイルター１２を介して熱交換
器１３に導入される。フイルター１２において
は、主として細断機１０により発生した粉塵等を
集塵する。粉塵を集塵した使用済みのフイルター
１２はその減容化処理中の減容化装置でそのまま
固体化処理できるため、２次廃棄物を発生させな
い。

一方、誘導加熱コイル８を冷却した冷却水等は
循環ライン１５を通つて熱交換器１３に導入され
る。排ガスは熱交換器１３において冷却用媒体を
冷却した後、系外に排出される。冷却された媒体
は冷却水等の循環ライン１５を経て、再び誘導加
熱コイル８の冷却に供せられる。

なお、本発明において使用する媒体としては水
や不凍液等が例示され、不凍液としてはエチレン
グリコール等が挙げられる。

［発明の効果］ 以上説明した如く、本発明の固体廃棄物の減容
化装置の排ガス処理方法によれば、プラスチツク
を含む都市ゴミあるいは原子力発電所の固体廃棄
物を大幅に減容化処理する際に発生する排ガスを
外部加熱部を加熱する誘導加熱コイルの冷却用媒
体の冷却に用いるため、余分な付帯設備を要しな
い。すなわち、従来はクーリングタワーやフアン
コイル等が必要であつたが、本発明で使用するフ
アンはガス排出用と誘導加熱コイル冷却用媒体の
冷却用とに共用しているため１基で十分であり省
エネルギー化が達成できる。また排ガス処理に使
用するフイルターはこの固体廃棄物の減容化装置
で処理できるため余分な２次廃棄物を発生させな
いという利点も有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明で使用する固体廃棄物の減容化
装置の概略説明図、第２図は誘導加熱コイルの冷
却手段としてクーリングタワーを用いた場合の概
略説明図、第３図は誘導加熱コイルの冷却手段と
してフアンコイルを使用した場合の概略説明図、
および第４図は本発明の排ガス処理方法を示す概
略説明図を示す。 １……中空円筒状体、１ａ……廃棄物投入部、
１ｂ……外部加熱部、１ｃ……廃棄物出口部、２
……固体廃棄物、３……羽根、４……回転軸、５
……接続器（支持手段）、６……動力部、７……
自由式軸受け、８……誘導加熱コイル（加熱手
段）、９……廃棄物出口ノズル部、１０……細断
機、１１……ポンプ、１２……フイルター、１３
……熱交換器、１３ａ……クーリングタワー、１
３ｂ……フアンコイル、１４……フアン、１５…
…冷却水等の循環ライン、１６……排ガスライ
ン、１７……排気フアン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 廃棄物投入部と誘導加熱コイルにより加熱さ
   れる外部加熱部と廃棄物出口部とを有する中空円
   筒状体内部にラセン状の連続した羽根を具備した
   回転軸を収容し、該回転軸の上端側を軸振れ可能
   な支持手段を介して動力部と接続して、該羽根と
   該中空円筒状体内壁面との隙間で固体廃棄物がブ
   リツジを起こすようなクリアランスを取り、かつ
   該廃棄物出口部に該固体廃棄物の圧縮を可能とす
   る廃棄物出口ノズル部を設けることを特徴とする
   プラスチツクを含む固体廃棄物の減容化装置の排
   ガス処理方法において、 前記固体廃棄物の減容化装置より発生する排ガ
   ス中の粉塵をフイルターで集塵した後、系外に排
   出する排ガスラインに熱交換器を設け、前記誘導
   加熱コイルの冷却用媒体を該排ガスにより冷却す
   ることを特徴とする前記固体廃棄物の減容化装置
   の排ガス処理方法。 ２ 前記冷却用媒体が水あるいは不凍液である前
   記特許請求の範囲第１項記載の固体廃棄物の減容
   化装置の排ガス処理方法。