JP2002194483A - 機械構造用鋼材 - Google Patents

機械構造用鋼材

Info

Publication number
JP2002194483A
JP2002194483A JP2000399075A JP2000399075A JP2002194483A JP 2002194483 A JP2002194483 A JP 2002194483A JP 2000399075 A JP2000399075 A JP 2000399075A JP 2000399075 A JP2000399075 A JP 2000399075A JP 2002194483 A JP2002194483 A JP 2002194483A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
content
steel
value
cold workability
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000399075A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3565428B2 (ja
Inventor
Takeshi Sato
武史 佐藤
Daisuke Suzuki
大輔 鈴木
Hitoshi Matsumoto
斉 松本
Takatoshi Arai
貴俊 新井
Masayuki Horimoto
雅之 堀本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metals Kokura Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metals Kokura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metals Kokura Ltd filed Critical Sumitomo Metals Kokura Ltd
Priority to JP2000399075A priority Critical patent/JP3565428B2/ja
Publication of JP2002194483A publication Critical patent/JP2002194483A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3565428B2 publication Critical patent/JP3565428B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高周波焼入れ性、冷間加工性、被削性、耐疲労
特性に優れた機械構造用鋼材を提供する。 【解決手段】C:0.30〜0.60%、Si:0.01〜0.40%、M
n:0.10〜0.60%、S:0.005〜0.05%、Ti:0.05〜0.2
%、B:0.0005〜0.005%と Nb、Cu、Ni、Cr、Mo、Alを
含有し、残部はFeと不純物からなり、Ti−3S−3.4Nの値
が0以上で、更に、長手方向縦断面における介在物の長
径をL(μm)、短径をW(μm)として極値統計処理
によって予測される累積分布関数が99%時の(πLW/
4)0.5 で表される介在物の最大等価円直径が30μm以
下である機械構造用鋼材。Ti≦0.2%、Zr≦0.2%、Ti
+Zr−3S−3.4Nの値が0以上でVを含んでいてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械構造用鋼材に
関する。詳しくは、自動車の等速ジョイントやシャフト
を初めとした各種の高周波焼入れされる部品の素材とし
て好適な機械構造用鋼材に関する。更に詳しくは、高周
波焼入れ性、冷間加工性、被削性及び耐疲労特性に優
れ、高周波焼入れされる部品の素材として好適な機械構
造用鋼材に関する。
【0002】
【従来の技術】動力機械の出力アップや燃費向上のため
の軽量化を目的に、動力伝達部品の高強度化が求められ
ている。なかでも、自動車の等速ジョイントやシャフト
に対する高強度化の要求が大きい。
【0003】自動車の等速ジョイントやシャフトなど
は、鍛造後の寸法精度が高く切削量の低減が可能な冷間
鍛造で成形加工された後、表面硬化処理としての高周波
焼入れが施されて製造されることが多い。したがって、
素材となる鋼材には良好な高周波焼入れ性が要求され
る。なお、近年、一層のコスト低減及び製造工程の簡便
化のために、良好な高周波焼入れ性を有するとともに、
より優れた被削性と冷間加工性とを有する鋼材に対する
要求が大きくなっている。又、上記自動車の等速ジョイ
ントやシャフトなどには繰り返し応力が作用するため、
耐疲労特性が一層優れた鋼材に対する要求も大きくなっ
ている。
【0004】高周波焼入性を確保しながら被削性と冷間
加工性のいずれか一方を高める技術は従来数多く報告さ
れているが、被削性と冷間加工性の双方を高めることに
関しては必ずしも配慮されていない。例えば、特開平9
−287054号公報に「冷間鍛造―高周波焼入れ用
鋼」として、又、特開平9−287055号公報に「冷
間加工性の優れた高周波焼入れ用鋼」として、冷間加工
性と高周波焼入れ性とを兼備できる鋼が開示されてい
る。しかし、上記の各公報で提案された鋼の場合には被
削性に関しては全く配慮されていない。
【0005】鋼にPb、Te、Bi、Caなどの快削元
素(被削性改善元素)を添加すれば被削性が高まること
はよく知られている。しかし、特開平7−97656号
公報の「冷間鍛造用鋼」として開示された鋼のように、
単に上記快削元素を添加しただけでは冷間加工性の低下
が生ずることがある。
【0006】特開平7−242989号公報に「冷間鍛
造性、被削性及びねじり疲労強度に優れた高周波焼入用
鋼」として提案された鋼では、被削性向上のためにB窒
化物を利用しているが、焼入れ性との両立のためにC
r、Ni、Moなどの合金元素を多量に添加する必要が
あり、このため冷間加工時の変形抵抗が大きくなって、
十分な冷間加工性が確保できない場合がある。
【0007】特開平11−1743号公報には「被削性
に優れた高強度高靱性調質鋼材」として、Ti硫化物の
サイズと量を制御することで被削性を向上させる技術が
提案されている。しかし、鋼を冷間加工する場合には硫
化物だけではなく酸化物、窒化物などの非金属介在物
(以下、単に介在物という)が冷間加工性の低下を引き
起こすことがあるため、単にTi硫化物のサイズと量を
規定するだけでは、被削性と冷間加工性の両立が図れな
い場合がある。一方、耐疲労特性を高める技術が、例え
ば、特開平8−283910号公報に提案されている。
上記公報に記載の技術は、フェライトの組織分率と粒径
を規制して疲労強度の向上を図ろうとするものである。
【0008】しかしながら、機械構造部品の表面付近に
大型の介在物が存在すると、これを起点に疲労き裂が発
生して破壊に到るので、フェライトの組織と粒径を規制
しても必ずしも疲労強度の向上に繋がらない場合もあ
る。
【0009】介在物を低減して耐疲労特性を高める技術
が、例えば、特開平8−283910号公報に開示され
ている。上記公報で提案された技術は、Al23(酸化
物)とTiN(窒化物)を極力少なくすることにより、
疲労特性の向上を図ったものである。
【0010】しかし、自動車の等速ジョイントやシャフ
トなど実際の部品に加わる応力は、圧延方向や鍛錬軸に
垂直に作用することが多いので、酸化物や窒化物に比べ
て圧延方向や鍛錬軸方向に展伸している粗大なMnSが
疲労破壊の起点となる。すなわち、自動車の等速ジョイ
ントやシャフトなどにおいては、酸化物や窒化物よりも
MnSが疲労強度低下の原因となるので、疲労強度向上
のためには、酸化物と窒化物だけではなく、MnSを含
む全ての介在物を微細にコントロールする必要がある。
【0011】硫化物系の介在物、なかでもMnSを微細
化する技術として、既に述べた特開平11−1743号
公報が挙げられるが、上記公報においては全介在物につ
いての検討がなされているわけではないので、圧延方向
や鍛錬軸に垂直な応力が作用する場合の疲労強度を高め
るのには必ずしも十分とはいえない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑みなされたもので、その目的は、高周波焼入れ性、冷
間加工性及び被削性に優れ、しかも、耐疲労特性、なか
でも圧延方向や鍛錬軸に垂直な応力が負荷された場合の
耐疲労特性にも優れ、高周波焼入れされる部品の素材と
して好適な機械構造用鋼材を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
(1)及び(2)に示す機械構造用鋼材にある。
【0014】(1)化学組成が質量%で、C:0.30
〜0.60%、Si:0.01〜0.40%、Mn:
0.10〜0.60%、S:0.005〜0.05%、
Ti:0.05〜0.2%、B:0.0005〜0.0
05%、Nb:0〜0.05%、Cu:0〜0.20
%、Ni:0〜0.20%、Cr:0〜0.20%、M
o:0〜0.20%、Al:0.01%以下を含有し、
残部はFe及び不純物からなり、不純物中のNは0.0
08%以下、O(酸素)は0.0025%以下、且つ、
下記 (1)式で表されるfn1の値が0以上であり、更
に、長手方向縦断面における介在物の長径をL(μ
m)、短径をW(μm)として極値統計処理によって予
測される累積分布関数が99%時の下記 (2)式で表され
る介在物の最大等価円直径fn2が30μm以下である
機械構造用鋼材。 fn1=Ti(%)−3S(%)−3.4N(%)・・・(1) fn2=(πLW/4)0.5 ・・・(2) (2)化学組成が質量%で、C:0.30〜0.60
%、Si:0.01〜0.40%、Mn:0.10〜
0.60%、S:0.005〜0.05%、Ti:0.
2%以下、Zr:0.2%以下で、且つ、Ti(%)+
Zr(%):0.05〜0.2%、B:0.0005〜
0.005%、Nb:0〜0.05%、V:0〜0.3
%、Cu:0〜0.20%、Ni:0〜0.20%、C
r:0〜0.20%、Mo:0〜0.20%、Al:
0.01%以下を含有し、残部はFe及び不純物からな
り、不純物中のNは0.008%以下、O(酸素)は
0.0025%以下、且つ、下記 (3)式で表されるfn
3の値が0以上であり、更に、長手方向縦断面における
非金属介在物の長径をL(μm)、短径をW(μm)と
して極値統計処理によって予測される累積分布関数が9
9%時の下記 (2)式で表される非金属介在物の最大等価
円直径fn2が30μm以下である機械構造用鋼材。 fn3=Ti(%)+Zr(%)−3S(%)−3.4N(%)・・・(3) fn2=(πLW/4)0.5 ・・・(2) なお、本発明でいう鋼材の「長手方向縦断面」(以下、
「L断面」という)とは、鋼材の圧延方向又は鍛錬軸に
平行に、その中心線を通って切断した面をいう。又、L
断面において、極値統計処理によって予測される累積分
布関数が99%時の前記 (2)式で表される介在物の最大
等価円直径fn2は次のようにして求めたものを指す。
【0015】鋼材から採取した試験片のL断面を鏡面
研磨した後、その研磨面を被検面とし、光学顕微鏡の倍
率を400倍として、JIS G 0555に規定された「鋼の非
金属介在物の顕微鏡試験方法」中の「5.点算法による
顕微鏡試験方法」に則って50視野測定し、個々の介在
物の長径をL(μm)、短径をW(μm)として、各視
野における(πLW/4)0.5 の値が最大になるものを
求める。
【0016】上記で求めた50の(πLW/4)
0.5 の値を小さいものから順に並べ直してそれぞれ(π
LW/4)0.5 j(ここで、j=1〜50)とし、それぞ
れのjについて累積分布関数Fj =100(j/51)
(%)を計算する。
【0017】基準化変数yj =−loge (−log
e (j/51) )を縦軸に、横軸に(πLW/4)0.5
jを取ったグラフを書き、最小自乗法によって近似直線
を求める。
【0018】上記で求めた直線から、累積分布関数
j が99%となる時(すなわち、基準化変数yj
4.6となる時)の(πLW/4)0.5 jの値を読みと
り、これを最大等価円直径fn2=(πLW/4)0.5
とする。以下、上記の(1)、(2)に記載のものをそ
れぞれ(1)の発明、(2)の発明という。
【0019】本発明者らは、前記した課題を解決するた
めに種々検討を行い、下記の知見を得た。
【0020】(a)L断面において、全介在物の極値統
計処理によって予測される累積分布関数が99%時の前
記 (2)式で表される介在物の最大等価円直径fn2が3
0μm以下であれば、介在物起点による冷間加工性の低
下が防止できるとともに、圧延方向や鍛錬軸に垂直な応
力が作用する場合の疲労強度の低下を防止することがで
きる。そこで更に検討を続けた結果、下記の事項が明ら
かになった。 (b)上記(a)における介在物の最大等価円直径fn
2を30μm以下とするには、第1に粗大なMnSが生
成することを防止すればよい。
【0021】(c)Alの含有量を質量%で0.01%
以下に抑え、Mnよりも安定して硫化物を形成するTi
やZrを添加し、更に、前記 (1)式で表されるfn1の
値や前記 (3)式で表されるfn3の値を0以上とすれ
ば、Ti硫化物やZr硫化物の形成によって粗大なMn
Sの生成が防止でき、しかも、生成するTi硫化物やZ
r硫化物は微細である。なお、本発明でいうTi硫化物
やZr硫化物には、TiやZrの単なる硫化物だけでは
なく「炭硫化物」をも含む。
【0022】(d)Alは鋼中で酸化物となって容易に
クラスターを形成するが、Al含有量を質量%で0.0
1%以下にするとともに適正量のTiやZrを添加する
ことで、酸化物クラスターの形成を防止することもでき
る。 (e)Nの含有量を質量%で0.008%以下とすれ
ば、粗大なTiNやZrNの形成を防止することができ
る。
【0023】本発明は、上記の知見に基づいて完成され
たものである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各要件について詳
しく説明する。なお、各元素の含有量の「%」表示は
「質量%」を意味する。 (A)鋼材の化学組成 C:Cは、高周波焼入れ性に影響を及ぼし、焼入れ硬化
層の硬さと深さを確保するために必要な元素で、そのた
めには0.30%以上含有させることが必要である。し
かし、Cを0.60%を超えて含有させると冷間加工性
及び靱性が損なわれるし、被削性が低下する。更に焼割
れの発生を招くこともある。したがって、Cの含有量を
0.30〜0.60%とした。なお、Cの含有量は0.
35〜0.55%とすることが好ましい。
【0025】Si:Siは、鋼の脱酸及び強化に有効な
元素である。しかし、その含有量が0.01%未満では
添加効果に乏しい。一方、0.40%を超えると冷間加
工時の変形抵抗が大きくなって冷間加工性の低下を招い
たり被削性が低下することがある。したがって、Siの
含有量を0.01〜0.40%とした。なお、Siの含
有量は0.01〜0.30%とすることが好ましい。
【0026】Mn:Mnは、脱酸作用を有し、又、焼入
れ性を高めて疲労強度を向上させる作用がある。しか
し、その含有量が0.10%未満では前記効果が得難
い。一方、Mn含有量が0.60%を超えると、冷間加
工時の変形抵抗が大きくなって冷間加工性が低下したり
被削性が低下することがある。したがって、Mnの含有
量を0.10〜0.60%とした。なお、Mnの含有量
は0.10〜0.45%とすることが好ましい。
【0027】S:Sは、Ti、ZrやMnと結合して硫
化物を形成し、鋼の被削性を高める作用を有する。しか
し、その含有量が0.005%未満では前記の効果が得
られない。一方、Sを多量に含有させると硫化物系介在
物の生成量が多くなりすぎて冷間加工性が低下し、特
に、S含有量が0.05%を超えると冷間加工性の低下
が著しくなる。したがって、Sの含有量を0.005〜
0.05%とした。なお、Sの含有量は0.005〜
0.03%とすることが好ましい。
【0028】Ti、Zr:Ti、Zrは本発明において
粗大なMnSの生成を防止するための重要な合金元素で
ある。又、Ti、Zrには鋼を脱酸、脱窒する作用や、
高周波焼入れ時の結晶粒粗大化を防止する作用がある。
【0029】Tiを単独で添加する場合、その含有量が
0.05%以上の場合に前記の効果が確実に得られる。
更に、TiがSと結合したTi硫化物によって被削性が
向上する。なお既に述べたように、本発明でいうTi硫
化物には、Tiの単なる硫化物だけではなく「炭硫化
物」をも含む。しかし、Tiを0.2%を超えて多量に
含有させても、Ti硫化物の形成による粗大MnSの生
成防止効果が飽和するし、鋼の脱酸、脱窒作用なども飽
和するのでコストが嵩んでしまう。したがって、(1)
の発明にあってはTiの含有量を0.05〜0.2%と
した。なお、(1)の発明の場合には、Tiの含有量は
0.05〜0.15%とすることが好ましい。
【0030】一方、上記の効果は、TiとZrの含有量
に関し、Ti(%)+Zr(%)の値が0.05%以上
の場合にも確実に得られる。しかし、Ti(%)+Zr
(%)の値で0.2%を超えるTiとZrを含有させて
も、Ti硫化物やZr硫化物の形成による粗大MnSの
生成防止効果が飽和するし、鋼の脱酸、脱窒作用や、高
周波焼入れ時の結晶粒粗大化防止作用が飽和するのでコ
ストが嵩んでしまう。なお、Ti(%)+Zr(%)の
値で0.05〜0.2%でありさえすればよいので、必
ずしもTiとZrとを複合して含有させる必要はない。
Zrを添加しない場合は前記した(1)の発明になり、
この場合はTiを0.2%を超えて含有させると疲労強
度の劣化が著しくなる場合がある。Tiを添加しない、
つまりZrを単独で添加する場合に、Zrを0.2%を
超えて多量に含有させても、Zr硫化物の形成による粗
大MnSの生成防止効果が飽和するし、鋼の脱酸、脱窒
作用なども飽和するのでコストが嵩んでしまう。したが
って、(2)の発明にあってはTiとZrの含有量をい
ずれも0.2%以下で、且つ、Ti(%)+Zr(%)
の値を0.05〜0.2%とした。なお、(2)の発明
の場合、Ti(%)+Zr(%)の値は0.05〜0.
15%とすることが好ましい。なお既に述べたように、
本発明でいうZr硫化物には、Zrの単なる硫化物だけ
ではなく「炭硫化物」をも含む。
【0031】B:Bは、冷間加工性を阻害することなく
焼入れ性を高める作用がある。しかし、その含有量が
0.0005%未満では添加効果に乏しい。一方、0.
005%を超えて含有させても前記の効果は飽和しコス
トが嵩むばかりである。したがって、Bの含有量を0.
0005〜0.005%とした。なお、Bの含有量は
0.0005〜0.004%とすることが好ましい。 Nb:Nbは添加しなくてもよい。添加すれば、高周波
焼入れ性を高める作用があり、更に、高周波焼入れ時の
結晶粒粗大化を防止する作用も有する。この効果を確実
に得るには、Nbは0.005%以上の含有量とするこ
とが好ましい。しかし、その含有量が0.05%を超え
ると、粗大な未固溶炭窒化物が生じて冷間加工性の劣化
を招くことがある。したがって、Nbの含有量を0〜
0.05%とした。 V:Vは添加しなくてもよい。添加すれば、微細な炭・
窒化物を形成して疲労強度を高める作用がある。この効
果を確実に得るには、Vは0.05%以上の含有量とす
ることが好ましい。しかし、その含有量が0.3%を超
えると、冷間加工性の劣化を招くことがある。したがっ
て、Vの含有量を0〜0.3%とした。
【0032】Cu:Cuは添加しなくてもよい。添加す
れば焼入れ性を高める効果を有する。この効果を確実に
得るには、Cuは0.02%以上の含有量とすることが
好ましいが、その反面においてCuは、変形抵抗を高め
て冷間加工性を劣化させ、特に、Cuの含有量が0.2
0%を超えると冷間加工性の劣化が著しくなることがあ
る。したがって、Cuの含有量を0〜0.20%とし
た。
【0033】Ni:Niは添加しなくてもよい。添加す
れば焼入れ性を高める効果を有する。この効果を確実に
得るには、Niは0.02%以上の含有量とすることが
好ましいが、その反面においてNiは、変形抵抗を高め
て冷間加工性を劣化させ、更に、球状化焼鈍後のスケー
ル除去を困難にし、特に、Niの含有量が0.20%を
超えると冷間加工性の劣化、スケール除去性の低下が著
しくなることがある。したがって、Niの含有量を0〜
0.20%とした。
【0034】Cr:Crは添加しなくてもよい。添加す
れば焼入れ性を高める効果を有する。この効果を確実に
得るには、Crは0.02%以上の含有量とすることが
好ましいが、その反面においてCrは、変形抵抗を高め
て冷間加工性を劣化させ、更に、球状化焼鈍後のスケー
ル除去を困難にし、特に、Crの含有量が0.20%を
超えると冷間加工性の劣化、スケール除去性の低下が著
しくなることがある。したがって、Crの含有量を0〜
0.20%とした。
【0035】Mo:Moは添加しなくてもよい。添加す
れば焼入れ性を高める効果を有する。この効果を確実に
得るには、Moは0.02%以上の含有量とすることが
好ましいが、その反面においてMoは、変形抵抗を高め
て冷間加工性を劣化させ、更に、球状化焼鈍後のスケー
ル除去を困難にし、特に、Moの含有量が0.20%を
超えると冷間加工性の劣化、スケール除去性の低下が著
しくなることがある。したがって、Moの含有量を0〜
0.20%とした。
【0036】なお、焼入れ性を高める目的でCu、N
i、Cr、Moを添加する場合には、これらの元素の1
種以上を添加すればよい。
【0037】Al:Alは添加しなくてもよい。脱酸な
どの目的からAlを添加する場合でも、本発明において
は、Alの含有量を0.01%以下に抑えることが極め
て重要である。すなわち、Alの含有量を0.01%以
下に抑え、Ti、Zr、Sを既に述べた範囲の含有量と
し、更に、前記 (1)式で表されるfn1の値、前記 (3)
式で表されるfn3の値を0以上にすることで、Ti硫
化物、Zr硫化物は微細になり、粗大なMnSの生成が
防止されるし、酸化物クラスターの形成も防止されるか
らである。Alの含有量が0.01%を超えると、fn
2の値が30μmを超えることがあるため、たとえ他の
条件が満たされても疲労強度と冷間加工性が著しく低下
する場合がある。したがって、Alの含有量を0.01
%以下とした。なお、Al含有量の上限は0.008%
とすることが好ましい。
【0038】本発明においては、不純物元素としてのN
及びO(酸素)の含有量を下記のとおりに制限する。
【0039】N:Nは、変形抵抗を高めて冷間加工性を
低下させ、又、Ti、Zrと結合して粗大なTiN、Z
rNが生成すると疲労強度が低下する。特に、Nの含有
量が0.008%を超えると、fn1あるいはfn3の
値が0以上であっても、fn2の値が30μmを超える
ことがあるため、冷間加工性と疲労強度の低下が著しく
なる場合がある。したがって、不純物元素としてのNの
含有量は0.008%以下とした。なお、不純物元素と
してのNの含有量は0.006%以下とすることが好ま
しい。
【0040】O(酸素):O(酸素)は酸化物を形成し
て鋼中に存在し、疲労強度や冷間加工性を低下させる。
特に、Oの含有量が0.0025%を超えると、fn1
あるいはfn3の値が0以上であっても、fn2の値が
30μmを超えることがあるため、疲労強度の低下や冷
間加工性の低下が著しくなる場合がある。したがって、
不純物元素としてのOの含有量は0.0025%以下と
した。なお、不純物元素としてのOの含有量は0.00
15%以下とすることが好ましい。なお、N及びO(酸
素)以外の不純物元素のうちPの含有量は0.03%以
下とすることが好ましい。
【0041】fn1、fn3:(1)の発明において、
Ti、S、Alを既に述べた範囲の含有量とし、更に、
前記 (1)式で表されるfn1の値を0以上にすること
で、Ti硫化物が微細になり、粗大なMnSの生成が防
止され、更に、酸化物クラスターの形成も防止できるの
で、良好な被削性と冷間加工性とを確保することがで
き、又、耐疲労特性の低下を防止することができる。f
n1の値が0未満の場合、粗大なMnSの生成を抑制す
ることができず、したがって、L断面において、前記
(2)式で表される介在物の最大等価円直径fn2を30
μm以下にすることができないので、大幅な疲労強度の
低下が生じる。更に冷間加工性も低下してしまう。この
ため、(1)の発明におけるfn1の値を0以上と規定
した。なお、既に述べた範囲のTi、S、Al、N及び
Oの含有量の下で、Ti硫化物の微細化、粗大なMnS
の生成防止及び酸化物クラスターの形成防止の各作用を
安定して確保し、一層良好な被削性と冷間加工性を確保
するとともに、耐疲労特性の低下を防止するためには、
fn1の値は0.01以上であることが好ましい。
(2)の発明において、Ti、Zr、S、Alを既に述
べた範囲の含有量とし、更に、前記 (3)式で表されるf
n3の値を0以上にすることで、Ti硫化物、Zr硫化
物が微細になり、粗大なMnSの生成が防止され、更
に、酸化物クラスターの形成も防止できるので、良好な
被削性と冷間加工性とを確保することができ、又、耐疲
労特性の低下を防止することができる。fn3の値が0
未満の場合、粗大なMnSの生成を抑制することができ
ず、したがって、L断面において、前記 (2)式で表され
る介在物の最大等価円直径fn2を30μm以下にする
ことができないので、大幅な疲労強度の低下が生じる。
更に冷間加工性も低下してしまう。このため、(2)の
発明におけるfn3の値を0以上と規定した。なお、既
に述べた範囲のTi、Zr、S、Al、N及びOの含有
量の下で、Ti硫化物やZr硫化物の微細化、粗大なM
nSの生成防止及び酸化物クラスターの形成防止の各作
用を安定して確保し、一層良好な被削性と冷間加工性を
確保するとともに、耐疲労特性の低下を防止するために
は、fn3の値は0.01以上であることが好ましい。 (B)介在物 前記(A)項に記載した化学成分に加えて、硫化物、酸
化物、窒化物など全介在物のサイズを制御することでは
じめて、機械構造用鋼材に良好な高周波焼入れ性、冷間
加工性と被削性とを具備させることができ、更に、良好
な耐疲労特性、なかでも圧延方向や鍛錬軸に垂直な応力
が負荷された場合における良好な耐疲労特性を付与する
ことができる。すなわち、L断面において、全介在物の
極値統計処理によって予測される累積分布関数が99%
時の前記 (2)式で表される介在物の最大等価円直径fn
2が30μm以下の場合に、介在物起点による冷間加工
性の低下が防止され、加えて、圧延方向や鍛錬軸に垂直
な応力が作用する場合の疲労強度の低下が防止される。
【0042】L断面において、前記 (2)式で表される介
在物の最大等価円直径fn2が30μmを超える場合に
は、介在物起点の破壊が生じて冷間加工性(特に限界据
え込み率)が低下するし、疲労強度も大きく低下してし
まう。
【0043】したがって、L断面において、全介在物の
極値統計処理によって予測される累積分布関数が99%
時の前記 (2)式で表される介在物の最大等価円直径fn
2を30μm以下と規定した。前記 (2)式で表される介
在物の最大等価円直径fn2は20μm以下であること
が好ましい。
【0044】なお、前記(A)項で述べた化学成分範
囲、及び (1)式で表されるfn1の値や(3)式で表され
るfn3の値に関する規定を満たしても、酸化物などの
生成によって、前記した介在物の最大等価円直径fn2
が30μmを超える場合があるため、例えば、転炉溶製
後、Siなど脱酸作用を有する元素で充分に脱酸し、そ
の後通常の方法で炉外精錬を行い、その処理の末期にT
iやZrを添加する製鋼法を採用することが望ましい。
【0045】以下、実施例により本発明を説明する。
【0046】
【実施例】(実施例1)表1〜3に示す化学組成を有す
る鋼を試験溶解炉を用いて溶製した。表1〜3では前記
fn1とfn3は (3)式で計算した値をfnとして記載
した。
【0047】表1〜3における鋼1〜18及び鋼35は
成分が本発明で規定する条件を満たす鋼、表2、表3に
おける鋼19〜34及び鋼36〜38は成分のいずれか
が本発明で規定する条件から外れた比較例の鋼である。
比較例の鋼のうち鋼36〜38はCの含有量がそれぞれ
0.40、0.50、0.58%のJIS機械構造用炭
素鋼、すなわち、JIS G 4051に記載のS40C、S50
C、S58Cに相当する鋼である。なお、鋼1〜38に
おけるPの含有量はすべて0.03%以下であった。
【0048】鋼27と鋼35を除いた上記の鋼は、真空
溶解炉を用いて溶製し、Al、Si等で脱酸した後、T
i、Zrの少なくとも1種以上を添加して製造した。一
方、鋼27と鋼35は、大気溶解炉を用いて溶製し、A
l、Siで脱酸した後、Ti、Zrの少なくとも1種以
上を添加して製造した。
【0049】
【表1】
【表2】
【表3】 次いで、これらの鋼を1250℃に加熱してから100
0℃で仕上げる熱間鍛造を行って、直径60mmの丸棒
を作製した。
【0050】上記のようにして得た直径60mmの丸棒
は845℃に加熱して2時間保持した後、大気中で放冷
した。
【0051】上記の処理を施した直径60mmの丸棒か
らJIS G 0555の図3に則って介在物測定用の試験片を切
り出し、既に述べた方法によって前記 (2)式で表される
介在物の最大等価円直径fn2の値を求めた。
【0052】すなわち、鋼材から採取した試験片のL
断面を鏡面研磨した後、その研磨面を被検面とし、光学
顕微鏡の倍率を400倍として、JIS G 0555に規定され
た「鋼の非金属介在物の顕微鏡試験方法」中の「5.点
算法による顕微鏡試験方法」に則って50視野測定し、
個々の介在物の長径をL(μm)、短径をW(μm)と
して、各視野における(πLW/4)0.5 の値が最大に
なるものを求め、次に、上記で求めた50の(πL
W/4)0.5 の値を小さいものから順に並べ直してそれ
ぞれ(πLW/4)0.5 j(ここで、j=1〜50)と
し、それぞれのjについて累積分布関数Fj =100
(j/51)(%)を計算した。更に、基準化変数y
j =−loge (−loge (j/51) )を縦軸
に、横軸に(πLW/4)0.5 jを取ったグラフを書き、
最小自乗法によって近似直線を求め、最後に、上記
で求めた直線から、累積分布関数Fj が99%となる時
(すなわち、基準化変数yj ≒4.6となる時)の(π
LW/4)0.5 jの値を読みとり、これを最大等価円直径
fn2=(πLW/4)0.5 とした。
【0053】最大等価円直径fn2を求めた一例とし
て、図1に、鋼4と鋼28の場合を示す。
【0054】冷間加工性の調査は次のようにして行っ
た。すなわち、前記の熱処理を施した直径60mmの丸
棒の「R/2部(Rは丸棒の半径、すなわち30m
m)」から直径30mmの丸棒を切り出し、通常の方法
で球状化焼鈍を施した後この丸棒から直径が15mmで
長さが22.5mmの冷間加工用試験片を作製した。次
いで、500t高速プレス機を用いて通常の方法で冷間
拘束型据え込み試験を行い、割れが発生する限界の据え
込み率を測定して冷間加工性の調査を行った。
【0055】なお、据え込み率が75%まで、各条件ご
とに5回の据え込み試験を行い、3個以上に割れが発生
する最小の据え込み率を限界据え込み率として評価し
た。更に、全ての鋼の限界据え込み率以下である60%
据え込み率の場合の変形抵抗を測定した。
【0056】旋削試験による被削性の調査も行った。す
なわち、前記の熱処理を施した直径60mmの丸棒を、
超硬工具ST20を用いて、乾式、切削速度100m/
分、送り速度0.25mm/rev、切り込み2mmの
条件で切削し、逃げ面磨耗量VBが0.2mmまでの切
削時間を測定した。
【0057】表4に、前記の各試験結果をまとめて示
す。
【0058】
【表4】 表4から、鋼の化学成分及び介在物の最大等価円直径f
n2が本発明で規定する条件を満たす本発明例の試験番
号1〜18の場合、JIS G 4051に記載の同等のC含有量
を有する機械構造用炭素鋼に相当する鋼を素材とする場
合に比べて、据え込み時の変形抵抗は10%以上低く、
変形能としての割れが発生する限界据え込み率は75%
以上であるうえに、工具寿命も長いことがわかる。
【0059】これに対して、比較例の試験番号19〜3
5の場合、(イ)JIS G 4051に記載の同等のC含有量を
有する機械構造用炭素鋼に相当する鋼に比べて、据え込
み時の変形抵抗が10%以上低下する、(ロ)限界据え
込み率が75%以上、の少なくともいずれかを満たして
おらず、工具寿命も短い。
【0060】(実施例2)前記実施例1で熱処理した直
径60mmの丸棒のうち、鋼1〜18、鋼22〜27、
鋼32、鋼33、鋼35〜38を素材鋼とするものを用
いて平滑小野式回転曲げ疲労試験片(平行部の直径が6
mmで長さが25mm)を作製し、耐疲労特性を調査し
た。
【0061】図2に、各丸棒からのサンプル切り出し方
法を示す。図2に示すように、各丸棒についてその鍛錬
軸に平行な方向(以下、「L方向」という)の「R/2
部」及び鍛錬軸に垂直な方向(以下、「T方向」とい
う)の中心部からサンプルを採取した。なお、図3に示
すように、T方向から採取した各サンプルはその両端を
電子ビーム溶接して接合し、L方向から採取したサンプ
ルとともに所定の平滑小野式回転曲げ疲労試験片の寸法
に仕上げた。
【0062】上記のようにして得た平滑小野式回転曲げ
疲労試験片に、高周波焼入れ深さが1.5mmになる条
件で高周波焼入れし、次いで、180℃で焼戻し処理を
行った。なお、上記の高周波焼入れ深さが1.5mmに
なる条件は、各素材鋼に対して予備試験を行って求めて
おき、この条件で高周波焼入れしたものである。
【0063】小野式回転曲げ疲労試験は室温大気中で行
ない、各供試材の107 回の疲労強度(疲労限度)を測
定した。表5に、疲労試験結果を示す。なお、表5には
前記実施例1で求めた最大等価円直径fn2の値も併せ
て示した。
【0064】
【表5】 表5から、鋼の化学成分及び介在物の最大等価円直径f
n2が本発明で規定する条件を満たす本発明例の試験番
号39〜56の場合、T方向でも900MPaを超える
疲労強度を有しており、しかも、L方向の疲労強度に対
するT方向の疲労強度の低下は小さい。したがって、鍛
錬軸に垂直な応力が作用する場合の疲労強度が低下しに
くいことが明らかである。
【0065】これに対して、比較例の試験番号57〜6
8の場合、L方向の疲労強度に対するT方向の疲労強度
の低下が著しい。試験番号64の場合、鋼35の化学成
分は本発明で規定する条件を満たすものの、fn2の値
が本発明で規定する条件から外れるため、前記本発明例
の試験番号39〜56の場合に比べて、L方向の疲労強
度に対するT方向の疲労強度の低下が著しい。
【0066】
【発明の効果】本発明の機械構造用鋼材は、高周波焼入
れ性、冷間加工性、被削性に優れ、更に、疲労強度、な
かでもT方向の疲労強度に優れ、圧延方向や鍛錬軸に垂
直な応力が負荷された場合の耐疲労特性の低下が防止で
きるので、自動車の等速ジョイントやシャフトを初めと
した各種の高周波焼入れされる部品の素材として利用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の鋼材における最大等価円直径fn2の
一例を示す図である。
【図2】鍛錬軸に平行な方向及び鍛錬軸に垂直な方向か
ら平滑小野式回転曲げ疲労試験片のサンプルを切り出す
方法を説明する図である。
【図3】鍛錬軸に垂直な方向から切り出したサンプルの
両端を電子ビーム溶接して接合し、所定の平滑小野式回
転曲げ疲労試験片に仕上げたことを説明する図である。
フロントページの続き (72)発明者 松本 斉 福岡県北九州市小倉北区許斐町1番地 株 式会社住友金属小倉内 (72)発明者 新井 貴俊 福岡県北九州市小倉北区許斐町1番地 株 式会社住友金属小倉内 (72)発明者 堀本 雅之 福岡県北九州市小倉北区許斐町1番地 株 式会社住友金属小倉内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化学組成が質量%で、C:0.30〜0.
    60%、Si:0.01〜0.40%、Mn:0.10
    〜0.60%、S:0.005〜0.05%、Ti:
    0.05〜0.2%、B:0.0005〜0.005
    %、Nb:0〜0.05%、Cu:0〜0.20%、N
    i:0〜0.20%、Cr:0〜0.20%、Mo:0
    〜0.20%、Al:0.01%以下を含有し、残部は
    Fe及び不純物からなり、不純物中のNは0.008%
    以下、O(酸素)は0.0025%以下、且つ、下記
    (1)式で表されるfn1の値が0以上であり、更に、長
    手方向縦断面における非金属介在物の長径をL(μ
    m)、短径をW(μm)として極値統計処理によって予
    測される累積分布関数が99%時の下記 (2)式で表され
    る非金属介在物の最大等価円直径fn2が30μm以下
    である機械構造用鋼材。 fn1=Ti(%)−3S(%)−3.4N(%)・・・(1) fn2=(πLW/4)0.5 ・・・(2)
  2. 【請求項2】化学組成が質量%で、C:0.30〜0.
    60%、Si:0.01〜0.40%、Mn:0.10
    〜0.60%、S:0.005〜0.05%、Ti:
    0.2%以下、Zr:0.2%以下で、且つ、Ti
    (%)+Zr(%):0.05〜0.2%、B:0.0
    005〜0.005%、Nb:0〜0.05%、V:0
    〜0.3%、Cu:0〜0.20%、Ni:0〜0.2
    0%、Cr:0〜0.20%、Mo:0〜0.20%、
    Al:0.01%以下を含有し、残部はFe及び不純物
    からなり、不純物中のNは0.008%以下、O(酸
    素)は0.0025%以下、且つ、下記 (3)式で表され
    るfn3の値が0以上であり、更に、長手方向縦断面に
    おける非金属介在物の長径をL(μm)、短径をW(μ
    m)として極値統計処理によって予測される累積分布関
    数が99%時の下記 (2)式で表される非金属介在物の最
    大等価円直径fn2が30μm以下である機械構造用鋼
    材。 fn3=Ti(%)+Zr(%)−3S(%)−3.4N(%)・・・(3) fn2=(πLW/4)0.5 ・・・(2)
JP2000399075A 2000-10-02 2000-12-27 機械構造用鋼材 Expired - Fee Related JP3565428B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000399075A JP3565428B2 (ja) 2000-10-02 2000-12-27 機械構造用鋼材

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000302697 2000-10-02
JP2000-302697 2000-10-20
JP2000321735 2000-10-20
JP2000-321735 2000-10-20
JP2000399075A JP3565428B2 (ja) 2000-10-02 2000-12-27 機械構造用鋼材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002194483A true JP2002194483A (ja) 2002-07-10
JP3565428B2 JP3565428B2 (ja) 2004-09-15

Family

ID=27344832

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000399075A Expired - Fee Related JP3565428B2 (ja) 2000-10-02 2000-12-27 機械構造用鋼材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3565428B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004143550A (ja) * 2002-10-25 2004-05-20 Sanyo Special Steel Co Ltd Ti添加高強度鋼
FR2850399A1 (fr) * 2003-01-23 2004-07-30 Koyo Seiko Co Acier pour utilisation dans un arbre de pignon de haute resistance et procede de fabrication de celui-ci
JP2011167725A (ja) * 2010-02-18 2011-09-01 Ihi Corp 欠陥寸法推定方法及び装置
CN110284045A (zh) * 2019-06-02 2019-09-27 天鑫精工科技(威海)有限公司 一种汽车冲压件模具的加工方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004143550A (ja) * 2002-10-25 2004-05-20 Sanyo Special Steel Co Ltd Ti添加高強度鋼
FR2850399A1 (fr) * 2003-01-23 2004-07-30 Koyo Seiko Co Acier pour utilisation dans un arbre de pignon de haute resistance et procede de fabrication de celui-ci
US7740722B2 (en) 2003-01-23 2010-06-22 Jtekt Corporation Steel for use in high strength pinion shaft and manufacturing method thereof
JP2011167725A (ja) * 2010-02-18 2011-09-01 Ihi Corp 欠陥寸法推定方法及び装置
CN110284045A (zh) * 2019-06-02 2019-09-27 天鑫精工科技(威海)有限公司 一种汽车冲压件模具的加工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3565428B2 (ja) 2004-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4568362B2 (ja) 被削性と強度特性に優れた機械構造用鋼
JP4473928B2 (ja) 被削性と衝撃値に優れた熱間加工鋼材
WO2003106724A1 (ja) 被削性に優れた鋼
KR20140046489A (ko) 켄칭용 강재 및 그 제조 방법
CN111684094B (zh) 进行渗碳处理的部件用钢材
JP5974623B2 (ja) 時効硬化型ベイナイト非調質鋼
JP2008013788A (ja) 被削性と強度特性に優れた機械構造用鋼
JP5655366B2 (ja) ベイナイト鋼
JP4451808B2 (ja) 疲労特性と耐結晶粒粗大化特性に優れた肌焼用圧延棒鋼およびその製法
JP2007131871A (ja) 高周波焼入れ用鋼材
JP4264329B2 (ja) 被削性に優れる鋼
JP2002194484A (ja) 機械構造用鋼材
JP4502126B2 (ja) 機械構造用鋼
JP2000282172A (ja) 被削性と靱性に優れた機械構造用鋼材及び機械構造部品
JPWO2016158470A1 (ja) 時効硬化性鋼及び時効硬化性鋼を用いた部品の製造方法
JPH11293390A (ja) 高強度快削非調質鋼材
JP2017066460A (ja) 時効硬化性鋼
JP3954751B2 (ja) 鍛造性と被削性に優れる鋼
JP6658981B1 (ja) 浸炭部品及びその製造方法
JP3739958B2 (ja) 被削性に優れる鋼とその製造方法
JP3565428B2 (ja) 機械構造用鋼材
JP4964060B2 (ja) 強度異方性と被削性に優れた機械構造用鋼および機械構造用部品
JP2004124127A (ja) 捻り疲労特性に優れた浸炭用鋼
JP2005023360A (ja) 切り屑処理性に優れた肌焼鋼
JP3489655B2 (ja) 高強度高靭性快削非調質鋼材

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040331

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040601

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040603

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3565428

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090618

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100618

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100618

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110618

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110618

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120618

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120618

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

Year of fee payment: 9

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees