JP2002194324A - 防曇剤、防曇剤液、包装材料、生鮮品の鮮度保持方法、および生鮮品 - Google Patents

防曇剤、防曇剤液、包装材料、生鮮品の鮮度保持方法、および生鮮品

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JP2002194324A JP2001296752A JP2001296752A JP2002194324A JP 2002194324 A JP2002194324 A JP 2002194324A JP 2001296752 A JP2001296752 A JP 2001296752A JP 2001296752 A JP2001296752 A JP 2001296752A JP 2002194324 A JP2002194324 A JP 2002194324A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フィルムやシートに発生する曇りや水滴の形成
を防止する能力に優れ、且つグラム陰性菌をはじめとす
る様々な細菌に対して効果が高く、更にpHの制御が容
易な防曇剤の提供、並びに、内容物の鮮度および日持ち
を大幅に向上させることが可能な包装材料の提供。 【解決手段】ε−ポリリジンおよび/またはその塩を含
有する防曇剤を作製し、包装材料に添加および/または
付着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防曇剤、防曇剤懸
濁液、包装材料、生鮮品の鮮度保持方法、および生鮮品
に関する。
【0002】
【従来の技術】防曇剤は、大気中の水蒸気の凝固に起因
して発生するプラスチック製のフィルムやシートの表面
の曇りや該表面に於ける水滴の形成を防ぎ視認性を確保
する目的で、プラスチック製のフィルムやシートの表面
に塗布され若しくはその内部に練り込まれている。
【0003】また、生鮮食料品のように水滴との接触に
より劣化や腐敗の進行が促される物の包装材料として使
用されるプラスチック製のフィルムやシートに塗布若し
くは練り込まれる防曇剤には、液滴形成を防ぐことによ
る前述の劣化や腐敗の防止効果も期待されている。
【0004】従来、前述のような目的で使用若しくは提
案されている防曇剤としては、ソルビタン高級脂肪酸エ
ステル(特公昭38−6572号公報)、ポリオキシエ
チレンアルキルアミン(特公昭44−15184号公
報)、モノグリセリン脂肪酸エステル(特開平5−11
2660号公報)、およびキトサンとショ糖脂肪酸エス
テルとを併用したもの(特開平11−209491号公
報)などが挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ソルビ
タン高級脂肪酸エステルおよびびそれらの酸化エチレン
付加物やポリオキシエチレンアルキルアミンのように抗
菌効果を示さない界面活性剤を含有する防曇剤の場合に
は、液滴の形成は阻止し得ても、フィルムやシートの表
面に多量の水膜が形成され、該水膜が被包装物である生
鮮食料品などに接触した場合には、充分な劣化・腐敗の
防止効果を得ることは困難であった。
【0006】一方、モノグリセリン脂肪酸エステルはグ
ラム陰性菌に対しては抗菌効果が弱いことから充分な劣
化・腐敗の防止効果があるとは言い難く、また、キトサ
ンとショ糖脂肪酸エステルはその化学的性質から希酸に
しか溶解しないため、それらを含有する防曇剤は酸性と
ならざるを得ず、該防曇剤を使用する場合には、高価な
フィルム加工装置を腐食してしまう場合があった。
【0007】また、抗菌性ゼオライト等の無機系抗菌剤
と抗菌効果を示さない界面活性剤との併用も一部実用化
されてはいるものの、該無機系抗菌剤は工業用抗菌剤で
あるため、食品包装材用途への使用が制限されている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の従来
技術の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、
ε−ポリリジンおよび/またはその塩を含有する防曇剤
であれば、曇りや水滴の形成を防止する能力を有し、且
つグラム陰性菌をはじめとする様々な細菌に対して効果
が高く、更にpHの制御が容易であることを見出し、こ
の知見に基づいて本発明を完成させた。
【0009】本発明は下記(1)〜(9)の構成用件で
示される。 (1)ε−ポリリジンおよび/またはその塩を含有する
防曇剤。
【0010】(2)さらに界面活性剤を含有する前記第
1項記載の防曇剤。
【0011】(3)界面活性剤がショ糖脂肪酸エステ
ル、モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪
酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、およびソ
ルビタン脂肪酸エステルから選ばれた1種以上である前
記第2項記載の防曇剤。
【0012】(4)前記第1項〜第3項の何れか1項記
載の防曇剤が、水およびアルコールから選ばれた少なく
とも1種以上の溶媒に溶解若しくは懸濁された防曇剤
液。
【0013】(5)前記第1項〜第3項の何れか1項記
載の防曇剤または請求項4記載の防曇剤液が添加および
/または付着された包装材料。
【0014】(6)包装材料が樹脂フィルムまたは樹脂
シートである前記第5項記載の包装材料。
【0015】(7)包装材料が、10〜45g/m2
24hの水蒸気透過度、1000〜9000nmol/
2・s・100kPaの酸素ガス透過度、および60
0〜9000nmol/m2・s・100kPaのエチ
レンガス透過度を有する樹脂フィルムまたは樹脂シート
である前記題5項記載の包装材料。
【0016】(8)前記第5〜7項記載の包装材料を用
いて包装または被覆する生鮮品の鮮度保持方法。
【0017】(9)前記第5〜7項記載の包装材料を用
いて包装または被覆された生鮮品。
【0018】
【発明の実施の態様】以下、本発明につき詳細に説明す
る。本発明において使用されるε−ポリリジンは、何れ
の方法によって得られたものであってもよいが、具体的
には、特許第1245361号に記載のストレプトマイ
セス・アルプラス・サブスピーシーズ・リジノポリメラ
スを培地にて培養し、得られた培養物からを分離・採取
することによって得られるε−ポリリジンを挙げること
ができる。ε−ポリリジンは厚生省の既存添加物名簿に
も記載されている物質であり、食品保存料等に利用され
ている。
【0019】本発明においてε−ポリリジンは遊離もの
を用いてもよく、塩酸、硫酸、およびリン酸などの無機
酸とε−ポリリジンとで形成されるε−ポリリジンの無
機酸塩、酢酸、プロピオン酸、フマル酸、リンゴ酸、ク
エン酸、マレイン酸、アジピン酸、グルコン酸、および
乳酸などの有機酸とε−ポリリジンとで形成されるε−
ポリリジンの有機酸塩、カプロン酸、ラウリン酸、およ
びステアリン酸などの中鎖および長鎖の飽和脂肪酸とε
−ポリリジンとで形成されるε−ポリリジンの飽和脂肪
酸塩、オレイン酸、リノール酸、およびアラキドン酸な
どの中鎖および長鎖の不飽和脂肪酸とε−ポリリジンと
で形成されるε−ポリリジンの不飽和脂肪酸塩などを用
いてもよい。これ以降ε−ポリリジンとその塩をあわせ
て「EPL」と記述する。
【0020】EPLは分子中に疎水性のメチレン基と、
親水性のアミノ基およびカルボキシル基をもつため界面
活性剤としての性質を示し、優れた防曇効果を発現す
る。更に、EPLはヒト必須アミノ酸の一種であるL−
リジンが直鎖状に連なったホモポリマーであることから
人体に対する安全性が高く、また広い範囲の微生物に対
して優れた抗菌効果を示す特徴を有する。
【0021】本発明の防曇剤はEPLを含有するもので
あり、EPLのみからなるものであっても良く、界面活
性剤や、pH調製剤、各種アミノ酸、脂肪酸などEPL
の抗菌効果と相加・相乗効果を示す添加物を含有するも
のであっても良い。その中でも特に、EPLと界面活性
剤とを併用した場合には、高価なEPLの使用割合を低
減させることができコスト的に有利である。
【0022】本発明の防曇剤に含まれるEPLの含有割
合は、該防曇剤に対し0.0001〜100重量%の範
囲であることが好ましい。また、該防曇剤が界面活性剤
を含む場合には、EPLと界面活性剤との重量比(EP
L/界面活性剤)が0.01〜100の範囲であること
が好ましい。
【0023】本発明に用いることができる界面活性剤は
特に限定されるものではない。本発明に使用する界面活
性剤が、ショ糖脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸
エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリ
ン脂肪酸エステル、およびソルビタン脂肪酸エステルか
ら選ばれたいずれか1種以上であれば、EPLの防曇効
果を向上させることが容易であり、それらの界面活性剤
は本発明に好ましく使用することができる。
【0024】本発明の防曇剤は固体状、液体状のいずれ
であってもよい。該防曇剤を固体状とするためには、該
防曇剤をそのまま乾燥処理するか、該防曇剤を有機物ま
たは無機物に担持したのち乾燥処理することにより得る
ことができる。
【0025】本発明の液体状の防曇剤(以下「防曇剤
液」と記述する。)を得るためには、該防曇剤を水およ
びアルコールから選ばれた1種以上の溶媒に溶解若しく
は懸濁させればよい。該防曇剤液に含まれる本発明防曇
剤の割合は、該防曇剤に含まれるEPLの割合にもよる
が、該防曇剤液に対して0.0001〜50重量%の範
囲であることが好ましい。
【0026】該防曇剤液に使用することができるアルコ
ールは特に限定されるものではないが、具体的には、メ
チルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピル
アルコール、イソプロピルアルコール、およびグリセリ
ンなどを挙げることができる。
【0027】本発明の防曇剤または防曇剤液を添加およ
び/または付着させる対象となる包装材料は特に限定さ
れるものではないが、具体的には、樹脂フィルム、樹脂
シート、樹脂容器、および樹脂トレイなどを挙げること
ができる。その中でも樹脂フィルムおよび樹脂シートに
本発明の防曇剤または防曇剤液を添加または付着させた
場合には、顕著に本発明の効果を発揮させることができ
る。
【0028】樹脂フィルムや樹脂シートの原料として使
用される樹脂は、食品包装用途に用いられる合成樹脂で
あることが好ましい。該合成樹脂としては、具体的に、
ポリプロピレンおよびプロピレンと他のα−オレフィン
との二元もしくは三元共重合体、低密度ポリエチレン、
線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等のポリ
オレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレート、共重合ポリエステル等の熱可
塑性ポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等
のポリアミド系樹脂、ポリスチレン、アクリルニトリル
−ブタジエン−スチレン共重合体等のポリスチレン系樹
脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂の熱可塑
性樹脂、エチレン−プロピレン−ゴム共重合体、スチレ
ン−ブタジエン−ゴム共重合体等の熱可塑性エラストマ
ーおよびこれらの混合物等を挙げることができる。
【0029】また、該樹脂フィルムや該樹脂シートは、
本発明の効果を損なわない範囲であれば、耐熱安定性、
耐熱劣化防止性、耐熱性付加のための熱安定剤、耐候性
付加のための耐候剤、耐光性付加のための耐光剤、機能
性付加のための各種安定剤、添加剤、界面活性剤、有機
系もしくは無機系の顔料、有機もしくは無機のフィラー
などを含有するものであっても良い。
【0030】また、該樹脂フィルムや該樹脂シートは、
無延伸であっても、一軸あるいは二軸延伸されたもので
もよく、さらに単層構造であっても多層構造であっても
よい。延伸は、公知のテンター法等で行えばよい。ま
た、無延伸フィルムまたはシートの製造方法も公知の方
法で行えばよい。
【0031】さらに、該樹脂フィルムや該樹脂シート
は、気体透過性が制御されたものであることが好まし
い。その制御方法は特に限定されるものではなく、具体
的には、原料樹脂の結晶性部分と非晶性部分の種類と量
比および膜厚を最適化する方法や、二次加工によって微
細孔を開けたり引っ掻き傷を付けたりする条件を最適化
する方法を挙げることができる。
【0032】さらに本発明においては、該樹脂フィルム
または該樹脂シートのうち、10〜45g/m2・24
hの水蒸気透過度、1000〜9000nmol/m2
・s・100kPaの酸素ガス透過度、および600〜
9000nmol/m2・s・100kPaのエチレン
ガス透過度を有する樹脂フィルムまたは樹脂シートを特
に好ましく使用することが出来る。このような樹脂フィ
ルムまたは樹脂シートを用いた包装材料は、特に生鮮品
の包装に好ましく使用することが出来る。
【0033】本発明の防曇剤若しくは防曇剤液が添加さ
れた包装材料の製造方法は特に限定されるものではな
い。包装材料が樹脂フィルムもしくは樹脂シートの場合
には、本発明の防曇剤若しくは防曇剤液を均一に添加し
たプレポリマーを、公知の方法、例えばTダイ押出機や
カレンダーロール等を用いる一般的な方法にて成形加工
すればよい。
【0034】該樹脂フィルムまたは該樹脂シートへの本
発明の防曇剤若しくは防曇剤液の添加割合は、該樹脂フ
ィルムまたは該樹脂シートに対して0.0001〜10
重量%の範囲であることが好ましい。
【0035】本発明の防曇剤若しくは防曇剤液が付着さ
れた包装材料の製造方法は特に限定されるものではな
い。包装材料が樹脂フィルムもしくは樹脂シートの場合
には、樹脂フィルムもしくは樹脂シートの表面に、公知
の方法、例えばスプレーコーター、グラビアコーター、
エアーナイフコーター、ロールコーター、およびナイフ
コーターなどを用いる一般的な方法で本発明の防曇剤若
しくは防曇剤液を付着させればよい。
【0036】該樹脂フィルムまたは該樹脂シートへの本
発明の防曇剤若しくは防曇剤液の付着割合は、該樹脂フ
ィルムまたは該樹脂シートに対して0.01mg/m2
〜10000mg/m2の範囲であることが好ましい。
【0037】本発明の防曇剤若しくは防曇剤液が添加お
よび/または付着された樹脂フィルムもしくは樹脂シー
トは、本発明の効果を損なわない範囲であれば、コロナ
処理、プラズマ処理、火炎処理等の表面処理を施しても
よい。
【0038】本発明の包装材料はEPLの効果により、
曇りや水滴の形成を防止する能力を有し、且つ様々な細
菌に対して抗菌効果が高い。このため、該包装材料を用
いて生鮮品を包装若しくは被覆すれば、前述の水滴に起
因する劣化や腐敗の進行を防止する効果に加えてフィル
ム表面に形成される水膜中における細菌の増殖をも抑制
する効果も得られるため、生鮮品の鮮度を長期に渡り保
持することができる。
【0039】本発明の生鮮品は特に限定されるものでは
ないが、具体的には、野菜、果物、花卉、畜肉およびそ
の加工品、魚貝類およびその加工品などを挙げることが
できる。
【0040】本発明の包装材料による生鮮品の包装方法
および被覆方法は特に限定されるものではないが、例え
ば、袋詰包装、ハンカチ包装、シュリンク包装、箱詰方
法等の公知の方法で行えばよい。
【0041】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明す
る。本実施例において「%」は特に断りがない限り「重
量%」を意味する。なお、本実施例においてEPLはチ
ッソ(株)製ポリリジンを使用した。
【0042】1)防曇剤の作製1 実施例1 EPLを乳鉢で微細に粉砕して防曇剤1を得た。
【0043】比較例1 公知の防曇剤である、ソルビタン脂肪酸エステル(日本
油脂(株)製・ノニオンLP−20R)を防曇剤2とし
た。
【0044】比較例2 公知の防曇剤である、ソルビタン脂肪酸エステルの酸化
エチレン付加物(日本油脂(株)製・ノニオンLT−2
21)を防曇剤3とした。
【0045】比較例3 公知の防曇剤である、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン(東邦化学(株)製・アンステックスN−100)を
防曇剤4とした。
【0046】比較例4 公知の防曇剤である、モノグリセリン脂肪酸エステル
(理研ビタミン(株)製・ポエムM−300)を微細に
粉砕して防曇剤5を得た。
【0047】2)試験フィルムの作製1 ポリプロピレン(チッソ(株)製、MFR10g/10
分)を99.65%、イルガノックス1010(Irgano
x1010 チバ・ガイギー社製)0.2%、ステアリン酸
カルシウム0.1%、防曇剤1〜5を0.05%添加し
てブレンダーで均一混合したのち、Tダイ押出機を用い
て、押出温度210℃、ライン速度20m/分の条件に
て、フィルム厚み50μmのフィルム1〜5を作製し
た。作製したフィルムについて後述の表1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】3)防曇性試験1 実施例1および比較例1〜4で得た防曇剤1〜5を添加
して作製したフィルム1〜5について、後述の3−1)
および3−2)記載の方法により防曇効果の測定を行
い、その結果を防曇剤および防曇フィルムの防曇効果と
した。結果について後述の表2に示した。
【0050】3−1)防曇性試験方法1(低温防曇性試
験) 200mL容ビーカーに5℃の水を張り、フィルム1〜
5にて口を密閉したのち、5℃の冷蔵庫に1〜24時間
放置した。その後のフィルムの曇りを目測により評価し
た。
【0051】3−2)防曇性試験方法2(高温防曇性試
験) 200mL容ビーカーに80℃の湯を張り、フィルム1
〜5にて口を密閉したのち、80℃の湯せんに10〜3
0秒間放置した。その後のフィルムの曇りを目測により
評価した。
【0052】3−3)防曇性評価基準 防曇性評価の基準は、以下の4段階とした。 ◎(良好) :全く曇りが見られない ○(良) :曇りは見られないが大粒の水滴が多数
個見られる △(やや不良):防曇処理面積の2割未満が微小水滴で
曇り、不透明状態を呈する ×(不良) :微小水滴で全面に曇り、不透明状態を
呈する。
【0053】
【表2】
【0054】4)抗菌性試験1 実施例1および比較例1〜4で得た防曇剤1〜5を添加
して作製したフィルム1〜5について、後述の4−2)
および4−3)記載の方法にて抗菌効果の測定を行い、
その結果を防曇剤および防曇フィルムの抗菌効果とし
た。その結果を後述の表2に示した。
【0055】4−1)試験菌液の調整 普通ブイヨン培地(栄研化学(株)製)を滅菌精製水で
500倍に希釈し、pHを7.0±0.2に調整した1
/500培地に、滅菌したピペットで大腸菌(Esch
erichia coli、IFO3972)を、培地
中の生菌数が3.0×105個/mLの濃度となるよう
に調整した。
【0056】4−2)抗菌性試験方法1 5cm×5cmに切出した各防曇フィルムを各々滅菌シ
ャーレへ入れ、その試験面に接種用菌液0.5mLを接
種し、さらにその上に滅菌処理を施したポリエチレン製
被覆フィルム(4.5cm×4.5cm)を被せて蓋を
したのち、温度35±1℃、相対湿度90%以上の条件
で24時間培養を行った。培養終了後、各々の試験片、
被覆フィルムに付着している菌をSCDLPブイヨン培
地(日本製薬(株)製)10mLを用いて滅菌シャーレ
中に十分に洗い出し、この洗い出した液1mL中の生菌
数を標準寒天培地法により測定した。試験終了後、下記
計算式により増減値差を算出した。 増減値差 = Log(B/A) − Log(C/
A) 抗菌無加工試料 [A]:接種直後の生菌数 [B]:定時間培養操作後の生菌数 抗菌加工試料 [C]:定時間培養操作後の生菌数
【0057】4−3)抗菌性試験方法2 抗菌性試験1で述べた抗菌性試験方法と同様の方法で、
試験細菌を黄色ブドウ球菌(Staphylococc
us aureus、IFO12732)としてその抗
菌効果の測定を行った。
【0058】
【表3】
【0059】5)食品保存性試験1 実施例1および比較例1〜4で得た防曇剤1〜5を添加
して作製したフィルム1〜5について、後述の5−1)
記載の方法にて食品保存性試験を行い、その結果を防曇
剤および防曇フィルムの食品保存効果とした。結果につ
いて後述の表4に示した。
【0060】5−1)食品保存性試験方法1 レタスの葉50gをフィルム1〜6で各々包装したの
ち、10℃の冷蔵庫に1〜10日間保存し、その外観変
化を目測により評価した。
【0061】5−2)食品保存性評価基準 食品保存性評価の基準は、以下の4段階とした。 ◎(良好) :傷み、褐変が全く認められない。 ○(良) :切口や葉末端にわずかに褐変が認めら
れる。 △(やや不良):切口や葉末端、および葉に褐変・斑点
がはっきり認めらる。商品化は困難である。 ×(不良) :傷み・褐変が激しく、商品とならな
い。
【0062】
【表4】
【0063】表2〜4から明らかなように、本発明の実
施例1で得た防曇剤1は比較例1〜4で得た公知の防曇
剤2〜5と比較して同等の防曇効果を有しており、か
つ、大腸菌および黄色ブドウ球菌に対して高い抗菌効果
を示し、さらにレタス保存性も高く、防曇剤の使用目的
である視認性・鮮度保持効果の向上に関して優れた特徴
を有していることががわかる。また、該防曇剤を添加し
たフィルムは、防曇フィルムとして優れた特徴を有して
いることががわかる。
【0064】6)防曇剤液の作製1 実施例2 実施例1で得た防曇剤1を0.01%、水とエタノール
の混合液(90体積%エタノール水溶液。以下、水エタ
ノール混合液という。)を99.99%配合したのち均
一に溶解して、防曇剤液1を得た。
【0065】比較例5 比較例1で得た防曇剤2を0.01%、水エタノール混
合液を99.99%配合したのち均一に溶解して、防曇
剤液2を得た。
【0066】比較例6 比較例2で得た防曇剤3を0.01%、水エタノール混
合液を99.99%配合したのち均一に溶解して、防曇
剤液3を得た。
【0067】比較例7 比較例3で得た防曇剤4を0.01%、水エタノール混
合液を99.99%配合したのち均一に溶解して、防曇
剤液4を得た。
【0068】比較例8 比較例4で得た防曇剤5を0.01%、水エタノール混
合液を99.99%配合したのち均一に溶解して、防曇
剤液5を得た。
【0069】7)試験フィルムの作製2 市販のポリプロピレン二軸延伸フィルムに対して、防曇
剤液1〜5を6000mg/m2となるようにグラビア
コーターにて付着したのち、80℃オーブンで5秒間乾
燥処理を施してフィルム7〜11を作製した。作製した
フィルムについて後述の表5に示した。
【0070】
【表5】
【0071】8)防曇性試験2 前述の実施例2および比較例5〜8で得た防曇剤液1〜
5を付着して作製したフィルム6〜10について、前述
の3−1)および3−2)記載の方法で防曇効果の測定
を行い、その結果を防曇剤液および防曇フィルムの防曇
効果とした。結果について後述の表6に示した。
【0072】
【表6】
【0073】9)抗菌性試験2 前述の実施例2および比較例5〜8で得た防曇剤液1〜
5を付着して作製したフィルム6〜10について、前述
の4−2)および4−3)記載の方法で抗菌効果の測定
を行い、その結果を防曇剤液および防曇フィルムの抗菌
効果とした。結果について後述の表7に示した。
【0074】
【表7】
【0075】10)食品保存性試験2 前述の実施例2および比較例5〜8で得た防曇剤液1〜
5を付着して作製したフィルム6〜10について、前述
の5−1)記載の方法で食品保存性試験を行い、その結
果を防曇剤液および防曇フィルムの抗菌効果とした。結
果について後述の表8に示した。
【0076】
【表8】
【0077】表6〜8から明らかなように、本発明の実
施例2で得た防曇剤液2は、比較例5〜8で得た公知の
防曇剤液2〜5と比較して同等以上の防曇効果を有して
おり、かつ、大腸菌および黄色ブドウ球菌に対して高い
抗菌効果を示し、さらにレタス保存性も高く、防曇剤液
の使用目的である視認性・鮮度保持効果の向上に関して
優れた特徴を有していることががわかる。また、該防曇
剤液を付着したフィルムは、防曇フィルムとして優れた
特徴を有していることががわかる。
【0078】11)防曇剤液の作製2 実施例3 実施例1で得た防曇剤1を0.1%、水を99.9%配
合したのち均一に溶解して、防曇剤液6を得た。該防曇
剤液のpHをガラス電極pH計を用いて測定した結果、
pH8.0であった。
【0079】比較例9 キトサン(君津化学工業(株)製キミツキトサンLLW
P)を1%、ショ糖脂肪酸エステル(三菱化成フーズ
(株)製・リョートーシュガーエステルL−1695)
を1%、3%乳酸水溶液を98%配合したのち均一に溶
解して、公知の防曇剤である防曇剤液7を得た。該防曇
剤液のpHをガラス電極pH計を用いて測定した結果、
pH2.8であった。
【0080】12)金属腐食性試験 実施例3および比較例9で得た防曇剤液6〜7につい
て、後述の12−1)記載の方法にて金属腐食性試験を
行い、その結果を防曇剤液の金属腐食性とした。結果に
ついて後述の表9に示した。
【0081】12−1)金属腐食性試験方法 50mL容バイアル瓶に防曇剤液6〜7を30mL分注
し、鋳鉄製テストピース(5mmφ×60mm)を浸漬
したのち、設定温度30±1℃の条件にて1〜10日間
保存し、その外観変化を目測により評価した。
【0082】12−2)金属腐食性評価基準 金属腐食性評価の基準は、以下の4段階とした。 ◎(良好) :金属光沢を維持している。 ○(良) :金属光沢が失われている。 △(やや不良):わずかに赤錆が発生している。 ×(不良) :激しく赤錆が発生している
【0083】
【表9】
【0084】13)試験フィルムの作製3 市販のポリスチレン二軸延伸フィルムに対して防曇剤液
6〜7を600mg/m2となるようにスプレーコータ
ーにて付着したのち、80℃オーブンで30秒間乾燥処
理を施してフィルム12〜13を作製した。作製したフ
ィルムについて後述の表10に示した。
【0085】
【表10】
【0086】14)防曇性試験3 前述の実施例3および比較例9で得た防曇剤液6〜7を
付着して作製したフィルム12〜13について、前述の
3−1)および3−2)記載の方法により防曇効果の測
定を行い、その結果を防曇剤液および防曇フィルムの防
曇効果とした。結果について後述の表11に示した。
【0087】
【表11】
【0088】15)抗菌性試験3 前述の実施例3および比較例9で得た防曇剤液6〜7を
均一付着して作製したフィルム12〜13について、前
述の4−2)および4−3)記載の方法にて抗菌効果の
測定を行い、その結果を防曇剤液および防曇フィルムの
抗菌効果とした。結果について後述の表12に示した。
【0089】
【表12】
【0090】16)食品保存性試験3 前述の実施例3および比較例9で得た防曇剤液6〜7を
均一付着して作製したフィルム12〜13について、前
述の5−1)記載の方法にて食品保存性試験を行い、そ
の結果を防曇剤液および防曇フィルムの抗菌効果とし
た。結果について後述の表13に示した。
【0091】
【表13】
【0092】表9から明らかなように、本発明の実施例
2で得た防曇剤液6は比較例9で得た公知の防曇剤液7
と比較して金属腐食性が低いことがわかる。また、表1
1〜13から明らかなように、防曇剤液2は防曇剤液7
と比較して防曇効果、大腸菌および黄色ブドウ球菌に対
する抗菌効果、レタス保存性効果が高く、防曇剤液の使
用目的である視認性・鮮度保持効果の向上に関して優れ
た特徴を有していることがわかる。また、該防曇剤液を
付着したフィルムは、防曇フィルムとして優れた特徴を
有していることががわかる。
【0093】17)防曇剤の作製2 実施例4 EPLとショ糖脂肪酸エステル(三菱化成フーズ(株)
製・リョートーシュガーエステルL−1695)を重量
比1:1の割合で均一に混合し、乳鉢で微細に粉砕し
て、防曇剤6を得た。
【0094】実施例5 EPLとモノグリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン
(株)製・ポエムM−300)を重量比1:1の割合で
均一に混合し、乳鉢で微細に粉砕して、防曇剤7を得
た。
【0095】実施例6 EPLとジグリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン
(株)製・ポエムDP95−RF)を重量比1:1の割
合で均一に混合し、乳鉢で微細に粉砕して、防曇剤8を
得た。
【0096】実施例7 EPLとポリグリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン
(株)製・ポエムJ−6021)を重量比1:1の割合
で均一に混合して、防曇剤9を得た。
【0097】実施例8 EPLとソルビタン脂肪酸エステル(日本油脂(株)製
・ノニオンLP−20R)を重量比1:1の割合で均一
に混合して、防曇剤10を得た。
【0098】比較例10 EPLを乳鉢で微細に粉砕して防曇剤11を得た。
【0099】18)試験フィルムの作製4 防曇剤1の代わりに実施例4〜8および比較例10で得
た防曇剤6〜11を配合した以外は、前述のフィルム1
作製手順に従いフィルム14〜19を作製した。作製し
たフィルムについて後述の表14に示した。
【0100】
【表14】
【0101】19)防曇性試験4 前述の実施例4〜8および比較例10で得た防曇剤6〜
11を配合して作製したフィルム14〜19について、
前述の3−1)および3−2)記載の方法により防曇効
果の測定を行い、防曇剤および防曇フィルムの防曇効果
とした。結果について後述の表15に示した。
【0102】
【表15】
【0103】20)抗菌性試験4 前述の実施例4〜8および比較例10で得た防曇剤6〜
11を配合して作製したフィルム14〜19について、
前述の4−2)および4−3)記載の方法にて抗菌効果
の測定を行い、その結果を防曇剤の抗菌効果とした。結
果について後述の表16に示した。
【0104】
【表16】
【0105】21)食品保存性試験4 前述の実施例4〜8および比較例10で得た防曇剤6〜
11を配合して作製したフィルム14〜19について、
前述の5−1)記載の方法にて食品保存性試験を行い、
その結果を防曇剤の抗菌効果とした。結果について後述
の表17に示した。
【0106】
【表17】
【0107】表15〜17から明らかなように、本発明
の実施例4〜8で得た防曇剤6〜10は、比較例10で
得た防曇剤11と比較してEPL含有量が少ないにも関
わらず、同等以上の防曇効果、および同等の大腸菌およ
び黄色ブドウ球菌に対する抗菌効果、レタス保存効果を
有しており、防曇剤の使用目的である視認性・鮮度保持
効果の向上に関して優れた特徴を有していることががわ
かる。また、該防曇剤を添加したフィルムは、防曇フィ
ルムとして優れた特徴を有していることがわかる。
【0108】22)防曇剤液の作製3 実施例9 実施例4で得た防曇剤6を0.01%、水エタノール混
合液を99.99%配合したのち均一に溶解して、防曇
剤液8を得た。
【0109】実施例10 実施例5で得た防曇剤7を0.01%、水エタノール混
合液を99.99%配合したのち均一に溶解して、防曇
剤液9を得た。
【0110】実施例11 実施例6で得た防曇剤8を0.01%、水エタノール混
合液を99.99%配合したのち均一に溶解して、防曇
剤液10を得た。
【0111】実施例12 実施例7で得た防曇剤9を0.01%、水エタノール混
合液を99.99%配合したのち均一に溶解して、防曇
剤液11を得た。
【0112】実施例13 実施例8で得た防曇剤10を0.01%、水エタノール
混合液を99.99%配合したのち均一に溶解して、防
曇剤液12を得た。
【0113】比較例11 比較例10で得た防曇剤11を0.01%、水エタノー
ル混合液を99.99%配合したのち均一に溶解して、
防曇剤液13を得た。
【0114】23)試験フィルムの作製5 市販のポリプロピレン二軸延伸フィルムに対して、防曇
剤液8〜13を6000mg/m2となるようにグラビ
アコーターにて付着したのち、80℃オーブンで5秒間
乾燥処理を施してフィルム20〜24を作製した。作製
したフィルムについて後述の表18に示した。
【0115】
【表18】
【0116】24)防曇性試験5 前述の実施例9〜13および比較例11で得た防曇剤液
8〜13を付着して作製したフィルム20〜25につい
て、前述の3−1)および3−2)記載の方法で防曇効
果の測定を行い、防曇剤液および防曇フィルムの防曇効
果とした。結果について後述の表19に示した。
【0117】
【表19】
【0118】25)抗菌性試験5 前述の実施例9〜13および比較例11で得た防曇剤液
8〜13を付着して作製したフィルム20〜25につい
て、前述の4−2)および4−3)記載の方法で抗菌効
果の測定を行い、その結果を防曇剤液および防曇フィル
ムの抗菌効果とした。結果について後述の表20に示し
た。
【0119】
【表20】
【0120】26)食品保存性試験5 前述の実施例9〜13および比較例11で得た防曇剤液
8〜13を付着して作製したフィルム20〜25につい
て、前述の5−1)記載の方法で食品保存性試験を行
い、その結果を防曇剤液および防曇フィルムの抗菌効果
とした。結果について後述の表21に示した。
【0121】
【表21】
【0122】表19〜21から明らかなように、本発明
の実施例9〜13で得た防曇剤液8〜12は、比較例1
1で得た防曇剤液13と比較してEPL含有量が少ない
にも関わらず、同等以上の防曇効果、および同等の大腸
菌および黄色ブドウ球菌に対する抗菌効果、レタス保存
効果を有しており、防曇剤液の使用目的である視認性・
鮮度保持効果の向上に関して優れた特徴を有しているこ
とががわかる。また、該防曇剤液を付着したフィルム
は、防曇フィルムとして優れた特徴を有していることが
わかる。
【0123】27)試験フィルムの作製5 27−1)試験フィルムの作製に用いた各種のプロピレ
ン樹脂組成物(PP−1〜PP−3)のポリマー特性 [PP−1]:プロピレン/α−オレフィン共重合体
(A)とプロピレン/α−オレフィン共重合体(B)と
を含むプロピレン樹脂組成物である。プロピレン/α−
オレフィン共重合体(A)は、α−オレフィン成分がエ
チレンであり、プロピレン単位を、共重合体(A)に対
して99.8%含んでおり、極限粘度が2.23dl/
gである。プロピレン/α−オレフィン共重合体(B)
は、α−オレフィン成分がエチレンであり、プロピレン
単位を共重合体(B)に対して54%含んでいる。ま
た、共重合体(B)は、プロピレン樹脂組成物の31%
であり、極限粘度が1.49dl/g、20℃キシレン
可溶成分が95%である。プロピレン樹脂組成物の極限
粘度は2.00dl/gである。 [PP−2]:極限粘度が2.09dl/gのプロピレ
ンホモポリマーである。 [PP−3]:極限粘度が1.83dl/g、結晶融点
が125℃のエチレン/プロピレン/1−ブテンランダ
ム共重合体である。
【0124】27−2)ペレット状組成物の作製 PP−1〜PP−3のそれぞれを99.4%、酸化防止
剤としてテトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−
ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネ−ト]メタンを0.50%、ステアリン酸カルシウム
を0.10%の割合で配合した。これをブレンダーによ
って均一に混合し、得られた混合物を押出機で溶融混練
した後にペレット状の組成物−1〜組成物−3を得た。
【0125】また、PP−3を99.35%、酸化防止
剤としてテトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−
ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネ−ト]メタンを0.50%、ステアリン酸カルシウム
を0.10%配合し、更に、防曇剤1〜2を0.05%
の配合割合で配合した。それぞれをブレンダーによって
均一に混合し、得られた混合物を押出機で溶融混練した
後にペレット状の組成物−4〜組成物−5を得た。
【0126】27−3)試験フィルムの作製 得られた各組成物を表22に示す組み合わせで基材層原
料あるいは表面層原料とし、基材層原料を口径90mm
の押出機に、表面層原料を口径40mmの押出機に供給
し、溶融温度240℃でTダイより共押出しし、40℃
の冷却ロ−ルで冷却して、基材層700μm、表面層7
0μmの2種2層からなる多層シ−トを得た。
【0127】次に該シ−トを、パンタグラフ式二軸延伸
試験機を用いて逐次二軸延伸して、表22に示したよう
な二軸延伸フィルムを得た。実施例14、比較例12で
は、156℃で120秒間予熱した後、10m/min
の延伸速度で縦方向に4.2倍、横方向に8.2倍逐次
延伸した。また、実施例15、比較例13では、160
℃で120秒間予熱した後、10m/minの延伸速度
で縦方向に4.2倍、横方向に8.2倍逐次延伸した。
【0128】
【表22】
【0129】このようにして得られた各フィルムから所
定の試験片を調製し、所定の試験方法に準拠して各気体
の透過度を測定した。その結果を表23に示した。
【0130】
【表23】
【0131】28)防曇性試験6 前述の実施例14〜15および比較例12〜13で作製
したフィルム26〜29について、前述の3−1)およ
び3−2)記載の方法により防曇効果の測定を行い、防
曇剤および防曇フィルムの防曇効果とした。結果につい
て後述の表24に示した。
【0132】
【表24】
【0133】29)抗菌性試験6 前述の実施例14〜15および比較例12〜13で作製
したフィルム26〜29について、前述の4−2)およ
び4−3)記載の方法にて抗菌効果の測定を行い、その
結果を防曇剤の抗菌効果とした。結果について後述の表
25に示した。
【0134】
【表25】
【0135】30)食品保存性試験6 前述の実施例14〜15および比較例12〜13で作製
したフィルム26〜29について、前述の5−1)記載
の方法にて食品保存性試験を行い、その結果を防曇剤の
抗菌効果とした。結果について後述の表26に示した。
【0136】
【表26】
【0137】表24〜26から明らかなように、本発明
の実施例14〜15で作製したフィルム26〜27は、
比較例12〜13で作製したフィルム28〜29と比較
して同等の防曇効果、および同等以上の大腸菌および黄
色ブドウ球菌に対する抗菌効果、レタス保存効果を有
し、防曇剤として優れた特徴を有していることががわか
る。また、特に気体透過性フィルムに該防曇剤を添加し
たフィルム26は、防曇フィルムとして優れた特徴を有
していることがわかる。
【0138】31)試験フィルムの作製7 27−2)で得られた各組成物を表27に示す組み合わ
せで基材層原料あるいは表面層原料とし、基材層原料を
口径90mmの押出機に、表面層原料を口径40mmの
押出機に供給し、溶融温度240℃でTダイより共押出
しし、40℃の冷却ロ−ルで冷却して、基材層700μ
m、表面層70μmの2種2層からなる多層シ−トを得
た。
【0139】次に該シ−トを、パンタグラフ式二軸延伸
試験機を用いて逐次二軸延伸して、表27に示したよう
な二軸延伸フィルムを得た。実施例16、比較例14で
は、156℃で120秒間予熱した後、10m/min
の延伸速度で縦方向に4.2倍、横方向に8.2倍逐次
延伸した。また、実施例17、比較例15では、160
℃で120秒間予熱した後、10m/minの延伸速度
で縦方向に4.2倍、横方向に8.2倍逐次延伸した。
【0140】作製した二軸延伸フィルムに対して、防曇
剤液1〜2を6000mg/m2となるようにグラビア
コーターにて付着したのち、80℃オーブンで5秒間乾
燥処理を施してフィルム30〜33を作製した。
【0141】
【表27】
【0142】このようにして得られた各フィルムから所
定の試験片を調製し、所定の試験方法に準拠して各気体
の透過度を測定した。その結果を表28に示した。
【0143】
【表28】
【0144】31)防曇性試験7 前述の実施例16〜17および比較例14〜15で作製
したフィルム30〜33について、前述の3−1)およ
び3−2)記載の方法により防曇効果の測定を行い、防
曇剤および防曇フィルムの防曇効果とした。結果につい
て後述の表29に示した。
【0145】
【表29】
【0146】32)抗菌性試験7 前述の実施例16〜17および比較例14〜15で作製
したフィルム30〜33について、前述の4−2)およ
び4−3)記載の方法にて抗菌効果の測定を行い、その
結果を防曇剤の抗菌効果とした。結果について後述の表
30に示した。
【0147】
【表30】
【0148】33)食品保存性試験7 前述の実施例16〜17および比較例14〜15で作製
したフィルム30〜33について、前述の5−1)記載
の方法にて食品保存性試験を行い、その結果を防曇剤の
抗菌効果とした。結果について後述の表31に示した。
【0149】
【表31】
【0150】表29〜31から明らかなように、本発明
の実施例16〜17で作製したフィルム30〜31は、
比較例14〜15で作製したフィルム32〜33と比較
して同等の防曇効果、および同等以上の大腸菌および黄
色ブドウ球菌に対する抗菌効果、レタス保存効果を有
し、防曇剤液として優れた特徴を有していることががわ
かる。また、特に気体透過性フィルムに該防曇剤液を付
着したフィルム30は、防曇フィルムとして優れた特徴
を有していることがわかる。
【0151】
【発明の効果】本発明の防曇剤並びに防曇剤液は、フィ
ルムやシートに発生する曇りや水滴の形成を防止する能
力を有し、且つグラム陰性菌をはじめとする様々な細菌
に対して効果が高く、更にpHの制御が容易である。更
に、本発明の包装材料を用いて生鮮品を包装すれば、水
滴への接触による劣化・腐敗の防止、および包装材料の
表面に形成された水膜中における微生物の増殖を抑制が
可能となり、内容物の鮮度および日持ちを大幅に向上さ
せることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E035 AA11 AA20 BC02 BD10 3E067 AA11 AB08 BA12A BB14A BB26A CA03 CA10 CA11 FA01 FC01 GB01 GD01 3E086 AB01 AD01 AD13 AD16 BA04 BA15 BA24 BB02 BB04 BB05 CA17 DA03 4B069 AA04 AB04 HA09 KA08 KB02 KB07 KC27 KC28 KD07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ε−ポリリジンおよび/またはその塩を含
    有する防曇剤。
  2. 【請求項2】さらに界面活性剤を含有する請求項1記載
    の防曇剤。
  3. 【請求項3】界面活性剤がショ糖脂肪酸エステル、モノ
    グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステ
    ル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、およびソルビタン
    脂肪酸エステルから選ばれた1種以上である請求項2記
    載の防曇剤。
  4. 【請求項4】請求項1〜3の何れか1項記載の防曇剤
    が、水およびアルコールから選ばれた少なくとも1種以
    上の溶媒に溶解若しくは懸濁された防曇剤液。
  5. 【請求項5】請求項1〜3の何れか1項記載の防曇剤ま
    たは請求項4記載の防曇剤液が添加および/または付着
    された包装材料。
  6. 【請求項6】包装材料が、樹脂フィルムまたは樹脂シー
    トである請求項5記載の包装材料。
  7. 【請求項7】包装材料が、10〜45g/m2・24h
    の水蒸気透過度、1000〜9000nmol/m2
    s・100kPaの酸素ガス透過度、および600〜9
    000nmol/m2・s・100kPaのエチレンガ
    ス透過度を有する樹脂フィルムまたは樹脂シートである
    請求項5記載の包装材料。
  8. 【請求項8】請求項5〜7記載の包装材料を用いて包装
    または被覆された生鮮品。
  9. 【請求項9】請求項5〜7記載の包装材料を用いて包装
    または被覆する生鮮品の鮮度保持方法。
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