JPH08318974A - 抗菌性食品包装材およびその製造方法 - Google Patents
抗菌性食品包装材およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH08318974A JPH08318974A JP12668295A JP12668295A JPH08318974A JP H08318974 A JPH08318974 A JP H08318974A JP 12668295 A JP12668295 A JP 12668295A JP 12668295 A JP12668295 A JP 12668295A JP H08318974 A JPH08318974 A JP H08318974A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polylysine
- aqueous solution
- antibacterial
- alcohol
- packaging material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Packages (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】生鮮食品や加工食品等のような特に鮮度を要求
される食料品の品質を保持し、人体に害を及ぼすことが
ない抗菌性食品包装材、および該包装材を品質および効
率良く得るための製造方法を提供すること。 【構成】ε−ポリリジンが吸着されている抗菌食品包装
材。ε−ポリリジン水溶液またはε−ポリリジンをアル
コールもしくはアルコールを含む水溶液に溶解させた溶
液を素材もしくは素材を加工して得た形成品に吸着させ
ることによって製造される。
される食料品の品質を保持し、人体に害を及ぼすことが
ない抗菌性食品包装材、および該包装材を品質および効
率良く得るための製造方法を提供すること。 【構成】ε−ポリリジンが吸着されている抗菌食品包装
材。ε−ポリリジン水溶液またはε−ポリリジンをアル
コールもしくはアルコールを含む水溶液に溶解させた溶
液を素材もしくは素材を加工して得た形成品に吸着させ
ることによって製造される。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、防菌性に効果がある抗
菌性食品包装材およびその製造方法に関するものであ
る。特に詳しくは、衛生管理面で安全性が要求される生
鮮食品、加工食品の防菌性に効果があり、無害で食品の
風味を損なうことのない抗菌性食品包装材および該包装
材を品質および効率よく得るための製造方法に関するも
のである。
菌性食品包装材およびその製造方法に関するものであ
る。特に詳しくは、衛生管理面で安全性が要求される生
鮮食品、加工食品の防菌性に効果があり、無害で食品の
風味を損なうことのない抗菌性食品包装材および該包装
材を品質および効率よく得るための製造方法に関するも
のである。
【０００２】
【従来の技術】生鮮食品や加工食品等の食料品を包装し
たり、容器に入れて保存もしくは運搬したりする際、該
包装材（以下、包装材料、容器、袋等を総称して包装材
という）に付着した微生物の増殖作用や包装前に食料品
に付着していた微生物の増殖作用によって、食料品の品
質が劣化したり腐敗したり黴が発生したりしていた。
たり、容器に入れて保存もしくは運搬したりする際、該
包装材（以下、包装材料、容器、袋等を総称して包装材
という）に付着した微生物の増殖作用や包装前に食料品
に付着していた微生物の増殖作用によって、食料品の品
質が劣化したり腐敗したり黴が発生したりしていた。
【０００３】従来、このような弊害を防止するために、
包装材の表面に無機質の銀イオンや有機質のわさびオイ
ルを吸着させるなどの抗菌処理を行っているが、銀イオ
ンは包装されていた食料品を介して体内に入ってしまう
と、体内において分解しないので体内に蓄積され、細胞
を破壊してしまう危険性を有しており、わさびオイルは
わさび独特の臭いが強く、食品にその臭いや味が付着し
てしまい風味を損なうという欠点を有していた。
包装材の表面に無機質の銀イオンや有機質のわさびオイ
ルを吸着させるなどの抗菌処理を行っているが、銀イオ
ンは包装されていた食料品を介して体内に入ってしまう
と、体内において分解しないので体内に蓄積され、細胞
を破壊してしまう危険性を有しており、わさびオイルは
わさび独特の臭いが強く、食品にその臭いや味が付着し
てしまい風味を損なうという欠点を有していた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、生鮮
食品や加工食品等のような特に鮮度を要求される食料品
の品質を保持し、人体に害を及ぼすことがない抗菌性食
品包装材、および該包装材を品質および効率よく得るた
めの製造方法を提供することにある。
食品や加工食品等のような特に鮮度を要求される食料品
の品質を保持し、人体に害を及ぼすことがない抗菌性食
品包装材、および該包装材を品質および効率よく得るた
めの製造方法を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の（１）
ないし（５）の構成を有している。 （１）ε−ポリリジンが吸着されている抗菌性食品包装
材。 （２）ε−ポリリジン水溶液またはε−ポリリジンをア
ルコールもしくはアルコールを含む水溶液に溶解させた
溶液を素材もしくは素材を加工して得た成形品に吸着さ
せる抗菌性食品包装材の製造方法。
ないし（５）の構成を有している。 （１）ε−ポリリジンが吸着されている抗菌性食品包装
材。 （２）ε−ポリリジン水溶液またはε−ポリリジンをア
ルコールもしくはアルコールを含む水溶液に溶解させた
溶液を素材もしくは素材を加工して得た成形品に吸着さ
せる抗菌性食品包装材の製造方法。
【０００６】（３）ε−ポリリジン水溶液またはε−ポ
リリジンをアルコールもしくはアルコールを含む水溶液
に溶解させた溶液を素材もしくは素材を加工して得た成
形品に噴霧して吸着させる前記第（２）項記載の抗菌性
食品包装材の製造方法。 （４）ε−ポリリジン水溶液またはε−ポリリジンをア
ルコールもしくはアルコールを含む水溶液に溶解させた
溶液を素材に噴霧し、吸着させた後、該素材を成形機に
よって成形する前記第（２）項記載の抗菌性食品包装剤
の製造方法。
リリジンをアルコールもしくはアルコールを含む水溶液
に溶解させた溶液を素材もしくは素材を加工して得た成
形品に噴霧して吸着させる前記第（２）項記載の抗菌性
食品包装材の製造方法。 （４）ε−ポリリジン水溶液またはε−ポリリジンをア
ルコールもしくはアルコールを含む水溶液に溶解させた
溶液を素材に噴霧し、吸着させた後、該素材を成形機に
よって成形する前記第（２）項記載の抗菌性食品包装剤
の製造方法。
【０００７】（５）ミスト発生機によってε−ポリリジ
ン水溶液またはε−ポリリジンをアルコールもしくはア
ルコールを含む水溶液に溶解させた溶液を、直径１５μ
ｍ以下の大きさのミストにして噴霧する前記第（３）項
または前記第（４）項に記載の抗菌性食品包装材の製造
方法。 以下、本発明を詳細に説明する。
ン水溶液またはε−ポリリジンをアルコールもしくはア
ルコールを含む水溶液に溶解させた溶液を、直径１５μ
ｍ以下の大きさのミストにして噴霧する前記第（３）項
または前記第（４）項に記載の抗菌性食品包装材の製造
方法。 以下、本発明を詳細に説明する。
【０００８】本発明の抗菌性食品包装材にかかる素材
は、ラップフィルム等のフィルム、シート、袋、紙、不
織布、テープ、段ボール、トレイ、発泡スチロール箱等
のケースであり、食料品を包んだり乗せたりパックした
りして保存、運搬できるものすべてが挙げられる。本発
明の抗菌性食品包装材は、このような素材に対し安全性
が高く、食品保存料として使用されているε−ポリリジ
ンを吸着させたものである。
は、ラップフィルム等のフィルム、シート、袋、紙、不
織布、テープ、段ボール、トレイ、発泡スチロール箱等
のケースであり、食料品を包んだり乗せたりパックした
りして保存、運搬できるものすべてが挙げられる。本発
明の抗菌性食品包装材は、このような素材に対し安全性
が高く、食品保存料として使用されているε−ポリリジ
ンを吸着させたものである。
【０００９】本発明に用いられるε−ポリリジンは、例
えば特開昭５９−２０３５９号に記載のε−ポリリジン
生産菌であるストレプトマイセス属に属するストレプト
マイセス・アルブラス・サブスピーシーズ・リジノポリ
メラスを培地に培養し、得られた培養物からε−ポリリ
ジンを分離・採取することによって得られる。本発明に
用いるε−ポリリジンは、遊離の形でも塩酸、硫酸、リ
ン酸などの無機酸または酢酸、プロピオン酸、フマル
酸、リンゴ酸、クエン酸などの有機酸の塩の形であって
もよい。ε−ポリリジンは遊離の形であり、上述の無機
酸もしくは有機酸との塩の形であれ、その抗菌効果は本
質的に差がない。
えば特開昭５９−２０３５９号に記載のε−ポリリジン
生産菌であるストレプトマイセス属に属するストレプト
マイセス・アルブラス・サブスピーシーズ・リジノポリ
メラスを培地に培養し、得られた培養物からε−ポリリ
ジンを分離・採取することによって得られる。本発明に
用いるε−ポリリジンは、遊離の形でも塩酸、硫酸、リ
ン酸などの無機酸または酢酸、プロピオン酸、フマル
酸、リンゴ酸、クエン酸などの有機酸の塩の形であって
もよい。ε−ポリリジンは遊離の形であり、上述の無機
酸もしくは有機酸との塩の形であれ、その抗菌効果は本
質的に差がない。
【００１０】本発明において素材にε−ポリリジンを吸
着させる方法としては、含浸処理、塗布処理が効果的で
操作も容易である。本発明において、「吸着」なる用語
は、素材に対し付着、含有させる意味を有する。例えば
ポリエステル−ポリプロピレンよりなる不織布のような
素材を含浸処理する場合、ε−ポリリジン１重量％水溶
液中にもしくはε−ポリリジン１重量％を含む６０重量
％エタノール水溶液中に該素材を約３０秒間浸漬し、風
乾させることにより作製できる。
着させる方法としては、含浸処理、塗布処理が効果的で
操作も容易である。本発明において、「吸着」なる用語
は、素材に対し付着、含有させる意味を有する。例えば
ポリエステル−ポリプロピレンよりなる不織布のような
素材を含浸処理する場合、ε−ポリリジン１重量％水溶
液中にもしくはε−ポリリジン１重量％を含む６０重量
％エタノール水溶液中に該素材を約３０秒間浸漬し、風
乾させることにより作製できる。
【００１１】また、塗布処理する場合には、ε−ポリリ
ジン０．５重量％を含む６０重量％エタノール溶液を素
材１００cm2 当たり０．５ｇ噴霧し、風乾させたり、ε
−ポリリジン１重量％を含む６０重量％エタノール溶液
をスポンジロール、ゴムロール、エアーナイフ、刷毛等
で該素材表面に直接塗り付け、風乾させることにより作
製できる。
ジン０．５重量％を含む６０重量％エタノール溶液を素
材１００cm2 当たり０．５ｇ噴霧し、風乾させたり、ε
−ポリリジン１重量％を含む６０重量％エタノール溶液
をスポンジロール、ゴムロール、エアーナイフ、刷毛等
で該素材表面に直接塗り付け、風乾させることにより作
製できる。
【００１２】中でもε−ポリリジン溶液を該素材に噴霧
し、吸着させるときのε−ポリリジン溶液ミストを直径
１５μｍ程度の大きさになるように調整すると、素材に
合成樹脂を用いても素材表面でε−ポリリジン溶液が弾
かれることがないので、少量で均一な塗布を行うことが
でき、製造コストを低減させることができる。また、通
常、ε−ポリリジン水溶液を用いると乾燥時間を長く必
要とされるが、直径１５μｍ程度以下のミストにして噴
霧すると、短時間の乾燥で製造できる。
し、吸着させるときのε−ポリリジン溶液ミストを直径
１５μｍ程度の大きさになるように調整すると、素材に
合成樹脂を用いても素材表面でε−ポリリジン溶液が弾
かれることがないので、少量で均一な塗布を行うことが
でき、製造コストを低減させることができる。また、通
常、ε−ポリリジン水溶液を用いると乾燥時間を長く必
要とされるが、直径１５μｍ程度以下のミストにして噴
霧すると、短時間の乾燥で製造できる。
【００１３】浸漬処理および塗布処理を行う場合には、
上述のようにε−ポリリジンを単独で水等に溶解させた
水溶液の形でも、また該ε−ポリリジンをエタノールな
どのアルコールやアルコールを含む水溶液に溶解させた
溶液の形でも用いることができる。また、浸漬処理液中
または塗布液中に界面活性剤等を展着剤として添加した
ものを使用することもできる。その他の抗菌効果を有す
るグリセリン脂肪酸エステル等の材料や相乗、相加効果
のある無機塩類や有機酸類、ｐＨ調整剤、アミノ酸類等
を添加、併用することもできる。
上述のようにε−ポリリジンを単独で水等に溶解させた
水溶液の形でも、また該ε−ポリリジンをエタノールな
どのアルコールやアルコールを含む水溶液に溶解させた
溶液の形でも用いることができる。また、浸漬処理液中
または塗布液中に界面活性剤等を展着剤として添加した
ものを使用することもできる。その他の抗菌効果を有す
るグリセリン脂肪酸エステル等の材料や相乗、相加効果
のある無機塩類や有機酸類、ｐＨ調整剤、アミノ酸類等
を添加、併用することもできる。
【００１４】浸漬処理および塗布処理を行うε−ポリリ
ジン水溶液またはε−ポリリジンのアルコール溶液やア
ルコール含有水溶液中のε−ポリリジン濃度は、その浸
漬時間や塗布する量によって異なるが、一般的には素材
に対して０．０１〜２０重量％が好ましい。該素材には
原料として天然物、合成樹脂もしくはこれらの組合わせ
たものが使用されており、これらを加工して得たものを
挙げることができ、吸水性のあるものが好ましいが、
綿、絹、毛等の天然系繊維を用いた不織布、編・織布や
紙および合成樹脂であるポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデンやポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフ
ィン系樹脂、ポリアミド、ポリエステル（ポリエチレン
テレフタレート）等の熱可塑性樹脂を用いてもよい。
ジン水溶液またはε−ポリリジンのアルコール溶液やア
ルコール含有水溶液中のε−ポリリジン濃度は、その浸
漬時間や塗布する量によって異なるが、一般的には素材
に対して０．０１〜２０重量％が好ましい。該素材には
原料として天然物、合成樹脂もしくはこれらの組合わせ
たものが使用されており、これらを加工して得たものを
挙げることができ、吸水性のあるものが好ましいが、
綿、絹、毛等の天然系繊維を用いた不織布、編・織布や
紙および合成樹脂であるポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデンやポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフ
ィン系樹脂、ポリアミド、ポリエステル（ポリエチレン
テレフタレート）等の熱可塑性樹脂を用いてもよい。
【００１５】本発明の抗菌性食品包装材は、素材もしく
は素材を熱成形した成形品にε−ポリリジンを吸着させ
たものでも、素材にε−ポリリジンを吸着させた後、成
形を行って形状を変化させたものであってもどちらでも
よい。
は素材を熱成形した成形品にε−ポリリジンを吸着させ
たものでも、素材にε−ポリリジンを吸着させた後、成
形を行って形状を変化させたものであってもどちらでも
よい。
【００１６】
【実施例】以下、本発明の試験例および実施例を用いそ
の詳細を説明する。なお、本実施例は本発明を何ら限定
するものではない。 実施例１ Ｔダイ成形機を用いて得られた厚み０．４mmのハイイン
パクトスチロールシートを素材に用い、４ｗｔ％ε−ポ
リリジン水溶液を超音波微粒子ミスト発生機により、１
５μｍ以下のミストになるように調整しながら、該ミス
トを該素材の片面に噴霧した後、５０℃の乾燥機中で５
秒間乾燥し、ε−ポリリジン処理シートを作製した。
の詳細を説明する。なお、本実施例は本発明を何ら限定
するものではない。 実施例１ Ｔダイ成形機を用いて得られた厚み０．４mmのハイイン
パクトスチロールシートを素材に用い、４ｗｔ％ε−ポ
リリジン水溶液を超音波微粒子ミスト発生機により、１
５μｍ以下のミストになるように調整しながら、該ミス
トを該素材の片面に噴霧した後、５０℃の乾燥機中で５
秒間乾燥し、ε−ポリリジン処理シートを作製した。
【００１７】次に、該処理シートを真空成形機に用い、
処理面を内側にして縦１１５mm、横１８０mm、高さ３０
mmの容器（抗菌性食品包装材）を成形した。 実施例２ Ｔダイ成形機を用いて得られた厚み０．４mmのハイイン
パクトスチロールシートを真空成形機により縦１１５m
m、横１８０mm、高さ３０mmの容器を成形した。
処理面を内側にして縦１１５mm、横１８０mm、高さ３０
mmの容器（抗菌性食品包装材）を成形した。 実施例２ Ｔダイ成形機を用いて得られた厚み０．４mmのハイイン
パクトスチロールシートを真空成形機により縦１１５m
m、横１８０mm、高さ３０mmの容器を成形した。
【００１８】次に、４ｗｔ％ε−ポリリジン水溶液を超
音波微粒子ミスト発生機により、１５μｍ以下のミスト
になるように調整しながら、該ミストを該容器の内面に
噴霧した後、５０℃の乾燥機中で５秒間乾燥し、ε−ポ
リリジン処理容器（抗菌性食品包装材）を作製した。 実施例３ センカ紙（３２ｇ／ｍ2）を素材に用い、２．２５ｗｔ
％ε−ポリリジン水溶液をスポンジロールで該素材に含
浸させた後、５０℃の乾燥機中で１時間乾燥し、ε−ポ
リリジン処理シート（抗菌性食品包装材）を作製した。 比較例１ Ｔダイ成形機を用いて得られた厚み０．４mmのハイイン
パクトスチロールシートを真空成形機により縦１１５m
m、横１８０mm、高さ３０mmの容器（抗菌処理を行わな
い食品包装材）を成形した。
音波微粒子ミスト発生機により、１５μｍ以下のミスト
になるように調整しながら、該ミストを該容器の内面に
噴霧した後、５０℃の乾燥機中で５秒間乾燥し、ε−ポ
リリジン処理容器（抗菌性食品包装材）を作製した。 実施例３ センカ紙（３２ｇ／ｍ2）を素材に用い、２．２５ｗｔ
％ε−ポリリジン水溶液をスポンジロールで該素材に含
浸させた後、５０℃の乾燥機中で１時間乾燥し、ε−ポ
リリジン処理シート（抗菌性食品包装材）を作製した。 比較例１ Ｔダイ成形機を用いて得られた厚み０．４mmのハイイン
パクトスチロールシートを真空成形機により縦１１５m
m、横１８０mm、高さ３０mmの容器（抗菌処理を行わな
い食品包装材）を成形した。
【００１９】前記実施例１〜実施例３および比較例１で
得られた（抗菌性もしくは抗菌処理を行わなかった）食
品包装材を用いて抗菌効果試験を実施した。 （抗菌効果試験１）各食品包装材を１片５cmの正方形に
切り取り、これを試験片とした。試験菌には、Ｅｓｃｈ
ｅｒｉｃｈｉａ ｃｏｌｉ ＩＦＯ ３３０１（大腸
菌）を用いた。
得られた（抗菌性もしくは抗菌処理を行わなかった）食
品包装材を用いて抗菌効果試験を実施した。 （抗菌効果試験１）各食品包装材を１片５cmの正方形に
切り取り、これを試験片とした。試験菌には、Ｅｓｃｈ
ｅｒｉｃｈｉａ ｃｏｌｉ ＩＦＯ ３３０１（大腸
菌）を用いた。
【００２０】培地には、普通ブイヨン培地（栄研化学社
製）に肉エキスを０．２％添加したものを使用した。菌
液には培地で３５℃、１８時間振とう培養した試験菌の
培養液を同培地で１０倍に希釈した後、減菌リン酸緩衝
液を用いて１０００倍に希釈したものを用いた。
製）に肉エキスを０．２％添加したものを使用した。菌
液には培地で３５℃、１８時間振とう培養した試験菌の
培養液を同培地で１０倍に希釈した後、減菌リン酸緩衝
液を用いて１０００倍に希釈したものを用いた。
【００２１】試験方法は、試験片の試験面に菌液を１ml
滴下し、２５℃で６時間保存した後の試験片の生菌数を
測定した。これらの結果を表１に示した。
滴下し、２５℃で６時間保存した後の試験片の生菌数を
測定した。これらの結果を表１に示した。
【００２２】
【表１】 （抗菌効果試験２）試験菌としてスタフイロコッカス・
アウレウス（Ｓｔａｐｈｙｌｏｃｏｃｃｕｓ ａｕｒｅ
ｕｓ）を用い、さらに２４時間保存後の試験片の生菌数
を測定した以外は、抗菌効果試験１に準じて試験を行っ
た。これらの結果を表２に示した。
アウレウス（Ｓｔａｐｈｙｌｏｃｏｃｃｕｓ ａｕｒｅ
ｕｓ）を用い、さらに２４時間保存後の試験片の生菌数
を測定した以外は、抗菌効果試験１に準じて試験を行っ
た。これらの結果を表２に示した。
【００２３】
【表２】 （抗菌効果試験３）試験菌としてバチルス・サブチリス
（Ｂａｃｉｌｌｕｓ ｓｕｂｔｉｌｉｓ）を用い、さら
に２４時間保存後の試験片の生菌数を測定した以外は、
抗菌効果試験１に準じて試験を行った。これらの結果を
表３に示した。
（Ｂａｃｉｌｌｕｓ ｓｕｂｔｉｌｉｓ）を用い、さら
に２４時間保存後の試験片の生菌数を測定した以外は、
抗菌効果試験１に準じて試験を行った。これらの結果を
表３に示した。
【００２４】
【表３】 実施例４ 透明性の優れたＣＰＰフィルムを素材に用いた以外は、
実施例１に準拠して処理シートを作製した。
実施例１に準拠して処理シートを作製した。
【００２５】該処理シートを２日間放置した後、目視で
観察したところ、フィルムの透明性は何ら阻害されてい
なかった。また、臭いを嗅いでみたところ無臭であっ
た。さらに、処理面を嘗めてみたところ無味であった。
また、該シートを目視で観察したところ、光の乱反射、
透明度の変化、ムラ等が認められず、ε−ポリリジンが
均一に付着されていることがわかった。 比較例２ 透明性の優れたＣＰＰフィルムを素材に用い、４ｗｔ％
ソルビン酸水溶液を微粒子ミスト発生機により、１０μ
ｍ程度のミストになるように調整しながら、該ミストを
該素材の片面に噴霧した後、５０℃の乾燥機中で５秒間
乾燥し、ソルビン酸処理シートを作製した。
観察したところ、フィルムの透明性は何ら阻害されてい
なかった。また、臭いを嗅いでみたところ無臭であっ
た。さらに、処理面を嘗めてみたところ無味であった。
また、該シートを目視で観察したところ、光の乱反射、
透明度の変化、ムラ等が認められず、ε−ポリリジンが
均一に付着されていることがわかった。 比較例２ 透明性の優れたＣＰＰフィルムを素材に用い、４ｗｔ％
ソルビン酸水溶液を微粒子ミスト発生機により、１０μ
ｍ程度のミストになるように調整しながら、該ミストを
該素材の片面に噴霧した後、５０℃の乾燥機中で５秒間
乾燥し、ソルビン酸処理シートを作製した。
【００２６】該処理シートを２日間放置した後、目視で
観察したところ、フィルム表面に白濁が見られた。ま
た、臭いを嗅いでみたところ無臭であった。さらに、処
理面を嘗めてみたところ無味であった。 比較例３ 透明性の優れたＣＰＰフィルムを素材に用い、４ｗｔ％
わさびオイルを微粒子ミスト発生機により、１０μｍ程
度のミストになるように調整しながら、該ミストを該素
材の片面に噴霧した後、５０℃の乾燥機中で５秒間乾燥
し、わさびオイル処理シートを作製した。
観察したところ、フィルム表面に白濁が見られた。ま
た、臭いを嗅いでみたところ無臭であった。さらに、処
理面を嘗めてみたところ無味であった。 比較例３ 透明性の優れたＣＰＰフィルムを素材に用い、４ｗｔ％
わさびオイルを微粒子ミスト発生機により、１０μｍ程
度のミストになるように調整しながら、該ミストを該素
材の片面に噴霧した後、５０℃の乾燥機中で５秒間乾燥
し、わさびオイル処理シートを作製した。
【００２７】該処理シートを２日間放置した後、目視で
観察したところ、フィルム表面に白濁が見られた。ま
た、臭いを嗅いでみたところわさびの強い臭いが感じら
れた。さらに、処理面を嘗めてみたところわさび独特の
刺激が感じられた。
観察したところ、フィルム表面に白濁が見られた。ま
た、臭いを嗅いでみたところわさびの強い臭いが感じら
れた。さらに、処理面を嘗めてみたところわさび独特の
刺激が感じられた。
【００２８】
【発明の効果】本発明の抗菌性食品包装材は、生鮮食品
や加工食品等のような特に鮮度を要求される食料品の品
質を保持し、人体に害を及ぼすことがなく、食料品の風
味を損なうことがない。また、本発明の製造方法を用い
ると少量のε−ポリリジンを均一に付着させることがで
き、乾燥工程も短縮できるので品質のよいものを効率よ
く得ることができる。
や加工食品等のような特に鮮度を要求される食料品の品
質を保持し、人体に害を及ぼすことがなく、食料品の風
味を損なうことがない。また、本発明の製造方法を用い
ると少量のε−ポリリジンを均一に付着させることがで
き、乾燥工程も短縮できるので品質のよいものを効率よ
く得ることができる。
Claims (5)
- 【請求項１】 ε−ポリリジンが吸着されていることを
特徴とする抗菌性食品包装材。 - 【請求項２】 ε−ポリリジン水溶液またはε−ポリリ
ジンをアルコールもしくはアルコールを含む水溶液に溶
解させた溶液を素材もしくは素材を加工して得た成形品
に吸着させることを特徴とする抗菌性食品包装材の製造
方法。 - 【請求項３】 ε−ポリリジン水溶液またはε−ポリリ
ジンをアルコールもしくはアルコールを含む水溶液に溶
解させた溶液を素材もしくは素材を加工して得た成形品
に噴霧して吸着させることを特徴とする請求項２記載の
抗菌性食品包装材の製造方法。 - 【請求項４】 ε−ポリリジン水溶液またはε−ポリリ
ジンをアルコールもしくはアルコールを含む水溶液に溶
解させた溶液を素材に噴霧し、吸着させた後、該素材を
成形機によって成形することを特徴とする抗菌性食品容
器の製造方法。 - 【請求項５】 ミスト発生機によってε−ポリリジン水
溶液またはε−ポリリジンをアルコールもしくはアルコ
ールを含む水溶液に溶解させた溶液を、直径１５μｍ以
下の大きさのミストにして噴霧することを特徴とする請
求項３または請求項４に記載の抗菌性食品包装材の製造
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12668295A JPH08318974A (ja) | 1995-05-25 | 1995-05-25 | 抗菌性食品包装材およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12668295A JPH08318974A (ja) | 1995-05-25 | 1995-05-25 | 抗菌性食品包装材およびその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08318974A true JPH08318974A (ja) | 1996-12-03 |
Family
ID=14941255
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12668295A Pending JPH08318974A (ja) | 1995-05-25 | 1995-05-25 | 抗菌性食品包装材およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08318974A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001040273A (ja) * | 1999-07-27 | 2001-02-13 | Chisso Corp | 抗菌性塗料およびそれを用いた抗菌製品 |
| JP2002096878A (ja) * | 2000-09-22 | 2002-04-02 | Chisso Corp | 抗菌性吸水マット |
| JP2002194324A (ja) * | 2000-09-28 | 2002-07-10 | Chisso Corp | 防曇剤、防曇剤液、包装材料、生鮮品の鮮度保持方法、および生鮮品 |
| JP2003339567A (ja) * | 2002-05-27 | 2003-12-02 | Asahi Kasei Corp | ウエットティッシュ |
| JP2008303287A (ja) * | 2007-06-07 | 2008-12-18 | Chisso Corp | 表面改質高分子物品及びその製造方法 |
-
1995
- 1995-05-25 JP JP12668295A patent/JPH08318974A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001040273A (ja) * | 1999-07-27 | 2001-02-13 | Chisso Corp | 抗菌性塗料およびそれを用いた抗菌製品 |
| JP2002096878A (ja) * | 2000-09-22 | 2002-04-02 | Chisso Corp | 抗菌性吸水マット |
| JP2002194324A (ja) * | 2000-09-28 | 2002-07-10 | Chisso Corp | 防曇剤、防曇剤液、包装材料、生鮮品の鮮度保持方法、および生鮮品 |
| JP2003339567A (ja) * | 2002-05-27 | 2003-12-02 | Asahi Kasei Corp | ウエットティッシュ |
| JP2008303287A (ja) * | 2007-06-07 | 2008-12-18 | Chisso Corp | 表面改質高分子物品及びその製造方法 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| Shearer et al. | Potential of an antibacterial ultraviolet‐irradiated nylon film | |
| JP6713116B2 (ja) | 鮮度維持材の組成物、この組成物を有する鮮度維持材、梱包等資材、塗工材、この塗工材の塗工装置及びこの梱包等資材の製造方法。 | |
| US5759844A (en) | Antibacterial articles and methods of producing the articles | |
| US20110300768A1 (en) | Ethylene adsorbent packaging or barrier material and method of making the same | |
| CA2045486A1 (en) | Processes including germ-destroying step, germicidal products and their preparation method, fumigant and fumigation method, as well as germicidal gas compositions, their preparation method and apparatus therefor | |
| WO1995012981A1 (fr) | Agent antimicrobien contenant de l'isothiocyanate d'allyle et pr ocede pour controler la vitesse de liberation de l'isothiocyanate d'allyle | |
| Altaf et al. | Novel packaging technology for food industry | |
| JPH08318974A (ja) | 抗菌性食品包装材およびその製造方法 | |
| CN111867376A (zh) | 包含纳米晶体纤维素和氧化镁的抗微生物涂层材料及其制备方法 | |
| WO1997011009A1 (en) | Extended shelf-life package for fruits and vegetables and the like | |
| JPH08231327A (ja) | 抗菌性物材及びその加工品 | |
| JPH03167261A (ja) | 青果物鮮度保持用合成樹脂フィルム及び鮮度保持方法 | |
| KR101186446B1 (ko) | 신선도 유지 조성물과 신선도 유지 조성물이 코팅된 골판지의 제조방법 및 그 제조방법에 의하여 제조된 신선도 유지 조성물이 코팅된 골판지 | |
| Rodríguez-Hernández | Nanostructured antimicrobial materials in the food industry | |
| US5436268A (en) | Processes including germ-destroying step, germicidal products and their preparation method, fumigant and fumigation method, as well as germicidal gas compositions, their preparation method and apparatus therefor | |
| WO2019088199A1 (ja) | 抗菌性材料及び鮮度保持用材料 | |
| JP2022022479A (ja) | 鮮度保持フィルム及び鮮度保持容器 | |
| JPH0431951B2 (ja) | ||
| AU636342B2 (en) | Generator of isothiocyanic ester vapor, method of sterilizing with isothiocyanic ester vapor, and apparatus therefor | |
| JPS6126332B2 (ja) | ||
| WO2019044321A1 (ja) | 抗菌性材料及び鮮度保持用材料 | |
| JP3920751B2 (ja) | アルコール蒸散用具とそれを用いた包装物品、食品保存用具およびそれを用いた包装物品 | |
| US20160114957A1 (en) | Charged packaging materials | |
| Hosseinnia et al. | Zeolite‐based polymer composite films for vegetables and fruits packaging: A review | |
| JPH032235A (ja) | イソチオシアン酸エステルを含有する高分子成形品 |