JP2002194284A - 無機質ジンクリッチペイント - Google Patents
無機質ジンクリッチペイントInfo
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Abstract
発生を抑制し得る塗膜を形成できる無機質ジンクリッチ
ペイントを提供する。 【解決手段】(A)ケイ素系無機結合剤、(B)平均粒
子径4〜40μmの亜鉛末、及び(C)平均粒子径4μ
m未満の亜鉛末及び体質顔料から選ばれる少なくとも1
種を主成分とし、該(B)成分を乾燥塗膜基準で60〜
90重量%となるよう含有し、且つ該(C)成分を
(B)成分の重量に対して10〜30重量%となるよう
含有してなる。
Description
を行なうことなく、バブルの発生を抑制し得る塗膜を形
成できる無機質ジンクリッチペイントに関する。
プラントなどの鉄鋼構造物の重防食塗装には、無機質ジ
ンクリッチペイントが汎用されている。該無機質ジンク
リッチペイントによる塗膜には、通常、空隙(ボイド)
が多数存在するため、この上に下塗り塗膜や上塗り塗膜
を形成すると、空隙中の空気による塗膜の発泡やピンホ
ールなどの欠陥が発生する。従来、これを防止するた
め、該下塗り塗膜を形成する前に、該下塗塗料を多量の
溶剤で希釈した低粘度液を塗装し、無機質ジンクリッチ
ペイント塗膜の空隙中の空気を追い出す、いわゆる「ミ
ストコート工程」を行なっていた。しかしながら該ミス
トコートによっても上記欠陥が完全になくなったわけで
はなく、また工数削減の面からもミストコートなしでバ
ブルの発生を抑制することが求められていた。
は、シリケート系展色剤及び亜鉛末に、フレーク顔料を
配合してなる無機質亜鉛塗料組成物が開示されている。
これによれば塗膜表層にフレーク顔料が偏在し、空隙中
への溶剤の侵入を防ぎ空隙中の空気との置換が生じない
ために塗膜の発泡やピンホールなどの発生を防ぐという
ものである。
おいて塗膜表層にフレーク顔料が偏在し難く、この塗膜
の上層に形成した塗膜にバブルが発生する、さらにはス
プレー塗装においてエアレスチップ、フィルター、スト
レーナー等の塗装機内でフレーク顔料がつまり塗装が中
断してしまうという不具合があった。
力ボルトによる接合が広く用いられており、その接合の
大部分は摩擦接合であるため、大きな摩擦耐力が望ま
れ、摩擦継手の表面処理として使用されるジンクリッチ
ペイントにも一定水準以上のすべり係数を保持すること
が求められていた。
なく、バブルの発生を抑制し、しかも一定水準以上のす
べり係数も確保し得る塗膜を形成できる無機質ジンクリ
ッチペイントを提供することを目的とするものである。
を達成するため鋭意研究の結果、特定粒径の亜鉛末に特
定の微粉末を併用することによって無機質ジンクリッチ
ペイント塗膜内を緻密にし上記目的を達成できることを
見出し本発明を完成するに至った。
結合剤、(B)平均粒子径4〜40μmの亜鉛末、及び
(C)平均粒子径4μm未満の亜鉛末及び体質顔料から
選ばれる少なくとも1種を主成分とし、該(B)成分を
乾燥塗膜中に60〜90重量%となるよう含有し、且つ
該(C)成分を(B)成分の重量に対して10〜30重
量%となるよう含有してなることを特徴とする無機質ジ
ンクリッチペイントに関する。
剤(A)は、テトラアルコキシシリケ−ト、アルキルト
リアルコキシシリケ−ト、ジアルキルジアルコキシシリ
ケート、これらの部分縮合体及び/又はそれらを水及び
酸触媒の存在下で縮合反応させた加水分解初期縮合物が
使用でき、テトラアルコキシシリケ−トとしては、例え
ばテトラメトキシシリケ−ト、テトラエトキシシリケ−
ト、テトラプロポキシシリケ−ト、テトライソプロポキ
シシリケ−ト、テトラブトキシシリケ−ト、テトライソ
ブトキシシリケ−ト、エチルシリケ−ト40(日本コル
コ−ト社製)等が挙げられ、アルキルトリアルコキシシ
リケ−トとしては、例えばメチルトリメトキシシリケ−
ト、メチルトリエトキシシリケ−ト、メチルトリプロポ
キシシリケ−ト、エチルトリメトキシシリケ−ト、エチ
ルトリエトキシシリケ−ト等が挙げられ、ジアルキルジ
アルコキシシリケートとしては、例えばジメチルジメト
キシシリケ−ト、ジメチルジエトキシシリケ−ト、ジエ
チルジメトキシシリケ−ト、ジエチルジエトキシシリケ
−ト等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上混
合して使用できる。また上記シリケ−ト類に水分散型コ
ロイダルシリカ、溶剤分散型コロイダルシリカを併用し
てもよい。
結合剤に必要に応じてケイ素以外の金属アルコキシド、
金属コロイド、ポリビニルアルコ−ル樹脂などを混合し
て用いてもよい。
均粒子径4〜40μm、好ましくは8〜20μmの範囲
内であれば特に制限なく使用できるが、特にほぼ球形状
の粒子が好適である。該亜鉛末(B)の平均粒子径が4
μm未満では接合部塗装時に摩擦耐力が十分得られず、
40μmを超えると防食性が低下するので好ましくな
い。該亜鉛末(B)は、得られる乾燥塗膜中に、60〜
90重量%、好ましくは80〜90重量%の範囲内で含
有されることが好適である。該亜鉛末(B)の含有量が
60重量%未満では、得られる塗膜の防錆性が劣り、9
0重量%を超えると塗膜が脆くなるので好ましくない。
径4μm未満、好ましくは0.5〜3μmの亜鉛末及び
体質顔料から選ばれる少なくとも1種が配合される。該
(C)成分の粒子径が4μm以上であると塗膜中の空隙
が多くなり該塗膜の上層に形成した塗膜にバブルが発生
するので好ましくない。該(C)成分として使用される
体質顔料としては、平均粒子径4μm未満であれば特に
制限なく使用できるが、例えばシリカ粉、硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、クレーから選
ばれるものであることが望ましい。これらは1種又は2
種以上併用することができる。
量部に対して10〜30重量部、好ましくは15〜25
重量部となるよう含有される。該(C)成分の含有量が
10重量部未満では、塗膜中の空隙が多くなり該塗膜の
上層に形成した塗膜にバブルが発生し、一方30重量部
を超えると高力ボルト接合時の摩擦耐力が低下するので
好ましくない。
外の顔料成分として、平均粒子径4μm以上の体質顔料
や、通常の防錆顔料及び着色顔料を塗膜の緻密性を損な
わない程度に併用でき、防錆顔料及び着色顔料として
は、例えば酸化チタン、リン化鉄、MIO、シアナミド
鉛、ジンククロメ−ト、リン酸亜鉛、リン酸カルシウ
ム、メタホウ酸バリウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデ
ン酸アルミニウム、ベンガラ、シアニン系着色顔料、カ
−ボンブラック、ルチル粉末、ジルコン粉末などが挙げ
られる。これら防錆顔料や着色顔料についても、通常、
平均粒子径が4μm未満であることが、緻密な塗膜を形
成する点から望ましい。
さらに必要に応じて有機溶剤、沈降防止剤、タレ止め
剤、湿潤剤、反応促進剤、付着性付与剤などの通常の塗
料用添加剤を適宜配合してもよい。
法に従って調整でき、例えば結合剤成分を含む液状成分
と亜鉛末を含む粉末成分とを別容器に保存し、使用直前
に両者を混合することができる。
板面に、乾燥膜厚で50μm以上となるよう塗装される
ものである。その塗装は、例えばエアスプレー、エアレ
ススプレー、刷毛など従来公知の手段で行なうことがで
きる。
隙率が、30%以下、好ましくは25%以下であること
が望ましい。該空隙率が30%を超えると、塗膜の緻密
性が低くなりバブルの発生を抑制することが困難となる
ので望ましくない。ここで、空隙率とは塗膜体積に対す
る空隙部分の体積の比率であり、以下の測定方法によっ
て得られる値である。鋼板上に無機ジンクリッチペイン
トを固形分88重量%となるように調整しスプレーにて
乾燥膜厚で75μmとなるよう塗装し、室温(20℃)
にて7日間乾燥させ、得られた塗装鋼板の重量(W0)
を測定し、これをキシロールに1分間浸し引き上げ後、
速やかに表面のキシロールを拭き取り、塗装鋼板の重量
(W)を測定し、下記式によって算出する。尚、塗膜体
積は塗装面積と乾燥膜厚の積である。
の比重}/塗膜体積×100
明する。「部」及び「%」は、それぞれ「重量部」及び
「重量%」を意味する。
社製)100部、エタノール30部及び水5部を入れ、
40℃に2時間保ちながら攪拌を継続し、イソプロパノ
ールで希釈して結合剤(A−1)(固形分40%)を得
た。
2000L」(ビニルブチラール樹脂、積水化学工業社
製)をブタノールで希釈して固形分40%としたもの2
0部を加えて混合し、結合剤(A−2)(固形分40
%)を得た。
て混合・攪拌し各無機ジンクリッチペイントを得た。表
中の(注1)〜(注12)は下記の通りである。得られ
た各無機ジンクリッチペイントについて下記性能試験に
供した。結果を表1及び表2に併せて示す。
末、平均粒子径15.5μm (注2)「MCS」:三井金属化学工業社製、亜鉛末、
平均粒子径8.1μm (注3)「LS−5」:三井金属化学工業社製、亜鉛
末、平均粒子径5.5μm (注4)「LS−2」:三井金属化学工業社製、亜鉛
末、平均粒子径3.5μm (注5)「#F」:堺化学工業社製、亜鉛末、平均粒子
径3.8μm (注6)「シリカ粉SQ−PL2」:キンセイマテック
社製、シリカ粉、平均粒子径0.8μm (注7)「バリタW−2」:竹原化学社製、硫酸バリウ
ム、平均粒子径2.5μm (注8)「ミクロホワイト5000S」:林化成社製、
タルク、平均粒子径2.8μm (注9)「シリカフラワー325」:竹原化学社製、シ
リカ、平均粒子径14.8μm (注10)「バリタC−300」:竹原化学社製、硫酸
バリウム、平均粒子径12.0μm (注11)「タンカルパウダーPKS」:林化成社製、
平均粒子径9.0μm (注12)「ベントン27」:ウィルバーエルス社製、
タレ止め剤 試験方法 (*1)空隙率:サンドペーパーで磨いた0.1×70
×150mmの大きさの軟鋼板上に、各無機ジンクリッ
チペイントをイソプロパノールで5%希釈したものをス
プレーにて乾燥膜厚で75μmとなるよう塗装し、室温
(20℃)にて7日間乾燥させ、得られた塗装鋼板の重
量(W0)を測定し、これをキシロールに1分間浸し引
き上げ後、速やかに表面のキシロールを拭き取り、塗装
鋼板の重量(W)を測定し、下記式によって算出した。
の比重}/塗膜体積×100 (*2)バブル抑止性:3.2×500×500mmの
大きさのサンドブラスト鋼板上に、各無機ジンクリッチ
ペイントをイソプロパノールで5%希釈したものをスプ
レーにて乾燥膜厚で75μmとなるよう塗装し、室温に
て7日間乾燥させた後、得られた塗膜上に、粘度10ポ
イズで不揮発分60%に希釈したエポキシ樹脂塗料をス
プレーにて乾燥膜厚で60μmとなるよう塗装し、室温
にて1日乾燥させて試験板を得た。このエポキシ塗膜上
に発生する泡(バブル)とピンホールの数(50cm2
当たりの)を目視にて調べ下記基準で評価した(○:0
個、△:1〜3個、×:4個以上)。
98(日本道路公団規格)の「高摩擦有機ジンクリッチ
ペイントのすべり耐力試験」方法に準じて、各無機ジン
クリッチペイントをイソプロパノールで5%希釈したも
のを被試験体に乾燥膜厚で75μmとなるよう塗装・乾
燥させて、試験に供しボルト締め付け後の荷重に対する
すべり点を確認し、ボルト軸力及びすべり荷重から所定
の算出式に従ってすべり係数を算出した。すべり係数
0.4以上を合格とする。
れば、ミストコート工程を行なうことなく、バブルの発
生を抑制し、しかも一定水準以上のすべり係数も確保し
得る塗膜を形成することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】(A)ケイ素系無機結合剤、(B)平均粒
子径4〜40μmの亜鉛末、及び(C)平均粒子径4μ
m未満の亜鉛末及び体質顔料から選ばれる少なくとも1
種を主成分とし、該(B)成分を乾燥塗膜中に60〜9
0重量%となるよう含有し、且つ該(C)成分を(B)
成分100重量部に対して10〜30重量部となるよう
含有してなることを特徴とする無機質ジンクリッチペイ
ント。 - 【請求項2】(C)成分である体質顔料が、シリカ粉、
硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、ク
レーから選ばれる請求項1記載の無機質ジンクリッチペ
イント。 - 【請求項3】得られる塗膜の空隙率が30%以下である
請求項1記載の無機質ジンクリッチペイント。
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JP2000394272A JP4444490B2 (ja) | 2000-12-26 | 2000-12-26 | 無機質ジンクリッチペイント |
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