JP2002193812A - エネルギー用糖源とその用途 - Google Patents

エネルギー用糖源とその用途

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JP2002193812A JP2001391332A JP2001391332A JP2002193812A JP 2002193812 A JP2002193812 A JP 2002193812A JP 2001391332 A JP2001391332 A JP 2001391332A JP 2001391332 A JP2001391332 A JP 2001391332A JP 2002193812 A JP2002193812 A JP 2002193812A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 還元性を示さず、保存安定性良好で、より広
範な用途に向けることのできるエネルギー用糖源と、そ
のエネルギー用糖源を有効成分として含有せしめたエネ
ルギー補給用組成物を提供する。 【解決手段】 還元性を示す澱粉部分分解物に非還元性
糖質生成酵素を作用させる方法により製造されたトレハ
ロースからなるエネルギー用糖源、及びそのトレハロー
スを有効成分として含有せしめたエネルギー補給用組成
物を提供することによって解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エネルギー用糖源とそ
の用途に関し、更に詳細には、還元性を示す澱粉部分分
解物に非還元性糖質生成酵素を作用させる方法により製
造されたトレハロースからなるエネルギー用糖源、及
び、そのトレハロースを有効成分として含有せしめたエ
ネルギー補給用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】エネルギー用糖源としては、古くから、
グルコース、フラクトースなど還元性を示す糖質が利用
されてきた。しかしながら、これら還元性を示す糖質
は、その還元性のため保存安定性が悪く、通常、アミノ
酸、ビタミンなど他の栄養物質などの共存下において一
層不安定なものとなる。
【0003】そこで、還元性を示さない安定な糖質、例
えば、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ラ
クチトール、シュクロース、トレハロースなどから選ば
れるエネルギー用糖源の実現が望まれている。しかしな
がら、キシリトール、ソルビトールなど単糖類アルコー
ルは、その使用量、使用方法を誤ると激しい下痢を起こ
す欠点がある。また、マルチトール、ラクチトールなど
二糖類アルコールは、特公昭47−13699号公報、
特公昭47−42506号公報などに記載されているよ
うに、生体で代謝利用され難く、ダイエット甘味料とし
て利用されているのが実情であり、エネルギー用糖源と
しては不適当である。また、シュクロースは、酸性下で
容易に分解され、還元性を示すグルコース、フラクトー
スに変換され、保存安定性の悪い欠点がある。一方、ト
レハロースについては、特開昭63−240758号公
報に、「人体に消化、吸収され難く、低カロリーであ
る。」、「アミラーゼなどによる酵素作用も受け難
い。」と記載されていることからも明らかなように、ト
レハロースも、生体でエネルギー源にならない糖質とし
て理解されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】工業的規模での生産が
容易であって、かつ、還元性を示さず安定性良好で、よ
り広範な用途に向けることのできるエネルギー用糖源の
実現と、そのエネルギー用糖源を有効成分として含有せ
しめたエネルギー補給用組成物の提供が強く望まれてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、大量生産
の容易なエネルギー用糖源について研究を続けてきた。
とりわけ、還元性を示さない安定な二糖類、トレハロー
スとその関連物質について鋭意研究した。その結果、先
に、本発明者等が、特願平4−362131号明細書、
及び、特願平5−349216号明細書などに記載した
新規生化学的手段により製造されたトレハロース(O−
α−D−グルコピラノシル α−D−グルコピラノシ
ド、別名 α,α−トレハロース)が、生体内でエネル
ギー源として容易に代謝利用されることを見い出した。
しかも、この生化学的手段は、還元性を示す澱粉部分分
解物(以下、本明細書では還元性澱粉部分分解物と呼
ぶ。)に非還元性糖質生成酵素を作用させる方法であっ
て、その工業的規模での実施が容易であることを見い出
した。さらに、このような新規生化学的手段により製造
されたトレハロースは、還元性を示さない安定な糖質で
あることから、より広範な用途に向けることのできる全
く新しいエネルギー用糖源であることを見い出し、加え
て、このトレハロースを有効成分として含有せしめたエ
ネルギー補給用組成物を確立して、本発明を完成した。
また、本発明のエネルギー補給用組成物は、トレハロー
スが還元性を示さず、安定性が高いことから、他の栄養
物質、薬効物質などを併用して、より総合的な栄養組成
物にすることも、また、より治療効果を高めた医薬組成
物にすることも有利に実施できる。
【0006】還元性澱粉部分分解物に非還元性糖質生成
酵素を作用させる方法により製造されたトレハロースか
らなるエネルギー用糖源と、そのトレハロースを有効成
分として含有せしめたエネルギー補給用組成物は、本発
明をもって嚆矢とする。
【0007】本発明のエネルギー用糖源としては、トレ
ハロース含量ができるだけ高いものが適しており、一般
的には、固形物当たり50w/w%以上(以下、本明細
書に於いては特にことわらない限り、「w/w%」を
「%」で示す。)のシラップ又は粉末、望ましくは、8
0%以上のシラップ又は結晶粉末、更に好ましくは、9
0%以上の結晶性粉末又は結晶が好適である。その製造
方法としては、還元性澱粉部分分解物に非還元性糖質生
成酵素を作用させる方法により製造する方法であればよ
く、例えば、本発明者等が、特願平4−362131号
明細書、及び、特願平5−349216号明細書などに
記載したグルコース重合度3以上の還元性澱粉部分分解
物に非還元性糖質生成酵素を作用させることにより製造
する方法が、トレハロースを工業的規模で容易に大量生
産できるので、きわめて有利であり、好都合である。こ
のような酵素反応方法により還元性澱粉部分分解物から
製造された糖液には、通常、固形物当たり約20乃至8
0%のトレハロースを含有しており、他にグルコース、
マルトース、マルトトリオースなどの還元性糖質を含有
している。
【0008】反応液は、常法により、濾過、遠心分離な
どして不溶物を除去した後、活性炭で脱色、H型、OH
型イオン交換樹脂で脱塩して精製し、濃縮し、シラップ
状製品とする。更に、乾燥して粉末状製品にすることも
随意である。必要ならば、更に、精製、例えば、イオン
交換カラムクロマトグラフィー、活性炭カラムクロマト
グラフィー、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなど
のカラムクロマトグラフィーによる分画、アルコール及
びアセトンなどの有機溶媒による分別、適度な分離性能
を有する膜による分離、更には、酵母での発酵処理、ア
ルカリ処理などによる残存している還元性糖質を分解除
去する方法などの1種又は2種以上を組み合わせて精製
することにより、最高純度のトレハロース製品を得るこ
とも容易である。
【0009】とりわけ、高純度品の工業的大量生産方法
としては、イオン交換カラムクロマトグラフィーの採用
が好適であり、例えば、特開昭58−23799号公
報、特開昭58−72598号公報などに開示されてい
る塩型強酸性カチオン交換樹脂を用いるカラムクロマト
グラフィーにより夾雑糖類を除去し、トレハロースの含
量を有利に向上させることができる。この際、固定床方
式、移動床方式、擬似移動床方式のいずれの方式を採用
することも随意である。
【0010】本発明のエネルギー補給用組成物は、還元
性澱粉部分分解物に非還元性糖質生成酵素を作用させる
方法により製造されたトレハロースを有効成分として含
有し、生体へエネルギー補給できるものであればよく、
一般的には、その効果をより高めるために、トレハロー
スを固形物当たり10%以上、望ましくは20%以上含
有せしめるのが好適である。
【0011】本発明のエネルギー補給用組成物は、トレ
ハロース単体であってもよいが、通常、トレハロースと
ともに、目的に応じて他の可食性又は生体に投与可能な
物質、例えば、蛋白質、アミノ酸、脂質、他の糖質、ビ
タミン、ミネラルなどの薬効物質、又は抗菌物質、酵
素、ホルモン、サイトカインなどの薬効物質などから選
ばれる1種又は2種以上を含有せしめて製造される。こ
の際、必要ならば他の適宜の物質、例えば、呈味料、着
色料、着香料、安定剤、増量剤、賦形剤などの1種又は
2種以上を使用することも随意であり、また、得られる
組成物を目的に応じて適宜の形状に選択することも随意
である。
【0012】このようにして得られるエネルギー補給用
組成物は、経口的また非経口的に使用され、毒性、副作
用の懸念もなく、よく代謝利用され、生体へのエネルギ
ー補給に有利に利用することができる。
【0013】本発明のエネルギー用糖源の使用量は、固
形物当たり、トレハロースとして、大人1日当たり約1
乃至1,000グラム、好ましくは、約5乃至500グ
ラムの範囲から適宜選択される。
【0014】本発明のエネルギー用糖源と、これを有効
成分として含有せしめた組成物は、ヒトは勿論のこと、
必要に応じてウシ、ウマなどの家畜、イヌ、ネコなどの
ペットなどにも有効に利用することができる。
【0015】以下、本発明を実験で詳細に説明する。
【0016】
【実験1】<トレハロースの製造例>
【実験1−1】<非還元性糖質生成酵素の製造例>リゾ
ビウム・スピーシーズ(Rhizobium sp.)
M−11(FERM BP−4130)を、特願平4−
362131号明細書に示す方法に従って、炭素源、窒
素源、ミネラルなどを含む栄養培地で、27℃、36時
間、通気攪拌培養した。培養後、SF膜を用いて除菌濾
過し、約18lの培養濾液を回収し、さらに、その濾液
をUF膜で濃縮し、非還元性糖質生成酵素濃縮液約1l
(17.7単位/ml)を回収した。
【0017】
【実験1−2】<トレハロース含水結晶の製造例>還元
性澱粉部分分解物(松谷化学工業株式会社製造、商品名
「パインデックス#4」)40重量部を水60重量部に
加熱溶解し、この溶液を45℃、pH6.5に調整した
後、実験1−1の方法で製造した非還元性糖質生成酵素
を還元性澱粉部分分解物グラム当たり1単位の割合にな
るように加えて96時間反応させ、次いで100℃に1
0分間加熱して、酵素を失活させた。本反応液を濃度約
20%まで希釈し、グルコアミラーゼ(ナガセ生化学工
業株式会社製造、商品名グルコチーム)を還元性澱粉部
分分解物グラム当たり10単位加えて40時間反応さ
せ、次いで加熱して、酵素を失活させた。本溶液を、常
法に従って、活性炭にて脱色し、イオン交換樹脂にて脱
塩し、濃度約60%に濃縮した。本糖液中には固形物当
たり29.5%のトレハロースを含有していた。この濃
縮液を塩型強酸性カチオン交換樹脂(オルガノ株式会社
販売、商品名CG6000、Na型)が充填されたジャ
ケット付きステンレス製カラムに、60℃、SV 0.
4でチャージし、トレハロース高含有画分を採取した。
本高含有液は、固形物当たり約90%のトレハロースを
含有していた。本溶液を濃度約75%に濃縮した後、助
晶缶にとり、種晶としてトレハロース含水結晶約2%を
加えて50℃とし、ゆっくり攪拌しつつ徐冷して、25
℃まで下げ、バスケット型遠心分離機で分蜜し、結晶を
少量の水でスプレーし、洗浄して、純度99%以上の高
純度トレハロース含水結晶を得た。
【0018】
【実験1−3】<結晶性トレハロース粉末の製造例>実
験1−2の方法で、晶出率約45%のマスキットを調製
し、これを乾燥塔上のノズルより150kg/cm
高圧にて噴霧した。これと同時に85℃の熱風を乾燥塔
の上部より送風し、底部に設けた移送金網コンベア上に
結晶性粉末を捕集し、コンベアの下より45℃の温風を
送りつつ、該粉末を乾燥塔外に徐々に移動させて、取り
出した。この結晶性粉末を熟成塔に充填して温風を送り
つつ、10時間熟成させ、結晶化と乾燥を完了し、結晶
性トレハロース粉末を得た。
【0019】
【実験1−4】<無水結晶トレハロース粉末の製造例>
実験1−2の製造過程で得たトレハース含有シラップを
濃度約60%とし、これを実験1−2の方法に準じて塩
型強酸性カチオン交換樹脂を用いるカラムクロマトグラ
フィーを行い、トレハロース約95%を含有する高含有
画分を採取した。本溶液を、特願平5−349216号
明細書に示す方法に従って蒸発釜にとり、減圧下で煮詰
め水分約4.0%のシラップとし、助晶機に移し、これ
に種晶として無水結晶トレハロースをシラップ固形物当
たり1%加え、95℃で5分間攪拌助晶し、次いで、ア
ルミ製バットに取り出し、100℃で6時間晶出熟成さ
せてブロックを調製した。次いで、本ブロックを切削機
にて粉砕し、流動乾燥して、水分約0.3%の無水結晶
トレハロース粉末を得た。
【0020】
【実験2】<生体外での消化性試験>実験1−2の方法
で製造した高純度トレハロース含水結晶を用いて、岡田
等が『日本栄養・食糧学会誌』、第43巻、第1号、2
3乃至29頁(1990年)で報告している方法に準じ
て、トレハロースを水溶液とし、これの生体外(インビ
トロ)での消化試験を行った。そのトレハロースの消化
の程度は、次式により分解率(%)として求めた。
【0021】
【式1】
【0022】結果は、表1にまとめた。
【0023】
【表1】
【0024】表1の結果から明らかなように、トレハロ
ースはラット小腸粘膜酵素によりほとんど加水分解され
なかった。次に、ラット小腸粘膜酵素を用いて、同様
に、各種二糖類の消化性試験を行なった。
【0025】結果を表2にまとめた。
【0026】
【表2】
【0027】表2の結果から明らかなように、トレハロ
ースはラット小腸粘膜酵素によりマルトースに比べきわ
めて加水分解され難いことを認めた。
【0028】
【実験3】<経口投与による生体内での利用試験>実験
1−2の方法で製造したトレハロース含水結晶を用い
て、厚治等が『臨床栄養』、第41巻、第2号、200
乃至208頁(1972年)で報告している方法に準じ
て、トレハロース30グラムを20w/v%水溶液と
し、これをボランティア6名(健康な26乃至31才の
男性)に経口投与し、経時的に採血して、常法に従い、
血糖値(グルコース濃度mg/dl)及びインスリン値
(μU/ml)を測定した。対照としてはグルコースを
用いた。それぞれの結果は6名の平均値で求め、その血
糖値の経時変化を図1に、そのインスリン値の経時変化
を図2に示した。図中、実線はトレハロースの場合を、
破線はグルコースの場合を示す。
【0029】図1、図2の結果から明らかなように、ト
レハロースはやや遅れる傾向があるもののグルコースと
同様の挙動を示し、血糖値、インスリン値ともに、投与
後、約30乃至45分間で最大値を示した。従って、経
口投与によるトレハロースは、実験2の生体外での消化
性試験結果とは違って、生体内で容易に消化吸収、代謝
利用されて、エネルギー源になることが判明した。
【0030】
【実験4】<非経口投与による生体内での利用試験>
【実験4−1】<急速投与>実験1−2の方法で製造し
たトレハロース含水結晶を、純水に溶解して更に精製し
精密濾過、濃縮し、再結晶させて、パイロジェンフリー
のトレハロース含水結晶を得た。本結晶を注射用蒸留水
で等張の10w/v%に溶解し、トレハロース輸液剤を
製造した。本輸液剤を、ウサギ6羽(体重約2乃至3k
g)を用いて、それらの耳静脈よりトレハロースとして
体重kg当たり1グラムに相当する量を1.5分間で急
速投与し、経時的にサンプリングして、血糖値(グルコ
ース濃度mg/dl)及びインスリン値(μU/ml)
を測定した。対照としては、等張の5w/v%グルコー
ス液を用いて、グルコースとして体重kg当たり0.5
グラムを同様に静注した。それぞれの結果は6羽の平均
値で求め、その血糖値の経時変化を図3に、そのインス
リン値の経時変化を図4に示した。図中、実線はトレハ
ロースの場合を、破線はグルコースの場合を示す。
【0031】図3及び図4の結果から明らかなように、
血糖値、インスリン値ともに、トレハロースはやや遅れ
る傾向があるもののグルコースと同様の挙動、すなわ
ち、約5乃至30分間で最大値を示した。従って、非経
口急速投与によるトレハロースは、生体内で容易にグル
コースに加水分解され、代謝利用されて、エネルギー源
になると判断される。なお、尿中への糖の排泄量を、投
与開始から6時間調べたところ、トレハロースの排泄量
はグルコースと同様にきわめて少なく、投与量の数%未
満であることが判明した。
【0032】
【実験4−2】<緩速投与>実験4−1の方法で調製し
たトレハロース輸液剤を、ウサギ6羽(体重約2乃至3
kg)の耳静脈より1.5時間かけて緩速投与した以外
は、実験4−1の方法と同様に投与し、経時的にサンプ
リングして、血糖値(グルコース濃度mg/dl)及び
インスリン値(μU/ml)を測定した。それぞれの結
果は6羽の平均値で求め、その血糖値の変化を図5に、
そのインスリン値の変化を図6に示した。
【0033】図5及び図6の結果から明らかなように、
血糖値については、トレハロースはやや遅れるもののグ
ルコースと同様の挙動を示し、インスリン値について
は、トレハロースはグルコースと同様の挙動を示した。
従って、非経口緩速投与によるトレハロースは、生体内
で容易にグルコースに加水分解され、代謝利用されて、
エネルギー源になると判断される。なお、尿中への糖の
排泄量を、投与開始から6時間調べたところ、トレハロ
ースの排泄量はグルコースと同様にきわめて少なく、投
与量の数%未満であることが判明した。
【0034】
【実験5】<急性毒性試験>マウスを使用して、実験1
−2の方法で製造したトレハロース含水結晶を経口投与
して急性毒性テストを行なった。その結果、トレハロー
スは低毒性の物質で、投与可能な最大投与量においても
死亡例は認められなかった。従って、正確な値とはいえ
ないが、そのLD50値は、50g/kg以上であっ
た。
【0035】以下、本発明の有効成分としてトレハロー
スを含有せしめたエネルギー補給用組成物の例を実施例
で述べる。
【0036】
【実施例1】<チョコレート>カカオペースト40重量
部、カカオバター10重量部、実験1−2の方法で製造
したトレハロース含水結晶50重量部を混合してレファ
イナーに通して粒度を下げた後、コンチェに入れて50
℃で2昼夜練り上げる。この間に、レシチン0.5重量
部を加え充分に混和分散させた。次いで、温度調節機で
31℃に調節し、バターの固まる直前に型に流し込み、
振動機でアワ抜きを行ない、10℃の冷却トンネルを2
0分間くぐらせて固化させた。これを型抜きして包装し
製品を得た。
【0037】本品は、吸湿性がなく、色、光沢共によ
く、内部組織も良好で、口中でなめらかに溶け、上品な
甘味とまろやかな風味を有し、エネルギー補給用組成物
として有利に利用できる。
【0038】
【実施例2】<チューインガム>ガムベース3重量部を
柔らかくなる程度に加熱溶融し、これに蔗糖4重量部及
び実験1−3の方法で製造した結晶性トレハロース粉末
3重量部とを加え、更に適量の香料と着色料とを混合
し、常法に従って、ロールにより練り合わせ、成形、包
装して製品を得た。
【0039】本品は、テクスチャー、風味とも良好なチ
ューインガムであり、エネルギー補給用組成物として有
利に利用できる。
【0040】
【実施例3】<ハードキャンディー>濃度55%蔗糖溶
液100重量部に実験1−4の製造過程で得られたトレ
ハロース高含有液30重量部を加熱混合し、次いで減圧
下で水分2%未満になるまで加熱濃縮し、これにクエン
酸1重量部及び適量のレモン香料と着色料とを混和し、
常法に従って成型し、製品を得た。
【0041】本品は、歯切れ、呈味良好で、蔗糖の晶出
も起こらない高品質のハードキャンディーであるととも
にエネルギー補給用組成物として有利に利用できる。
【0042】
【実施例4】<カスタードクリーム>コーンスターチ1
00重量部、実験1−3の方法で製造した結晶性トレハ
ロース粉末を70%含有するトレハロース含有シラップ
100重量部、マルトース80重量部、蔗糖20重量部
及び食塩1重量部を充分に混合し、鶏卵280重量部を
加えて攪拌し、これに沸騰した牛乳1,000重量部を
徐々に加え、更に、これを火にかけて攪拌を続け、コー
ンスターチが完全に糊化して全体が半透明になった時に
火を止め、これを冷却して適量のバニラ香料を加え、計
量、充填、包装して製品を得た。
【0043】本品は、なめらかな光沢を有し、温和な甘
味で美味であるとともにエネルギー補給用組成物として
有利に利用できる。
【0044】
【実施例5】<ういろうの素>米粉90重量部に、コー
ンスターチ20重量部、実験1−3の方法で製造した結
晶性トレハロース粉末120重量部、プルラン4重量部
を均一に混合してういろうの素を製造した。ういろうの
素と適量の抹茶と水とを混練し、これを容器に入れて6
0分間蒸し上げて抹茶ういろうを製造した。
【0045】本品は、照り、口当たりも良好で、風味も
良い。また、澱粉の老化も抑制され、日持ちもよい。さ
らに、本品はエネルギー補給用組成物として有利に利用
できる。
【0046】
【実施例6】<乳酸飲料>脱脂乳10重量部を80℃で
20分間加熱殺菌した後、40℃に冷却し、これにスタ
ーター0.3重量部を加えて約37℃で10時間醗酵さ
せた。次いで、これをホモジナイズした後、実験1−3
の方法で製造した結晶性トレハロース粉末4重量部、蔗
糖1重量部及び異性化糖シラップ2重量部を加えて70
℃に保って殺菌した。これを冷却し、適量の香料を加
え、ビン詰めして製品を得た。
【0047】本品は、風味、甘味が酸味とよく調和した
高品質の乳酸飲料であるとともにエネルギー補給用組成
物として有利に利用できる。
【0048】
【実施例7】<粉末ジュース>噴霧乾燥により製造した
オレンジ果汁粉末33重量部に対し、実験1−2の方法
で製造したトレハロース含水結晶50重量部、蔗糖10
重量部、無水クエン酸0.65重量部、リンゴ酸0.1
重量部、L−アスコルビン酸0.1重量部、クエン酸ソ
ーダ0.1重量部、プルラン0.5重量部、粉末香料適
量をよく混合攪拌し、粉砕し微粉末にしてこれを流動層
造粒機に仕込み、排風温度40℃、風量毎分150m
とし、これに市販のトレハロースから調製したトレハロ
ース高含有溶液をバインダーとしてスプレーし、30分
間造粒し、計量、包装して製品を得た。
【0049】本品は、果汁含有率約30%の粉末ジュー
スである。また、本品は異味、異臭がなく、吸湿固結も
起こさず長期に安定であり、エネルギー補給用組成物と
して有利に利用できる。
【0050】
【実施例8】<粉末卵黄>生卵から調製した卵黄をプレ
ート式加熱殺菌機で60乃至64℃で殺菌し、得られる
液状卵黄1重量部に対して、実験1−4の方法で得た無
水結晶トレハロース粉末4重量部の割合で混合した後バ
ットに移し、一夜放置して、トレハロース含水結晶に変
換させてブロックを調製した。本ブロックを切削機にか
けて粉末化し、粉末卵黄を得た。
【0051】本品は、プレミックス、冷菓、乳化剤など
の製菓材料としてのみならず、経口流動食、経管流動食
などのエネルギー補給用組成物として有利に利用でき
る。
【0052】
【実施例9】<流動食用固体製剤>実験1−2の方法で
製造したトレハロース含水結晶500重量部、粉末卵黄
270重量部、脱脂粉乳209重量部、塩化ナトリウム
4.4重量部、塩化カリウム1.8重量部、硫酸マグネ
シウム4重量部、チアミン0.01重量部、アスコルビ
ン酸ナトリウム0.1重量部、ビタミンEアセテート
0.6重量部及びニコチン酸アミド0.04重量部から
なる配合物を調製し、この配合物25グラムずつ防湿性
ラミネート小袋に充填し、ヒートシールして製品を得
た。
【0053】本品は、1袋分を約150乃至300ml
の水に溶解して流動食とし、経口的、又は鼻腔、胃、腸
などへ経管的使用方法により利用され、エネルギー補給
用組成物として有利に利用できる。
【0054】
【実施例10】<輸液剤>実験1−2の方法で製造した
トレハロース含水結晶を水に濃度約10w/v%に溶解
し、次いで、常法に従って、精密濾過してパイロジェン
フリーとし、プラスチック製ボトルに無菌的に充填し施
栓して製品を得た。
【0055】本品は、経日変化もなく安定な輸液剤で、
静脈内、腹腔内などに投与するのに好適である。本品は
濃度10w/v%で血液と等張で、グルコースの場合の
2倍濃度でエネルギー補給できる。
【0056】
【実施例11】<輸液剤>実験1−2の方法で製造した
トレハロース含水結晶と下記の組成のアミノ酸配合物と
がそれぞれ5w/v%、30w/v%になるように水に
混合溶解し、次いで実施例10と同様に精製してパイロ
ジェンフリーとし、更に、プラスチック製バックに充填
し施栓して製品を得た。
【0057】アミノ酸配合物の組成(mg/100m
l) L−イソロイシン 180 L−ロイシン 410 L−リジン塩酸塩 620 L−メチオニン 240 L−フェニルアラニン 290 L−スレオニン 180 L−トリプトファン 60 L−バリン 200 L−アルギニン塩酸塩 270 L−ヒスチジン塩酸塩 130 グリシン 340
【0058】本品は、糖質とアミノ酸との複合輸液剤に
もかかわらず、トレハロースが還元性を示さないため、
経日変化もなく安定な輸液剤で、静脈内、腹腔内などへ
投与するのに好適である。本品は、エネルギー補給用組
成物として、エネルギー補給のみならず、アミノ酸補給
のためにも有利に利用できる。
【0059】
【実施例12】<外傷治療用膏薬>実験1−3の方法で
製造した結晶性トレハロース粉末500重量部に、ヨウ
素3重量部を溶解したメタノール50重量部を加え混合
し、更に10w/v%プルラン水溶液200重量部を加
えて混合し、適度の延び、付着性を示す外傷治療用膏薬
を得た。
【0060】本品は、ヨウ素による殺菌作用のみなら
ず、トレハロースによる細胞へのエネルギー補給用組成
物としても作用することから、治癒期間が短縮され、創
面もきれいに治る。
【0061】
【実施例13】<糖衣錠>重量150mgの素錠を芯剤
とし、これに実験1−2の方法で製造したトレハロース
含水結晶40重量部、プルラン(平均分子量20万)2
重量部、水30重量部、タルク25重量部及び酸化チタ
ン3重量部からなる下掛け液を用いて錠剤重量が約23
0mgになるまで糖衣し、次いで、同じトレハロース6
5重量部、プルラン1重量部及び水34重量部からなる
上掛け液を用いて糖衣し、更に、ロウ液で艶出しして光
沢のある外観の優れた糖衣錠を得た。
【0062】本品は、糖衣掛け時の作業性が優れている
だけでなく、耐衝撃性にも優れており、高品質を長時間
維持でき、エネルギー補給用組成物として有利に利用で
きる。
【0063】
【発明の効果】上記から明らかなように、本発明の還元
性澱粉部分分解物に非還元性糖質生成酵素を作用させる
方法により製造されたトレハロースからなるエネルギー
用糖源は、還元性を示さない安定な糖質であり、かつ生
体で容易にエネルギー源として代謝利用される特長を有
している。また、本発明の還元性澱粉部分分解物から新
規生化学的手段により製造されたトレハロースを有効成
分として含有せしめたエネルギー補給用組成物は、トレ
ハロースが還元性を示さず、保存安定性が高いことか
ら、他の栄養物質、薬効物質などを併用して、より総合
的な栄養組成物にすることも、また、より治療効果を高
めた医薬組成物にすることも容易に実施できる特長を有
している。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒトにトレハロース又はグルコースを経口投与
した場合の血糖値の経時変化を示す図である。図中、ト
レハロースの場合を実線で、グルコースの場合を破線で
示す。以下の図2乃至図6においても、同様に、実線は
トレハロースの場合を、破線はグルコースの場合を示
す。
【図2】ヒトにトレハロース又はグルコースを経口投与
した場合のインスリン値の経時変化を示す図である。
【図3】ウサギにトレハロース又はグルコースを非経口
的に急速投与した場合の血糖値の経時変化を示す図であ
る。
【図4】ウサギにトレハロース又はグルコースを非経口
的に急速投与した場合のインスリン値の経時変化を示す
図である。
【図5】ウサギにトレハロース又はグルコースを非経口
的に緩速投与した場合の血糖値の経時変化を示す図であ
る。
【図6】ウサギにトレハロース又はグルコースを非経口
的に緩速投与した場合のインスリン値の経時変化を示す
図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 還元性を示す澱粉部分分解物に非還元性
    糖質生成酵素を作用させて得られるトレハロースを含有
    せしめることを特徴とする経口使用又は外用使用のため
    のエネルギー用糖源の製造方法。
  2. 【請求項2】 還元性を示す澱粉部分分解物が、グルコ
    ース重合度が3以上の還元性を示す澱粉部分分解物であ
    る請求項1記載の経口使用又は外用使用のためのエネル
    ギー用糖源の製造方法。
  3. 【請求項3】 トレハロースが、還元性を示す澱粉部分
    分解物に非還元性糖質生成酵素を作用させて得られるト
    レハロース含有液を、塩型強酸性カチオン交換樹脂を用
    いるカラムクロマトグラフィーにかけてその含量を向上
    させたトレハロースであることを特徴とする請求項1又
    は2記載の経口使用又は外用使用のためのエネルギー用
    糖源の製造方法。
  4. 【請求項4】 トレハロース含有液が、固形物当たり2
    0乃至80w/w%のトレハロースを含有していること
    を特徴とする請求項3記載の経口使用又は外用使用のた
    めのエネルギー用糖源の製造方法。
  5. 【請求項5】 還元性を示す澱粉部分分解物に非還元性
    糖質生成酵素を作用させて得られるトレハロースを有効
    成分として含有せしめることを特徴とする経口使用又は
    外用使用のためのエネルギー補給用組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 還元性を示す澱粉部分分解物が、グルコ
    ース重合度が3以上の還元性を示す澱粉部分分解物であ
    る請求項5記載の経口使用又は外用使用のためのエネル
    ギー補給用組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 トレハロースが、還元性を示す澱粉部分
    分解物に非還元性糖質生成酵素を作用させて得られるト
    レハロース含有液を、塩型強酸性カチオン交換樹脂を用
    いるカラムクロマトグラフィーにかけてその含量を向上
    させたトレハロースであることを特徴とする請求項5又
    は6記載の経口使用又は外用使用のためのエネルギー補
    給用組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 エネルギー補給用組成物に固形物当たり
    トレハロースを10w/w%以上含有せしめることを特
    徴とする請求項5、6又は7記載の経口使用又は外用使
    用のためのエネルギー補給用組成物の製造方法。
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