JP2002193125A - パワーステアリング装置 - Google Patents

パワーステアリング装置

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JP2002193125A
JP2002193125A JP2000395564A JP2000395564A JP2002193125A JP 2002193125 A JP2002193125 A JP 2002193125A JP 2000395564 A JP2000395564 A JP 2000395564A JP 2000395564 A JP2000395564 A JP 2000395564A JP 2002193125 A JP2002193125 A JP 2002193125A
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Japan
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steering
rotation speed
target rotation
speed
electric motor
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JP2000395564A
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English (en)
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Tetsuya Ozaki
哲也 尾▲崎▼
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Koyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】操作部材の操作方向が反転するときの操舵補助
の応答性を改善して、操舵フィーリングを向上する。 【解決手段】ステアリング機構に与える操舵補助力の発
生源となる電動モータの目標回転速度は、車速および舵
角速度に基づいて設定される(S7)。目標回転速度
は、スタンバイ回転速度と所定の上限値との間で設定可
能である。ステアリングホイールを一方向に一定角度以
上連続的に切り込む一方向連続切込み操舵が検出される
と(S4)、目標回転速度の最低値がスタンバイ回転速
度よりも大きな値に制限される(S6)。この最低目標
回転速度の制限状態は、3秒以上に渡って有意な舵角変
化がないことを条件に(S9)、解除される(S1
1)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動モータにより
駆動されるポンプの発生油圧によりステアリング機構に
操舵補助力を与えるパワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ステアリング機構に結合されたパワーシ
リンダにオイルポンプからの作動油を供給することによ
って、ステアリングホイールの操作を補助するパワース
テアリング装置が知られている。オイルポンプは、たと
えば、直流モータからなる電動モータによって駆動さ
れ、その回転速度に応じた操舵補助力がパワーシリンダ
から発生される。
【0003】ステアリング軸には、ステアリングホイー
ルに加えられた操舵トルクの方向および大きさに応じて
ねじれを生じるトーションバーと、トーションバーのね
じれの方向および大きさに応じて開度が変化する油圧制
御弁とが組み込まれている。この油圧制御弁は、オイル
ポンプとパワーシリンダとの間の油圧系統に介装されて
いて、操舵トルクに応じた操舵補助力をパワーシリンダ
から発生させる。電動モータの駆動制御は、たとえば、
ステアリングホイールの舵角速度に基づいて行われる。
すなわち、ステアリングホイールに関連して設けられた
舵角センサの出力に基づいて舵角速度が求められ、この
舵角速度に基づいて電動モータの目標回転速度が設定さ
れる。この目標回転速度が達成されるように、電動モー
タに電圧が供給される。さらに具体的には、舵角速度が
小さい場合には、ステアリングホイールの操作がわずか
であるから、電動モータは、目標回転速度の下限値であ
るスタンバイ回転速度に減速される。一方、舵角速度が
大きければ、ステアリングホイールが大きく操作されて
いると見なされ、そのときの舵角速度に応じて電動モー
タが駆動され、操舵補助力が発生される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなパワース
テアリング装置では、方向の異なるカーブが交互に連続
するスラローム路などで、ステアリング操作を左右に連
続的に行うと、操舵補助の応答遅れが生じる。これは、
ステアリングホイールの操作方向を、たとえば、右回転
から左回転へと反転させる瞬間において舵角速度が零に
なり、その結果、電動モータの回転速度がスタンバイ回
転速度に減速されるからである。
【0005】そこで、この発明の目的は、上述の技術的
課題を解決し、操作部材の操作方向が反転するときの操
舵補助の応答性を改善して、操舵フィーリングを向上す
ることができるパワーステアリング装置を提供すること
である。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記の
目的を達成するための請求項1記載の発明は、電動モー
タ(27)により駆動されるポンプ(26)の発生油圧
によって操舵補助力を発生させるパワーステアリング装
置であって、操作部材(2)の操作による操舵速度を検
出する操舵速度検出手段(11,30,S2)と、この
操舵速度検出手段によって検出される操舵速度に基づい
て、所定の下限値と上限値との間で、上記電動モータの
目標回転速度を定める目標回転速度設定手段(30,S
7)と、この目標回転速度設定手段によって設定される
目標回転速度が達成されるように上記電動モータを駆動
制御するモータ制御手段(30,S8)と、舵角中点か
ら所定のしきい値以上の舵角に渡って一方方向に連続し
て上記操作部材が操作されたことを一方向連続切込み操
舵として検出する一方向連続切込み操舵検出手段(3
0,S4)と、この一方向連続切込み操舵検出手段によ
って上記一方向連続切込み操舵が検出されたことに応答
して、上記目標回転速度設定手段によって設定されるべ
き最低目標回転速度を上記下限値よりも大きな所定回転
速度に制限する最低目標回転速度制限手段(30,S
6)とを含むことを特徴とするパワーステアリング装置
である。なお、括弧内の英数字は後述する実施形態にお
ける対応構成要素等を表す。以下、この項において同
じ。
【0007】この構成によれば、操作部材が一方向に大
きく切り込まれて一方向連続切込み操舵が行われると、
電動モータの目標回転速度の最低値がその下限値よりも
大きな値に制限される。したがって、操舵速度が零にな
っても、電動モータの回転速度が下限値まで減速される
ことがないから、操作部材を舵角中点に戻すための戻し
操舵を行うと、応答遅れを生じることなく操舵補助力を
速やかに発生させることができる。これにより、操作部
材の操作方向が反転するときの操舵補助の応答性が格段
に向上されるので、操舵フィーリングを向上することが
できる。なお、上記下限値は「0」であってもよい。
【0008】請求項2記載の発明は、上記一方向連続切
込み操舵検出手段が上記一方向連続切込み操舵を検出し
た後、予め定める所定時間以上連続して上記操作部材の
操作による実質的な舵角変化がないことを条件に、上記
最低目標回転速度に対する制限を解除して、上記最低目
標回転速度を上記下限値に戻す最低目標回転速度制限解
除手段(30,S9,S11)をさらに含むことを特徴
とする請求項1記載のパワーステアリング装置である。
【0009】この構成によれば、一方向連続切込み操舵
が検出されたときでも、一定時間以上有意な舵角変化が
検出されなければ、目標回転速度に対する制限が解除さ
れ、電動モータの回転速度を下限値まで減速することが
可能になる。これにより、操作部材の反転時における操
舵フィーリングの向上と、省エネルギー性とを両立する
ことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下では、この発明の実施の形態
を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発
明の一実施形態に係るパワーステアリング装置の基本的
な構成を示す概念図である。このパワーステアリング装
置は、車両のステアリング機構1に関連して設けられ、
このステアリング機構1に操舵補助力を与えるためのも
のである。
【0011】ステアリング機構1は、運転者によって操
作されるステアリングホイール2と、このステアリング
ホイール2に連結されたステアリング軸3と、ステアリ
ング軸3の先端に設けられたピニオンギア4と、ピニオ
ンギア4に噛合するラックギア部5aを有し、車両の左
右方向に延びたラック軸5とを備えている。ラック軸5
の両端にはタイロッド6がそれぞれ結合されており、こ
のタイロッド6は、それぞれ、操舵輪としての前左右輪
FL,FRを支持するナックルアーム7に結合されてい
る。ナックルアーム7は、キングピン8まわりに回動可
能に設けられている。
【0012】この構成により、ステアリングホイール2
が操作されてステアリング軸3が回転されると、この回
転がピニオンギア4およびラック軸5によって車両の左
右方向に沿う直線運動に変換される。この直線運動は、
ナックルアーム7のキングピン8まわりの回動に変換さ
れ、これによって、前左右輪FL,FRの転舵が達成さ
れる。ステアリング軸3には、ステアリングホイール2
に加えられた操舵トルクの方向および大きさに応じてね
じれを生じるトーションバー9と、トーションバー9の
ねじれの方向および大きさに応じて開度が変化する油圧
制御弁23とが組み込まれている。油圧制御弁23は、
ステアリング機構1に操舵補助力を与えるパワーシリン
ダ20に接続されている。パワーシリンダ20は、ラッ
ク軸5に一体的に設けられたピストン21と、ピストン
21によって区画された一対のシリンダ室20a,20
bとを有しており、シリンダ室20a,20bは、それ
ぞれ、オイル供給/帰還路22a,22bを介して、油
圧制御弁23に接続されている。
【0013】油圧制御弁23は、さらに、リザーバタン
ク25およびオイルポンプ26を通るオイル循環路24
の途中部に介装されている。オイルポンプ26は、電動
式のモータ27によって駆動され、リザーバタンク25
に貯留されている作動油を汲み出して油圧制御弁23に
供給する。余剰分の作動油は、油圧制御弁23からオイ
ル循環路24を介してリザーバタンク25に帰還され
る。油圧制御弁23は、トーションバー9に一方方向の
ねじれが加わった場合には、オイル供給/帰還路22
a,22bのうちの一方を介してパワーシリンダ20の
シリンダ室20a,20bのうちの一方に作動油を供給
する。また、トーションバー9に他方方向のねじれが加
えられた場合には、オイル供給/帰還路22a,22b
のうちの他方を介してシリンダ室20a,20bのうち
の他方に作動油を供給する。トーションバー9にねじれ
がほとんど加わっていない場合には、油圧制御弁23
は、いわば平衡状態となり、作動油はパワーシリンダ2
0に供給されることなく、オイル循環路24を循環す
る。
【0014】パワーシリンダ20のいずれかのシリンダ
室に作動油が供給されると、ピストン21が車幅方向に
沿って移動する。これにより、ラック軸5に操舵補助力
が作用することになる。油圧制御弁23に関連する構成
例は、たとえば、特開昭59−118577号公報に詳
しく開示されている。電動モータ27は、たとえば直流
モータからなり、駆動回路28を介して、電子制御ユニ
ット30によって制御される。駆動回路28は、たとえ
ば、パワートランジスタのブリッジ回路からなり、電源
としての車載バッテリ40からの電力を、電子制御ユニ
ット30から与えられる制御信号に応じて電動モータ2
7に供給する。
【0015】電子制御ユニット30は、車載バッテリ4
0からの電力供給を受けて動作するマイクロコンピュー
タを含み、このマイクロコンピュータは、CPU31
と、CPU31のワークエリアなどを提供するRAM3
2と、CPU31の動作プログラムおよび制御用のデー
タ等を記憶したROM33と、CPU31、RAM32
およびROM33を相互接続するバス34とを備えてい
る。電子制御ユニット30には、舵角センサ11から出
力される舵角データが与えられるようになっている。舵
角センサ11は、ステアリングホイール2に関連して設
けられており、イグニッションキースイッチが導通され
てエンジンが始動したときのステアリングホイール2の
舵角を初期値「0」として、この初期値からの相対舵角
に対応し、かつ操舵方向に応じた符号の舵角データを出
力する。CPU31は、この舵角データに基づいて、車
両が直進状態のときの舵角である舵角中点を求め、さら
に、この舵角中点と舵角センサ11が出力する舵角デー
タとに基づいて、車輪FR,FLの方向に対応した絶対
舵角θを求める。舵角中点の検出は、たとえば、舵角セ
ンサ11から出力される舵角データをサンプリングし、
舵角データの値のヒストグラムを作成し、所定のサンプ
リング数のデータが収集された後に最頻出舵角データを
舵角中点の舵角データとして求めることにより達成され
る。
【0016】電子制御ユニット30には、さらに、電動
モータ27に流れる電流を検出する電流検出回路12か
らの電流データが与えられるようになっている。電流デ
ータは、電動モータ27の消費電流値(モータ電流)に
比例した値を有する。さらに、電子制御ユニット30に
は、車速センサ13から出力される車速データが与えら
れるようになっている。車速センサ13は、車両の速度
Vfを直接的に検出するものでもよく、また、車輪に関
連して設けられた車輪速センサの出力パルスに基づいて
車両の速度Vfを計算により求めるものであってもよ
い。
【0017】電子制御ユニット30は、舵角センサ1
1、電流検出回路12および車速センサ13からそれぞ
れ与えられる舵角データ、電流データおよび車速データ
に基づいて、電動モータ27の駆動を制御する。図2
は、舵角速度と電動モータ27の目標回転速度との対応
関係を示す特性図である。目標回転速度Rは、舵角速度
Vθ(操舵速度に相当する。)に対して定められた第1
しきい値VT1および第2しきい値VT2の間で単調に
増加(この実施形態ではリニアに増加)するように、下
限値R1と上限値R2との間で定められる。この単調増
加区間における目標回転速度Rの下限値R1がスタンバ
イ回転速度とされ、第1しきい値VT1未満の舵角速度
に対しては、このスタンバイ回転速度R1で電動モータ
27が回転駆動される。
【0018】CPU31は、車速Vfに基づいて、図2
に示すように、舵角速度Vθに対する目標回転速度Rの
傾きを可変設定する。すなわち、第2しきい値VT2
が、車速域に応じて可変設定される。より具体的には、
車両の速度Vfが大きいほど、第2しきい値VT2は大
きな値に設定される。これにより、車両の速度Vfが大
きいほど目標回転速度Rが小さく設定されることにな
り、操舵補助力が小さくなる。こうして、車両の速度V
fに応じた適切な操舵補助力を発生するための車速感応
制御が行われる。
【0019】この実施形態では、舵角中点から所定のし
きい値θth(たとえば、ステアリングホイール2の回転
角で180度。車輪FL,FRの転舵角で約10度。)
以上に渡って一方向(左右いずれかの方向)に連続して
(すなわち、戻し操舵を行うことなく)ステアリングホ
イール2が切り込まれたときに、このような操舵が一方
向連続切込み操舵として検出される。このような一方向
連続切込み操舵が検出されると、CPU31は、電動モ
ータ27の最低目標回転速度を、スタンバイ回転速度R
1よりも大きな速度RL1,RL2,RL3に制限す
る。すなわち、電動モータ27の目標回転速度Rは、た
とえ舵角速度Vθが零になったとしても、最低目標回転
速度RL1,RL2,RL3よりも低く設定されること
はない。
【0020】最低目標回転速度RL1,RL2,RL3
は、この実施形態では、所定の舵角速度(たとえばVθ
=360度/秒)に対応した目標回転速度に定められて
いる。したがって、車速域に応じて、最低目標回転速度
RL1,RL2,RL3のうちのいずれかに選択される
ことになる。図3は、電動モータ27の駆動制御を説明
するためのフローチャートである。CPU31は、舵角
センサ11から出力される舵角データおよび車速センサ
13から出力される車速Vfを取り込む(ステップS
1)。CPU31は、さらに、取り込まれた舵角データ
に基づいて、ステアリングホイール2の舵角の時間変化
率である舵角速度Vθを演算により求める(ステップS
2)。
【0021】次に、CPU31は、電動モータ27の目
標回転速度Rがスタンバイ回転速度R1よりも大きな最
低目標回転速度RL1,RL2,RL3に制限されてい
るか否かを表わすフラグFを参照する(ステップS
3)。このフラグFが「1」にセットされていれば、最
低目標回転速度が速度RL1,RL2,RL3に制限さ
れていることを表わす。また、このフラグFが「0」に
設定されていれば、最低目標回転速度が速度RL1,R
L2,RL3に制限されておらず、目標回転速度Rが下
限値R1以上の範囲で設定可能であることを表わす。
【0022】フラグFが「0」であると判断されれば
(ステップS3のYES)、一方向連続切込み操舵が行
われたか否かが判断される(ステップS4)。すなわ
ち、CPU31は、舵角センサ11からの舵角データを
所定の制御周期ごとに繰り返し参照することによって、
上述のような一方向連続切込み操舵が行われたか否かを
判断する。一方向連続切込み操舵が行われていなければ
(ステップS4のNO)、下限値R1と上限値R2との
間の範囲で、車速Vfおよび舵角速度Vθに基づき、目
標回転速度Rが設定される(ステップS7)。そして、
この設定された目標回転速度Rが達成されるように、C
PU31は、駆動回路28を介して電動モータ27を駆
動制御する(ステップS8)。この後は、ステップS1
からの処理が繰り返し行われる。
【0023】一方向連続切込み操舵が行われたものと判
断されると(ステップS4のYES)、フラグFが
「1」にセットされる(ステップS5)。そして、最低
目標回転速度が、車速Vfに応じて、速度RL1,RL
2,RL3のいずれかに制限される(ステップS6)。
この後は、最低目標回転速度RL1,RL2,RL3か
ら上限値R2までの範囲で、車速Vfおよび舵角速度V
θに応じた目標回転速度Rが定められる。この場合、舵
角速度Vθが360度/秒以下であるときには、目標回
転速度Rは最低目標回転速度RL1,RL2,RL3に
設定されることになる。
【0024】フラグFが「1」であると判断されると
(ステップS3のNO)、最低目標回転速度の制限を解
除すべきか否かを判定するための処理が行われる(ステ
ップS9〜ステップS11)。すなわち、CPU31
は、舵角センサ11からの舵角データが一定時間(この
実施形態では3秒)以上有意な変化(たとえば、7度以
上の舵角変化)を示さなければ(ステップS9)、フラ
グFを「0」にリセットして(ステップS10)、最低
目標回転速度に対する制限を解除する(ステップS1
1)。すなわち、ステップS7においては、下限値R1
と上限値R2との間で、車速Vfおよび舵角速度Vθに
応じて目標回転速度Rが設定されることになる。
【0025】ステップS9において、上記一定時間が経
過する前に有意な舵角変化が検出されると(ステップS
9のNO)、ステップS10,S11の処理を省いて、
目標回転速度Rの設定が行われる(ステップS7)。こ
の場合には、最低目標回転速度に対する制限が維持され
ているので、電動モータ27の目標回転速度Rは、最低
目標回転速度RL1,RL2,RL3と上限値R2との
間で設定されることになる。
【0026】図4は、この実施形態にかかるパワーステ
アリング装置の特徴的な動作を説明するためのタイムチ
ャートである。図4(a)は電動モータ27の目標回転速
度Rの時間変化を示し、図4(b)は舵角速度Vθの時間
変化を示し、図4(c)はステアリングホイール2の舵角
の時間変化を示している。この図4には、ステアリング
ホイール2を右方向にその回転角で180度以上大きく
切り込んだ後に、ステアリングホイール2を舵角中点に
向かって戻すための戻し操舵を行った場合(図4(c)の
曲線L0)の例が示されている。舵角速度Vθは、図4
(c)に示される放物線状に変化する舵角を時間微分し、
その絶対値を求めることによって演算される。したがっ
て、舵角がほぼリニアに変化している期間には、舵角速
度Vθはほぼ一定の値をとり、放物線状の舵角変化曲線
L0の頂点(時刻t2)付近では、舵角速度Vθはほぼ
V字谷状の時間変化を示す。舵角変化曲線L0の頂点に
おいては舵角速度Vθはほぼ零となる。
【0027】ステアリングホイール2の舵角が舵角中点
から右方向に180度の値に達する時刻t1において、
CPU31は右方向への一方向連続切込み操舵が行われ
ているものと判断する。この時刻t1から少なくとも上
記一定時間(3秒間)の間は、舵角速度Vθの低下に関
わらずに、電動モータ27の目標回転速度は上記最低目
標回転速度RL1,RL2,RL3以上の値に保持され
る。すなわち、電動モータ27の回転速度がスタンバイ
回転速度R1に低下することはなく、ステアリング機構
1にはステアリングホイール2に加えられた操舵トルク
の大小に応じてパワーシリンダ20から十分な操舵補助
力が与えられる。
【0028】したがって、時刻t2からの期間に、運転
者が、ステアリングホイール2を舵角中点に向かって戻
す戻し操舵を行うと、ステアリング機構1には良好な応
答性で操舵補助力が与えられる。これにより、良好な操
舵フィーリングで戻し操舵を行うことができる。より詳
細に説明すると、時刻t11〜t12の期間には、舵角
速度Vθは360度/秒以下の値となるが、この期間t
11〜t12の長さが3秒未満である限りにおいて、電
動モータ27の目標回転速度Rが最低目標回転速度RL
1,RL2,RL3未満となることはない。
【0029】もしも、時刻t2からの期間に、図4(c)
において曲線L1で示すように、上記一定時間(3秒)
以上の期間にわたって舵角がほぼ一定に保持された場合
には、最低目標回転速度に対する制限が解除され(図3
のステップS11)、舵角速度Vθが零となった時刻t
2から3秒を経過した時点で、目標回転速度Rはスタン
バイ回転速度R1に減速される。こうして、省エネルギ
ー性を確保することができる。
【0030】さらに、時刻t2から上記一定時間を経過
するよりも前に、ステアリングホイール2を右方向にさ
らに切り込むための切増し操舵が行われると、ステアリ
ングホイール2の舵角は図4(c)において曲線L2で示
すような変化を示す。この場合にも、最低目標回転速度
に対する制限が引き続き維持されるので、右方向への切
増し操舵に良好に応答して、ステアリング機構1に操舵
補助力を与えることができる。このように、最低目標回
転速度が速度RL1,RL2,RL3に制限された後に
は、実質的な舵角変化のない期間が上記一定時間以上経
過しない限り、最低目標回転速度に対する制限が解除さ
れることはない。
【0031】図4では、ステアリングホイール2を右方
向に切り込んだ場合についての動作を説明したが、ステ
アリングホイール2を左方向に切り込んだ場合において
も同様な動作となる。以上のように、この実施形態によ
れば、一方向連続切込み操舵が検出されると、電動モー
タ27の目標回転速度は、少なくとも一定時間内は、ス
タンバイ回転速度R1に減速されることがない。したが
って、ステアリングホイール2を舵角中点に向かって戻
すための戻し操舵を行うときには、良好な応答性でステ
アリング機構1に操舵補助力が与えられるから、操舵フ
ィーリングを向上することができる。このように、この
実施形態では、舵角中点から一定の角度以上一定方向に
操舵が続いた後は、その後にステアリングホイール2が
逆方向に操作される可能性が高い点に着目して、舵角速
度Vθが零になっても即座にはスタンバイ回転速度R1
に減速しないようにしている。
【0032】以上、この発明の一実施形態について説明
したが、この発明は他の形態で実施することもできる。
たとえば、上述の実施形態では、車速域に応じて最低目
標回転速度を変化させる構成となっているが、車速域に
関係なく一方向連続切込み操舵が検出された場合に、最
低目標回転速度を一定速度に制限することとしてもよ
い。その他、特許請求の範囲に記載された技術的事項の
範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るパワーステアリング
装置の基本的な構成を示す概念図である。
【図2】舵角速度と目標回転速度との対応関係を示す特
性図である。
【図3】電動モータの駆動制御を説明するためのフロー
チャートである。
【図4】目標回転速度(a)、舵角速度(b)および舵角(c)
の時間変化の一例を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 ステアリング機構 2 ステアリングホイール 11 舵角センサ 13 車速センサ 20 パワーシリンダ 23 油圧制御弁 26 オイルポンプ 27 電動モータ 30 電子制御ユニット

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電動モータにより駆動されるポンプの発生
    油圧によって操舵補助力を発生させるパワーステアリン
    グ装置であって、 操作部材の操作による操舵速度を検出する操舵速度検出
    手段と、 この操舵速度検出手段によって検出される操舵速度に基
    づいて、所定の下限値と上限値との間で、上記電動モー
    タの目標回転速度を定める目標回転速度設定手段と、 この目標回転速度設定手段によって設定される目標回転
    速度が達成されるように上記電動モータを駆動制御する
    モータ制御手段と、 舵角中点から所定のしきい値以上の舵角に渡って一方方
    向に連続して上記操作部材が操作されたことを一方向連
    続切込み操舵として検出する一方向連続切込み操舵検出
    手段と、 この一方向連続切込み操舵検出手段によって上記一方向
    連続切込み操舵が検出されたことに応答して、上記目標
    回転速度設定手段によって設定されるべき最低目標回転
    速度を上記下限値よりも大きな所定回転速度に制限する
    最低目標回転速度制限手段とを含むことを特徴とするパ
    ワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】上記一方向連続切込み操舵検出手段が上記
    一方向連続切込み操舵を検出した後、予め定める所定時
    間以上連続して上記操作部材の操作による実質的な舵角
    変化がないことを条件に、上記最低目標回転速度に対す
    る制限を解除して、上記最低目標回転速度を上記下限値
    に戻す最低目標回転速度制限解除手段をさらに含むこと
    を特徴とする請求項1記載のパワーステアリング装置。
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