JP2002191465A - シートの可動式アームレスト構造およびワンウェイクラッチ - Google Patents

シートの可動式アームレスト構造およびワンウェイクラッチ

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JP2002191465A
JP2002191465A JP2000392145A JP2000392145A JP2002191465A JP 2002191465 A JP2002191465 A JP 2002191465A JP 2000392145 A JP2000392145 A JP 2000392145A JP 2000392145 A JP2000392145 A JP 2000392145A JP 2002191465 A JP2002191465 A JP 2002191465A
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Akira Nemoto
晃 根本
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Tachi S Co Ltd
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Tachi S Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 横幅方向での大型化を防止するとともに、ワ
ンウェイクラッチの一方向ロックに対するロック解除操
作を容易にする。 【構成】 一対の内輪20、外輪22間の環状空間24内に数
珠状に連設された一連の係合子26のいずれか一つを解除
ピン40とし、解除ピン、および一連の係合子をロックば
ね42からの偏倚力のもとでポケット36毎の楔着斜面34に
それぞれ押し込むことにより一方向ロックを得るととも
に、ロックばねの偏倚力に抗した解除レバーの解除動作
のもとでそのロック解除を得る構成のワンウェイクラッ
チ12を用いることにより、この可動式アームレスト構造
10は構成されている。そして、このワンウェイクラッチ
12の内輪20をシートバック18に、また外輪22をアームレ
スト14にそれぞれ固定することにより、シートバックに
対するアームレストの支持角度をワンウェイクラッチに
よって任意に調整、設定可能としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、シートバック側
部に配設されたアームレストを上下方向に回動可能とし
たシートの可動式アームレスト構造、特にこのアームレ
ストの支持角度をワンウェイクラッチによって無段階に
調整、設定可能とした無段階設定型の可動式アームレス
ト構造、およびこの無段階設定型の可動式アームレスト
構造に用いて好適なワンウェイクラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、その設定角度を任意、かつ無
段階で調整、設定可能に構成された可動式アームレスト
が、自動車等のシート、特にリクライニングの可能なシ
ートバックを有するシートのアームレストとして種々提
供されている。
【0003】一般に、この種の可動式アームレストは、
一方向へのアームレストの回動を規制する、つまりは一
方向ロック機能を有する、いわゆるワンウェイクラッチ
を介して、シートバック側部に連結、配設され、このワ
ンウェイクラッチによる回動規制(一方向ロック)によ
って、その下方への回動が規制されている。
【0004】このワンウェイクラッチを備えたアームレ
ストにおいては、その上方への回動は保障されるため、
アームレスト先端部の引き上げ操作によって、その任意
の角度へのアームレストの調整、設定が行える。
【0005】また、このような可動式アームレストにお
いては、このワンウェイクラッチの持つ一方向ロック機
能を解除する解除手段が設けられ、この解除手段による
解除操作のもとで、その一方向ロック機能、つまりは下
方へのアームレストの回動規制が解除可能となってい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
可動式アームレストに設けられるワンウェイクラッチと
しては、たとえば、コイル状のねじりばねの、そのねじ
れによる内径変動を利用したばね式のものが一般的に知
られている。
【0007】しかし、このばね式のワンウェイクラッチ
は、アームレストの回動中心、つまりシートバックの側
方に突設された支軸回りに巻装、配設されるものであ
り、また、その確実な一方向ロック機能を得るために
は、支軸、ねじりばね間の接触長さも比較的長く要求さ
れることから、このばね式ワンウェイクラッチを利用す
る可動式アームレストにおいては、その横幅方向での大
型化が避けられない。
【0008】そして、この種のばね式のワンウェイクラ
ッチにおいては、支軸に対するねじりばねの締め付け力
が回動規制力となり、このワンウェイクラッチにおける
一方向ロック機能を解除するにあたっては、その締め付
け力に抗する以上の解除操作力が必要となるため、その
操作性が損なわれやすい。
【0009】なお、たとえばギヤ等の組み合わせによる
軽減機構等を解除手段等に組み込むことにより、その操
作力の軽減ははかられる。しかし、このような軽減機構
は複雑化しやすく、また、その部品点数の増加も避けら
れないため、その全体の構成の複雑化、およびコストの
上昇は避けられない。
【0010】この発明は、横幅方向での大型化を防止す
るとともに、ワンウェイクラッチの一方向ロックに対す
るロック解除操作の容易なシートの可動式アームレスト
構造およびワンウェイクラッチの提供を目的としてい
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、この発明のシートの可動式アームレスト構造によれ
ば、一方をシートバックに、またその他方をアームレス
トにそれぞれ固定してなる一対の内輪、外輪間に環状空
間を規定し、この環状空間内に、一連の係合子を数珠状
に連設するとともに、環状空間を半径方向に狭める楔着
斜面を、単一方向への傾斜面として、この各係合子を転
動可能に収容するポケット毎にそれぞれ設けることによ
り、内輪、外輪の一方に対する他方の、対応する一方向
への回動を規制するワンウェイクラッチを形成し、この
ワンウェイクラッチをアームレストの回動中心となる支
軸に設けることにより、アームレストの支持角度を任意
に調整、設定可能としている。
【0012】そして、一連の係合子のいずれか一つを、
解除レバーに突設された解除ピンとし、ロックばねから
この解除レバーに付与された偏倚力による、楔着斜面に
対する解除ピン、および一連の係合子の押し込みによ
り、ワンウェイクラッチの一方向ロックを得るととも
に、アームレストの外部に露出配置された操作片を、解
除レバーに連動可能に連結し、ロックばねの偏倚力に抗
した解除レバーの解除動作をこの操作片の操作のもとで
得ることに伴う、楔着斜面に対する解除ピン、および一
連の係合子の押力の解除によって、ワンウェイクラッチ
の一方向ロックをロック解除可能としている。
【0013】また、この発明のワンウェイクラッチにお
いては、一対の内輪、外輪間に環状空間を規定し、この
環状空間内に、一連の係合子を数珠状に連設するととも
に、環状空間を半径方向に狭める楔着斜面を、単一方向
への傾斜面として、この各係合子を転動可能に収容する
ポケット毎にそれぞれ設けることにより、内輪、外輪の
一方に対する他方の、対応する一方向への回動を規制可
能としている。
【0014】そして、一連の係合子のいずれか一つを、
解除レバーに突設された解除ピンとし、ロックばねから
この解除レバーに付与された偏倚力による、楔着斜面に
対する解除ピン、および一連の係合子の押し込みによ
り、ワンウェイクラッチの一方向ロックを得るととも
に、ロックばねの偏倚力に抗した解除レバーの解除動作
のもとで、楔着斜面に対する解除ピン、および一連の係
合子の押力を解除することにより、ワンウェイクラッチ
の一方向ロックをロック解除可能としている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながらこの発
明の実施の形態について詳細に説明する。
【0016】図1に示すように、この発明に係るシート
の可動式アームレスト構造10においては、一方向への回
動規制のなされたワンウェイクラッチ12が、アームレス
ト14の回動中心となる支軸16に備えられている。そし
て、このワンウェイクラッチ12の一方向ロックによる、
その下方への回動規制、およびこの一方向ロックに対す
るロック解除によって、シートバック18に対するアーム
レスト14の支持角度を任意に調整、設定可能に、この可
動式アームレスト構造10は構成されている。
【0017】図1(A)に加えて図2を見るとわかるよ
うに、この発明においては、ワンウェイクラッチ12が、
一対の内輪20、外輪22間の環状空間24内に複数の係合子
26を内設した、いわゆる係合子式に形成されている。
【0018】この発明の実施の形態においては、支軸16
が、ベースプレート28に固定的に立設され、このベース
プレートを介して、シートバック18の側部に突設されて
いる。そして、内輪20が、この支軸16に一体的に設けら
れるとともに、この内輪の回りに離間配置された外輪22
が、たとえば、その両側面に一体的に配設された内外一
対のカバープレート30,32を介して内輪、ひいては支軸1
6の周りを回動自在に配設、支持されている。
【0019】なお、支軸16は、たとえば、異径部を一体
に有する段付軸としてなり、その先端側セレーション軸
部16aをベースプレート28の対応するセレーション軸受2
8aに嵌入、溶着することによって、このベースプレート
に固定的に立設される。また、内輪20は、支軸16の後端
側セレーション軸部16bに対する嵌着、溶着等によっ
て、支軸に対して一体化される。
【0020】係合子26は、たとえばローラからなり、内
輪20、外輪22間に規定された環状空間24のほぼ全周に渡
って、この一連の係合子は数珠状に連設されている。そ
して、図1(B)を見るとよくわかるように、環状空間
24を半径方向に狭める楔着斜面34を、単一方向への傾斜
面として、この一連の係合子(ローラ)26を転動可能に
個別に収容する、いわゆるポケット36毎にそれぞれ設け
ることにより、たとえば、内輪20に対する外輪22の、対
応する一方向への回動を規制可能、つまりは下方へのア
ームレスト14の回動を規制可能に、このワンウェイクラ
ッチ12は構成されている。
【0021】この実施の形態においては、内輪20が支軸
16、つまりシートバック18に対して一体的に固定されて
いるのに対し、外輪22は、アームレスト14の骨格をなす
フレーム33の縦壁等に、ボルト止め等により固定され
る。つまり、これによって、アームレスト14は、シート
バック18に対し、支軸16の回りを回動可能に連結、支持
されている。
【0022】なお、この発明の実施の形態においては、
支軸16に対する反時計方向が、下方へのアームレスト14
の回動方向として規定され、この反時計方向への回動を
規制可能に、この楔着斜面34はそれぞれのポケット36に
おいて設けられている。つまり、このワンウェイクラッ
チ12においては、図1(A),(B)の反時計方向が、
内輪20に対する外輪22のロック方向であり、これによっ
て、シートバック18に対する下方へのアームレスト14の
回動が規制可能となっている。
【0023】また、楔着斜面34は、内輪20、および外輪
22のいずれかの周面に設けられるものであり、図1
(B)に示すように、この発明の実施の形態において
は、外輪の周面に、この楔着斜面が形成されている。
【0024】ここで、図1、図2に示すように、この発
明においては、一連の係合子26のいずれか一つが、解除
レバー38に突設された解除ピン40に置き換えられてい
る。そして、ロックばね42からの偏倚力をこの解除レバ
ー38に付与し、この偏倚力による解除ピン40の偏倚のも
とで、解除ピン、および一連の係合子26を楔着斜面34と
内輪20の周面との間に押し込み可能としている。
【0025】解除レバー38は、外輪22を、その両側面に
配されたカバープレート30,32の外方から部分的に抱持
可能とする略コ字形状に形成され、その一対の対向側壁
38a間に枢支ピン44を貫通させることによって、外輪に
対して枢着されている。そして、この枢支ピン44と同様
に、一対の対向側壁38a間に貫通させ、なおかつこの対
向側壁に固着することにより、解除ピン40は環状空間24
内に配設されている。
【0026】また、ロックばね42としては、たとえば、
枢支ピン44を境とした解除レバー38の上端と、外輪22の
外端面との間に架設、張設された圧縮コイルばねが利用
できる。
【0027】図1(B)に示すように、この構成によれ
ば、解除ピン40、および一連の係合子26が、ロックばね
42の偏倚力のもとで楔着斜面34と内輪20の周面との間に
押し込まれるため、この解除ピン、および一連の係合子
によるくさび効果により、内輪に対する、反時計方向へ
の外輪22の回動が規制される。つまり、このワンウェイ
クラッチ12の自然状態においては、この、内輪20に対す
る外輪22の回動を規制する一方向ロックによって、シー
トバック18に対する、下方へのアームレスト14の回動が
規制される。
【0028】また、ロックばね42の偏倚力のもとで解除
ピン40、および一連の係合子26を楔着斜面34と内輪20の
周面との間への押し込み方向に偏倚した、このワンウェ
イクラッチ12の自然状態においては、外輪22を時計方向
に回動させることで、楔着斜面に対する解除ピン、およ
び一連の係合子の押し込みは解除されるため、一方向ロ
ックの機能する方向に対する逆方向となる、上方へのア
ームレスト14の回動は、これによって保障される。
【0029】ここで、図3に示すように、この発明にお
いては、操作片、たとえば、リターンばね(図示しな
い)の偏倚力に抗した押圧操作の可能なプッシュボタン
46が、アームレスト14の外部、たとえば先端側面部に露
出配置され、連動手段、たとえばケーブルワイヤ48を介
して、ワンウェイクラッチの解除レバー38に連動可能に
連結されている(図1(A)参照)。
【0030】図3に示すように、たとえば、平面略く字
形状の回動アーム50が、フレーム33の上下間等での、そ
の基部に設けられた枢軸52の架設、枢支によって、アー
ムレスト14の先端部に回動自在に内設され、この回動ア
ームの一端50aに、プッシュボタン(操作片)46が、連
結ピン54を介して回動自在に連結されている。そして、
図3に加えて図1(A)を見るとわかるように、この回
動アーム50の他端50bと、ワンウェイクラッチの解除レ
バー38とを、ケーブルワイヤ(連動手段)48で連結する
ことによって、プッシュボタン46の押圧による解除レバ
ーの解除操作、つまりワンウェイクラッチ12の一方向ロ
ックの解除を可能に、この可動式アームレスト構造10は
構成されている。
【0031】なお、図3においてはその記載を省略して
いるが、プッシュボタン46は、たとえばねじりばね等か
らなるリターンばねの偏倚力のもとで、その突出位置、
つまりは初期位置方向に偏倚、保持されている。つま
り、このリターンばねの偏倚力に抗した押圧操作のもと
で、ワンウェイクラッチ12に対するロック解除操作が可
能となっている。
【0032】たとえば、プッシュボタン46を押圧する
と、回動アーム50の回動に伴って、解除レバー38がロッ
クばね42の偏倚力に抗して回動される。すると、図4に
示すように、解除ピン40、および一連の係合子26が、図
中反時計方向への一体的な移動のもとで楔着斜面34から
離反されるため、この解除ピン、および一連の係合子に
よるくさび効果はなくなり、内輪20に対する外輪22の回
動規制は解除される。つまり、このロック解除状態にお
いては、内輪20に対する外輪22の回動がフリーとなるこ
とから、上下のいずれの方向へも、アームレスト14を回
動させることができる。
【0033】そして、シートバック18に対するアームレ
スト14の任意の角度でプッシュボタン46への押力を解除
すれば、解除ピン40、および一連の係合子26をロックば
ね42の偏倚力のもとで楔着斜面34と内輪20の周面との間
に押し込む一方向ロックが機能し、これによって、下方
へのアームレストの回動は規制されるため、任意の支持
角度へのアームレストの調整、設定が可能となる。
【0034】上記のように、この発明の可動式アームレ
スト構造10においては、係合子式のワンウェイクラッチ
12を用いている。そして、このワンウェイクラッチ12
は、一対の内輪20、外輪22間の環状空間24内に、ローラ
からなる一連の係合子26を内設することにより形成でき
るため、アームレスト14の横幅方向に一致するその厚み
が確実に抑制される。
【0035】従って、係合子式のワンウェイクラッチ12
を用いたこの可動式アームレスト構造10によれば、アー
ムレスト14の横幅が確実に抑えられることから、アーム
レスト自体の小型化が十分にはかられる。
【0036】そして、ワンウェイクラッチ12に用いられ
るロックばね42は、解除ピン40、および一連の係合子26
を楔着斜面34方向に偏倚可能な程度の偏倚力を持てば足
りる。つまり、ロックばね42の偏倚力に抗した、解除レ
バー38に対するロック解除操作に、さほどの力は要しな
いため、プッシュボタン46を介した解除レバーに対する
ロック解除操作力は小さくて済み、よって、その操作性
が確実に向上する。
【0037】更に、解除レバー38に対するロック解除操
作力の軽減を目的とした軽減機構等を設けることなく、
プッシュボタンの回動アーム50と解除レバーとを、ケー
ブルワイヤ48によって連動可能に連結すれば足りるた
め、その構成の複雑化等を招くことなく、操作性の向上
が得られる。従って、操作性の向上ばかりでなく、コス
トの低減等も確実にはかられる。
【0038】また、この発明のワンウェイクラッチ12に
よれば、一連の係合子26に係合ピン40を混在させている
にすぎないため、ワンウェイクラッチとしての機能を損
なうことがない。従って、一方向ロックを解除可能とす
る構成が、その複雑化等を招くことなく容易に確保可能
となる。
【0039】ここで、シートバック18に対するアームレ
スト14の回動範囲を、たとえばワンウェイクラッチ12に
おいて規定可能とすることが好ましい。図1(A)、お
よび図2に示すように、この実施の形態においては、た
とえば、内輪20に固定的に設けた係合ピン56を、外輪22
のカバープレート30,32に設けた、支軸16を中心とした
円弧状のガイド孔58に対し、その端末への係合を可能に
遊挿することによって、内輪に対する外輪の回動範囲の
規定、つまりはシートバック18に対するアームレスト14
の回動範囲の規定を行っている。
【0040】この構成によれば、その回動規定に要する
部材の小型化が十分に可能となることから、この点から
も、アームレスト14の小型化が十分にはかられる。
【0041】なお、ここでは、係合ピン56を内輪20に、
また、ガイド孔58を外輪のカバープレート30,32に、そ
れぞれ設けているが、これとは逆に、係合ピンを外輪の
カバープレートに、また、ガイド孔を内輪に、それぞれ
設ける構成としてもよい。
【0042】また、この実施の形態においては、ワンウ
ェイクラッチの係合子26をローラとして具体化している
が、環状空間24のポケット34内を転動可能であれば足り
るため、これに限定されず、たとえばボールを、係合子
として利用してもよい。
【0043】更に、解除レバー38に連結される操作片と
して、プッシュボタン46を例示している。しかし、操作
片は、解除レバー38に対するロック解除操作を行えるも
のであれば足りるため、プッシュボタン46に限定され
ず、たとえば、レバー等を、この操作片として利用して
もよい。
【0044】また、この実施の形態においては、ワンウ
ェイクラッチの内輪20をシートバック18に、また、その
外輪22をアームレスト14に、それぞれ固定的に配してい
るが、これに限定されず、たとえば、これとは逆に、内
輪をアームレストに、また、外輪をシートバックに、そ
れぞれ配する構成としてもよい。
【0045】上述した実施の形態は、この発明を説明す
るためのものであり、この発明を何等限定するものでな
く、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたも
のも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0046】
【発明の効果】上記のように、この発明に係る可動式ア
ームレスト構造によれば、その厚みの抑制された係合子
式のワンウェイクラッチを用いていることから、アーム
レストの横幅が確実に抑えられる。従って、アームレス
ト自体の小型化が十分にはかられる。
【0047】そして、ワンウェイクラッチに用いられる
ロックばねは、解除ピン、および一連の係合子を楔着斜
面方向に偏倚可能な程度の偏倚力を持てば足りるため、
ロック解除操作力は小さくて済む。従って、その操作性
が確実に向上する。
【0048】更に、操作片をプッシュボタンとし、解除
レバーに連動手段を介してこれらを連動可能に連結すれ
ば、その構成の簡素化が確実にはかられる。従って、操
作性の向上ばかりでなく、そのコストの低減等も確実に
はかられる。
【0049】また、支軸を中心とした円弧状のガイド孔
を内輪、外輪のいずれか一方に、また、このガイド孔に
遊挿可能な係合ピンをその他方に、それぞれ設けること
により、シートバックに対するアームレストの回動範囲
を規定可能とすれば、その回動規定に要する部材の小型
化が十分に可能となることから、この点からも、アーム
レストの小型化が十分にはかられる。
【0050】そして、この発明のワンウェイクラッチに
よれば、一連の係合子に係合ピンを混在させているにす
ぎないため、ワンウェイクラッチとしての機能を損なう
ことはない。従って、一方向ロックを解除可能とする構
成が、その複雑化等を招くことなく容易に確保可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】一方向ロックのロック状態における、この発明
に係るシートの可動式アームレスト構造、およびワンウ
ェイクラッチの、一部破断の概略正面図、およびその部
分拡大図である。
【図2】ワンウェイクラッチの概略分解斜視図である。
【図3】シートの可動式アームレスト構造の部分的な概
略斜視図である。
【図4】一方向ロックのロック解除状態における、シー
トの可動式アームレスト構造、およびワンウェイクラッ
チの、一部破断の概略正面図、およびその部分拡大図で
ある。
【符号の説明】
10 シートの可動式アームレスト構造 12 ワンウェイクラッチ 14 アームレスト 16 支軸 18 シートバック 20 内輪 22 外輪 24 環状空間 26 係合子 34 楔着斜面 38 解除レバー 40 解除ピン 42 ロックばね 46 プッシュボタン(操作片) 48 ケーブルワイヤ(連動手段) 56 係合ピン 58 ガイド孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アームレストの回動中心となる支軸に、
    一方向への回動規制のなされたワンウェイクラッチを備
    え、このワンウェイクラッチの一方向ロックによるその
    下方への回動規制、およびこの一方向ロックに対するロ
    ック解除により、シートバックに対するアームレストの
    支持角度を任意に調整、設定可能としたシートの可動式
    アームレスト構造において、 一方をシートバックに、またその他方をアームレストに
    それぞれ固定してなる一対の内輪、外輪間に環状空間を
    規定し、この環状空間内に、一連の係合子を数珠状に連
    設するとともに、環状空間を半径方向に狭める楔着斜面
    を、単一方向への傾斜面として、この各係合子を転動可
    能に収容するポケット毎にそれぞれ設けることにより、
    内輪、外輪の一方に対する他方の、対応する一方向への
    回動を規制する上記ワンウェイクラッチが形成され、 前記一連の係合子のいずれか一つを、解除レバーに突設
    された解除ピンとし、ロックばねからこの解除レバーに
    付与された偏倚力による、楔着斜面に対する解除ピン、
    および一連の係合子の押し込みにより、ワンウェイクラ
    ッチの一方向ロックを得るとともに、 アームレストの外部に露出配置された操作片を、解除レ
    バーに連動可能に連結し、ロックばねの偏倚力に抗した
    解除レバーの解除動作をこの操作片の操作のもとで得る
    ことにより、楔着斜面に対する解除ピン、および一連の
    係合子の押力を解除し、これによって、ワンウェイクラ
    ッチの一方向ロックをロック解除可能としたことを特徴
    とするシートの可動式アームレスト構造。
  2. 【請求項2】 平面略く字形状の回動アームが、アーム
    レストの先端部に回動自在に内設されるとともに、操作
    片が、この回動アームの一端への枢着のもとでその押圧
    操作を可能に形成されたプッシュボタンとしてなり、 このプッシュボタンをアームレストの先端側面部に、そ
    の外部から押圧操作を可能に露出配置するとともに、回
    動アームの他端とワンウェイクラッチの解除レバーと
    を、連動手段を介して連動可能に連結することにより、
    ワンウェイクラッチの一方向ロックを、このプッシュボ
    タンの押圧操作のもとでロック解除可能とした請求項1
    記載のシートの可動式アームレスト構造。
  3. 【請求項3】 支軸を中心とした円弧状のガイド孔を内
    輪、外輪のいずれか一方に、また、このガイド孔に遊挿
    可能な係合ピンをその他方に、それぞれ設け、このガイ
    ド孔端末への係合ピンの係合により、シートバックに対
    するアームレストの回動範囲を規定可能とした請求項1
    または2記載のシートの可動式アームレスト構造。
  4. 【請求項4】 一対の内輪、外輪間に環状空間を規定
    し、この環状空間内に、一連の係合子を数珠状に連設す
    るとともに、環状空間を半径方向に狭める楔着斜面を、
    単一方向への傾斜面として、この各係合子を転動可能に
    収容するポケット毎にそれぞれ設けることにより、内
    輪、外輪の一方に対する他方の、対応する一方向への回
    動を規制可能とし、 前記一連の係合子のいずれか一つを、解除レバーに突設
    された解除ピンとし、ロックばねからこの解除レバーに
    付与された偏倚力による、楔着斜面に対する解除ピン、
    および一連の係合子の押し込みにより、その一方向ロッ
    クを得るとともに、ロックばねの偏倚力に抗した解除レ
    バーの解除動作のもとで、楔着斜面に対する解除ピン、
    および一連の係合子の押力を解除することにより、その
    一方向ロックをロック解除可能としたワンウェイクラッ
    チ。
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