JP2002191381A - イヌ接着分子オクルディン - Google Patents
イヌ接着分子オクルディンInfo
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Abstract
ク質であるオクルディンの哺乳動物相同体の全構造を提
供する。 【解決手段】 神経アポトシス阻止タンパク質遺伝子の
周囲にみられる配列に基づいて、PCRを実施しイヌの
オクルディン遺伝子を解析した。さらに抗体を作成し免
疫蛍光細胞染色によりTJの構成タンパク質であること
を確認した。
Description
ンクション(tight junction、以下「TJ」と記す)の膜
タンパク質オクルディンのアミノ酸配列およびそれをコ
ードするDNAに関する。
動物において、隣接する細胞との接着の情報は、細胞の
増殖、分化、炎症、癌転移などの生命現象の調節、維持
に深く関係している。接着に関与している細胞間接着分
子は細胞表面で集合して、接着のための特殊に分化した
膜領域をつくることが多い。とくに、上皮細胞におい
て、カドヘリンなどの細胞間接着分子は、その細胞質ド
メインで細胞骨格と強く結合していることが知られてい
る。このような膜領域は、細胞間接着装置と呼ばれ、主
として次の4つに分類されている。gap junction(G
J)、adherens junction(AJ)、desmosome およびtigh
tjunction(TJ)である。
定されたものであるが、構成タンパク質の解明研究によ
り、その生理学的病理学的意義の重要性が大きな注目の
的となっている。いわゆる接着分子と呼ばれるタンパク
質がこれら接着装置中に特異的に存在し、AJの接着分子
はカドヘリンであり現在までN−カドヘリン、P−カドヘ
リンなどいく種類ものカドヘリンが同定されている(Ta
keichi, M. et al.,Science, 251, 1451-1455, 199
1)。desmosome の接着分子としてはデスモグレン、デ
スモコリンであり、最近の研究により、その構造がカド
ヘリンに類似していることが判明した(Buxton, R. S.
et al., J. Cell Biol., 121, 481-484, 1993)。GJの接
着分子はコネキシンと呼ばれ、4個所の細胞膜貫通部位
を保有し、N末端C末端とも膜の細胞質側に出ていること
がわかっている。
接着装置で、そこでは隣り合う細胞の細胞膜が完全に密
着してみえる。TJは個々の細胞の周囲を取り巻いてい
て、細胞層をはさんだ管腔側と基底膜側との間の水溶性
分子の透過を遮る、あるいは調節するバリアとして機能
している。また、細胞膜をapical側とbasolateral 側に
仕切るフェンスとして働き、イオンチャンネル、ポンプ
などの膜タンパク質や、脂質の細胞膜上での極性をもっ
た分布を維持しているともいわれている(Schneeberge
r, E.E. et al.,Am. J. Physiol., 262,L647-L661, 199
2)。これらの機能により、細胞層をはさんだ両側で異
なる溶液組成からなる環境がつくられ、その細胞層の極
性が保たれるのであり、TJは多細胞生物においてきわめ
て基本的な重要な構造の1つといえる。
接着装置に比べて遅れており、これまでTJの接着分子そ
のものが同定されていなかったために、TJに関する分子
生物学的研究を進めるうえで大きな障害となっていた。
立し、この分離したAJからラディキシン、ZO−1など多
くのタンパク質を同定してきた(Tsukita, Sh. et al.,
Curr. Opin. Cell Biol., 4, 834-839, 1992)。ZO−1
に関する研究およびAJとTJの組織学的知見から、AJ中の
タンパク質はTJのタンパク質も含んでいることが予想さ
れた。そこで、ニワトリ(chic)肝臓よりAJを分離し、
このAJを抗原とするモノクローナル抗体を作製しTJと特
異的に反応する抗体を用いて、TJ構成タンパク質の構造
解析を行った。その結果、公知のタンパク質と類似しな
い新規構成タンパク質の構造解析に成功し、オクルディ
ンと命名した(Furuse, M. et al., J.Cell Biol., 12
3, 1777-1788, 1993) 。
ノ酸からなる56KDaのタンパク質で、最大の特徴はN末端
部半分に4ヶ所の膜貫通領域を有し、N末端とC末端を細
胞質に向け、細胞外に2つのループを持つタンパク質で
ある。
レベルおよび生体全体レベルにおいてTJ生理機能の解析
に重要な因子であることが推察され、非常に大きな注目
を集めた。
かけ離れた種の起源であることから、それ以上全く研究
は進展せず、TJの生理機構の解明および医学的解析のた
めにはヒト等の哺乳動物由来オクルディンの構造解析が
待望された。この目的のためにこの分野において世界的
な競争が行われていたにも拘わらず、未だヒト等の哺乳
動物オクルディンの解明は成功していない。
クルディンのアミノ酸配列およびそれをコードするDNA
を提供することにある。
poptosis inhibitory protein (NAIP)の遺伝子を報告
したが、その中でNAIP遺伝子の欠失体において、ニワト
リオクルディンのC末端部と類似の塩基配列を保有する
DNA断片が存在することを報告した(Roy, N.etal.,Cel
l,80,167-178,1995)。そこで本発明者は、この配列が
実際にオクルディンのヒト相同体の一部をコードしてい
るか否かを決定するために、ニワトリオクルディンとの
類似塩基配列からプライマーを選択し、ヒト腸管上皮T8
4細胞株のcDNAライブラリーをPCRの鋳型として鋭意スク
リーニングした結果、ヒトオクルディンの全構造解析に
成功した。さらにイヌのオクルディン解析も完成させ、
抗オクルディンモノクロナール抗体を作成し、組織染色
により、TJの膜貫通型タンパク質であることを確認し
た。
列、それをコードするDNA、抗オクルディン抗体および
それらを利用する遺伝子解析法に関するものであって、 1)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するイヌオクル
ディンをコードする、配列番号2に記載のDNA、 2)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有する、イヌオク
ルディン、 3)イヌオクルディンのアミノ酸配列のうち1若しくは数
個のアミノ酸が、付加、欠失若しくは置換されたアミノ
酸配列を有するオクルディン改変体、及びこれら改変体
をコードするDNA、 4)イヌオクルディンおよびそれらの改変体をコードする
DNAのいずれかを含有するベクター、 5)前記ベクターを保持する形質転換体、 6)前記の形質転換体を培養し、発現産物を回収すること
を含む、オクルディンタンパク質の製造方法、 7)配列番号2に記載の塩基配列の全部または一部を含む
ものからなるDNAプローブ、 8)配列番号2に記載の塩基配列の一部を含むものからな
るDNAプライマー、 9)イヌオクルディンタンパク質と特異的に結合するポリ
クロナール抗体またはモノクロナール抗体、 10)抗オクルディン抗体を用いることを特徴とする生体
資料中のオクルディンの測定方法および測定試薬、 11)上記DNAプライマー又はDNAプローブを用いることを
特徴とする生体試料中のオクルディン遺伝子の解析方
法、 12)オクルディンを発現している細胞と被検物質を共存
させた後、該細胞のオクルディン遺伝子の発現量をDNA
プライマー又はDNAプローブを用いて解析することを特
徴とする、オクルディンの発現に影響を与える薬物のス
クリーニング方法、 13)オクルディンDNAをノックアウトした実験動物、に関
する。
相同体の同定に成功したことにより、TJの構成や機能を
構造的に且つ機能的に分子レベルで試験することができ
る。種々のタイプの培養したイヌ(MDCK)細胞を使用し
て、オクルディン遺伝子発現を調節するかまたはアンチ
センスプローブ若しくは抗体でオクルディンの機能を阻
害することによって、TJのバリヤーおよびフェンス機能
並びにこれに関与する調節メカニズムを実験的に分析す
ることができる。例えば、オクルディンcDNAの過剰発現
によって、フリーズフラクチャーレプリカに見られるTJ
ストランド数が増加し、バリヤー機能が付随的に向上す
るかどうかを今や決定することができる。さらに本発明
により、TJの機能に影響を及ぼす薬物の簡便なスクリー
ニング法の樹立を可能にした。例えば、オクルディンを
発現している種種の細胞を用い、検体と反応させた後、
細胞のオクルディン遺伝子又はオクルディンタンパク質
の発現量を測定することにより、TJの機能に影響を及ぼ
す薬物をスクリーニングすることができる。遺伝子の解
析は、DNAプローブ又はプライマーなどを用いて行うこ
とができる。例えば、検体試料から常法によりRNAまた
はDNAを抽出し、必要に応じて前処理後、メンブレンま
たはゲル上で電気泳動を行った後、ラベルしたDNAプロ
ーブとハイブリダイズさせるノザンブロット法又はサザ
ンブロット法、ゲノムDNAやcDNAを鋳型として、適切な
位置に相当する約20塩基程度のプライマーを用いて目的
DNAを増幅させるPCR法など公知の方法で行うことができ
る。オクルディンタンパク質は、例えば抗体を用いて定
量することができる。
ルディン遺伝子ノックアウトマウスを作成することによ
って、TJ形成が種々の器官の形態形成にどのように関与
しているのか、そしてTJの機能不全が炎症や腫瘍転移の
ような種々の病理学的状態に関係があるのかどうかを知
ることが可能となる。TJ機能、特にそのバリヤー機能の
調節の可能性も医薬品の透過性に関連して興味がある。
かくして、脳上皮細胞中でのオクルディン合成の上方ま
たは下方調節によって血液−脳関門を調節することが可
能であろう。腸からの医薬品吸収を調節するためには腸
上皮細胞内でのTJ機能の調節が必要である。このよう
に、TJの機能を調節する薬物をスクリーニングして効果
を有する物質を投与することにより、医薬品の吸収調
節、特に脳内への移行を調節することが可能となる。こ
のように本発明は、血液−脳関門を中心とする生理的機
構の解明、病態の解析、診断、治療に大きく期待され
る。
またはプローブとして用いることにより、オクルディン
タンパク質の遺伝子解析や遺伝子の発現の解析に利用す
ることができる。一部とは、プライマーまたはプローブ
として使用するオリゴヌクレオチドが本発明のDNA配列
をもとに少なくとも10個の対応する塩基配列を含むもの
からなり、好ましくは少なくとも15個の塩基配列、さら
に好ましくは約20〜30個の塩基配列を含むものからなる
対応するポリヌクレオチドを意味する。またプローブと
しては、さらに高分子のもの、全DNAも使用することが
できる。
として、アンチセンスDNA又はアンチセンスRNAを用いる
方法がある。DNA複製、転写、翻訳などの遺伝子発現の
各段階において、遺伝子の情報が読みとられなくして発
現の流れを遮断する方法であって、この遮断に核酸ある
いはそのアナログを用いる方法がアンチセンス法である
(Wickstrome, E., ed., Prospects for Antisense Nuc
leic Acid TheraphyofCancer and AIDs.Wiley-Liss, Ne
w York, 1991)。本発明のオクルディンDNAを解明した
ことにより、アンチセンス法によりオクルディンの機能
を抑制させる手段を可能とした。DNAオリゴマーの長さ
は二重鎖形成能、膜透過性、塩基配列特異性が関係し、
少なくとも6個、好ましくは少なくとも10 mer,通常15
から30 merを用いることができる。配列は本発明DNA配
列に基づいて適宜選択し、実験確認することができる。
通常、オリゴマーの安定性を増すために、リン酸基、糖
部分、3', 5'末端に化学修飾を施させる(Cook, P.D.,
Anticancer Drig Des., 5,585, 1991)。代表的アナロ
グはヌクレオシド間のホスホジエステル基の酸素原子の
一つを硫黄原子に置換したオリゴホスホロサイオエー
ト、メチル基に置換したオリゴメチルホスホネートであ
って、いずれもヌクレアーゼに対してきわめて安定とな
る。その他ハイブリッド二重鎖の安定性を増すためにア
クリジンやポリリジンを結合させたオリゴマー、N-メ
チルチミジレートを含むオリゴマーなどが用いられる。
これらオリゴマーは公知の化学合成法により合成するこ
とができる。また、本発明DNAから導かれるアンチセン
スRNAも利用できる。
たは一部(部分)をエピトープとして用い、抗体の作
成、およびその抗体を用いる研究用、診断用試薬として
利用することができる。エピトープとは、ポリペプチド
の抗原決定基を意味し、一般に少なくとも6個のアミノ
酸で構成され、6個のアミノ酸で構成されるポリペプチ
ドが抗体と結合することは公知である(公表特許公報60
-500684 号)。本タンパク質の抗原ペプチドは、本発明
のアミノ酸配列に基づいて、連続してなる少なくとも6
個のアミノ酸、好ましくは連続してなる少なくとも8個
のアミノ酸、より好ましくは連続してなる少なくとも約
15個のアミノ酸、さらに好ましくは連続してなる少なく
とも約20個のアミノ酸からなるポリペプチドを意味す
る。本発明のオクルディンはそのアミノ酸配列から、ニ
ワトリオクルディンと同様にN末端部半分に4カ所の膜
貫通領域を有し、N末端とC末端を細胞質に向け、細胞外
に2つのループを持つタンパク質である。ヒトオクルデ
ィンの場合、アミノ酸89〜135位および196〜243位部分
が細胞外に位置すると予想されることから、抗原部位を
目的に応じて選択することにより、各種の抗体を作成す
ることができ、それらを使い分けることによりTJの機能
解明手段、抗体によるTJ機能抑制手段として利用するこ
とができる。また、部分ペプチドは、部分ペプチドと結
合性を有する化合物のスクリーニング手段として利用す
ることも可能である。
いて、1若しくは数個のアミノ酸が、付加、欠失若しく
は置換されたアミノ酸配列を有するタンパク質も本発明
に含まれる。 (1) cDNAライブラリーの作製およびオクルディンの構
造解析 RNAの調製は、ヒトまたは動物の細胞(株)を原料とし
て、例えばグアニジンチオシアネート、界面活性剤、キ
レート剤および還元剤の混合溶液にて抽出を行った後、
フェノール抽出、有機溶媒分画(Chamezynski et al.,
Anal, Biochem., 162, 156, 1987)、次いで密度勾配超
遠心操作により行うことができる。得られた RNAを鋳型
として用い、ランダムプライマー、逆転写酵素、DNA ポ
リメラーゼ等を用いるcDNA合成法(Gubler, U. et al.,
Gene, 25, 263, 1983)などの常法により、2本鎖 DNA
を調製し、得られた2本鎖 DNAを、常法に従い、バクテ
リオファージ、例えばλzap 、λgtllなどに組み込みcD
NAライブラリーを作製することができる。また市販のcD
NAライブラリーを使用することも可能である。
クルディンC末端部と類似した塩基配列をもとに適切に
プライマー部位を選択し、常法の PCR法により DNAを増
幅させ、サブクローニングすることにより、オクルディ
ンDNA 由来と予想されるDNA断片を得ることができる。
次いで、この断片をプローブとしてcDNAライブラリーを
スクリーニングし、単離したクローンの塩基配列を解析
することによりオクルディン全長cDNAを得ることができ
る。塩基配列の構造は、マキサム・ギルバート法(Maxa
m, A. M. and Gilbert, W., Proc. Natl. Acad. Sci. U
SA, 74, 560, 1977) あるいはジデオキシ法(Sanger,
F., Proc. Natl. Acad. Sci.USA, 74, 5463, 1977)に
よって決められる。その塩基配列をもとにアミノ酸配列
が演繹される。これら遺伝子の操作は通常行われる公知
の方法により実施することができ、例えばMolecular Cl
oning. A Laboratory Manual., T.Manitisら編集(198
9),Cold Spring Harbor Laboratoryに記載の方法に準
じて行うことができる。 (2) 抗体の調製 本発明のモノクローナル抗体の調製はイヌのオクルディ
ンを抗原とし、必要に応じてキャリアー蛋白との複合体
を作り、これを動物に接種して免疫する。上記免疫動物
の脾臓あるいはリンパ節から得られた抗体産生細胞を骨
髄腫細胞と融合し、オクルディンに強い特異性を示す抗
体を産生するハイブリドーマを選択することにより調製
される。その操作は従来既知の方法に準ずればよい。
手法あるいは化学合成手法による生産品などいずれも使
用できる。遺伝子組換手法によるオクルディンの調製
は、オクルディンをコードするcDNAをオクルディン
の発現に適したベクターのプロモター下流に制限酵素と
DNAリガーゼを用いる公知の方法により再結合して組
換え発現ベクターを作製することでできる。ベクターは
宿主内で複製、増幅可能であれば特に限定されない。プ
ロモーターおよびターミネーターに関してもオクルディ
ンをコードする塩基配列の発現に用いられる宿主に対応
したものであれば特に限定されず、宿主に応じて適切な
組み合わせも可能である。このようにして得られた組換
え発現ベクターはコンピテント細胞法(J. Mol. Biol.,
53, 154,1970)、リン酸カルシウム法(Science, 221,
551, 1983 )などにより宿主に導入し、形質転換体が
作製される。宿主としては大腸菌および動物細胞などが
用いられ、得られた形質転換体はその宿主に応じた適切
な培地中で培養される。培養は通常20℃〜45℃、pH5〜
8の範囲で行われ、必要に応じて通気、攪拌が行われ
る。培養物からのオクルディンの分離、精製は公知の分
離、精製法を適宜組み合わせて実施すれば良い。これら
の公知の方法としては塩析、溶媒沈殿法、透析ゲル炉過
法、電気泳動法、イオン交換クロマトグラフィー、アフ
ィニティクロマトグラフィー、逆相高速液体クロマトグ
ラフィーなどが挙げられる。
いることが好ましいが、部分構造を有するフラグメント
あるいはペプチドであってもよく、オクルディンの全ア
ミノ酸配列から適宜選択することができる。フラグメン
トあるいはペプチドの調製は化学合成法、上記遺伝子組
換法あるいは天然物の分解の方法などが用いられる。
の縮合剤を用いることができるが、グルタルアルデヒ
ド、カルボジイミド、マレイミド活性エステル等が使用
できる。キャリア蛋白は牛血清アルブミン、サイログロ
ブリン、ヘモシアニン等の常用されているものでよく、
通常1〜5倍量の割合でカップリングさせる方法が用いら
れる。
ウサギ、モルモットなどがあげられ、接種方法は皮下、
筋肉あるいは腹腔内に投与される。投与に際しては完全
フロイントアジュバンドや不完全フロイントアジュバン
ドと混和して投与してもよく、投与は通常2〜5週毎に1
回ずつ行われる。免疫された動物の脾臓あるいはリンパ
節から得られた抗体産生細胞は骨髄腫細胞と細胞融合さ
せられハイブリドーマとして単離される。骨髄腫細胞と
してはマウス、ラット、ヒト等由来のものが使用され、
抗体産生細胞と同種由来のものであることが好ましい
が、異種間においても可能な場合もある。
ーラーとミルスタインの方法(Nature, 256, 495, 197
5)に従い実施できる。融合促進剤としてはポリエチレ
ングリコールやセンダイウイルスなどが挙げられるが、
通常20〜50%程度の濃度のポリエチレングリコール(平
均分子量1000〜4000)を用いて20〜40℃、好ましくは30
〜37℃の温度下、抗体産生細胞数と骨髄腫細胞数の比は
通常1:1〜10:1程度、約1〜10分間程度反応させることに
より細胞融合を実施することができる。
スクリーニングには種々の免疫化学的方法が使用でき
る。たとえば、オクルディンをコートしたマイクロプレ
ートを用いるELISA(Enzyme-linked immunosorben
t assay )法、抗免疫グロブリン抗体をコートしたマイ
クロプレートを用いるEIA(Enzyme immunoassay)
法、オクルディンを含むサンプルを電気泳動後ニトロセ
ルロース転写膜を用いるウエスタンブロット法などがあ
げられる。
法によってクローニングを行いクローンを得る。ハイブ
リドーマの選別、育種は通常HAT(ヒポキサンチン、ア
ミノプテリン、チミジン)を添加して、10〜20%牛胎児
血清を含む動物細胞用培地(例、RPMI 1640)で行われ
る。このようにして得られたクローンはあらかじめブリ
スタンを投与したBALB/Cマウスの腹腔内へ移植し、10〜
14日後にモノクローナル抗体を高濃度に含む腹水を採取
し、抗体精製の原料とすることができる。また、該クロ
ーンを培養し、その培養物を抗体精製の原料とすること
もできる。モノクローナル抗体の回収は免疫グロブリン
の精製法として既知の方法を用いればよく、たとえば、
硫安分画法、PEG分画法、エタノール分画法、陰イオン
交換体の利用、さらにアフィニティクロマトグラフィー
などの手段により容易に達成することができる。
ノクローナル抗体を用いる免疫学的方法により生体試料
中のオクルディンの定性、定量を行うことができる。免
疫学的方法としては、生体試料を必要に応じて適切に処
理、たとえば細胞の分離、抽出操作などした試料につい
て、免疫組織染色法、酵素免疫測定法、凝集法、競合
法、サンドイッチ法など既知の方法を適用することがで
きる。免疫組織染色法は、例えば標識化抗体を用いる直
接法、該抗体に対する抗体の標識化されたものを用いる
間接法などにより行ないうる。標識化剤としては螢光物
質、放射性物質、酵素、金属、色素など公知の標識物質
はいずれも使用できる。
はFc領域を除去したFab'あるいはFab画分、あるいはそ
の重合体を用いてもよい。またそのキメラ抗体、ヒト化
抗体、ヒト抗体であってもよい。
的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。
ディンC末端部と類似している塩基配列をもとに、配列
番号5および6に記載のオリゴヌクレオチドをプライマ
ーとして用い、PCRを実施した。λgt11 cDNA ライブラ
リーはヒト腸管上皮細胞下部T84を原料としてpoly(A)+R
NA を精製し、TimeSaver cDNA synthesis kit(商品
名、ファルマシア LKBバイオテクノロジ−社製)および
GIGAPACK IIPackaging Extract (ストラテジ−ン社)
を用いて作製した。このライブラリーをPCRの鋳型とし
て上記二つのプライマーを用いてPCRを実施した結果、3
63bpcDNA断片が得られた。
名、ベ−リンガ−マンハイム社製)を用いて DIGラベル
した後、これをプローブとして同ライブラリーをスクリ
ーニングした。その結果、3個のcDNAクローンを単離
し、これらのインサ−ト部位を切り出し、pBluescript
SK(-) にサブクロ−ニングした。このうち、phOc6とph
Oc16 のクローンが全ORFを含むと予想されたので、こ
の二つのクローン両鎖の塩基配列を解析した結果、ヒト
オクルディン全構造をコ−ドする塩基配列であることを
確認した。塩基配列は7-deaza Sequenase Version Deox
y Terminator CycleSequencing Kit(商品名、アプライ
ドバイオシステム社製)を用いて決定した。配列番号4
に塩基配列を、それから演繹されるアミノ酸配列を配列
番号3に示した。
sherichia Coli JM 109は1996年3月15日、受託番号 FER
M BP-5477として通商産業省工業技術院生命工学工業技
術研究所(あて名:日本国茨城県つくば市東1丁目1番3
号(郵便番号305))に寄託された。
り、イヌ腎細胞(MDCK)から作製した、λgt11 cDNA ライ
ブラリーを用いて決定した。イヌオクルディンの塩基配
列およびアミノ酸配列は、配列番号2および1に示し
た。
ンの発現 脳血管内皮細胞は、末梢血管内皮細胞と異なり、高電気
抵抗TJを有しており、高電気抵抗TJは脳−血液関門を
形成していると考えられていることから、高電気抵抗TJ
を有する培養豚脳血管内皮細胞(PBEC)と低電気抵抗TJ
を有する培養豚大動脈内皮細胞(PAEC)のオクルディン
の分布、発現を検討した。
ィンDNA配列(配列番号4)の1359-1391位センス鎖(配
列番号5)および1692-1721位アンチセンス鎖(配列番
号6)をプライマーとしてPCR法により増幅し363塩基断
片を調製した。該断片の塩基配列の解析に基づく、その
コードするアミノ酸配列はヒト及びイヌオクルディンの
アミノ酸配列と高い相同性を示し、豚オクルディンのcD
NAであることを確認した。32Pラベルした該断片をプロ
ーブとして使用した。
ト(ストラタジーン社(Stratagene)製)を使用し、ア
ガロースゲル電気泳動後ニトロセルロース膜に転写し、
高ストリンジェント条件下でプローブとハイブリダイズ
させた。その結果、オクルディンmRNAはPBECにおいて訳
2.4kbに強いバンドが認められたが、PAECにおいては、
同位置に非常に弱いバンドしか認められなかった。
するモノクローナル抗体として抗マウスオクルディン抗
体を、及びTJ関連蛋白質ZO−1にたいする抗体を用いオ
クルディンの発現を比較した。
スオクルディンとグルタチオン−S−トランスフェラー
ゼ融合蛋白質を抗原として作製し、該抗体の検出はFITC
標識羊抗ラットIgG抗体を用いた。培養細胞の破砕抽出
物の同一蛋白質量を一次元ゲル電気泳動後、イムノプロ
ット法で検出したところ、PBECにおいては約58KDの位置
に強く検出されたが、PAECにおいては、それに比較して
かなり弱く検出された。
差は認めなかった。免疫染色ではイムノブロットと同様
にPBECではオクルディンは高度に発現し、細胞間に連続
性にZO−1と同一の局在を示した。一方、PAECではまた
オクルディンの検出は困難であり、ZO−1は細胞間に不
連続に局在した。これらの結果はPBECにおけるオクルデ
ィンの相対的に高度な発現は高電気抵抗TJの形成に必要
であることが示唆され、オクルディンがTJ構成蛋白質で
あることを立証したものである。
Claims (12)
- 【請求項1】 配列番号1に記載のアミノ酸配列を有す
るイヌオクルディンタンパク質をコードする、配列番号
2に記載のDNA。 - 【請求項2】 請求項1に記載のDNAを含有するベク
ター。 - 【請求項3】 請求項2に記載のベクターを保持する形
質転換体。 - 【請求項4】 配列番号1に記載のアミノ酸配列を有す
るイヌオクルディンタンパク質。 - 【請求項5】 請求項3に記載の形質転換体を培養し、
発現産物を回収することを含む、請求項4に記載のタン
パク質の製造方法。 - 【請求項6】 配列番号2に記載の塩基配列の全部また
は一部を含むものからなる、イヌオクルディンタンパク
質をコードするDNAプローブ。 - 【請求項7】 配列番号2に記載の塩基配列の一部を含
むものからなる、イヌオクルディンタンパク質をコード
するDNAプライマー。 - 【請求項8】 請求項4に記載のタンパク質と特異的に
結合するポリクロナール抗体またはモノクロナール抗
体。 - 【請求項9】 請求項7に記載のDNAプライマーを用
いることを特徴とする生体試料中の請求項1に記載のD
NA遺伝子の解析方法。 - 【請求項10】 請求項6に記載のDNAプローブを用
いることを特徴とする生体試料中の請求項1に記載のD
NA遺伝子の解析方法。 - 【請求項11】 オクルディンを発現している細胞と被
検物質を共存させた後、該細胞のオクルディン遺伝子の
発現量を、請求項9又は10の方法により解析すること
を特徴とする、オクルディンの発現に影響を与える薬物
のスクリーニング方法 - 【請求項12】 請求項8に記載の抗体を含むことを特
徴とする、生体試料中のオクルディン測定試薬。
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