JP2002189199A - 偏光性成形体および同品の製造方法 - Google Patents
偏光性成形体および同品の製造方法Info
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Abstract
体、例えば衝撃に強くて、かつ防眩性能高いゴーグル、
サングラス、眼鏡類を得る。 【解決手段】 2枚の保護シート層の間に偏光子シート
層を挟持した偏光板を含む積層構造の偏光性成形体であ
って、保護シート層1層とポリウレタンシート層または
ポリアミドシート層とが接着剤または粘着剤で接合さ
れ、さらにポリウレタンシート層またはポリアミドシー
ト層と熱成形樹脂層とが熱接着されている。本発明の他
の技術手段は、2枚の保護シート層の間に偏光子シート
層を挟持した構造の偏光板を調製し、偏光板の保護シー
ト層1層にポリウレタンシート層またはポリアミドシー
ト層を接着剤または粘着剤で接合した偏光性複合体を調
製し、偏光性複合体を球面形状体に熱プレス成形し、次
いで、球面形状体のポリウレタンシート層またはポリア
ミドシート層に、熱成形樹脂層を熱成形する偏光性成形
体の製造方法である。
Description
だ、衝撃強さの大きい偏光性成形体、例えば衝撃に強い
ゴーグル、サングラス、度付きサングラス類に使われる
レンズ基材を提供する技術に関する。
ト、ヨット、ボート、バイク、オートバイのようなスポ
ーツ分野や製造業一般、建築土木など産業分野で使用さ
れるゴーグル、めがね類は、直射光、反射光による眩し
さ防止、風、雪、雨、海水、水、砂、薬品、異物などか
ら眼を保護する目的で使用される。また、一般用途のサ
ングラスや度付きサングラスは光線、反射光による眩し
さを防止する目的で使用される。
った偏光性ガラスレンズやモールドに偏光子シートをイ
ンサートしてキャスト成形した偏光性プラスチックレン
ズ、例えば、偏光性CR−39レンズがあった。
ートシートで挟持した積層構造の偏光板を金型にインサ
ートし、さらにポリカーボネートシートにポリカーボネ
ート樹脂層が熱接着するようにインサート射出成形した
光学用複合成形物が知られている(特開平8−5281
7号公報)。
両面をガラスで覆った偏光性ガラスレンズシートは、ガ
ラス基材であることによる破損しやすさ、基材が変形し
にくいことによる加工性の不足があった。
トしてキャスト成形した偏光性プラスチックレンズは、
偏光子シートをモールドへ組込むのに技術を要すること
と、キャスト成形中に受ける長時間の熱による偏光子シ
ートの収縮や熱分解のため、偏光性能が低下する問題が
あった。
されるような、偏光板の最外層のポリカーボネートシー
トにポリカーボネート樹脂層が熱接着するようにインサ
ート射出成形法した光学用複合成形物は、偏光板と樹脂
層が近すぎて、成形時の熱が偏光板へストレートに伝わ
ることから、キャスト成形の場合と同様、偏光子シート
の収縮や熱分解のため、偏光性能の低下する問題があっ
た。
る本発明の技術手段は、2枚の保護シート層の間に偏光
子シート層を挟持した偏光板を含む積層構造の偏光性成
形体であって、保護シート層1層とポリウレタンシート
層またはポリアミドシート層とが接着剤または粘着剤で
接合され、さらにポリウレタンシート層またはポリアミ
ドシート層と熱成形樹脂層とが熱接着されていることに
ある。
ート層が、ポリエーテル系ポリウレタンシートまたはポ
リエステル系ポリウレタンシートであることにある。
ト層が、透明ポリアミドシートであることにある。
ポリアミド、熱可塑性ポリウレタンおよびポリカーボネ
ートよりなる群から選択される、ポリウレタンシート層
またはポリアミドシート層と熱接着可能な樹脂であるこ
とにある。
明ポリアミドであることにある。
少なくともいずれかの表面が、ハードコート、反射防
止、防曇、防汚およびミラーよりなる群から選択される
機能性表面加工膜の少なくともいずれかで被覆されてい
ることにある。
光学レンズであることにある。
枚の保護シート層の間に偏光子シート層を挟持した構造
の偏光板を調製し、第2段階で、偏光板の保護シート層
1層にポリウレタンシート層またはポリアミドシート層
を接着剤または粘着剤で接合した偏光性複合体を調製
し、第3段階で、偏光性複合体を球面形状体に熱プレス
成形し、第4段階で、球面形状体のポリウレタンシート
層またはポリアミドシート層に、熱成形樹脂層を熱成形
することにある。
球面形状体に熱プレス成形する熱プレス成形機が、球面
形状体の平面方向の大きさ程度の穴を有する平面状の受
け台と、受け台の穴のまわりで、偏光性複合体を固定す
るクランプと、球面形状体の大きさ、曲率に相当する先
端形状を持つ、加熱可能なアンビルから構成され、アン
ビルが受け台に嵌入可能な構造を持っており、第3段階
において偏光性複合体から球面形状体を熱プレス成形す
るに当たり、[受け台上に偏光性複合体を設置―クラン
プによる偏光性複合体の受け台固定―アンビルの嵌入と
熱プレス成形−アンビルとクランプを元の位置に戻す−
球面形状体の取り出し]を1サイクルとすることにあ
る。
性複合体を設置するとき、ポリウレタンシート層または
ポリアミドシート層が下面にくるように配置し、ポリウ
レタンシート層またはポリアミドシート層側が球面形状
体の凸面側にくるように熱プレス成形し、できあがった
球面形状体を反転し、ポリウレタンシート層またはポリ
アミドシート層が凹面側にくるように球面形状体を整え
ることにある。
成形機が、球面形状体と同じ程度の曲率を有し、球面形
状体を固定する固定側金型と、任意の曲率を有する移動
側金型から構成されており、第4段階において偏光性成
形体をインサート射出成形するに当たり、[ポリウレタ
ンシート層またはポリアミドシート層が金型の内側にく
るように、固定側金型へ球面形状体を配置、固定―移動
側金型の締め付け−熱成形樹脂層の射出成形−偏光性成
形体の取り出し]を1サイクルとすることにある。
明する。本発明の偏光板は、1枚の偏光子シート層を2
枚の保護シート層で挟持する積層構造をとる。
mm以下で均一厚みのポリビニルアルコール、ポリビニ
ルアセタール、ポリビニルブチラールなどの樹脂シート
の一軸延伸シート、あるいはそれらのホルマール化体な
ど、安定化処理した一軸延伸シートである。実用上は偏
光度80%以上、好ましくは95%以上である場合が適
する。
ートをヨウ素または二色性染料でドープすることが行わ
れている。本発明における偏光子シート層には、ヨウ素
ドープ法、染料ドープ法のいずれの方法で調製したもの
でも使用可能である。
用いる染料ドープ法と比べ、偏光子シートに固有の着色
を与えることが少なく、高い偏光度のものが得られやす
い特徴を持つ反面、耐熱性の劣る欠点がある。一方、染
料ドープ法は、より高い耐熱性を持つ一方で、ドープ用
染料固有の色相が偏光子シートに現れる問題がある。
は、押出成形またはキャスト成形されたシートである。
明性の高い樹脂シート、なかでも熱可塑性樹脂のシート
が好ましい。
ト系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン
系、ポリスチレン系、メチルメタアクリレートやシクロ
ヘキシルメタクリレートなどの単重合体、共重合体を含
むアクリル系、塩化ビニル系、ポリスチレン・メチルメ
タクリレート系、アクリロニトリル・スチレン系、ポリ
ー4−メチルペンテンー1、アダマンタン環やシクロペ
ンタン環を主鎖に持つ主鎖炭化水素系、セルロース系な
どがある。
的異方性のできるだけ少ないことが望ましく、光学的異
方性形成を軽減化する目的で、光弾性係数の低い樹脂、
例えばトリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース
などのアセチルセルロース、トリプロピルセルロース、
ジプロピルセルロースなどのプロピルセルロース、また
ポリメチルメタクリレート、アダマンタン環やシクロペ
ンタン環を主鎖に持つ、JSR社の“アートン”、日本
ゼオン社の“ゼオネクッス”、三井化学社の“アペル”
などの主鎖が炭化水素系の樹脂、ポリアミドとして、透
明ナイロンあるいは非晶性ナイロンといわれているも
の、例えば、エムス社の“グリルアミドTR−55”、
“グリルアミドTR−90”、ヒュルス社の“トロガミ
ドCX−7323”など、ポリウレタンとして、透明性
の高い、例えば、武田バーディシェウレタン社の“エラ
ストラン”11タイプに属するものなどが好適に使用さ
れる。なかでも、安価なことから、アセチルセルロース
やプロピルセルロースなどアシルセルロース系樹脂が、
本発明で好ましく使用される。
長口金から溶融押し出ししたポリマーを、把持装置ある
いは走行ベルトに受け、縦あるいは横方向に延伸する
か、光弾性係数の大きいポリマーの場合なら、分子配向
を抑えるために、縦あるいは横方向の過度な延伸は行わ
ない状態でシート状に固化する方法(Tダイ法)と、風
船玉状に樹脂を押し出し、固化する方法(チューブラ
法)がある。押出成形法は、安価にシートを調製できる
利点をもつが、シートの光学的または外観的な均一性に
おいて、キャスト成形法より劣る傾向がある。
性をできるだけ少なく、かつ均一なシートを得る目的
で、キャスト法を採用することが好ましい。キャスト成
形法の保護シートは、配向性がないため、熱収縮性がな
いことでも好ましい。その理由は、偏光性成形体の熱成
形樹脂層を形成する際に、保護シートが熱収縮しないた
め、偏光子シートに収縮がなく、高度の偏光度を保持で
きるからである。
フタル酸ジアリル、アクリルモノマーなどの架橋性モノ
マー類を主体に、あるいはポリウレタン原料類を、板間
重合かシート状に流延するキャスト成形法では、成形し
た保護シートの硬度やバリヤー性が高いことから、本発
明にふさわしく使用できる。しかし、過度の架橋形成
は、熱成形性を低下させる恐れがある。
て可塑剤を加え、シート状に流延後、脱溶媒する、溶媒
法キャスト法なら、比較的安価に保護シートを成形でき
る。そのためには、上記した樹脂類が、容易に脱溶媒で
きる低沸点の溶媒へ、高濃度に溶解する性質を有するこ
とが好ましい。
て、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、
トリプロピルセルロース、ジプロピルセルロースなどの
アシルセルロース類、アダマンタン環やシクロペンタン
環を主鎖に持つ、JSR社の“アートン”、日本ゼオン
社の“ゼオネクッス”、三井化学社の“アペル”などの
主鎖が炭化水素系の樹脂、ポリビスフェノールAカーボ
ネートなどポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリ
レート樹脂などが推奨される。なかでも、高透明性、簡
単に着色可能なこと、シート製造の容易性などから、ア
セチルセルロース、プロピルセルロースが好ましい。
つのありようを述べると、ベルトまたは平板の上へ流延
したポリマー溶液を、加熱あるいは減圧処理により乾式
脱溶媒する方法、凝固浴に入れて湿式脱溶媒する方法で
作られるが、透明性や製法の簡便性から、乾式脱溶媒法
が好ましい。
保護シートは、0.01〜1.5mm程度、好ましくは
0.02〜1.2mm程度の厚さを持つものが特に好適
に使用される。0.01mm未満の厚さでは、保護シー
トの調製自体が難しくなる。一方、厚さが1.5mmを
超えると、偏光板の全体の厚みが増しすぎて、偏光性成
形体の厚みが増す。さらに、溶媒キャスト成形法で調製
する場合については、均一な脱溶媒が難しくなることか
ら、製造コストの増大化する傾向につながる。
を挟持する形で偏光子シートの両面に、保護シート層を
接着剤または粘着剤で貼付したものが推奨される。接着
剤または粘着剤はともに、水、熱、光などに対する長期
の耐久性が必要であり、基本的にはそれらに合格するも
のであれば特に限定しない。
ート系、ポリウレタン系、ポリチオウレタン系、エポキ
シ系、酢酸ビニル系、アクリル系、ワックス系などがあ
る。粘着剤としては、酢酸ビニル系、アクリル系などが
挙げられる。
コーティング法、オフセットコーティング法など通常用
いられている塗布方法により、保護シートまたは偏光子
シートへ均一に塗布することが可能である。接着剤層ま
たは粘着剤層の厚さは、通常0.1〜100μm、好ま
しくは0.5〜80μmである。接着剤層または粘着剤
層の厚さが0.1μm未満では接合力が低く、100μ
mを超えると偏光性成形体の端面から接着剤や粘着剤が
しみ出ることがある。
前に塗布、または貼付直前に塗布した後、ロールから直
接、あるいは裁断状態で、相互に重ね合わせ、必要に応
じ硬化処理を行う方法により接合することが可能であ
る。
の接合力向上を目的に、保護シート、偏光子シートの表
面を、酸、アルカリ等による化学薬液処理、紫外線処
理、プラズマあるいはコロナ放電処理を事前に行うこと
がある。
通である。
ポリウレタンシート層あるいはポリアミドシート層につ
いて説明する。熱成形樹脂層との熱接着性を考慮する
と、樹脂としてはポリウレタンとポリアミドが最適であ
った。本発明では、この目的のために使用するシート層
を、以下では単にポリウレタンシート層あるいはポリア
ミドシート層と呼称する。
レタンは、熱硬化性または熱可塑性のものである。
アナート化合物、あるいは分子内に3つ以上の水酸基を
持つ化合物を部分的に用いる。この場合は、得られるシ
ートの硬度、バリヤー性などに優れるが、過度の架橋形
成は、熱成形性や熱成形性樹脂層との熱接着性の低下を
きたす恐れがある。
化合物と分子内に2つの水酸基を持つ化合物を主体にし
て重合した、熱可塑性ポリウレタンであることが好まし
い。
ンジイソシアナート(TDI)、メタキシリレンジイソ
シアナート(MDI)、ジフェニルメタン−4,4´−
ジイソシアナート、ジフェニルエーテル−4,4´−ジ
イソシアナート、1,5−ナフタレンジイソシアナート
などの芳香族ジイソシアナート類、ヘキサメチレンジイ
ソシアナート、イソホロンジイソシアナート、水添TD
I、水添MDIなどの脂肪族ジイソシアナート類があ
る。本発明では、無黄変性の脂肪族ジイソシアナート類
が特に好ましく使用される。
は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリエチレン・プロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコールなどのポリエーテル系グリコール
類、カプロラクトン系、アジペート系、コポリエステル
系などのエステル系グリコール類、カーボナート系グリ
コール類、エチレングリコール、1,3−プロパングリ
コール、1,4−ブタングリコール、1,6−ヘキサン
グリコールなどの脂肪族系グリコール類、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの
芳香族環含有グリコール類などがある。
解性、熱成形樹脂層との熱接着性、非晶性(透明性)か
ら、特にポリエーテル系グリコール類またはポリエステ
ル系グリコール類を使用したものが適する。
法で測定した硬度が75以上、好ましくは80以上であ
るとき、特に本発明に適する。硬度が75未満である場
合、シートが柔らかすぎて、シート化しにくくなる。
ば、武田バーディシェウレタン社のポリエーテル系ポリ
ウレタンである“エラストラン”11タイプに属する、
1180A、1190ATR,1195ATR、115
4D、1164D、1174Dおよび同社のポリエステ
ル系ポリウレタンである“エラストラン”Sタイプに属
する、S80A、S85A、S90A、S95Aなどが
挙げられる。
たは押出成形法で調製可能である。キャスト成形法の場
合、イソシアナートと水酸基を持つ化合物の混合物を板
間に注入して重合成形するか、シート状に流延して重合
成形する。後者の方法では、溶媒を用いることが可能で
あり、シート状に流延後に脱溶媒する。
を、シート状に流延、脱溶媒する溶媒法キャスト成形法
も取り得る。ジメチルホルムアミドのような比較的沸点
の高い溶媒の場合は、湿式法が適用されることが多い。
キャスト成形法は、均一なシートを得るのに適する。
用される。安価にシートを得られるが、光学的異方性が
大きくなったり、外観的な均質性に劣ることがある。
は、ヘキサメチレンジアミン、m−キシリレンアミン、
ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、3,3−ジ
メチルー4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン、ト
リメチルヘキサメチレンジアミンなどのジアミン成分と
アジピン酸、ドデカン二酸、イソフタル酸、テレフタル
酸などのジカルボン酸成分の重縮合物、あるいはカプロ
ラクタムなどラクタム類の重縮合物などがある。なかで
も、透明ナイロンあるいは非晶性ナイロンといわれてい
るもの、例えば、エムス社の“グリルアミドTR−5
5”、“グリルアミドTR−90”、ヒュルス社の“ト
ロガミドCX−7323”などが、透明性が高く、光学
歪みの少ないために、本発明で好適に使用される。
法キャスト成形法か押出成形法が使われる。
ート、ポリアミドシートは、0.01〜1.5mm程
度、好ましくは0.02〜1.2mm程度の厚さを持つ
ものが特に好適に使用される。0.01mm未満の厚さ
では、シートの調製自体が難しくなる。一方、厚さが
1.5mmを超えると、偏光性成形体の厚みが増す原因
になる。さらに、溶媒キャスト成形法で調製する場合に
ついては、均一な脱溶媒が難しくなることから、製造コ
ストの増大化する傾向がある。
ートまたはポリアミドシートを接合するには、偏光板の
片面へ、ポリウレタンシートまたはポリアミドシートを
接着剤または粘着剤で貼付する方法が推奨される。接着
剤または粘着剤はともに、水、熱、光などに対する長期
の耐久性が必要であり、基本的にはそれらに合格するも
のであれば特に限定しない。
ート系、ポリウレタン系、ポリチオウレタン系、エポキ
シ系、酢酸ビニル系、アクリル系、ワックス系などがあ
る。粘着剤としては、酢酸ビニル系、アクリル系などが
挙げられる。
コーティング法、オフセットコーティング法など通常用
いられている塗布方法により、偏光板またはポリウレタ
ンシートまたはポリアミドシートの接合面へ均一に塗布
する。接着剤層または粘着剤層の厚さは、通常0.1〜
100μm、好ましくは0.5〜80μmである。接着
剤層または粘着剤層の厚さが0.1μm未満では接合力
が低く、100μmを超えると偏光性成形体の端面から
接着剤や粘着剤がしみ出ることがある。
ミドシートは、接着剤または粘着剤を事前に塗布、また
は貼付直前に塗布した後、ロールから直接、あるいは裁
断状態で、相互に重ね合わせ、必要に応じ硬化処理を行
う方法により接合することが可能である。
力向上を目的に、偏光板、ポリウレタンシート、ポリア
ミドシートの表面を、酸、アルカリ等による化学薬液処
理、紫外線処理、プラズマあるいはコロナ放電処理を事
前に行うことがある。
トまたはポリアミドシートとの接合体を、以下に偏光複
合体と呼称する。偏光性複合体は、平面シート状をして
いるのが普通である。
の形状で使用されることが多い。このような目的のため
には、偏光性成形体のいずれかの側が、凸面形状をとる
ようにする。偏光複合体のポリウレタンシート層または
ポリアミドシート層に、熱成形樹脂層を熱接着するた
め、本発明の偏光性成形体の表面は、片面が偏光板の保
護シート層、もう片面が熱成形樹脂層になる。
が凸面形状、熱成形樹脂層側が、凹面形状または平面形
状または凸面形状になるように、熱成形することが、成
形技術的に容易である。
必然的に、偏光複合体の保護シート層側が凸面形状、ポ
リウレタンシート層あるいはポリアミドシート層側が凹
面形状をとる、球面形状体にすることである。このよう
な形状体は、一般的には、熱成形樹脂層を熱接着する以
前の段階で、あらかじめ偏光複合体を球面状に熱賦形し
ておくことが推奨される。
法として、熱プレス成形装置を使用する場合を以下に説
明する。
固定金型から構成されている。可動金型と固定金型と
は、いずれかがオス型をしておれば、もう片方はメス型
形状をしており、両形状の間に偏光性複合体をはさみ、
両形状を組み合わせることによって熱プレスと賦形を行
う。
無によって、次のような組み合わせがある。 ケース1 偏光性複合体にオス型を押し付け、球面形状
体に成形する場合。オス型の先端が、賦形を希望する球
面形状をしており、その部分を加熱する。固定金型とし
て、球面形状のメス型は必ずしも必要としない。 ケース2 メス型で球面形状体を成形する場合。メス型
の凹面が、賦形を希望する球面形状をしており、その部
分を加熱する。オス型は必要だが、先端の形状は、ゴム
質の変形可能なものでもよい。オス型の加熱は必ずしも
必要としない。 ケース3 オス、メス両型で球面形状体を成形する場
合。オス型の先端およびメス型の凹面が、賦形を希望す
る球面形状をしており、少なくとも片方を加熱する。
であるが、成形体の外観や再現性などから、特に好適に
用いられるのは、ケース1である。なかでも、熱プレス
成形機が、球面形状体の平面方向の大きさ程度の穴を有
する平面状の受け台と、受け台上の穴まわりで、偏光性
複合体を固定するクランプと、球面形状体の平面方向の
大きさ、曲率に相当する先端形状を持つ、加熱可能なア
ンビルから構成され、アンビルが受け台に嵌入可能な構
造を持つものである。
装置の穴は、一般的には円形である。クランプは、一般
的にはリング状であり、偏光性複合体を穴に同心円状に
固定する。
し、いずれかが可動金型、もう一方が固定金型になる
が、本発明では、アンビルが可動金型である場合、機械
構造をより単純化できるため、好ましい。
端は賦形を希望する球面形状体の曲率になるように製作
する。また、ヒータあるいは熱媒により、一定の温度に
加熱できる機構を内蔵する。
球面形状体の大きさ程度の穴を有する平面状の受け台
と、穴のまわりで同心円状に固定するリング状クランプ
とにより、偏光性複合体を固定し、上記アンビルを偏光
性複合体に押し付け、さらに、受け台の穴へ嵌入する方
法で所望の球面形状体に熱プレス成形する。
るシート層のなかで、賦形性を付与する役割をするシー
ト層のガラス転移温度より高くするのが好ましい。一般
的には、90〜200℃程度である。熱プレス成形後
は、例えば、球面形状体に空気を吹き付けるなどの冷却
操作を行なってもよい。
として、[受け台上に偏光性複合体を設置―クランプに
よる偏光性複合体の受け台固定―アンビルの嵌入と熱プ
レス成形−アンビルとクランプを元の位置に戻す−球面
形状体の取り出し]を1サイクルとする。
は、偏光の向きを一定の方向にそろえた大判シートで調
製される。その状態では、大きすぎて受け台に乗りにく
いこと、および経済性に適さないため、打ち抜き装置で
事前にカットすることが一般に行われている。その場
合、カット後の偏光の向きが分かるようにするために、
カットした偏光性複合体には、偏光の向きを示す突起や
切り欠けマークを付けておくと、以後の操作を行う上で
都合がよい。
状側にくるように、熱プレス装置に配置しても差し支え
ない。例えば、ポリウレタンシート層またはポリアミド
シート層が凹面形状側にくるように配置すれば、できあ
がった球面形状体はそのまま用いられる。保護シート層
側が、凹面形状側にくるように配置すれば、できあがっ
た球面形状体を反転し、ポリウレタンシート層またはポ
リアミドシート層が凹面形状側にくるようにして用い
る。
ロース、ジアセチルセルロース、トリプロピルセルロー
ス、ジプロピルセルロースなどのアシルセルロース類を
用いる場合は、球面形状へスムーズに熱成形するため
に、保護シート層側が加熱面になるように、偏光性複合
体を熱プレス装置に配置することが推奨される。例え
ば、ケース1を採用する場合なら、アシルセルロース製
の保護シート層側が凹面形状側にくるように配置し、で
きあがった球面形状体を反転し、ポリウレタンシート層
またはポリアミドシート層が凹面形状側にくるように球
面形状体を整える。
の不用部分を、打ち抜き装置でカット、除去することが
通常行われている。この場合も、カット後の偏光の向き
が分かるようにするために、カットした球面形状体に
は、偏光の向きを示す突起や切り欠けマークを付けてお
くと、以後の操作を行う上で都合がよい。
て説明する。熱成形樹脂層として好適に用いられるもの
は、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリエステル系、
ポリカーボネート系、ポリスチレン系、メチルメタクリ
レートやシクロヘキシルメタクリレートなどの単重合
体、共重合体を含むアクリル系、塩化ビニル系、、ポリ
スチレン・メチルメタクリレート系、アクリロニトリル
・スチレン系、ポリー4−メチルペンテンー1、アダマ
ンタン環やシクロペンタン環を主鎖に持つ主鎖炭化水素
系、トリアセチルセルロースに代表されるセルロース系
などの熱可塑性樹脂である。
シート層またはポリアミドシート層と熱接着できる熱可
塑性樹脂であれば特に限定しない。熱接着性、光学的均
質性、透明性、耐衝撃性、熱成形性などから、熱成形樹
脂層に、特に好ましい使用される熱成形樹脂は、ポリア
ミド、熱可塑性ポリウレタン、ポリカーボネートであ
る。
ミン、m−キシリレンアミン、ビス(p−アミノシクロ
ヘキシル)メタン、3,3−ジメチルー4,4−ジアミ
ノジシクロヘキシルメタン、トリメチルヘキサメチレン
ジアミンなどのジアミン成分とアジピン酸、ドデカン二
酸、イソフタル酸、テレフタル酸などのジカルボン酸成
分の重縮合物、あるいはカプロラクタムなどラクタム類
の重縮合物などがある。なかでも、透明ナイロンあるい
は非晶性ナイロンといわれているもの、例えば、エムス
社の“グリルアミドTR−55”、“グリルアミドTR
−90”、ヒュルス社の“トロガミドCX−7323”
などが、透明性が高く、光学歪みの少ないことで、本発
明に好適に使用される。
アナート化合物と分子内に2つの水酸基を持つ化合物を
主体にして重合した、熱可塑性ポリウレタンであること
が好ましい。
ンジイソシアナート(TDI)、メタキシリレンジイソ
シアナート(MDI)、ジフェニルメタン−4,4´−
ジイソシアナート、ジフェニルエーテル−4,4´−ジ
イソシアナート、1,5−ナフタレンジイソシアナート
などの芳香族ジイソシアナート類、ヘキサメチレンジイ
ソシアナート、イソホロンジイソシアナート、水添TD
I、水添MDIなどの脂肪族ジイソシアナート類があ
る。本発明では、無黄変性の脂肪族ジイソシアナート類
が特に好ましく使用される。
は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリエチレン・プロピレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコールなどのポリエーテル系グリコール
類、カプロラクトン系、アジペート系、コポリエステル
系などのエステル系グリコール類、カーボナート系グリ
コール類、エチレングリコール、1,3−プロパングリ
コール、1,4−ブタングリコール、1,6−ヘキサン
グリコールなどの脂肪族系グリコール類、ビスフェノー
ルA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの
芳香族環含有グリコール類などがある。
解性、熱成形樹脂層との熱接着性、非晶性(透明性)か
ら、特にポリエーテル系グリコール類を使用したものが
適する。
ノールAカーボネートが挙げられる。その他、1,1´
−ジヒドロキシジフェニル−フェニルメチルメタン、
1,1´−ジヒドロキシジフェニル−ジフェニルメタ
ン、1,1´−ジヒドロキシ−3,3´−ジメチルジフ
ェニル−2,2−プロパンの各単独重合ポリカーボネー
ト、それら相互の共重合ポリカーボネート、ビスフェノ
ールAとの共重合ポリカーボネートがある。
きくなりやすいことが欠点として挙げられる。即ち、成
形体の内部に成形歪みや局所的配向に起因する光学的異
方性を生じやすい。そのため、本発明でポリカーボネー
トを用いる場合は、極力、光学的異方性の形成を防ぐこ
とが重要であり、その対策として、流動性が高く、成形
時に過度な剪断力を受けにくい、つまり残留歪みや局所
的配向が起こりにくい、比較的重合度の低い樹脂を使用
することが好ましい。本発明では、特に重合度120以
下、より好ましくは重合度100以下のポリカーボネー
トの使用が推奨される。
はポリアミドシート層と熱成形樹脂層とは、実用レベル
の接着強度で熱接着する必要がある。一般に、熱成形樹
脂層の成形温度が、ポリウレタンシート層またはポリア
ミドシート層の軟化温度より高い場合、両者の熱接着性
が増す傾向がある。
耐ソルベントクラック性、樹脂硬度、接着性から、ポリ
ウレタンシート層とポリアミドの熱成形樹脂層、ポリア
ミドシート層とポリアミドの熱成形樹脂層の組み合わせ
が特に好ましい。
たはポリアミドシート層に熱接着する方法について、熱
成形法を例にとり、次に説明する。
形法、射出成形法など、熱溶融した樹脂を金型に押し込
み、成形することを指す。生産性や精密性などから、基
本的には特願平10−49707に示されるようなイン
サート射出成形法が好ましい。即ち、熱接着する面を内
側に向けた偏光性複合体を金型の片面に配置し、その面
へ樹脂層を射出成形する方法である。
ことが多いので、球面状の金型を用い、偏光性複合体に
は、前述したように、凸面が、この金型とほぼ同じ曲率
を有する球面形状に熱プレス成形されたものを用いるこ
とが多い。
般に、ゲートから流れ込む樹脂の方向と、球面形状体の
偏光の主軸(偏光子の配向方向)を一致させることを行
うと、偏光性の高い偏光性成形体が得られやすい。特
に、光学的異方性の高い樹脂の場合は、好ましい方法で
ある。その目安として、球面形状対に設けられた偏光の
向きを示す突起や切り欠けマークを活用する。
(偏光性成形体にマーク付けできる刻印、出っ張り、引
っ込み)を入れておくと、成形後に偏光性成形体の偏光
の向きを、外観だけから識別できる。
[ポリウレタンシート層またはポリアミドシート層が金
型の内側にくるように、固定側金型へ球面形状体を配
置、固定―移動側金型の締め付け−熱成形樹脂層の射出
成形−偏光性成形体の取り出し]を1サイクルとする。
固定側金型へ球面形状態を配置、固定する際に、固定側
金型に設けた吸引孔から吸引することによって、球面形
状態を吸引固定する方法をとると、より精密な形状に偏
光性成形体を成形できる場合がある。
に特に精密性が必要な用途には、インサートタイプの射
出圧縮成形法が好ましい。射出圧縮成形法は、金型の中
に樹脂を低圧で射出した後、金型を高圧で閉じて樹脂に
圧縮力を加える方法をとるため、成形体に成形歪みや成
形時の局所的配向に起因する光学的異方性を生じにく
い。また、樹脂に対して均一に加わる金型圧縮力を制御
することにより、一定比容で樹脂を冷却することができ
るので、寸法精度の高い成形品が得られる。複屈折の大
きいポリカーボネート系樹脂に特に好ましく適用される
方法である。
熱成形樹脂層の厚さをBとすると、Aは本発明の光学用
複合体の全領域において、通常およそ0.03mmから
3mm程度の、均一な厚みのものである。一方、Bは均
一な厚みである場合と、マイナス度数レンズやプラス度
数レンズのように、中心部から周辺にかけて連続的に厚
みを異にする度付きレンズである場合がある。通常は、
Bの厚さが少なくとも1mm程度になるように成形され
るが、これは、成形に使用する樹脂の流動性や、偏光性
成形体の設計によって異なる。
もいずれかの側の表面が、ハードコート加工されている
ことが好ましい。ハードコートとしては、シラン系、エ
ポキシ系などの熱硬化型ハードコート、アクリル系、エ
ポキシ系などの活性光線硬化型ハードコートなど一般に
用いられているいずれのタイプのハードコートでも良
い。通常は0.5〜15μm程度の膜厚で付与するが、
場合により、密着性向上等を目的に、アクリレート系な
どのプライマーコート層をコートした上にハードコート
加工することがある。
なくともいずれかの側の表面が、反射防止加工されてい
ることが好ましい。反射防止加工は、通常はハードコー
トの上へ、真空蒸着法などにより、隣接層どうしでは互
いに屈折率の異なる2〜8層程度の無機質膜を光学膜厚
で積層するか、湿式法で1〜3層程度の有機膜を光学膜
厚で積層する。
なくともいずれかの側の表面が、防曇加工されているこ
とが好ましい。防曇加工は、通常はポリビニルアルコー
ル系やポリビニルピロリドン系などの親水性樹脂を、1
〜50μm程度の膜厚で付与する。また、アセチルセル
ロース系樹脂の場合は、表面の鹸化処理により防曇性を
付与できる。
なくともいずれかの側の表面が、防汚加工されているこ
とが好ましい。防汚加工は、通常は反射防止膜の指紋汚
れなど有機物質による汚染を防止し、容易に拭き取れる
ようにすることを目的に、真空蒸着法か湿式法で、フッ
素系有機化合物を、数10nmからμmオーダまでの膜
厚で付与する。
もいずれかの側の表面が、ミラー加工されていることが
好ましい。ミラー加工は、通常はハードコートの上へ、
真空蒸着法などにより、アルミニウムや銀、金、白金な
どの金属膜を付与する。
するが、これに限定されるものでない。 [実施例1]保護シート層として、厚さ約80μmのT
AC(トリアセチルセルロース)シートを用い、2枚の
TACシートの間に、厚さ約40μmの偏光子シートを
挟持した偏光板(住友化学社)を用意した。ポリウレタ
ンシート層として、ポリエーテル系ポリウレタン“エラ
ストラン1195ATR”(武田バーディシェウレタン
工業社)(JIS A硬度95)を用い、押出成形法で
調製した厚さ約200μmのシートを用意した。その片
面へ、アクリル系粘着剤“サイビノールAT−250”
(サイデン化学社)を約30μmの厚さに塗ったものを
用意した。上記偏光板の片面に、上記ポリウレタンシー
トを貼付して、偏光性複合体を調製した。この偏光性複
合体を用い、直径100mmの打ち抜き刃を備えた打ち
抜き装置で、直径100mmの円形シートを打ち抜い
た。この場合、打ち抜き刃の一部に、偏光の向きを示す
ための小突起を設け、偏光性複合体の偏光の向きを、こ
のマークに一致するようにセットして、小突起付きの円
形シートとして打ち抜いた。打ち抜き後のシートを、下
記する熱プレス装置を用い、下記する方法で球面形状体
に熱プレス成形した。熱プレス成形機は、直径84mm
の穴径を有する平面状の受け台と、受け台上の穴まわり
で、偏光性複合体を同心円状に固定する内径88mmの
リング状クランプと、受け台の穴に、上部から嵌入可能
な構造持つ直径82mm、8C(カーブ)の凸状の先端
形状を持つ、加熱可能なアンビルから構成された装置を
用意した。熱プレス成形は以下のように行った。熱プレ
ス装置受け台の穴の上に、上面が偏光板のTAC保護シ
ート層、下面がポリウレタンシート層になるように、偏
光性複合体を同心円状に配置した。リング状クランプで
該偏光性複合体を固定した。続いて、140℃に加熱し
たアンビルを、偏光性複合体の上部から受け台の穴へ嵌
入させ、偏光性複合体が8Cの球面形状になるように熱
プレス成形した。アンビルを元の位置に戻し、球面形状
体を冷却してから、リング状クランプを元の位置に戻し
た。その後、8Cの球面形状体を受け台から取り出し
た。該球面形状体の周辺の不用部分を、直径77mmの
円形打ち抜き機でカット、除去した。この場合も、打ち
抜き刃の一部に、偏光の向きを示すための小突起を設
け、該球面形状体の偏光の向きを、このマークに一致す
るようにセットして、小突起付きの、直径77mm、凸
面側がポリウレタンシート層、凹面側がTAC保護シー
ト層である球面形状体として、打ち抜いた。その後、で
きあがった球面形状体を反転し、TAC保護シート層が
凸面側、ポリウレタンシート層が凹面側にくるようにし
た。偏光性成形体は次のようにして調製した。インサー
ト射出圧縮成形機は、球面形状体を固定できる8Cの凹
型固定側金型と、同じく8Cの凸型移動側金型を備えた
ものである。この装置を用い、得られた8Cの球面形状
体を、凹型固定側金型にセットし、固定した。この場
合、球面形状体のTAC保護シート層が固定側金型に密
着し、ポリウレタンシート層が移動側金型の方に向く配
置をとる。固定側金型、移動側金型は、ともに、偏光性
成形体の周囲の一部に、偏光の向きを示す小突起がつく
ようにな構造を持つものを用いた。移動側金型を固定側
金型に締めつけ、固定側金型と移動側金型の間に、成形
用キャビティーを形成した。熱成形樹脂層として、スモ
ーク色染料を溶解した透明ナイロン“グリルアミドTR
−90”(エムス社)を用いた。最高温度280℃で偏
光性成形体を射出圧縮成形し、ポリウレタンシート層と
熱成形樹脂層を熱接着した。その後、偏光性成形体をイ
ンサート射出圧縮成形機から取り出した。得られた偏光
性成形体は、TAC保護シートを凸面側に配置し、透明
ナイロンの熱成形樹脂層を凹面側に一体配置した、厚さ
2.2mmの8Cのプラノレンズである。同品の両面
に、膜厚約2.5μmのシラン系ハードコート膜を形成
した。できあがったレンズは、中心部で測定した可視光
透過率が20%であり、きわめて強靭な機械特性を示し
た。また、偏光度は98%以上であった。
ーテル系ポリウレタン“エラストラン1164D”(武
田バーディシェウレタン工業社)(JIS A硬度95
以上)の、押出成形法で調製した厚さ約200μmのシ
ートを用いる以外は、実施例1と同様にして、8Cの球
面形状体を調製した。この球面形状体を実施例1と同様
にして、インサート射出圧縮成形機の固定側金型に固定
し、実施例1と同様にして、移動側金型を締めつけた。
熱成形樹脂層として、着色されていない透明ナイロン
“トロガミドCX−7323”(ダイセルヒュルス社)
を用いた。最高温度280℃で偏光性成形体を射出圧縮
成形し、ポリウレタンシート層と熱成形樹脂層を熱接着
した。その後、偏光性成形体をインサート射出圧縮成形
機から取り出した。固定側金型、移動側金型は、とも
に、偏光性成形体の周囲の一部に、偏光の向きを示す小
突起がつくようにな構造を持つものを用いた。得られた
偏光性成形体は、TAC保護シートを凸面側に配置し、
透明ナイロンの熱成形樹脂層を凹面側に一体配置した、
厚さ13mmの8Cのセミフィニュッシュドレンズであ
る。このレンズの背面を研摩し、中心厚さ約2mmであ
る、−4.00D(ディオプター)のマイナスレンズを
作製した。同品の両面に、膜厚約2.5μmのシラン系
ハードコートをコーティング後、さらに両面へ真空蒸着
法で、ZrO2とSiO2を交互に光学膜厚にて4層積層
して反射防止膜とした。さらに、反射防止膜の上に、フ
ッ素系の防汚膜を約20nmの厚さで塗布した。できあ
がったレンズは、中心部で測定した可視光透過率が約4
8%であり、きわめて強靭な機械特性を示した。また、
偏光度は98%以上であった。
意した。ポリアミドシート層として、溶媒キャスト法で
調製した、厚さ約200μmの透明ナイロン“グリルア
ミドTR−90”(エムス社)シートを用意した。その
片面へ、実施例1で用いた粘着剤“サイビノールAT−
250”を約30μmの厚さで塗布した。上記偏光板の
片面に、上記透明ナイロンシートを貼付して、偏光性複
合体を調製した。この偏光性複合体を用い、直径100
mmの打ち抜き刃を備えた打ち抜き装置で、直径100
mmの円形シートを打ち抜いた。この場合、打ち抜き刃
の一部に、偏光の向きを示すための小突起を設け、偏光
性複合体の偏光の向きを、このマークに一致するように
セットして、小突起付きの円形シートとして打ち抜い
た。打ち抜き後のシートを、実施例1と同様の熱プレス
装置を用い、下記する方法で8Cの球面形状体に熱プレ
ス成形した。熱プレス装置受け台の穴の上に、上面が偏
光板のTAC保護シート層、下面が透明ナイロンシート
層になるように、偏光性複合体を同心円状に配置した。
リング状クランプで該偏光性複合体を固定した。続い
て、140℃に加熱したアンビルを、偏光性複合体の上
部から受け台の穴へ嵌入させ、偏光性複合体が8Cの球
面形状になるように熱プレス成形した。アンビルを元の
位置に戻し、球面形状体を冷却してから、リング状クラ
ンプを元の位置に戻した。その後、8Cの球面形状体を
受け台から取り出した。該球面形状体の周辺の不用部分
を、直径77mmの円形打ち抜き機でカット、除去し
た。この場合も、打ち抜き刃の一部に、偏光の向きを示
すための小突起を設け、該球面形状体の偏光の向きを、
このマークに一致するようにセットして、小突起付き
の、直径77mm、凸面側が透明ナイロンシート層、凹
面側がTAC保護シート層である球面形状体として、打
ち抜いた。その後、できあがった球面形状体を反転し、
TAC保護シート層が凸面側、透明ナイロンシート層が
凹面側にくるようにした。実施例1と同様のインサート
射出圧縮成形機と金型を用い、偏光性成形体を次のよう
にして調製した。得られた8Cの球面形状体を、凹型固
定側金型にセットし、固定した。この場合、球面形状体
のTAC保護シート層が固定側金型に密着し、透明ナイ
ロンシート層が移動側金型の方に向く配置をとる。移動
側金型を固定側金型に締めつけ、固定側金型と移動側金
型の間に、成形用キャビティーを形成した。熱成形樹脂
層として、スモーク色染料を溶解した透明ナイロン“ト
ロガミドCX−7323”を用いた。最高温度280℃
で偏光性成形体を射出圧縮成形し、透明ナイロンシート
層と熱成形樹脂層を熱接着した。その後、偏光性成形体
をインサート射出圧縮成形機から取り出した。得られた
偏光性成形体は、TAC保護シートを凸面側に配置し、
透明ナイロンの熱成形樹脂層を凹面側に一体配置した、
厚さ2.2mmの8Cのプラノレンズである。同品の両
面に、膜厚約2.5μmのシラン系ハードコート膜を形
成した。さらに、凹面側にポリビニルアルコール系の防
曇膜を形成した。できあがったレンズは、中心部で測定
した可視光透過率が21%であり、きわめて強靭な機械
特性を示した。また、偏光度は98%以上であった。
ノール系ポリカーボネート樹脂から調製した厚さ約17
0μmのポリカーボネートシートを用いた。このシート
2枚の間に、厚さ約40μmの偏光子シートを、厚さ約
20μmの接着剤層を介して貼付、挟持した偏光板(筒
中プラスチック社)を用意した。その片面に、実施例1
で用いた粘着剤付きポリウレタンシートを貼付して、偏
光性複合体を調製した。この偏光性複合体を用い、直径
100mmの打ち抜き刃を備えた打ち抜き装置で、直径
100mmの円形シートを打ち抜いた。この場合、打ち
抜き刃の一部に、偏光の向きを示すための小突起を設
け、偏光性複合体の偏光の向きを、このマークに一致す
るようにセットして、小突起付きの円形シートとして打
ち抜いた。打ち抜き後のシートを、実施例1と同様の熱
プレス装置を用い、下記する方法で8Cの球面形状体に
熱プレス成形した。熱プレス装置受け台の穴の上に、上
面がポリウレタンシート層、下面が偏光板のポリカーボ
ネート保護シート層になるように、偏光性複合体を同心
円状に配置した。リング状クランプで該偏光性複合体を
固定した。続いて、140℃に加熱したアンビルを、偏
光性複合体の上部から受け台の穴へ嵌入させ、偏光性複
合体が8Cの球面形状になるように熱プレス成形した。
アンビルを元の位置に戻し、球面形状体を冷却してか
ら、リング状クランプを元の位置に戻した。その後、8
Cの球面形状体を受け台から取り出した。該球面形状体
の周辺の不用部分を、直径77mmの円形打ち抜き機で
カット、除去した。この場合も、打ち抜き刃の一部に、
偏光の向きを示すための小突起を設け、該球面形状体の
偏光の向きを、このマークに一致するようにセットし
て、小突起付きの、直径77mm、凸面側がポリカーボ
ネート保護シート層、凹面側がポリウレタンシート層で
ある球面形状体として、打ち抜いた。実施例1と同様の
インサート射出圧縮成形機を用い、偏光性成形体を次の
ようにして調製した。得られた8Cの球面形状体を、凹
型固定側金型にセットし、固定した。この場合、球面形
状体のポリカーボネート保護シート層が固定側金型に密
着し、ポリウレタンシート層が移動側金型の方に向く配
置をとる。移動側金型を固定側金型に締めつけ、固定側
金型と移動側金型の間に、成形用キャビティーを形成し
た。熱成形樹脂層として、スモーク色染料を溶解した、
ポリエーテル系の熱可塑性ポリウレタン“エラストラン
1195ATR”(武田バーディシェウレタン工業社)
を用いた。最高温度205℃で偏光性成形体を射出圧縮
成形し、ポリウレタンシート層と熱可塑性ポリウレタン
の熱成形樹脂層を熱接着した。その後、偏光性成形体を
インサート射出圧縮成形機から取り出した。得られた偏
光性成形体は、ポリカーボネート保護シートを凸面側に
配置し、熱可塑性ポリウレタンの熱成形樹脂層を凹面側
に一体配置した、厚さ2.2mmの8Cのプラノレンズ
である。同品の両面に、膜厚約2.5μmのシラン系ハ
ードコート膜を形成した。さらに、凸面側に真空蒸着法
によりミラーコート膜を形成した。できあがったレンズ
は、中心部で測定した可視光透過率が8%であり、きわ
めて強靭な機械特性を示した。また、偏光度は95%以
上であった。
の高い偏光性成形体およびその製法が提供される。
Claims (11)
- 【請求項1】 2枚の保護シート層の間に偏光子シート
層を挟持した偏光板を含む積層構造の偏光性成形体であ
って、保護シート層1層とポリウレタンシート層または
ポリアミドシート層とが接着剤または粘着剤で接合さ
れ、さらにポリウレタンシート層またはポリアミドシー
ト層と熱成形樹脂層とが熱接着されていることを特徴と
する偏光性成形体。 - 【請求項2】 ポリウレタンシート層が、ポリエーテル
系ポリウレタンシートまたはポリエステル系ポリウレタ
ンシートであることを特徴とする請求項1記載の偏光性
成形体。 - 【請求項3】 ポリアミドシート層が、透明ポリアミド
シートであることを特徴とする請求項1記載の偏光性成
形体。 - 【請求項4】 熱成形樹脂層の樹脂が、ポリアミド、熱
可塑性ポリウレタンおよびポリカーボネートよりなる群
から選択される、ポリウレタンシート層またはポリアミ
ドシート層と熱接着可能な樹脂であることを特徴とする
請求項1記載の偏光性成形体。 - 【請求項5】 ポリアミドが、透明ポリアミドであるこ
とを特徴とする請求項4記載の偏光性成形体。 - 【請求項6】 偏光性成形体の少なくともいずれかの表
面が、ハードコート、反射防止、防曇、防汚およびミラ
ーよりなる群から選択される機能性表面加工膜の少なく
ともいずれかで被覆されていることを特徴とする請求項
1記載の偏光性成形体。 - 【請求項7】 偏光性成形体が光学レンズであることを
特徴とする請求項1記載の偏光性成形体。 - 【請求項8】 第1段階で、2枚の保護シート層の間に
偏光子シート層を挟持した構造の偏光板を調製し、第2
段階で、偏光板の保護シート層1層にポリウレタンシー
ト層またはポリアミドシート層を接着剤または粘着剤で
接合した偏光性複合体を調製し、第3段階で、偏光性複
合体を球面形状体に熱プレス成形し、第4段階で、球面
形状体のポリウレタンシート層またはポリアミドシート
層に、熱成形樹脂層を熱成形することを特徴とする請求
項1記載の偏光性成形体の製造方法。 - 【請求項9】 偏光性複合体を球面形状体に熱プレス成
形する熱プレス成形機が、球面形状体の平面方向の大き
さ程度の穴を有する平面状の受け台と、受け台の穴のま
わりで、偏光性複合体を固定するクランプと、球面形状
体の大きさ、曲率に相当する先端形状を持つ、加熱可能
なアンビルから構成され、アンビルが受け台に嵌入可能
な構造を持っており、第3段階において偏光性複合体か
ら球面形状体を熱プレス成形するに当たり、[受け台上
に偏光性複合体を設置―クランプによる偏光性複合体の
受け台固定―アンビルの嵌入と熱プレス成形−アンビル
とクランプを元の位置に戻す−球面形状体の取り出し]
を1サイクルとすることを特徴とする請求項8記載の偏
光性成形体の製造方法。 - 【請求項10】 受け台上に偏光性複合体を設置すると
き、ポリウレタンシート層またはポリアミドシート層が
下面にくるように配置し、ポリウレタンシート層または
ポリアミドシート層側が球面形状体の凸面側にくるよう
に熱プレス成形し、できあがった球面形状体を反転し、
ポリウレタンシート層またはポリアミドシート層が凹面
側にくるように球面形状体を整えることを特徴とする請
求項9記載の偏光性成形体の製造方法。 - 【請求項11】 インサート射出成形機が、球面形状体
と同じ程度の曲率を有し、球面形状体を固定する固定側
金型と、任意の曲率を有する移動側金型から構成されて
おり、第4段階において偏光性成形体をインサート射出
成形するに当たり、[ポリウレタンシート層またはポリ
アミドシート層が金型の内側にくるように、固定側金型
へ球面形状体を配置、固定―移動側金型の締め付け−熱
成形樹脂層の射出成形−偏光性成形体の取り出し]を1
サイクルとすることを特徴とする請求項8記載の偏光性
成形体の製造方法。
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