JP2002188677A - 流体封入式能動型防振装置 - Google Patents

流体封入式能動型防振装置

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JP2002188677A
JP2002188677A JP2000389370A JP2000389370A JP2002188677A JP 2002188677 A JP2002188677 A JP 2002188677A JP 2000389370 A JP2000389370 A JP 2000389370A JP 2000389370 A JP2000389370 A JP 2000389370A JP 2002188677 A JP2002188677 A JP 2002188677A
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actuator
fluid
vibration
shaft
fitting
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Katsuhiro Goto
勝博 後藤
Kazuhiko Kato
和彦 加藤
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防振装置本体における加振板を、アクチュエ
ータの出力軸に対して、良好なる作業性をもって連結固
定することが可能であり、しかも、連結部位における緩
みやガタの発生が防止されて、アクチュエータの駆動力
が加振板に対して優れた伝達効率をもって高精度に及ぼ
され得る、新規な構造の流体封入式能動型防振装置を提
供すること。 【解決手段】 流体封入式防振装置本体に組み付けられ
た加振板93に対して、かかる加振板93を駆動変位せ
しめるアクチュエータ98に向かって突出する駆動軸1
80を固設すると共に、アクチュエータ98の出力軸1
78を該アクチュエータ98から該加振板93に向かっ
て突設させて、それら出力軸178と駆動軸180を重
ね合わせると共に、係止軸を重ね合わせ方向に挿通配置
せしめて連結し、更にそれら出力軸178と駆動軸18
0における連結部位の曲げ方向の相対変位を阻止する曲
げ方向固定手段(192,194)を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、例えば自動車用のエンジンマウ
ントやボデーマウント或いは制振装置等に採用されて、
防振すべき振動に対して積極的乃至は相殺的な防振効果
を発揮し得る能動型防振装置に係り、特に非圧縮性流体
が封入された受圧室の壁部の一部を加振板で構成し、該
加振板をアクチュエータで加振駆動せしめて受圧室の圧
力を制御することによって能動的な防振効果を得るよう
にした流体封入式能動型防振装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】振動伝達系を構成する部材間に介装される
防振連結体や防振支持体等としての防振装置の一種とし
て、第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体
で連結すると共に、本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成
されて振動が入力される受圧室を形成し、該受圧室に非
圧縮性流体を封入する一方、受圧室の壁部の別の一部を
加振板で構成すると共に、該加振板を加振駆動するアク
チュエータを設けて、加振板を加振することにより受圧
室を圧力制御するようにした流体封入式の能動型防振装
置が知られている。例えば、特開平2−42228号公
報や特開平10−47426号公報,特開平11−24
7919号公報などに記載の防振装置が、それである。
このような能動型防振装置は、例えば、防振連結される
部材に対して、防振すべき振動に対応した加振力を及ぼ
すことにより振動を相殺的に抑制したり、マウントのば
ね特性を入力振動に応じて積極的に変更して低動ばね化
等させることにより、振動に対して積極的な防振効果を
得ることができるのであり、例えば自動車用エンジンマ
ウント等への適用が考えられている。
【0003】ところで、このような能動型防振装置で
は、防振すべき振動に対応した周波数や位相で加振板を
高精度に加振制御する必要があることから、アクチュエ
ータとしては、前記公報等に記載されているようにコイ
ルを利用した電磁石タイプやボイスコイルタイプの電磁
式加振手段等が好適に採用されている。また、このよう
なアクチュエータは、一般に、防振装置の製作性等の理
由から、第一の取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾
性体で連結せしめて、該本体ゴム弾性体と加振板によっ
て壁部の一部が構成された流体室を形成してなる防振装
置本体とは別に形成されることとなり、別体形成したア
クチュエータにおける出力軸を防振装置本体の加振板に
対して後から連結固定せしめる構造とされている。
【0004】ところが、従来では、前記公報に記載され
ているように、アクチュエータの出力軸を加振板に対し
て、軸方向に同軸的に配設せしめた固定ボルトによって
ねじ止め固定するようにされていたことから、アクチュ
エータの出力軸の加振板に対する固定の作業が面倒で時
間もかかるという問題があった。
【0005】そこで、本出願人は、先に、特開平6−2
64955号公報や特開平11−351313号公報等
において、加振板からアクチュエータに向かって突出す
る駆動軸を固設せしめて、該駆動軸とアクチュエータの
出力軸を、軸直角方向で重ね合わせると共に、それら駆
動軸と出力軸を軸直角方向に貫通して挿通したボルトや
リベットで相互に連結せしめた構造を提案乃至は開示し
た。このような連結構造においては、加振板とアクチュ
エータの間の隙間で作業することが出来ると共に、連結
作業に際しての締付反力等が加振板に及ぼされるのを回
避することができることから、上述の如きアクチュエー
タの出力軸と同軸的に配設した固定ボルトによる連結構
造に比して、連結作業性が向上されると共に、連結作業
に際しての締付反力等に起因する加振板の損傷も防止さ
れ得るのである。
【0006】しかしながら、本発明者等が更なる検討を
加えたところ、アクチュエータの出力軸を加振板の駆動
軸に対してボルトやリベット等で軸直角方向に挿通連結
せしめた構造では、防振装置の継続的作動に伴って、ボ
ルトやリベットによる連結部位に緩みやガタの発生する
おそれがあると共に、アクチュエータによる駆動力の加
振板への伝達効率が低下するおそれのあることが見い出
された。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、防振装置本体における加振板を、別体形成
されたアクチュエータの出力軸に対して、良好なる作業
性をもって連結固定することが可能であり、しかも、連
結部位における緩みやガタの発生が防止されて、アクチ
ュエータの駆動力が加振板に対して優れた伝達効率をも
って安定して及ぼされ得る、新規な構造の流体封入式能
動型防振装置を提供することにある。
【0008】
【解決手段】先ず、本発明者は、アクチュエータの出力
軸と加振板の駆動軸を軸直角方向に挿通せしめたボルト
やリベット等で連結せしめた従来の連結構造について、
更なる検討を加えた結果、連結部位における緩みやガタ
の発生、およびアクチュエータ駆動力の加振板への伝達
効率の低下が、何れも、かかる連結部位においてボルト
やリベット等の中心軸回りに惹起される出力軸と駆動軸
の曲げ方向の微小な繰り返し変位に起因するところが大
きいとの新たな知見を得るに至ったのであり、そして、
本発明は、かかる新たな知見に基づいて、完成されたの
である。
【0009】以下、前述の如き課題を解決するために為
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の
組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至
は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることな
く、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの
記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づ
いて認識されるものであることが理解されるべきであ
る。
【0010】すなわち、本発明の第一の態様は、第一の
取付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結する
ことにより、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成され
て振動が入力される受圧室を形成し、該受圧室に非圧縮
性流体を封入する一方、該受圧室の壁部の別の一部を加
振板で構成すると共に、該加振板を挟んで該受圧室と反
対側に、該加振板を加振駆動するアクチュエータを配設
して、該加振板を該アクチュエータで加振することによ
り該受圧室を圧力制御するようにした流体封入式能動型
防振装置において、前記加振板から前記アクチュエータ
に向かって突出する駆動軸を該加振板に固設すると共
に、該アクチュエータの出力軸を該アクチュエータから
該加振板に向かって突設せしめて、該出力軸と該駆動軸
を略軸直角方向に重ね合わせると共に、それら出力軸と
駆動軸の重ね合わせ方向に係止軸を挿通せしめる一方、
それら出力軸と駆動軸の該係止軸による連結部位におけ
る曲げ方向の相対変位を阻止する曲げ方向固定手段を設
けたことを、特徴とする。
【0011】このような本態様に従う構造とされた流体
封入式能動型防振装置においては、アクチュエータの加
振力を加振板に伝達せしめるために、アクチュエータか
ら突設した出力軸と加振板から突設した駆動軸を互いに
重ね合わせて係止軸で連結することによって、それら出
力軸と駆動軸を軸方向で連結せしめたことに加えて、曲
げ方向固定手段を採用されており、かかる係止軸による
連結部位における出力軸と駆動軸の曲げ方向の相対変位
が防止されることとなる。
【0012】それ故、このような本態様においては、出
力軸と駆動軸の連結部位における曲げに起因する連結部
位のガタの発生や成長が防止されることとなり、長期間
に亘って初期の駆動力伝達性が維持され得ると共に、軸
方向の加振力の伝達効率が向上されるのであり、以て、
加振板を有利に駆動変位させることが出来ると共に、加
振振幅等の制御精度が向上され得るのである。しかも、
出力軸と駆動軸を重ね合わせて、かかる重ね合わせ方向
に係止軸を挿通せしめることによって、それら出力軸と
駆動軸を相互に連結せしめる構造を採用したことによ
り、例えば溶接や接着等による出力軸と駆動軸の連結構
造を採用する場合に比して、出力軸と駆動軸の連結を簡
単な構造と良好な作業性をもって行うことが出来るとい
う利点もある。
【0013】なお、本態様において採用される係止軸
は、出力軸と駆動軸に挿通されることによって、機械的
な係わり合いでそれら出力軸と駆動軸を相互に係止させ
て軸方向に相対変位不能に連結固定せしめる係止手段で
あって、例えば、リベットやピン,ボルトなどが何れも
採用可能である。また、曲げ方向固定手段とは、出力軸
と駆動軸の係止軸による連結部位において、それら出力
軸と駆動軸の中心軸に対する軸直角方向線回りに作用す
る曲げ力に抵抗して、出力軸と駆動軸を曲げ方向に相対
変位不能に固定せしめる手段であって、例えば、係止軸
を利用して構成しても良く、また係止軸と別構造で該曲
げ方向固定手段を構成することも可能である。
【0014】また、本発明の第二の態様は、前記第一の
態様に従う構造とされた流体封入式能動型防振装置であ
って、前記係止軸の周囲において、前記出力軸と前記駆
動軸の重ね合わせ面に凹凸係合部を設けることにより、
前記曲げ方向固定手段を構成したことを、特徴とする。
このような本態様においては、曲げ方向固定手段を、特
別な部材を必要とすることなく簡単な構造で実現するこ
とが出来るのであり、また、出力軸と駆動軸の連結を良
好な作業性をもって行うことが可能となる。
【0015】また、本発明の第三の態様は、前記第一又
は第二の態様に従う構造とされた流体封入式能動型防振
装置において、前記係止軸を、前記出力軸および前記駆
動軸の重ね合わせ面と直交する方向に対する傾斜方向に
挿通せしめることにより、前記曲げ方向固定手段を構成
したことを、特徴とする。このような本態様において
は、曲げ方向固定手段を係止軸を利用して構成すること
が出来るのであり、それによって、構造の簡略化と製作
性の向上が、共に有利に図られ得る。
【0016】さらに、本発明の第四の態様は、第一の取
付部材と第二の取付部材を本体ゴム弾性体で連結するこ
とにより、該本体ゴム弾性体で壁部の一部が構成されて
振動が入力される受圧室を形成し、該受圧室に非圧縮性
流体を封入する一方、該受圧室の壁部の別の一部を加振
板で構成すると共に、該加振板を挟んで該受圧室と反対
側に、該加振板を加振駆動するアクチュエータを配設し
て、該加振板を該アクチュエータで加振することにより
該受圧室を圧力制御するようにした流体封入式能動型防
振装置において、前記加振板から前記アクチュエータに
向かって突出する駆動軸を該加振板に固設すると共に、
該アクチュエータの出力軸を該アクチュエータから該加
振板に向かって突設せしめて、それら駆動軸と出力軸の
一方の突出先端部を筒状として、該突出先端部を他方の
突出先端部に対して外挿せしめて嵌着固定したことを、
特徴とする。
【0017】このような本態様に従う構造とされた流体
封入式能動型防振装置においては、アクチュエータの加
振力を加振板に伝達せしめるために、アクチュエータか
ら突設した出力軸と加振板から突設した駆動軸を互いに
内外挿して嵌着固定せしめたことにより、それら出力軸
と駆動軸を軸方向で連結せしめると同時に、かかる連結
部位における出力軸と駆動軸の曲げ方向での相対変位が
有利に防止されることとなる。
【0018】それ故、このような本態様においても、第
一乃至第三の態様に係る流体封入式能動型防振装置と同
様に、出力軸と駆動軸の連結部位における曲げに起因す
る連結部位のガタの発生や成長が防止されることとな
り、長期間に亘って初期の駆動力伝達性が維持され得る
と共に、軸方向の加振力の伝達効率が向上されるのであ
り、以て、加振板を有利に駆動変位させることが出来る
と共に、加振振幅等の制御精度が向上され得るのであ
る。しかも、出力軸と駆動軸を内外挿させて嵌着せしめ
ることによって、何等の別部材を必要とすることなく、
それら出力軸と駆動軸を極めて簡単な構造をもって連結
することが可能となるのである。
【0019】また、本発明の第五の態様は、前記第四の
態様に従う構造とされた流体封入式能動型防振装置にお
いて、前記出力軸と前記駆動軸の一方の突出先端部を他
方の突出先端部に対して圧入せしめたことを、特徴とす
る。このような本態様においては、出力軸と駆動軸の内
外挿部位の全周に亘って、それら出力軸と駆動軸を径方
向に圧接させて嵌着固定することが出来ることから、大
きな連結強度を得ることが出来ると共に、径方向のかし
め加工等が不要となって、連結作業性の更なる向上が図
られ得る。
【0020】また、本発明の第六の態様は、前記第四又
は第五の何れかの態様に従う構造とされた流体封入式防
振装置において、前記出力軸と前記駆動軸の一方の突出
先端部における前記筒状部分を、他方の突出先端部の外
周面に形成された凹部に入り込ませて嵌着せしめたこと
を、特徴とする。このような本態様においては、嵌着固
定部位に設けられた凹凸係合構造によって、出力軸と駆
動軸の固定強度と耐久性の更なる向上が図られ得る。
【0021】さらに、本発明の第七の態様は、前記第一
乃至第六の何れかの態様に従う構造とされた流体封入式
能動型防振装置において、前記アクチュエータが、コイ
ルへの通電によって駆動力を発生する電磁式乃至は電磁
石式の駆動手段であることを、特徴とする。このような
本態様においては、アクチュエータにおける出力、延い
ては加振板に及ぼされる加振力を、コイルへの供給電流
を制御することによって容易に且つ高精度に制御するこ
とが出来るのであり、そこにおいて、特に、アクチュエ
ータの出力軸と加振板の駆動軸を、上述の如き本発明に
従う特定の連結構造をもって連結せしめたことにより、
アクチュエータにおける発生駆動力を高精度に加振板に
伝達させることが可能となるのであり、それによって、
加振板の加振力、延いては発揮される防振特性の制御を
一層向上させることが可能となるのである。
【0022】また、本発明の第八の態様は、前記第一乃
至第七の何れかの態様に従う構造とされた流体封入式能
動型防振装置において、前記第二の取付部材に筒状部を
設けて、該筒状部の一方の開口部側に前記第一の取付部
材を離隔配置せしめ、それら第一の取付部材と第二の取
付部材を弾性連結する前記本体ゴム弾性体によって該筒
状部の該一方の開口部を流体密に閉塞せしめると共に、
該筒状部の他方の開口部側を変形容易な可撓性膜で流体
密に閉塞せしめる一方、該本体ゴム弾性体と該可撓性膜
の対向面間に前記加振板を配設して前記筒状部によって
軸方向に変位可能に支持せしめることにより、該加振板
を挟んで前記本体ゴム弾性体側に前記受圧室を形成する
と共に、前記可撓性膜側に非圧縮性流体が封入された容
積可変の平衡室を形成し、更にそれら受圧室と平衡室を
相互に連通するオリフィス通路を設ける一方、前記可撓
性膜を流体密に貫通して連結部材を固着せしめて、該連
結部材の該平衡室側への突出部分を前記加振板に対して
固定することにより、該連結部材の外方への突出部分に
よって前記駆動軸を構成すると共に、前記可撓性膜を挟
んで前記平衡室と反対側に前記アクチュエータを配設し
て前記第二の取付部材に対して固定支持せしめて、該ア
クチュエータの出力軸を該連結部材の外方への突出部分
に対して連結したことを、特徴とする。
【0023】このような本発明に従う構造とされた流体
封入式能動型防振装置においては、流体封入式防振装置
本体に対してアクチュエータを組み付けるに際して、加
振板の駆動軸とアクチュエータの出力軸との連結部位に
おいて、前記第一乃至第七の何れかの態様に従う構造と
された特定の連結構造が採用されることとなり、それに
よって、簡略な構造で高精度な駆動力の伝達効率が実現
され得るのであり、目的とする防振性能を高度に且つ安
定して得ることが可能となるのである。
【0024】
【発明の実施形態】以下、本発明を更に具体的に明らか
にするために、本発明の実施形態について、図面を参照
しつつ、詳細に説明する。
【0025】先ず、図1には、本発明の第一の実施形態
としての自動車用エンジンマウント10が示されてい
る。このエンジンマウント10は、第一の取付部材とし
ての第一の取付金具12と第二の取付部材としての第二
の取付金具14が、互いに離隔して対向配置されている
と共に、それらの間に介装された本体ゴム弾性体16に
よって弾性的に連結されている。そして、エンジンマウ
ント10は、第一の取付金具12が図示しないパワーユ
ニットに取り付けられる一方、第二の取付金具14が図
示しない自動車ボデーに取り付けられることにより、パ
ワーユニットをボデーに対して防振支持せしめる構造と
されている。また、そのような装着状態下、かかるエン
ジンマウント10には、パワーユニットの分担荷重が及
ぼされることにより、第一の取付金具12と第二の取付
金具14が相互に接近する方向に本体ゴム弾性体16が
弾性変形せしめられると共に、それら第一の取付金具1
2と第二の取付金具14の接近/離隔方向に防振すべき
主たる振動が入力されるようになっている。なお、以下
の説明中、上下方向とは、原則として図1中の上下方向
を言うものとする。
【0026】より詳細には、第一の取付金具12は、軸
直角方向に広がる円板形状を有しており、その中央部分
に設けられた挿通孔に対して取付ボルト18の脚部が圧
入固定されて軸方向上方に向かって突出して固着されて
いる。また、取付ボルト18には、第一の取付金具12
よりも大径の略円板形状を有するストッパプレート20
が、その中心孔22において外挿固定されており、この
ストッパプレート20が第一の取付金具12の上面に密
接して重ね合わされて軸直角方向に広がって配設されて
いる。また、ストッパプレート20の外周縁部は、第一
の取付金具12から径方向外方に突出しており、その突
出部分に対して第一の緩衝ゴム24が被着されることに
よってストッパ部26が形成されている。そして、スト
ッパプレート20が組み付けられた第一の取付金具12
は、取付ボルト18によって図示しないパワーユニット
に対して固定的に取り付けられるようになっている。
【0027】また一方、第二の取付金具14は、第一の
筒金具28と第二の筒金具30によって構成されてい
る。第一の筒金具28は、大径の略円筒形状を有してお
り、軸方向上端部分が括れ状に屈曲されて、開口部分が
軸方向上方に向かってテーパ状に拡開するテーパ状連結
部32とされている一方、軸方向下端部分には、段差部
34によって大径化された円筒形状のかしめ部36が一
体形成されている。一方、第二の筒金具30は、軸方向
両端部分の各開口周縁部が径方向外方に屈曲されてお
り、軸方向上方には第一のフランジ部38が、また、軸
方向下方には第二のフランジ部40がそれぞれ一体形成
されている。そして、これら第一及び第二の筒金具2
8,30は、軸方向に相互に重ね合わされて、第二の筒
金具30の第一のフランジ部38に対して第一の筒金具
28のかしめ部36がかしめ固定されることによって、
全体として略円筒形状を有する第二の取付金具14が形
成されている。なお、第二の取付金具14は、第二の筒
金具30の第二のフランジ部40において、図示しない
自動車ボデーに取り付けられるようになっている。
【0028】そして、第一の取付金具12と第二の取付
金具14が略同一中心軸上に離隔して対向配置されてい
ると共に、これら第一及び第二の取付金具12,14が
本体ゴム弾性体16によって弾性的に連結されている。
【0029】かかる本体ゴム弾性体16は、全体として
略円錐台形状を有しており、その小径側端面に対して第
一の取付金具12が重ね合わされて加硫接着されている
一方、大径側端部外周面には、第一の筒金具28のテー
パ状連結部32が重ね合わされて加硫接着されている。
要するに、本体ゴム弾性体16は、第一の取付金具12
と第二の取付金具14を有する一体加硫成形品として形
成されている。なお、本体ゴム弾性体16の大径側端面
には、軸方向下方に開口するすり鉢形状の凹所42が設
けられており、パワーユニット荷重の入力時に本体ゴム
弾性体16に生ぜしめられる引張応力が軽減されるよう
になっている。
【0030】また、第一の筒金具28のテーパ状連結部
32の開口周縁部には、径方向外方に広がり、且つスト
ッパプレート20のストッパ部26に対して軸方向で対
向位置せしめられる第一のストッパ当接部44が一体形
成されており、この第一のストッパ当接部44の軸方向
外面には、第二の緩衝ゴム46が被着形成されている。
そして、ストッパプレート20のストッパ部26と第一
の筒金具28の第一のストッパ当接部44が、第一及び
第二の緩衝ゴム24,46を介して当接することによっ
て、第一の取付金具12と第二の取付金具14の軸方向
における接近方向での相対変位量が、緩衝的に制限され
るようになっている。
【0031】更にまた、第一の筒金具28の筒部外周面
には、径方向外方に突設されたブラケット48によっ
て、軸方向上方に向かって延び出す大径円筒形状のスト
ッパ筒金具50が固定的に支持されている。このストッ
パ筒金具50は、本体ゴム弾性体16の外周面を離隔し
て覆うようにして第一の取付金具12側に延び出してお
り、その先端部分が内方に屈曲されることにより、スト
ッパプレート20のストッパ部26に対して軸方向で対
向位置せしめられる第二のストッパ当接部52が形成さ
れている。そして、ストッパプレート20のストッパ部
26とストッパ筒金具50の第二のストッパ当接部52
が、第一の緩衝ゴム24を介して当接することによっ
て、第一の取付金具12と第二の取付金具14の軸方向
における離隔方向での相対変位量が、緩衝的に制限され
るようになっている。
【0032】さらに、上述の如く本体ゴム弾性体16が
第一の取付金具12と第二の取付金具14に加硫接着さ
れることにより、第二の取付金具14の上側開口部が本
体ゴム弾性体16で流体密に閉塞されている。また、第
二の取付金具14内には、ダイヤフラム54と仕切部材
56が、それぞれ、略軸直角方向に広がって収容配置さ
れている。
【0033】可撓性膜としてのダイヤフラム54は、変
形容易な薄肉のゴム弾性膜によって構成されており、中
央部分には、表裏に貫通した連結部材としての連結金具
58が加硫接着されている一方、外周縁部には、略円環
形状の支持金具60が加硫接着されている。なお、ダイ
ヤフラム54には、弾性変形が容易に許容されるように
径方向の弛みが付与されている。
【0034】そして、支持金具60が、第一及び第二の
筒金具28,30の間で流体密にかしめ固定されること
により、ダイヤフラム54の外周縁部が第二の取付金具
14によって支持されており、それによって、第二の取
付金具14を構成する第一の筒金具28における下側開
口部がダイヤフラム54によって流体密に閉塞されてい
る。而して、第一の筒金具28の内部には、本体ゴム弾
性体16とダイヤフラム54の対向面間において、外部
空間に対して流体密に遮断されて非圧縮性流体が封入さ
れた流体室が形成されている。なお、封入される非圧縮
性流体としては、例えば、水やアルキレングリコール,
ポリアルキレングリコール,シリコーン油等が採用され
得、特に後述する流体の共振作用に基づく防振効果を有
効に得るためには、粘度が0.1Pa・s以下の低粘性
流体が望ましい。なお、ダイヤフラム54を挟んで流体
室と反対側に位置する第二の筒金具30の内部には、ダ
イヤフラム54の変形を許容する空気室62が形成され
ている。
【0035】また、仕切部材56は、厚肉の略円板形状
を有する仕切金具本体64と、該仕切金具本体64の上
面に密接して重ね合わせられた薄肉の円板形状を有する
蓋金具66によって構成されている。そして、かかる仕
切部材56は、第二の取付金具14を構成する第一の筒
金具28に圧入されており、蓋金具66の外周縁部が、
第一の筒金具28のテーパ状連結部32に対してゴム弾
性体層を介して押圧される一方、仕切金具本体64の下
端外周縁部に突設された環状の径方向突部68が、第一
及び第二の筒金具28,30間でダイヤフラム54の支
持金具60と共にかしめ固定されることにより、第二の
取付金具14に対して固定的に組み付けられている。な
お、第一の筒金具28の内周面には、略全体に亘ってシ
ールゴム層70が被着形成されており、仕切部材56の
外周面が第二の取付金具14に対して流体密に圧接され
ている。
【0036】これにより、第一の筒金具28内に形成さ
れた流体室が、仕切部材56を挟んだ軸方向両側に流体
密に二分されており、以て、仕切部材56の軸方向上側
には、壁部の一部が本体ゴム弾性体16で構成されて、
振動入力時に本体ゴム弾性体16の弾性変形に基づいて
圧力変化が惹起される受圧室72が形成されていると共
に、仕切部材56の軸方向下側には、壁部の一部がダイ
ヤフラム54で構成されて、該ダイヤフラム54の変形
に基づいて容積変化が容易に許容される平衡室74が形
成されている。
【0037】また、仕切金具本体64の中央部分には、
軸方向下方に開口する中央凹所76と、軸方向上方に開
口する小形凹所78が形成されており、これら中央凹所
76と小形凹所78が、両凹所76,78を仕切る底壁
部79に貫設された複数の貫通孔80によって相互に連
通されている。更にまた、蓋金具66の中央部分には、
透孔90が板厚方向に貫通して形成されている。
【0038】更にまた、仕切金具本体64の中央凹所7
6には、加振金具92が配設されている。この加振金具
92は、中央凹所76よりも小径の底壁部分を備えた略
逆カップ形状を有しており、筒壁部の外周面には、径方
向外方に広がる略円環板形状の加振支持ゴム94が加硫
接着されていると共に、加振支持ゴム94の外周面に
は、略円筒形状の取付金具96が加硫接着されている。
要するに、加振支持ゴム94は、同一中心軸上に配され
た加振金具92と取付金具96を備えた一体加硫成形品
として形成されているのである。そして、取付金具96
が仕切金具本体64の中央凹所76の開口部に圧入固定
されることにより、中央凹所76の開口部分において軸
直角方向に広がって、該中央凹所76の下方開口を流体
密に覆蓋する状態で、加振金具92を含む加振支持ゴム
94が仕切部材56に対して組み付けられている。な
お、加振金具92は、仕切金具本体64の底壁部79に
対して軸方向で所定距離を隔てて対向配置されており、
加振金具92の上方への変位量が、加振支持ゴム94と
一体形成された緩衝ゴムを挟んでの底壁部79への当接
によって制限されるようになっている。また、加振金具
92は、ダイヤフラム54の中央を貫通して固着配置さ
れた連結金具58の上端部に外嵌固定されている。
【0039】すなわち、かかる組み付け状態下、加振金
具92と加振支持ゴム94によって加振板としての加振
部材93が構成されており、この加振部材93の上側に
は、中央凹所76によって加振室95が形成されている
一方、加振部材93の下側には、前記平衡室74が形成
されている。また、加振室95は、仕切金具本体64の
貫通孔80および小形凹所78と蓋金具66の透孔90
によって前記受圧室72に連通されており、特に本実施
形態では、それら貫通孔80や小形凹所78,透孔90
によって形成された通路断面積が十分に大きく設定され
ていることにより、加振室95が実質的に受圧室72の
一部として作用するようになっており、受圧室72が加
振室95を一部に含んで構成されている。
【0040】さらに、仕切金具本体64の外周部分に
は、中央凹所76や小形凹所78の周りを周方向に所定
の長さで延びる周溝82が形成されている。そして、仕
切金具本体64の上面に蓋金具66が密接して重ね合わ
せられると共に、仕切金具本体64の外周面に第一の筒
金具28が密接して重ね合わせられることによって周溝
82が覆蓋されており、以て、周方向に所定の長さで延
びるオリフィス通路84が形成されている。また、オリ
フィス通路84は、周方向一方の端部が、仕切金具本体
64に貫設された連通孔86を通じて平衡室74に開口
連通せしめられていると共に、周方向他方の端部が、蓋
金具66に貫設された連通孔88を通じて受圧室72に
開口連通せしめられている。
【0041】なお、本実施形態においては、振動入力時
に受圧室72と平衡室74の圧力差に基づいてオリフィ
ス通路84を流動せしめられる流体の共振作用に基づい
て、エンジンシェイク等の低周波振動に対して有効な防
振効果が発揮されるように、オリフィス通路84の通路
長さや断面積等がチューニングされている。
【0042】また、上述の如き受圧室72や平衡室74
を備えたマウント本体97に対して、その第二の取付金
具14の軸方向下側には、アクチュエータとしての電磁
石式加振装置98が配設されて組み付けられている。こ
の電磁石式加振装置98は、径方向に離隔して互いに同
軸的に配されたインナ軸部材としてのインナ軸金具10
0とアウタ筒部材としてのアウタ筒金具102を備えて
おり、それらインナ軸金具100とアウタ筒金具102
に形成されるインナ側磁極104とアウタ側磁極106
の間における磁力作用に基づいて、インナ軸金具100
とアウタ筒金具102の間に軸方向の相対変位力が及ぼ
されるようになっている。
【0043】より具体的には、インナ軸金具100は、
鉄等の強磁性材によって形成されており、軸方向に略一
定の断面積で貫設された内孔108を有する全体として
小径厚肉の円筒形状とされている。また、インナ軸金具
100の軸方向上端部には、薄肉筒状のかしめ部110
が一体形成されている一方、インナ軸金具100の軸方
向下端部は、段差面112を介して、小径の嵌着筒部1
14が一体形成されていると共に、該嵌着筒部114の
軸方向先端部分には軸方向下方に延びる固定用ボルト1
16が一体形成されている。
【0044】また、図2にも示されているように、イン
ナ軸金具100の軸方向中央部分には、周方向に巻回さ
れた円環形状のコイル118が組み付けられている。な
お、コイル118の外周面は、電気絶縁性のボビン12
0によって被覆されている。また、インナ軸金具100
には、軸方向上端部から所定長さで軸方向に延びるスリ
ット状の切欠122が形成されており、インナ軸金具1
00の内孔108を通じて下端開口部から挿通された給
電用リード線124が、この切欠122からコイル11
8に接続されている。
【0045】更にまた、インナ軸金具100には、厚肉
の円環板形状を有する上下板金具126,128が外挿
されて、コイル118の軸方向両側面に重ね合わされて
固定的に配設されている。これら上下板金具126,1
28は、何れも鉄等の強磁性材で形成されており、イン
ナ軸金具100の外径寸法よりも僅かに大きな内径寸法
と、コイル118よりも僅かに大きな外径寸法を有して
いる。そして、これら上下板金具126,128が、各
内周面においてインナ軸金具100の外周面に当接固定
されており、コイル118を軸方向両側から挟み込むよ
うにして組み付けられている。また、上下板金具12
6,128の外周縁部には、各対向面側に対して、それ
ぞれ強磁性材からなる円筒形状を有する上下リング金具
130,132が軸方向に重ね合わせられて当接配置さ
れている。即ち、これら上下リング金具130,132
は、上下板金具126,128の外周縁部から軸方向内
方に向かってそれぞれ突出せしめられており、コイル1
18のボビン120の外周面上に固着されている。な
お、上下リング金具130,132の軸方向突出先端面
は、軸方向で互いに離隔して対向位置せしめられてお
り、それらの対向面間にボビン120が入り込むように
して固着されている。
【0046】これにより、コイル118の周りには、そ
れぞれ強磁性材によって形成されたインナ軸金具100
と上下板金具126,128および上下リング金具13
0,132によって協働して、略C字形断面で周方向の
全周に亘って延びる内側ヨーク134が構成されてい
る。そして、コイル118に対して、給電用リード線1
24を通じて給電すると、電流の磁気作用によって磁界
が発生し、コイル118が電磁石として機能することに
より、それらインナ軸金具100と上下板金具126,
128および上下リング金具130,132によって協
働して形成された内側ヨーク134に対して、コイル1
18への通電方向に応じた磁極が与えられるようになっ
ている。即ち、コイル118への給電により、内側ヨー
ク134には、上下何れか一方の板金具126(12
8)の外周縁部とリング金具130(132)によって
N磁極が構成されると共に、上下他方の板金具128
(126)の外周縁部とリング金具132(130)に
よってS磁極が形成されることとなる。要するに、内側
ヨーク134においては、上板金具126の外周縁部お
よび上リング金具130と、下板金具126の外周縁部
およびリング金具132とによって、両磁極が形成され
て、それら上板金具126の外周縁部および上リング金
具130と、下板金具126の外周縁部およびリング金
具132の間に、環状磁路が遮断されて磁気ギャップが
形成されるようになっているのである。
【0047】また一方、アウタ筒金具102は、鉄等の
強磁性材で形成された上下一対の外側ヨーク部材として
の上下の外側ヨーク金具136,138によって構成さ
れている。これら各外側ヨーク金具136,138は、
何れも、大径の略円筒形状を有しており、同一中心軸上
で互いに直接に重ね合わせられている。そして、これら
上下の外側ヨーク金具136,138には、大径の逆カ
ップ形状を有するカバー金具140が外嵌固定されてお
り、カバー金具140の筒壁部の内周面に対して上下の
外側ヨーク金具136,138が嵌着固定されている。
【0048】これら上下の外側ヨーク金具136,13
8には、各軸方向中間部分において、径方向内方に突出
する凸部142,144が、周方向の全周に亘って連続
して一体形成されている。即ち、アウタ筒金具102に
は、上外側ヨーク金具136に形成された凸部142と
下外側ヨーク金具138に形成された凸部144が、互
いに軸方向に所定距離を隔てて位置せしめられているの
である。そして、これら一対の凸部142,144は、
それぞれ、内側ヨーク134において上下板金具12
6,128と上下リング金具130,132によって形
成された両側磁極に対して、径方向外方に所定距離のギ
ャップを隔てて対向位置せしめられている。そこにおい
て、上外側ヨーク金具136の内周面146は、上板金
具126と上リング金具130の各外周面で協働して形
成されたインナ側上磁極面148に対して、軸方向外方
(上方)に偏倚して位置せしめられている。また一方、
下外側ヨーク金具138の内周面150は、下板金具1
28と下リング金具132の各外周面で協働して形成さ
れたインナ側下磁極面152に対して、軸方向外方(下
方)に偏倚して位置せしめられている。
【0049】さらに、アウタ筒金具102には、上下外
側ヨーク金具136,138の軸方向の突き合わせ部分
に対して、円環形状の永久磁石154が嵌め込まれて内
周面に嵌着固定されている。この永久磁石154は、径
方向に着磁されており、内周面156が一方の磁極面
(本実施形態ではN極面)とされていると共に、外周面
158が他方の磁極面(本実施形態ではS極面)とされ
ている。そして、外周面158が上下外側ヨーク金具1
36,138に密接状態で重ね合わされている一方、内
周面156が、上下外側ヨーク金具136,138の上
下凸部142,144と略同じ高さで、径方向内方に突
出位置せしめられており、インナ軸金具100側に形成
されたインナ側上磁極面148とインナ側下磁極面15
0の軸方向対向面間に配設されたボビン120に対し
て、径方向外方に離隔して対向位置せしめられている。
【0050】そして、このように永久磁石154がアウ
タ筒金具102に固着されることによって、それら永久
磁石154とアウタ筒金具102によって協働して磁路
が形成されており、永久磁石154の内周面156によ
って一方の磁極(本実施形態ではN極)面が構成されて
いる一方、アウタ筒金具102の一対の凸部142,1
44の内周面146,150によって他方の磁極(本実
施形態ではS極)面が構成されている。
【0051】さらに、上述の如き磁路を備えたインナ軸
金具100とアウタ筒金具102は、軸方向両側に位置
して軸直角方向に広がって配設された弾性連結部材とし
ての板ばね160,162によって弾性的に連結されて
いる。これらの板ばね160,162は、何れも、ばね
鋼等によって形成された薄肉の円環板形状を有してお
り、軸方向ばね特性を調節するために、必要に応じて、
例えば内周側から外周側に向かって螺旋状に延びる適数
本の貫通穴が形成されている。そして、上板ばね160
は、内周縁部において、インナ軸金具100の軸方向上
端部に対してかしめ部110でかしめ固定されていると
共に、外周縁部において、上外側ヨーク金具136の軸
方向上端面とカバー金具140に圧入された上固定リン
グ164の間で挟持固定されている。また一方、下板ば
ね162は、内周縁部において、インナ軸金具100の
軸方向下端部の段差面112に重ね合わされて後述する
保持ケース168によって固定されていると共に、外周
縁部において、下外側ヨーク金具138の軸方向下端面
とカバー金具140に圧入された下固定リング166の
間で挟持固定されている。
【0052】そして、これら一対の上下板ばね160,
162でインナ軸金具100とアウタ筒金具102が弾
性連結されることにより、インナ軸金具100とアウタ
筒金具102が、略同一中心軸上で軸方向における弾性
的な相対変位が許容されるように弾性連結されている。
また、特別な外力が及ぼされていない静的な初期状態で
は、それらインナ軸金具100とアウタ筒金具102
は、上述の如き軸方向の相対位置となるように、軸方向
の中心が互いに略同一となるように設定されている。な
お、インナ軸金具100の軸方向上端部には弾性キャッ
プ163が嵌着固定されて、カバー金具140の底壁部
に対して軸方向で対向位置せしめられており、カバー金
具140の底壁部の弾性キャップ163への当接によっ
て、板ばね160,162の弾性変形に伴うインナ軸金
具100とアウタ筒金具102の軸方向の相対変位量が
緩衝的に制限されるようになっている。
【0053】すなわち、本実施形態の電磁石式加振装置
98では、コイル118への非電通状態下において、板
ばね160,162の弾性力、およびインナ側上下磁極
面148,152とアウタ側磁極面(146,150,
156)の磁力の釣り合いに基づいて、インナ側軸部材
100とアウタ筒金具102に対して、上述の如き軸方
向の中立位置への保持力と、かかる中立位置への軸方向
の復帰力が及ぼされるようになっている。また、コイル
118に給電することによって、インナ側上下磁極面1
48,152とアウタ側磁極面(146,150,15
6)の間に及ぼされる磁力に基づいて、インナ軸金具1
00とアウタ筒金具102に対して、コイル118への
通電方向に応じた軸方向一方の側への相対駆動力が作用
せしめられるようになっている。従って、コイル118
に対して交番電流や脈波電流、パルス電流等を給電する
ことによって、インナ軸金具100とアウタ筒金具10
2に対して軸方向の相対的な加振力が、駆動力として生
ぜしめられるようになっているのである。
【0054】さらに、このような構造とされた電磁石式
加振装置98は、大径のカップ形状を有する保持ケース
168に収容された状態で、マウント本体97に組み付
けられている。かかる保持ケース168には、開口周縁
部に外向きのフランジ部170が一体形成されていると
共に、底壁中央部分に固定用孔172が貫設されてい
る。また、固定用孔172の周縁部には、軸方向上方に
向かって延び出す筒状の保持筒部174が一体形成され
ている。
【0055】そして、かかる電磁石式加振装置98は、
インナ軸金具100の嵌着筒部114が保持ケース16
8の保持筒部174に内挿されて固定用孔172に挿通
されており、インナ軸金具100の嵌着筒部114に対
して保持筒部174が嵌め込まれていると共に、保持筒
部174に挿通されて軸方向外方に突出せしめられた固
定用ボルト116に固定ナット176を締め付けて固着
されている。これにより、電磁石式加振装置98は、保
持ケース168に収容されて、同一中心軸上に固定的に
取り付けられているのである。また、かかる取付状態
下、アウタ筒金具102は、上下板ばね160,162
の弾性変形に基づく軸方向で所定量の変位が弾性的に許
容されるようになっている。
【0056】さらに、電磁石式加振装置98が取り付け
られた保持ケース168は、第二の取付金具14を構成
する第二の筒金具30に嵌め込まれて、第一及び第二の
筒金具28,30のかしめ固定部位においてフランジ部
170をかしめ部36でかしめ固定されることによっ
て、マウント本体97と同一中心軸上で第二の取付金具
14に対して固定的に組み付けられている。
【0057】また、このようにして組み付けられた電磁
石式加振装置98は、アウタ筒金具102に固着された
カバー金具140の底壁中央が、加振金具92に固着さ
れて軸方向下方に向かって突出する連結金具58に対し
て、軸方向で対向位置せしめられている。更に、カバー
金具140の底壁中央には、連結金具58に向かって軸
方向上方に突出する出力軸としての出力ロッド178が
溶接等によって固設されている。また一方、連結金具5
8の下部中央には、カバー金具140に向かって軸方向
下方に突出する駆動軸としての駆動ロッド180が一体
形成によって固設されている。そして、これら出力ロッ
ド178と駆動ロッド180は、突出方向に延びる一方
の面で互いに重ね合わせられていると共に、それぞれの
対応する位置において重ね合わせ方向に貫通形成された
挿通孔182,184に対して係止軸としてのリベット
186が挿通嵌合されることによって、出力ロッド17
8と駆動ロッド180が相互に連結固定されている。
【0058】これにより、電磁石式加振装置98に生ぜ
しめられる駆動力が、出力ロッド178から駆動ロッド
180を通じて、連結金具58から加振部材93が及ぼ
されて、加振部材93が中心軸方向に往復加振せしめら
れるようになっている。そして、この加振部材93を、
振動に応じて周波数と位相で加振することにより、受圧
室72の圧力を積極的に制御せしめて、目的とする防振
効果を得ることが出来るようになっているのである。
【0059】ここにおいて、出力ロッド178と駆動ロ
ッド180における各重ね合わせ面188,190は、
図3〜4に示されているように、何れも、重ね合わせ方
向に対して略直角に広がっている。また、出力ロッド1
78の重ね合わせ面188には、加振装置98の中心軸
に対して直交する方向に延びる係合凹溝192が形成さ
れている。特に本実施形態では、かかる係合凹溝192
が、V字溝形の断面形状で直線的に延びるようにして互
いに平行に複数条形成されている。また一方、駆動ロッ
ド180の重ね合わせ面190には、係合凸条194が
一体形成されている。特に本実施形態では、かかる係合
凸条194が、係合凹溝192に対応した山形乃至は楔
形の断面形状で直線的に延びるようにして、係合凹溝1
92に対応する位置に複数条形成されている。
【0060】そして、出力ロッド178と駆動ロッド1
80が互いに重ね合わせられると共に、リベット186
で重ね合わせ方向に挟持されることによって、出力ロッ
ド178の各係合凹溝192に対して、それぞれ、駆動
ロッド180の係合凸条194が嵌め込まれて係合せし
められている。
【0061】すなわち、これら係合凸条194と係合凹
溝192の係合によって、出力ロッド178と駆動ロッ
ド180の重ね合わせ面における相対変位が阻止される
こととなるのであり、特に、リベット186の中心軸周
りの回転方向の相対変位と、電磁石式加振装置98によ
る出力の伝達方向の相対変位が、何れも略確実に防止さ
れ得ることとなる。
【0062】それ故、電磁石式加振装置98の出力が、
出力ロッド178と駆動ロッド180を介して、加振部
材93に効率的に伝達され得るのであり、加振部材93
を、優れたエネルギ効率をもって、且つ高精度に加振制
御することが可能となって、目的とする防振効果を有効
に得ることが出来るのである。
【0063】しかも、上述の如き係合凸条194と係合
凹溝192の係合作用によって、出力ロッド178と駆
動ロッド180におけるリベット186回りの相対回動
が防止されることから、微小なストロークでのリベット
186回りの相対回動に起因すると考えられる、リベッ
ト186による連結部位におけるガタや緩みの発生も効
果的に抑制乃至は防止され得るのである。
【0064】また、本実施形態では、係合凹溝192が
V字形断面形状とされていると共に、係合凸条194が
楔形断面形状とされていることから、係合凹溝192に
対する係合凸条194の位置合わせと嵌め込みを容易に
行うことが出来る。更にまた、係合凹溝192の断面形
状よりも係合凸条194の断面形状の方が僅かに大きく
されていることから、出力ロッド178と駆動ロッド1
80の重ね合わせ面同士の直接的な当接までは至らない
隙間が重ね合わせ面間に残されるようになっていること
から、それら出力ロッド178と駆動ロッド180に対
して、リベット186による重ね合わせ方向の締付力、
および係合凹溝192と係合凸条194の嵌合固定力
を、一層有利に且つ安定して得ることが可能となる。
【0065】さらに、本実施形態の連結構造において
は、係合凹溝192と係合凸条194の嵌合に基づい
て、出力ロッド178と駆動ロッド180の駆動力伝達
方向での相対変位に対する抵抗力が発揮されることか
ら、リベット186に作用する駆動力伝達方向の外力が
軽減乃至は防止され得るのであり、それによって、例え
ばアルミニウム合金製等のリベット186を採用した場
合でも、長期間に亘るリベット186の塑性的変形に起
因するガタの発生も有利に防止され得るのである。
【0066】次に、本発明の第二の実施形態としての自
動車用エンジンマウントの要部拡大図が、図5に示され
ている。なお、以下の説明において、図1に示された第
一の実施形態としての自動車用エンジンマウント(1
0)と同様な構造とされた部材および部位については、
それぞれ、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付す
ことにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0067】すなわち、本実施形態におけるエンジンマ
ウントは、電磁石式加振装置98に設けられた出力ロッ
ド178と、加振部材93に固着された連結金具58の
連結構造の別の具体例を示すものである。
【0068】より詳細には、本実施形態においては、出
力ロッド178と駆動ロッド180の各重ね合わせ面1
88,190が、何れも、重ね合わせ方向に対して略直
角に広がる平坦面とされている。一方、出力ロッド17
8と駆動ロッド180には、リベット186を挿通する
ための挿通孔182,184が、重ね合わせ方向に対し
て所定角度:αだけ傾斜して形成されている。なお、α
は、5度<α≦60度が望ましく、より好適には5度≦
α≦45度に設定されることとなり、それによって、リ
ベット186の取付作業性と、出力ロッド178と駆動
ロッド180の間での伝達力に対するリベット186の
部材強度が有利に確保され得る。
【0069】また、本実施形態では、出力ロッド178
の挿通孔182および駆動ロッド180の挿通孔184
において、各重ね合わせ面188,190と反対側の面
における挿通孔182,184の開口周縁部分が、傾斜
して形成された挿通孔182,184の中心軸197に
対して直交して広がる傾斜平面198,199とされて
おり、これらの傾斜平面198,199に対して、リベ
ット186の両側頭部が密接されるようになっている。
【0070】更にまた、本実施形態では、駆動ロッド1
80の挿通孔184における重ね合わせ面190側の開
口端部が拡開したテーパ部195とされている一方、出
力ロッド178の挿通孔182における重ね合わせ面1
88側の開口周縁部において、テーパ状外周面をもって
挿通孔182の中心軸方向に突出するテーパ状突起19
6が一体形成されている。そして、出力ロッド178と
駆動ロッド180が重ね合わせられることにより、テー
パ状凸部196がテーパ部195に嵌め込まれて嵌合せ
しめられている。
【0071】このような構造とされた本実施形態の連結
構造においては、出力ロッド178と駆動ロッド180
を連結するリベット186が、それら出力ロッド178
と駆動ロッド180の連結部位において曲げ中心軸とな
る重ね合わせ方向に平行な線に対して所定角度:α(≠
0)だけ傾斜せしめられていることから、それら出力ロ
ッド178と駆動ロッド180の曲げ方向への相対変位
が、リベット186によって有効に防止され得ることと
なる。
【0072】それ故、このような本実施形態において
も、前記第一実施形態と同様な効果が何れも有効に発揮
され得て、電磁石式加振装置98によって加振部材93
を効率的に且つ高精度に加振制御することが出来るので
あり、目的とする防振特性を有利に且つ安定して得るこ
とが可能となるのである。
【0073】しかも、本実施形態においては、リベット
186を利用して曲げ方向固定手段が構成されることか
ら、出力ロッド178と駆動ロッド202の連結部位に
おける連結構造を、第一の実施形態よりも更に簡略化す
ることが可能となるのである。
【0074】また、本実施形態においては、出力ロッド
178と駆動ロッド180の重ね合わせ面188,19
0に対してテーパ部198とテーパ状突起196からな
る凹凸嵌合構造が構成されていることから、かかる凹凸
嵌合構造によって、両挿通孔182,184の位置合わ
せと、そこへのリベット186の挿通を容易に行うこと
が可能となる。
【0075】更にまた、本実施形態においては、出力ロ
ッド178と駆動ロッド180に形成された傾斜平面1
98,199へのリベット186の頭部の当接と、テー
パ部195とテーパ状突起196の凹凸嵌合に基づい
て、それら出力ロッド178と駆動ロッド180の駆動
力伝達方向での相対変位に対する抵抗力が発揮されるこ
とから、リベット186に対する剪断荷重が軽減され
て、リベット186の塑性的変形に起因するガタの発生
も有利に防止され得るのである。
【0076】次に、本発明の第三の実施形態としての自
動車用エンジンマウントの要部拡大図が、図6に示され
ている。なお、以下の説明において、図1に示された第
一の実施形態としての自動車用エンジンマウント(1
0)と同様な構造とされた部材および部位については、
それぞれ、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付す
ことにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0077】すなわち、本実施形態におけるエンジンマ
ウントは、電磁石式加振装置98に設けられた出力ロッ
ド178と、加振部材93に固着された連結金具58の
連結構造の別の具体例を示すものである。
【0078】より詳細には、カバー金具140の上底壁
部の中央部分には、連結金具58に向かって軸方向上方
に突出する円形断面のストレートな出力ロッド200
が、溶接等によって固設されている。また一方、連結金
具58の下部中央には、カバー金具140に向かって軸
方向下方に突出する駆動軸としての駆動ロッド202が
中空円筒形状をもってストレートに一体形成されてい
る。そして、駆動ロッド202に対して、出力ロッド2
00が内挿されており、それら駆動ロッド202と出力
ロッド200が相互に嵌着固定されている。
【0079】また、出力ロッド200には、先端部近く
の外周面を略V字形状で周方向に延びる環状の嵌合溝2
04が形成されており、駆動ロッド202が出力ロッド
200に外挿されてかしめ加工等で縮径されることによ
って、該駆動ロッド202が出力ロッド200の嵌合溝
204に嵌め込まれて嵌着固定されている。
【0080】従って、このような出力ロッド200と駆
動ロッド202の連結構造においては、内外挿されて周
方向の全周に亘って出力ロッド200と駆動ロッド20
2が嵌着固定されていることから、出力ロッド200と
駆動ロッド202の軸方向における相対変位が確実に防
止されると共に、かかる連結部位における出力ロッド2
00と駆動ロッド202の曲げ方向への相対変位も確実
に防止され得ることとなるのであり、それ故、前記第一
実施形態と同様な効果が何れも有効に発揮され得て、電
磁石式加振装置98によって加振部材93を効率的に且
つ高精度に加振制御することが出来るのであり、目的と
する防振特性を有利に且つ安定して得ることが可能とな
るのである。
【0081】しかも、本実施形態においては、ピン等の
特別な連結具も不要となることから、出力ロッド200
と駆動ロッド202の連結部位における連結構造を、第
一の実施形態よりも更に簡略化することが可能となるの
である。
【0082】以上、本発明の実施形態について詳述して
きたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、
これら実施形態における具体的な説明によって、何等、
限定的に解釈されるものでない。
【0083】例えば、本発明において採用されるアクチ
ュエータとしては、例示の如きコイルと永久磁石を用い
た電磁石式加振手段の他、例えば永久磁石を用いない電
磁石式加振手段や、ボイスコイルタイプなどの電磁式加
振手段も採用可能であり、更にその他、空気圧を利用し
たダイヤフラム構造等のアクチュエータや、ピエゾ阻止
を利用した電歪アクチュエータ等も採用可能である。
【0084】また、本発明は、例えば、特開平11−2
57414号公報等に記載されているように、互いに径
方向に離隔配置せしめた第一の取付部材としての軸部材
と第二の取付部材としてのアウタ筒部材を、それらの径
方向対向面間に介在せしめた本体ゴム弾性体で連結する
と共に、それら軸部材とアウタ筒部材の径方向対向面間
に受圧室を形成せしめた構造のFF型自動車用エンジン
マウント等に対しても、同様に適用可能である。
【0085】また、曲げ方向固定手段は、例示の構造に
限定されるものでなく、例えば、出力ロッド178と駆
動ロッド180の重ね合わせ面188,190に対して
シボ状突起を多数突設して、それら重ね合わせ面18
8,190を直接に圧接させて摩擦力を利用することに
より曲げ方向固定手段を構成したり、或いはリベット等
の連結軸の周囲に位置して、独立したポイント的な凹凸
嵌合部を形成することによって曲げ方向固定手段を構成
すること等も可能である。
【0086】さらに、壁部の一部が加振部材93で構成
された加振室95を、受圧室72から実質的に独立形成
すると共に、それら受圧室72と加振室95を相互に連
通する第二のオリフィス通路を形成するようにしても良
い。
【0087】また、本実施形態において加振部材93を
挟んで加振室95と反対側に形成されていた平衡室74
は、必ずしも必要ではない。
【0088】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもない。
【0089】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた流体封入式能動型防振装置において
は、係止軸による連結部位における出力軸と駆動軸の曲
げ方向の相対変位が防止されることから、アクチュエー
タによって加振板を効率的に且つ高精度に加振制御する
ことが出来るのであり、それによって、目的とする防振
効果を一層有利に且つ安定して得ることが可能となるの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としての自動車用エン
ジンマウントを示す縦断面図である。
【図2】図1に示された電磁石式加振装置における電磁
石式加振手段を概略的に示す縦断面モデル図である。
【図3】図1に示されたエンジンマウントの要部を拡大
して示す縦断面図である。
【図4】図3におけるIV―IV断面図である。
【図5】本発明の第二の実施形態としての自動車用エン
ジンマウントの要部を拡大して示す縦断面図である。
【図6】本発明の第三の実施形態としての自動車用エン
ジンマウントの要部を拡大して示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 エンジンマウント 12 第一の取付金具 14 第二の取付金具 16 本体ゴム弾性体 58 連結金具 93 加振部材 98 電磁石式加振装置 100 インナ軸金具 102 アウタ筒金具 178 出力ロッド 180 駆動ロッド 186 リベット 188,190 重ね合わせ面 192 係合凹溝 194 係合凸条

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の取付部材と第二の取付部材を本体
    ゴム弾性体で連結することにより、該本体ゴム弾性体で
    壁部の一部が構成されて振動が入力される受圧室を形成
    し、該受圧室に非圧縮性流体を封入する一方、該受圧室
    の壁部の別の一部を加振板で構成すると共に、該加振板
    を挟んで該受圧室と反対側に、該加振板を加振駆動する
    アクチュエータを配設して、該加振板を該アクチュエー
    タで加振することにより該受圧室を圧力制御するように
    した流体封入式能動型防振装置において、 前記加振板から前記アクチュエータに向かって突出する
    駆動軸を該加振板に固設すると共に、該アクチュエータ
    の出力軸を該アクチュエータから該加振板に向かって突
    設せしめて、該出力軸と該駆動軸を略軸直角方向に重ね
    合わせると共に、それら出力軸と駆動軸の重ね合わせ方
    向に係止軸を挿通せしめる一方、それら出力軸と駆動軸
    の該係止軸による連結部位における曲げ方向の相対変位
    を阻止する曲げ方向固定手段を設けたことを特徴とする
    流体封入式能動型防振装置。
  2. 【請求項2】 前記係止軸の周囲において、前記出力軸
    と前記駆動軸の重ね合わせ面に凹凸係合部を設けること
    により、前記曲げ方向固定手段を構成した請求項1に記
    載の流体封入式能動型防振装置。
  3. 【請求項3】 前記係止軸を、前記出力軸および前記駆
    動軸の重ね合わせ面と直交する方向に対する傾斜方向に
    挿通せしめることにより、前記曲げ方向固定手段を構成
    した請求項1又は2に記載の流体封入式能動型防振装
    置。
  4. 【請求項4】 第一の取付部材と第二の取付部材を本体
    ゴム弾性体で連結することにより、該本体ゴム弾性体で
    壁部の一部が構成されて振動が入力される受圧室を形成
    し、該受圧室に非圧縮性流体を封入する一方、該受圧室
    の壁部の別の一部を加振板で構成すると共に、該加振板
    を挟んで該受圧室と反対側に、該加振板を加振駆動する
    アクチュエータを配設して、該加振板を該アクチュエー
    タで加振することにより該受圧室を圧力制御するように
    した流体封入式能動型防振装置において、 前記加振板から前記アクチュエータに向かって突出する
    駆動軸を該加振板に固設すると共に、該アクチュエータ
    の出力軸を該アクチュエータから該加振板に向かって突
    設せしめて、それら駆動軸と出力軸の一方の突出先端部
    を筒状として、該突出先端部を他方の突出先端部に対し
    て外挿せしめて嵌着固定したことを特徴とする流体封入
    式能動型防振装置。
  5. 【請求項5】 前記出力軸と前記駆動軸の一方の突出先
    端部を他方の突出先端部に対して圧入せしめた請求項4
    に記載の流体封入式能動型防振装置。
  6. 【請求項6】 前記出力軸と前記駆動軸の一方の突出先
    端部における前記筒状部分を、他方の突出先端部の外周
    面に形成された凹部に入り込ませて嵌着せしめた請求項
    4又は5に記載の流体封入式能動型防振装置。
  7. 【請求項7】 前記アクチュエータが、コイルへの通電
    によって駆動力を発生する電磁式乃至は電磁石式の駆動
    手段である請求項1乃至6の何れかに記載の流体封入式
    能動型防振装置。
  8. 【請求項8】 前記第二の取付部材に筒状部を設けて、
    該筒状部の一方の開口部側に前記第一の取付部材を離隔
    配置せしめ、それら第一の取付部材と第二の取付部材を
    弾性連結する前記本体ゴム弾性体によって該筒状部の該
    一方の開口部を流体密に閉塞せしめると共に、該筒状部
    の他方の開口部側を変形容易な可撓性膜で流体密に閉塞
    せしめる一方、該本体ゴム弾性体と該可撓性膜の対向面
    間に前記加振板を配設して前記筒状部によって軸方向に
    変位可能に支持せしめることにより、該加振板を挟んで
    前記本体ゴム弾性体側に前記受圧室を形成すると共に、
    前記可撓性膜側に非圧縮性流体が封入された容積可変の
    平衡室を形成し、更にそれら受圧室と平衡室を相互に連
    通するオリフィス通路を設ける一方、前記可撓性膜を流
    体密に貫通して連結部材を固着せしめて、該連結部材の
    該平衡室側への突出部分を前記加振板に対して固定する
    ことにより、該連結部材の外方への突出部分によって前
    記駆動軸を構成すると共に、前記可撓性膜を挟んで前記
    平衡室と反対側に前記アクチュエータを配設して前記第
    二の取付部材に対して固定支持せしめて、該アクチュエ
    ータの出力軸を該連結部材の外方への突出部分に対して
    連結した請求項1乃至7の何れかに記載の流体封入式能
    動型防振装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7188830B2 (en) 2004-06-30 2007-03-13 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluid-filled active damping apparatus
JP2007255584A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Tokai Rubber Ind Ltd 電磁式能動型マウント
JP2009162282A (ja) * 2007-12-28 2009-07-23 Tokai Rubber Ind Ltd 防振装置用板ばねとそれを用いた能動型流体封入式防振装置や能動型制振装置、電磁式アクチュエータ

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JP2007255584A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Tokai Rubber Ind Ltd 電磁式能動型マウント
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