JP3384021B2 - 流体封入式マウント装置の制御方法 - Google Patents

流体封入式マウント装置の制御方法

Info

Publication number
JP3384021B2
JP3384021B2 JP7880393A JP7880393A JP3384021B2 JP 3384021 B2 JP3384021 B2 JP 3384021B2 JP 7880393 A JP7880393 A JP 7880393A JP 7880393 A JP7880393 A JP 7880393A JP 3384021 B2 JP3384021 B2 JP 3384021B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diaphragm
solenoid
fluid
elastic body
rubber elastic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP7880393A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06264955A (ja
Inventor
錬太郎 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP7880393A priority Critical patent/JP3384021B2/ja
Publication of JPH06264955A publication Critical patent/JPH06264955A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3384021B2 publication Critical patent/JP3384021B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【技術分野】本発明は、流体室の壁部の一部を構成する
振動板を加振して内圧を制御することにより防振特性を
切換制御するようにした流体封入式マウント装置の制御
方法に係り、特に、簡単な構造の一方向型ソレノイドを
用いて振動板を加振制御することのできる流体封入式マ
ウント装置の制御方法に関するものである。 【0002】 【背景技術】従来から、振動伝達系を構成する部材間に
介装される防振連結体乃至は支持体の一種として、互い
に連結されるべき各一方の部材に対して取り付けられる
第一の支持金具と第二の支持金具とを、それらの間に介
装されたゴム弾性体によって連結せしめてなる構造のマ
ウント装置が知られており、例えば自動車用エンジンマ
ウント等として用いられている。 【0003】また、近年では、より高度な防振特性を実
現するための一つの手法として、壁部の一部がゴム弾性
体にて構成された流体室を設けると共に、該流体室の壁
部の別の一部を振動板にて構成し、かかる振動板を加振
することにより、流体室の内圧を制御せしめて、マウン
ト防振特性を入力振動等に応じて切換制御するようにし
た流体封入式マウント装置が提案されている。 【0004】ところで、このような流体封入式マウント
装置において、振動板を加振するためのアクチュエータ
としては、特開昭61−2939号公報等に開示されて
いる如く、永久磁石とコイルとを用いた電磁力利用タイ
プのものと、特開昭60−8540号公報等に開示され
ている如く、ソレノイドを用いた磁力利用タイプのもの
とが、提案されている。 【0005】ところが、前者の電磁力利用タイプのもの
は、高価で省資源である永久磁石が必要となるために部
品コストが高く、実用性に劣るという問題があった。ま
た、後者の磁力利用タイプのものは、振動板の両側にソ
レノイドを配設して交互に通電することが必要となるた
めに、構造が複雑化し、マウント装置が大型化するとい
う問題があった。 【0006】なお、磁力利用タイプのものにおいて、振
動板を一方向に付勢するコイルスプリングを設けること
により、単一のソレノイドにて振動板を加振可能とした
マウント装置も提案されているが、かかる構造のものに
あっても、コイルスプリングの製作,組付けが面倒であ
ることに加え、マウント内部にコイルスプリングの配設
スペースを設ける必要があるために、マウント装置の大
型化が避けられないという問題があった。 【0007】 【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであり、その解決課題とする
ところは、ソレノイドを用いた磁力利用タイプのアクチ
ュエータにより振動板を加振するようにした流体封入式
防振装置において、コイルスプリング等の特別な部材を
用いることなく、単一のソレノイドにて振動板を加振制
御することが可能となる流体封入式マウント装置の制御
方法を提供することにある。 【0008】 【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明にあっては、互いに所定距離を隔てて配された第一
の支持金具と第二の支持金具とを、それらの間に介装さ
れたゴム弾性体にて連結すると共に、内部に所定の非圧
縮性流体が封入された流体室を、該ゴム弾性体にて壁部
の一部を構成して形成する一方、かかる流体室の壁部の
別の一部を、前記第二の支持金具に対して支持ゴム弾性
体を介して弾性支持せしめられた振動板にて構成すると
共に、かかる振動板の背後にソレノイドを配設せしめ
て、該ソレノイドにて生ぜしめられる磁力の作用によ
り、前記振動板を加振するようにした流体封入式防振装
置において、前記支持ゴム弾性体は、前記振動板の外周
部に設けられて、その内周側が該振動板の背後側に突出
するさらばね形状とされ、且つ前記振動板の有効ピスト
ン面積(A 2 )と前記第一の支持金具の有効ピストン面
積(A 1 )との比(α)となるA 2 /A 1 の値が0.3〜
0.7の範囲内となるように設定される一方、前記ソレ
ノイドに脈動電流を給電せしめて、前記振動板に一定方
向で変化する磁気駆動力を及ぼし、前記支持ゴム弾性体
によって該磁気駆動力と反対向きで一定方向の弾性力が
該振動板に及ぼされる範囲内で、かかる振動板を加振す
ることを特徴とする流体封入式マウント装置の制御方法
を、その特徴とするものである。 【0009】このような流体封入式マウント装置の制御
方法においては、ソレノイドへの通電により磁気駆動力
が振動板に及ぼされて振動板が変位せしめられると、同
時に、支持ゴム弾性体に対して、振動板を変位方向とは
反対方向に付勢する弾性エネルギが蓄えられる。そし
て、ソレノイドに通電される電流が増加する際には、支
持ゴム弾性体の弾性力に抗して、振動板が変位せしめら
れる一方、ソレノイドに通電される電流が減少する際に
は、支持ゴム弾性体の弾性力によって振動板が押し戻さ
れて反対向きに変位せしめられる。 【0010】それ故、ソレノイドに脈動電流を通電する
ことにより、ソレノイドによる磁気駆動力と支持ゴム弾
性体による弾性力とによって、振動板が往復変位(振
動)せしめられるのである。 【0011】従って、本発明に係る流体封入式マウント
装置の制御方法に従えば、支持ゴム弾性体の弾性力によ
って、振動板に対して一方の変位方向の駆動力が及ぼさ
れることから、一方向にのみ駆動力をおよぼす単一のソ
レノイドのみを用いて振動板を加振することができるの
であり、アクチュエータの構造の簡略化、軽量化および
コンパクト化が、いずれも有利に達成され得る。 【0012】また、本発明に係る流体封入式マウント装
置の制御方法においては、振動板を第二の支持金具に弾
性支持せしめる支持ゴム弾性体を利用して、振動板の一
方の変位方向の駆動力が得られることから、コイルスプ
リング等の別部材を組み込む必要もないのであり、アク
チュエータひいてはマウントの構造の簡略化、軽量化お
よびコンパクト化が、より一層有利に達成され得る。 【0013】 【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明する。 【0014】図1には、本発明の実施に適用される自動
車用エンジンマウントの一具体例が示されている。な
お、以下の説明中、上方および下方とは、図1中の上方
および下方をいうものとする。 【0015】かかる図において、10は第一の支持金
具、12は第二の支持金具であり、互いに所定距離を隔
てて対向配置されていると共に、それらの間に介装され
たゴム弾性体14により弾性的に連結されている。そし
て、このエンジンマウントは、第一の支持金具10およ
び第二の支持金具12の各一方が、パワーユニット側ま
たはボデー側に取り付けられることにより、パワーユニ
ットをボデーに防振支持せしめるようになっている。 【0016】より詳細には、第一の支持金具10は、そ
れぞれ開口周縁部に外フランジ部16,18が設けられ
た略有底円筒形状の上金具20と下金具22が軸方向に
重ね合わされ、外フランジ部16,18においてボルト
連結されることにより、構成されている。なお、上金具
16の底壁部には、パワーユニット側またはボデー側に
取り付けるための取付ボルト24が、外方に突出して立
設されている。 【0017】また、第一の支持金具10の内部には、上
下金具20,22間に空所が形成されている。そして、
この空所内に略薄肉円板形状の可性膜26が収容配置
されて、外周縁部を上下金具20,22間で挟持されて
いる。それによって、かかる空所が、可性膜26を挟
んで、上金具20側と下金具22側とに、流体密に二分
されている。 【0018】更にまた、上金具20の周壁部には通孔2
8が形成されており、内部に形成された空所が外部に連
通されている。また一方、下金具22の底壁部には円板
形状のオリフィス金具30が重ね合わされてボルト固定
されており、それら両金具12,30の重ね合わせ面間
にオリフィス通路32が形成されている。 【0019】さらに、下金具22には、ゴム弾性体14
が加硫接着されている。このゴム弾性体14は、テーパ
付の略円筒形状を呈しており、その小径側の開口端面に
下金具22の筒壁部外周面が加硫接着されている。それ
によって、ゴム弾性体14の小径側開口部が第一の支持
金具10にて閉塞されて、該ゴム弾性体14の内部に、
下方に向かって開口する凹所34が形成されている。 【0020】また、ゴム弾性体14には、その軸方向中
間部分に、座屈を防止する拘束リング36が加硫接着さ
れていると共に、大径側の開口端面に円環形状の連結金
具38が加硫接着されている。 【0021】そして、この連結金具38に対して、厚肉
の略円環板形状を呈する第二の支持金具12が、軸方向
に重ね合わされて、ボルト固定されている。なお、第二
の支持金具12には、パワーユニット側またはボデー側
に取り付けるためのボルト挿通孔40が設けられてい
る。 【0022】また、第二の支持金具12の中央孔42内
には、該中央孔42の内径よりも所定寸法小さな外径を
有する円板形状の振動板44が配設されている。そし
て、第二の支持金具12の中央孔42と振動板44との
径方向対向面間に、略円環板形状の支持ゴム弾性体46
が介装されて、振動板44が第二の支持金具12に対し
て弾性的に支持されている。 【0023】なお、支持ゴム弾性体46は、内周側が下
方に突出するさらばね形状とされていると共に、径方向
中間部分には金属リング48が加硫接着されている。そ
れによって、振動板44を上方に変位せしめた際、支持
ゴム弾性体46に有効な弾性力が生ぜしめられるように
なっている。 【0024】そして、このように、振動板44が支持ゴ
ム弾性体46を介して第二の支持金具12の中央孔42
に取り付けられて、凹所34の開口部が流体密に閉塞さ
れることにより、壁部の一部がゴム弾性体14にて構成
されて内部に所定の非圧縮性流体が封入された受圧室5
0が形成されている。即ち、かかる受圧室50は、振動
入力時にゴム弾性体14が変形することにより、内圧変
動が生ぜしめられるようになっている。 【0025】また一方、第一の支持金具10内に形成さ
れた下金具22側の空所にも非圧縮性流体が封入されて
おり、それによって、壁部の一部が可性膜26にて構
成された平衡室52が形成されている。即ち、かかる平
衡室52は、可性膜26の変形に基づいて容積変化が
許容されるようになっている。なお、第一の支持金具1
0内に形成された上金具20側の空所は、可性膜26
の変形を許容する空気室54とされている。 【0026】そして、これら受圧室50と平衡室52と
が、第一の支持金具10に形成されたオリフィス通路3
2を通じて、相互に連通されている。それにより、振動
入力時に、受圧室50と平衡室52との内圧差に基づい
てオリフィス通路32を通じての流体の流動が生ぜしめ
られ、以て、かかる流体の共振作用に基づいて防振効果
が発揮されるようになっているのである。なお、本実施
例では、シェイク等の低周波数域の入力振動に対して有
効な減衰効果が発揮されるように、オリフィス通路32
の長さや断面積等がチューニングされている。 【0027】また、受圧室50および平衡室52の封入
流体としては、例えば、水やアルキレングリコール、ポ
リアルキレングリコール、シリコーン油等が好適に用い
られる。更に、かかる流体の封入は、例えば、連結金具
38への第二の支持金具12の取付けを流体中で行なう
こと等によって、有利に為され得る。 【0028】さらに、振動板44の下方には、所定距離
を隔ててコイルケース56が配設されており、第二の支
持金具12に対してボルト固定されている。このコイル
ケース56は、下方に開口する有底円筒形状のケース本
体58と、円環板形状の内蓋60および円板形状の外蓋
62から構成されており、その内部には、ソレノイド6
4が、固定的に収容配置されている。なお、ケース本体
58および内蓋60は、鉄等の強磁性材にて形成されて
いる。また、図中、66はボビンであり、68はソレノ
イド64への給電用リード線である。 【0029】また、ソレノイド64の中心孔には、可動
ロッド70が、配設されている。この可動ロッド70
は、鉄等の強磁性材にて形成されており、ソレノイド6
4への非通電時に、ソレノイド64に対して軸方向下方
に所定距離だけ偏位して位置せしめられている。それに
よって、ソレノイド64への通電時に、ソレノイド64
によって生ぜしめられる磁力により、可動ロッド70に
対して、軸方向上向きの力が及ぼされるようになってい
る。 【0030】また、この可動ロッド70には、ケース本
体58の底部中央を貫通して外方に突出する連結ロッド
72が固設されており、該連結ロッド72の先端部が振
動板44にボルト固定されている。それによって、可動
ロッド70の変位が振動板44に伝達されるようになっ
ている。 【0031】さらに、可動ロッド70は、ケース本体5
8の底部に設けられたロッド挿通孔と内蓋60の中央孔
とにそれぞれ配設された摺動ブッシュ74,76によっ
て、軸方向に変位可能に支持されている。また、可動ロ
ッド70の軸方向両端面に対向する、ケース本体58の
底面および外蓋62の内面には、緩衝ゴム78,80が
それぞれ貼着されている。そして、可動ロッド70は、
これら緩衝ゴム78,80への当接により、移動端が規
定されるようになっている。 【0032】また、本実施例では、可動ロッド70が外
蓋62側の緩衝ゴム80に当接して、振動板44が最下
端に位置せしめられた状態(図1参照)で、支持ゴム弾
性体46から振動板44に及ぼされる弾性力が、略ゼロ
か、或いは振動板44を僅かに下方に押圧する程度とな
るように設定されている。 【0033】そして、このような構造とされたエンジン
マウントには、その装着状態下、ソレノイド64に対し
て、図2に示されている如き、脈動電流が給電される。
なお、脈動電流とは、電流の流れる方向は変わらない
が、大きさが時間と共に変化する一種の直流であって、
最小電流値がゼロのものを含む。 【0034】それにより、振動板44が加振されて、受
圧室50の内圧が変化せしめられ、マウント防振特性が
制御されるのであり、例えば、高周波振動の入力時に受
圧室50の内圧を吸収乃至は軽減せしめることにより、
優れた振動遮断特性を得ることが可能となる。 【0035】すなわち、かかるエンジンマウントにおい
ては、ソレノイド64に通電すると、発生磁力により可
動ロッド70が上方に駆動され、図3に示されている如
き磁気駆動力:fA が振動板44に及ぼされて、図4に
示されている如く、該振動板44が上方に変位せしめら
れる。また、振動板44の変位に伴って、支持ゴム弾性
体46が変形せしめられて弾性エネルギが蓄えられ、振
動板44に対して、下方に付勢する弾性力が及ぼされ
る。 【0036】それ故、ソレノイド64に脈動電流を給電
すると、通電される電流が増加する際(図2中のI区
間)には、可動ロッド70を通じておよぼされる磁気駆
動力により、支持ゴム弾性体46の弾性力に抗して、振
動板44が上方に変位せしめられる一方、ソレノイド6
4に通電される電流が減少する際(図2中のII区間)に
は、支持ゴム弾性体46の弾性力によって振動板44が
押し戻されて下方に変位せしめられる。その結果、振動
板44は、磁気駆動力と弾性力との作用により、ソレノ
イド64への給電に応じて、上下に往復変位(振動)せ
しめられるのである。 【0037】なお、振動板44の振幅および振動数は、
マウントに要求される防振特性に応じて、ソレノイド6
4に給電する脈動電流の脈動幅および周波数を調節する
ことにより、チューニングすることができる。 【0038】従って、このようなマウントの制御方法に
従えば、一方向にのみ駆動力をおよぼす単一のソレノイ
ド64のみを用いて振動板44を加振することができる
のであり、アクチュエータの構造の簡略化、軽量化およ
びコンパクト化が、いずれも有利に達成され得る。 【0039】また、かかるマウントの制御方法において
は、振動板44の駆動力を得るために支持ゴム弾性体4
6の弾性力が利用されることとなり、コイルスプリング
等の別部材を組み込む必要がないことから、アクチュエ
ータひいてはマウントの構造の簡略化、軽量化およびコ
ンパクト化が、より一層有利に達成され得る。 【0040】さらに、本実施例では、ソレノイド64の
中心孔に可動ロッド70が配設された比例型のソレノイ
ドが採用されていることから、振動板44に及ぼされる
駆動力、ひいては振動板44の変位量の制御が容易であ
るという利点もある。 【0041】また、本実施例では、可動ロッド70の移
動端が、コイルケース56への当接にて規定されるよう
になっていることから、振動板44の最大振幅を確実に
制限することができると共に、支持ゴム弾性体46の過
大変形も防止され得る。 【0042】更にまた、本実施例では、支持ゴム弾性体
46が、内周側において下方に突出するさらばね形状と
されていることから、振動板44に対する弾性力が有利
に発揮されると共に、振動板44の変位時における変形
が、主に圧縮変形として生ぜしめられて、優れた耐久性
が発揮される。 【0043】ところで、上述の如き構造とされたエンジ
ンマウントにおいて、より好ましくは、振動板44に磁
気駆動力を及ぼすソレノイド64への給電量を低く抑え
ること、換言すれば振動伝達力を有効に抑えるために必
要とされる振動板44に対する駆動力を低く抑えること
である。 【0044】ここにおいて、本実施例に用いられている
エンジンマウントの構成をモデル的に表すと、図5のよ
うになる。そして、伝達力の関係から下記(式1)が、
力の釣合い条件から下記(式2),(式3)が、更に受
圧室50の容積の関係から下記(式4)が、それぞれ導
かれる。 【0045】 Ft =KR 1 −P(A1 −A2 )−fA +KA A ・・・(式1) fA =PA2 +KA A ・・・(式2) PA1 =KL (X2 −X1 ) ・・・(式3) A12 =A2A ・・・(式4) 但し、オリフィス通路32を通じての流体の流動は考慮
しないこととする。 【0046】これらの式を、伝達力:Ft について書き
直すと、下記(式5)が得られる。 Ft =X1 {(KR A +KR L α2 +KL A )/(KA +α2 L )} −fA {KL α/(KA +α2 L )} ・・・(式5) 但し、α=A2 /A1 とする。更に、{(KR A +K
R L α2 +KL A )/(KA +α2 L )}および
{KL α/(KA +α2 L )}の値は、いずれもエン
ジンマウントに固有の定数と考えられるから、それらを
「R」および「S」と置くと、上記(式5)は、下記
(式6)の如く表される。 Ft =X1 R−fA S ・・・(式6) 【0047】また、X1 およびfA は、いずれも変動成
分を含む関数として、下記(式7)および(式8)の如
く、表される。 X1 =X0 sinωt ・・・(式7) fA =F0 +f0 sin(ωt +β) ・・・(式8) 但し、X0 は入力振動の振幅であり、F0 は振動板44
に及ぼされる磁気駆動力の中央値(図3参照)であり、
0 は振動板44に及ぼされる磁気駆動力の振幅(図3
参照)である。 【0048】従って、上記(式6),(式7),(式
8)より、Ft は、下記(式9)の如く表される。 Ft =−F0 S+RX0 sinωt −f0 sin(ωt +β)S ・・・(式9) 【0049】かかる(式9)より、変動成分をキャンセ
ルして有効な防振効果が発揮されるようにするために
は、下記(式10)を満足する磁気駆動力を加振板に及
ぼすことが必要となる。 RX0 ≦ f0 S ∴ RX0 /S ≦ f0 ・・・(式10) 【0050】それ故、小さな磁気駆動力により有効な防
振効果を得るには、(RX0 /S)の値を小さく設定す
ることが有効である。そこで、 Q(α)=RX0 /S =X0 (KR A +KR L α
2 +KL A )/KL α において、Q(α)が極小値となる条件を求めると、
Q′(α)=0より、下式が導かれる。 α=√{KA (KR +KL )/KR L } ・・・(式11) 【0051】このことから、αを、上記(式11)を満
足するに近い値に設定することが望ましく、それによっ
て、ソレノイド64を含むアクチュエータのより一層の
コンパクト化および軽量化や、必要給電量の低減が図ら
れ得るのである。 【0052】より具体的には、図1に示されている本実
施例構造のエンジンマウントについて実測したところ、
R =25kgf/mm,KA =5kgf/mm,KL =50kgf/mm
であった。また、かかるエンジンマウントにおいて、小
さな磁気駆動力により有効な防振効果を得るに好適なα
の値を、上記(式11)に基づいて算出すると、α=
0.548となる。そして、その際、X0 =0.1mmの
振動が入力された場合を考えると、RX0 /S=2.7
4kgf となり、有効な防振効果を得るためには、f0
2.74kgf の磁気駆動力が必要とされることとなる。 【0053】次に、かかるエンジンマウントにおいて、
αの値を変えた場合に、必要とされる磁気駆動力
(f0 )がどれ程変化するかを求めた結果を、下記第1
表に示す。 【0054】【0055】かかる第1表に示された結果からも、αの
値が(式11)に基づく算出値から大きく外れると、有
効な防振効果を得るために必要な磁気駆動力が大きくな
ることが明らかである。そして、特に、αの値が0.3
より小さいと、必要とされる振動板44の加振振幅が大
きくなり、支持ゴム弾性体46によって及ぼされる弾性
力が大きくなるために、必要とされる磁気駆動力も著し
く大きくなってしまう。一方、αの値が0.7より大き
い場合には、必要とされる磁気駆動力はそれ程大きくな
いが、加振板44の有効ピストン面積が大きくなって僅
かの変位でも受圧室50の内圧変動に与える影響が大き
くなるために、オリフィス通路32を通じての流体流動
作用に基づいて発揮される防振効果に悪影響を及ぼすお
それがある。 【0056】従って、実用的には、αの値を、(式1
1)に基づく算出値の0.3〜0.7の範囲に設定する
ことが望ましい。 【0057】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。 【0058】例えば、ソレノイド64に給電される脈動
電流は、図2に示されている如きサインカーブ状のもの
である必要はなく、入力振動やマウントばね特性等に応
じて、目的とする防振効果が得られるように、適当な波
形のものが、適宜採用される。 【0059】また、ソレノイド64を含んで構成された
振動板駆動機構の具体的構造も、前記実施例のものに限
定されるものではなく、例えば、ソレノイド64の中心
孔に固定的に鉄心を配置せしめて、該鉄心の軸方向端部
により振動板44に吸引力を及ぼす構造のものも採用可
能である。 【0060】更にまた、可動ロッド70の移動端をコイ
ルケース56への当接によって規定することは、必ずし
も必要ではない。 【0061】また、前記実施例では、受圧室50と平衡
室52とを備えたマウントに対して、本発明を適用した
ものの具体例を示したが、本発明は、受圧室のみを備え
たマウントや、二つ以上の平衡室を備えたマウントに
も、同様に適用され得るものである。 【0062】さらに、前記実施例では、振動板44有効
ピストン面積と第一の支持金具10の有効ピストン面積
との比(α)の好ましい設定範囲を明らかにしたが、本
発明においては、必ずしも、αの値を、かかる範囲に設
定する必要はなく、その場合でも、本発明の効果は、い
ずれも有効に発揮され得る。 【0063】また、本発明は、FF型自動車用エンジン
マウント等として用いられている筒型のマウント装置に
も、同様に適用され得るものであり、更には、自動車以
外の各種マウント装置に対しても、同様に適用可能であ
る。 【0064】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
いずれも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明において好適に用いられる自動車用エン
ジンマウントの一具体例を示す縦断面図である。 【図2】本発明の制御方法に従い、図1に示されている
エンジンマウントのソレノイドに給電される電流の波形
の一例を示すグラフである。 【図3】図2に示された波形の電流をソレノイドに給電
した際に、ソレノイドによって振動板に及ぼされる磁気
駆動力の波形を示すグラフである。 【図4】図1に示されているエンジンマウントのソレノ
イドに給電せしめた際の振動板の上方への最大変位状態
を示す断面図である。 【図5】図1に示されたエンジンマウントの構成をモデ
ル的に表す図である。 【符号の説明】 10 第一の支持金具 12 第二の支持金具 14 ゴム弾性体 32 オリフィス通路 44 振動板 46 支持ゴム弾性体 50 受圧室 52 平衡室 56 コイルケース 64 ソレノイド 70 可動ロッド 72 連結ロッド
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−103043(JP,A) 特開 平5−312232(JP,A) 特開 平4−341628(JP,A) 特開 昭60−8540(JP,A) 実開 平5−30583(JP,U) 実開 昭61−191543(JP,U) 米国特許5116029(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 13/00 B60K 5/12

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 互いに所定距離を隔てて配された第一の
    支持金具と第二の支持金具とを、それらの間に介装され
    たゴム弾性体にて連結すると共に、内部に所定の非圧縮
    性流体が封入された流体室を、該ゴム弾性体にて壁部の
    一部を構成して形成する一方、かかる流体室の壁部の別
    の一部を、前記第二の支持金具に対して支持ゴム弾性体
    を介して弾性支持せしめられた振動板にて構成すると共
    に、かかる振動板の背後にソレノイドを配設せしめて、
    該ソレノイドにて生ぜしめられる磁力の作用により、前
    記振動板を加振するようにした流体封入式防振装置にお
    いて、前記支持ゴム弾性体は、前記振動板の外周部に設けられ
    て、その内周側が該振動板の背後側に突出するさらばね
    形状とされ、且つ前記振動板の有効ピストン面積(A
    2 )と前記第一の支持金具の有効ピストン面積(A 1
    との比(α)となるA 2 /A 1 の値が0.3〜0.7の範
    囲内となるように設定される一方、 前記ソレノイドに脈
    動電流を給電せしめて、前記振動板に一定方向で変化す
    る磁気駆動力を及ぼし、前記支持ゴム弾性体によって該
    磁気駆動力と反対向きで一定方向の弾性力が該振動板に
    及ぼされる範囲内で、かかる振動板を加振することを特
    徴とする流体封入式マウント装置の制御方法。
JP7880393A 1993-03-12 1993-03-12 流体封入式マウント装置の制御方法 Expired - Fee Related JP3384021B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7880393A JP3384021B2 (ja) 1993-03-12 1993-03-12 流体封入式マウント装置の制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7880393A JP3384021B2 (ja) 1993-03-12 1993-03-12 流体封入式マウント装置の制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06264955A JPH06264955A (ja) 1994-09-20
JP3384021B2 true JP3384021B2 (ja) 2003-03-10

Family

ID=13672020

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7880393A Expired - Fee Related JP3384021B2 (ja) 1993-03-12 1993-03-12 流体封入式マウント装置の制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3384021B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6422546B1 (en) 1999-06-18 2002-07-23 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Active vibration isolating support device
JP2002195342A (ja) 2000-12-28 2002-07-10 Tokai Rubber Ind Ltd 流体封入式能動型防振装置およびその製造方法
JP3972210B2 (ja) 2004-06-15 2007-09-05 東海ゴム工業株式会社 流体封入式能動型防振装置
JP4400742B2 (ja) * 2004-11-11 2010-01-20 東海ゴム工業株式会社 能動型防振装置
KR101298267B1 (ko) * 2011-08-01 2013-08-22 현대자동차주식회사 Mr유체가 봉입된 엔진마운트용 오리피스플레이트

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06264955A (ja) 1994-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3692815B2 (ja) 流体封入式能動型防振装置
US6527262B2 (en) Fluid-filled active elastic engine mount
US5356123A (en) Elastic mount having fluid chamber partially defined by oscillating plate actuated by electrostrictive/magnetostrictive element
JPH11247919A (ja) 流体封入式能動型防振装置
JPH10184771A (ja) 流体封入式防振装置
JP3658874B2 (ja) 制振器
JP2510915B2 (ja) 流体封入式筒型防振装置
JP3503288B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP3384021B2 (ja) 流体封入式マウント装置の制御方法
JP3518095B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP2618784B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP3619056B2 (ja) 能動型防振装置
JP3778013B2 (ja) 流体封入式防振装置
JPH11125305A (ja) 防振ブッシュ付きアーム部材
JPH1047426A (ja) 流体封入式マウント装置
JP3116558B2 (ja) 位相変換型流体封入式防振装置
JP3480097B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP2865519B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP4079072B2 (ja) 能動型流体封入式防振装置
JPH05332392A (ja) 位相変換型流体封入式防振装置
JP2827844B2 (ja) 流体封入式マウント装置
JPH05280571A (ja) 流体封入式マウント装置
JP3039077B2 (ja) 流体封入式防振装置
JP3726530B2 (ja) 流体封入式能動型防振装置
JP3620369B2 (ja) 流体封入式能動的マウント

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081227

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081227

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091227

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101227

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111227

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees