JP2002188629A - 自動車用ハブユニットの組立方法 - Google Patents

自動車用ハブユニットの組立方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第一、第二各円すいころ5、6に所望の予圧
を付与した構造の組立を、能率良く行なえる様にする。 【解決手段】 外輪4の外端部内径側に第一円すいころ
5、5とハブ本体2とを組み付けた状態で、この外輪4
の内端面と、ハブ本体2外周面の段差面16との軸方向
距離を測定する。又、上記外輪4の内端部内径側に第二
円すいころ6、6と内輪3とを組み付けた状態で、この
外輪4の内端面とこの内輪3の外端面との軸方向距離を
測定する。これら両軸方向距離等から、適正な予圧付与
が可能である場合に、各部材を組み立てる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車の車輪を
懸架装置に対して回転自在に支持する為の自動車用ハブ
ユニットの組立方法の改良に関し、適正な予圧付与を能
率良く行なえる様にする事で、低コストでしかも高性能
の自動車用ハブユニットの実現に寄与するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の車輪は懸架装置に対して、転が
り軸受により回転自在に支持する。又、重量の嵩む自動
車の車輪は、複列円すいころ軸受により、懸架装置に対
して回転自在に支持する。この様な複列円すいころ軸受
に関する発明として、特開2000−94902号公報
には、図6〜7に示す様な構造と、図8〜10に示す様
な組立方法とが記載されている。このうちの図6〜7に
示した自動車用ハブユニット1は、ハブ本体2と、内輪
3と、外輪4と、それぞれが複数個ずつの第一円すいこ
ろ5、5及び第二円すいころ6、6と、第一シールリン
グ7と、第二シールリング8とから成る。図示の例で
は、上記第一シールリング7として単体のシールリング
を、第二シールリング8として組み合わせシールリング
を、それぞれ使用している。
【0003】このうちのハブ本体2は、外端部(軸方向
に関して外とは、自動車の幅方向外側で、図3、7を除
く各図の左側。本明細書全体で同じ。)外周面に車輪を
支持する為のフランジ9を形成している。又、このハブ
本体2の中間部外周面には、第一列の円すいころ軸受1
0を構成する為の、円すい凸面状の第一内輪軌道11
を、直接形成している。更に、上記ハブ本体2の内端部
(軸方向に関して内とは、自動車の幅方向中央側で、図
3、7を除く各図の右側。本明細書全体で同じ。)外周
面には、小径段部12を設けている。この小径段部12
の外周面は、上記ハブ本体2と同心の円筒面としてい
る。又、図示の例は、駆動輪を支持する為の自動車用ハ
ブユニット1を示しており、この為に上記ハブ本体2の
中心部に、駆動軸の端部をスプライン係合させる為のス
プライン孔13を設けている。
【0004】又、上記内輪3は、第二列の円すいころ軸
受14を構成する為の、円すい凸面状の第二内輪軌道1
5を外周面に形成しており、上記ハブ本体2の小径段部
12に外嵌固定している。この第二内輪軌道15の傾斜
方向と上記第一内輪軌道11の傾斜方向とは、互いに逆
にしている。又、上記内輪3の内端部は、この内輪3の
外端面を上記小径段部12の外端部に設けた段差面16
に突き当てた状態で、上記ハブ本体2の内端面よりも少
しだけ突出する。自動車への組み付け状態で、この様に
ハブ本体2から突出した、上記内輪3の内端面には、等
速ジョイントの端面、或は駆動軸の端部に形成した段部
等が突き当たり、上記内輪3が上記小径段部12から抜
け出る事を防止する。
【0005】又、上記外輪4の内周面には、上記第一、
第二列の円すいころ軸受10、14を構成する為の、そ
れぞれが円すい凹面状の第一、第二外輪軌道17、18
を形成している。これら第一、第二外輪軌道17、18
の傾斜方向は、上記第一、第二内輪軌道11、15に合
わせて、互いに逆としている。又、上記外輪4の外周面
の軸方向中間部には、この外輪4を図示しない懸架装置
に対し固定する為の、外向フランジ状の取付部19を設
けている。
【0006】又、前記複数個の第一円すいころ5、5
は、第一保持器20により転動自在に保持した状態で、
上記第一内輪軌道11と上記第一外輪軌道17との間に
配置している。これに対して、前記複数個の第二円すい
ころ6、6は、第二保持器21により転動自在に保持し
た状態で、上記第二内輪軌道15と上記第二外輪軌道1
8との間に配置している。
【0007】上記第一、第二各保持器20、21は何れ
も、上記複数個ずつの第一、第二各円すいころ5、6を
保持した状態で、これら各円すいころ5、6が直径方向
外方に脱落するのを防止する構造を有する。即ち、これ
ら第一、第二保持器20、21は、弾性を有する合成樹
脂を射出成形する事により、全体を部分円すい筒状に形
成したもので、円周方向に関してそれぞれ複数ずつのポ
ケット22と柱部23とを交互に設けている。上記各円
すいころ5、6は、これら各ポケット22内に転動自在
に配置している。又、上記各柱部23の外周面は、上記
第一、第二各円すいころ5、6のピッチ円よりも直径方
向外方に位置させている。そして、上記各ポケット22
の外径側開口部の円周方向に関する幅を、上記各円すい
ころ5、6の直径よりも小さくしている。
【0008】従って、上記各円すいころ5、6を上記各
ポケット22内に収納する作業は、上記第一、第二各保
持器20、21の内径側から行なう。上記各円すいころ
5、6を上記各ポケット22内に収納し、これら各円す
いころ5、6の内径側に前記ハブ本体2及び内輪3を挿
入した状態では、これら各円すいころ5、6が上記各ポ
ケット22内に、脱落不能に保持される。又、図示の例
では、前記第一、第二内輪軌道11、15の小径側端部
に、直径方向外方に突出する小鍔部24を形成してい
る。上記各円すいころ5、6と上記各保持器20、21
とは、それぞれセットにした状態で、前記第一、第二各
内輪軌道11、15の周囲に組み込む。上記各円すいこ
ろ5、6がこれら各内輪軌道11、15の小径側端部に
形成した小鍔部24を通過する際には、これら各円すい
ころ5、6が各小鍔部24に乗り上げる事によって、上
記各保持器20、21を外側に膨らむ様に弾性変形させ
る。従って、上記第一、第二各円すいころ5、6を上記
第一、第二内輪軌道11、15の周囲に配置した状態で
は、これら第一、第二各円すいころ5、6は、軸方向に
不用意に変位する事がなくなる。
【0009】更に、前記第一シールリング7は、断面略
L字形の芯金25と、この芯金25の内周縁部に全周に
亙って添着した弾性材26とから成る。この様な第一シ
ールリング7は、上記芯金25の外周縁部に形成した円
筒部27を、前記外輪4の外端部外周面に形成した円筒
面部28に締り嵌めで外嵌する事により、この外輪4の
外端部に固定している。又、前記フランジ9の一部で上
記外輪4の外端面に対向する部分の円周方向複数個所
(例えばこのフランジ9に固定したスタッド29、29
の数と同じ、4〜6個所)には、上記円筒部27を上記
円筒面部28に押し込む為の治具30(後述する図8〜
9参照)を挿通自在な通孔31を形成している。
【0010】次に、上述の様な構成を有する自動車用ハ
ブユニット1の組立方法に就いて、上述した図6〜7
に、図8〜10を加えて説明する。先ず、図8に示す様
に、上記各第一円すいころ5、5を、上記第一保持器2
0により、前記ハブ本体2の外周面のうちの第一内輪軌
道11の外径側に保持する。又、これに先立って、上記
第一シールリング7を上記ハブ本体2に外嵌しておき、
この第一シールリング7を、このハブ本体2の中間部外
周面で上記第一内輪軌道11と上記フランジ9との間部
分に配置する。この状態で、上記各第一円すいころ5、
5は、上記ハブ本体2の周囲に、分離する事なく保持さ
れる。従って、工場内での搬送作業も容易に行なえる。
【0011】この様に、上記ハブ本体2の中間部周囲
に、上記各第一円すいころ5、5を保持すると共に上記
第一シールリング7を配置した状態で、図8→図9に示
す様に、上記ハブ本体2の周囲に前記外輪4を進入させ
る。この進入作業は、図9に示す様に、上記複数個ずつ
の第一、第二各円すいころ5、6のうちの各第一円すい
ころ5、5の外側に前記第一外輪軌道17が位置するま
で行なう。尚、実際の組立作業時には、図8〜9の左側
が下側になる。
【0012】図示の例では、この様にハブ本体2の周囲
に上記外輪4を進入させるのと同時に、上記フランジ9
に形成した複数の通孔31を挿通した治具30により、
上記第一シールリング7を構成する芯金25の外周縁部
に形成した円筒部27を、上記外輪4の外端部外周面に
形成した円筒面部28に外嵌固定する。即ち、上記第一
シールリング7を、抑えブロック32に固設した上記治
具30によりバックアップしつつ、上記ハブ本体2の周
囲に上記外輪4を進入させる事により、上記円筒部27
を上記円筒面部28に外嵌固定する。尚、上記治具30
の高さは、上記各第一円すいころ5、5に過大なスラス
ト荷重が加わらない前に、上記外嵌固定作業が完了する
様に規制する。即ち、上記各円すいころ5、5と上記第
一外輪軌道17とが接触する以前に、上記第一シールリ
ング7を構成する芯金25の内側円輪部の内側面が、上
記外輪4の外端面と接触する様にしている。これによ
り、組立作業に伴って、上記第一内輪軌道11及び上記
第一外輪軌道17に、耐久性低下に結び付く圧痕が形成
される事を防止する。尚、上記芯金25と上記外輪4の
外端部に設けた円筒面部28との嵌合面からの泥水の浸
入を防止する為に、この円筒面部28には研削加工を施
し、嵌合部の隙間をなくす。又、上記ハブ本体2の中間
部外周面で上記第一シールリング7を構成するシールリ
ップが摺接する部分も、使用状態での当該部分の周速を
考慮して、研削加工により表面粗さを規定値以下(平
滑)に仕上げ、上記シールリップの摩耗を防止する。
【0013】尚、次述する図10に記載した様に、抑え
ブロック32には治具を固設せず、上記外輪の進入作業
と上記第一シールリング7の外嵌固定作業とを、時間を
前後して行なっても良い。更には、図11に示す様に、
上記芯金25を、二つ割れのバックアッププレート33
により抑えつつ、上記外輪4を上記ハブ本体2の周囲に
進入させてこの外輪4の外端部に上記芯金25を外嵌し
た後、このバックアッププレート33を上記芯金25の
周囲から除去しても良い。何れにしても、上記進入作業
の間、上記第一保持器20に保持された各第一円すいこ
ろ5、5は、この第一保持器20の直径方向外方に脱落
する事なく、上記第一内輪軌道11に添設された状態の
ままとなる。従って、上記進入作業を、特に上記各第一
円すいころ5、5を抑える様な面倒な作業を要する事な
く、円滑に行なえる。
【0014】次いで、図9→図10に示す様に、前記内
輪3を、前記複数個の第二円すいころ6、6を、前記第
二保持器21により前記第二内輪軌道15の周囲に保持
した状態で、上記外輪4の内側に挿入する。そして、こ
の挿入作業に伴って上記内輪3を、上記ハブ本体2の小
径段部12に外嵌する。そして、最後に、図10→図6
に示す様に、上記内輪3の端部外周面と上記外輪4の端
部内周面との間に、前記第二シールリング8を装着す
る。尚、第一、第二列の円すいころ軸受10、14に付
与する予圧は、上記内輪3の一部(先端面)の研削量を
変える事により調節できる。
【0015】尚、上述の例は、何れも、内輪3の内端面
をハブ本体2の内端面よりも突出させ、この内輪3の内
端面に、等速ジョイントの端面或は駆動軸の端部に形成
した段部等を突き当てる様に構成している。これに対し
て、図12に示す様に、ハブ本体2aの内端部に形成し
た円筒部34の内端部で内輪3の内端面よりも内方に突
出した部分を径方向外方に塑性変形する事により構成し
たかしめ部35により上記内輪3の内端面を抑え付ける
構造も考えられている。このかしめ部35は、例えば揺
動かしめにより形成する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述の様な従来技術の
場合、第一、第二列の円すいころ軸受10、14に予圧
を付与する事に就いて、一定の考慮はされているが、こ
の予圧管理を大量生産に適する手法で行なう事に就いて
の考慮は特になされていない。一方、優れた性能を有す
る自動車用ハブユニットを実現する為には、上記予圧を
適正範囲に規制する事が重要である。この予圧が過小で
ある場合には、上記自動車用ハブユニットの剛性が低く
なり、走行安定性の確保やディスクブレーキを構成する
ロータの振れ防止の面から不利となる。これに対して、
上記予圧が過大になると、上記自動車用ハブユニットの
回転トルク(回転抵抗)が大きくなり、燃費性能を含む
自動車の走行性能が悪化する他、各軌道面の転がり疲れ
寿命が低下する為、耐久性の面からも不利になる。本発
明の自動車用ハブユニットの組立方法は、この様な事情
に鑑みて発明したものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の自動車用ハブユ
ニットの組立方法の対象となる自動車用ハブユニット
は、前述した従来から知られている自動車用ハブユニッ
トと同様に、ハブ本体と、内輪と、外輪と、それぞれ複
数個ずつの第一円すいころ及び第二円すいころとから成
る。このうちのハブ本体は、外端部外周面に車輪を支持
する為のフランジを設けると共に、中間部外周面に第一
列の円すいころ軸受を構成する為の、円すい凸面状の第
一内輪軌道を直接形成し、内端部外周面に小径段部を設
けている。又、上記内輪は、第二列の円すいころ軸受を
構成する為の、円すい凸面状の第二内輪軌道を外周面に
形成したもので、上記ハブ本体の小径段部に、外端面を
この小径段部の外端部に設けた段差面に突き当てた状態
で外嵌固定している。又、上記外輪は、これらハブ本体
及び内輪の周囲に配置している。又、上記各第一円すい
ころ及び第二円すいころは、これらハブ本体及び内輪の
外周面と外輪の内周面との間に設けている。又、上記外
輪は、内周面に上記第一、第二列の円すいころ軸受を構
成する為の、それぞれが円すい凹面状の第一、第二外輪
軌道を形成したものである。そして、上記各第一円すい
ころは上記第一内輪軌道と上記第一外輪軌道との間に配
置し、上記各第二円すいころは上記第二内輪軌道と上記
第二外輪軌道との間に配置している。
【0018】本発明の組立方法は、上述の様な自動車用
ハブユニットを、上記各第一円すいころ及び上記各第二
円すいころに所望の予圧を付与した状態で組み立てる為
のものである。この為に本発明の自動車用ハブユニット
の組立方法の場合には、上記第一内輪軌道と上記第一外
輪軌道との間に上記各第一円すいころを配置した状態
で、上記ハブ本体に対し上記外輪を所定の荷重により外
方に押圧しつつこの外輪の内端面と上記段差面との間の
軸方向距離L1 を測定する。又、上記第二内輪軌道と上
記第二外輪軌道との間に上記各第二円すいころを配置し
た状態で、上記外輪に対し上記内輪を所定の荷重により
外方に押圧しつつこの外輪の内端面とこの内輪の外端面
との間の軸方向距離L2 を測定する。更に、上記小径段
部の外径と上記内輪の内径との差δである締め代に基づ
く軸受の内部隙間の減少量f(δ)を求める。そして、
「L1 −L2 −f(δ)」で求められる予圧を所望値に
すべく、上記外輪と、上記ハブ本体と、上記内輪と、上
記第一、第二各円すいころとを選択して組み合わせる。
【0019】更に好ましくは、請求項2に記載した様
に、上記内輪と複数個の第二円すいころとを組み合わせ
た内輪ユニットに関し、基準となる1個のマスター外輪
を使用して、このマスター外輪の内端面と、上記各内輪
ユニットを構成する内輪の外端面との間の軸方向距離L
2nをそれぞれ測定し、その結果を記録しておく。又、実
際に自動車用ハブユニットに組み付けるべき別の外輪の
外端部内周面に形成した第二外輪軌道の内径側に、上記
各内輪ユニットのうちの何れか1個の内輪ユニットを組
み付けて、当該内輪ユニットを構成する内輪の外端面と
上記別の外輪の内端面との軸方向距離L2 ′を測定す
る。そして、当該内輪ユニット(上記別の外輪に対し組
み付けた内輪ユニット)に関しては、この軸方向距離L
2 ′をそのまま予圧を求める為の軸方向距離L2 として
利用する。これに対して、他の内輪ユニットに関して
は、上記マスター外輪に関する各内輪ユニットの軸方向
距離L2nから、上記何れか1個の内輪ユニットのマスタ
ー外輪に関する測定値L2n´と上記別の外輪に関する測
定値L2 ´との差である「L 2n´−L2 ´」を引いた値
「L2n−(L2n´−L2 ´)」を、上記予圧を求める為
の軸方向距離L2 として利用する。
【0020】或は、好ましくは請求項3に記載した様
に、それぞれがハブ本体と複数個の第一円すいころとを
組み合わせた複数組のハブ本体ユニットに関し、基準と
なる1個のマスター外輪を使用して、このマスター外輪
の内端面と、上記各ハブ本体の外周面に設けた段差面と
の間の軸方向距離L1nをそれぞれ測定し、その結果を記
録しておく。又、実際に自動車用ハブユニットに組み付
けるべき別の外輪の外端部内周面に形成した第一外輪軌
道の内径側に、上記各ハブ本体ユニットのうちの何れか
1個のハブ本体ユニットを組み付けて、当該ハブ本体ユ
ニットを構成するハブ本体の外周面に設けた段差面と上
記別の外輪の内端面との軸方向距離L1 ′を測定する。
そして、当該ハブ本体ユニット(上記別の外輪に対し組
み付けたハブ本体ユニット)に関しては、この軸方向距
離L1 ′をそのまま予圧を求める為の軸方向距離L1
して利用する。これに対して、他のハブ本体ユニットに
関しては、上記マスター外輪に関する各ハブ本体ユニッ
トの軸方向距離L1nから、上記何れか1個のハブ本体ユ
ニットのマスター外輪に関する測定値L1n´と上記別の
外輪に関する測定値L1 ´との差である「L1n´−L1
´」を引いた値「L1n−(L1n´−L1 ´)」を、上記
予圧を求める為の軸方向距離L1 として利用する。
【0021】
【作用】上述の様な本発明の自動車用ハブユニットの組
立方法によれば、第一、第二列の各円すいころ軸受に適
正な予圧付与を、能率良く行なえる為、大量生産に適す
る手法により、優れた性能を有する自動車用ハブユニッ
トを実現できる。更に、請求項2〜3に記載した自動車
用ハブユニットの組立方法の場合には、内輪ユニット
(請求項2の場合)或はハブ本体ユニット(請求項3の
場合)を外輪の内側に出し入れする回数を少なくして、
組立作業の能率化を更に図れる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1〜3は、請求項1にのみ対応
する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、
本発明の特徴は、自動車用ハブユニットを構成する第一
列、第二列の円すいころ軸受10、14への適正な予圧
付与を、能率良く行なう為の組立方法にある。自動車用
ハブユニット自体の構造、並びに組立方法のうちの予圧
付与以外の工程に関しては、前述の図6〜10で示し
た、特開2000−94902号公報に記載されて従来
から知られている発明の場合と同様であるから、重複す
る図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本
発明の特徴部分を中心に説明する。
【0023】本発明の自動車用ハブユニットの組立方法
を実施する場合には、先ず、図1に示す様に、ハブ本体
2と外輪4とを組み合わせる。即ち、このハブ本体2の
中間部外周面に形成した第一内輪軌道11と、上記外輪
4の外端部内周面に形成した第一外輪軌道17との間
に、第一保持器20により保持した複数個の第一円すい
ころ5、5を配置した状態で、上記ハブ本体2と上記外
輪4とを互いに同心に組み合わせる。そして、このハブ
本体2に対しこの外輪4を、所定の荷重により外方に押
圧しつつ、この外輪4の内端面と、上記ハブ本体2の内
端部外周面に形成した小径段部12の外端部に設けた段
差面16との間の、軸方向距離L1 を測定する。又、こ
の小径段部12の外径Dを、上記外輪4を組み合わせる
以前に、予め測定しておく。
【0024】又、この軸方向距離L1 を測定する以前
に、図2に示す様に、内輪3と上記外輪4とを組み合わ
せる。即ち、この内輪3の外周面に形成した第二内輪軌
道15と、上記外輪4の内端部内周面に形成した第二外
輪軌道18との間に、第二保持器21により保持した複
数個の第二円すいころ6、6を配置した状態で、上記内
輪3と上記外輪4とを互いに同心に組み合わせる。そし
て、この外輪4に対し上記内輪3を所定の荷重により外
方に押圧しつつ、この外輪4の内端面とこの内輪3の外
端面との間の軸方向距離L2 を測定する。又、この内輪
3の内径R(<D)を測定する。尚、本例の場合には、
図1に示した外輪4と図2に示した外輪4とは、同一の
外輪である。又、この外輪4の内端面と上記内輪3の外
端面との間の軸方向距離L2 の測定を、この外輪4の内
端面と上記段差面16との間の軸方向距離L1 の測定の
前に行なう理由は、前記シールリング7を外輪4から取
り外す作業を行なわない様にする為である。
【0025】そして、この内径Rの測定値と上記小径段
部12の外径Dの測定値との差δ(=D−R)である締
め代に基づく、軸受の内部隙間の減少量f(δ)を求め
る。この減少量f(δ)は、接触角等により異なり、上
記内輪3の肉厚や材料の弾性率等に基づいて計算により
求める事もできるが、本例の場合には、予め行なった実
験から描かれる、図3に示す様な線図に基づいて求め
る。即ち、上記小径段部12に上記内輪3を締り嵌めで
外嵌すると、この内輪3の外周面に形成した第二内輪軌
道15の外径が弾性的に広がり、上記軸受の内部隙間が
その分減少する。この第二の内輪軌道15は円すい凸面
状である為、この内部隙間の減少分は、ラジアル成分と
アキシアル成分とに分離できる。本明細書中での、軸受
の内部隙間の減少量f(δ)とは、このうちのアキシア
ル成分を言う。尚、上記図3は、一般的な乗用車用のハ
ブユニットの場合での実験結果を示しているが、上記締
め代δと上記減少量f(δ)との関係は、f(δ)≒
1.022δとなる。この様な減少量f(δ)は、前記
予圧付与に関して、前記各軸方向距離L1 、L2 と同様
に(同次元で)扱う事ができる。
【0026】即ち、各軸方向距離L1 、L2 と上記減少
量f(δ)とから、組み立てられる車輪支持用ハブユニ
ットの予圧は、「L1 −L2 −f(δ)」で求められ
る。そこで、この式{L1 −L2 −f(δ)}で求めら
れる予圧を所望値にすべく、前記外輪4と、前記ハブ本
体2と、上記内輪3と、前記各第一、第二各円すいころ
5、6とを選択して組み合わせる。従って、図1の様に
して求めた軸方向距離L 1 及び外径Dと、図2の様にし
て求めた軸方向距離L2 及び内径Rとが、所望の予圧付
与に適正な値である場合には、上記各部材4、2、3、
5、6をそのまま組み立てる。これに対して、上記軸方
向距離L1 及び外径Dと、上記軸方向距離L2 及び内径
Rとが、所望の予圧付与に不適正な値である場合には、
上記外輪4の内径側に別の内輪3及び第二円すいころ6
(又は別のハブ本体2及び第一円すいころ5)を組み込
んで、上記軸方向距離L2 及び内径R(又は軸方向距離
1及び外径D)を測定する。そして、所望の予圧付与
に適正な値を得られた場合に、上記各部材4、2、3、
5、6を組み立てる。尚、これら各部材4、2、3、
5、6のうち、外輪4とハブ本体2の組み合わせを変更
する事は、前記シールリング7を外輪4から取り外さな
ければならず面倒な作業となる。従って、この外輪4と
上記ハブ本体2との組み合わせの変更は、できるだけ避
ける。又、上記各部材4、2、3、5、6の組み合せが
決まった段階で、上記内輪3及び上記第二円すいころ
6、6を組み込む以前、即ち、図1の状態で、上記外輪
4の内周面と上記ハブ本体2の外周面との間に存在する
環状空間の内端側から第一円すいころ5、5に向けてノ
ズルを差し込む。そして、このノズルにより、これら各
第一円すいころ5、5の設置部分にグリースを注入す
る。
【0027】尚、上記各軸方向距離L1 、L2 を測定す
る際に上記外輪4と上記ハブ本体2又は内輪3との間に
加えるアキシアル荷重の大きさは、上記各第一、第二円
すいころ5、6の転動面と上記第一、第二各内輪軌道1
1、15及び第一、第二各外輪軌道17、18との接触
部を、測定値に影響を及ぼす程弾性変形させず、しかも
安定した測定値を得られる様に規制する。例えば、一般
的な乗用車用のハブユニットの測定を行なう場合で、5
0N程度のアキシアル荷重を加える。尚、実際の測定作
業を行なう際には、上記各部材4、2、3の中心軸を鉛
直方向に配置するので、これら各部材4、2、3の重量
を上記アキシアル荷重として利用できる。測定値を安定
させる事ができれば、このアキシアル荷重を、上記各部
材の重量のみで得ても良い。尚、前記各第二円すいころ
6、6の設置部分へのグリースの注入は、これら各第二
円すいころ6、6と上記内輪3とを上記外輪4の内径側
に組み込んだ後に、上記外輪4の内周面と上記ハブ本体
2の外周面との間に存在する環状空間の内端側からノズ
ルを差し込んで行なう。この様にしてグリースを注入し
た後、図6に示した様に第二シールリング8を組み込ん
で、組み立てを完了する。この様に前記各第一円すいこ
ろ5、5の設置部分へのグリースの注入と、上記各第二
円すいころ6、6の設置部分へのグリースの注入とは、
互いに別工程で行なう。
【0028】次に、図4は、請求項1〜2に対応する、
本発明の実施の形態の第2例を示している。上述した第
1例の場合には、特定の(1個の)外輪4を基準とし
て、ハブ本体2及び第一円すいころ5、5に関する軸方
向距離L1 及び外径Dと、内輪3及び第二円すいころ
6、6に関する軸方向距離L2 及び内径Rを測定してい
た。この様な場合には、所望の予圧を得られる組み合わ
せを見つけるまでの間に、上記特定の外輪4内に、ハブ
本体2及び第一円すいころ5、5(又は内輪3及び第二
円すいころ6、6)を1回出し入れするだけでなく、内
輪3及び第二円すいころ6、6(又はハブ本体2及び第
一円すいころ5、5)を何回も出し入れしなければなら
なくなる可能性がある。これに対して本例の場合には、
所望の予圧を得られる組み合わせを見つけるまでに外輪
4内に内輪3及び第二円すいころ6、6を出し入れする
回数を少なく抑えられる様にして、自動車用ハブユニッ
トの組立作業の更なる能率化を図れる様にしている。
【0029】この為に本例の場合には、上記内輪3と、
第二保持器21により保持された複数の第二円すいころ
6とを組み合わせた内輪ユニットに関し、図4に鎖線で
示した、基準となる1個のマスター外輪36を使用し
て、前述の図2と同様の測定作業を行なう。即ち、この
マスター外輪36の内端面と、上記各内輪ユニットを構
成する内輪3の外端面との間の軸方向距離L2nをそれぞ
れ測定して、その結果を記録しておく。勿論、上記内輪
3の内径Rも測定して記録しておく。
【0030】又、図4に実線で示した、実際に自動車用
ハブユニットに組み付けるべき別の外輪4の外端部内周
面に形成した第二外輪軌道18の内径側に、上記各内輪
ユニットのうちの何れか1個の内輪ユニットを組み付け
て、当該内輪ユニットを構成する内輪3の外端面と上記
別の外輪4の内端面との軸方向距離L2 ′を測定する。
そして、当該内輪ユニット(上記別の外輪4に対し組み
付けた内輪ユニット)に関しては、この軸方向距離L
2 ′をそのまま予圧を求める為の軸方向距離L2として
利用する。
【0031】これに対して、他の内輪ユニットに関して
は、上記マスター外輪に関するこれら他の内輪ユニット
の軸方向距離L2nから、上記何れか1個の内輪ユニット
のマスター外輪36に関する測定値L2n´と上記別の外
輪4に関する測定値L2 ´との差である「L2n´−L2
´」を引いた値「L2n−(L2n´−L2 ´)」を、上記
予圧を求める為の軸方向距離L2 として利用する。従っ
て、複数の(n個)の内輪ユニットに関して、上記マス
ター外輪36を使用して上記軸方向距離L2n(L2n´)
を測定した後、何れか1個の内輪ユニットに関して、実
際に自動車用ハブユニットに組み付けるべき別の外輪4
を使用して上記軸方向距離L2 ′を測定すれば、残り
(n−1)個の内輪ユニットに関しても、上記予圧を求
める為の軸方向距離L2 が求められる。
【0032】この為、本例の場合には、上記別の外輪4
を使用して上記軸方向距離L2 ′を測定した上記内輪ユ
ニットが、所望の予圧を得る為に不適正である場合に
も、新たな測定作業を行なわなくても、この所望の予圧
を得る為に適正な内輪ユニットを直ちに選択できる。こ
の結果、適正な予圧を付与した自動車用ハブユニットの
組立作業を、より能率良く行なうことができる。尚、上
述の説明は、マスター外輪36との組み合わせで軸方向
距離を測定する部材を、内輪3と第二保持器21と複数
の第二円すいころ6、6とを組み合わせた内輪ユニット
としたが、上記部材を、請求項3に記載した様に、ハブ
本体と第一保持器と複数の第一円すいころとを組み合わ
せたハブ本体ユニットとしても、同様の効果を得られ
る。
【0033】次に、予圧を付与する為の軸方向の変位量
と、実際に第一、第二円すいころ5、6に付与されるア
キシアル荷重との関係を求める為の方法に就いて、図5
により説明する。即ち、一般的に予圧管理は、負の内部
隙間の大きさにより行なうが、上記アキシアル荷重の大
きさにより予圧管理を行なう必要がある場合には、この
アキシアル荷重の大きさと上記負の内部隙間の大きさと
の関係を求める必要がある。
【0034】この様な関係を求める為には、図5に示す
様に、ハブ本体2をサポート治具37に緩く外嵌支持す
ると共に、このハブ本体2の内端部に形成した小径段部
12に内輪3を、隙間嵌で外嵌する。そして、アムスラ
ーと呼ばれる押圧治具38によりこの内輪3を、上記ハ
ブ本体2に押し付ける。この内輪3の外端面と上記小径
段部12の外端部に設けた段差面16との間には、正の
隙間をあけたままとする。そして、この様に正の隙間を
あけたままとする為、測定用のハブ本体2は、段差面1
6を軸方向外側にずらせ、しかも小径段部12の外径を
小さくした、特別に加工したものを用いる。この様な測
定用のハブ本体2を使用して、上記押圧治具38が上記
内輪3を押圧する力を測定しつつ、上記サポート治具3
7と上記押圧治具38との距離をダイヤルゲージ39に
より測定する。そして、上記力の測定値と上記距離の測
定値とから、上記アキシアル荷重の大きさと上記負の内
部隙間の大きさとの関係を求める。
【0035】実際の測定を行なう場合には、上記サポー
ト治具37を下方に位置させた状態で、各部材の中心軸
を鉛直方向に配置する。そして、上記押圧治具38に、
各部を弾性変形させる程に大きな荷重を付与しない状態
での、上記ダイヤルゲージ39の測定値を、内部隙間が
±0の点であるとする。この状態から上記押圧治具38
に荷重を加えた場合の、上記ダイヤルゲージ39の測定
値の変化分が、負の内部隙間となる。そこで、この変化
分と上記押圧治具38に加えた荷重とから、上記アキシ
アル荷重の大きさと上記負の内部隙間の大きさとの関係
を容易に求める事ができる。この様にして行なう測定に
よるデータと、前述の図3に示したデータとを用いれ
ば、前述した、「L1 −L2 −f(δ)」なる式により
負の内部隙間の値を求め、 更に予圧荷重を知る事がで
きる。尚、この様な測定では、上記内輪3を上記小径段
部12に隙間嵌で外嵌している点が実際の場合と異な
り、上記サポート治具37の弾性変形量が誤差として入
り込む為、上記関係を厳密に求める事はできないが、実
用上有用な概算値を求める事はできる。
【0036】
【発明の効果】上述の様に本発明の自動車用ハブユニッ
トの組立方法の場合には、自動車用ハブユニットの組立
作業を能率良く行なって、この自動車用ハブユニットの
コストの低減を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例で、外輪の内端面
とハブ本体の段差面との軸方向距離を測定する状態を示
す断面図。
【図2】同じく外輪の内端面と内輪の外端面との軸方向
距離を測定する状態を示す断面図。
【図3】小径段部に対する内輪の締め代の大きさと、こ
の締め代に基づく軸受内部隙間の減少量のうちの軸方向
成分との関係を示す線図。
【図4】本発明の実施の形態の第2例で、外輪の内端面
とハブ本体の段差面との軸方向距離を測定する状態を示
す断面図。
【図5】ハブ本体に対する内輪の軸方向の変位量と実際
の予圧荷重との関係を求める為の測定の実施状態を示す
断面図。
【図6】本発明の対象となる自動車用ハブユニットの第
1例を示す断面図。
【図7】図6の右方から見た半部側面図。
【図8】組立作業の最初の工程を示す断面図。
【図9】同じく次の工程を示す断面図。
【図10】同じく更に次の工程を示す断面図。
【図11】第一シールリングを外輪の外端部に外嵌する
工程の別例を示す断面図。
【図12】本発明の対象となる自動車用ハブユニットの
第2例を示す断面図。
【符号の説明】
1 自動車用ハブユニット 2、2a ハブ本体 3 内輪 4 外輪 5 第一円すいころ 6 第二円すいころ 7 第一シールリング 8 第二シールリング 9 フランジ 10 第一列の円すいころ軸受 11 第一内輪軌道 12 小径段部 13 スプライン孔 14 第二列の円すいころ軸受 15 第二内輪軌道 16 段差面 17 第一外輪軌道 18 第二外輪軌道 19 取付部 20 第一保持器 21 第二保持器 22 ポケット 23 柱部 24 小鍔部 25 芯金 26 弾性材 27 円筒部 28 円筒面部 29 スタッド 30 治具 31 通孔 32 抑えブロック 33 バックアッププレート 34 円筒部 35 かしめ部 36 マスター外輪 37 サポート治具 38 押圧治具 39 ダイヤルケージ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハブ本体と、このハブ本体に外嵌固定し
    た内輪と、これらハブ本体及び内輪の周囲に配置した外
    輪と、これらハブ本体及び内輪の外周面と外輪の内周面
    との間に設けたそれぞれ複数個ずつの第一円すいころ及
    び第二円すいころとから成り、このうちのハブ本体は、
    外端部外周面に車輪を支持する為のフランジを設けると
    共に、中間部外周面に第一列の円すいころ軸受を構成す
    る為の、円すい凸面状の第一内輪軌道を直接形成し、内
    端部外周面に小径段部を設けており、上記内輪は、第二
    列の円すいころ軸受を構成する為の、円すい凸面状の第
    二内輪軌道を外周面に形成したもので、上記ハブ本体の
    小径段部に、外端面をこの小径段部の外端部に設けた段
    差面に突き当てた状態で外嵌固定しており、上記外輪
    は、内周面に上記第一、第二列の円すいころ軸受を構成
    する為の、それぞれが円すい凹面状の第一、第二外輪軌
    道を形成したものであり、上記各第一円すいころは上記
    第一内輪軌道と上記第一外輪軌道との間に配置し、上記
    各第二円すいころは上記第二内輪軌道と上記第二外輪軌
    道との間に配置している自動車用ハブユニットを、上記
    各第一円すいころ及び上記各第二円すいころに所望の予
    圧を付与した状態で組み立てる為、上記第一内輪軌道と
    上記第一外輪軌道との間に上記各第一円すいころを配置
    した状態で、上記ハブ本体に対し上記外輪を所定の荷重
    により外方に押圧しつつこの外輪の内端面と上記段差面
    との間の軸方向距離L1を測定し、上記第二内輪軌道と
    上記第二外輪軌道との間に上記各第二円すいころを配置
    した状態で、上記外輪に対し上記内輪を所定の荷重によ
    り外方に押圧しつつこの外輪の内端面とこの内輪の外端
    面との間の軸方向距離L2 を測定し、上記小径段部の外
    径と上記内輪の内径との差δである締め代に基づく軸受
    の内部隙間の減少量f(δ)を求め、「L1 −L2 −f
    (δ)」で求められる予圧を所望値にすべく、上記外輪
    と、上記ハブ本体と、上記内輪と、上記第一、第二各円
    すいころとを選択して組み合わせる自動車用ハブユニッ
    トの組立方法。
  2. 【請求項2】 それぞれが内輪と複数個の第二円すいこ
    ろとを組み合わせた複数組の内輪ユニットに関し、基準
    となる1個のマスター外輪を使用して、このマスター外
    輪の内端面と、上記各内輪ユニットを構成する内輪の外
    端面との間の軸方向距離L2nをそれぞれ測定し、その結
    果を記録しておき、実際に自動車用ハブユニットに組み
    付けるべき別の外輪の外端部内周面に形成した第二外輪
    軌道の内径側に、上記各内輪ユニットのうちの何れか1
    個の内輪ユニットを組み付けて、当該内輪ユニットを構
    成する内輪の外端面と上記別の外輪の内端面との軸方向
    距離L2 ´を測定し、当該内輪ユニットに関してはこの
    軸方向距離L2 ′をそのまま予圧を求める為の軸方向距
    離L2 として利用し、他の内輪ユニットに関しては、上
    記マスター外輪に関する各内輪ユニットの軸方向距離L
    2nから、上記何れか1個の内輪ユニットのマスター外輪
    に関する測定値L2n′と上記別の外輪に関する測定値L
    2 ′との差である「L2n′−L2 ´」を引いた値「L2n
    −(L2n′−L2 ´)」を、上記予圧を求める為の軸方
    向距離L2 として利用する、請求項1に記載した自動車
    用ハブユニットの組立方法。
  3. 【請求項3】 それぞれがハブ本体と複数個の第一円す
    いころとを組み合わせた複数組のハブ本体ユニットに関
    し、基準となる1個のマスター外輪を使用して、このマ
    スター外輪の内端面と、上記各ハブ本体の外周面に設け
    た段差面との間の軸方向距離L1nをそれぞれ測定し、そ
    の結果を記録しておき、実際に自動車用ハブユニットに
    組み付けるべき別の外輪の外端部内周面に形成した第一
    外輪軌道の内径側に、上記各ハブ本体ユニットのうちの
    何れか1個のハブ本体ユニットを組み付けて、当該ハブ
    本体ユニットを構成するハブ本体の外周面に設けた段差
    面と上記別の外輪の内端面との軸方向距離L1 ′を測定
    し、当該ハブ本体ユニットに関してはこの軸方向距離L
    1 ′をそのまま予圧を求める為の軸方向距離L1として
    利用し、他のハブ本体ユニットに関しては、上記マスタ
    ー外輪に関する各ハブ本体ユニットの軸方向距離L1n
    ら、上記何れか1個のハブ本体ユニットのマスター外輪
    に関する測定値L1n´と上記別の外輪に関する測定値L
    1 ′との差である「L1n´−L1 ´」を引いた値「L1n
    −(L1n´−L1 ´)」を、上記予圧を求める為の軸方
    向距離L1 として利用する、請求項1に記載した自動車
    用ハブユニットの組立方法。
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