JP2002188552A - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents

内燃機関の失火検出装置

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JP2002188552A JP2000387040A JP2000387040A JP2002188552A JP 2002188552 A JP2002188552 A JP 2002188552A JP 2000387040 A JP2000387040 A JP 2000387040A JP 2000387040 A JP2000387040 A JP 2000387040A JP 2002188552 A JP2002188552 A JP 2002188552A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 点火コイルの放電時間のバラツキや種々のノ
イズなどの影響を解消し、よってそれに起因する内燃期
間の失火の誤検出(誤判断)を防止して精度よく失火を
検出する。 【解決手段】 イオン電流の波形(イオン電流の発生期
間)に基づいてゲート幅(具体的には、積分部70にお
ける積分処理期間、即ちイオン電流検出期間)を設定す
る(ゲート(GATE)幅設定部80)。また、ゲート
幅(積分処理期間)の開始時期をイオン電流の発生開始
時期、即ち誘導ノイズの立ち上がり時点から所定の期間
だけ遅延(マスク)させる(処理遅延部90)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、混合気の燃焼の
際に発生するイオン電流に基づいて内燃機関の失火を検
出する内燃機関の失火検出装置に関し、より具体的に
は、点火コイルの放電時間のバラツキやノイズなどに起
因する失火の誤検出を防止することができるようにした
失火検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ガソリンエンジンなどの火花点火方式の
内燃機関においては、点火コイルによって発生した高電
圧がディストリビュータなどを介して各気筒に配置され
た点火プラグに与えられ、点火プラグの電極間(ギャッ
プ)の火花放電によって各気筒内の混合気が着火されて
燃焼が生じる。このような内燃機関の点火・燃焼行程に
おいては、なんらかの原因によって混合気の燃焼が正常
に行われない現象、即ち失火が生じることがある。
【0003】この失火の原因は、燃料系に起因するもの
と点火系に起因するものの二つに大別される。前者の燃
料系に起因する失火は、混合気の過剰なリーンあるいは
リッチ化に起因するものであって、点火プラグの電極間
で火花放電は生じているが、混合気には着火されない現
象である。一方、後者の点火系に起因する失火は、未燃
燃料などの付着による点火プラグのくすぶりや点火回路
の異常などによって正常な火花放電が生じない、いわゆ
るミス・スパークに起因する現象である。
【0004】混合気が正常に燃焼すると、その燃焼に伴
って混合気(正確には混合気の燃焼によって発生した燃
焼ガス)が電離(イオン化)し、イオン電流が発生す
る。一方、失火が生じて混合気の燃焼が行われないと、
混合気が電離しないことからイオン電流は発生しない。
【0005】図6に失火時と正常な燃焼時におけるイオ
ン電流の波形を示す。同図に示すように、イオン電流波
形は正常な燃焼が行われたとき、即ちイオンが発生して
いるときは、点火プラグ電極間の放電直後に瞬間的に大
きく立ち上がった(同図においてAで示す)後、発生し
たイオンの量に応じて電流が流れ続け、やがて所定レベ
ルに復帰する。一方、失火が生じたとき、即ちイオンが
発生していないときは、放電終了直後に瞬間的に大きく
立ち上がった(同図においてA’で示す)後、直ちに所
定レベルに復帰する。
【0006】このため、従来、例えば特開平5−999
56号公報に記載される技術のように、点火プラグ、よ
り具体的にはその電極をイオン電流を検出するためのプ
ローブとして用い、燃焼行程において発生するイオン電
流(電流波形)を検出し、その検出値を所定値と比較す
ることにより、内燃機関の失火を検出することが広く行
われている。
【0007】また、点火コイルへの通電パルスがオンさ
れると、失火時および正常な燃焼時に関わらず、電流波
形が瞬間的に大きく立ち上がる(同図においてBおよび
B’で示す)。これらA(あるいA’)およびB(ある
いはB’)で示す瞬間的な大きな立ち上がりは、点火コ
イルの電磁誘導による誘導ノイズに起因して発生するも
のであり、これらが失火の検出(判断)に影響を与えな
いようになんらかの対策を講じる必要がある。
【0008】このため、例えば上記した特開平5−99
956号公報に記載される技術にあっては、点火コイル
への通電パルスがオンとなった後、所定期間(具体的に
はBで示す電流波形の立ち上がりからAで示す電流波形
の立ち下がりまでの区間)にわたって電流波形の検出を
行わない(マスクする)ことで、誘導ノイズの影響を解
消して実際のイオン電流波形のみを検出し、正確な失火
検出(判断)を行うことを可能としている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来技術にあっては、例えば図7に一点鎖線で示すように
点火コイルの放電時間にバラツキが生じた場合、誘導ノ
イズの影響を解消しきれないといった不具合があった。
具体的には、上述した従来技術は点火コイルへの通電パ
ルスがオンとなった時点から所定期間にわたってマスク
するように構成しているため、即ち、通電パルスがオン
となった時点(充電を開始した時点)をマスク期間の開
始時期としているため、点火コイルの放電時間が延びた
場合にあっては、その後に発生する誘導ノイズに起因し
た電流波形の立ち上がり(同図にCで示す)を検出して
しまうことから、失火の検出(判断)に影響を与えるお
それがあった。
【0010】また、上記したマスク期間以外では常に電
流を検出できる状態にあることから、種々のノイズなど
に起因した電流(同図にDで示す)が生じると、それも
検出することとなり、同様に失火の検出(判断)に影響
を与えるおそれがあった。具体的には、本来失火の状態
にあり、イオン電流が発生していないにも関わらず、同
図にCあるいはDで示す電流波形を検出することでイオ
ン電流が発生していると誤検知してしまうおそれがあっ
た。
【0011】従って、この発明の目的は上記した課題を
解決し、点火コイルの放電時間のバラツキや種々のノイ
ズなどの影響を解消し、よってそれに起因する失火の誤
検出(誤判断)を防止して精度よく失火を検出すること
ができるようにした内燃機関の失火検出装置を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を解決するた
めに、この発明は請求項1項において、内燃機関の燃焼
室を臨む位置に配置された点火プラグに電圧を印加し、
その電極間の火花放電によって前記内燃機関内の混合気
を着火して燃焼させるとき、前記混合気の燃焼の際に発
生するイオン電流を第1の所定期間にわたって検出し、
その検出信号に基づいて前記内燃機関の失火を検出する
内燃機関の失火検出装置において、前記第1の所定期間
の開始時期を、前記イオン電流の発生開始時期から第2
の所定期間だけ遅延させた時期とするように構成した。
【0013】内燃機関の燃焼室を臨む位置に配置された
点火プラグに電圧を印加し、その電極間の火花放電によ
って内燃機関内の混合気を着火して燃焼させるとき、混
合気の燃焼の際に発生するイオン電流を第1の所定期間
にわたって検出し、その検出信号に基づいて内燃機関の
失火を検出する内燃機関の失火検出装置において、第1
の所定期間の開始時期を、イオン電流の発生開始時期か
ら第2の所定期間だけ遅延させた時期とするように構成
したので、点火コイルの放電時間のバラツキの影響を解
消することができ、よってそれに起因する失火の誤検出
(誤判断)を防止して精度よく失火を検出することがで
きる。
【0014】より具体的には、イオン電流を検出する第
1の所定期間の開始時期をイオン電流の発生開始時期、
換言すれば、誘導ノイズの立ち上がり時点からある期間
だけ遅延するように構成した、即ち、誘導ノイズの立ち
上がり時点からある期間だけ電流波形の検出処理を行わ
ない(マスクする)ように構成したので、点火コイルの
放電時間にバラツキが生じても誘導ノイズの影響を確実
に解消することができ、よってそれに起因する失火の誤
検出(誤判断)を防止して精度よく失火を検出すること
ができる。
【0015】請求項2項にあっては、前記第1の所定期
間は、前記イオン電流の発生期間に応じて決定されるよ
うに構成した。
【0016】第1の所定期間は、イオン電流の発生期間
に応じて決定されるように構成したことから、イオン電
流の発生期間以外に種々のノイズなどに起因して発生し
た電流を検出することがないため、請求項1項の効果に
加え、さらに種々のノイズなどの影響を解消することが
でき、よってそれに起因する失火の誤検出(誤判断)を
防止してより一層精度よく失火を検出することができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に即してこの発明
の一つの実施の形態に係る内燃機関の失火検出装置を説
明する。
【0018】図1は、この発明の一つの実施の形態に係
る内燃機関の失火検出装置のうち、点火プラグに火花を
生じさせるための点火回路、および、発生したイオン電
流を検知するためのイオン電流検知部などを示す回路図
である。
【0019】以下、同図を参照してその構成について説
明すると、点火コイル10の1次側(低圧側)コイル1
0aの一端は電源(車載バッテリ電源)12に接続され
ると共に、その他端はECU(電子制御ユニット)14
からの点火信号に応じて開閉されるパワートランジスタ
16を介して接地される。
【0020】一方、点火コイル10の2次側(高圧側)
コイル10bの一端は、内燃機関の各気筒(シリンダヘ
ッド18の一部で示す)20の燃焼室22を臨む位置に
配置された点火プラグ(1個のみ示す)24、より具体
的には中心電極24aに接続される。また、点火プラグ
24の接地電極(外側電極)24bはシリンダヘッド1
8を介して接地される。尚、点火プラグ24は、放電終
了後、後述するイオン電流を検出するためのプローブと
しても機能する。
【0021】また、点火コイル10の2次側コイル10
bの他端には、イオン電流検知部30が接続される。具
体的には、放電電流によって図示の極性に充電されるイ
オン電流検知用コンデンサ32、およびイオン電流検知
用コンデンサ32の充電電圧を規定するツェナーダイオ
ード34が並列に接続され、さらに、イオン電流検知用
コンデンサ32は、検出抵抗36を介して接地されると
共に、ツェナーダイオード34は、電流の逆流を防止す
るダイオード38を介して接地される。
【0022】ECU14は、マイクロコンピュータから
なり、クランク軸あるいはカム軸(共に図示せず)付近
に配置されて各気筒のTDC位置およびそれを細分して
なるクランク角度に応じた信号を出力するクランク角セ
ンサ40、吸気管内絶対圧(PBA)に応じた信号を出
力する絶対圧センサ42、および図示しないセンサ群の
出力が入力される。
【0023】次いで、上述した構成の動作について説明
すると、電源12から1次側コイル10aを流れる電流
は、ECU14からの点火信号(点火指令)に応じたパ
ワートランジスタ16の開閉(オン・オフ)により通電
・遮断される。
【0024】パワートランジスタ16がオン状態からオ
フ状態となって1次側コイル10aの電流が遮断される
と、それに伴って2次側コイル10bに負極性の高電圧
が発生し、放電電流が同図において1点鎖線で示すよう
に流れる。具体的には、点火プラグ24─2次側コイル
10b─イオン電流検知用コンデンサ32(またはツェ
ナーダイオード34)─ダイオード38と流れ、各点火
プラグ24の電極間(中心電極24aと接地電極24b
の間)に火花放電を生じさせて混合気を着火・燃焼させ
る。また、放電電流はコンデンサ32を図示の極性に充
電する。尚、充電されたコンデンサ32は、イオン電流
およびリーク電流を検出するためのバイアス電圧を有す
る電流検出用電源として機能する。
【0025】点火プラグ24の火花放電により混合気が
燃焼すると、混合気(正確には混合気の燃焼によって生
じた燃焼ガス)が電離してイオンが発生する。このイオ
ンがイオン電流検知用コンデンサ32のバイアス電圧の
作用によって移動することにより、別言すれば、点火プ
ラグ24の電極間にイオンが介在してその間の電気抵抗
が低下することにより、同図において2点鎖線で示すよ
うに、イオン電流検知用コンデンサ32─2次側コイル
10b─点火プラグ24を流れるイオン電流が生じる。
この際、発生したイオン電流に引きずられて検出抵抗3
6における電圧値が変化する。イオン電流検知部30
は、この電圧値の変化、即ちイオン電流波形を、後述す
る波形変換部に出力する。
【0026】また、ECU14は、前記したクランク角
センサ40および絶対圧センサ42などからの入力値に
基づいて点火時期を演算して点火指令すると共に、後述
する積分部によって出力された積分値(電圧値)に基づ
いて内燃機関が失火の状態にあるか否かを判断(失火検
出)する。
【0027】図2はこの発明の一つの実施の形態に係る
内燃機関の失火検出装置の全体的な構成を示す回路図で
ある。尚、図2において、図示の便宜のため点火回路の
一部を省略する。
【0028】同図の説明に入る前に、理解の便宜のた
め、先ず図3を参照して図2に示す回路の動作について
概説する。
【0029】図3は、図2に示す回路をブロック化した
ブロック図である。
【0030】以下説明すると、イオン電流検知部30に
おいて検知されたイオン電流波形は波形変換部50に出
力され、そこで波形の符合反転、低圧化処理が行われ
る。
【0031】波形変換部50において符合反転および低
圧化されたイオン電流波形は、ハイパス・フィルタ60
を介して低周波成分を除去した後、積分部70へ入力さ
れ、そこで積分処理を行うことによりイオン電流を積分
値として検出する。別言すれば、時間積分に比例した出
力信号を得る。
【0032】また、波形変換部50において符合反転お
よび低圧化されたイオン電流波形はゲート(GATE)
幅設定部80にも入力され、その内部のローパス・フィ
ルタを介してイオン電流以外の周波数帯の出力(ノイ
ズ)などを減衰させると共に、イオン電流の発生期間に
応じてゲートの幅、具体的には、積分部70によって積
分処理される期間を設定(決定)する。
【0033】さらに、ゲート幅設定部80において設定
された積分処理期間の開始時期を、前記した誘導ノイズ
の影響を受けない時期まで処理遅延部90において遅延
(マスク)させる。これらゲート幅設定部80および処
理遅延部90において決定された積分処理期間および処
理開始時期に基づき、ゲート(GATE)ON/OFF
部100を動作させることにより、積分部70へのイオ
ン電流波形の入力をオン・オフし、積分部70における
積分処理を所望の期間、具体的には、イオン電流の発生
期間に応じた期間のみに制限する。
【0034】尚、積分部70で上記した積分処理期間
(ゲート幅)にわたって積算された積分値は、積分値リ
セット部110において、点火時期θig(所定クラン
ク角度)毎、具体的には、点火コイルへの通電パルスの
送信毎にリセットさせる。
【0035】このように、この発明の一つの実施の形態
に係る内燃機関の失火検出装置においては、イオン電流
の発生期間に応じて積分処理期間、換言すればイオン電
流の検出期間を設定すると共に、その開始時期を誘導ノ
イズの影響を受けない時期まで遅延させるように構成し
た。
【0036】以下、上記した構成およびその動作につい
て図2を参照して詳説すると、先ず、前記したように、
混合気の燃焼によって生じたイオン電流波形(正確には
電圧波形)をイオン電流検知部10によって検知し、そ
のイオン電流波形を波形変換部12に出力する。
【0037】図4は、この発明の一つの実施の形態に係
る内燃機関の失火検出装置の各構成における出力(検出
電流波形あるいはパルス)を示すタイム・チャートであ
る。尚、図4は正常な燃焼が行われたときのタイム・チ
ャートであり、失火時のそれを図5に示す。また、図4
および図5のa,b,c・・・,gは、図2でa,b,
c・・・,gと示す箇所での出力を示す。
【0038】イオン電流検知部30(より具体的には検
出抵抗36)において検知されたイオン電流波形、即ち
図2でaと示す箇所における電流波形は、図4あるいは
図5に示すように、点火プラグ42の電極間の放電が終
了した直後、誘導ノイズにより瞬間的に大きく立ち上が
った後、発生したイオンの量に応じて電流が流れ続け、
やがて所定レベルに復帰する。一方、失火が生じたと
き、即ちイオンが発生していないときは、放電終了直後
に瞬間的に大きく立ち上がった後、直ちに所定レベルに
復帰する。
【0039】このイオン電流検知部30において検知さ
れたイオン電流波形は、前記したように波形変換部50
に入力され、符合変換、低圧化処理された後、ハイパス
・フィルタ60を介して積分部70に入力される。
【0040】また、波形変換部50において符合変換、
低圧化処理されたイオン電流波形は、ゲート幅設定部8
0にも入力され、その内部のローパス・フィルタによっ
てイオン電流以外の周波数成分が減衰される。さらに、
その出力、具体的には図2でbと示す箇所における電流
波形(図4あるいは図5においてbで示す)を、ゲート
幅設定用コンパレータ82のマイナス側に入力する。
【0041】また、ゲート幅設定用コンパレータ82の
プラス側には基準電圧(図4あるい図5においてcと示
す)が常に入力されると共に、これらを比較してローパ
ス・フィルタを介した後の出力(イオン電流波形)の方
が高い場合には、ゲート幅設定用コンパレータ82の出
力、即ち、図2でdと示す箇所における出力パルス(図
4あるいは図5においてdで示す)をLowとする。別
言すれば、基準電圧の方が高いときはゲート幅設定用コ
ンパレータ82の出力パルスをHighとする。
【0042】ここで、ゲート幅設定用コンパレータ82
のLowパルス出力期間がゲート(GATE)幅(具体
的には積分部70での積分処理期間、即ち、失火を検出
するためのイオン電流検出期間(前記した第1の所定期
間))となる。このように、ゲート幅設定部80におい
て、イオン電流の波形(イオン電流の発生期間)に基づ
いてゲート幅が設定されることから、イオン電流の発生
期間以外に種々のノイズなどに起因して発生した電流を
検出することがないため、これらの影響を解消すること
ができ、よってそれに起因する失火の誤検出(誤判断)
を防止して精度よく失火を検出することができる。
【0043】ゲート幅設定部18の出力パルスはさらに
処理遅延部90に入力され、積分処理期間(ゲート幅)
の開始時期を遅延させる、換言すれば、ゲート幅の初期
にマスク期間(前記した第2の所定期間)を設定する。
【0044】具体的には、処理遅延用コンデンサ92の
充放電によってゲート幅設定部80の出力パルスの立ち
下がりタイミング(Lowパルスが出力される時期)を
遅延させる、換言すれば、出力パルスのHigh時間を
延長させ、図2でeと示す箇所において、図4あるいは
図5においてeで示すような電流波形を得る。
【0045】このようにして得た電流波形を、処理遅延
用コンパレータ94のプラス側に入力すると共に、基準
電圧(図4あるいは図5においてfで示す)をそのマイ
ナス側に入力する。そして、それらを比較して図2のe
における電流波形の方が基準電圧よりも低い場合には、
処理遅延用コンパレータ94の出力、即ち、図2のgに
おける出力パルス(図4あるいは図5においてgで示
す)をLowとする。
【0046】図4あるいは図5から明らかなように、処
理遅延部90を経て最終的に得た出力パルスは、その立
ち下がりタイミングがイオン電流の発生開始時期から所
定の期間だけ遅延される。この立ち下がりタイミングが
遅延された出力パルスに基づき、ゲート(GATE)O
N/OFF部100のFET(電界効果トランジスタ)
102をオン・オフ動作させることにより、ハイパス・
フィルタ部60を介して出力されるイオン電流波形の積
分部70への入力のオン・オフを行う。
【0047】積分部70は、以上のようにして入力され
たイオン電流の時間積分に比例した出力信号、具体的に
は、積分用コンデンサ72の電圧値をECU14に出力
する。ECU14は、その電圧値に基づき、具体的に
は、その電圧値と予め設定された所定値とを比較するこ
とにより、内燃機関が失火の状態にあるか否か判断(失
火検出)する。
【0048】ここで、上記した遅延期間は、処理遅延用
コンデンサ92の容量、あるいは図4あるいは図5にお
いてfで示す基準電圧を適宜設定することにより、任意
の期間に設定することができるため、誘導ノイズの影響
を受けない程度の期間となるように予め設定しておく。
これにより、ハイパス・フィルタ部60を介して出力さ
れたイオン電流波形のうち、誘導ノイズの発生している
期間の電流波形を確実にマスクすることができるため、
誘導ノイズの影響を解消することができ、よってそれに
起因する失火の誤検出(誤判断)を防止してより一層精
度よく失火を検出することができる。
【0049】尚、積分用コンデンサ72の電圧値は、点
火時期θig(具体的には所定のクランク角度)毎、よ
り具体的には、点火コイルへの通電パルスの送信毎に、
積分値リセット部110のスイッチ112をオン(通
電)させ、積分用コンデンサ72を放電させることによ
ってリセットされる。
【0050】このように、この発明の一つの実施の形態
に係る内燃期間の失火検出装置にあっては、イオン電流
の波形(イオン電流の発生期間)に基づいてゲート幅が
設定されることから、イオン電流の発生期間以外に種々
のノイズなどに起因して発生した電流を検出することが
ないため、これらの影響を解消することができ、よって
それに起因する失火の誤検出(誤判断)を防止して精度
よく失火を検出することができる。
【0051】また、積分処理期間の開始時期をイオン電
流の発生開始時期から所定の期間(マスク期間)だけ遅
延させるように構成したことから、誘導ノイズの発生し
ている期間の波形を確実にマスクしてその影響を解消す
ることができ、よってそれに起因する失火の誤検出(誤
判断)を防止してより一層精度よく失火を検出すること
ができる。
【0052】以上のように、この発明の一つの実施の形
態にあっては、内燃機関20の燃焼室22を臨む位置に
配置された点火プラグ24に電圧を印加し(ECU1
4、点火コイル10)、その電極間(中心電極24aと
接地電極24bの間)の火花放電によって前記内燃機関
内の混合気を着火して燃焼させるとき、前記混合気の燃
焼の際に発生するイオン電流を第1の所定期間(ゲート
幅。即ち積分処理期間)にわたって検出し、その検出信
号に基づいて前記内燃機関の失火を検出する(ECU1
4、イオン電流検知部30、積分部70)内燃機関の失
火検出装置において、前記第1の所定期間の開始時期
を、前記イオン電流の発生開始時期(即ち誘導ノイズの
立ち上がり時点)から第2の所定期間(マスク期間)だ
け遅延させた時期とする(処理遅延部90、ゲート(G
ATE)ON/OFF部100)ように構成した。
【0053】また、前記第1の所定期間は、前記イオン
電流の発生期間(具体的には、図4あるいは図5でaと
示すイオン電流波形において、イオン電流の発生開始時
期から所定レベルに復帰するまでの期間(時間))に応
じて決定する(ゲート幅設定部80)ように構成した。
【0054】尚、上記において、この発明の一つの実施
の形態に係る内燃期間の失火検出装置の構成を電気回路
図によってハード的に示したが、ソフト的に構成しても
よい。
【0055】
【発明の効果】請求項1項にあっては、点火コイルの放
電時間のバラツキの影響を解消することができ、よって
それに起因する失火の誤検出(誤判断)を防止して精度
よく失火を検出することができる。
【0056】請求項2項にあっては、請求項1項の効果
に加え、さらに種々のノイズなどの影響を解消すること
ができ、よってそれに起因する失火の誤検出(誤判断)
を防止してより一層精度よく失火を検出することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施の形態に係る内燃機関の
失火検出装置のうち、イオン電流検知部および点火回路
を示す回路図である。
【図2】この発明の一つの実施の形態に係る内燃機関の
失火検出装置の構成を全体的に示す回路図である。
【図3】図2に示す構成をブロック化したブロック図で
ある。
【図4】図1装置の各構成における出力(電流波形ある
いはパルス波形)を示すタイム・チャートである。
【図5】図1装置の各構成における出力(電流波形ある
いはパルス波形)を示す、図4と同様なタイム・チャー
トである。
【図6】イオン電流波形を示すタイム・チャートであ
る。
【図7】従来技術の問題点を説明するための、図6と同
様なイオン電流波形を示すタイム・チャートである。
【符号の説明】
10 点火コイル 14 ECU 20 内燃機関 22 燃焼室 24 点火プラグ 24a 中心電極 24b 接地電極 30 イオン電流検知部 50 波形変換部 60 ハイパス・フィルタ 70 積分部 80 ゲート(GATE)幅設定部 90 処理遅延部 100 ゲート(GATE)ON/OFF部 110 積分値リセット部
フロントページの続き (72)発明者 大釜 俊洋 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 木村 知之 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3G019 CA00 CC14 CD06 DA07 GA16 LA05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の燃焼室を臨む位置に配置され
    た点火プラグに電圧を印加し、その電極間の火花放電に
    よって前記内燃機関内の混合気を着火して燃焼させると
    き、前記混合気の燃焼の際に発生するイオン電流を第1
    の所定期間にわたって検出し、その検出信号に基づいて
    前記内燃機関の失火を検出する内燃機関の失火検出装置
    において、 前記第1の所定期間の開始時期を、前記イオン電流の発
    生開始時期から第2の所定期間だけ遅延させた時期とす
    ることを特徴とする内燃機関の失火検出装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の所定期間は、前記イオン電流
    の発生期間に応じて決定されることを特徴とする請求項
    1項記載の内燃期間の失火検出装置。
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