JP2002188487A - ディーゼルエンジンの排気浄化装置 - Google Patents
ディーゼルエンジンの排気浄化装置Info
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Abstract
率を補正して、NOx浄化性能の向上を図る。 【解決手段】 排気通路14中にNOx触媒19を配設
する。NOx触媒19のNOx保持量が所定量以上の触媒
再生時に、排気の空気過剰率を低減する触媒再生運転を
行う。拡散燃焼を主燃焼とする燃焼状態と、予混合燃焼
を主燃焼とする燃焼状態との2つの燃焼状態を実現可能
である。触媒再生時に、拡散燃焼か予混合燃焼かに応じ
て、排気の空気過剰率を補正する。
Description
触媒が配設されたディーゼルエンジンの排気浄化装置に
関する。
て、排気の空気過剰率が高いときにNOxを保持し、排
気の空気過剰率が低いときに保持していたNOxを還元
浄化するNOx触媒を排気流路中に配設し、このNOx触
媒のNOx保持量が所定量以上のときに、排気の空気過
剰率を1以下に低減させることで、保持したNOxを還
元浄化してNOx触媒を再生する技術が知られている。
は、NOx触媒に水素が流入すると、NOx触媒のNOx浄
化率が向上する点が記載されている。なお、排気の空気
過剰率を大幅に低下させるとエンジンから水素が排出さ
れることは、例えば、『新・自動車ガソリンエンジン』
(中島泰夫,村中重夫:山海堂、1994年発行)のP
103に記載されている。この文献ではガソリンエンジ
ンの排気ガス成分について示されているが、ディーゼル
エンジンでも水素生成の傾向は略同じである。
噴射が開始すると燃料の蒸発による混合気化が進み、筒
内温度及び筒内圧が所定値に達したときに存在する混合
気が初期燃焼(予混合燃焼)し、この燃焼により筒内が
高温高圧となるため、その後は噴射された燃料が噴射と
同時に蒸発しながら燃焼(拡散燃焼)を行うことが知ら
れている。一般的には、噴射開始から予混合燃焼が起こ
るまでの期間(着火遅れ期間)は燃焼期間全体に対して
短いため、拡散燃焼が主燃焼となる。
報には、着火遅れ期間を大幅に長くし、この着火遅れ期
間内に燃料を全量噴射することで、予混合燃焼の割合を
拡散燃焼の割合より大きくして、予混合燃焼を主燃焼と
する技術が開示されている。
(以下では単に拡散燃焼と略称)と、予混合燃焼を主燃
焼とする燃焼状態(以下では単に予混合燃焼と略称)と
は、運転状態に応じて切り換えることが一般的である
(図4参照)。
応じて燃焼状態を切り替えるディーゼルエンジンの排気
通路中にNOx触媒を配設し、排気中の水素を利用して
NOx浄化率を向上させようとした場合、NOx触媒の再
生時期に、燃焼状態に関係なく空気過剰率を低減させる
と、以下に示すような問題が発生することが想定され
る。
燃焼状態に関係なく排気の空気過剰率を大幅に低減させ
ると、拡散燃焼の場合にスモークが著しく増大してしま
う。一方、スモークの増加を抑えるために空気過剰率の
低減量を制限すると、予混合燃焼の場合に、排気中のH
2を十分に得られず、所望のNOx浄化率が得られ難い。
たものであり、拡散燃焼及び予混合燃焼の2つの燃焼状
態を実現可能なディーゼルエンジンの排気浄化装置にお
いて、上記燃焼状態に応じた適切な触媒再生運転を行
い、スモークの発生量を抑制しつつ、NOx浄化性能の
更なる向上を図ることを一つの目的としている。
排気通路中に、排気の空気過剰率が高いときにNOxを
保持するとともに、排気の空気過剰率が低いときに保持
しているNOxを還元浄化するNOx触媒が配設され、少
なくともNOx触媒のNOx保持量が所定量以上の触媒再
生時に、排気の空気過剰率を低減する触媒再生運転を行
うディーゼルエンジンの排気浄化装置において、拡散燃
焼を主燃焼とする燃焼状態と、予混合燃焼を主燃焼とす
る燃焼状態との2つの燃焼状態を実現可能な燃焼制御手
段と、上記触媒再生時に、上記燃焼状態に基づいて、上
記排気の空気過剰率を低減する空気過剰率低減手段と、
を有することを特徴としている。
低減手段は、燃焼状態が予混合燃焼のときは拡散燃焼の
ときよりも上記排気の空気過剰率を小さくすることを特
徴としている。
触媒の触媒温度が所定の基準活性温度以上か否かを判断
する触媒温度判断手段を備え、上記空気過剰率低減手段
は、燃焼状態が予混合燃焼の場合、触媒温度が基準活性
温度未満のときは基準活性温度以上とのときよりも、排
気の空気過剰率を小さくすることを特徴としている。
混合燃焼で、触媒温度が基準活性温度未満のとき(第1
の運転状態)の排気の空気過剰率を、スモークの発生量
が許容量以下となる範囲で最も小さくすることを特徴と
している。
空気過剰率は、水素が大量に生成されるように、できる
限り低めに設定したい。図6に示すように、予混合燃焼
時には、空気過剰率λをかなり下げてもスモークは許容
範囲なので、第1の運転状態における排気の空気過剰率
を、スモークの発生量が許容量(L1)以下となる範囲
で最も小さい値(λ1)まで低下させるのが好ましい。
燃焼状態が拡散燃焼で、かつ、触媒温度が基準活性温度
以上の第2の運転状態のときに、排気の空気過剰率を、
スモークの発生量が許容量以下となる範囲で、上記第1
の運転状態のときよりも大きくする。
を行っているので、図6に示すように、排気の空気過剰
率をあまり大きくすると、スモークの発生量が許容レベ
ル(L1)を越えてしまう。そこで、第2の運転状態に
おける排気の空気過剰率は、スモーク発生量が許容量
(L1)以下となる範囲で、第1の運転状態のとき(λ
1)よりも大きい値(λ2)に設定するのが最も好まし
い。
段は、燃焼状態が予混合燃焼で、かつ、触媒温度が基準
活性温度以上の第3の運転状態のときに、排気の空気過
剰率を、上記第1の運転状態のときよりも大きくする。
焼を行っている関係で、燃焼状態が拡散燃焼主体の第2
の運転状態に比して、スモークが生じるおそれが低いた
め、排気の空気過剰率を小さく設定できるとともに、触
媒温度が基準活性温度に達しているため、排気の空気過
剰率を極端に小さくしなくても、十分な触媒浄化性能を
期待できる。従って、このような第3の運転状態では、
図6に示すように、排気の空気過剰率を、スモークの発
生量が許容量(L1)以下となる範囲で、上記第1の運
転状態のとき(λ1)よりも大きく、かつ上記第2の運
転状態のとき(λ2)以下、好ましくはλ3以下の値と
することが好ましい。
空気過剰率を第2の運転状態のとき以下とすることによ
り、スモークの発生を抑制しつつ、水素供給によるNO
x浄化率の向上を図ることができる。
ており、かつ、触媒温度が基準活性温度以下の運転状態
で、仮に触媒の活性温度を下げるために空気過剰率を極
端に小さくすると、スモークやPM(パティキュレー
ト)の排出量の増加を招いてしまう。
防止するように、請求項5に係る発明は、上記NOx触
媒の触媒温度が所定の活性温度以上か否かを判断する触
媒温度判断手段と、燃焼状態が拡散燃焼で、かつ、触媒
温度が活性温度未満のときには、上記触媒再生運転を禁
止する触媒再生運転禁止手段と、を有することを特徴と
している。
に係る発明のように、上記NOx触媒の上流側もしくは
下流側に配設された排気温度センサの検出信号に基づい
て判断し、あるいは請求項7に係る発明のように、上記
NOx触媒が活性領域にあるか不活性領域にあるかを判
断する活性状態判断手段を備え、上記不活性領域の滞在
期間が所定値を越えた場合に、触媒温度が活性温度未満
であると判断する。
に係る発明のように、燃料噴射量とエンジン回転数とに
基づいて判断する。
に、燃料噴射量及びエンジン回転数に基づいて、上記予
混合燃焼又は拡散燃焼のいずれを行うかを判断する燃焼
状態判断手段を有している。
散燃焼時はリッチ度を浅く、予混合燃焼時はリッチ度を
深くするというように、燃焼状態に応じて排気の空気過
剰率を低減することにより、スモークの悪化を抑制しつ
つ、NOx浄化率の向上を図ることができる。
予混合燃焼のときは、空気過剰率を低減することで増加
するスモーク発生量が拡散燃焼のときよりも低いため、
スモークの悪化を伴うことなく拡散燃焼より強いリッチ
条件の運転を行うことにより、排気ガス中の水素濃度の
増加を利用してNOx浄化率の向上を図ることができ
る。
予混合燃焼で運転されており、かつ、触媒温度が所定の
活性温度以下の第1の運転状態では、排気の空気過剰率
を小さくして、強いリッチ条件の運転を行うことによ
り、排気ガス中の水素濃度の増加を利用して、NOx触
媒の活性温度そのものを下げることが可能となる。従っ
て、触媒温度が一般的な基準活性温度以下であるにも関
わらず、高いNOx浄化性能を得ることが可能となる。
運転状態で、スモークの発生を許容レベルに抑制しつ
つ、高いNOx浄化性能を得ることができる。
ンサで検出されるNOx触媒の上流側又は下流側の排気
温度に基づいて、触媒温度を正確に推定することがで
き、制御精度が向上する。
媒温度を直接的に検出しなくとも、機関運転状態に基づ
いて触媒温度を正確かつ容易に推定することができる。
及びエンジン回転数に基づいて、適切な燃焼状態を選定
することができる。
装置を直列4気筒のディーゼルエンジン1に適用した一
実施形態を示している。このエンジン1は、高圧ポンプ
3及びコモンレール5等を有するコモンレール型の燃料
噴射装置2を具備している。高圧ポンプ3は、エンジン
1によって回転駆動され、燃料タンク(図示せず)から
吸入した燃料を所定の高圧まで昇圧して吐出する。高圧
ポンプ3の吐出側には、逆止弁を介して高圧燃料配管4
が接続されており、高圧ポンプから吐出された高圧燃料
は、一部が燃料戻し配管を通って燃料タンクへ戻され、
残りが高圧燃料配管4からコモンレール5、高圧燃料配
管6を通って燃料噴射弁7に供給される。コモンレール
5内の燃料圧力は、圧力センサ(図示省略)によって検
出される。
ら遠い側)より順に、ターボ過給機11のコンプレッサ
側と、インタークーラ12と、吸入空気量を調整する吸
気絞り弁13と、が配設されている。インタークーラ1
2は、過給によって温度上昇した空気を冷却し、吸気充
填効果を向上させるものであり、空冷式、水冷式のいず
れでも良い。
ービン側が接続されている。このターボ過給機11は、
可変ノズル型ターボ過給機として構成されており、ノズ
ルベーンアクチュエータでノズルベーンの角度を変化さ
せ、排気タービン15に当たる排気ガスの角度を変える
ことにより、過給圧を変化させることができる。なお、
過給圧を変化させる方法としては、排気通路14におけ
る排気タービン15の上流側と下流側とを接続するバイ
パス通路を設け、このバイパス通路を流れる排気の量を
変えるようにすることもできる。
レクタ16へ還流する排気還流通路17が接続されてお
り、この排気還流通路17には、還流される排気の量を
調節するEGRバルブ18が配設されている。
能付きのNOx触媒19が配設されているとともに、こ
のNOx触媒19の下流側に排気温度センサ21が配設
されている。NOx触媒19は、流入する排気中の還元
成分濃度が低いときに排気中のNOxを吸収(トラッ
プ)し、かつ流入する排気中の還元成分濃度が高いとき
にNOxを放出還元するもので、例えばPt(貴金属)
とBa(NOx吸収材)とを担持したアルミナ(基材)
のコート層をハニカム担体上に形成したものである。
センサ21が検出した触媒坦体温度すなわちベッド温
T,アクセル開度センサ22が検出したアクセル開度信
号Acc、回転数センサ23が検出した回転数信号N
e、可変ノズルセンサ24が検出した可変ノズルセンサ
信号等が入力される。コントロールユニット20は、こ
れらの入力信号を処理し、燃料噴射弁7、ターボ過給機
11、吸気絞り弁13、EGRバルブ18へそれぞれ制
御信号を出力し、これらを制御することにより、燃料噴
射量,噴射時期,過給圧,吸入空気量,排気還流率等を
制御する。
料噴射時期や燃料噴射量を制御することにより、燃焼室
内に直接的に噴射した燃料が速やかに自己着火する拡散
燃焼と、この拡散燃焼よりも着火遅れ期間が十分に長い
低温予混合燃焼と、の2つの燃焼状態を実現可能であ
る。ここで、低温予混合燃焼とは、特許第286489
6号公報にも記載されているように、エンジンの運転条
件に応じてエンジンの燃焼温度を低下させるとき、熱発
生パターンが単段燃焼の形態となるように着火遅れ期間
を大幅に長くした燃焼のことである。
される制御の詳細を、図2のフローチャートを参照して
説明する。この図2は、コントロールユニット20が一
定時間毎に実行するルーチンを示している。
23で検出される回転数Neやアクセル開度センサ22
で検出されるアクセル開度Acc等のエンジン運転状態
を読みこむ。
ル開度Accに基づいて、予め設定されたマップ(図示
せず)を参照して、基本燃料噴射量Qを読みこむ。
着)されているNOxトラップ量Nを計算する。このN
Oxトラップ量Nを直接検知することは困難であるの
で、例えばエンジンの回転数Neの積算値からNOxト
ラップ量Nを推定する。
準値N1以上であるかを判定する。NOxトラップ量N
が基準値N1以上と判定された場合、NOxトラップ量
Nが過剰であるとして、S5以下へ進む。
中であることを示すフラグrich.3が立っているか
を判定する。このrich.3が1の場合、S20以降
の拡散リッチ運転を続行する。
行中であることを示すフラグrich.2が立っている
かを判定する。このフラグrich.2が1の場合、S
15以降の予混合リッチ運転を続行する。
であることを示すフラグrich.1が立っているかを
判定する。このフラグrich.1が1の場合、S11
以降の強リッチ運転を続行する。
低減してNOx触媒19を強制的に浄化,再生する触媒
再生運転が可能であるかを判定する。この判定は、現在
のエンジンの運転条件すなわちエンジン回転数Ne及び
燃料噴射量Qに基づいて、図3に示すマップを参照する
ことにより行われる。
(低温予混合燃焼)か拡散燃焼かを判定する。低温予混
合燃焼又は拡散燃焼のいずれを行うかは、例えばエンジ
ン回転数Ne及び燃料噴射量Qに基づいて、図4に示す
マップを参照することにより判断される。
触媒19の触媒温度つまりベッド温度Tを所定の基準活
性温度T1と比較する。なお、この実施形態では、NO
x触媒19の下流側に配置した排気温度センサ21の出
力値に基づいてベッド温度Tを推定している。図5に示
すように、一般的には触媒温度Tの上昇に伴ってNO x
浄化率が向上する傾向にあり、触媒温度Tが基準活性温
度T1(例えば250℃)よりも低い場合、つまりNO
x触媒19が活性していない状況では、所望のNOx浄化
率が得られ難い傾向にある。
つ、S10で触媒温度Tが所定の基準活性温度T1に達
していないと判定された場合(第1の運転状態)、S1
1へ進み、空気過剰率λを1よりも大幅に小さい所定の
第1目標値λ1とした強リッチ運転を行う。具体的に
は、例えば吸気絞り弁13を閉じて吸気量を減少させた
り、空気過剰率が目標値λ1となるように燃料噴射量を
増量制御する。
焼主体の燃焼状態では、空気過剰率λを1よりかなり小
さくしても、スモークが許容レベル(許容量)L1を超
えることは無い。一方、拡散燃焼が主体の燃焼状態で
は、空気過剰率λが1より少し下回るとスモークが許容
レベルL1を超えてしまう。また、図7に示すように、
触媒温度Tが所定の基準活性温度T1に達していない状
態(例えば200℃の状態)、つまりNOx触媒19の
活性が低い状態では、NOx触媒19にH2を供給するこ
とで、NOx触媒19のNOx浄化性能が大幅に向上する
ことが確認されている。更に、図6に示すように、空気
過剰率を1よりはるかに小さい値λ1とした強リッチ運
転の条件下では、エンジン1から水素が発生することが
確認されている。従って、低温予混合燃焼を主とした燃
焼状態で、かつ、触媒活性度の低い条件下では、排気の
空気過剰率を、スモーク発生量が許容値L1以下の範囲
で最も小さい第1目標値λ1とする強リッチ運転を行う
ことにより、触媒のNOx浄化性能を大幅に向上させる
ことが可能である。
れ、かつ、S10で触媒温度Tが所定の基準活性温度T
1以上であると判定された場合(第3の運転状態)、S
15へ進み、空気過剰率λをλ1より大きく1より小さ
な値とした予混合リッチ運転を行う。触媒活性度が十分
に高い条件では、強リッチ運転時のように水素をあえて
供給しなくても十分なNOx浄化性能を期待できるの
で、空気過剰率λを1よりも僅かに小さな値λ2として
も所期のNOx浄化率を得ることができる。好ましくは
予混合リッチ運転時における空気過剰率をλ1より大き
く、水素が出始める空気過剰率λ4より小さな空気過剰
率、例えばλ3に設定する。これにより、予混合リッチ
運転時における排気中の水素濃度を増加させて、NOx
浄化率の更なる向上を図ることができる。具体的には、
例えば吸気絞り弁13を絞って吸気量を減少させたり、
目標の空気過剰率となるように燃焼噴射量を増量する。
S19で触媒温度Tが所定の基準活性温度T1以上であ
ると判定された場合(第2の運転状態)、S20へ進
み、排気の空気過剰率を、スモークの発生量が許容レベ
ルL1以下の範囲で1よりも僅かに小さい値λ2とした
拡散リッチ運転を行う。
19で触媒温度Tが基準活性温度T1に達していないと
判定された場合、触媒浄化のためのリッチ運転を行うこ
となく本ルーチンを終了する。つまり、このようにNO
x触媒19の活性が低く、かつ、拡散燃焼主体の場合、
強いリッチ運転でなければ高いNOx浄化性能は期待で
き無いが、このような強リッチ運転を行うと、エンジン
のスモークが大幅に悪化してしまう。また、通常のリッ
チ運転を行っても、低い浄化性能しか期待でき無い。従
って、触媒活性が低く拡散燃焼主体のときには、空気過
剰率を1以下に低減する触媒再生運転を禁止する(触媒
再生運転禁止手段)。
S16又はS21では、各運転状態(S11の強リッチ
運転又はS15,S21のリッチ運転)が続行中である
ことを示すために、それぞれのフラグrich.1,
2,3を1にセットする。続くS13,S17又はS2
2では、強リッチ運転又はリッチ運転が所定時間t1又
はt2以上経過したかを判定する。所定時間t1又はt
2経過したと判定されると、S14,S18又はS23
へ進み、対応するフラグrich.1,2又は3を0に
戻して、本ルーチンを終了する。
燃焼状態が拡散燃焼か低温予混合燃焼かに応じて、スモ
ークの発生量を抑制しつつ、NOx浄化率を効果的に向
上することができる。特に、燃焼状態が低温予混合燃焼
で、かつ、触媒温度Tが基準活性温度T1以下の状況下
であっても、空気過剰率を1よりもはるかに小さい所定
値λ1とすることにより、排気中の水素濃度を増加させ
て、十分なNOx浄化性能を得ることが可能となる。
示すフローチャートである。図2のフローチャートと異
なる部分についてのみ説明すると、図2のS9,S19
のベッド温判定処理に代えて、S31〜34の処理が行
われる。すなわち、S9に続くS31又はS33では、
NOx触媒19が活性領域にあるか否かが判断される。
この触媒活性状態の判断は、エンジン回転数Ne及び燃
料噴射量Qに基づいて、図9に示すマップを参照するこ
とにより判定される。続くS32又はS34では、不活
性領域の滞在時間が所定値t3を越えたかが判定され
る。つまり、滞在時間が所定値t3より少ない場合は、
現在のエンジン排温は低いものの、触媒の熱慣性から、
触媒温度が基準活性温度に達しており、触媒が活性して
いると判断する。
性領域になく、S32で不活性領域の滞在時間が所定値
t3を越えていると判定された場合、低温予混合燃焼で
触媒温度が基準活性温度T1未満である(第1の運転状
態)と判断して、S11へ進み、上述した強リッチ運転
を行う。
と判定された場合、又はS32で不活性領域の滞在時間
が所定値t3以下であると判定された場合、低温予混合
燃焼で触媒温度が基準活性温度T1以上である(第2の
運転状態)と判断して、S15へ進み、上述した予混合
リッチ運転を行う。
く、S34で不活性領域の滞在時間が所定値t3を越え
ていると判定された場合、触媒温度が基準活性温度T1
未満であると判断して、触媒再生運転を行うことなく本
ルーチンを終了する(触媒再生運転禁止手段)。
と判定された場合、又はS34で不活性領域の滞在時間
が所定値t3以下であると判定された場合には、拡散燃
焼で触媒温度が基準活性温度T1以上である(第3の運
転状態)と判断して、S20へ進み、上述した拡散リッ
チ運転を行う。
施形態と同様の効果が得られることに加え、エンジン運
転状態に応じて触媒温度Tを推定できるため、例えば第
1実施形態における排気温度センサ21を省略すること
も可能で、更なる簡素化を図ることができる。
温度が低く、拡散燃焼時は排気温度が高い傾向にあるこ
とから、現在の燃焼状態に応じて、触媒温度を推測する
こともできる。この場合、燃焼状態から触媒温度を推定
することができ、更なる制御の簡素化を図ることができ
る。
置を示す構成説明図。
フローチャート。
プ。
図。
素濃度との関係を示す特性図。
す特性図。
フローチャート。
Claims (9)
- 【請求項1】 排気通路中に、排気の空気過剰率が高い
ときにNOxを保持するとともに、排気の空気過剰率が
低いときに保持しているNOxを還元浄化するNOx触媒
が配設され、少なくともNOx触媒のNOx保持量が所定
量以上の触媒再生時に、排気の空気過剰率を低減する触
媒再生運転を行うディーゼルエンジンの排気浄化装置に
おいて、 拡散燃焼を主燃焼とする燃焼状態と、予混合燃焼を主燃
焼とする燃焼状態との2つの燃焼状態を実現可能な燃焼
制御手段と、 上記触媒再生時に、上記燃焼状態に基づいて、上記排気
の空気過剰率を低減する空気過剰率低減手段と、を有す
ることを特徴とするディーゼルエンジンの排気浄化装
置。 - 【請求項2】 上記空気過剰率低減手段は、燃焼状態が
予混合燃焼のときは拡散燃焼のときよりも上記排気の空
気過剰率を小さくすることを特徴とする請求項1に記載
のディーゼルエンジンの排気浄化装置。 - 【請求項3】 上記NOx触媒の触媒温度が所定の基準
活性温度以上か否かを判断する触媒温度判断手段を備
え、 上記空気過剰率低減手段は、燃焼状態が予混合燃焼の場
合、触媒温度が基準活性温度未満のときは基準活性温度
以上のときよりも、排気の空気過剰率を小さくすること
を特徴とする請求項1又は2に記載のディーゼルエンジ
ンの排気浄化装置。 - 【請求項4】 上記燃焼状態が予混合燃焼で、触媒温度
が基準活性温度未満のときの排気の空気過剰率を、スモ
ークの発生量が許容量以下となる範囲で最も小さくする
ことを特徴とする請求項3に記載のディーゼルエンジン
の排気浄化装置。 - 【請求項5】 上記NOx触媒の触媒温度が所定の基準
活性温度以上か否かを判断する触媒温度判断手段と、 燃焼状態が拡散燃焼で、かつ、触媒温度が基準活性温度
未満のときには、上記触媒再生運転を禁止する触媒再生
運転禁止手段と、を有することを特徴とする請求項1〜
4のいずれかに記載のディーゼルエンジンの排気浄化装
置。 - 【請求項6】 上記触媒温度判断手段が、上記NOx触
媒の上流側もしくは下流側に配設された排気温度センサ
の検出信号に基づいて判断することを特徴とする請求項
3〜5のいずれかに記載のディーゼルエンジンの排気浄
化装置。 - 【請求項7】 上記触媒温度判断手段は、上記NOx触
媒が活性領域にあるか不活性領域にあるかを判断する活
性状態判断手段を備え、上記不活性領域の滞在期間が所
定値を越えた場合に、触媒温度が基準活性温度未満であ
ると判断することを特徴とする請求項3〜5のいずれか
に記載のディーゼルエンジンの排気浄化装置。 - 【請求項8】 上記活性状態判断手段は、燃料噴射量と
エンジン回転数とに基づいて判断することを特徴とする
請求項7に記載のディーゼルエンジンの排気浄化装置。 - 【請求項9】 燃料噴射量及びエンジン回転数に基づい
て、上記予混合燃焼又は拡散燃焼のいずれを行うかを判
断する燃焼状態判断手段を有することを特徴とする請求
項1〜8のいずれかに記載のディーゼルエンジンの排気
浄化装置。
Priority Applications (1)
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