JP2002188028A - 印刷インキ及びそれを用いた印刷物 - Google Patents

印刷インキ及びそれを用いた印刷物

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JP2002188028A
JP2002188028A JP2000388100A JP2000388100A JP2002188028A JP 2002188028 A JP2002188028 A JP 2002188028A JP 2000388100 A JP2000388100 A JP 2000388100A JP 2000388100 A JP2000388100 A JP 2000388100A JP 2002188028 A JP2002188028 A JP 2002188028A
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acid
oil
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anhydrous
succinic acid
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JP2000388100A
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Madoka Yasuike
円 安池
Masaki Utsugi
正貴 宇都木
Yoshie Ochiai
可江 落合
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】環境保全の観点から、生態系や環境への負荷の
少ない、すなわち環境にやさしい印刷インキを提供する
こと。 【解決手段】フェノールフリーのエステル変性炭化水素
樹脂と、塩素フリー顔料と、溶剤として、石油留分から
得られる印刷インキ溶剤を一切含まず植物油および/ま
たはその脂肪酸モノエステル、又は芳香族成分が1重量
%以下の石油留分から得られる印刷インキ溶剤を含む印
刷インキ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インキ中に環境に
やさしい素材を使用した、新聞印刷、枚葉印刷、ヒート
セットオフ輪印刷、さらには水無し印刷などのオフセッ
ト平版印刷インキに関し、さらにはそれらを用いて印刷
した新聞、雑誌、書籍、ポスター、チラシ、パッケージ
等の印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、極微量の特殊な化学物質による生
態への影響や環境汚染が社会問題としてクローズアップ
されており、印刷インキについても、より環境にやさし
い製品がますます求められている。従来、オフセット印
刷分野に使用される印刷インキには、樹脂としてロジン
変性フェノール樹脂が一般的に使われており、また顔料
について、例えば黄インキにおいては、塩素原子が骨格
中に導入されているアゾイエローが一般的に用いられて
いる。ロジン変性フェノール樹脂の製造には、通常アル
キルフェノール類やビスフェノールAなどがフェノール
化合物として用いられ、これらのフェノール類の内分泌
攪乱作用(いわゆる環境ホルモン作用)が懸念され、そ
の因果関係が調査されている段階である。一方、塩素原
子を含有する化合物は、その焼却の際に、発ガン性や内
分泌攪乱作用が疑われているダイオキシン等の毒性化学
物質に変化する可能性があるとされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、フェノール
類や塩素含有化合物を一切用いない素材を使用した印刷
インキおよび印刷物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、フェノールフ
リーのエステル変性炭化水素樹脂と、塩素フリー顔料と
を含むことを特徴とする印刷インキに関する。
【0005】更に本発明は、更に溶剤として石油留分か
ら得られる印刷インキ溶剤を一切含まず、植物油および
/またはその脂肪酸モノエステルを含む上記印刷インキ
に関する。
【0006】更に本発明は、更に溶剤として芳香族成分
が1重量%以下の石油留分から得られる印刷インキ溶剤
を含む上記印刷インキに関する。
【0007】更に本発明は、基材に上記印刷インキを印
刷してなる印刷物に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下詳細に本発明を説明する。先
ず、本発明におけるエステル変性炭化水素樹脂について
説明する。本発明におけるエステル変性炭化樹脂とは、
下記一般式(1)一般式(1)
【0009】
【化1】
【0010】(式中、Hは水素原子、R1nは炭素数1
〜3のアルキル基を表し、mおよびnは0〜6の整数
で、m+n=6である。)で示される5員環化合物を構
成成分として含む炭化水素樹脂を、α,β−エチレン性
不飽和カルボン酸またはその無水物により変性した酸変
性炭化水素樹脂(a)と、下記一般式(2) 一般式(2)
【0011】
【化2】
【0012】(式中、R2は炭素数6〜20のアルキレ
ン基を示す。)で示される2価アルコール(b)および
/または下記一般式(3) 一般式(3)
【0013】
【化3】
【0014】(式中、R3は炭素原子数が3〜25のア
ルキル基またはアルケニル基を表す。)で示される3価
アルコール(c)とをエステル反応させて得られるエス
テル変性炭化水素樹脂であり、また下記一般式(4) 一般式(4)
【0015】
【化4】
【0016】(式中、R4は炭素原子数が4〜30アル
キル基またはアルケニル基を示す。)で示される置換コ
ハク酸またはその酸無水物(d)を使用してエステル反
応させてなるエステル変性炭化水素樹脂であり、さらに
は、下記一般式(5) 一般式(5)
【0017】
【化5】
【0018】(式中、R5は炭素数6〜20の飽和また
は不飽和二重結合を分子内に有するアルキル基を示
す。)で示される1価アルコール(e)、飽和または不
飽和脂肪酸(f)および樹脂酸(g)からなる群から選
択される少なくとも1種をさらに使用してエステル反応
させてなるエステル変性炭化水素樹脂である。 一般式(1)
【0019】
【化6】
【0020】(式中、Hは水素原子、R1nは炭素数1
〜3のアルキル基を表し、mおよびnは0〜6の整数
で、m+n=6である。)で示される5員環化合物を構
成成分として含む炭化水素樹脂とは、常法に従ってシク
ロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、これらの
二〜五量体、共多量体などのごときシクロペンタジエン
系単量体単独、またはシクロペンタジエン系単量体と共
重合可能な共単量体との混合物を、触媒の存在下あるい
は無触媒で熱重合して得られるものである。触媒として
はフリーデルクラフト型のルーイス酸触媒、例えば三フ
ッ化ホウ素およびそのフェノール、エーテル、酢酸など
との錯体が通常使用される。本発明の炭化水素樹脂にお
けるシクロペンタジエン系単量体と、それと共重合可能
な共単量体との共重合比は、少なくともシクロペンタジ
エン系単量体が5モル%以上であることが必要である。
【0021】使用される共単量体の例としては、エチレ
ン、プロピレン、プロペン、1−ブテン、2−ブテン、
イソブチレン、1−ペンテン、2−ペンテン、イソブチ
レンを酸触媒で二量化して得られるジイソブチレン
(2,4,4−トリメチルペンテン−1と2,4,4−
トリメチルペンテン−2との混合物)、1−ヘキセン、
2−ヘキセン、1−オクテン、2−オクテン、4−オク
テン、1−デセンなどの炭素数2〜10のオレフィン
類、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン(ピペ
リレン)、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、2,4
−ヘキサジエンなどの鎖状共役ジエン類、スチレン、α
−メチルスチレン、β−メチルスチレン、イソプロペニ
ルトルエン、p−tert−ブチルスチレン、p−ヒド
ロキシスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンな
どのビニル芳香族類、インデン、メチルインデン、クマ
ロン(ベンゾフラン)、メチルクマロン(2−メチルベ
ンゾフラン)などの芳香族不飽和化合物類などがあげら
れる。
【0022】次に酸変性炭化水素樹脂(a)を得るため
に用いられるα,β−エチレン性不飽和カルボン酸また
はその酸無水物の例としては、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、シトラ
コン酸、無水シトラコン酸、イタコン酸、無水イタコン
酸、クロトン酸、2,4−ヘキサジエノン酸(ソルビッ
ク酸)などが例示できる。これらα,β−エチレン性不
飽和カルボン酸またはその酸無水物の変性量としては、
本発明で用いられる炭化水素樹脂中のシクロペンタジエ
ン系単量体に対して1〜100モル%の範囲で変性可能
であるが、通常、該炭化水素樹脂100g当たり0.0
1〜0.5モルの範囲内の量で変性する。最適な変性量
は、これら不飽和カルボン酸および/またはその酸無水
物の残存がないように調整することが望ましい。変性温
度は、通常該炭化水素樹脂が溶融する温度である100
℃以上〜300℃以下が推奨されるが、150℃〜25
0℃の範囲が好適に用いられる。これら不飽和カルボン
酸および/またはその酸無水物は、単独または任意の量
比で複数を組み合わせて用いることが可能である。次に
一般式(2) 一般式(2)
【0023】
【化7】
【0024】(式中、R2は炭素数6〜20のアルキレ
ン基を示す。)で示される2価アルコール(b)として
は、常圧における沸点が少なくとも150℃以上である
ことが必要で、さらには沸点が200℃以上であること
が反応上好ましい。先ず直鎖状アルキレン2価アルコー
ルとして、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサ
ンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2,5−ヘキ
サンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オ
クタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,9−
ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,10−
デカンジオール、1,2−デカンジオール、1,12−
ドデカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,1
4−テトラデカンジオール、1,2−テトラデカンジオ
ール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,2−ヘキ
サデカンジオールなどが、次に分岐状アルキレン2価ア
ルコールとして、2−メチル−2,4−ペンタンジオー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチ
ル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4
−ジメチル−2,4−ジメチルペンタンジオール、2,
2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ル、2,2,4
−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ジメチロー
ルオクタン(三菱化学(株)社製)、2−エチル−1,
3−ヘキサンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘ
キサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオー
ル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオー
ル、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールなど
が、次に環状アルキレン2価アルコールとしては1,2
−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
オール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2
−シクロヘプタンジオール、トリシクロデカンジメタノ
ールなどを例示することができる。これら2価アルコー
ル(b)は単独または複数を任意の量比で組み合わせて
使用することが可能である。
【0025】本発明において使用される2価アルコール
(b)は上記のごとくであるが、さらに必要に応じて、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレン
グリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコー
ル類を併用することも可能である。使用量は、本発明に
おける2価アルコール(b)に対して50重量%を越え
ない範囲で使用することが望ましい。次に一般式(3) 一般式(3)
【0026】
【化8】
【0027】(式中、R3は炭素原子数が3〜25のア
ルキル基またはアルケニル基を表す。)で示される3価
アルコール(c)としては、炭素数が4ないし26の直
鎖および/または分岐状の脂肪族アルデヒドとモル過剰
の(パラ)ホルムアルデヒドとを、水酸化ナトリウム、
水酸化カルシウム等のアルカリ触媒との反応によって公
知の製造法によって得られる。尚、脂肪族アルデヒドと
(パラ)ホルムアルデヒドからトリメチロールアルカン
等の製造方法は、以下の公知公用の文献、例えばAct
a.Chem.Scand.,第16巻、第4号、第1
062頁(1962年)、J.Amer.Oil.So
c.,第45巻,第7号,第517頁(1968年)、
特開昭59−13743号公報、特開昭61−1481
34号公報、特開昭62−8419号公報、特開平2−
207053号公報、特開平4−89442号公報、特
開平9−71545号公報、特開平9−71546号公
報、特公平4−55414号公報、特公平4−5541
8号公報、特公平8−2812などに記載されている。
【0028】具体的な例としては、1,1,1−トリメ
チロールブタン、1,1,1−トリメチロールペンタ
ン、1,1,1−トリメチロールヘキサン、1,1,1
−トリメチロールヘプタン、1,1,1−トリメチロー
ルオクタン、1,1,1−トリメチロールノナン、1,
1,1−トリメチロールデカン、1,1,1−トリメチ
ロールウンデカン、1,1,1−トリメチロールドデカ
ン、1,1,1−トリメチロールトリデカン、1,1,
1−トリメチロールテトラデカン、1,1,1−トリメ
チロールペンタデカン、1,1,1−トリメチロールヘ
キサデカン、1,1,1−トリメチロールヘプタデカ
ン、1,1,1−トリメチロールオクタデカン、1,
1,1−トリメチロールナノデカン、などのトリメチロ
ール直鎖アルカン類、1,1,1−トリメチロール−s
ec−ブタン、1,1,1−トリメチロール−tert
−ペンタン、1,1,1−トリメチロール−tert−
ノナン、1,1,1−トリメチロール−tert−トリ
デカン、1,1,1−トリメチロール−tert−ヘプ
タデカン、1,1,1−トリメチロール−2−メチル−
ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−3−メチル−
ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−2−エチル−
ヘキサン、1,1,1−トリメチロール−3−エチル−
ヘキサン、1,1,1−トリメチロールイソヘプタデカ
ンなどのトリメチロール分岐アルカン類、トリメチロー
ルブテン、トリメチロールヘプテン、トリメチロールペ
ンテン、トリメチロールヘキセン、トリメチロールヘプ
テン、トリメチロールオクテン、トリメチロールデセ
ン、トリメチロールドデセン、トリメチロールトリデセ
ン、トリメチロールペンタデセン、トリメチロールヘキ
サデセン、トリメトロールヘプタデセン、トリメチロー
ルオクタデセンなどのトリメチロールアルケン類をあげ
ることができる。これら3価アルコール(c)は単独ま
たは複数を任意の量比で組み合わせて使用することが可
能である。次に一般式(4) 一般式(4)
【0029】
【化9】
【0030】(式中、R4は炭素原子数が4〜30アル
キル基またはアルケニル基を示す。)で示される置換コ
ハク酸またはその酸無水物(d)の具体例としては、ブ
テニル(無水)コハク酸、ペンテニル(無水)コハク
酸、ヘキセニル(無水)コハク酸、ヘプテニル(無水)
コハク酸、オクテニル(無水)コハク酸、ノネニル
(無水)コハク酸、デセニル(無水)コハク酸、ウンデ
セニル(無水)コハク酸、ドデセニル(無水)コハク
酸、トリデセニル(無水)コハク酸、テトラデセニル
(無水)コハク酸、ペンタデセニル(無水)コハク酸、
ヘキサデセニル(無水)コハク酸、ヘプタデセニル(無
水)コハク酸、オクタデセニル(無水)コハク酸、イソ
オクタデセニル(無水)コハク酸、ノナデセニル(無
水)コハク酸、エイコサデセニル(無水)コハク酸、ポ
リ(3〜6)イソブテニル(無水)コハク酸、ポリ(3
〜8)ブテニル(無水)コハク酸、ポリ(3〜10)プ
ロピレニル(無水)コハク酸、1−メチル−2−ペンタ
デセニル(無水)コハク酸、1−エチル−2−テトラデ
セニル(無水)コハク酸、1−プロピル−2−トリデセ
ニル(無水)コハク酸、1−プロピル−2−ペンタデセ
ニル(無水)コハク酸、1−ヘキシル−2−オクテニル
(無水)コハク酸、1−オクチル−2−デセニル(無
水)コハク酸などの直鎖状または分岐状アルケニル基置
換(無水)コハク酸が、ブチル(無水)コハク酸、ペン
チル(無水)コハク酸、ヘキシル(無水)コハク酸、ヘ
プチル(無水)コハク酸、オクチル(無水)コハク酸、
ノニル(無水)コハク酸、デシル(無水)コハク酸、ウ
ンデシル(無水)コハク酸、ドデシル(無水)コハク
酸、トリデシル(無水)コハク酸、テトラデシル(無
水)コハク酸、ペンタデシル(無水)コハク酸、ヘキサ
デシル(無水)コハク酸、ヘプタデシル(無水)コハク
酸、オクタデシル(無水)コハク酸、イソオクタデシル
(無水)コハク酸、ノナデシル(無水)コハク酸、エイ
コサデシル(無水)コハク酸、1−メチル−2−ペンチ
ル(無水)コハク酸、1−エチル−2−テトラデシル
(無水)コハク酸、1−プロピル−2−トリデシル(無
水)コハク酸、1−プロピル−2−ペンタデシル(無
水)コハク酸、1−ヘキシル−2−オクチル(無水)コ
ハク酸、1−オクチル−2−デシル(無水)コハク酸な
どの直鎖状または分岐状アルキル基置換(無水)コハク
酸を挙げることができる。これら、アルキル置換または
アルケニル置換コハク酸またはその酸無水物は、単独ま
たは複数を任意の量比で組み合わせて使用することが可
能である。
【0031】これら、アルキル置換またはアルケニル置
換コハク酸またはその酸無水物は、例えば特開昭60−
78975号公報、特開昭64−79163号公報、米
国特許第4328041号などに記載されている、α−
オレフィン、内部オレフィン、あるいはプロピレンやブ
テンなどのオリゴマー類と、無水マレイン酸あるいはマ
レイン酸との付加反応によって得られる。次に一般式
(5) 一般式(5)
【0032】
【化10】
【0033】(式中、R5は炭素数6〜20の飽和また
は不飽和二重結合を分子内に有するアルキル基を示
す。)で示される1価アルコール(e)としては、常圧
における沸点が少なくとも150℃以上であることが必
要で、さらには沸点が200℃以上であることが反応上
好ましい。先ず飽和アルキル基を有する1価アルコール
としては、直鎖状アルキルアルコールである1−ヘキサ
ノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、1−ヘ
プタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1
−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノー
ル、1−ノナノール、2−ノナノール、1−デカノー
ル、2−デカノール、1−ウンデカノール、1−ドデカ
ノール、2−ドデカノール、1−トリデカノール、1−
テトラデカノール、2−テトラデカノール、1−ペンタ
デカノール、1−ヘキサデカノール、2−ヘキサデカノ
ール、1−ヘプタデカノール、1−オクタデカノール、
1−ノナデカノール、1−エイコサノールなどを例示す
ることができる。また分岐状の飽和アルキル基を有する
1価アルコールとしては2−プロピル−1−ペンタノー
ル、2−エチル−1−ヘキサノール、4−メチル−3−
ヘプタノール、6−メチル−2−ヘプタノール、2,
4,4−トリメチル−1−ペンタノール、3,5,5−
トリメチル−1−ヘキサノール、2,6−ジメチル−4
−ヘプタノール、イソノニルアルコール、3,7−ジメ
チル−1−オクタノール、3,7−ジメチル−3−オク
タノール、2,4−ジメチル−1−ヘプタノール、2−
ヘプチルウンデカノールなどを例示することができる。
またシクロヘキサノール、シクロヘキサンメタノール、
シクロペンタンメチロール、ジシクロヘキシルメタノー
ル、トリシクロデカンモノメチロール、ノルボネオー
ル、水添加ロジンアルコール(商品名:アビトール、ハ
ーキュレス(株)社製)などの環状アルコール可能であ
る。
【0034】また、不飽和二重結合を分子内に有するア
ルキル基を持つ1価アルコールとしては、不飽和二重結
合を分子内に1つ有するアルケン基、不飽和二重結合を
分子内に2つ有するアルカジエン基、不飽和二重結合を
分子内に3つ有するアルカトリエン基、さらに不飽和二
重結合を分子内に4つ以上有するアルカポリエン基を有
する1価アルコールであり、オレイルアルコール、11
−ヘキサデセン−1−オール、7−テトラデセン−1−
オール、9−テトラデセン−1−オール、11−テトラ
デセン−1−オール、7−ドデセン−1−オール、10
−ウンデセン−1−オール、9−デセン−1−オール、
シトロネロール、3−ノネン−1−オール、1−オクテ
ン−3−オール、1−ヘキセン−3−オール、2−ヘキ
セン−1−オール、3−ヘキセン−1−オール、4−ヘ
キセン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、ドデ
カジエン−1−オール、2,4−ジメチル−2,6−ヘ
プタジエン−1−オール、3,5,5−トリメチル−2
−シクロヘキセン−1−オール、1,6−ヘプタジエン
−4−オール、3−メチル−2−シクロヘキセン−1−
オール、2−シクロヘキセン−1−オール、1,5−ヘ
キサジエン−3−オール、フィトール、3−メチル−3
−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−
オール、4−メチル−3−ペンテン−1−オール、3−
メチル−1−ペンテン−3−オール、6−メチル−5−
ペンテン−2−オール、ゲラニオール、ロジノール、リ
ナノール、α−テレピネオールなどの直鎖状、分岐状ま
たは環状の不飽和アルキル基含有1価アルコールを例示
することができる。これら1価アルコール(e)は単独
または複数を任意の量比で組み合わせて使用することが
可能である。
【0035】次に飽和または不飽和脂肪酸(f)につい
て述べる。この様な飽和または不飽和脂肪酸(f)とし
ては、常圧における沸点が150℃以上の飽和または不
飽和脂肪族基とカルボキシル基を有する化合物を例示す
ることができ、好ましくは飽和または不飽和脂肪族基の
炭素数が3〜25の化合物を例示することができる。そ
の様な例としては、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナン
ト酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデ
シル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペ
ンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステア
リン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸などの飽
和脂肪酸、クロトン酸、イソクロトン酸、リンデル酸、
ツズ酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ウンデ
シレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、ガドレン酸、
ゴンドウ酸、セトレイン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、
ソルビン酸、リノール酸、リノエライジン酸、リノレイ
ン酸、エレオステアリン酸、アラキドン酸、イワシ酸、
ニシン酸などの不飽和脂肪酸をあげることができる。こ
れら飽和または不飽和脂肪酸(f)は単独または複数を
任意の量比で組み合わせて使用することが可能である。
【0036】次に樹脂酸(g)について説明する。この
様な樹脂酸としては、ガムロジン、ウッドロジン、トー
ル油ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、さらにはそれ
らをα,β−エチレン性不飽和カルボン酸またはその無
水物、例えばフマル酸、(無水)マレイン酸、(無水)
イタコン酸、(無水)シトラコン酸などとのディールス
・アルダー反応物を例示することができる。これら樹脂
酸(g)は単独または複数を任意の量比で組み合わせて
使用することが可能である。
【0037】本発明におけるエステル変性樹脂の製造方
法は、酸変性炭化水素樹脂(a)、2価アルコール
(b)、3価アルコール(c)、置換コハク酸またはそ
の酸無水物(d)、1価アルコール(e)、飽和または
不飽和脂肪酸(f)、樹脂酸(g)から選択される成分
を同時に仕込んだ後、加熱反応を開始することも可能で
あるし、また、いかなる仕込み順序にて反応させること
も可能である。また、2価アルコール(b)または3価
アルコール(c)と、飽和または不飽和脂肪酸(f)あ
るいは樹脂酸(g)とを反応させたアダクト体を予め製
造した後に、当該アダクト体と酸変性炭化水素樹脂
(a)、あるいはその他の構成成分と反応させることも
可能である。
【0038】本発明におけるエステル化反応において
は、必要に応じて触媒を用いることが可能である。触媒
としてはベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン
酸、p−ドデシルベンゼンスルホン酸、メタンスルホン
酸、エタンスルホン酸などの有機スルホン酸類、硫酸、
塩酸などの鉱酸、トリフルオロメチル硫酸、トリフルオ
ロメチル酢酸などが例示できる。さらに、テトラブチル
ジルコネート、テトライソブチルチタネートなどの金属
錯体、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酢酸マ
グネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酢酸
カルシウム、酸化亜鉛、酢酸亜鉛などの金属塩触媒など
も使用可能である。これら触媒は、全樹脂中0.01〜
5重量%の範囲で通常使用される。触媒使用による樹脂
の着色を抑制するために、次亜リン酸、トリフェニルホ
スファイト、トリフェニルホスフェート、トリフェニル
ホスフィンなどを併用することもある。本発明において
好適に用いられるエステル変性石油樹脂の重量平均分子
量は1万〜30万、好ましくは2万〜15万である。
【0039】次に、本発明における塩素フリー顔料につ
いて説明する。一般に、特に黄顔料において塩素原子を
含有するものが多く、本発明では塩素フリーの黄顔料で
あれば特に限定はないが、ベンゾイミダゾロン系、イソ
インドリン系、フラバンズロン系、アンスラピリミジン
系、アンスラキノン(スレン)系、キノリノキノリン
系、フルオロフラビン系、フルオルビン系などの骨格を
持つ黄顔料を挙げることができる。その様な顔料として
は、以下のカラーインデックス(C.I.No.)名の
黄顔料を例示できる。例えば、C.I.Pigment
Yellow1,4,5,9,24,42,61,6
2,65,74,100,101,104,117,1
20,123,129,133,139,147,15
1,155,168,169,175,180,18
1,182,185,192,194などを、また下記
構造のキノロキノロン、フルオフラビン、フルオルビン
キノロキノロン
【0040】
【化11】
【0041】フルオフラビン
【0042】
【化12】
【0043】フルオルビン
【0044】
【化13】 などを例示することができる。また、下記一般式(1
1) 一般式(11)
【0045】
【化14】
【0046】(式中、R6は炭素数3〜10のアルキル
基またはアルコキシ基を示し、R7は炭素原子数6以下
のアルキル基またはシクロアルキル基を示す)で表され
る特開平10−147725号公報に記載の塩素フリー
のジスアゾ系黄顔料も用いることができる。
【0047】その他、紅顔料についてはカーミン6B、
藍顔料については銅フタロシアニンブルー、墨顔料につ
いてはカーボンブラックなど、汎用の塩素フリー顔料が
使用可能であり、これらの黄、紅、藍、墨顔料を用いる
ことで、プロセス4色の印刷を行うことが可能となる。
緑などの中間色については、前記塩素フリーの黄顔料と
銅フタロシアニンブルー顔料とを混合すれば良く、また
テトラピラジノポルフィラジン誘導体のごとき緑色顔料
も使用可能である。
【0048】次に、本発明における植物油とは、グリセ
リンと脂肪酸とのトリグリセライドにおいて、少なくと
も1つの脂肪酸が炭素−炭素不飽和結合を少なくとも1
つ有する脂肪酸であるトリグリセライドを言う。その様
な植物油として代表的な化合物は、アサ実油、アマニ
油、エノ油、オイチシカ油、オリーブ油、カカオ油、カ
ポック油、カヤ油、カラシ油、キョウニン油、キリ油、
ククイ油、クルミ油、ケシ油、ゴマ油、サフラワー油、
ダイコン種油、大豆油、大風子油、ツバキ油、トウモロ
コシ油、ナタネ油、ニガー油、ヌカ油、パーム油、ヒマ
シ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ヘントウ油、松種子
油、綿実油、ヤシ油、落花生油、脱水ヒマシ油などが挙
げらる。
【0049】本発明において、さらに好適な植物油を挙
げるとすれば、そのヨウ素価が少なくとも100以上あ
る植物油(括弧内は油脂化学製品便覧:日刊工業新聞社
から引用したヨウ素価を示す。)、アサ実油(149以
上)、アマニ油(170以上)、エノ油(192以
上)、オイチシカ油(140以上)、カポック油(85
〜102)、カヤ油(130以上)、カラシ油(101
以上)、キョウニン油(97〜109)、キリ油(14
5以上)、ククイ油(136以上)、クルミ油(143
以上)、ケシ油(131以上)、ゴマ油(104以
上)、サフラワー油(130以上)、ダイコン種油(9
8〜112)、大豆油(117以上)、大風子油(10
1)、トウモロコシ油(109以上)、ナタネ油(97
〜107)、ニガー油(126以上)、ヌカ油(92〜
115)、ヒマワリ油(125以上)、ブドウ種子油
(124以上)、ヘントウ油(93〜105)、松種子
油(146以上)、綿実油(99〜113)、落花生油
(84〜102)、脱水ヒマシ油(147以上)が好適
に用いられ、さらには、ヨウ素価が120以上の植物油
がより好ましい。ヨウ素価を120以上とすることで、
インキ被膜の酸化重合による乾燥性を高めることがで
き、特に、熱風乾燥機を用いない枚葉印刷方式には有効
である。
【0050】その他、本発明においては、天ぷら油など
の食用に供された後、回収/再生された再生植物油も用
いることができる。再生植物油としては、含水率を0.
3重量%以下、ヨウ素価を100以上、酸価を3以下と
して再生処理した油が好ましく、含水率を0.3重量%
以下にすることにより、水分に含まれる塩分等のインキ
の乳化挙動に影響を与える不純物を除去することが可能
となり、ヨウ素価を100以上として再生することによ
り、乾燥性、すなわち酸化重合性の良いものとすること
が可能となり、さらに酸価が3以下の植物油を選別して
再生することにより、再生植物油の酸価を低いものとす
るができ、インキの過乳化を抑制することが可能とな
る。回収植物油の再生処理方法としては、濾過、静置に
よる沈殿物の除去、および活性白土などによる脱色とい
った方法が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0051】本発明における脂肪酸モノエステルとして
は、動植物油脂類の加水分解で得られる飽和または不飽
和脂肪酸と、飽和または不飽和アルコールとをエステル
反応させてなる脂肪酸モノエステルを挙げることができ
るが、常温(20〜25℃)で液状で且つ常圧(10
1.3kPa)で沸点が200℃以上の脂肪酸モノエス
テルが好ましく、その様な脂肪酸モノエステルとして
は、下記一般式(12) 一般式(12)
【0052】
【化15】 (式中、R8は炭素数4〜22の脂肪酸のアルキル残
基、R9は炭素数1〜8のアルコールのアルキル残基を
表す。)で示される化合物を挙げることができる。具体
的には、飽和脂肪酸モノエステルとして、酪酸ヘキシ
ル、酪酸ヘプチル、酪酸ヘキシル、酪酸オクチル、カプ
ロン酸ブチル、カプロン酸アシル、カプロン酸ヘキシ
ル、カプロン酸ヘプチル、カプロン酸オクチル、カプロ
ン酸ノニル、エナント酸プロピル、エナント酸ブチル、
エナント酸アミル、エナント酸ヘキシル、エナント酸ヘ
プチル、エナント酸オクチル、カプリル酸エチル、カプ
リル酸ビニル、カプリル酸プロピル、カプリル酸イソプ
ルピル、カプリル酸ブチル、カプリル酸アミル、カプリ
ル酸ヘキシル、カプリル酸ヘプチル、カプリル酸オクチ
ル、ペラルゴン酸メチル、ペラルゴン酸エチル、ペラル
ゴン酸ビニル、ペラルゴン酸プロピル、ペラルゴン酸ブ
チル、ペラルゴン酸アミル、ペラルゴン酸ヘプチル、カ
プリン酸メチル、カプリン酸エチル、カプリン酸ビニ
ル、カプリン酸プロピル、カプリン酸イソプロピル、カ
プリン酸ブチル、カプリン酸ヘキシル、カプリン酸ヘプ
チル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ラウリン
酸ビニル、ラウリン酸プロピル、ラウリン酸イソプロピ
ル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸イソアミル、ラウリ
ン酸ヘキシル、ラウリン酸−2エチル−ヘキシルなどを
挙げることができる。
【0053】不飽和脂肪酸モノエステルとしては、オレ
イン酸エチル、オレイン酸プロピル、オレイン酸ブチ
ル、オレイン酸アリル、オレイン酸イソアミル、オレイ
ン酸ヘプチル、オレイン酸−2−エチルヘキシル、エラ
イジン酸メチル、エライジン酸エチル、エライジン酸プ
ロピル、エライジン酸アリル、エライジン酸ブチル、エ
ライジン酸イソブチル、エライジン酸−tert−ブチ
ル、エライジン酸イソアミル、エライジン酸−2−エチ
ルヘキシル、、リノール酸メチル、リノール酸エチル、
リノール酸アリル、リノール酸プロピル、リノール酸イ
ソプロピル、リノール酸ブチル、リノール酸イソブチ
ル、リノール酸−tert−ブチル、リノール酸ペンチ
ル、リノール酸ヘキシル、リノール酸ヘプチル、リノー
ル酸−2−エチルヘキシル、リノレン酸メチル、リノレ
ン酸エチル、リノレン酸アリル、リノレン酸プロピル、
リノレン酸イソプロピル、リノレン酸ブチル、リノレン
酸イソブチル、リノレン酸−tert−ブチル、リノレ
ン酸ペンチル、リノレン酸ヘキシル、リノレン酸ヘプチ
ル、リノレン酸−2−エチルヘキシル、アラキドン酸メ
チル、アラキドン酸エチル、アラキドン酸アリル、アラ
キドン酸プロピル、アラキドン酸イソプロピル、アラキ
ドン酸ブチル、アラキドン酸イソブチル、アラキドン酸
−tert−ブチル、アラキドン酸ペンチル、アラキド
ン酸ヘキシル、アラキドン酸ヘプチル、アラキドン酸−
2−エチルヘキシル、エイコセン酸メチル、エイコセン
酸エチル、エイコセン酸アリル、エイコセン酸プロピ
ル、エイコセン酸イソプロピル、エイコセン酸ブチル、
エイコセン酸イソブチル、エイコセン酸−tert−ブ
チル、エイコセン酸ペンチル、エイコセン酸ヘキシル、
エイコセン酸ヘプチル、エイコセン酸−2−エチルヘキ
シル、エイコサペンタエン酸メチル、エイコサペンタエ
ン酸エチル、エイコサペンタエン酸アリル、エイコサペ
ンタエン酸プロピル、エイコサペンタエン酸イソプロピ
ル、エイコサペンタエン酸ブチル、エイコサペンタエン
酸イソブチル、エイコサペンタエン酸−tert−ブチ
ル、エイコサペンタエン酸ペンチル、エイコサペンタエ
ン酸ヘキシル、エイコサペンタエン酸ヘプチル、エイコ
サペンタエン酸−2−エチルヘキシル、エルカ酸メチ
ル、エルカ酸エチル、エルカ酸アリル、エルカ酸プロピ
ル、エルカ酸イソプロピル、エルカ酸ブチル、エルカ酸
イソブチル、エルカ酸−tert−ブチル、エルカ酸ペ
ンチル、エルカ酸ヘキシル、エルカ酸ヘプチル、エルカ
酸−2−エチルヘキシル、ドコサヘキサエン酸メチル、
ドコサヘキサエン酸エチル、ドコサヘキサエン酸アリ
ル、ドコサヘキサエン酸プロピル、ドコサヘキサエン酸
イソプロピル、ドコサヘキサエン酸ブチル、ドコサヘキ
サエン酸イソブチル、ドコサヘキサエン酸−tert−
ブチル、ドコサヘキサエン酸ペンチル、ドコサヘキサエ
ン酸ヘキシル、ドコサヘキサエン酸ヘプチル、ドコサヘ
キサエン酸−2−エチルヘキシル、リシノール酸メチ
ル、リシノール酸エチル、リシノール酸アリル、リシノ
ール酸プロピル、リシノール酸イソプロピル、リシノー
ル酸ブチル、リシノール酸イソブチル、リシノール酸−
tert−ブチル、リシノール酸ペンチル、リシノール
酸ヘキシル、リシノール酸ヘプチル、リシノール酸−2
−エチルヘキシルなどを例示することができる。
【0054】本発明における脂肪酸モノエステルを構成
する飽和または不飽和脂肪酸は、動植物油脂由来であ
り、実際上は、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、ナタネ
油脂肪酸、大豆油脂肪酸、水添大豆油脂肪酸、アマニ油
脂肪酸、桐油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂
肪酸、あるいはその分別蒸留などによる分別脂肪酸が使
用可能である。
【0055】次に、本発明における、芳香族成分が1重
量%以下の石油留分から得られる印刷インキ用溶剤につ
いて説明する。その様な溶剤としては、パラフィン類、
イソパラフィン類、およびナフテン類からなる溶剤で、
沸点範囲が230〜330℃、アニリン点が60〜11
0℃の範囲のものを挙げることができる。製品として
は、日本石油(株)製AFソルベント4〜8、O号ソル
ベントH、クリセフオイルなど、出光興産(株)のスー
パーゾルLA35、LA38など、エクソン化学(株)
のエクソールD80、D110、D120、D130、
D160、D100K、D120K、D130Kなど、
マギーブラザーズ社製のMagieSol−40、4
4、47、52、60など、梨樹化学製D−SOL28
0、D−SOL300などを例示することができるが、
これらに限定されるものではない。実際の使用に当たっ
ては、これらを任意の重量比で混合して用いることが可
能である。
【0056】次に、本発明における印刷インキとしての
使用形態について説明する。本発明における印刷インキ
は、通常オフセット印刷インキ、例えば枚葉インキ、ヒ
ートセット輪転インキ、新聞インキ(コールドセット輪
転インキ)などの形態において使用される。一般的に
は、 顔料 10〜20重量% 樹脂 20〜30重量% 植物油および/またはインキ溶剤 40〜70重量% 脂肪酸モノエステル 0〜15重量% 乾燥促進剤 0〜 5重量% その他補助剤 0〜10重量% からなる組成にて使用される。樹脂は、インキ溶剤、植
物油および脂肪酸モノエステルからなる任意の組み合わ
せの混合物に溶解するか、または植物油(および脂肪酸
モノエステル)と反応させ(クッキング)、調整したワ
ニスとして使用される。一般に、オフセット印刷インキ
は、常温から100℃の間で、顔料、ワニスおよび/ま
たはそのゲルワニス、炭化水素溶剤、乾性油、乾燥抑制
剤、その他添加剤などの印刷インキ成分を、ニーダー、
三本ロール、アトライター、サンドミル、ゲートミキサ
ーなどの練肉、混合、調整機を用いて製造される。
【0057】乾燥促進剤としては、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、イソペンタン酸、ヘキサン酸、2−エチル酪
酸、ナフテン酸、オクチル酸、ノナン酸、デカン酸、2
−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、
ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン
酸、リノール酸、ネオデカン酸、バーサチック酸、セカ
ノイック酸、トール油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油
脂肪酸、ジメチルヘキサノイック酸、3,5,5−トリ
メチルヘキサノイック酸、ジメチルオクタノイック酸な
どの有機カルボン酸の金属塩、たとえばカルシウム、コ
バルト、鉛、鉄、マンガン、亜鉛、ジルコニウム塩など
の公知公用の化合物が使用可能であり、印刷インキ表面
および内部硬化を促進するために、これらの複数を適宜
併用して使用することもできる。さらに、これらドライ
ヤーを本発明で使用の溶剤に非溶解性の物質でカプセル
化し用いることも可能である。
【0058】その他の補助剤としては、例えば、耐摩擦
剤、ブロッキング防止剤、スベリ剤、スリキズ防止剤と
しては、カルナバワックス、木ろう、ラノリン、モンタ
ンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリ
ンワックスなどの天然ワックス、フィッシャートロプス
ワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワッ
クス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミ
ドワックス、およびシリコーン化合物などの合成ワッッ
クスを例示することができる。また皮張り防止剤として
は、クレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェ
ノールなどフェノール類および、ブチラルドキシム、メ
チルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシムなど
オキシム類などを挙げることができる。
【0059】本発明における印刷インキを生産するに当
たっては、通常ワニスを顔料の分散に使用するため、ワ
ニスおよびゲルワニスについて述べる。一般的にワニス
は、樹脂30〜60重量部、溶剤(インキ溶剤、植物
油、脂肪酸モノエステルの任意の混合物からなる溶剤)
40〜70重量部を、窒素気流下、160〜270℃の
範囲で溶解し製造する。それぞれの成分比は粘度によっ
て調整するが、通常は20〜150Pa・s/25℃の
範囲になるよう調整し使用する。また、該ワニスの弾性
を上げるために、ゲル化剤を添加し樹脂の架橋度をさら
に増進したゲルワニスを使用することが可能である。そ
の様なゲル化剤としては、一般的には金属錯体が用いら
れるが、代表的な化合物としてアルミニウム錯体化合物
を挙げることができる。その様なアルミニウム錯体化合
物としては、環状アルミニウム化合物類、例えば環状ア
ルミニウムオキサイドオクテート(川研ファインケミカ
ル:アルゴマー800A)、環状アルミニウムオキサイ
ドステアレート(川研ファインケミカル:アルゴマー1
000S)など、アルミニウムアルコラート類、例え
ば、アルミニウムエチレート、アルミニウムイソプロピ
レート(川研ファインケミカル:AIPD)、アルミニ
ウム−sec−ブチレート(川研ファインケミカル:A
SPD)、アルミニウムイソプロピレート−モノ−se
c−ブチレート(川研ファインケミカル:AMD)な
ど、アルミニウムアルキルアセテート類、例えばアルミ
ニウム−ジ−n−ブトキサイド−エチルアセトアセテー
ト(ホープ製薬:Chelope−A1−EB2)、ア
ルミニウム−ジ−n−ブトキサイド−メチルアセトアセ
テート(ホープ製薬:Chelope−A1−MB
2)、アルミニウム−ジ−iso−ブトキサイド−メチ
ルアセトアセテート(ホープ製薬:Chelope−A
1−MB12)、アルミニウム−ジ−iso−ブトキサ
イド−エチルアセトアセテート(ホープ製薬:Chel
ope−A1−EB102)、アルミニウム−ジ−is
o−プロポキサイド−エチルアセトアセテート(ホープ
製薬:Chelope−A1−EP12、川研ファイン
ケミカル:ALCH)、アルミウム−トリス(エチルア
セトアセテート)(川研ファインケミカル:ALCH−
TR)、アルミウム−トリス(アセチルアセトナート)
(川研ファインケミカル:アルミキレート−A)、アル
ミウム−ビス(エチルアセトアセテート)−モノアセチ
ルアセトナート(川研ファインケミカル:アルミキレー
トD)など、アルミニウム石鹸、例えばアルミニウムス
テアレート(日本油脂(株)製)、アルミニウムオレエ
ート、アルミニウムナフテネート、アルミニウムラウレ
ートなど、およびアルミニウムアセチルアセトネートな
どを例示することができる。これらのゲル化剤は、ワニ
ス100重量部に対し、0.1重量%から10重量%の
範囲で通常使用される。
【0060】
【実施例】次に具体例をもって、本発明を詳細に説明す
る。尚、例中「部」とは重量部を示す。
【0061】実施例1 エステル変性炭化水素樹脂(R−1)の製造 丸善石油化学(株)製ジシクロペンタジエン樹脂(マル
カレッツM905A:ジシクロペンタジエン/インデン
/スチレン共重合体)460部、無水マレイン酸37部
を、攪拌機、還流冷却管、温度計付きフラスコに仕込
み、窒素ガスを吹き込みながら昇温加熱し、180℃で
5時間反応させ、無水マレイン酸変性DCPD樹脂(A
D−3)を得た。次いで、AD−3を300部、BEP
Gを28部、ドデセニル無水コハク酸を15部、攪拌
機、水分離器付き還流冷却管、温度計付きフラスコに仕
込み、窒素ガスを吹き込みながら昇温加熱し、250℃
で5時間反応させ、酸価が10、融点が130℃、Mw
が5.2万のエステル変性炭化水素樹脂(R−1)を得
た。
【0062】ワニスおよびゲルワニスの製造 攪拌機、冷却管、温度計付きフラスコに、42部の樹脂
(R−1)、40部のアマニ油を仕込み、窒素気流下で
210℃、3時間加熱溶解し、粘度50Pa・s(25
℃)のワニス(V−1)を得た。次いで、該ワニスを1
60℃まで冷却し、川研ファインケミカル(株)社製ゲ
ル化剤(ALCH)を0.4部仕込み、再度190℃に
昇温し、1時間加熱反応させ、再生大豆油を10部追加
して、粘度95Pa・sのゲルワニス(GV−1)を得
た。
【0063】印刷インキの製造 前記ゲルワニス(GV−1)62部とC.I.PIGM
ENT YELLOW185(BASF社製PALIO
TOL YELLOW D1155)13部とを三本ロ
ールミルを用いて分散し、19部の重合アマニ油、5部
の脱水ヒマシ油脂肪酸エチルエステル、1部のナフテン
酸マンガンを添加し、タック値が9.3、フローが1
8.0、粘度が53Pa・s(25℃)の黄インキ(Y
−1)を得た。このインキの印刷試験では、光沢値70
と良好な結果が得られた。
【0064】実施例2 顔料をC.I.PIGMENT YELLOW167
(大日精化社製SEIKA FAST YELLOW
A−3)に変えた他は、実施例1と同様の操作で黄イン
キ(Y−2)を得た。このインキの印刷試験では、光沢
値72と良好な結果が得られた。
【0065】実施例3 顔料をC.I.PIGMENT YELLOW180
(クラリアント社製HOSTAPERM YELLOW
HG)に変えた他は、実施例1と同様の操作で黄イン
キ(Y−3)を得た。このインキの印刷試験では、光沢
値75と良好な結果が得られた。
【0066】実施例4 ワニスおよびゲルワニスの製造 攪拌機、冷却管、温度計付きフラスコに、実施例1で得
られた樹脂(R−1)42部、15部の重合アマニ油、
25部のAF5溶剤(日本石油社製)を仕込み、窒素気
流下で220℃、1時間加熱溶解し、粘度46Pa・s
(25℃)のワニス(V−2)を得た。次いで、該ワニ
スを160℃まで冷却し、川研ファインケミカル(株)
社製ゲル化剤(ALCH)を0.9部仕込み、再度19
0℃に昇温し、1時間加熱反応させ、AF5溶剤を10
部追加して、粘度85Pa・sのゲルワニス(GV−
2)を得た。
【0067】C:印刷インキの製造 前記ゲルワニス(GV−2)62部とC.I.PIGM
ENT YELLOW185(BASF社製PALIO
TOL YELLOW D1155)13部とを三本ロ
ールミルを用いて分散し、20部のAF5溶剤、4部の
アマニ油、1部のナフテン酸マンガンを添加し、タック
値が9.0、フローが19.0、粘度が48Pa・s
(25℃)の黄インキ(Y−4)を得た。このインキの
印刷試験では、光沢値77と良好な結果が得られた。
【0068】
【発明の効果】以上の様に、本発明では、フェノールフ
リーのエステル変性炭化水素樹脂と塩素フリーの顔料を
用いることによって、従来の印刷インキと性能上なんら
変わることのない印刷インキを得ることができ、また樹
脂がフェノールフリーで且つ顔料が塩素フリーであり、
また使用される溶剤が植物油(および/または脂肪酸エ
ステル)あるいは芳香族成分が1重量%以下のインキ溶
剤であるため、環境保全や環境負荷の低減を図ることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J039 AB04 AD16 AD18 AF03 BC02 BC12 BC16 BC17 BC20 BC33 BC36 BC41 BC50 BC51 BC69 BE01 BE12 CA07 EA17 EA45 GA02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノールフリーのエステル変性炭化水
    素樹脂と、塩素フリー顔料とを含むことを特徴とする印
    刷インキ。
  2. 【請求項2】 更に溶剤として石油留分から得られる印
    刷インキ溶剤を一切含まず、植物油および/またはその
    脂肪酸モノエステルを含む請求項1記載の印刷インキ。
  3. 【請求項3】 更に溶剤として芳香族成分が1重量%以
    下の石油留分から得られる印刷インキ溶剤を含む請求項
    1記載の印刷インキ。
  4. 【請求項4】 基材に請求項1ないし3いずれか記載の
    印刷インキを印刷してなる印刷物。
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