JP2002187722A - 非水電解質二次電池とその正極活物質および製造方法 - Google Patents
非水電解質二次電池とその正極活物質および製造方法Info
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- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 4V級リチウム二次電池の正極活物質とな
る、組成式Li1+x Mn2-xO4 で表されるリチウムマンガ
ンスピネルの放電容量とサイクル寿命の両者をバランス
よく改善する。 【解決手段】 Li/Mnモル比(a) とX線回折図における
面指数(440) /(511)のピーク強度比(b) が、(a,b) の
数値で示して、A(0.510, 1.88) 、B(0.510,1.69) 、
C(0.540, 1.59) 、D(0.687, 1.59) 、E(0.581, 1.8
8) の各点を結んだ領域内にある非水電解質二次電池用
正極活物質。これは、一次焼成後に、リチウム源を追加
して二次焼成を行い、好ましくは二次焼成後の冷却を急
冷することにより製造することができる。
る、組成式Li1+x Mn2-xO4 で表されるリチウムマンガ
ンスピネルの放電容量とサイクル寿命の両者をバランス
よく改善する。 【解決手段】 Li/Mnモル比(a) とX線回折図における
面指数(440) /(511)のピーク強度比(b) が、(a,b) の
数値で示して、A(0.510, 1.88) 、B(0.510,1.69) 、
C(0.540, 1.59) 、D(0.687, 1.59) 、E(0.581, 1.8
8) の各点を結んだ領域内にある非水電解質二次電池用
正極活物質。これは、一次焼成後に、リチウム源を追加
して二次焼成を行い、好ましくは二次焼成後の冷却を急
冷することにより製造することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広義には、非水電
解質二次電池、特にその正極活物質のサイクル寿命及び
容量特性の改善に関し、より具体的には、比較的安価な
正極活物質であるリチウムマンガンスピネルのサイクル
寿命及び容量特性の改善に関する。
解質二次電池、特にその正極活物質のサイクル寿命及び
容量特性の改善に関し、より具体的には、比較的安価な
正極活物質であるリチウムマンガンスピネルのサイクル
寿命及び容量特性の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話やPDAに代表される携
帯用電子機器ならびに情報通信、パソコン分野等の市場
拡大に伴い、駆動用電源となる二次電池の小型軽量化が
急速に進み、更なる小型・軽量・高エネルギー密度化が
求められている。このような民生用の小型電池の開発が
進む一方で、大型電源を必要とするハイブリッドカーを
含む電気自動車や、電力平準化 (ロードレベリング) の
ための大型据え置き電池といった、大型二次電池の実用
化に向けての動きも活発になっている。大型二次電池
は、有害な排ガスの削減を中心とした地球環境の改善と
連動しており、電源機能としては小型・軽量化に加え、
高エネルギー密度化が重要視される。
帯用電子機器ならびに情報通信、パソコン分野等の市場
拡大に伴い、駆動用電源となる二次電池の小型軽量化が
急速に進み、更なる小型・軽量・高エネルギー密度化が
求められている。このような民生用の小型電池の開発が
進む一方で、大型電源を必要とするハイブリッドカーを
含む電気自動車や、電力平準化 (ロードレベリング) の
ための大型据え置き電池といった、大型二次電池の実用
化に向けての動きも活発になっている。大型二次電池
は、有害な排ガスの削減を中心とした地球環境の改善と
連動しており、電源機能としては小型・軽量化に加え、
高エネルギー密度化が重要視される。
【0003】現在、携帯用電子機器等の電源用の二次電
池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電
池等の水溶液系電池に加えて、非水系のリチウムイオン
電池が多く用いられている。水溶液系の二次電池は、サ
イクル特性および価格面では優位にあるものの、電池重
量やエネルギー密度の点では充分に満足できるものとは
言えない。他方、非水系のリチウムイオン二次電池は、
近年急速に需要が拡大してきたが、正極活物質の主成分
として希少金属であるコバルトを使用しているため、水
溶液系に比べて高価であり、体積エネルギー密度(Wh/l)
及び安全性の点でも改善の余地が残されている。
池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電
池等の水溶液系電池に加えて、非水系のリチウムイオン
電池が多く用いられている。水溶液系の二次電池は、サ
イクル特性および価格面では優位にあるものの、電池重
量やエネルギー密度の点では充分に満足できるものとは
言えない。他方、非水系のリチウムイオン二次電池は、
近年急速に需要が拡大してきたが、正極活物質の主成分
として希少金属であるコバルトを使用しているため、水
溶液系に比べて高価であり、体積エネルギー密度(Wh/l)
及び安全性の点でも改善の余地が残されている。
【0004】リチウムイオン二次電池を含む非水電解質
リチウム二次電池の正極活物質として、層状岩塩構造
(α−NaFeO2型) を持つ六方晶のLiCoO2 (=コバルト酸
リチウム) およびLiNiO2 (=ニッケル酸リチウム) と、
立方最密充填酸素配列を持つスピネル構造のLiMn2O4(=
リチウムマンガンスピネル) とが良く知られている。こ
れらはいずれも4V級の高電圧の電池となる。
リチウム二次電池の正極活物質として、層状岩塩構造
(α−NaFeO2型) を持つ六方晶のLiCoO2 (=コバルト酸
リチウム) およびLiNiO2 (=ニッケル酸リチウム) と、
立方最密充填酸素配列を持つスピネル構造のLiMn2O4(=
リチウムマンガンスピネル) とが良く知られている。こ
れらはいずれも4V級の高電圧の電池となる。
【0005】現在の実用リチウムイオン二次電池に用い
られている正極活物質は、製造と取り扱いの容易さか
ら、ほとんどがLiCoO2である。このコバルトを主成分と
する正極活物質が高価であるため、リチウムイオン二次
電池の価格が高くなり、小型電池としては普及が可能で
あっても、大型電池への採用が阻まれる大きな原因とな
っている。純粋なLiNiO2は、過充電時に発火し易く、安
全性に関する問題からリチウム二次電池用の正極材とし
ては殆ど商業生産されていない。また、Niも、Coほどで
はないが、高価である。
られている正極活物質は、製造と取り扱いの容易さか
ら、ほとんどがLiCoO2である。このコバルトを主成分と
する正極活物質が高価であるため、リチウムイオン二次
電池の価格が高くなり、小型電池としては普及が可能で
あっても、大型電池への採用が阻まれる大きな原因とな
っている。純粋なLiNiO2は、過充電時に発火し易く、安
全性に関する問題からリチウム二次電池用の正極材とし
ては殆ど商業生産されていない。また、Niも、Coほどで
はないが、高価である。
【0006】他方、LiMn2O4 は、資源的に豊富な原料か
ら比較的安価に製造できるため、以前より正極活物質と
して研究されてきたが、未だにLiCoO2の代替物として実
用電池に採用されるだけの性能が得られておらず、容量
とサイクル寿命の改善が課題となっている。即ち、従来
のリチウムマンガンスピネルは、LiCoO2に比べて、放電
容量が数十%以上小さく、また高温でのMn溶出に起因す
る容量低下のために、充放電を繰り返した時のサイクル
寿命に大きな問題がある。
ら比較的安価に製造できるため、以前より正極活物質と
して研究されてきたが、未だにLiCoO2の代替物として実
用電池に採用されるだけの性能が得られておらず、容量
とサイクル寿命の改善が課題となっている。即ち、従来
のリチウムマンガンスピネルは、LiCoO2に比べて、放電
容量が数十%以上小さく、また高温でのMn溶出に起因す
る容量低下のために、充放電を繰り返した時のサイクル
寿命に大きな問題がある。
【0007】LiMn2O4 のサイクル寿命を改善する試みと
して、特開平9-306493号及び特開平9-259880号各公報
に、電解二酸化マンガンを熱処理して得られた三酸化二
マンガンと水酸化リチウムを酸素濃度40%以上の雰囲気
中で600 ℃以上の温度で加熱反応させ、ついで10℃/分
以下、好ましくは2℃/分以下の徐冷により500 ℃以下
まで冷却して製造したものを使用することが開示されて
いる。特開平7-282798号公報には、β型MnO2にリチウム
化合物を、リチウムとマンガンの原子比Li/Mnが0.515
≦Li/Mn≦0.563 となる割合で混合し、450 ℃以上の温
度で熱処理して得た、マンガンとリチウムの原子比 (Li
/Mn) をa、マンガンの平均価数をmとするとき、4.04
≦a+m≦4.17を満足するスピネル系リチウムマンガン
酸化物を、非水電解液二次電池の正極活物質として用い
ることが開示されている。
して、特開平9-306493号及び特開平9-259880号各公報
に、電解二酸化マンガンを熱処理して得られた三酸化二
マンガンと水酸化リチウムを酸素濃度40%以上の雰囲気
中で600 ℃以上の温度で加熱反応させ、ついで10℃/分
以下、好ましくは2℃/分以下の徐冷により500 ℃以下
まで冷却して製造したものを使用することが開示されて
いる。特開平7-282798号公報には、β型MnO2にリチウム
化合物を、リチウムとマンガンの原子比Li/Mnが0.515
≦Li/Mn≦0.563 となる割合で混合し、450 ℃以上の温
度で熱処理して得た、マンガンとリチウムの原子比 (Li
/Mn) をa、マンガンの平均価数をmとするとき、4.04
≦a+m≦4.17を満足するスピネル系リチウムマンガン
酸化物を、非水電解液二次電池の正極活物質として用い
ることが開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に開示された
従来のリチウムマンガンスピネルのうち最初のものは、
熱処理後の冷却速度を遅くして酸素の欠損量を減少させ
ることで、サイクル寿命の改善を図っている。しかし、
酸素増によりマンガン価数バランスが変化して、放電容
量の低下を生ずるため、実用材料として不十分であるこ
とが判明した。他方、β型二酸化マンガンにリチウム化
合物を所定の原子比で添加する方法では、出発原料のβ
型二酸化マンガンが、比表面積が小さく緻密で堅い結晶
であることから、リチウムとの反応性が悪く、結果とし
て実用電池として使用するのに必要なレベルの容量とサ
イクル寿命を得ることが難しいということが判った。
従来のリチウムマンガンスピネルのうち最初のものは、
熱処理後の冷却速度を遅くして酸素の欠損量を減少させ
ることで、サイクル寿命の改善を図っている。しかし、
酸素増によりマンガン価数バランスが変化して、放電容
量の低下を生ずるため、実用材料として不十分であるこ
とが判明した。他方、β型二酸化マンガンにリチウム化
合物を所定の原子比で添加する方法では、出発原料のβ
型二酸化マンガンが、比表面積が小さく緻密で堅い結晶
であることから、リチウムとの反応性が悪く、結果とし
て実用電池として使用するのに必要なレベルの容量とサ
イクル寿命を得ることが難しいということが判った。
【0009】本発明は、上記問題点に鑑み、リチウムマ
ンガンスピネル型の非水電解質二次電池用正極活物質の
容量と充放電サイクル特性の両方をバランス良く向上さ
せることを目的とするものである。
ンガンスピネル型の非水電解質二次電池用正極活物質の
容量と充放電サイクル特性の両方をバランス良く向上さ
せることを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明により、組成式:
Li1+x Mn2-x O4 で表されるリチウムマンガンスピネル
からなり、リチウムとマンガンのモル比 "Li/Mn" と、
X線回折図における面指数(440) のピーク強度と(511)
のピーク強度の比 "I(440)/I(511)" とが、下記A、
B、C、D、Eの各点を結んだ領域内にある非水電解質
二次電池用正極活物質が提供される。
Li1+x Mn2-x O4 で表されるリチウムマンガンスピネル
からなり、リチウムとマンガンのモル比 "Li/Mn" と、
X線回折図における面指数(440) のピーク強度と(511)
のピーク強度の比 "I(440)/I(511)" とが、下記A、
B、C、D、Eの各点を結んだ領域内にある非水電解質
二次電池用正極活物質が提供される。
【0011】 本発明において、X線回折図はCu−Kα線を照射線源と
するものを意味し、ピーク強度はピークの高さを意味す
る。X線回折図において、面指数(440) の回折ピークは
2θ=64°付近に、面指数(511) の回折ピークは2θ=
58°付近にそれぞれ現われる。本発明で用いるリチウム
マンガンスピネルのX線回折図の1例を図1に示す。
するものを意味し、ピーク強度はピークの高さを意味す
る。X線回折図において、面指数(440) の回折ピークは
2θ=64°付近に、面指数(511) の回折ピークは2θ=
58°付近にそれぞれ現われる。本発明で用いるリチウム
マンガンスピネルのX線回折図の1例を図1に示す。
【0012】本発明によればまた、酸化マンガンおよび
その前駆物質から選ばれたマンガン源と、リチウム化合
物から選ばれたリチウム源とを混合し、焼成することか
らなるリチウムマンガンスピネル型の非水電解質二次電
池用正極活物質の製造方法であって、前記マンガン源と
前記リチウム源とをLi/Mnモル比が 0.510〜0.687 の範
囲となる割合で混合し、前記焼成を少なくとも2段階で
行い、前記リチウム源の一部を1段目の焼成より後に添
加することを特徴とする方法も提供される。
その前駆物質から選ばれたマンガン源と、リチウム化合
物から選ばれたリチウム源とを混合し、焼成することか
らなるリチウムマンガンスピネル型の非水電解質二次電
池用正極活物質の製造方法であって、前記マンガン源と
前記リチウム源とをLi/Mnモル比が 0.510〜0.687 の範
囲となる割合で混合し、前記焼成を少なくとも2段階で
行い、前記リチウム源の一部を1段目の焼成より後に添
加することを特徴とする方法も提供される。
【0013】好ましくは、上記方法において、最終段の
焼成後の冷却を10℃/分以上の冷却速度での急冷により
行い、また各段の焼成温度が 400〜900 ℃の範囲であ
る。本発明はまた、上記活物質、または上記方法により
製造された活物質、を含む正極を備えた非水電解質二次
電池にも関する。
焼成後の冷却を10℃/分以上の冷却速度での急冷により
行い、また各段の焼成温度が 400〜900 ℃の範囲であ
る。本発明はまた、上記活物質、または上記方法により
製造された活物質、を含む正極を備えた非水電解質二次
電池にも関する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係る非水電解質二次電池
用正極活物質を構成するリチウムマンガンスピネルは、
下記組成式により示される: Li1+x Mn2-x O4 ‥‥ 組成式におけるxの値は、後述するように、約0.01〜
0.22の範囲である。従って、このリチウムマンガンスピ
ネルは、化学量論的組成(LiMn2O4) に比べて、Liが過剰
である。
用正極活物質を構成するリチウムマンガンスピネルは、
下記組成式により示される: Li1+x Mn2-x O4 ‥‥ 組成式におけるxの値は、後述するように、約0.01〜
0.22の範囲である。従って、このリチウムマンガンスピ
ネルは、化学量論的組成(LiMn2O4) に比べて、Liが過剰
である。
【0015】このリチウムマンガンスピネルは、(a) リ
チウムとマンガンのモル比 "Li/Mn"(以下、Li/Mnモル
比という) と、(b) X線回折図における面指数(440) の
ピーク強度と(511) のピーク強度との比"I(440)/I(51
1)"(以下、ピーク強度比という) とが、(a, b)の数値で
示して、A(0.510, 1.88) 、B(0.510, 1.69) 、C(0.5
40, 1.59) 、D(0.687, 1.59) 、E(0.581, 1.88) の各
点を結んだ領域内、即ち、2に示す外側の五角形の領域
内、にあることを特徴とする。
チウムとマンガンのモル比 "Li/Mn"(以下、Li/Mnモル
比という) と、(b) X線回折図における面指数(440) の
ピーク強度と(511) のピーク強度との比"I(440)/I(51
1)"(以下、ピーク強度比という) とが、(a, b)の数値で
示して、A(0.510, 1.88) 、B(0.510, 1.69) 、C(0.5
40, 1.59) 、D(0.687, 1.59) 、E(0.581, 1.88) の各
点を結んだ領域内、即ち、2に示す外側の五角形の領域
内、にあることを特徴とする。
【0016】Li/Mnモル比の値は、組成式においてx
=0.01である時が0.508 、x=0.22である時が0.685 で
ある。従って、Li/Mnモル比が上記および図2に示すよ
うに0.510〜0.687 の範囲であるということは、組成式
におけるxの値がほぼ0.01〜0.22の範囲であることを
意味する。
=0.01である時が0.508 、x=0.22である時が0.685 で
ある。従って、Li/Mnモル比が上記および図2に示すよ
うに0.510〜0.687 の範囲であるということは、組成式
におけるxの値がほぼ0.01〜0.22の範囲であることを
意味する。
【0017】リチウムマンガンスピネルのLi/Mnモル比
とピーク強度比との関係が、上記A−B−C−D−Eを
結んだ五角形の領域の範囲内にあると、放電容量とサイ
クル寿命のいずれもが良好な水準にある正極活物質とな
る。一方、この範囲外では、放電容量とサイクル寿命の
少なくとも一方が低下する傾向がある。
とピーク強度比との関係が、上記A−B−C−D−Eを
結んだ五角形の領域の範囲内にあると、放電容量とサイ
クル寿命のいずれもが良好な水準にある正極活物質とな
る。一方、この範囲外では、放電容量とサイクル寿命の
少なくとも一方が低下する傾向がある。
【0018】好ましくは、リチウムマンガンモル比(a)
とピーク強度比(b) は(a, b)の数値で示して、(0.525,
1.84) 、(0.585, 1.84) 、(0.655, 1.65) 、(0.580, 1.
65)で示される四角形、即ち、図2に示す内側の平行四
辺形、の領域内にある。
とピーク強度比(b) は(a, b)の数値で示して、(0.525,
1.84) 、(0.585, 1.84) 、(0.655, 1.65) 、(0.580, 1.
65)で示される四角形、即ち、図2に示す内側の平行四
辺形、の領域内にある。
【0019】次に、本発明に係る非水電解質二次電池用
正極活物質の製造方法について説明する。出発原料は、
酸化マンガンおよびその前駆物質から選ばれた少なくと
も1種のマンガン源と、リチウム化合物から選ばれた少
なくとも1種のリチウム源である。酸化マンガンの前駆
物質とは、焼成中に酸化マンガンに変化する材料のこと
である。
正極活物質の製造方法について説明する。出発原料は、
酸化マンガンおよびその前駆物質から選ばれた少なくと
も1種のマンガン源と、リチウム化合物から選ばれた少
なくとも1種のリチウム源である。酸化マンガンの前駆
物質とは、焼成中に酸化マンガンに変化する材料のこと
である。
【0020】マンガン源としては、電解二酸化マンガ
ン、化学合成二酸化マンガン、炭酸マンガン、酸化水酸
化マンガン、ならびにこれらを熱処理して得られる一酸
化マンガン、三二酸化マンガン、四三酸化マンガンから
選んだ1種または2種以上を使用することが好ましい。
ン、化学合成二酸化マンガン、炭酸マンガン、酸化水酸
化マンガン、ならびにこれらを熱処理して得られる一酸
化マンガン、三二酸化マンガン、四三酸化マンガンから
選んだ1種または2種以上を使用することが好ましい。
【0021】リチウム源としては、水酸化リチウム、炭
酸リチウムおよび硝酸リチウムから選んだ1種もしくは
2種以上のリチウム化合物を使用することが好ましい。
従来の通常の方法では、粉末状のリチウム源とマンガン
源を目標組成のLi/Mnモル比となるように混合した後、
焼成して、所定のLi/Mnモル比を持つリチウムマンガン
スピネルを製造する。しかし、この方法でLi過剰のリチ
ウムマンガンスピネルを製造しても、特に本発明のよう
にLi/Mnモル比 (Li過剰度) が大きくなると、上記ピー
ク強度比が小さい生成物となるため、Li/Mnモル比とピ
ーク強度比が本発明で規定する範囲に入るリチウムマン
ガンスピネルを得ることが困難である。
酸リチウムおよび硝酸リチウムから選んだ1種もしくは
2種以上のリチウム化合物を使用することが好ましい。
従来の通常の方法では、粉末状のリチウム源とマンガン
源を目標組成のLi/Mnモル比となるように混合した後、
焼成して、所定のLi/Mnモル比を持つリチウムマンガン
スピネルを製造する。しかし、この方法でLi過剰のリチ
ウムマンガンスピネルを製造しても、特に本発明のよう
にLi/Mnモル比 (Li過剰度) が大きくなると、上記ピー
ク強度比が小さい生成物となるため、Li/Mnモル比とピ
ーク強度比が本発明で規定する範囲に入るリチウムマン
ガンスピネルを得ることが困難である。
【0022】そこで、本発明に係る製造方法によれば、
焼成を2段以上の多段で行い、リチウム源の一部を最初
の一次焼成より後に添加し、好ましくは最終段の焼成後
の冷却を急冷により行う。この多段焼成は、通常は2段
焼成でよく、まず一次焼成してリチウムマンガンスピネ
ルの骨格を形成した後、追加のリチウム源を添加して、
二次焼成を行う。以下では主にこの2段焼成の態様につ
いて説明するが、焼成を3段以上で行うことも可能であ
る。このLi源を分割添加する多段焼成法を採用すると、
Li/Mnモル比とピーク強度比が本発明で規定する範囲に
入り、高容量でサイクル寿命にも優れた非水電解質二次
電池用正極活物質となるリチウムマンガンスピネルを製
造することができる。
焼成を2段以上の多段で行い、リチウム源の一部を最初
の一次焼成より後に添加し、好ましくは最終段の焼成後
の冷却を急冷により行う。この多段焼成は、通常は2段
焼成でよく、まず一次焼成してリチウムマンガンスピネ
ルの骨格を形成した後、追加のリチウム源を添加して、
二次焼成を行う。以下では主にこの2段焼成の態様につ
いて説明するが、焼成を3段以上で行うことも可能であ
る。このLi源を分割添加する多段焼成法を採用すると、
Li/Mnモル比とピーク強度比が本発明で規定する範囲に
入り、高容量でサイクル寿命にも優れた非水電解質二次
電池用正極活物質となるリチウムマンガンスピネルを製
造することができる。
【0023】最初の一次焼成の前にマンガン源と混合す
るリチウム源の量は、マンガン源の量に対して、リチウ
ムマンガンスピネルの化学量論比であるLi/Mn=0.50
か、それより過剰となる量であるが、第二段でリチウム
源を追加できるように、製造しようとする目標組成のLi
/Mnモル比よりは少ない量とする。従来のように、最初
から目標組成のLi/Mnモル比に相当する量のリチウム源
をマンガン源と混合してしまうと、容量とサイクル寿命
がいずれも良好な正極活物質を得ることが困難となる。
るリチウム源の量は、マンガン源の量に対して、リチウ
ムマンガンスピネルの化学量論比であるLi/Mn=0.50
か、それより過剰となる量であるが、第二段でリチウム
源を追加できるように、製造しようとする目標組成のLi
/Mnモル比よりは少ない量とする。従来のように、最初
から目標組成のLi/Mnモル比に相当する量のリチウム源
をマンガン源と混合してしまうと、容量とサイクル寿命
がいずれも良好な正極活物質を得ることが困難となる。
【0024】リチウム源とマンガン源は粉末状態で混合
するのが普通である。粉末の混合方法は湿式と乾式の何
れの方法でも良い。また、製品の粉体密度や反応性を改
善する為に、混合物の成型工程を混合工程の後に入れ
て、混合物を成型体にすることもできる。成型は、金型
プレス、ロールによる連続成型その他の任意の圧縮成型
法により実施できるが、連続製造の場合はロール成型が
適する。成型時の圧力を高くすることで、焼成品の密度
を高くすることができる。また、バインダー、たとえば
ポリ塩化ビニル、硼素化合物、あるいは水を添加して成
型することによって、より高密度の焼成品が得られる。
成型体の形状は特に制限されず、例えば、板状、フレー
ク状、ペレット状等でよい。
するのが普通である。粉末の混合方法は湿式と乾式の何
れの方法でも良い。また、製品の粉体密度や反応性を改
善する為に、混合物の成型工程を混合工程の後に入れ
て、混合物を成型体にすることもできる。成型は、金型
プレス、ロールによる連続成型その他の任意の圧縮成型
法により実施できるが、連続製造の場合はロール成型が
適する。成型時の圧力を高くすることで、焼成品の密度
を高くすることができる。また、バインダー、たとえば
ポリ塩化ビニル、硼素化合物、あるいは水を添加して成
型することによって、より高密度の焼成品が得られる。
成型体の形状は特に制限されず、例えば、板状、フレー
ク状、ペレット状等でよい。
【0025】上記混合物または成型体に対して一次焼成
を行う。焼成温度は 400〜900 ℃の範囲が好ましく、よ
り好ましくは 650〜800 ℃の温度範囲である。焼成は酸
素を含有する酸化性雰囲気で行うことが好ましく、製造
コストを考慮すると大気雰囲気が有利である。焼成時間
はリチウムマンガンスピネルが生成するように設定す
る。この時間は焼成炉の方式によっても異なるが、一般
には数時間から数十時間の範囲である。その後、焼成物
を室温まで冷却する。一次焼成後の冷却速度は特に限定
されず、徐冷でも急冷でもよい。
を行う。焼成温度は 400〜900 ℃の範囲が好ましく、よ
り好ましくは 650〜800 ℃の温度範囲である。焼成は酸
素を含有する酸化性雰囲気で行うことが好ましく、製造
コストを考慮すると大気雰囲気が有利である。焼成時間
はリチウムマンガンスピネルが生成するように設定す
る。この時間は焼成炉の方式によっても異なるが、一般
には数時間から数十時間の範囲である。その後、焼成物
を室温まで冷却する。一次焼成後の冷却速度は特に限定
されず、徐冷でも急冷でもよい。
【0026】一次焼成により、骨格となるリチウムマン
ガンスピネルが合成される。この一次焼成体に、目標組
成のLi/Mnモル比となるようにリチウム源を添加し、二
次焼成を行う。
ガンスピネルが合成される。この一次焼成体に、目標組
成のLi/Mnモル比となるようにリチウム源を添加し、二
次焼成を行う。
【0027】本発明では、一次焼成後に行うリチウム源
の添加を「リチウム後付け」と称することにする。この
「リチウム後付け」の効果は、特に容量およびサイクル
寿命の改善である。この効果に再現性があることは繰り
返し試験を行って確認している。そのメカニズムについ
ては明らかはないが、次のように推察される。
の添加を「リチウム後付け」と称することにする。この
「リチウム後付け」の効果は、特に容量およびサイクル
寿命の改善である。この効果に再現性があることは繰り
返し試験を行って確認している。そのメカニズムについ
ては明らかはないが、次のように推察される。
【0028】通常のリチウムマンガンスピネルでは、マ
ンガン価数バランスによりその充放電容量が規定され、
化学量論に対する過剰リチウムを最初から加えると、過
剰リチウムの骨格安定化作用によりサイクル寿命特性が
改善されるものの、容量は一般に小さくなることが良く
知られている。また、酸素は、通常の焼成では過剰に付
加している。本発明によるリチウムの後付け・多段焼成
法によれば、この過剰酸素とリチウムとの反応、及びマ
ンガン価数バランスにより、過剰酸素が固定され、平均
マンガン価数が減少して、容量の増加とサイクル寿命の
改善効果が発揮されるのではないかと考えられる。
ンガン価数バランスによりその充放電容量が規定され、
化学量論に対する過剰リチウムを最初から加えると、過
剰リチウムの骨格安定化作用によりサイクル寿命特性が
改善されるものの、容量は一般に小さくなることが良く
知られている。また、酸素は、通常の焼成では過剰に付
加している。本発明によるリチウムの後付け・多段焼成
法によれば、この過剰酸素とリチウムとの反応、及びマ
ンガン価数バランスにより、過剰酸素が固定され、平均
マンガン価数が減少して、容量の増加とサイクル寿命の
改善効果が発揮されるのではないかと考えられる。
【0029】一次焼成後のリチウム源の添加は、2回以
上に分けて行うこともできる。一次焼成後にリチウム源
の添加を2回以上行う場合には、添加後にそれぞれ焼成
を行って、添加したリチウム源をスピネル中に取り込
む。
上に分けて行うこともできる。一次焼成後にリチウム源
の添加を2回以上行う場合には、添加後にそれぞれ焼成
を行って、添加したリチウム源をスピネル中に取り込
む。
【0030】一次焼成体にリチウムを後付けするための
リチウム源の混合は、適当な方法で実施すればよい。例
えば、必要に応じて一次焼成体を解砕もしくは粉砕した
後、またはこの解砕もしくは粉砕中に、リチウム源を乾
式または湿式混合することができる。二次焼成の焼成条
件は、後述する焼成後の冷却速度を除いて、一次焼成と
同様でよい。即ち、焼成雰囲気は酸化性雰囲気、有利に
は大気雰囲気であり、焼成温度は400 〜900 ℃、好まし
くは 650〜800 ℃の温度範囲、焼成時間は、焼成炉の方
式によっても異なるが、一般には数時間から数十時間の
範囲である。
リチウム源の混合は、適当な方法で実施すればよい。例
えば、必要に応じて一次焼成体を解砕もしくは粉砕した
後、またはこの解砕もしくは粉砕中に、リチウム源を乾
式または湿式混合することができる。二次焼成の焼成条
件は、後述する焼成後の冷却速度を除いて、一次焼成と
同様でよい。即ち、焼成雰囲気は酸化性雰囲気、有利に
は大気雰囲気であり、焼成温度は400 〜900 ℃、好まし
くは 650〜800 ℃の温度範囲、焼成時間は、焼成炉の方
式によっても異なるが、一般には数時間から数十時間の
範囲である。
【0031】この二次焼成 (焼成を3段以上で行う場合
は最終段の焼成) が終了した後の冷却速度は、10℃/分
以上の冷却速度の急冷によりで室温近傍まで冷却するこ
とが好ましい。この時の冷却速度が速いほど、得られる
正極活物質の容量特性が良好とあることが判った。
は最終段の焼成) が終了した後の冷却速度は、10℃/分
以上の冷却速度の急冷によりで室温近傍まで冷却するこ
とが好ましい。この時の冷却速度が速いほど、得られる
正極活物質の容量特性が良好とあることが判った。
【0032】この急冷による容量増のメカニズムは明確
ではないが、急冷によって、高温領域における酸素欠損
状態でのマンガン価数バランス (+3価>+4価) が室
温付近まで維持され、相対的に+3価のマンガン比率が
増えるためではないかと考えられる。一般に、リチウム
マンガンスピネルでは、マンガンの+3価と+4価の割
合は1:1であるが、二次電池では、充電時にはマンガ
ンが+3価から+4価に酸化され、放電時には逆反応で
マンガンの+4価の部分が+3価まで還元される電気化
学的反応が起こる。従って、+3価のマンガンの比率が
多いほど、充電量が多くなり、放電ではその逆反応によ
り放電に寄与する容量が多くなるものと考えられる。
ではないが、急冷によって、高温領域における酸素欠損
状態でのマンガン価数バランス (+3価>+4価) が室
温付近まで維持され、相対的に+3価のマンガン比率が
増えるためではないかと考えられる。一般に、リチウム
マンガンスピネルでは、マンガンの+3価と+4価の割
合は1:1であるが、二次電池では、充電時にはマンガ
ンが+3価から+4価に酸化され、放電時には逆反応で
マンガンの+4価の部分が+3価まで還元される電気化
学的反応が起こる。従って、+3価のマンガンの比率が
多いほど、充電量が多くなり、放電ではその逆反応によ
り放電に寄与する容量が多くなるものと考えられる。
【0033】前述したように、過剰リチウムは、リチウ
ムマンガンスピネルの骨格を安定化させることでサイク
ル寿命の改善に有効であるが、放電容量は低下させる傾
向があっる。本発明での急冷操作は、リチウムマンガン
スピネルの価数を制御しながら酸素欠損を与えることに
よって、過剰リチウムによる容量低下の防止を図ること
ができる。その結果、高容量とサイクル寿命のいずれも
良好な正極活物質を実現することが可能となる。
ムマンガンスピネルの骨格を安定化させることでサイク
ル寿命の改善に有効であるが、放電容量は低下させる傾
向があっる。本発明での急冷操作は、リチウムマンガン
スピネルの価数を制御しながら酸素欠損を与えることに
よって、過剰リチウムによる容量低下の防止を図ること
ができる。その結果、高容量とサイクル寿命のいずれも
良好な正極活物質を実現することが可能となる。
【0034】ただし、リチウム後付けと多段焼成を採用
すれば、二次焼成後の冷却を急冷としなくても、放電容
量がかなり高く、サイクル寿命も優れた正極活物質を得
ることができる。しかし、急冷とすると、放電容量がさ
らに向上する。
すれば、二次焼成後の冷却を急冷としなくても、放電容
量がかなり高く、サイクル寿命も優れた正極活物質を得
ることができる。しかし、急冷とすると、放電容量がさ
らに向上する。
【0035】本発明の方法に従ってリチウム後付けを伴
う二段焼成法により得られたリチウムマンガンスピネル
について、原子吸光法(日立製作所社製;A-1800A 型、
測定波長670.8 nm)でLiを、Mnおよび金属元素はICP
法(セイコー電子工業社製;SPS 1500VR型、測定波長25
7.61 nm 、イットリウム内標準法)でそれぞれ成分分析
を行い、Li/Mnモル比を算出した。
う二段焼成法により得られたリチウムマンガンスピネル
について、原子吸光法(日立製作所社製;A-1800A 型、
測定波長670.8 nm)でLiを、Mnおよび金属元素はICP
法(セイコー電子工業社製;SPS 1500VR型、測定波長25
7.61 nm 、イットリウム内標準法)でそれぞれ成分分析
を行い、Li/Mnモル比を算出した。
【0036】また、その結晶構造を粉末X線回折測定法
(理学電機社製;RINT-2000 型、照射X線Cu−Kα、JC
PDS カードによって判定)より測定したX線回折図から
解析した結果、スピネル構造であることが確認された。
(理学電機社製;RINT-2000 型、照射X線Cu−Kα、JC
PDS カードによって判定)より測定したX線回折図から
解析した結果、スピネル構造であることが確認された。
【0037】前述した多段焼成法で得られたリチウムマ
ンガンスピネルについて、上記のようにして求めたLi/
Mnモル比とX線回折図の面指数(440) のピーク強度と(5
11)のピーク強度の比 "I(440)/I(511)"(即ち、ピーク
強度比) が、図2に示すように、本発明で規定するA−
B−C−D−Eの各点を結んだ五角形で囲まれる領域内
にあると、過剰リチウムによる容量の低下が小さく、サ
イクル特性の優れたリチウム二次電池用正極活物質にな
ることが判明した。
ンガンスピネルについて、上記のようにして求めたLi/
Mnモル比とX線回折図の面指数(440) のピーク強度と(5
11)のピーク強度の比 "I(440)/I(511)"(即ち、ピーク
強度比) が、図2に示すように、本発明で規定するA−
B−C−D−Eの各点を結んだ五角形で囲まれる領域内
にあると、過剰リチウムによる容量の低下が小さく、サ
イクル特性の優れたリチウム二次電池用正極活物質にな
ることが判明した。
【0038】本発明に係るリチウムマンガンスピネルか
らなる正極活物質は、リチウム二次電池で代表される非
水電解質二次電池の正極に使用することができる。この
正極活物質は4V級で作動させるのに適しているので、
現状の実用リチウムイオン二次電池で正極活物質として
使用されている高価なLiCoO2の代わりに使用することが
でき、それによりリチウムイオン二次電池の低価格化が
可能となる。
らなる正極活物質は、リチウム二次電池で代表される非
水電解質二次電池の正極に使用することができる。この
正極活物質は4V級で作動させるのに適しているので、
現状の実用リチウムイオン二次電池で正極活物質として
使用されている高価なLiCoO2の代わりに使用することが
でき、それによりリチウムイオン二次電池の低価格化が
可能となる。
【0039】本発明のリチウムマンガンスピネルからな
る正極活物質を用いてリチウム二次電池を作製する場
合、この活物質を正極に使用することを除いて、他の電
池の構成は従来より提案されたものと同様でよい。以下
に簡単に説明するが、それらに限定されるものではな
く、今後提案されるものも含めて、多様な電池構成とす
ることができる。
る正極活物質を用いてリチウム二次電池を作製する場
合、この活物質を正極に使用することを除いて、他の電
池の構成は従来より提案されたものと同様でよい。以下
に簡単に説明するが、それらに限定されるものではな
く、今後提案されるものも含めて、多様な電池構成とす
ることができる。
【0040】リチウム二次電池の正極は、本発明の正極
活物質の粉末から常法により製造すればよい。代表的な
方法では、活物質の粉末を適当な結着剤および導電助剤
と一緒に溶剤中に均一に分散させてペーストまたはスラ
リーにする。結着剤は、非水電解質に侵されない樹脂、
例えば、フッ素樹脂等が使用できる。導電助剤として
は、カーボン、特にアセチレンブラック等のカーボンブ
ラックが一般に使用される。このペーストまたはスラリ
ーを、適当な方法で成型して電極を形成する。例えば、
集電体となる適当な電極基板 (例えば、パンチドメタ
ル) 上にペーストをロール圧延し、乾燥する方法、電極
金属板にスラリーを塗布し、必要であれば圧延した後、
乾燥する方法などが採用できる。
活物質の粉末から常法により製造すればよい。代表的な
方法では、活物質の粉末を適当な結着剤および導電助剤
と一緒に溶剤中に均一に分散させてペーストまたはスラ
リーにする。結着剤は、非水電解質に侵されない樹脂、
例えば、フッ素樹脂等が使用できる。導電助剤として
は、カーボン、特にアセチレンブラック等のカーボンブ
ラックが一般に使用される。このペーストまたはスラリ
ーを、適当な方法で成型して電極を形成する。例えば、
集電体となる適当な電極基板 (例えば、パンチドメタ
ル) 上にペーストをロール圧延し、乾燥する方法、電極
金属板にスラリーを塗布し、必要であれば圧延した後、
乾燥する方法などが採用できる。
【0041】リチウム二次電池の負極活物質は、リチウ
ムを可逆的にドープおよび脱ドープ可能な物質であれば
良く、熱分解炭素、コークス(ピッチコークス、石油コ
ークス等)、グラファイト、ガラス状炭素、炭素繊維、
有機高分子焼成体(フェノール樹脂などを適当な温度で
焼成炭素化したもの)といった炭素材料のほか、リチウ
ム金属、リチウム合金(例えば、リチウムアルミニウム
合金、リチウムスズ合金)、ポリアセチレン、ポリピロ
ールなどのポリマーが例示される。実施例でリチウム金
属を負極に用いているのは実験の都合上にすぎない。
ムを可逆的にドープおよび脱ドープ可能な物質であれば
良く、熱分解炭素、コークス(ピッチコークス、石油コ
ークス等)、グラファイト、ガラス状炭素、炭素繊維、
有機高分子焼成体(フェノール樹脂などを適当な温度で
焼成炭素化したもの)といった炭素材料のほか、リチウ
ム金属、リチウム合金(例えば、リチウムアルミニウム
合金、リチウムスズ合金)、ポリアセチレン、ポリピロ
ールなどのポリマーが例示される。実施例でリチウム金
属を負極に用いているのは実験の都合上にすぎない。
【0042】リチウム二次電池の電解液としては、電解
質のリチウム塩を 0.5〜1.5 mol/l濃度で有機溶媒に溶
解させた非水電解液が一般に用いられる。電解質の例に
は、過塩素酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸
リチウム、四フッ化燐酸リチウム、六フッ化燐酸リチウ
ム、六フッ化砒酸リチウムなどがある。有機溶媒の例
は、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ブチレン、γ
ーブチロラクトン、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、
酢酸エステル化合物、ジメトキシエタン、ジメトキシプ
ロパンなどの単独、または2種類以上の混合溶媒であ
る。
質のリチウム塩を 0.5〜1.5 mol/l濃度で有機溶媒に溶
解させた非水電解液が一般に用いられる。電解質の例に
は、過塩素酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸
リチウム、四フッ化燐酸リチウム、六フッ化燐酸リチウ
ム、六フッ化砒酸リチウムなどがある。有機溶媒の例
は、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ブチレン、γ
ーブチロラクトン、炭酸ジメチル、炭酸エチルメチル、
酢酸エステル化合物、ジメトキシエタン、ジメトキシプ
ロパンなどの単独、または2種類以上の混合溶媒であ
る。
【0043】固体状またはゲル状の電解質を用いる場
合、無機固体電解質のほか、ポリエチレンオキサイド、
ポリプロピレンオキサイドまたはこれらの誘導体などを
主材にした有機固体電解質などが使用できる。
合、無機固体電解質のほか、ポリエチレンオキサイド、
ポリプロピレンオキサイドまたはこれらの誘導体などを
主材にした有機固体電解質などが使用できる。
【0044】非水電解質二次電池の形状は特に限定され
るものではなく、コイン型電池、円筒状渦巻式電池、平
板状角形電池、インサイドアウト型円筒型電池等、いず
れの形状の電池にも適用可能である。また、本発明の活
物質は安価であるので、大型電池に適用することもでき
る。
るものではなく、コイン型電池、円筒状渦巻式電池、平
板状角形電池、インサイドアウト型円筒型電池等、いず
れの形状の電池にも適用可能である。また、本発明の活
物質は安価であるので、大型電池に適用することもでき
る。
【0045】
【実施例】(実施例1)出発原料の三二酸化マンガン(Mn2
O3) 68.50 kgと水酸化リチウム(LiOH) 10.86kg (Li/Mn
モル比=0.523)を粉末状で振動ボールミルにより乾式混
合した後、連続成型機で板状の形態に加圧成形し、この
成形体を一次焼成した。一次焼成は、大気雰囲気中で昇
温速度1.67℃/分(100℃/時) で700 ℃に加熱し、この
温度に24時間保持した後、昇温速度と同じ速度で室温ま
で冷却することにより行った。こうして、基本となるス
ピネル骨格を持つ一次焼成体を得た。この一次焼成体を
振動ボールミルにより粉砕して粉末にした。
O3) 68.50 kgと水酸化リチウム(LiOH) 10.86kg (Li/Mn
モル比=0.523)を粉末状で振動ボールミルにより乾式混
合した後、連続成型機で板状の形態に加圧成形し、この
成形体を一次焼成した。一次焼成は、大気雰囲気中で昇
温速度1.67℃/分(100℃/時) で700 ℃に加熱し、この
温度に24時間保持した後、昇温速度と同じ速度で室温ま
で冷却することにより行った。こうして、基本となるス
ピネル骨格を持つ一次焼成体を得た。この一次焼成体を
振動ボールミルにより粉砕して粉末にした。
【0046】次に、目標組成のLi/Mnモル比=0.579 に
対する差分である、後付け用の1.16kgの水酸化リチウム
を、一次焼成体の粉末に添加し、上記と同様に乾式混合
および加圧成形を行い、得られた成形体を二次焼成し
た。二次焼成は、一次焼成と全く同様に、大気雰囲気
中、昇温速度1.67℃/分(100℃/時) で700 ℃まで加熱
し、この温度に24時間保持した後、1.67℃/分(100℃/
時) の速度で室温まで冷却することにより行い、Li/Mn
モル比=0.579 のリチウムマンガンスピネル115.46kg
を得た。
対する差分である、後付け用の1.16kgの水酸化リチウム
を、一次焼成体の粉末に添加し、上記と同様に乾式混合
および加圧成形を行い、得られた成形体を二次焼成し
た。二次焼成は、一次焼成と全く同様に、大気雰囲気
中、昇温速度1.67℃/分(100℃/時) で700 ℃まで加熱
し、この温度に24時間保持した後、1.67℃/分(100℃/
時) の速度で室温まで冷却することにより行い、Li/Mn
モル比=0.579 のリチウムマンガンスピネル115.46kg
を得た。
【0047】二次焼成で得られたリチウムマンガンスピ
ネルのX線回折図を前述したようにして測定し、ピーク
強度比 "I(440)/I(511)" を求めた。また、この生成物
中のLi/Mnモル比が添加したLi/Mnモル比と同じである
ことも、前述した組成分析法により確認した。
ネルのX線回折図を前述したようにして測定し、ピーク
強度比 "I(440)/I(511)" を求めた。また、この生成物
中のLi/Mnモル比が添加したLi/Mnモル比と同じである
ことも、前述した組成分析法により確認した。
【0048】このリチウムマンガン複合酸化物の正極活
物質としての充放電特性を次のようにして調べた。正極
活物質100 質量部に導電助剤のアセチレンブラック15質
量部および結着剤のフッ素樹脂粉末10質量部を加え、充
分混合した後、有機溶剤中でよく混練してペースト化し
た。このペーストを集電体となるステンレス網上で約40
0 μmの厚さにロール圧延し、150 ℃で真空乾燥した
後、所定の径に打ち抜いて、集電体と一体化した正極を
作製した。
物質としての充放電特性を次のようにして調べた。正極
活物質100 質量部に導電助剤のアセチレンブラック15質
量部および結着剤のフッ素樹脂粉末10質量部を加え、充
分混合した後、有機溶剤中でよく混練してペースト化し
た。このペーストを集電体となるステンレス網上で約40
0 μmの厚さにロール圧延し、150 ℃で真空乾燥した
後、所定の径に打ち抜いて、集電体と一体化した正極を
作製した。
【0049】一方、正極と同じ径に打ち抜いた金属リチ
ウム箔を集電体のステンレス網に圧着して、集電体と一
体化した負極を作成した。非水電解質としては、エチレ
ンカーボネートとジメチルカーボネートとの容積比1:2
の混合溶媒に6フッ化リン酸リチウム(LiPF6)1 mol/l濃
度で溶解した溶液を用いた。
ウム箔を集電体のステンレス網に圧着して、集電体と一
体化した負極を作成した。非水電解質としては、エチレ
ンカーボネートとジメチルカーボネートとの容積比1:2
の混合溶媒に6フッ化リン酸リチウム(LiPF6)1 mol/l濃
度で溶解した溶液を用いた。
【0050】以上の材料を用いて、図3に示す試験用二
次電池を組み立てた。図3において、1は正極、2は正
極と一体化したステンレス網製の正極集電体であり、集
電体2は正極缶3の内面にスポット溶接されている。4
は金属リチウム製の負極、5は負極と一体化した負極集
電体であり、この集電体が電池蓋部を構成する負極缶6
にスポット溶接されている。7はポリプロピレン不織布
よりなるセパレータで、この不織布に前記電解液が含浸
されている。8は絶縁パッキングである。電池の内部寸
法 (電極形成部の寸法) は、直径20.0 mm 、深さ1.6 mm
である。
次電池を組み立てた。図3において、1は正極、2は正
極と一体化したステンレス網製の正極集電体であり、集
電体2は正極缶3の内面にスポット溶接されている。4
は金属リチウム製の負極、5は負極と一体化した負極集
電体であり、この集電体が電池蓋部を構成する負極缶6
にスポット溶接されている。7はポリプロピレン不織布
よりなるセパレータで、この不織布に前記電解液が含浸
されている。8は絶縁パッキングである。電池の内部寸
法 (電極形成部の寸法) は、直径20.0 mm 、深さ1.6 mm
である。
【0051】この試験用非水電解質二次電池を用いて、
充電および放電電流をいずれも1.0mA/cm2の定電流にし
て、放電終止電圧3.0 V 、充電終止電圧4.3 V で充放電
を50サイクル繰り返した。
充電および放電電流をいずれも1.0mA/cm2の定電流にし
て、放電終止電圧3.0 V 、充電終止電圧4.3 V で充放電
を50サイクル繰り返した。
【0052】この充放電繰り返し試験における1サイク
ル目の放電容量を放電容量として記録し、50サイクル目
の容量維持率 (1サイクル目の放電容量に対する50サイ
クル目の放電容量の%) をサイクル寿命として記録し
た。この電池試験の結果を正極活物質の製造条件および
ピーク強度比の値と共に表1に示す。
ル目の放電容量を放電容量として記録し、50サイクル目
の容量維持率 (1サイクル目の放電容量に対する50サイ
クル目の放電容量の%) をサイクル寿命として記録し
た。この電池試験の結果を正極活物質の製造条件および
ピーク強度比の値と共に表1に示す。
【0053】本試験ではコイン型セルを用いて正極活物
質の性能を評価したが、円筒型またはペーパー型電池で
も同様の結果が得られる。評価の指標としては、容量≧
100mAh/g 、サイクル寿命≧90%が良好 (○) であり、
容量≧110 mAh/g 、サイクル寿命≧97%が非常に良好
(◎) である。
質の性能を評価したが、円筒型またはペーパー型電池で
も同様の結果が得られる。評価の指標としては、容量≧
100mAh/g 、サイクル寿命≧90%が良好 (○) であり、
容量≧110 mAh/g 、サイクル寿命≧97%が非常に良好
(◎) である。
【0054】(実施例2)二次焼成後の冷却を、冷却速度
60℃/分の急冷で室温まで冷却した以外は実施例1と同
様にして、リチウム後付けを伴う2段焼成によりリチウ
ムマンガンスピネルを合成した。
60℃/分の急冷で室温まで冷却した以外は実施例1と同
様にして、リチウム後付けを伴う2段焼成によりリチウ
ムマンガンスピネルを合成した。
【0055】(実施例3)二次焼成の前に、一次焼成物に
対して後付けとして添加する水酸化リチウムのの量を、
1.16 kg から0.25 kg に低減させ、目標組成をLi/Mnモ
ル比=0.535 に変更した点を除いて、実施例2と同様の
2段焼成 (二次焼成後は急冷) により、リチウムマンガ
ンスピネル113.91 kg を得た。
対して後付けとして添加する水酸化リチウムのの量を、
1.16 kg から0.25 kg に低減させ、目標組成をLi/Mnモ
ル比=0.535 に変更した点を除いて、実施例2と同様の
2段焼成 (二次焼成後は急冷) により、リチウムマンガ
ンスピネル113.91 kg を得た。
【0056】(比較例1)実施例1で採用したのと同様に
して一次焼成のみを実施して、一段焼成法によりLi/Mn
モル比=0.523 リチウムマンガンスピネル113.49 kg を
得た。
して一次焼成のみを実施して、一段焼成法によりLi/Mn
モル比=0.523 リチウムマンガンスピネル113.49 kg を
得た。
【0057】(比較例2)比較例1と同様に、実施例1に
おける一次焼成のみを実施したが、目標組成を実施例1
の二次焼成後と同じ、Li/Mnモル比=0.579 に増大させ
た。即ち、一次焼成の原料は、三二酸化マンガン68.50
kgと水酸化リチウム12.02 kgであり、実施例1と同様に
一次焼成だけを実施して、リチウムマンガンスピネル11
5.46 kgを得た。
おける一次焼成のみを実施したが、目標組成を実施例1
の二次焼成後と同じ、Li/Mnモル比=0.579 に増大させ
た。即ち、一次焼成の原料は、三二酸化マンガン68.50
kgと水酸化リチウム12.02 kgであり、実施例1と同様に
一次焼成だけを実施して、リチウムマンガンスピネル11
5.46 kgを得た。
【0058】以上の実施例2以降の生成物についても、
実施例1と同様に求めた、ピーク強度比および電池試験
の結果を、その製造条件と共に表1に示す。
実施例1と同様に求めた、ピーク強度比および電池試験
の結果を、その製造条件と共に表1に示す。
【0059】
【表1】 表1からわかるように、本発明に係るリチウムマンガン
スピネルからなる正極活物質は、容量とサイクル寿命の
いずれも良好である。また、実施例1と2を比べると、
二次焼成後の最後の冷却を急冷とすることにより、良好
なサイクル寿命を保持しながら、放電容量を高めること
ができることがわかる。
スピネルからなる正極活物質は、容量とサイクル寿命の
いずれも良好である。また、実施例1と2を比べると、
二次焼成後の最後の冷却を急冷とすることにより、良好
なサイクル寿命を保持しながら、放電容量を高めること
ができることがわかる。
【0060】一方、比較例に示した一段焼成では、Li/
Mnモル比が低めではサイクル寿命が悪く、Li/Mnモル比
を高くすると放電容量が悪くなり、サイクル寿命と放電
容量をバランスよく両立させることができない。
Mnモル比が低めではサイクル寿命が悪く、Li/Mnモル比
を高くすると放電容量が悪くなり、サイクル寿命と放電
容量をバランスよく両立させることができない。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、4V級で作動するリチ
ウム電池用正極活物質であるリチウムマンガンスピネル
について、従来は困難であった、放電容量とサイクル寿
命の両者をバランスよく実用に必要なレベルまで改善す
ることが可能となる。従って、本発明はリチウムイオン
二次電池の低価格化を可能にし、電気自動車や電力平準
化に求められているリチウムイオン二次電池の大型電池
化の実現に貢献するものである。
ウム電池用正極活物質であるリチウムマンガンスピネル
について、従来は困難であった、放電容量とサイクル寿
命の両者をバランスよく実用に必要なレベルまで改善す
ることが可能となる。従って、本発明はリチウムイオン
二次電池の低価格化を可能にし、電気自動車や電力平準
化に求められているリチウムイオン二次電池の大型電池
化の実現に貢献するものである。
【図1】本発明に係る正極活物質を構成するリチウムマ
ンガンスピネルのX線回折図の1例を示す。
ンガンスピネルのX線回折図の1例を示す。
【図2】本発明に係る正極活物質を構成するリチウムマ
ンガンスピネルについて、Li/Mnモル比とX線回折図に
おける "I(440)/I(511)" ピーク強度比とで規定した、
本発明の範囲および好ましい範囲を示す図。
ンガンスピネルについて、Li/Mnモル比とX線回折図に
おける "I(440)/I(511)" ピーク強度比とで規定した、
本発明の範囲および好ましい範囲を示す図。
【図3】実施例で作製したコイン型リチウム二次電池の
構成を示す断面図。
構成を示す断面図。
1:正極 2:正極集電体 3:正極外装缶 4:リチ
ウム負極 5:負極集電体6:負極外装缶 7:セパレ
ータ 8:封口材 (パッキング)
ウム負極 5:負極集電体6:負極外装缶 7:セパレ
ータ 8:封口材 (パッキング)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 聰 新潟県中頸城郡妙高高原町大字田口272番 地 中央電気工業株式会社内 (72)発明者 山戸 公史 新潟県中頸城郡妙高高原町大字田口272番 地 中央電気工業株式会社内 (72)発明者 林 幸治 新潟県中頸城郡妙高高原町大字田口272番 地 中央電気工業株式会社内 (72)発明者 宮下 孝洋 新潟県中頸城郡妙高高原町大字田口272番 地 中央電気工業株式会社内 Fターム(参考) 4G048 AA04 AB01 AB05 AC06 AD06 AE05 5H029 AJ03 AJ05 AK03 AL06 AL07 AL08 AL12 AL16 AM03 AM04 AM05 AM07 AM16 BJ03 CJ02 CJ08 HJ02 HJ13 HJ14 5H050 AA07 AA08 BA16 BA17 CA09 CB07 CB08 CB09 CB12 CB22 CB25 GA02 HA02 HA13 HA14
Claims (6)
- 【請求項1】 組成式:Li1+x Mn2-x O4 で表されるリ
チウムマンガンスピネルからなり、リチウムとマンガン
のモル比 "Li/Mn" と、X線回折図における面指数(44
0) のピーク強度と(511) のピーク強度の比 "I(440)/I
(511)" とが、下記A、B、C、D、Eの各点を結んだ
領域内にある非水電解質二次電池用正極活物質。 - 【請求項2】 酸化マンガンおよびその前駆物質から選
ばれたマンガン源と、リチウム化合物から選ばれたリチ
ウム源とを混合し、焼成することからなるリチウムマン
ガンスピネル型の非水電解質二次電池用正極活物質の製
造方法であって、前記マンガン源と前記リチウム源とを
Li/Mnモル比が 0.510〜0.687 の範囲となる割合で混合
し、前記焼成を少なくとも2段階で行い、前記リチウム
源の一部を第一段の焼成より後に添加することを特徴と
する方法。 - 【請求項3】 最終段の焼成後の冷却を10℃/分以上の
冷却速度での急冷により行う請求項2記載の方法。 - 【請求項4】 各段の焼成温度が 400〜900 ℃の範囲で
ある請求項2または3記載の非水電解質二次電池用正極
活物質の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1記載の活物質を含む正極を備え
たことを特徴とする非水電解質二次電池。 - 【請求項6】 請求項2ないし4のいずれかに記載の方
法により製造された活物質を含む正極を備えたことを特
徴とする非水電解質二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000386047A JP2002187722A (ja) | 2000-12-19 | 2000-12-19 | 非水電解質二次電池とその正極活物質および製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000386047A JP2002187722A (ja) | 2000-12-19 | 2000-12-19 | 非水電解質二次電池とその正極活物質および製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002187722A true JP2002187722A (ja) | 2002-07-05 |
Family
ID=18853213
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000386047A Withdrawn JP2002187722A (ja) | 2000-12-19 | 2000-12-19 | 非水電解質二次電池とその正極活物質および製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002187722A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004105162A1 (ja) * | 2003-05-26 | 2004-12-02 | Nec Corporation | 二次電池用正極活物質、二次電池用正極、二次電池、および二次電池用正極活物質の製造方法 |
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JP2022530125A (ja) * | 2019-04-26 | 2022-06-27 | ユミコア | 充電式リチウムイオン電池用の正極材料の調製方法 |
-
2000
- 2000-12-19 JP JP2000386047A patent/JP2002187722A/ja not_active Withdrawn
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