JP2002186856A - ディーゼル排ガス浄化触媒 - Google Patents
ディーゼル排ガス浄化触媒Info
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- JP2002186856A JP2002186856A JP2000404414A JP2000404414A JP2002186856A JP 2002186856 A JP2002186856 A JP 2002186856A JP 2000404414 A JP2000404414 A JP 2000404414A JP 2000404414 A JP2000404414 A JP 2000404414A JP 2002186856 A JP2002186856 A JP 2002186856A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明の目的は、従来の触媒よりも優れた燃
焼活性・耐久性を有する、ディーゼル排ガス浄化触媒を
提供することにある。 【解決手段】 (A)アルカリ金属の炭酸塩及び、
(B)Ti酸化物及びCe酸化物のうちから選ばれる少
なくとも1つの酸化物を含む混合物が800℃以下で焼
成されたものであることを特徴とするディーゼル排ガス
浄化触媒、並びに(A)アルカリ金属の炭酸塩、(B)
Ti酸化物及びCe酸化物のうちから選ばれる少なくと
も1つの酸化物及び(C)第VIII族元素の酸化物を
含む混合物が、800℃以下で焼成されたものであるこ
とを特徴とするディーゼル排ガス浄化触媒。
焼活性・耐久性を有する、ディーゼル排ガス浄化触媒を
提供することにある。 【解決手段】 (A)アルカリ金属の炭酸塩及び、
(B)Ti酸化物及びCe酸化物のうちから選ばれる少
なくとも1つの酸化物を含む混合物が800℃以下で焼
成されたものであることを特徴とするディーゼル排ガス
浄化触媒、並びに(A)アルカリ金属の炭酸塩、(B)
Ti酸化物及びCe酸化物のうちから選ばれる少なくと
も1つの酸化物及び(C)第VIII族元素の酸化物を
含む混合物が、800℃以下で焼成されたものであるこ
とを特徴とするディーゼル排ガス浄化触媒。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ンから排出される排ガスを浄化する触媒に関し、さらに
詳しくはディーゼルエンジンから排出される排ガス中に
含まれる粒子状物質〔Soot(すす)(固体炭素微粒
子、固体炭化水素微粒子)、SOF(有機溶剤可溶の炭
化水素微粒子)〕を燃焼除去するための排ガス浄化触媒
で、耐排ガス性能に優れた排ガス浄化触媒に関する。
ンから排出される排ガスを浄化する触媒に関し、さらに
詳しくはディーゼルエンジンから排出される排ガス中に
含まれる粒子状物質〔Soot(すす)(固体炭素微粒
子、固体炭化水素微粒子)、SOF(有機溶剤可溶の炭
化水素微粒子)〕を燃焼除去するための排ガス浄化触媒
で、耐排ガス性能に優れた排ガス浄化触媒に関する。
【0002】より詳しくは、ディーゼルエンジンから排
出される排ガス中の粒子状物質を、DPF(ディーゼル
パティキュレートフィルタ/排ガス浄化装置)で捕集
し、この物質が大気中に放出されるのを防止する際、本
発明による触媒をDPFに担持していれば、捕集した粒
子状物質を低温で燃焼除去できるような排ガス浄化触媒
に関する。
出される排ガス中の粒子状物質を、DPF(ディーゼル
パティキュレートフィルタ/排ガス浄化装置)で捕集
し、この物質が大気中に放出されるのを防止する際、本
発明による触媒をDPFに担持していれば、捕集した粒
子状物質を低温で燃焼除去できるような排ガス浄化触媒
に関する。
【0003】
【従来の技術】ディーゼルエンジンから排出される排ガ
ス中の粒子状物質は、人体に及ぼす影響が指摘されてい
ることから、早急な前記粒子状物質の低減対策が要望さ
れている。ディーゼルエンジン排ガス中の粒子状物質を
除去する方法としては、耐熱性のセラミックフィルタや
金属繊維フィルタ等のいわゆるDPFを用いて粒子状物
質をDPFに捕集し、電気ヒーター加熱、バーナー加熱
等により、捕集した粒子状物質を燃焼除去して、フィル
タを再生する方法が検討されている。
ス中の粒子状物質は、人体に及ぼす影響が指摘されてい
ることから、早急な前記粒子状物質の低減対策が要望さ
れている。ディーゼルエンジン排ガス中の粒子状物質を
除去する方法としては、耐熱性のセラミックフィルタや
金属繊維フィルタ等のいわゆるDPFを用いて粒子状物
質をDPFに捕集し、電気ヒーター加熱、バーナー加熱
等により、捕集した粒子状物質を燃焼除去して、フィル
タを再生する方法が検討されている。
【0004】その際、フィルタに燃焼触媒を担持し、低
温で粒子状物質を燃焼させることによって、フィルタ再
生のための電力や燃料消費を抑制する方法が検討されて
いる。
温で粒子状物質を燃焼させることによって、フィルタ再
生のための電力や燃料消費を抑制する方法が検討されて
いる。
【0005】また触媒性能をさらに向上させることによ
って、電気ヒーター加熱やバーナー加熱を行なわずに、
排ガスが有する熱のみで粒子状物質を燃焼除去する方法
も検討されている。この場合に触媒に求められる性能と
しては、低温で粒子状物質(Soot、SOF)を燃焼
できる優れた燃焼活性が第一に挙げられる。
って、電気ヒーター加熱やバーナー加熱を行なわずに、
排ガスが有する熱のみで粒子状物質を燃焼除去する方法
も検討されている。この場合に触媒に求められる性能と
しては、低温で粒子状物質(Soot、SOF)を燃焼
できる優れた燃焼活性が第一に挙げられる。
【0006】この際に重要となるのが触媒の耐久性であ
り、より詳しくは粒子状物質をフィルタで捕集する際、
触媒がディーゼル排ガスに晒されることによる劣化に対
する触媒の耐久性である。
り、より詳しくは粒子状物質をフィルタで捕集する際、
触媒がディーゼル排ガスに晒されることによる劣化に対
する触媒の耐久性である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の触媒よりも優れた燃焼活性・耐久性を有する、ディー
ゼル排ガス浄化触媒を提供することにある。
の触媒よりも優れた燃焼活性・耐久性を有する、ディー
ゼル排ガス浄化触媒を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、発明者は鋭意研究を重ねた結果、Ti酸化物及びC
e酸化物のうちから選ばれる少なくとも1つの酸化物
を、アルカリ金属炭酸塩と混合または混合焼成すること
により;より好ましくはTi酸化物及びCe酸化物のう
ちから選ばれる少なくとも1つの酸化物を、アルカリ金
属炭酸塩及び第VIII族元素の酸化物と混合または混
合焼成することにより、得られる触媒の燃焼活性・耐久
性が向上することを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
め、発明者は鋭意研究を重ねた結果、Ti酸化物及びC
e酸化物のうちから選ばれる少なくとも1つの酸化物
を、アルカリ金属炭酸塩と混合または混合焼成すること
により;より好ましくはTi酸化物及びCe酸化物のう
ちから選ばれる少なくとも1つの酸化物を、アルカリ金
属炭酸塩及び第VIII族元素の酸化物と混合または混
合焼成することにより、得られる触媒の燃焼活性・耐久
性が向上することを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】すなわち本発明は、(A)アルカリ金属の
炭酸塩及び、(B)Ti酸化物及びCe酸化物のうちか
ら選ばれる少なくとも1つの酸化物を含む混合物が80
0℃以下で焼成されたものであることを特徴とするディ
ーゼル排ガス浄化触媒を提供する。
炭酸塩及び、(B)Ti酸化物及びCe酸化物のうちか
ら選ばれる少なくとも1つの酸化物を含む混合物が80
0℃以下で焼成されたものであることを特徴とするディ
ーゼル排ガス浄化触媒を提供する。
【0010】さらに本発明は、(A)アルカリ金属の炭
酸塩、(B)Ti酸化物及びCe酸化物のうちから選ば
れる少なくとも1つの酸化物及び、(C)第VIII族
元素の酸化物を含む混合物が800℃以下で焼成された
ものであることを特徴とするディーゼル排ガス浄化触媒
を提供する。
酸塩、(B)Ti酸化物及びCe酸化物のうちから選ば
れる少なくとも1つの酸化物及び、(C)第VIII族
元素の酸化物を含む混合物が800℃以下で焼成された
ものであることを特徴とするディーゼル排ガス浄化触媒
を提供する。
【0011】また本発明は、(A)アルカリ金属の炭酸
塩及び、(B)Ti酸化物及びCe酸化物のうちから選
ばれる少なくとも1つの酸化物を含むことを特徴とする
ディーゼル排ガス浄化触媒を提供する。この触媒は、
(C)第VIII族元素の酸化物をさらに含んでいても
よい。
塩及び、(B)Ti酸化物及びCe酸化物のうちから選
ばれる少なくとも1つの酸化物を含むことを特徴とする
ディーゼル排ガス浄化触媒を提供する。この触媒は、
(C)第VIII族元素の酸化物をさらに含んでいても
よい。
【0012】前記(A)成分が、Na、K、Rb及びC
sのうちから選ばれる少なくとも1つのアルカリ金属か
らなる炭酸塩であってもよい。
sのうちから選ばれる少なくとも1つのアルカリ金属か
らなる炭酸塩であってもよい。
【0013】前記(C)成分が、Fe酸化物及びCo酸
化物のうちから選ばれる少なくとも1つの酸化物であっ
てもよい。
化物のうちから選ばれる少なくとも1つの酸化物であっ
てもよい。
【0014】(A)成分のアルカリ金属対(B)成分の
Ti及びCeの原子比(原子モル比)は、1:9〜9:
1の範囲とすることができる。
Ti及びCeの原子比(原子モル比)は、1:9〜9:
1の範囲とすることができる。
【0015】(A)成分のアルカリ金属対、(B)成分
のTi及びCeと(C)成分の第VIII族元素の合計
の原子比は1:9〜9:1の範囲とすることができる。
のTi及びCeと(C)成分の第VIII族元素の合計
の原子比は1:9〜9:1の範囲とすることができる。
【0016】(B)成分のTi及びCe対(C)成分の
第VIII族元素は、原子比で1:9〜19:1とする
ことができる。
第VIII族元素は、原子比で1:9〜19:1とする
ことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】触媒に(A)成分として含まれる
化合物としては、アルカリ金属を含む化合物であればど
のようなものでもよいが、好ましくはアルカリ金属の炭
酸塩である。この炭酸塩は、Na、K、Cs及びRbの
うちから選ばれる少なくとも1つのアルカリ金属からな
る炭酸塩であり、それぞれ1種のアルカリ金属を含む炭
酸塩を幾つか組み合わせて得られた炭酸塩混合体でもよ
い。
化合物としては、アルカリ金属を含む化合物であればど
のようなものでもよいが、好ましくはアルカリ金属の炭
酸塩である。この炭酸塩は、Na、K、Cs及びRbの
うちから選ばれる少なくとも1つのアルカリ金属からな
る炭酸塩であり、それぞれ1種のアルカリ金属を含む炭
酸塩を幾つか組み合わせて得られた炭酸塩混合体でもよ
い。
【0018】触媒に(B)成分として含まれるTi酸化
物としては、アナターゼ、ルチル、ブルッカイトなどの
結晶系酸化物が挙げられる。同じく(B)成分として含
まれるCe酸化物についても同様であり、Ti酸化物お
よびCe酸化物どちらも非晶質のものであっても良い。
物としては、アナターゼ、ルチル、ブルッカイトなどの
結晶系酸化物が挙げられる。同じく(B)成分として含
まれるCe酸化物についても同様であり、Ti酸化物お
よびCe酸化物どちらも非晶質のものであっても良い。
【0019】また(B)成分の酸化物を得るために、ア
ルカリ金属炭酸塩とTi元素の塩および/またはCe元
素の塩、必要ならばさらに第VIII族元素の塩もしく
は酸化物とを混合し、得られた混合物を焼成してもよ
い。この場合のTiおよびCe元素の塩としては、焼成
することにより酸化物となりうるものであれば特に限定
されない。たとえば、塩化チタンなどの塩化物、酢酸セ
リウムなどの酢酸塩が挙げられる。(B)成分を含有し
た触媒は、SO2被毒による触媒の活性低下を抑制する
効果に優れる。
ルカリ金属炭酸塩とTi元素の塩および/またはCe元
素の塩、必要ならばさらに第VIII族元素の塩もしく
は酸化物とを混合し、得られた混合物を焼成してもよ
い。この場合のTiおよびCe元素の塩としては、焼成
することにより酸化物となりうるものであれば特に限定
されない。たとえば、塩化チタンなどの塩化物、酢酸セ
リウムなどの酢酸塩が挙げられる。(B)成分を含有し
た触媒は、SO2被毒による触媒の活性低下を抑制する
効果に優れる。
【0020】触媒に(C)成分として含まれる第VII
I族元素の酸化物は、1種または2種以上の第VIII
族元素、あるいは1種または2種以上の第VIII族元
素の塩を焼成することにより得てもよい。また第VII
I族元素の酸化物を得るために、アルカリ金属炭酸塩と
1種または2種以上の第VIII族元素またはこれらの
塩とを混合し、得られた混合物を焼成してもよい。この
場合の第VIII族元素の塩としては、焼成することに
より酸化物となりうるものであれば特に限定されない。
たとえば、炭酸コバルトなどの炭酸塩、酢酸コバルトな
どの酢酸塩、硝酸コバルトのような硝酸塩が挙げられ
る。
I族元素の酸化物は、1種または2種以上の第VIII
族元素、あるいは1種または2種以上の第VIII族元
素の塩を焼成することにより得てもよい。また第VII
I族元素の酸化物を得るために、アルカリ金属炭酸塩と
1種または2種以上の第VIII族元素またはこれらの
塩とを混合し、得られた混合物を焼成してもよい。この
場合の第VIII族元素の塩としては、焼成することに
より酸化物となりうるものであれば特に限定されない。
たとえば、炭酸コバルトなどの炭酸塩、酢酸コバルトな
どの酢酸塩、硝酸コバルトのような硝酸塩が挙げられ
る。
【0021】本発明において、第VIII族元素の酸化
物を構成する第VIII族元素としては、Fe、Co、
Niから選ばれる少なくとも1つが挙げられる。第VI
II族元素の酸化物としては、Fe酸化物、Co酸化物
が特に好ましい。(B)成分に加えて(C)成分を含有
した触媒は、触媒の活性が向上し、好ましい。
物を構成する第VIII族元素としては、Fe、Co、
Niから選ばれる少なくとも1つが挙げられる。第VI
II族元素の酸化物としては、Fe酸化物、Co酸化物
が特に好ましい。(B)成分に加えて(C)成分を含有
した触媒は、触媒の活性が向上し、好ましい。
【0022】(A)アルカリ金属の炭酸塩と、(B)T
i酸化物及びCe酸化物のうちから選ばれる少なくとも
1つの酸化物、更にはこれらと(C)第VIII族元素
の酸化物との組み合わせについては特に限定されるもの
ではなく、これらの組み合わせを満たした触媒は、粒子
状物質の優れた燃焼促進作用を示す。
i酸化物及びCe酸化物のうちから選ばれる少なくとも
1つの酸化物、更にはこれらと(C)第VIII族元素
の酸化物との組み合わせについては特に限定されるもの
ではなく、これらの組み合わせを満たした触媒は、粒子
状物質の優れた燃焼促進作用を示す。
【0023】実際にディーゼル排ガスに含まれる粒子状
物質のSOF割合、Soot割合、あるいはそれら成分
自体の性質は、エンジンの型式・使用条件などにより大
きく変化し、さらには燃料の諸性状(セタン価、芳香族
分割合、添加剤の種類など)によっても変化する。した
がって実際に排出される粒子状物質の性質は、車両の実
走行で変化していくものと考えられ、その変化が大きい
場合に、より良好に触媒を作用させることができるよう
にするために、適宜、触媒中の各成分の混合比は変更す
ることができる。
物質のSOF割合、Soot割合、あるいはそれら成分
自体の性質は、エンジンの型式・使用条件などにより大
きく変化し、さらには燃料の諸性状(セタン価、芳香族
分割合、添加剤の種類など)によっても変化する。した
がって実際に排出される粒子状物質の性質は、車両の実
走行で変化していくものと考えられ、その変化が大きい
場合に、より良好に触媒を作用させることができるよう
にするために、適宜、触媒中の各成分の混合比は変更す
ることができる。
【0024】本発明では、アルカリ金属炭酸塩に、得ら
れる触媒の排ガス耐性向上のためにTi酸化物およびC
e酸化物のうちの少なくとも1つを組み合わせて、触媒
を生成する。
れる触媒の排ガス耐性向上のためにTi酸化物およびC
e酸化物のうちの少なくとも1つを組み合わせて、触媒
を生成する。
【0025】二成分系の場合の(A)、(B)成分の組
成比は、通常、(A)成分のアルカリ金属対(B)成分
のTiおよびCeの合計が、原子比で1:9〜9:1、
さらに好適には3:7〜7:3であることができる。ア
ルカリ金属に対し、TiおよびCeの原子比が1:9よ
り大きいと、触媒の優れた低温燃焼活性が得られないお
それがあり、一方、9:1より小さいと、SO2に対す
る触媒の耐性が十分に得られないおそれがあり好ましく
ない。
成比は、通常、(A)成分のアルカリ金属対(B)成分
のTiおよびCeの合計が、原子比で1:9〜9:1、
さらに好適には3:7〜7:3であることができる。ア
ルカリ金属に対し、TiおよびCeの原子比が1:9よ
り大きいと、触媒の優れた低温燃焼活性が得られないお
それがあり、一方、9:1より小さいと、SO2に対す
る触媒の耐性が十分に得られないおそれがあり好ましく
ない。
【0026】本発明では、第VIII族元素の酸化物が
触媒に含まれていなくても良いが、第VIII族元素の
酸化物を含む触媒の方が、第VIII族元素の酸化物を
含まない触媒よりも、初期燃焼活性、排ガス処理後燃焼
活性においてともにより良好となるため、より好まし
い。
触媒に含まれていなくても良いが、第VIII族元素の
酸化物を含む触媒の方が、第VIII族元素の酸化物を
含まない触媒よりも、初期燃焼活性、排ガス処理後燃焼
活性においてともにより良好となるため、より好まし
い。
【0027】この場合、(B)成分と(C)成分の組成
比は、Ti及びCe対第VIII族元素の原子比で1:
9〜19:1、さらに好適には1:1〜9:1であるこ
とができる。Ti及びCeに対し、第VIII族元素の
原子比が、1:9より大きいと、SO2に対する触媒の
耐性が十分に得られない場合がある。一方、19:1よ
り小さいと、触媒の低温燃焼活性が十分に得られないお
それがある。
比は、Ti及びCe対第VIII族元素の原子比で1:
9〜19:1、さらに好適には1:1〜9:1であるこ
とができる。Ti及びCeに対し、第VIII族元素の
原子比が、1:9より大きいと、SO2に対する触媒の
耐性が十分に得られない場合がある。一方、19:1よ
り小さいと、触媒の低温燃焼活性が十分に得られないお
それがある。
【0028】三成分系の場合は(A)〜(C)各成分の
組成比は、通常、(A)成分のアルカリ金属対、(B)
成分のTiおよびCeと(C)成分の第VIII族元素
との合計が、原子比で1:9〜9:1、さらに好適には
3:7〜7:3であることができる。(A)成分のアル
カリ金属に対し、(B)成分のTiおよびCeと(C)
成分の第VIII族元素との合計が、原子比で1:9よ
り大きいと、触媒の優れた低温燃焼活性が得られないお
それがある。一方、9:1より小さいと、SO2に対す
る触媒の耐性が十分に得られないおそれがあり好ましく
ない。
組成比は、通常、(A)成分のアルカリ金属対、(B)
成分のTiおよびCeと(C)成分の第VIII族元素
との合計が、原子比で1:9〜9:1、さらに好適には
3:7〜7:3であることができる。(A)成分のアル
カリ金属に対し、(B)成分のTiおよびCeと(C)
成分の第VIII族元素との合計が、原子比で1:9よ
り大きいと、触媒の優れた低温燃焼活性が得られないお
それがある。一方、9:1より小さいと、SO2に対す
る触媒の耐性が十分に得られないおそれがあり好ましく
ない。
【0029】調製された触媒パウダー中の各成分間の原
子比は、けい光X線分析法を用いて測定することがで
き、一方、フィルタや担体に担持された触媒中の各成分
間の原子比は、この触媒を溶液にしてこの溶液を誘導結
合プラズマ(ICP)測定にかけることで測定できる。
子比は、けい光X線分析法を用いて測定することがで
き、一方、フィルタや担体に担持された触媒中の各成分
間の原子比は、この触媒を溶液にしてこの溶液を誘導結
合プラズマ(ICP)測定にかけることで測定できる。
【0030】(B)成分として選定しているTi酸化物
やCe酸化物に含まれるTiやCeの硫酸塩は、分解温
度が非常に低い。換言すれば、TiやCeは排ガス中の
SO2による硫酸塩化が起こりにくい物質である。この
ような物質を触媒に添加することにより、触媒の耐排ガ
ス性能をより一層強化できる。
やCe酸化物に含まれるTiやCeの硫酸塩は、分解温
度が非常に低い。換言すれば、TiやCeは排ガス中の
SO2による硫酸塩化が起こりにくい物質である。この
ような物質を触媒に添加することにより、触媒の耐排ガ
ス性能をより一層強化できる。
【0031】次に、本発明に係る触媒の製造方法につい
て述べる。各成分の混合方法は、特に限定されないが、
通常、メタノール、エタノールなどの極性溶媒に、アル
カリ金属炭酸塩と、Ti酸化物およびCe酸化物の少な
くとも1つ、さらには必要に応じて第VIII族元素酸
化物を所定量加えてスラリー状とし、スラリー中のこれ
ら化合物をボールミルなどにより混合する方法がある。
また溶媒を用いずに乾式で、ボールミルや乳鉢などで前
記炭酸塩や前記酸化物をすりつぶして混合する方法があ
る。混合時間は両化合物が十分混合される範囲内でよ
く、通常、2〜20時間でよく、混合温度は5〜30℃
でよい。
て述べる。各成分の混合方法は、特に限定されないが、
通常、メタノール、エタノールなどの極性溶媒に、アル
カリ金属炭酸塩と、Ti酸化物およびCe酸化物の少な
くとも1つ、さらには必要に応じて第VIII族元素酸
化物を所定量加えてスラリー状とし、スラリー中のこれ
ら化合物をボールミルなどにより混合する方法がある。
また溶媒を用いずに乾式で、ボールミルや乳鉢などで前
記炭酸塩や前記酸化物をすりつぶして混合する方法があ
る。混合時間は両化合物が十分混合される範囲内でよ
く、通常、2〜20時間でよく、混合温度は5〜30℃
でよい。
【0032】このようにして得られた混合物から極性溶
媒を加熱や減圧等により除去し、空気中で通常、800
℃以下、好ましくは400〜600℃、通常、2〜10
時間、溶媒を除去した混合物を焼成することによって
も、本発明のディーゼル排ガス浄化触媒を得ることがで
きる。
媒を加熱や減圧等により除去し、空気中で通常、800
℃以下、好ましくは400〜600℃、通常、2〜10
時間、溶媒を除去した混合物を焼成することによって
も、本発明のディーゼル排ガス浄化触媒を得ることがで
きる。
【0033】本発明においては、各成分を混合後に、得
られた混合物を焼成しなくとも排ガスを浄化する十分な
効果が得られるが、焼成処理により触媒がより一層活性
化し、排ガスの浄化効果が安定になるので、焼成処理を
施す方が好ましい。
られた混合物を焼成しなくとも排ガスを浄化する十分な
効果が得られるが、焼成処理により触媒がより一層活性
化し、排ガスの浄化効果が安定になるので、焼成処理を
施す方が好ましい。
【0034】焼成後の本発明の触媒の構成成分は、混合
した成分により異なるが、前記(A)成分及び(B)成
分を混合した触媒で有れば、(A)アルカリ金属の炭酸
塩、(B)Ti酸化物及びCe酸化物から選ばれる少な
くとも1つの酸化物を含有する触媒である。
した成分により異なるが、前記(A)成分及び(B)成
分を混合した触媒で有れば、(A)アルカリ金属の炭酸
塩、(B)Ti酸化物及びCe酸化物から選ばれる少な
くとも1つの酸化物を含有する触媒である。
【0035】また、前記(A)成分、(B)成分及び
(C)成分を混合した触媒で有れば、(A)アルカリ金
属の炭酸塩、(B)Ti酸化物及びCe酸化物から選ば
れる少なくとも1つの酸化物、並びに(C)第VIII
族元素の酸化物を含有する触媒である。
(C)成分を混合した触媒で有れば、(A)アルカリ金
属の炭酸塩、(B)Ti酸化物及びCe酸化物から選ば
れる少なくとも1つの酸化物、並びに(C)第VIII
族元素の酸化物を含有する触媒である。
【0036】単に各構成成分を混合して得られた触媒よ
りも、混合してさらに焼成処理を施した触媒の方が、燃
焼活性が高い。焼成処理により触媒構成成分に何らかの
化学的な変化があるとも考えられるが現在のところ詳細
は分かっていない。
りも、混合してさらに焼成処理を施した触媒の方が、燃
焼活性が高い。焼成処理により触媒構成成分に何らかの
化学的な変化があるとも考えられるが現在のところ詳細
は分かっていない。
【0037】ただし、混合焼成を行なうことにより、熱
による触媒の微細構造変化を行なっておくことで、触媒
に排ガスを流通したときに安定な活性が得られると考え
られる。微細構造変化として考えられるものは、(A)
成分、(B)成分及び(C)成分間の接触率が密になる
ことが挙げられる。各成分間の固溶の可能性も否定でき
ないが、X線回折では固溶状態を確認していない。
による触媒の微細構造変化を行なっておくことで、触媒
に排ガスを流通したときに安定な活性が得られると考え
られる。微細構造変化として考えられるものは、(A)
成分、(B)成分及び(C)成分間の接触率が密になる
ことが挙げられる。各成分間の固溶の可能性も否定でき
ないが、X線回折では固溶状態を確認していない。
【0038】得られる触媒中の粒子の平均粒径は、0.
1〜50μm、好ましくは1〜50μmである。触媒中
の(A)〜(C)成分は1つの粒子に含まれていてもよ
く、若しくは各成分がそれぞれ別の粒子として触媒中に
存在していてもよい。
1〜50μm、好ましくは1〜50μmである。触媒中
の(A)〜(C)成分は1つの粒子に含まれていてもよ
く、若しくは各成分がそれぞれ別の粒子として触媒中に
存在していてもよい。
【0039】(A)成分と(B)成分を混合焼成して得
られた触媒の電子顕微鏡写真〔日本電子社製走査型電子
顕微鏡(SEM)使用、20keV、倍率1000倍の
写真をさらに拡大したもの〕の一例を、図1および図2
に示す。図1は2次電子像写真、図2は反射電子像写真
であり、どちらも同一視野で撮った写真である。これら
の写真から、1つの粒子が2つの成分で構成されている
ことが判る(成分の違いが明暗の違いとなって表されて
いる)が、本発明の触媒はこのような粒子形態に限定さ
れるものではない。
られた触媒の電子顕微鏡写真〔日本電子社製走査型電子
顕微鏡(SEM)使用、20keV、倍率1000倍の
写真をさらに拡大したもの〕の一例を、図1および図2
に示す。図1は2次電子像写真、図2は反射電子像写真
であり、どちらも同一視野で撮った写真である。これら
の写真から、1つの粒子が2つの成分で構成されている
ことが判る(成分の違いが明暗の違いとなって表されて
いる)が、本発明の触媒はこのような粒子形態に限定さ
れるものではない。
【0040】本発明に係る触媒の性能を損なわない範囲
でその他の物質を触媒に混合することができる。この物
質は、例えば、アルミナ、ジルコニア、シリカ−アルミ
ナなどである。
でその他の物質を触媒に混合することができる。この物
質は、例えば、アルミナ、ジルコニア、シリカ−アルミ
ナなどである。
【0041】本発明のディーゼル排ガス浄化触媒を担持
するフィルタ(担体)は、セラミック製フィルタ、金属
製フィルタ等如何なるものでも適用でき、該フィルタは
DPFとして好適に用いられているものが好ましく、例
えば、SiC繊維フィルタ、セラミックフォーム、オー
プンフローのセラミックハニカム、ウォールフロータイ
プのハニカムモノリス、オープンフロータイプのメタル
ハニカム、金属発泡体、メタルメッシュ等が挙げられ
る。
するフィルタ(担体)は、セラミック製フィルタ、金属
製フィルタ等如何なるものでも適用でき、該フィルタは
DPFとして好適に用いられているものが好ましく、例
えば、SiC繊維フィルタ、セラミックフォーム、オー
プンフローのセラミックハニカム、ウォールフロータイ
プのハニカムモノリス、オープンフロータイプのメタル
ハニカム、金属発泡体、メタルメッシュ等が挙げられ
る。
【0042】フィルタへの触媒担持量は、用途や要求性
能により適宜選択することができるが、通常、5〜10
0g/Lであり、平面状フィルタであれば、5〜20m
g/cm2である。
能により適宜選択することができるが、通常、5〜10
0g/Lであり、平面状フィルタであれば、5〜20m
g/cm2である。
【0043】また、ディーゼル排ガス浄化触媒を、DP
Fやその他の担体に担持する方法としては、触媒をスラ
リー状にして担持するスラリーコート法;スラリー状の
触媒をフィルタ等に吹きかけそして乾燥して担持するス
プレーコート法;触媒を分散させた溶媒に、フィルタを
浸せきさせそして乾燥することで担持するウォッシュコ
ート法等如何なる方法でも適用できる。
Fやその他の担体に担持する方法としては、触媒をスラ
リー状にして担持するスラリーコート法;スラリー状の
触媒をフィルタ等に吹きかけそして乾燥して担持するス
プレーコート法;触媒を分散させた溶媒に、フィルタを
浸せきさせそして乾燥することで担持するウォッシュコ
ート法等如何なる方法でも適用できる。
【0044】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではないことはいうまでもない。
する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではないことはいうまでもない。
【0045】(実施例1)炭酸カリウム(K2CO3)
と、酸化コバルト(Co2O3)と、酸化チタン(Ti
O2)を所定量、エタノール300ml中に加えてスラ
リーとし、スラリー中のこれら化合物をボールミルによ
り12時間混合した後、エタノールを加熱蒸発させ、5
00℃で5時間焼成し、K:Co:Ti=2:1.5:
0.5(原子比)となる触媒を得た。
と、酸化コバルト(Co2O3)と、酸化チタン(Ti
O2)を所定量、エタノール300ml中に加えてスラ
リーとし、スラリー中のこれら化合物をボールミルによ
り12時間混合した後、エタノールを加熱蒸発させ、5
00℃で5時間焼成し、K:Co:Ti=2:1.5:
0.5(原子比)となる触媒を得た。
【0046】(実施例2)炭酸カリウム(K2CO3)
と、酸化コバルト(Co2O3)と、酸化チタン(Ti
O2)を所定量、エタノール300ml中に加えてスラ
リーとし、スラリー中のこれら化合物をボールミルによ
り12時間混合した後、エタノールを加熱蒸発させ、5
00℃で5時間焼成し、K:Co:Ti=2:1:1
(原子比)となる触媒を得た。
と、酸化コバルト(Co2O3)と、酸化チタン(Ti
O2)を所定量、エタノール300ml中に加えてスラ
リーとし、スラリー中のこれら化合物をボールミルによ
り12時間混合した後、エタノールを加熱蒸発させ、5
00℃で5時間焼成し、K:Co:Ti=2:1:1
(原子比)となる触媒を得た。
【0047】(実施例3)炭酸カリウム(K2CO3)
と、酸化コバルト(Co2O3)と、酸化セリウム(C
eO2)を所定量、エタノール300ml中に加えてス
ラリーとし、スラリー中のこれら化合物をボールミルに
より12時間混合した後、エタノールを加熱蒸発させ、
500℃で5時間焼成し、K:Co:Ce=2:1.
5:0.5(原子比)となる触媒を得た。
と、酸化コバルト(Co2O3)と、酸化セリウム(C
eO2)を所定量、エタノール300ml中に加えてス
ラリーとし、スラリー中のこれら化合物をボールミルに
より12時間混合した後、エタノールを加熱蒸発させ、
500℃で5時間焼成し、K:Co:Ce=2:1.
5:0.5(原子比)となる触媒を得た。
【0048】(実施例4)炭酸カリウム(K2CO3)
と、酸化コバルト(Co2O3)と、酸化セリウム(C
eO2)を所定量、エタノール300ml中に加えてス
ラリーとし、スラリー中のこれら化合物をボールミルに
より12時間混合した後、エタノールを加熱蒸発させ、
500℃で5時間焼成し、K:Co:Ce=2:1:1
(原子比)となる触媒を得た。
と、酸化コバルト(Co2O3)と、酸化セリウム(C
eO2)を所定量、エタノール300ml中に加えてス
ラリーとし、スラリー中のこれら化合物をボールミルに
より12時間混合した後、エタノールを加熱蒸発させ、
500℃で5時間焼成し、K:Co:Ce=2:1:1
(原子比)となる触媒を得た。
【0049】(実施例5)炭酸カリウム(K2CO3)
と酸化セリウム(CeO2)を所定量、エタノール30
0ml中に加えてスラリーとし、スラリー中のこれら化
合物をボールミルにより12時間混合した後、エタノー
ルを加熱蒸発させ、500℃で5時間焼成し、K:Ce
=1:1(原子比)となる触媒を得た。
と酸化セリウム(CeO2)を所定量、エタノール30
0ml中に加えてスラリーとし、スラリー中のこれら化
合物をボールミルにより12時間混合した後、エタノー
ルを加熱蒸発させ、500℃で5時間焼成し、K:Ce
=1:1(原子比)となる触媒を得た。
【0050】(実施例6)炭酸カリウム(K2CO3)
と酸化コバルト(Co2O3)と酸化セリウム(CeO
2)をK:Co:Ce=2:1:1(原子比)となるよ
う秤量し、これら化合物を乳鉢ですりつぶし、これらを
混合して触媒を得た。
と酸化コバルト(Co2O3)と酸化セリウム(CeO
2)をK:Co:Ce=2:1:1(原子比)となるよ
う秤量し、これら化合物を乳鉢ですりつぶし、これらを
混合して触媒を得た。
【0051】(比較例1)炭酸カリウム(K2CO3)
と酸化鉄(Fe2O3)を所定量、エタノール300m
l中に加えてスラリーとし、スラリー中のこれら化合物
をボールミルにより12時間混合した後、エタノールを
加熱蒸発させ、500℃で5時間焼成し、K:Fe=
1:1(原子比)となる触媒を得た。
と酸化鉄(Fe2O3)を所定量、エタノール300m
l中に加えてスラリーとし、スラリー中のこれら化合物
をボールミルにより12時間混合した後、エタノールを
加熱蒸発させ、500℃で5時間焼成し、K:Fe=
1:1(原子比)となる触媒を得た。
【0052】(比較例2)炭酸カリウム(K2CO3)
と酸化コバルト(Co2O3)を所定量、エタノール3
00ml中に加えてスラリーとし、スラリー中のこれら
化合物をボールミルにより12時間混合した後、エタノ
ールを加熱蒸発させ、500℃で5時間焼成し、K:C
o=1:1(原子比)となる触媒を得た。
と酸化コバルト(Co2O3)を所定量、エタノール3
00ml中に加えてスラリーとし、スラリー中のこれら
化合物をボールミルにより12時間混合した後、エタノ
ールを加熱蒸発させ、500℃で5時間焼成し、K:C
o=1:1(原子比)となる触媒を得た。
【0053】以上の触媒について以下に基づき活性評価
を行なった。実施例1から5および比較例1、2それぞ
れの触媒について、金属繊維フィルタ(繊維径50μ
m、目付け重量1400g/m2)に触媒を、担持量1
0mg/cm2(g/L)となるようにスプレーコート
して得た触媒担持粒子状物質捕集フィルタをそれぞれ作
成した。各フィルタを直径1インチ(2.54cm)に
切り抜いて得た劣化試験用フィルタに、600℃にて9
2ppmSO2/10%O2/N2(モデル排ガス)を
24時間流通することによる劣化試験を行なった。
を行なった。実施例1から5および比較例1、2それぞ
れの触媒について、金属繊維フィルタ(繊維径50μ
m、目付け重量1400g/m2)に触媒を、担持量1
0mg/cm2(g/L)となるようにスプレーコート
して得た触媒担持粒子状物質捕集フィルタをそれぞれ作
成した。各フィルタを直径1インチ(2.54cm)に
切り抜いて得た劣化試験用フィルタに、600℃にて9
2ppmSO2/10%O2/N2(モデル排ガス)を
24時間流通することによる劣化試験を行なった。
【0054】次に、発電機ディーゼルエンジンにJIS
2号軽油をチャージし(満たし)、前記劣化試験で得ら
れたモデル排ガス処理済フィルタに一定条件でディーゼ
ル排ガスを流通させることによって、一定量(2.5m
g/cm2)の粒子状物質を捕集した。その後、このよ
うにして得た粒子状物質捕集済触媒担持フィルタを、遠
赤外線反応装置(真空理工社製、商品名:RHL−E4
5P(144V、4.8kW))にセットした。10%
O2/N2流通下、600℃に30秒ほどで到達させた
後、同温度保持を行なって、粒子状物質を燃焼させた際
のCO2発生推移を積算し、その90%が発生する時
間、すなわち600℃に到達した時間を0として、計測
CO2濃度積算総計の90%分のCO2が計測されるま
での時間(T90、単位秒)の比較を行なった。評価試
験終了後、粒子状物質がすべて燃え切っていることを確
認した。粒子状物質燃焼性能評価結果を表1に示す。
2号軽油をチャージし(満たし)、前記劣化試験で得ら
れたモデル排ガス処理済フィルタに一定条件でディーゼ
ル排ガスを流通させることによって、一定量(2.5m
g/cm2)の粒子状物質を捕集した。その後、このよ
うにして得た粒子状物質捕集済触媒担持フィルタを、遠
赤外線反応装置(真空理工社製、商品名:RHL−E4
5P(144V、4.8kW))にセットした。10%
O2/N2流通下、600℃に30秒ほどで到達させた
後、同温度保持を行なって、粒子状物質を燃焼させた際
のCO2発生推移を積算し、その90%が発生する時
間、すなわち600℃に到達した時間を0として、計測
CO2濃度積算総計の90%分のCO2が計測されるま
での時間(T90、単位秒)の比較を行なった。評価試
験終了後、粒子状物質がすべて燃え切っていることを確
認した。粒子状物質燃焼性能評価結果を表1に示す。
【0055】比較例1、2で示す通り、モデル排ガス処
理を行なう前では酸化チタン、酸化セリウムを加えてい
ない触媒でも、T90は300〜400秒前後の活性を
示す。ただしこれらの触媒に、600℃にて92ppm
SO2/10%O2/N2を流通し24時間処理する
と、T90が4〜5倍に大きくなった。比較例1、2に
ついても、評価試験終了後、粒子状物質がすべて燃え切
っていることを確認したが、触媒を担持していないフィ
ルタの粒子状物質は燃え残った。
理を行なう前では酸化チタン、酸化セリウムを加えてい
ない触媒でも、T90は300〜400秒前後の活性を
示す。ただしこれらの触媒に、600℃にて92ppm
SO2/10%O2/N2を流通し24時間処理する
と、T90が4〜5倍に大きくなった。比較例1、2に
ついても、評価試験終了後、粒子状物質がすべて燃え切
っていることを確認したが、触媒を担持していないフィ
ルタの粒子状物質は燃え残った。
【0056】本発明の触媒は実施例1〜5に示している
が、Co酸化物の一部あるいは全部をCe酸化物または
Ti酸化物にて置き換えることにより、T90の増加は
2倍程度に抑えることができ、排ガス処理後でも良好に
作用する触媒素材であることが判る。また、実施例5と
他の実施例との比較が示す通り、Co酸化物全量を、C
e酸化物またはTi酸化物で置き換えるよりも、その一
部を置き換えた触媒の方が触媒性能に優れていることが
判る。
が、Co酸化物の一部あるいは全部をCe酸化物または
Ti酸化物にて置き換えることにより、T90の増加は
2倍程度に抑えることができ、排ガス処理後でも良好に
作用する触媒素材であることが判る。また、実施例5と
他の実施例との比較が示す通り、Co酸化物全量を、C
e酸化物またはTi酸化物で置き換えるよりも、その一
部を置き換えた触媒の方が触媒性能に優れていることが
判る。
【0057】
【表1】
【0058】実施例4(焼成あり)、実施例6(焼成な
し)の触媒それぞれについて、以下に基づく粒子状物質
燃焼模擬実験を行なった。模擬粒子状物質として、活性
炭(商品名「カルボラフィン」、武田薬品工業株式会社
製)を用いた。触媒と活性炭が1:1(重量比)になる
よう各々を秤量し、これらを乳鉢ですりつぶして十分に
粉砕混合を行なって試料を得た。
し)の触媒それぞれについて、以下に基づく粒子状物質
燃焼模擬実験を行なった。模擬粒子状物質として、活性
炭(商品名「カルボラフィン」、武田薬品工業株式会社
製)を用いた。触媒と活性炭が1:1(重量比)になる
よう各々を秤量し、これらを乳鉢ですりつぶして十分に
粉砕混合を行なって試料を得た。
【0059】これら試料を熱天秤装置(商品名「TG/
DTA6300」、セイコーインストゥルメンツ社製)
を用い評価した。試料10mgをこの装置にセットし、
10%O2/N2気流中、10℃/minの速度で連続
昇温しながら、活性炭の重量減少を観察した。比較結果
を表2に示す。
DTA6300」、セイコーインストゥルメンツ社製)
を用い評価した。試料10mgをこの装置にセットし、
10%O2/N2気流中、10℃/minの速度で連続
昇温しながら、活性炭の重量減少を観察した。比較結果
を表2に示す。
【0060】表2から、実施例4にて生成した焼成触媒
の方が、実施例6にて生成した混合触媒(焼成なし)よ
り、80℃ほど低温で燃焼していることがわかる。
の方が、実施例6にて生成した混合触媒(焼成なし)よ
り、80℃ほど低温で燃焼していることがわかる。
【0061】
【表2】
【0062】以上の結果から、Ti酸化物及びCe酸化
物のうちから選ばれる少なくとも1つの酸化物を含む本
発明のディーゼル排ガス浄化触媒は、DPFに捕集され
た粒子状物質の燃焼を助ける燃焼活性および排ガスに対
する耐久性において、従来のディーゼル排ガス浄化触媒
よりも優れていることが判る。
物のうちから選ばれる少なくとも1つの酸化物を含む本
発明のディーゼル排ガス浄化触媒は、DPFに捕集され
た粒子状物質の燃焼を助ける燃焼活性および排ガスに対
する耐久性において、従来のディーゼル排ガス浄化触媒
よりも優れていることが判る。
【0063】また、本発明の触媒の中でも、Ti酸化物
及びCe酸化物のうちから選ばれる少なくとも1つの酸
化物を含む混合物を焼成して得た触媒の方が、焼成しな
いで得た触媒よりも燃焼活性に優れることが判る。
及びCe酸化物のうちから選ばれる少なくとも1つの酸
化物を含む混合物を焼成して得た触媒の方が、焼成しな
いで得た触媒よりも燃焼活性に優れることが判る。
【図1】 (A)成分と(B)成分を混合焼成して得ら
れた触媒の電子顕微鏡写真(2次電子像)である。
れた触媒の電子顕微鏡写真(2次電子像)である。
【図2】 (A)成分と(B)成分を混合焼成して得ら
れた触媒の電子顕微鏡写真(反射電子像)である。
れた触媒の電子顕微鏡写真(反射電子像)である。
フロントページの続き Fターム(参考) 3G090 AA01 AA03 3G091 AA18 AB02 AB13 BA01 BA11 GB01W GB01X GB02W GB02X 4D048 AA14 AB01 BA07X BA14X BA19X BA36X BA37X BA41X BA42X BA45X BB01 BB02 BB14 CC38 4G069 AA03 AA08 BA04A BB04A BB04B BB06A BB06B BB16A BB16B BC01A BC02A BC03A BC03B BC05A BC06A BC43A BC43B BC50A BC50B BC65A BC66A BC67A CA02 CA03 CA07 CA18 EA27 FA01 FB30 FC07 FC08
Claims (9)
- 【請求項1】 (A)アルカリ金属の炭酸塩及び、
(B)Ti酸化物及びCe酸化物のうちから選ばれる少
なくとも1つの酸化物を含む混合物が800℃以下で焼
成されたものであることを特徴とするディーゼル排ガス
浄化触媒。 - 【請求項2】 (A)アルカリ金属の炭酸塩、(B)T
i酸化物及びCe酸化物のうちから選ばれる少なくとも
1つの酸化物及び、(C)第VIII族元素の酸化物を
含む混合物が800℃以下で焼成されたものであること
を特徴とするディーゼル排ガス浄化触媒。 - 【請求項3】 (A)アルカリ金属の炭酸塩及び、
(B)Ti酸化物及びCe酸化物のうちから選ばれる少
なくとも1つの酸化物を含むことを特徴とするディーゼ
ル排ガス浄化触媒。 - 【請求項4】 (C)第VIII族元素の酸化物をさら
に含むことを特徴とする請求項3に記載のディーゼル排
ガス浄化触媒。 - 【請求項5】 (A)成分が、Na、K、Rb及びCs
のうちから選ばれる少なくとも1つのアルカリ金属から
なる炭酸塩であることを特徴とする請求項1〜4のいず
れか1つに記載のディーゼル排ガス浄化触媒。 - 【請求項6】 (C)成分が、Fe酸化物及びCo酸化
物のうちから選ばれる少なくとも1つの酸化物であるこ
とを特徴とする請求項2、4または5に記載のディーゼ
ル排ガス浄化触媒。 - 【請求項7】 (A)成分のアルカリ金属対(B)成分
のTi及びCeの原子比が、1:9〜9:1の範囲にあ
ることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載
のディーゼル排ガス浄化触媒。 - 【請求項8】 (A)成分のアルカリ金属対、(B)成
分のTi及びCeと(C)成分の第VIII族元素の合
計の原子比が、1:9〜9:1の範囲にあることを特徴
とする請求項2または4〜7のいずれか1つに記載のデ
ィーゼル排ガス浄化触媒。 - 【請求項9】 (B)成分のTi及びCe対(C)成分
の第VIII族元素が、原子比で1:9〜19:1であ
ることを特徴とする請求項2または4〜8のいずれか1
つに記載のディーゼル排ガス浄化触媒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000404414A JP2002186856A (ja) | 2000-12-21 | 2000-12-21 | ディーゼル排ガス浄化触媒 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000404414A JP2002186856A (ja) | 2000-12-21 | 2000-12-21 | ディーゼル排ガス浄化触媒 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002186856A true JP2002186856A (ja) | 2002-07-02 |
Family
ID=18868373
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000404414A Pending JP2002186856A (ja) | 2000-12-21 | 2000-12-21 | ディーゼル排ガス浄化触媒 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002186856A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006336506A (ja) * | 2005-05-31 | 2006-12-14 | Honda Motor Co Ltd | 排ガス浄化装置 |
JP2007160297A (ja) * | 2005-11-21 | 2007-06-28 | Kumamoto Univ | Pm燃焼用酸化触媒、これを用いたディーゼル機関排ガスの浄化方法、フィルター及び浄化装置 |
JP2010523304A (ja) * | 2007-04-05 | 2010-07-15 | ナノ−エックス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 触媒活性を有する被覆材料、および該被覆材料の使用 |
-
2000
- 2000-12-21 JP JP2000404414A patent/JP2002186856A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006336506A (ja) * | 2005-05-31 | 2006-12-14 | Honda Motor Co Ltd | 排ガス浄化装置 |
JP2007160297A (ja) * | 2005-11-21 | 2007-06-28 | Kumamoto Univ | Pm燃焼用酸化触媒、これを用いたディーゼル機関排ガスの浄化方法、フィルター及び浄化装置 |
JP2010523304A (ja) * | 2007-04-05 | 2010-07-15 | ナノ−エックス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 触媒活性を有する被覆材料、および該被覆材料の使用 |
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