JP2019136632A - 燃焼触媒 - Google Patents

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亮介 澤
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Abstract

【課題】ディーゼルエンジンの排気ガスを浄化する排気ガス浄化フィルタに酸化触媒を担持した場合において、従来に比べて、セシウムとバナジウムの複合酸化物の触媒活性が向上することでカーボンの燃焼を低温で行い得る脱白金系の燃焼触媒の提供。【解決手段】バナジウムに対するセシウムのモル比(Cs/V)が1.0であるセシウムとバナジウムの複合酸化物のバナジウムの一部が、ゲルマニウムあるいはコバルトで置換された複合化合物を含む。【選択図】なし

Description

本開示は燃焼触媒に関する。
固体状炭素微粒子、固体状の高分子量炭化水素微粒子等のパーティキュレートが、例えば、ディーゼルエンジンから排出される。このようなパーティキュレートは、その粒径が、約1μm以下であることが多く、大気中に浮遊しやすい。その結果、パーティキュレートは、呼吸により人体に取り込まれやすい。
また、ディーゼルエンジンの排気ガス中のパーティキュレートには、ベンゾピレン等の発ガン性物質が含まれており、人体への影響が懸念されている。このため、ディーゼルエンジンから排出されるパーティキュレートを高効率に除去することが求められている。
近年、セラミックハニカム、セラミックフォーム、金属発泡体等の耐熱性の排気ガス浄化フィルタでパーティキュレートを除去する方法が開発されている。具体的には、排気ガス浄化フィルタで排気ガス中のパーティキュレートを捕集する。ここで、排気ガス浄化フィルタにおけるパーティキュレートの堆積量の増加により、排気ガス浄化フィルタの背圧が上昇した場合、バーナー又はヒーター等で排気ガス浄化フィルタを加熱する。すると、排気ガス浄化フィルタに堆積したパーティキュレートが燃焼することで、パーティキュレートを炭素ガスに変えて外部に放出できる。これにより、排気ガス浄化フィルタが再生される。
しかし、この場合、排気ガス浄化フィルタに捕集したパーティキュレートを高温で燃焼させるには、大量のエネルギーが必要となる。また、パーティキュレートの燃焼温度が高温であるので、排気ガス浄化フィルタの溶解、割れが生じる恐れがある。
そこで、排気ガス浄化フィルタの再生において、排気ガス浄化フィルタに担持された酸化触媒の作用によりパーティキュレートを燃焼させることで、バーナー又はヒーター等による燃焼温度の高温化を軽減することが提案されている。
例えば、耐熱性の排気ガス浄化フィルタに予め酸化触媒を担持させ、パーティキュレートの捕集とともに燃焼反応を発生させる方法が検討されている。このような排気ガス浄化フィルタでは、酸化触媒として、従来から白金等の貴金属を用いることが多い。
しかし、貴金属供給のリスクヘッジの観点から、排気ガス浄化フィルタに担持する触媒金属(白金等の貴金属)の量を低減することが望まれている。このため、特許文献1及び特許文献2では、脱白金系の燃焼触媒が提案されている。
特開2007−255326号公報 国際公開第2012/147333号公報
しかし、従来例は、脱白金系の燃焼触媒におけるカーボンの燃焼温度の低温化については十分に検討されていない。
本開示の一態様(aspect)は、このような事情に鑑みてなされたものであり、従来に比べて、セシウムとバナジウムの複合酸化物の触媒活性が向上することでカーボンの燃焼を低温で行い得る燃焼触媒を提供する。
上記の課題を解決するため、本開示の一態様の燃焼触媒は、バナジウムに対するセシウムのモル比(Cs/V)が1.0であるセシウムとバナジウムの複合酸化物のバナジウムの一部が、ゲルマニウムあるいはコバルトで置換された複合化合物を含む。
本開示の一態様の燃焼触媒は、従来に比べて、セシウムとバナジウムの複合酸化物の触媒活性が向上することでカーボンの燃焼を低温で行い得るという効果を奏する。
図1は、標準反応ギブスエネルギー(ΔG)の温度依存性をプロットしたエリンガム図の一例である。 図2Aは、実施例1の燃焼触媒のX線回折による構成解析結果の一例を示す図である。 図2Bは、実施例2の燃焼触媒のX線回折による構成解析結果の一例を示す図である。 図2Cは、比較例の燃焼触媒のX線回折による構成解析結果の一例を示す図である。 図3は、実施例1、実施例2及び比較例の評価粉末が充填された示差熱分析装置による微分示差熱量分析の結果の一例を示す図である。
ディーゼルエンジンの排気ガス温度は、ガソリンエンジンの排気ガス温度に比べて低い。このため、ディーゼルエンジンの排気ガスを浄化する排気ガス浄化フィルタに酸化触媒を担持した場合であっても、酸化触媒の酸化性能が不十分であると、バーナー又はヒーター等による高温の燃焼が必要になる場合がある。そして、この場合、燃焼に必要なエネルギーが増加する恐れがある。また、燃焼により酸化触媒が熱的に劣化し、触媒活性が低下する恐れがある。
このような状況において、従来よりも低温で十分な触媒性能を発揮し得る脱白金系の燃焼触媒の開発が望まれている。
そこで、セシウムとバナジウムを主成分とする複合酸化物(以下、Cs−V複合酸化物)を含む燃焼触媒によるカーボンの燃焼温度の低温化について鋭意検討が行われ、以下の知見が得られた。
なお、ここでは、Cs−V複合酸化物として、化学的安定性の観点から、バナジウムに対するセシウムのモル比(Cs/V)が1.0であるメタバナジン酸セシウム(CsVO)が用いられている。
<燃焼触媒によるカーボンの燃焼温度の予測>
まず、発明者らは、エリンガム図によって、Cs−V複合酸化物を含む燃焼触媒によるカーボンの燃焼温度を予測できることを見出した。
なお、エリンガム図とは、様々な酸化物の標準反応ギブスエネルギー(ΔG)の温度依存性をプロットとしたグラフである。つまり、ある温度において、エリンガム図の縦軸で取られている標準反応ギブスエネルギー(ΔG)が下方に位置している酸化物は、上方に位置している酸化物に比べて、酸化されやすい。
ここで、CsVO3−δの酸化反応及びCsVOの還元反応は、以下の反応式(1)で表される。また、カーボンの酸化反応及び一酸化炭素の還元反応は、以下の反応式(2)で表される。
Figure 2019136632
Figure 2019136632
図1には、反応式(1)及び反応式(2)に関する標準反応ギブスエネルギー(ΔG)の温度依存性をプロットとしたエリンガム図が示されている。このとき、ΔGは、以下の式(3)により導出した。
Figure 2019136632
式(3)において、Uは内部エネルギー、Sはエントロピー、Tは温度である。内部エネルギーUは、第一原理計算によって導出した。エントロピーSは、上記反応式(1)及び反応式(2)中の気体に関して、NIST−JANAF熱化学データ表の値を用いて導出した。
図1に示すように、反応式(1)に関する標準反応ギブスエネルギー(ΔG)の温度依存性のプロット線(実線)と、反応式(2)に関する標準反応ギブスエネルギー(ΔG)の温度依存性のプロット(点線)とは、交点Pにおいて交わる。
この交点Pの温度より低温側の領域においては、後者のプロット線(点線)が前者のプロット線(実線)よりも上方に位置しているので、一酸化炭素(CO)が還元されやすく、CsVO3−δが酸化されやすい。
この交点Pの温度より高温側の領域においては、前者のプロット線(実線)が後者のプロット線(点線)よりも上方に位置しているので、CsVOが還元されやすく、カーボン(C)が酸化されやすい。
以上により、Cs−V複合酸化物を含む燃焼触媒によるカーボンの燃焼温度は、上記の交点Pの温度との間で相関関係があり、この交点Pの温度が低温側にシフトする程、本燃焼触媒によるカーボンの燃焼温度を低減できる。
<置換元素>
図1の交点Pの温度を低温側にシフトするには、反応式(1)に関するΔGの温度依存性のプロット線(実線)の縦軸(温度がゼロケルビン)におけるΔGの値(ΔU)を原点に近づけるとよい。ここで、ΔUの絶対値は、Cs−V複合酸化物の酸素欠損生成エネルギーに相当する。つまり、Cs−V複合酸化物の酸素欠損生成エネルギーを小さくすると、交点Pの温度が低温側にシフトする。すると、Cs−V複合酸化物の触媒活性が向上することで、Cs−V複合酸化物を含む燃焼触媒によるカーボンの燃焼温度を低減できる。
そこで、発明者らは、Cs−V複合酸化物のバナジウムの一部を、バナジウムのイオン半径と同程度であって、バナジウムより価数の低い元素であるゲルマニウムあるいはコバルト(以下、置換元素)で置換することで、Cs−V複合酸化物を含む燃焼触媒によるカーボンの燃焼温度を低減できるのではないかと考えた。
なお、イオン半径がバナジウムと同程度の元素を選択した理由は、かかる元素であれば、バナジウムと置換されやすいからである。また、バナジウムより価数の低い元素を選択した理由は、かかる元素であれば、バナジウムに比べて酸素が欠損しやすいからである。
表1には、CsVOのバナジウムの一部を置換元素で置換した場合のΔUの計算結果(シミュレーション)が、CsVOのバナジウムを置換元素で置換しない場合のΔUの計算結果との比較において記載されている。
なお、ここでは、CsVOのバナジウムに対する置換元素の割合を濃度換算で3.13%から25%までの範囲になるように、シミュレーションモデルを変化させて、第一原理計算に基づいてΔUの計算が行われた。
Figure 2019136632
表1に示す如く、置換元素の濃度が3.13%から25%の範囲において、CsVOのバナジウムを置換元素で置換しない場合のΔUに比べて、CsVOのバナジウムの一部を置換元素で置換した場合のΔUの絶対値を小さくできることが分かった。つまり、置換元素の濃度が3.13%から25%の範囲において、Cs−V複合酸化物の酸素欠損生成エネルギーを小さくできるので、交点Pの温度が低温側にシフトする。これにより、Cs−V複合酸化物の触媒活性が向上することで、Cs−V複合酸化物を含む燃焼触媒によるカーボンの燃焼温度を低減できる。
なお、ここでは、母材として、CsVOを用いたが、バナジウムに対するセシウムのモル比(Cs/V)が1.0より大きく、かつ3.0以下であるCs−V複合酸化物を母材として用いてもよい。
以上の通り、発明者らは、Cs−V複合酸化物のバナジウムの一部を、バナジウムのイオン半径と同程度であって、バナジウムより価数の低い元素であるゲルマニウムあるいはコバルトで置換することにより、Cs−V複合酸化物の触媒活性を向上できることを見出し、以下の本開示の一態様に到達した。
すなわち、本開示の第1態様の燃焼触媒は、バナジウムに対するセシウムのモル比(Cs/V)が1.0であるセシウムとバナジウムの複合酸化物のバナジウムの一部が、ゲルマニウムあるいはコバルトで置換された複合化合物を含む。
かかる構成によると、従来に比べて、セシウムとバナジウムの複合酸化物の触媒活性が向上することでカーボンの燃焼を低温で行い得る。つまり、CsVOのバナジウムの一部をゲルマニウムあるいはコバルトを置換することで、Cs−V複合酸化物の酸素欠損生成エネルギーを小さくできるので、本態様の燃焼触媒によるカーボンの燃焼温度を低減できる。
本開示の第2態様の燃焼触媒は、第1態様の燃焼触媒において、CsV(1−X)Geの組成式で表され、Xの値が0.0313以上、0.25以下であってもよい。
上記の通り、CsV(1−X)GeのXの値が0.0313以上、0.25以下の範囲において、Cs−V複合酸化物の酸素欠損生成エネルギーを小さくできるので、本態様の燃焼触媒によるカーボンの燃焼温度を低減できる。
本開示の第3態様の燃焼触媒は、第1態様の燃焼触媒において、CsV(1−X)Coの組成式で表され、Xの値が0.0313以上、0.25以下であってもよい。
上記の通り、CsV(1−X)CoのXの値が0.0313以上、0.25以下の範囲において、Cs−V複合酸化物の酸素欠損生成エネルギーを小さくできるので、本態様の燃焼触媒によるカーボンの燃焼温度を低減できる。
<排気ガス浄化フィルタ>
本開示の一態様の排気ガス浄化フィルタは、上記の第1態様から第3態様のいずれかの一つの燃焼触媒(以下、実施形態の燃焼触媒)と、実施形態の燃焼触媒を担持するフィルタ基材とを備える。
フィルタ基材に、実施形態の燃焼触媒を担持させることにより、実施形態の燃焼触媒の比表面積が増大する。このため、排気ガス中のパーティキュレートと実施形態の燃焼触媒との接触確率を向上できる。
また、炭化ケイ素基材、コージェライト基材、メタル基材及びチタン酸アルミニウム基材のうちの少なくともいずれか一つを、上記のフィルタ基材に用いることができる。
また、排気ガス浄化フィルタの構成として、ウォールスルー型又はフロースルー型フィルタ等を用いることができるが、パーティキュレートを効率的に捕集する観点から、ウォールスルー型のフィルタであるディーゼルパーティキュレートフィルタ(DPF)を用いることが望ましい。
なお、以上のフィルタ基材及び排気ガス浄化フィルタの構成は例示であって、本例に限定されない。
[燃焼触媒の調製]
(実施例1)
以下、実施例1の燃焼触媒の調製について説明する。
まず、メタバナジン酸セシウム(CsVO、第一稀元素工業社製)に対して、酸化ゲルマニウム(GeO、高純度化学社製)を5%のモル濃度で添加した後、両者を乳鉢で均一に混合した。
次に、上記の混合材料をアルミナるつぼに入れ、電気炉(ヤマト科学社製マッフル炉FP410)を用いて、大気中、約1150℃の温度で約2時間焼成することにより、本実施例の燃焼触媒を合成した。
なお、以上の実施例1の燃焼触媒の調製方法は例示であって、本例に限定されない。
(実施例2)
以下、実施例2の燃焼触媒の調製について説明する。
まず、メタバナジン酸セシウム(CsVO、第一稀元素工業社製)に対して、硫酸コバルト水和物(CoSO・7HO、高純度化学社製)を5%のモル濃度で添加した後、両者を乳鉢で均一に混合した。
次に、上記の混合水溶液をアルミナるつぼに入れ、電気炉(ヤマト科学社製マッフル炉FP410)を用いて、大気中、約800℃の温度で約2時間焼成することにより、本実施例の燃焼触媒を合成した。
なお、以上の実施例2の燃焼触媒の調製方法は例示であって、本例に限定されない。
(比較例)
メタバナジン酸セシウム(CsVO、第一稀元素工業社製)の粉末を比較例の燃焼触媒に用いた。
[燃焼触媒の構造解析]
以下、実施例1−2及び比較例の燃焼触媒(粉末)のX線回折による構成解析について説明する。
図2Aは、実施例1の燃焼触媒のX線回折による構成解析結果の一例を示す図である。図2Bは、実施例2の燃焼触媒のX線回折による構成解析結果の一例を示す図である。図2Cは、比較例の燃焼触媒のX線回折による構成解析結果の一例を示す図である。
以上の構造解析は、X線回折装置(パナリティカル社製、X’Pert PRO MPD、ターゲット:Cu、加速電圧:45kV)を用いて行われた。
図2Aのデータ及び図2Cのデータの比較から理解できる通り、実施例1の燃焼触媒のX線回折による構成解析結果において、CsVOに由来するピークのみが観測された。よって、本構造解析結果は、実施例1の燃焼触媒が、ゲルマニウムが分離して存在せずに、CsVOのバナジウムの一部(約5%程度)がゲルマニウム(Ge)で置換されたCs−V複合酸化物(組成式:CsV0.95Ge0.05)を構成することを示していると考えられる。
図2Bのデータ及び図2Cのデータの比較から理解できる通り、実施例2の燃焼触媒のX線回折による構成解析結果において、CsVOに由来するピークのみが観測された。よって、本構造解析結果は、実施例2の燃焼触媒が、コバルトが分離して存在せずに、CsVOのバナジウムの一部(約5%程度)がコバルト(Co)で置換されたCs−V複合酸化物(組成式:CsV0.95Co0.05)を構成することを示していると考えられる。
[評価試験]
以下、実施例1−2及び比較例の燃焼触媒の評価試験の結果について説明する。この評価試験は、実施例1−2及び比較例のそれぞれの燃焼触媒を用い、パーティキュレートを模擬したカーボンブラックを燃焼した場合の最大燃焼温度を測定することで行われた。
まず、実施例1の評価粉末の調製方法について説明する。
実施例1の燃焼触媒(粉末)とカーボンブラックと炭化ケイ素粉末とを質量比で1:5:38になるように秤量する。そして、これらの粉末を乳鉢により均一に混合することで、実施例1の評価粉末を調製した。なお、このような質量比で触媒燃焼及び炭化ケイ素粉末を混合して評価粉末を調製し、評価試験(燃焼温度測定)を行うと、フィルタに燃焼触媒を担持した場合のデータに合致することが一般的に知られている。
実施例1の評価粉末中のカーボンブラックは、パーティキュレートを模擬した炭素粉末に相当し、一般社団法人日本粉体工業技術協会が販売するJIS試験用粉体1(12種カーボンブラック)を用いた。
また、実施例1の評価粉末中の炭化ケイ素粉末は、排気ガス浄化フィルタを構成するフィルタ基材を模擬した粉末に相当する。
なお、以上の評価粉末の調製方法は例示であって、本例に限定されない。また、実施例2及び比較例の評価粉末は、これらに対応する燃焼触媒を用いたこと以外は、上記と同様の調製方法で調製された。
次に、実施例1の評価粉末の評価方法について説明する。
実施例1の評価粉末を約5mg秤量し、アルミニウム容器へ充填した。そして、実施例1の評価粉末を充填したアルミニウム容器を示差熱分析装置(セイコーインスツル株式会社製、TG/DTA6200)に設置した。空気を100ml/minの流量を流した条件下で、炉内温度を10℃/minの割合で上昇させ、炭素燃焼に伴う発熱ピークの最大温度を最大燃焼温度として測定した。具体的には、図3には、このような微分示差熱量分析の結果が示されており、この曲線のピークに対応する温度が最大燃焼温度となる。そして、この最大燃焼温度が低温である程、カーボンブラックの低温での燃焼性能が高いことを表している。
なお、以上の評価粉末の評価方法は例示であって、本例に限定されない。また、実施例2及び比較例の評価粉末は、これらに対応する燃焼触媒を用いたこと以外は、上記と同様の評価方法で評価された。
表2には、実施例1−2及び比較例の評価粉末のそれぞれの最大燃焼温度(℃)の測定値が記載されている。
Figure 2019136632
表2に示す如く、実施例1の燃焼触媒は、比較例の燃焼触媒に比べて、最大燃焼温度が約14℃程度、低下していることが分かる。また、実施例2の燃焼触媒は、比較例の燃焼触媒に比べて、最大燃焼温度が約17℃程度、低下していることが分かる。
そして、上記の表1の計算結果によれば、CsVOのバナジウムに対する置換元素の割合(濃度)が3.13%から25%の範囲において、CsVOのバナジウムの一部を置換元素で置換した場合のΔUの絶対値は、CsVOのバナジウムを置換元素で置換しない場合のΔUに比べて十分に小さい。
よって、表1のΔUの計算結果と表2の評価試験の結果とから理解できる通り、Cs−V複合酸化物を含む燃焼触媒は、CsVOのバナジウムに対する置換元素の割合(濃度)を3.13%から25%の範囲にすることにより、比較例の燃焼触媒に比べて、Cs−V複合酸化物の触媒活性が向上することでカーボンの燃焼を低温で行い得る。
上記説明から、当業者にとっては、本開示の多くの改良及び他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本開示を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。また、本開示の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本開示の一態様は、従来に比べて、セシウムとバナジウムの複合酸化物の触媒活性が向上することでカーボンの燃焼を低温で行い得る燃焼触媒に利用できる。

Claims (3)

  1. バナジウムに対するセシウムのモル比(Cs/V)が1.0であるセシウムとバナジウムの複合酸化物のバナジウムの一部が、ゲルマニウムあるいはコバルトで置換された複合化合物を含む燃焼触媒。
  2. CsV(1−X)Geの組成式で表され、Xの値が0.0313以上、0.25以下である請求項1に記載の燃焼触媒。
  3. CsV(1−X)Coの組成式で表され、Xの値が0.0313以上、0.25以下である請求項1に記載の燃焼触媒。
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