JP2002186825A - ロータ構造体及びこれを備える調湿装置 - Google Patents

ロータ構造体及びこれを備える調湿装置

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JP2002186825A JP2000388712A JP2000388712A JP2002186825A JP 2002186825 A JP2002186825 A JP 2002186825A JP 2000388712 A JP2000388712 A JP 2000388712A JP 2000388712 A JP2000388712 A JP 2000388712A JP 2002186825 A JP2002186825 A JP 2002186825A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸着剤を有するハニカムロータについて、吸
着剤を再生するためにハニカムロータの一部分だけを加
熱する際の熱伝導による熱ロスを低減する。 【解決手段】 アルミ製のハニカム基材(51)の表面に
吸着剤を付着させることで、ハニカムロータのロータ本
体を形成する。円板状のハニカム基材(51)には、複数
のスリット部(54)を放射状に形成する。スリット部
(54)は、ハニカム基材(51)に切り込みを入れること
で形成される。このスリット部(54)が熱抵抗となり、
熱伝導による熱ロスが低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸着剤を有して調
湿等に利用されるロータ構造体、及びこのロータ構造体
を備える調湿装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ハニカム状に形成された基材
の表面に吸着剤が設けられるロータ構造体が知られてお
り、空気の湿度を調節する調湿装置等に利用されてい
る。例えば、特開平8−128681号公報には、上記
ロータ構造体を利用した調湿装置を空調機に適用し、空
調機に加湿機能を付加したものが開示されている。
【0003】上記調湿装置において、円板状のロータ構
造体は、吸湿部と再生部の両方に跨って配置されてい
る。ロータ構造体は、吸着部と再生部の両方に跨って配
置されている。このロータ構造体は、その一部が再生部
で室内空気と接触し、残りの部分が吸着部で室外空気と
接触する。また、回転ロータは、モータ等によって回転
駆動されている。
【0004】吸着部では、室外空気中の水分がロータ構
造体の吸着剤に吸着される。水分を吸着したロータ構造
体の一部分は、ロータ構造体の回転に伴って再生部へ移
動する。再生部には、ヒータ等によって加熱された室内
空気が送り込まれる。再生部では、供給された高温の室
内空気によってロータ構造体の吸着剤が加熱され、その
吸着剤から水分が脱着する。吸着剤から脱着した水分が
室内空気に付与され、室内空気が加湿される。そして、
再生部で加湿された室内空気を再び室内へ戻し、室内の
加湿を行うようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ロータ構造体を調湿装置に適用する場合には、次のよう
な問題があった。この問題点について説明する。上記調
湿装置では、ロータ構造体の一部分だけが再生部におい
て加熱される。ところが、再生部においてロータ構造体
に付与された熱は、熱伝導によって加熱されていないロ
ータ構造体の部分にまで伝わる。つまり、再生部で付与
された熱は、その一部が熱伝導によってロータ構造体の
周方向へ逃げてしまう。このため、熱伝導による熱ロス
の分だけ余計に再生部でロータ構造体に熱を付与する必
要が生じ、吸着剤の再生に要するエネルギが増大すると
いう問題を招いていた。
【0006】更に、ロータ構造体の基材をアルミニウム
等の熱伝導率の高い材料で製作する場合には、熱伝導に
よって逃げる熱量が過大となる。このため、再生部にお
いて吸着剤を充分に温度上昇させることができず、空気
の加湿量を十分に確保できないという問題もあった。
【0007】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、ロータ構造体の一部
分だけを加熱する際の熱伝導による熱ロスを低減し、併
せて熱伝導による熱ロスを低減しうるロータ構造体を用
いた調湿装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明が講じた第1の解
決手段は、ロータ構造体を対象とし、円板状に形成され
て厚さ方向に空気が貫流可能な基材(51)と、該基材
(51)の表面に設けられる吸着剤とを備える一方、上記
基材(51)には、該基材(51)をスリット状に切り込ん
で形成される複数の間隙部(54)が放射状に設けられる
ものである。
【0009】本発明が講じた第2の解決手段は、上記第
1の解決手段において、間隙部(54)が基材(51)の一
方の端面にのみ開口するように形成されるものである。
【0010】本発明が講じた第3の解決手段は、上記第
1の解決手段において、基材(51)が間隙部(54)によ
って複数の分離した部分に分割される一方、分割された
基材(51)の部分を保持するための保持部材(40)を備
えるものである。
【0011】本発明が講じた第4の解決手段は、第1,
第2又は第3の解決手段において、基材(51)の材質が
アルミニウム又はアルミニウム合金とされるものであ
る。
【0012】本発明が講じた第5の解決手段は、第1,
第2,第3又は第4の解決手段において、間隙部(54)
には断熱材が挿入されるものである。
【0013】本発明が講じた第6の解決手段は、調湿装
置を対象とするものである。そして、第1,第2又は第
3の解決手段に係るロータ構造体(22)と、上記ロータ
構造体(22)の吸着剤が第1の空気から水分を吸着する
吸着部(33)と、第2の空気を加熱するための加熱手段
(26)と、上記加熱手段(26)により加熱された第2の
空気によってロータ構造体(22)の吸着剤から水分を脱
着させる再生部(35)とを備え、上記ロータ構造体(2
2)を回転させて上記再生部(35)から出た第2の空気
を利用する加湿動作を少なくとも行うものである。
【0014】本発明が講じた第7の解決手段は、調湿装
置を対象とするものである。そして、請求校2記載のロ
ータ構造体(22)と、上記ロータ構造体(22)の吸着剤
が第1の空気から水分を吸着する吸着部(33)と、第2
の空気を加熱するための加熱手段(26)と、上記加熱手
段(26)により加熱された第2の空気によってロータ構
造体(22)の吸着剤から水分を脱着させる再生部(35)
とを備え、上記ロータ構造体(22)を回転させて上記再
生部(35)から出た第2の空気を利用する加湿動作を少
なくとも行う一方、上記ロータ構造体(22)は、間隙部
(54)が開口する基材(51)の端面を再生部(35)にお
ける空気流の上流側に向けて配置されるものである。
【0015】−作用− 上記第1の解決手段では、基材(51)が円板状に形成さ
れる。この基材(51)は、例えばハニカム状に形成され
て、その厚み方向に空気が通過できるように構成されて
いる。基材(51)の表面には、バインダ等によって吸着
剤が付着されている。また、基材(51)には、スリット
状の間隙部(54)が複数形成されている。この間隙部
(54)は、基材(51)の半径方向に直線的な切り込みを
入れることで形成されている。そして、基材(51)に
は、複数の間隙部(54)が放射状に設けられている。
【0016】本解決手段に係るロータ構造体(22)の一
部分だけを加熱する場合、隣接する間隙部(54)に挟ま
れた部分の中では、熱伝導によって加えられた熱が拡散
する。ところが、間隙部(54)では基材(51)の一部が
切り欠かれているため、熱伝導により間隙部(54)の外
側へ逃げる熱量は減少する。
【0017】上記第2の解決手段では、間隙部(54)が
基材(51)の一方の端面にだけ開口し、他方の端面には
開口していない。つまり、間隙部(54)は、基材(51)
を貫通しないように形成される。
【0018】上記第3の解決手段では、スリット状の間
隙部(54)によって円板状の基材(51)が複数の部分に
分断される。分割された基材(51)の各部分(56)は、
保持部材(40)によって保持される。本解決手段に係る
基材(51)は、分割された複数の部分(56)を保持部材
(40)が保持することで、その全体形状が円板状に保た
れる。
【0019】本解決手段に係るロータ構造体(22)の一
部分だけを加熱すると、基材(51)における1つの部分
(56)の中では、熱伝導によって加えられた熱が拡散す
る。ところが、本解決手段に係る基材(51)において、
分割された1つの部分(56)は、間隙部(54)によって
隣接する他の部分(56)と分断されている。このため、
1つの基材(51)の部分に熱が付与されたとしても、そ
の熱が隣接する基材(51)の部分へ熱伝導によって伝わ
ることは無い。
【0020】上記第4の解決手段では、アルミニウム又
はアルミニウム合金によって基材(51)が構成される。
ここで、アルミニウムやアルミニウム合金は、比較的熱
伝導率の大きな材料である。これに対し、本解決手段に
係るロータ構造体(22)では、間隙部(54)を設けて熱
伝導による熱の拡散を抑制している。従って、基材(5
1)の材質をアルミニウムやアルミニウム合金として
も、ロータ構造体(22)の加熱に要する熱量が過大とな
ったり、吸着剤の温度を充分に高められなくなるという
問題は生じない。
【0021】上記第5の解決手段では、ロータ構造体
(22)の間隙部(54)に断熱材が挿入される。この間隙
部(54)に挿入された断熱材によっても、ロータ構造体
(22)の周方向への熱の拡散が低減される。
【0022】上記第6,第7の解決手段では、本発明に
係るロータ構造体(22)を用いて調湿装置が構成され
る。調湿装置において、ロータ構造体(22)は、その一
部分が再生部(35)で第2の空気と接触し、残りの部分
が吸着部(33)で第1の空気と接触する。また、ロータ
構造体(22)は、モータ等によって駆動されて回転し、
再生部(35)と吸着部(33)の間を移動する。
【0023】吸着部(33)では、第1の空気がロータ構
造体(22)の基材(51)を貫通して流れ、基材(51)の
表面に付着する吸着剤が第1の空気と接触する。第1の
空気に含まれる水分は、この吸着剤に吸着される。つま
り、吸着部(33)では、第1の空気が減湿される。
【0024】再生部(35)へは、加熱手段(26)によっ
て加熱されて高温(例えば150℃程度)となった第2
の空気が供給される。再生部(35)では、第2の空気が
ロータ構造体(22)の基材(51)を貫通して流れ、基材
(51)の表面に付着する吸着剤が第2の空気と接触す
る。そして、高温の空気と接触することで吸着剤が加熱
され、吸着剤から水分が脱着する。吸着剤から脱着した
水分は、第2の空気に付与される。つまり、再生部(3
5)では、ロータ構造体(22)の吸着剤が再生されると
同時に、第2の空気が加湿される。
【0025】上述のように、上記調湿装置において、ロ
ータ構造体(22)は、その一部分が第2の空気と接触し
て残りの部分が第1の空気と接触する状態で回転してい
る。このため、調湿装置では、吸着部(33)における第
1の空気の減湿と、再生部(35)における第2の空気の
加湿とが、同時に並行して連続的に行われる。そして、
調湿装置は、再生部(35)で加湿された第2の空気を利
用して室内等の加湿を行う加湿動作を少なくとも行う。
【0026】特に、上記第7の解決手段では、基材(5
1)の一方の端面にだけ間隙部(54)が開口しているロ
ータ構造体(22)を用いて調湿装置が構成される。この
調湿装置において、ロータ構造体(22)は、間隙部(5
4)が開口している方の基材(51)の端面を再生部(3
5)における風上側に向けた姿勢で設置されている。再
生部(35)に導入された第2の空気は、間隙部(54)が
開口する端面側から間隙部(54)が開口しない端面側へ
向かって基材(51)を貫流する。
【0027】
【発明の効果】本発明では、ロータ構造体(22)にスリ
ット状の間隙部(54)を放射状に設けている。このた
め、ロータ構造体(22)で熱伝導により熱が移動する際
には、スリット状の間隙部(54)が大きな熱抵抗となっ
て熱移動が抑制される。従って、本発明によれば、吸着
剤の再生等のためにロータ構造体(22)の一部分だけを
加熱する場合であっても、間隙部(54)が大きな熱抵抗
となることで、熱伝導による熱ロスを低減することがで
きる。
【0028】上記第2の解決手段でば、円板状の基材
(51)において、該基材(51)を貫通しないように間隙
部(54)が形成される。つまり、間隙部(54)が開口し
ていない端面側では、間隙部(54)によって基材(51)
は分断されない。従って、本解決手段によれば、間隙部
(54)を設けることで熱伝導による熱ロスを低減しつ
つ、基材(51)を完全には分断しないことで基材(51)
の機械的な強度を確保できる。
【0029】上記第3の解決手段では、スリット状の間
隙部(54)によって基材(51)を完全に分断している。
このため、基材(51)における分割された1つの部分
(56)の中では熱伝導により熱が拡散するものの、間隙
部(54)を越えて熱伝導により熱が伝わることはない。
従って、本解決手段によれば、熱伝導による熱ロスを一
層確実に低減することが可能となる。
【0030】上記第4の解決手段では、基材(51)の材
質がアルミニウム又はアルミニウム合金とされる。ここ
で、従来は、基材(51)の材質としてセラミック紙を用
いることが多かった。このセラミック紙に比べ、アルミ
ニウムやアルミニウム合金は、加工が容易で安価であ
る。それ故、アルミニウムやアルミニウム合金で基材
(51)を製造できれば、ロータ構造体(22)の加工費や
材料費を大幅に低減できる。しかしながら、アルミニウ
ムやアルミニウム合金の熱伝導率は、セラミック紙の熱
伝導率の約1700倍である。このため、単に基材(5
1)の材質をアルミニウムやアルミニウム合金に変更し
ただけでは、熱伝導による熱ロスが過大となってしま
う。
【0031】これに対し、本解決手段では、ロータ構造
体(22)にスリット状の間隙部(54)を設けた上で、ア
ルミニウムやアルミニウム合金で基材(51)を作ってい
る。このため、アルミニウムやアルミニウム合金という
熱伝導率の高い材料で基材(51)を製造する場合であっ
ても、間隙部(54)が大きな熱抵抗となることから、熱
伝導による熱ロスが過大となることはない。従って、本
解決手段によれば、熱伝導による熱ロスに起因する問題
を回避しつつ、加工が容易で安価なアルミニウムやアル
ミニウム合金で基材(51)を製造でき、ロータ構造体
(22)の加工費や材料費を大幅に削減できる。
【0032】更に、アルミニウムやアルミニウム合金
は、セラミック紙に比べて材料としての機械的強度が大
きく、薄肉化しても充分な強度が得られる。例えば、基
材(51)を構成する場合、セラミック紙では0.15〜
0.2mm程度の厚みが必要であるのに対し、アルミニ
ウムやアルミニウム合金では25〜50μm程度の厚み
で足りる。このため、基材(51)の開口率を一定とした
場合には、その材質をセラミック紙からアルミニウムや
アルミニウム合金に変更することで、基材(51)の表面
積を増大させることができる。従って、本解決手段によ
れば、吸着剤が付着する基材(51)表面の面積を拡大で
き、ロータ構造体(22)の吸着能力を向上させることが
できる。
【0033】上記第5の解決手段によれば、間隙部(5
4)に断熱材を挿入することで更に大きな熱抵抗が得ら
れ、熱伝導による熱ロスを一層低減することが可能とな
る。
【0034】上記第6,第7の解決手段では、本発明に
係るロータ構造体(22)を用いて調湿装置を構成してい
る。このため、熱伝導による熱ロスの小さなロータ構造
体(22)を用いることで、再生部(35)でロータ構造体
(22)に付与すべき熱量、即ち加熱手段(26)で第2の
空気に付与すべき熱量を削減でき、調湿装置の運転に要
するエネルギを削減できる。また、再生部(35)でロー
タ構造体(22)を充分に加熱して吸着剤の温度を確実に
上げられることから、吸着剤から水分を確実に脱着させ
ることができ、再生部(35)における空気の加湿量を十
分に確保できる。
【0035】上記第7の解決手段では、基材(51)の一
方の端面にだけ間隙部(54)が開口するロータ構造体
(22)を、間隙部(54)が開口している方の基材(51)
の端面を再生部(35)における風上側に向けた姿勢で設
置している。このため、再生部(35)で加熱されるロー
タ構造体(22)の部分の温度を均一化でき、吸着剤の再
生を確実に行うことができる。
【0036】この効果について説明する。再生部(35)
において基材(51)を通過する第2の空気は、基材(5
1)に熱を奪われて次第にその温度が低下してゆく。そ
れ故、再生部(35)に位置するロータ構造体(22)の部
分では、空気流の風下側の温度が風上側の温度よりも低
くなるおそれがある。ところが、本解決手段に係る調湿
装置のロータ構造体(22)では、基材(51)のうち再生
部(35)での風下側の端面近傍は、間隙部(54)によっ
て分断されていない。このため、基材(51)のうち再生
部(35)での風下側の部分には、間隙部(54)によって
妨げられることなく熱伝導によって熱が伝わってくる。
【0037】従って、基材(51)を通過する空気の温度
が変化するにも拘わらず、基材(51)の厚み方向におけ
る温度分布を解消できる。そして、ロータ構造体(22)
の温度を平均的に上昇させることで、吸着剤の再生を確
実に行うことが可能となる。
【0038】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0039】図1に示すように、実施形態1に係る調湿
装置は、空調機と一体に構成されて加湿動作を行うよう
に構成されている。
【0040】上記空調機は、室内機(10)と室外機(1
5)とによって構成されている。室内機(10)は、室内
熱交換器(11)と室内ファン(12)を備え、室内の壁面
に取り付けられている。室外機(15)は、室外に設置さ
れている。この室外機(15)には、図示しないが、圧縮
機、膨張機構、室外熱交換器、室外ファン等の構成機器
が収納されている。室内機(10)と室外機(15)とは、
一対の連絡配管(16)によって接続されている。
【0041】室内熱交換器(11)と共に圧縮機、膨張機
構及び室外熱交換器が連絡配管(16)等によって接続さ
れて、冷媒回路が構成されている。この冷媒回路は、図
外の四路切換弁を備え、冷媒の循環方向を反転可能に構
成されている。そして、冷媒回路では、冷媒が循環して
冷凍サイクルが行われると共に、冷媒の循環方向を切り
換えることで冷却動作とヒートポンプ動作とが切り換わ
る。
【0042】加湿ユニット(20)は、調湿装置を構成す
るものであって、室外機(15)と一体に形成されてい
る。この加湿ユニット(20)には、空気ダクト(21)の
一端が接続されている。また、空気ダクト(21)の他端
は、室内機(10)に接続されている。尚、空気ダクト
(21)の他端は、室内機(10)の内部における室内熱交
換器(11)の上流に開口している。
【0043】図2に示すように、加湿ユニット(20)に
は、吸着側通路(23)と再生側通路(25)とが区画形成
されている。また、加湿ユニット(20)には、吸着側通
路(23)と再生側通路(25)の両方を横断する姿勢でハ
ニカムロータ(22)が設置されている。吸着側通路(2
3)のうちハニカムロータ(22)が横断している部分
は、吸着部である吸着ゾーン(33)を構成している。再
生側通路(25)のうちハニカムロータ(22)が横断して
いる部分は、再生部である再生ゾーン(35)を構成して
いる。
【0044】上記ハニカムロータ(22)は、ロータ構造
体を構成するものであって、円板状に形成されて厚さ方
向に空気が貫流可能となっている。このハニカムロータ
(22)は、図外のモータにより駆動され、その中心軸周
りに回転する。尚、ハニカムロータ(22)の詳細につい
ては、後述する。
【0045】吸着側通路(23)におけるハニカムロータ
(22)の下流には、吸着側ファン(24)が設けられてい
る。この吸着側ファン(24)を運転すると、吸着側通路
(23)に室外空気が取り込まれる。この室外空気は、被
減湿空気として吸着側通路(23)を流れ、ハニカムロー
タ(22)を通過した後に室外へ排出される。
【0046】再生側通路(25)には、ヒータ(26)と再
生側ファン(27)とが設けられている。また、再生側通
路(25)の終端には、上記空気ダクト(21)の一端が接
続されている。ヒータ(26)は、加熱手段を構成するも
のであり、ハニカムロータ(22)の上流に配置される。
このヒータ(26)は、ハニカムロータ(22)へ送られる
空気を加熱する。一方、再生側ファン(27)は、ハニカ
ムロータ(22)の下流に配置されている。この再生側フ
ァン(27)を運転すると、再生側通路(25)に室外空気
が取り込まれる。この室外空気は、被加湿空気として再
生側通路(25)を流れ、ヒータ(26)とハニカムロータ
(22)とを順に通過し、その後に空気ダクト(21)へ導
入される。
【0047】図3に示すように、ハニカムロータ(22)
は、ロータケーシング(40)とロータ本体(50)とを備
えている。ロータケーシング(40)は、ホイール(車
輪)のような形状とされている。具体的に、ロータケー
シング(40)は、その外周部に設けられるリム状のリム
部(41)、その中央部に設けられるハブ状のハブ部(4
2)、及びリム部(41)とハブ部(42)とを連結するス
ポーク状のスポーク部(43)とを備えている。そして、
ロータケーシング(40)におけるリム部(41)の内側
に、ロータ本体(50)がはめ込まれている。このロータ
本体(50)は、基材であるハニカム基材(51)の表面に
吸着剤を付着させたものである。
【0048】図4に示すように、ハニカム基材(51)
は、円板状に形成されている。具体的に、ハニカム基材
(51)は、直径が250〜300mm程度で厚さが20
〜30mm程度の円板状に形成されている。このハニカ
ム基材(51)は、その厚さ方向に空気が貫流可能となっ
ている。
【0049】ハニカム基材(51)は、アルミニウム製又
はアルミニウム合金製のアルミテープ(52,53)を巻回
することによって成形されている。つまり、平板状のア
ルミテープ(52)とコルゲート加工された波形状のアル
ミテープ(53)を積層し、これを渦巻き状に巻回して段
ボール状に成形することでハニカム基材(51)が形成さ
れる。また、ハニカム基材(51)を形成するアルミテー
プ(52,53)の厚さは、25〜50μm程度とするのが
望ましい。
【0050】ハニカム基材(51)には、スリット部(5
4)が等角度間隔で放射状に形成されている。本実施形
態1に係るハニカム基材(51)では、8本のスリット部
(54)が形成されている。ただし、スリット部(54)の
本数は例示であり、必要に応じて適宜スリット部(54)
の数を設定すればよい。また、ハニカム基材(51)から
なるロータ本体(50)をロータケーシング(40)に取り
付けた状態(図3参照)において、ハニカム基材(51)
のスリット部(54)は、ロータケーシング(40)のスポ
ーク部(43)の背面側に隠れている。
【0051】8本のスリット部(54)は、それぞれが間
隙部を構成している。各スリット部(54)は、所定の長
さ、幅及び深さに亘って、ハニカム基材(51)の半径方
向へ真っ直ぐ切り込みを入れることで形成されている。
更に、各スリット部(54)は、ハニカム基材(51)の特
定の端面側から切り込みを入れることで、ハニカム基材
(51)をその厚さ方向に貫通しないように形成されてい
る。つまり、図5に示すように、8本のスリット部(5
4)は、その全てがハニカム基材(51)の一方の端面に
だけ開口している。
【0052】図5における各スリット部(54)の2つの
短辺と1つの長辺に沿って、ハニカム基材(51)が切断
されずに残された非切断部(55)が形成される。この非
切断部(55)の幅は、断熱効果とハニカム基材(51)の
強度を比較考量し、5〜10mm程度とするのが望まし
い。また、スリット部(54)の幅は、断熱効果を考慮し
て0.5〜2mm程度とするのが望ましい。
【0053】上記吸着剤としては、親水性ゼオライトが
用いられている。この親水性ゼオライトとしては、SiO2
(シリカ)のモル分率が Al2O3(アルミナ)のモル分率
よりも大きい組成のゼオライトを採用している。親水性
ゼオライトの組成としては、モル分率でシリカ/アルミ
ナの割合が10%/90%から30%/70%までの範
囲が望ましい。更に望ましくは、シリカ/アルミナの割
合が20%/80%程度であるのがよい。この吸着剤
は、有機バインダ又は無機バインダによってハニカム基
材(51)の表面に固定されている。
【0054】上述のように、ハニカムロータ(22)は、
その一部分が再生ゾーン(35)を横断し、残りの部分が
吸着ゾーン(33)を横断する姿勢で配置されている。更
に、ハニカムロータ(22)は、ハニカム基材(51)の端
面のうちスリット部(54)が開口している方の端面を被
加湿空気の上流側に向けた姿勢で設置されている。つま
り、ハニカムロータ(22)を通過する被加湿空気は、ハ
ニカム基材(51)からなるロータ本体(50)において、
スリット部(54)が開口する側の端面から入ってスリッ
ト部(54)が開口しない側の端面へ通り抜ける。
【0055】−運転動作− 先ず、冷房運転時の動作について説明する。冷房運転に
おいては、室内機(10)における室内空気の冷却のみが
行われ、加湿ユニット(20)の運転は行われない。
【0056】空調機の冷媒回路では、冷媒が循環して冷
凍サイクル動作が行われる。即ち、圧縮機から吐出され
て室外熱交換器で凝縮した冷媒は、膨張機構で減圧され
た後に、室内熱交換器(11)へ送り込まれる。また、室
内ファン(12)を運転すると、室内機(10)の内部に室
内空気が取り込まれる。室内機(10)に取り込まれた室
内空気は、室内熱交換器(11)を通過する際に冷媒と熱
交換を行う。この熱交換によって、室内空気が冷却さ
れ、冷媒が蒸発する。
【0057】次に、暖房運転時の動作について説明す
る。暖房運転においては、室内機(10)で室内空気を加
熱する動作と、加湿ユニット(20)で加湿した被加湿空
気を室内へ供給する加湿動作との両方が行われる。尚、
以下に示す数値は、全て例示である。
【0058】空調機の冷媒回路では、冷媒が循環してヒ
ートポンプ動作が行われる。即ち、室内熱交換器(11)
には、圧縮機から吐出された高温高圧のガス冷媒が送り
込まれる。また、室内ファン(12)を運転すると、室内
機(10)の内部に室内空気が取り込まれる。取り込まれ
た室内空気は、室内熱交換器(11)を通過する際にガス
冷媒と熱交換を行う。この熱交換によって、室内空気が
加熱され、ガス冷媒が凝縮する。
【0059】加湿ユニット(20)では、吸着側ファン
(24)及び再生側ファン(27)が運転され、ヒータ(2
6)に通電される。また、ハニカムロータ(22)が、図
外のモータで駆動されて、1時間あたり30回転で回転
する。
【0060】吸着側通路(23)には、室外空気が被減湿
空気として取り込まれる。室外空気の状態は、温度7
℃、相対湿度87%となっている。また、吸着側通路
(23)における風量は、3.0 m3/minに設定されてい
る。吸着側通路(23)を流れる被減湿空気は、吸着ゾー
ン(33)のハニカムロータ(22)に送られて吸着剤と接
触する。吸着剤には、被減湿空気に含まれる水分が吸着
される。ハニカムロータ(22)を通過して水分を奪われ
た被減湿空気は、室外へ排出される。
【0061】上述のように、ハニカムロータ(22)は、
所定の回転数で回転している。従って、吸着ゾーン(3
3)において被減湿空気から水分を吸着した吸着剤は、
ハニカムロータ(22)の回転に伴って再生ゾーン(35)
へ移動する。
【0062】再生側通路(25)には、室外空気が被加湿
空気として取り込まれる。再生側通路(25)における風
量は、0.25 m3/minに設定されている。再生側通路
(25)を流れる被加湿空気は、ヒータ(26)によって1
50℃まで加熱される。
【0063】加熱された被加湿空気は、ヒータ(26)か
ら再生ゾーン(35)のハニカムロータ(22)に送られて
ロータ本体(50)の吸着剤と接触する。この加熱された
被加湿空気との接触によって吸着剤が加熱され、吸着剤
から水分が脱着する。吸着剤から脱着した水分は、ハニ
カムロータ(22)を通過した被加湿空気と共に空気ダク
ト(21)へ送られる。即ち、水分を付与された加湿後の
被加湿空気が、空気ダクト(21)に導入される。この加
湿された被加湿空気は、空気ダクト(21)を通じて室内
機(10)に導かれ、室内熱交換器(11)を通過した後に
室内に送り出される。
【0064】一方、再生ゾーン(35)において水分が脱
着して再生された吸着剤は、ハニカムロータ(22)の回
転に伴って再び吸着ゾーン(33)に移動する。即ち、吸
着剤は、ハニカムロータ(22)の回転に伴って移動し、
吸着ゾーン(33)における水分の吸着と、再生ゾーン
(35)における水分の脱着とを交互に繰り返す。
【0065】上述のように、再生ゾーン(35)に位置す
るロータ本体(50)の一部分が高温の被加湿空気と接触
し、その際には吸着剤だけでなくハニカム基材(51)も
加熱される。ここで、ハニカム基材(51)は熱伝導率の
高いアルミニウムやアルミニウム合金でできている。こ
のため、再生ゾーン(35)で加熱されたハニカム基材
(51)の一部分からは、熱伝導によって熱が逃げようと
する。ところが、ハニカム基材(51)にはスリット部
(54)が形成されており、このスリット部(54)が熱抵
抗となって熱の移動を妨げる。従って、スリット部(5
4)を越えて拡散する熱量は、極めて小さくなる。
【0066】−実施形態1の効果− 本実施形態1では、ハニカムロータ(22)のハニカム基
材(51)に8本のスリット部(54)を放射状に設けてい
る。このスリット部(54)は、ハニカム基材(51)を切
り欠いて形成されるものである。このため、再生ゾーン
(35)に位置するハニカム基材(51)の一部分を加熱し
た場合であっても、ハニカム基材(51)での熱伝導によ
る熱移動は、スリット部(54)によって妨げられる。
【0067】従って、本実施形態1によれば、吸着剤を
再生するためにハニカムロータ(22)の一部分だけを加
熱する場合であっても、スリット部(54)が大きな熱抵
抗となることで熱伝導による熱ロスを低減できる。この
結果、再生ゾーン(35)でハニカムロータ(22)に付与
すべき熱量、即ちヒータ(26)で被加湿空気に付与すべ
き熱量を削減でき、加湿ユニット(20)の消費電力を削
減できる。また、再生ゾーン(35)でハニカムロータ
(22)を充分に加熱して吸着剤の温度を確実に上げられ
ることから、吸着剤から水分を確実に脱着させることが
でき、再生ゾーン(35)での被加湿空気に対する加湿量
を確保できる。
【0068】本実施形態1では、ハニカム基材(51)を
貫通しないようにスリット部(54)を形成している。従
って、本実施形態1によれば、ハニカム基材(51)にス
リット部(54)を設けることでロータ本体(50)での熱
伝導による熱ロスを低減しつつ、ハニカム基材(51)を
完全に分断しないことでハニカム基材(51)の機械的な
強度を確保できる。
【0069】本実施形態1では、ハニカム基材(51)の
材質をアルミニウムやアルミニウム合金としている。こ
こで、ハニカム基材(51)の材質としてはセラミック紙
が一般的であるが、このセラミック紙に比べると、アル
ミニウムやアルミニウム合金は、加工が容易で安価であ
る。それ故、アルミニウムやアルミニウム合金でハニカ
ム基材(51)を製造できれば、ハニカムロータ(22)の
加工費や材料費を大幅に低減できる。しかしながら、ア
ルミニウムやアルミニウム合金の熱伝導率は、セラミッ
ク紙の熱伝導率の約1700倍である。このため、単に
ハニカム基材(51)の材質をアルミニウムやアルミニウ
ム合金に変更しただけでは、熱伝導による熱ロスが過大
となってしまう。
【0070】これに対し、本実施形態1では、ハニカム
基材(51)をアルミニウムやアルミニウム合金で形成す
るだけでなく、ハニカム基材(51)に切り込みを入れる
ことでスリット部(54)を形成している。このため、ア
ルミニウムやアルミニウム合金という熱伝導率の高い材
料でハニカム基材(51)を構成しても、スリット部(5
4)が大きな熱抵抗となることから、熱伝導による熱ロ
スが過大となることはない。従って、本実施形態1によ
れば、熱伝導による熱ロスに起因する問題を回避しつ
つ、加工が容易で安価なアルミニウムやアルミニウム合
金でハニカム基材(51)を製造でき、ハニカムロータ
(22)の加工費や材料費を大幅に削減できる。
【0071】更に、アルミニウムやアルミニウム合金
は、セラミック紙に比べて材料としての機械的強度が大
きく、薄肉化しても充分な強度が得られる。例えば、ハ
ニカム基材(51)を構成する場合、セラミック紙では
0.15〜0.2mm程度の厚みが必要であるのに対
し、アルミニウムやアルミニウム合金では25〜50μ
m程度の厚みで足りる。このため、ハニカム基材(51)
の開口率を一定とした場合には、その材質をセラミック
紙からアルミニウムやアルミニウム合金に変更すること
で、ハニカム基材(51)の表面積を増大させることがで
きる。従って、本実施形態1によれば、ハニカム基材
(51)表面の面積を拡大することで、より多量の吸着剤
をロータ本体(50)に付着させることができ、ハニカム
ロータ(22)の吸着能力を向上させることができる。
【0072】本実施形態1では、ハニカム基材(51)の
一方の端面にだけスリット部(54)が開口するハニカム
ロータ(22)を、スリット部(54)が開口している方の
端面を再生ゾーン(35)における風上側に向けた姿勢で
設置している。このため、再生ゾーン(35)で加熱され
るハニカムロータ(22)の部分の温度を均一化でき、吸
着剤の再生を確実に行うことができる。
【0073】この効果について説明する。再生ゾーン
(35)においてハニカム基材(51)を通過する被加湿空
気は、ハニカム基材(51)に熱を奪われて次第にその温
度が低下してゆく。それ故、再生ゾーン(35)に位置す
るロータ本体(50)の部分では、空気流の風下側の温度
が風上側の温度よりも低くなるおそれがある。ところ
が、本実施形態1に係るハニカム基材(51)では、再生
ゾーン(35)での風下側の端面近傍は、スリット部(5
4)によって分断されていない。このため、ハニカム基
材(51)のうち再生ゾーン(35)での風下側の部分に
は、スリット部(54)によって妨げられることなく熱伝
導によって熱が伝わってくる。
【0074】従って、ロータ本体(50)を通過する空気
の温度は変化するにも拘わらず、ロータ本体(50)の厚
み方向における温度分布をほぼ均一化することができ
る。そして、ロータ本体(50)の温度を平均的に上昇さ
せることで再生される吸着剤の温度を確実に上昇させる
ことができ、吸着剤を確実に再生することが可能とな
る。
【0075】
【発明の実施の形態2】本発明の実施形態2は、上記実
施形態1において、ハニカムロータ(22)の構成を変更
したものである。ここでは、上記実施形態1と異なる部
分について説明する。
【0076】図6に示すように、本実施形態2に係るハ
ニカムロータ(22)のハニカム基材(51)は、8本のス
リット部(54)によって8個の分割体(56)に分離され
ている。これら8個の分割体(56)は、ロータケーシン
グ(40)によって保持されている。このロータケーシン
グ(40)は、実施形態1のものとほぼ同様に形成されて
いる(図3参照)。ただし、本実施形態2に係るロータ
ケーシング(40)は、8個の分割体(56)を保持する保
持部材を構成しており、この点で実施形態1のものと相
違している。
【0077】分断された分割体(56)をロータケーシン
グ(40)で保持することによって、ハニカム基材(51)
の形状が円板状に保たれる。また、各分割体(56)の間
に、8本のスリット部(54)が放射状に形成される。
【0078】このように、本実施形態2では、スリット
部(54)によってハニカム基材(51)を完全に分断して
いる。このため、1つの分割体(56)の中では熱伝導に
より熱が拡散するものの、スリット部(54)を越えて隣
接する分割体(56)へ熱伝導によって熱が伝わることは
ない。従って、本実施形態2によれば、熱伝導により拡
散する熱量を更に削減でき、熱伝導による熱ロスを一層
確実に低減することができる。
【0079】
【発明のその他の実施の形態】上記各実施形態では、ハ
ニカム基材(51)を切り欠いてスリット部(54)を構成
しているだけであるが、このスリット部(54)にセラミ
ック紙等を断熱材として挿入してもよい。スリット部
(54)に断熱材を挿入することで更に大きな熱抵抗が得
られ、熱伝導による熱ロスが一層低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る空調機及び加湿ユニットの全
体構成図である。
【図2】実施形態1に係る加湿ユニットの概略構成図で
ある。
【図3】実施形態1に係るハニカムロータの概略斜視図
である。
【図4】実施形態1に係るハニカム基材の概略斜視図で
ある。
【図5】実施形態1に係るハニカム基材のスリット部を
含む断面における概略断面図である。
【図6】実施形態2に係るハニカム基材の概略斜視図で
ある。
【符号の説明】
(22) ハニカムロータ(ロータ構造体) (26) ヒータ(加熱手段) (33) 吸着ゾーン(吸着部) (35) 再生ゾーン(再生部) (40) ロータケーシング(保持部材) (51) ハニカム基材(基材) (54) スリット部(間隙部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3L055 AA01 BA03 BA04 CA01 4D052 AA08 BA04 CB01 DA01 DA06 DB01 FA01 FA02 HA03 HA39 HB02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円板状に形成されて厚さ方向に空気が貫
    流可能な基材(51)と、 該基材(51)の表面に設けられる吸着剤とを備える一
    方、 上記基材(51)には、該基材(51)をスリット状に切り
    込んで形成される複数の間隙部(54)が放射状に設けら
    れているロータ構造体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のロータ構造体において、 間隙部(54)は、基材(51)の一方の端面にのみ開口す
    るように形成されているロータ構造体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のロータ構造体において、 基材(51)が間隙部(54)によって複数の分離した部分
    に分割される一方、 分割された基材(51)の部分を保持するための保持部材
    (40)を備えているロータ構造体。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載のロータ構造体
    において、 基材(51)の材質がアルミニウム又はアルミニウム合金
    であるロータ構造体。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3又は4記載のロータ構
    造体において、 間隙部(54)には、断熱材が挿入されているロータ構造
    体。
  6. 【請求項6】 請求校1,2又は3記載のロータ構造体
    (22)と、 上記ロータ構造体(22)の吸着剤が第1の空気から水分
    を吸着する吸着部(33)と、 第2の空気を加熱するための加熱手段(26)と、 上記加熱手段(26)により加熱された第2の空気によっ
    てロータ構造体(22)の吸着剤から水分を脱着させる再
    生部(35)とを備え、 上記ロータ構造体(22)を回転させて上記再生部(35)
    から出た第2の空気を利用する加湿動作を少なくとも行
    う調湿装置。
  7. 【請求項7】 請求校2記載のロータ構造体(22)と、 上記ロータ構造体(22)の吸着剤が第1の空気から水分
    を吸着する吸着部(33)と、 第2の空気を加熱するための加熱手段(26)と、 上記加熱手段(26)により加熱された第2の空気によっ
    てロータ構造体(22)の吸着剤から水分を脱着させる再
    生部(35)とを備え、 上記ロータ構造体(22)を回転させて上記再生部(35)
    から出た第2の空気を利用する加湿動作を少なくとも行
    う一方、 上記ロータ構造体(22)は、間隙部(54)が開口する基
    材(51)の端面を再生部(35)における空気流の上流側
    に向けて配置されている調湿装置。
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