JP2002186605A - X線画像撮影装置 - Google Patents
X線画像撮影装置Info
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Abstract
用な被曝を強いることなく、その被曝量を低減すること
の可能なX線画像撮影装置を提供する。 【解決手段】 本発明に係るX線画像撮影装置は、寝台
ないし天板及びCアームがとりうる種々の位置ないし姿
勢に応じた種々の撮影位置にてX線画像を撮影すること
が可能である。そして、本発明においては逆に、この種
々の撮影位置にて撮影されたX線画像から得られる情報
に基づいて、前記寝台及びCアーム等の位置ないし姿勢
を自動的に設定することが可能である。ここに、「X線
画像から得られる情報」とは、例えば当該X線画像中の
注目部位に対する指定入力により取得される、該指定入
力に係る部位の実空間上の座標値が該当する。この場合
において、前記自動的な設定は、前記座標値を利用し、
前記注目部位がX線検出器の中心に投影されるようにC
アーム等を移動・位置決めする目的をもって行われる。
Description
X線検出手段を備えた支持器、並びに、被検体を載置す
る天板を備えた寝台(いずれもその位置等を移動するこ
とが可能)を有するX線画像撮影装置に関する。
強調した血管を撮影する等のため、例えば略C字形状の
支持器(以下、「Cアーム」という。)、該Cアームの
一端に備えられたX線発生源としてのX線管球、他端に
備えられているX線検出器としてのイメージ・インテン
シファイア(I.I.(Image Intensifier)、また、
被検体を静穏に載置するための天板及び寝台、そして収
集された投影データを処理する画像処理装置、等からな
るX線画像撮影装置が知られている。
「アンギオ装置」とも呼称され、このアンギオ装置によ
れば、被検体中へのカテーテルの挿入作業等その他の医
師による手術ないし検査と併せ、これに並行したX線撮
影を行うこと等を可能とする。また、より具体的には、
前記Cアームの位置をX線撮影中随時変更することで、
被検体に投与した造影剤の流れを追跡する撮影(いわゆ
る「ボーラスチェイス撮影」)等を行うことも可能であ
る。
上記各種のX線撮影を実施するためには、その前提とし
て、被検体内の注目部位(例えば病変部等)をはっきり
と捉えるため(=該注目部位の像を確実に診断可能な程
度に画像上に現させるため)、前記寝台ないし天板及び
Cアーム(以下、単に「寝台及びCアーム」、あるいは
「寝台及び/又はCアーム」等というときでも、これら
の表現において「天板」は暗に含まれるものとする。)
の相対的な位置関係が適切なものとなるよう、これら各
要素の位置を定める工程、つまり撮影位置を定める工程
が必要となる。
像の取得を通じて行われていた。すなわち、前記X線管
球より低線量のX線を連続的に発生させて被検体に曝射
することで、いわゆるシネ映像的な透視像をモニター上
に表示させるとともに、前記寝台及びCアームの位置関
係を変化させるのに応じて変化する前記透視像及び該透
視像中の注目部位の像(以下「(透視又は画)像中の注
目部位」という表現は、「注目部位の像」という表現に
同義とする。)の様子ないし位置を確認しつつ、最終的
に適切な寝台及びCアームの位置を定める、といった工
程が践まれていた。
たX線画像撮影装置においては次のような問題があっ
た。すなわち、すぐ上で述べたように、従来において
は、撮影位置を定めるために透視像を利用しているた
め、寝台及びCアームの移動ないし位置決めを行ってい
る間中、被検体に対し、(低線量とはいえ)連続的にX
線を曝射することとなる点に問題があった。つまり、被
検体に対する被曝量を増大させることとなっていた。
複数の撮影位置、つまり複数の寝台及びCアームの相対
的位置関係)によるX線撮影を行おうとする場合、深刻
である。というのも、このような場合においては、原則
として、一方向一方向ごとに、上記したような移動・位
置決め工程を経る必要があるから、それだけ被検体の被
曝量が増大することとなるからである。
状においても、透視像(ないしその透視像中の注目部位
の大凡の位置)を確認した後一旦X線の発生を停止さ
せ、その確認の結果に沿うように、透視像の直接の視認
を並行的に実施することなく、寝台及びCアームの移動
・位置決めを行う、といった運用が可能ではあるが、当
該移動・位置決めの後には、再び透視像による確認が必
要となることを考えると、被曝量「低減」というには足
りない。また、この場合においては、当該移動・位置決
めが一度ではうまくいかない場合が十分に考えられ、結
果、透視像取得及び移動・位置決め工程を繰り返し実施
することとなった場合には、検査時間が長期化するばか
りでなく、かえって被曝量を増大させる懸念さえある。
ゆるX線照射条件の設定時においても問題となる。ここ
に、X線照射条件とは、X線管球における管電流・時間
等をどの程度にするか等の各種条件のことをいう。この
ようなX線照射条件は、被検体の身長、あるいは体厚等
が異なることにより、たとえ同じ撮影位置による撮影を
行うとしても、被検体ごとに変更されるのが通常であ
る。そして、このX線照射条件は、従来において、撮影
位置の位置決めと同様、被検体に対する「透視像」の観
察(また、当該透視像を得たときのX線照射条件)を通
じて決められており、この点、上記と全く同様の問題が
生じることとなっていた。
であり、その目的とするところは、撮影位置等を定める
に際して、被検体に対し無用な被曝を強いることなく、
その被曝量を低減することの可能なX線画像撮影装置を
提供することにある。
するために以下の手段をとった。すなわち、請求項1記
載のX線画像撮影装置は、被検体を載置し該被検体の体
軸方向に移動可能な天板を備えた寝台と、その一端及び
他端にそれぞれ対向するよう備えられたX線発生手段及
びX線検出手段を備えた略C字形状となる支持器とを有
し、前記天板、前記寝台及び前記支持器それぞれの位置
ないし姿勢に応じた種々の撮影位置にて前記被検体に関
するX線画像を撮影可能なX線画像撮影装置において、
前記X線画像から得られる情報に基づいて、前記天板、
前記寝台及び前記支持器のいずれか少なくとも一つの位
置ないし姿勢を自動的に設定する制御手段を有すること
を特徴とするものである。
は、請求項1記載の同装置において、前記X線画像から
得られる情報は、当該X線画像が撮影された際における
撮影位置に対応する前記天板、前記寝台及び前記支持器
の位置ないし姿勢に関する情報を含む撮影位置情報であ
って、前記制御手段は、当該X線画像が撮影された際に
おける撮影位置に一致するように、前記天板、前記寝台
及び前記支持器のいずれか少なくとも一つの位置ないし
姿勢を自動的に設定することを特徴とする。なお、請求
項3記載のX線画像撮影装置は、請求項2記載のX線画
像撮影装置において、前記X線画像から得られる情報
が、前記撮影位置情報に加え、X線照射条件を含み、当
該X線画像に写る被検体と、前記設定後に撮影しようと
する被検体とが同一である場合には、前記制御手段は、
当該設定に際し前記撮影位置情報とともに取得された前
記X線照射条件に一致するよう当該設定後におけるX線
照射条件を自動的に設定すること特徴とするものであ
る。
は、請求項1記載の同装置において、前記X線画像から
得られる情報は、当該X線画像中の注目部位の像に対す
る指定入力により取得される、該指定入力に係る部位に
対応する実空間上の座標値であって、前記制御手段は、
前記注目部位が前記X線検出手段の中心に投影されるよ
うに、前記天板、前記寝台及び前記支持器のいずれか少
なくとも一つの位置ないし姿勢を自動的に設定すること
を特徴とする。
装置は、請求項4記載の同装置において、前記制御手段
が、前記設定において、前記天板から前記被検体中の注
目部位までの高さの値であるプリセット値を利用するこ
とを特徴とし(請求項5)、また、前記座標値として、
異なる撮影位置における二つのX線画像中の注目部位の
像に対する二回の指定入力により取得される二つの座標
値を利用することを特徴とする(請求項6)ものであ
る。
は、請求項1記載と同様な前提的構成を備えるの同装置
において、前記撮影位置に関する情報及び該撮影位置に
おけるX線照射条件から少なくとも構成される検査情報
を、被検体ごとに記憶する記憶手段と、ある被検体に関
する撮影を実施する場合であって、かつ、前記天板、前
記寝台及び前記支持器の位置ないし姿勢を、当該被検体
に関し記憶されている撮影位置と概略同じ撮影位置とし
て設定する場合には、当該撮影位置におけるX線照射条
件に一致するよう、当該設定時におけるX線照射条件を
自動的に設定する制御手段とを有することを特徴とする
ものである。
ついて図を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に
係るX線画像撮影装置の全体構成を示す概要図、図2は
その側面図、をそれぞれ示している。なお、本実施形態
においては、本発明にいう「X線画像撮影装置」を、い
わゆる「アンギオ装置」に適用した場合を例とした説明
を行うこととする。
は、被検体Pを載置し該被検体Pの体軸方向に移動可能
な天板2bを備えた寝台2と、その一端にX線管球5及
び他端にX線検出器6を備え前記寝台2を側部より覆い
得るような略C字形状となるCアーム(支持器)3とを
有する。また、これら寝台2及びCアーム3の他、図2
に示すように、アンギオ装置1には画像処理部7が備え
られ、該画像処理部7には、後述する画像作成部73や
画像表示部D等が備えられている(図4参照、後述)。
アンギオ装置1では、これらの構成により、被検体P中
に対して、カテーテルを挿入する等の医師による手術な
いしは検査を行いつつ、これと並行して血管造影等に係
るX線画像の取得を同時に行うこと等が可能である。
2aと該脚2a上に設置された前記天板2b等とからな
っている。このうち天板2bは、図1中矢印Xに示すよ
うに、被検体P(図1において不図示、図2参照)の体
軸方向に沿って移動することが可能となっている(な
お、当該天板2bは、この体軸方向に直交する方向にも
移動可能である。)。一方、脚2aは、自身及び前記天
板2bを上下(図1中矢印Y方向)に動作することが可
能であることの他、固定式となっている。したがって本
実施形態における寝台2自体は、基本的に自身の設置さ
れた場所を変更するような構成とはなっていない。ま
た、脚2aは、上記Cアーム3の動作・移動(後述)に
とって、邪魔にならない場所に設けられることが好まし
い。図1においては、この要請に従い、天板2bの略端
部に沿うようにして、略直方体状となる脚2aが設けら
れていることが図示されている。
び天板2bの体軸方向(及びこれに直交する方向)の移
動を可能とするため図示しない動力源が備えられてお
り、これらは寝台駆動部(図4中符号91参照)を構成
する。さらに、このような寝台1に関する天板2b等の
移動量を検知するため寝台位置検出部(図4中符号81
参照)が設けられている。
れるとしたが、本発明はこの形態に特に限定されるもの
ではない。例えば、脚2aと共に寝台2そのものが並進
動作可能であるような形態としても勿論よい。この場合
においては、動力源を別途設けるとともに、上記寝台位
置検出部は当該並進動作にかかる移動量をも検知可能と
構成することが可能である。
ては、その一端及び他端それぞれに、図示しないX線発
生装置に接続されたX線管球(X線発生手段)5と、例
えばイメージ・インテンシファイア(I.I.)等によ
り構成されるX線検出器(X線検出手段)6とが、各々
対向するように備えられている。これらX線管球5及び
X線検出器6は、常態(≒「X線撮影時」)において前
記天板2bないしは被検体Pを挟むように配置される。
なお特に、図1に示すような状態、つまりX線管球5と
X線検出器6とを結ぶ直線が、被検体Pを鉛直方向に沿
って貫くような状態を、以下では「正規状態」というこ
とにする。
ージインテンシファイアを採用し得ることについて述べ
たが、本発明は、このような形態に限定されるものでは
ない。例えばX線検出器6として、いわゆる「FPD
(Flat Panel Detector;平面検出
器)」を採用してよいことは勿論である。
当該アームを外側から覆うよう設けられる固定アーム3
aと、接続部3bを介して接続されている。接続部3b
は、固定アーム3aに対してCアーム3を、図1中矢印
Cで示すようなスライド動作させることが可能な構成で
あるとともに、図中矢印Dで示すような回転動作が可能
な構成となっている。
に「LAO方向」及び「RAO方向」といい、それぞれ
図3(a)に模式的に示すように、前者のLAO方向
は、前記正規状態にあるCアーム3の下端が天板2b下
面よりせり出し、これに伴い同上端が被検体Pの上方か
ら除かれるような方向であり、後者のRAO方向はその
逆の方向のことをいう。また、矢印Dに示される動作方
向を、一般に「Cranial方向」及び「Cauda
l方向」といい、それぞれ図3(b)に示すように、前
者のCranial方向は、前記正規状態にあるCアー
ム3自身から見て右方向に横倒しになるような方向(図
面向かって左方向)であり、後者のCaudal方向は
その逆の方向(図面向かって右方向)のことをいう。
に、その一端が、天井に備えられた支点3cに対し、回
転可能に取り付けられている。外側アーム3a及びCア
ーム3は、この支点3cにより、図1中矢印Eで示すよ
うな回転動作をする。さらに上記支点3cは、図1乃び
図2に示すように、天井面との間に基台3dを介して設
置されている。そして当該基台3dは、図示しないレー
ルに沿って図2中矢印Fに示す方向に移動する。以上の
構成から、結局、「Cアーム3」が、矢印Fの方向に並
進動作することも可能となっている(なお、Cアーム3
ないし基台3dは上記の他、天井面に対して、近接又は
離反する方向にも移動可能である。)。
中矢印C,D,E及びFに係る動作を実現するための複
数の動力源が該当する適当な箇所に備えられおり、これ
らはCアーム駆動部(図1において不図示、図4中符号
92参照)を構成する。さらに、Cアーム3には、該C
アーム駆動部を構成する各々の動力源に対応するよう
に、その角度ないし姿勢や位置の情報を検出する、例え
ばポテンショメータやエンコーダ等で構成されるCアー
ム状態検出部(図4中符号82参照)がそれぞれ備えら
れている。より具体的にエンコーダに関していえば、例
えば磁気方式、刷子式、あるいは光電式等となる、いわ
ゆるアブソリュートエンコーダを使用してよい。また、
本発明は、ロータリエンコーダあるいはリニアエンコー
ダの種別にこだわるものでもない。
矢印Eで示される各回転動作につき、該各回転動作の中
心を通る二つの軸線が互いに交わる点を、以下では「C
アーム3のアイソセンタ」と称する。また、上記で説明
したCアーム3の移動を実現する機構は一例示に過ぎ
ず、本発明が、これらの形態に限定されるものではな
い。例えば上記ではCアーム3の図2中F方向に関する
移動は、基台3dが天井敷設のレールに沿って走行す
る、いわゆる天井走行式により実現されるものとなって
いたが、本発明ではこれに代えて、Cアーム3を保持す
る床面設置の別体を用意し、当該別体が床面に沿って移
動することにより、図2中F方向の移動が実現されるよ
うな形態であってもよい。
ように、上記X線検出器6から入力されるX線データを
収集しこれをデジタル信号に変換するデータ収集部7
1、そのデジタル変換されたX線データに対し種々のキ
ャリブレーション処理等を行う前処理部72、その結果
に基づき画像を作成する画像作成部73、作成された画
像を表示する画像表示部D及び該画像を画像データとし
て記憶する画像メモリM等から構成されている。
ように、上述した寝台位置検出部81及びCアーム状態
検出部82が接続されており、これら各検出部81及び
82には寝台駆動部91及びCアーム駆動部92が接続
されている。これら各部の作用により、前記動力源の作
用によって変化する寝台2ないし天板2bやCアーム3
の位置ないし姿勢に関する情報(以下、「撮影位置情
報」という。)は、上記X線データ収集と同時に、収集
されている。そして、上記画像作成部73において作成
された画像に関する管理情報の中には、この同時収集さ
れたCアーム3等の撮影位置情報が含まれている。つま
り、画像表示部Dにおいて表示される画像、あるいは画
像メモリMにおいて記憶される画像データには、それに
固有の撮影位置情報が、その属性情報として必ず付され
ている(図4中、画像メモリMブロック内参照)。
置情報に加え、ある撮影位置においてX線撮影を実施し
た場合には、当該撮影位置におけるX線照射条件、すな
わちX線管球5における管電流・時間等をどの程度にし
たか等の各種条件を、被検体ごとに(=被検体の別に応
じて)、併せて記憶させておくことも可能である。
うに、上記各部(71乃至73、D及びM等)の駆動タ
イミングや、上記X線検出器5等を制御するための制御
部Cが備えられ、また、上記各部に対して装置使用者の
意思を伝えるための入力部74が備えられている。この
うち、本実施形態における制御部Cは特に、上記撮影位
置情報に基づく寝台2及びCアーム3の動作制御や、上
記入力部74を通じた透視像に対する指定入力に基づく
同動作制御を実現するための演算等を行い、かつ実際に
同動作を実現する制御信号等を発する(後に詳述す
る)。また、入力部74としては、具体的に例えば、キ
ーボードやマウス、あるいはジョイスティック、トラッ
クボール、ジョグシャトル、さらには表示部Dの画像表
示面に直截に接触しつつ入力することが可能な構成(い
わゆるタッチペン)等、種々の構成を採用することがで
きる。
装置1の作用効果について、図5乃び図6、並びに図7
及び図10に示すフローチャートに沿った説明を行う。
なお、本発明は、アンギオ装置1で取得された画像に付
随する撮影位置情報に基づき、あるいは当該画像中の注
目部位に対する指定入力に基づき、寝台2及びCアーム
3の適切な移動ないし位置決めを実施することにつき特
徴があるものであるから、以下ではこの点を中心とした
説明を行うことし、前者(撮影位置情報に基づく位置決
め等)を第一実施形態と、後者(指定入力に基づく位置
決め等)を第二実施形態と呼び、分けて説明することと
する。また最後に、第一実施形態及び第二実施形態の双
方に関わる事項を、第三実施形態として説明することと
する。なお、第一実施形態では、位置決めされた後、前
記撮影位置情報に付随して記憶されているX線照射条件
に基づいて、同条件の自動設定を行う場合も併せて説明
する。
るアンギオ装置1においては、既に撮影されたX線画像
に付随する前記撮影位置情報に基づき、寝台2ないし天
板2b及びCアーム3の適切な移動ないし位置決めを実
施することができる。ここで「既に撮影されたX線画像
に付随する撮影位置情報」とは、当該X線画像を作成す
るに必要なX線データが収集された時における、上記寝
台2及びCアーム3の位置ないし姿勢に関する情報、あ
るいは当該X線画像が撮影された際における撮影位置、
と言い換えることもできる。そして、本第一実施形態で
は、このX線画像が撮影された際における撮影位置に一
致するように、天板2bないし寝台2及びCアーム3の
いずれか少なくとも一つの位置ないし姿勢を自動的に設
定する。以下では、このような態様を、四つのパターン
に分けて説明する。
メモリM中におけるある一枚の画像を入力部74を通じ
て選択・入力(図5ステップS1)すると、該画像に付
随する撮影位置情報の中から、Cアーム3の角度(上記
にいう「Cranial方向」若しくは「Caudal
方向」又は「RAO方向」若しくは「LAO方向」)に
関するデータを制御部Cにより読み出し(図5ステップ
S2)、これに基づきCアーム駆動部92を通じて、C
アーム3を当該データが示す位置に向かって移動(この
場合においては、「回転動作」のみとなる。)させ、か
つ、当該位置において位置決めを実施する(図5ステッ
プS3乃びS4)。
おいて同一画像を確認したい場合等に有効である。すな
わち、本運用法によれば、術前の画像と同一方向からみ
た画像の確認を、術後においても容易に実施することが
でき、またこのことから当然に、その治療効果の確認も
短時間のうちに、かつ容易に実施することが可能とな
る。言い換えれば、従来、術前・術後で同一画像を確認
するためには、術後において、被検体の透視像を確認し
ながら術前に撮影された画像に関する寝台2及びCアー
ム3の位置を手動で再度セッティングする必要があった
ところ、本第1パターンではそのような必要がないこと
になる。ここで従来法が透視像の取得、つまり被検体に
対する新たな被曝を強いることとなる点を鑑みるに、本
第1パターンの有意性が特に確認されるところである。
めに際しては、例えば入力部74を構成する図示しない
「Cアーム回転ボタン」を押下中のみ、該Cアーム3の
実際の移動(図5ステップS4)が行われるような構成
とするとよい。このようにすれば、装置使用者はCアー
ム3の時々の移動を確認しながら、前記移動・位置決め
の随時進行ないし完了を制御することができ、該Cアー
ム3と被検体Pとの間で干渉を生じさせる等の不具合を
回避する(つまり、被検体Pの安全を確保する)ことが
できる。
メモリM中におけるある一枚の画像を入力部74を通じ
て選択・入力すると、当該画像に付随する撮影位置情報
に合致した位置での撮影(つまり、当該画像と同一の撮
影位置での撮影)が可能となる点、上記第1パターンと
変わりはないが、この際、前記撮影位置情報中、Cアー
ム3の位置ないし姿勢に関する情報、及び寝台2ないし
天板2bに関する情報の双方、すなわち該撮影位置情報
を構成する全情報(全データ)を利用する点で相違する
(図5ステップS2におけるかっこ内の記述参照)。そ
して、この場合においては、寝台駆動部91又はCアー
ム駆動部92のいずれか一方、あるいは双方に制御信号
を送信して、寝台2ないし天板2b及び/又はCアーム
3の移動・位置決めを行う(図5ステップS4における
かっこ内の記述参照)。
3等の位置を連続的に変化させ、複数枚の画像を撮影す
る等の検査実施中において、注目部位(例えば血管中の
狭窄又は閉塞部位等その他、より一般的にいえば「病変
部」等、以下同じ。)を再度検査する必要が生じた際、
それ以前に上記連続変化の中で一度通過した位置関係
(=寝台2及びCアーム3の相対的な位置関係)を再現
したい場合等に有効である。そして、この場合において
も、上記第1パターンと同様に、被検体に対し無用な被
曝を強いることとならない点が特筆される。
74を構成する図示しない「位置移動ボタン」を押下中
のみ、寝台2及び/又はCアーム3の移動が行われるよ
うな構成とするとよい。
置ないし姿勢を連続的に変化させる検査実施中において
は、取得される画像が同一の被検体に関するものとなる
から、上記した又は図5に示した撮影位置再現処理が行
われたとき(つまり、X線撮影角度を規定するCアーム
3の角度及び寝台2とCアーム3との相対的な位置関係
が従前と同じものとして再現されるとき)には、そのと
きのX線照射条件は、当該再現された撮影位置における
X線照射条件と、ほぼ同じとしてよいこととなる。
上記したように、画像データに付随させて画像メモリM
に記憶可能とされていた、各撮影位置におけるX線照射
条件を利用すると、上記とはまた別の効果が奏される。
すなわち、上記又は図5に示すような撮影位置再現処理
が行われた場合、そのときのX線照射条件は、当該再現
された撮影位置におけるX線照射条件に一致するよう自
動的に設定されるようにしておくとよい。そして、この
ようにしておけば、わざわざX線照射条件決めの透視を
して、余計な被曝を被検体に与えなくともよくなる。
X線照射条件がずれていても画像処理により十分な検査
画像として利用できるし、2フレーム目以降の画像は、
1フレーム目の撮影画像を元にX線照射条件をより厳密
に設定できるので殆ど問題ない。
関するものではあっても、連続した検査中の画像でなか
った場合(例えば、前日の検査画像を参照したような場
合)には、被検体の姿勢をほぼ同じように保てる機構
(例えば、天板上に印があるとか、頭と脚を同じ位置で
固定する等)があれば、前記実施例をそのまま適用でき
る。
パターンにも当てはめて考えることができるし、以下に
述べる第3及び第4パターンについても同様である。ま
た、上記第1及び第2パターンの効果として述べた事項
(=被検体の被曝量低減等)、及び、寝台2及び/又は
Cアーム3の移動を何らかのボタンの押下中のみ実行す
る構成としてよいことは、以下に述べる第3及び第4パ
ターンでも全く同様である。したがって、以下の第3及
び第4パターンでは、このような事項等に関する記載を
省略する。
り画像メモリM中に記憶された画像の選択・入力を通じ
て、該画像に付随する撮影位置情報に合致したCアーム
3等の移動を実現することにつき、上記第1及び第2パ
ターンと何ら変わりはない。ただし、本第3パターンに
おいては、選択・入力の対像となる画像が、Cアーム3
の角度の変更を伴いながら撮影された複数枚から構成さ
れた画像である点で相違する。
リM中における上記複数枚の画像を、いわゆるリプレイ
表示している間に、その中の一枚の画像を入力部74を
通じて選択・入力(図6ステップT1)することにな
る。このとき、この選択・入力は、例えば「注目部位が
はっきり見える画像」といった装置使用者の主観的な基
準に基づいて実施すればよい。
情報の中から、Cアーム3の角度に関するデータを制御
部Cにより読み出し(図6ステップT2)、これに基づ
きCアーム駆動部92を通じて、Cアーム3を当該デー
タが示す位置に向かって移動させ、かつ、当該位置にお
いて位置決めを行う(図6ステップT3乃びT4)。
3パターンに対する関係は、上記第2パターンの上記第
1パターンに対する関係と全く同様である。つまり、本
第4パターンは、上記第3パターンでCアーム3の回転
に関してのみ考慮されていたのに加え、Cアーム3の位
置や、寝台2ないし天板2bの位置をも考慮する点で異
なる。
た画像に付随する撮影位置情報を構成する全情報(全デ
ータ)を利用し(図6ステップT2におけるかっこ内の
記述参照)、寝台駆動部91又はCアーム駆動部92の
いずれか一方、あるいは双方に制御信号を送信して、寝
台2ないし天板2b及び/又はCアーム3の移動・位置
決めを行う(図6ステップT4におけるかっこ内の記述
参照)。
つのパターンを各別に実施できることは勿論、検査の進
行状況等に応じて、各パターンの二以上を適宜組み合わ
せて実施するようにしてよい。
て、ある被検体に関する撮影を実施する場合であって、
かつ、前記天板2b、前記寝台2及び前記Cアーム3の
位置ないし姿勢を、当該被検体に関し記憶されている撮
影位置と概略同じ撮影位置として自動的に設定する場合
には、上記第2パターンの説明中述べたように、当該撮
影位置におけるX線照射条件に一致するよう、当該設定
時におけるX線照射条件をも自動的に設定するようにし
てもよい。このようにすれば、被検体に対する無用な被
曝を避けることができる。
記X線照射条件は、まとめて「検査情報」として捉える
ことができよう。また、このような実施例は、撮影位置
の設定が、上記第1乃至第4パターンのように自動的に
行われる場合はもちろん、これを手動で行う場合におい
ても同様に考えることができる。つまり、撮影位置の設
定は手動で行うが、その設定が記憶された検査情報中の
ある撮影位置に概略一致する場合には、当該撮影位置に
おけるX線照射条件が自動的に設定されるということに
なる(ただし、被検体は同一である必要がある。)。
おけるアンギオ装置1においては、X線管球5から低線
量のX線を連続的に発生させて、これをX線検出器6及
び画像作成部73等においてリアルタイムに処理する、
いわゆる「透視撮影」下の状況で、これにより随時得ら
れている透視像(X線画像)を画像表示部D上に表示す
るとともに、該透視像に対する指定(位置)入力に基づ
いて、寝台2ないし天板2b及びCアーム3の適切な移
動ないし位置決めを実施することができる。以下では、
このような態様を、三つの実施例に分けて説明する。
する目的は、その後に予定される本撮影(例えば、「ボ
ーラスチェイス撮影」等)を実施する前に、被検体P内
における注目部位の位置関係を把握し、また該注目部位
がCアーム3のX線管球5とX線検出器6とを結ぶ線分
上にちょうど位置するよう、寝台2ないしCアーム3の
位置等を調整することにある。
を実施することにより、上記調整を迅速かつ効率的に実
施することができる。まず、図7ステップU1にあるよ
うに、任意に取得された(ないしは、現に取得の最中に
ある)透視像において、その像中の注目部位に対し、入
力部74を通じた指定入力をする。ここに「任意」の
「透視像」とは、寝台2及びCアーム3が特に定まった
位置にある状態にあるわけではなく、(したがって)注
目部位の像が必ずしも画像表示部D上の中心に位置しな
い場合を意味する。
ように、適当な大きさの領域を上記マウス等で囲むこと
により行う等とすればよい。なお、この図8において
は、透視像DZが、その一部につき腫瘍TM及びこれに
伴う閉塞部位dvn(=注目部位の像)が観察される血
管Pdvを現す画像であって、かつ、この腫瘍TMない
し閉塞部位dvnにつき、上記指定入力にかかる領域S
Pが指定されている例が示されている。
るように、上記指定入力に基づき、被検体P中の注目部
位を通る、実空間(=本アンギオ装置1が設置される空
間)上のX線軌跡がどのように表現されるかを確認す
る。ここで「注目部位を通る」とは、例えば簡単には、
上記領域SPの「中心部位SPC(に対応するX線検出
器6上の前記実空間上における座標値)を通る」等と解
すればよい。また、座標系としては、Cアーム3のアイ
ソセンタを原点とした座標系を考えればよい。結局この
場合において制御部Cは、中心部位SPC(に関する上
記したような座標値)とX線管球5のセンターとを結ぶ
直線が、Cアーム3のアイソセンタを原点とした座標系
でどのように表現されるかを演算することになる。
るX線検出器6上の前記実空間上における座標値を
(e,f,g)とし、該座標値(e,f,g)とX線管
球5のセンターとを結ぶベクトルをA=(a,b,c)
とすれば、上記X線軌跡ないし直線は、(x,y,z)
=A・t+(e,f,g)、あるいは、 (x,y,z)=(a,b,c)・t+(e,f,g)…(1) と表すことができる。ここに、tはパラメータであっ
て、 −∞≦t≦∞…(2) である。また、ベクトルAや座標値(e,f,g)は、
Cアーム状態検出部92から得られるCアーム3の現在
の位置や、X線検出器6上における一画素分の長さ(設
計値)等に基づいて求めることができる。
ようになる。この図9において、符号SPRは被検体P
中の注目部位、符号ICは原点たる前記アイソセンタで
あり、また、該座標系は、そのz軸方向が被検体の体軸
方向に一致するとともに、そのxy平面が前記z軸に垂
直な被検体の断面に合致し、かつ、y軸方向が鉛直上向
きに一致するようにとられている。
算に続き、図7ステップU3にあるように、注目部位S
PRの「高さ」位置の座標値を、プリセット値及び寝台
2の物理的高さから演算する。ここに「プリセット値」
とは、注目部位SPRの天板2b面からの高さを表す数
値のことをいい、所与の値として予め準備することの可
能なものである。例えば図8に示した透視像DZが、
「胸部」に関する画像であるならば、プリセット値は、
概ね天板2b面から「10cm程度」等と決められてい
る。なお、該プリセット値の入力は、いま説明している
処理を始める際(すなわち、図7ステップU1以前に)
に予め実施しておくことが可能であり、また場合によっ
ては、注目部位SPRの像に対する指定入力を行った時
点において実施する、等とすればよい。
ると、注目部位SPRの高さ位置の座標値y1は、 y1=dt+d0−y0…(3) と表すことができる(図9参照)。ここに、d0は、寝
台2の物理的高さ(≒脚2aの高さ)を表す値であり、
寝台位置検出部91を通じて既知である。また、y0は
アイソセンタの高さを表す。
4にあるように、上記(1)及び(3)式から、注目部
位SPRを通るX線軌跡の実空間上における表現式が、 (x,y1,z)=(a,b,c)・t+(e,f,g)…(4) であることを確認し、さらにこの場合の座標値x及びy
の具体的数値、すなわち注目部位SPRの座標値(x
1,y1,z1)を定める。具体的には、上記(4)式
における右辺がすべて既知(ただし、tを除く。)であ
ること、また、y1=b・t+fであるから、これより
t=(y1−f)/bが求められ、このtと上記(4)
式によりx1及びz1は求めることができる。
プU5にあるように、以上のように求まった注目部位S
PRの座標値(x1,y1,z1)の投影像が、X線検
出器6上の中心位置に位置するよう(=注目部位SPR
の像が画像表示部D上の中心に位置するよう)に、寝台
2及び/又はCアーム3の位置ないし姿勢を移動させ、
また位置決めを実施する。具体的には、この位置決めが
成功裏に終了する場合、その時点におけるCアーム3の
位置ないし姿勢における上記X線検出器6上の中心位置
の座標値を(e0,f0,g0)とすれば、(3)式あ
るいは(4)式と同様にして、 (x1,y1,z1)=(ax,bx,cx)・t+(e0,f0,g0)…( 5) と表現することができるから、この式を満足するような
上記移動ないし位置決めを実現すればよい。
ーム3のとり得る位置ないし姿勢、言い換えれば、座標
値(x1,y1,z1)の注目部位SPRをX線検出器
6の中心位置に投影することが可能であるための寝台2
及びCアーム3の最終位置(≒(5)式のベクトルAx
=(ax,bx,cx)及び(e0,f0,g0)の具
体値)、あるいは該位置までの移動の具体的手順は、原
理上、無限にある。したがって、上記移動ないし位置決
めを実施する際には、予め何らかの制限をかけておくこ
とが好ましい。
に、原点ICを中心とし、上記座標値(e,f,g)が
その表面上に存在する球Qを想定し、当該球Qの表面上
に限り、(e0,f0,g0)のあるべき位置を定め
る、といった手法をとり得る。つまり、この場合におい
ては、「点(e0,f0,g0)が前記球Qの表面上に
存在する」という点につき、制限がかけられていること
になる。
ば、現時点のCアーム3姿勢におけるX線検出器6の中
心位置の座標値(ec,fc,gc)と、点(x1,y
1,z1)を通る、適当に想定した有限数の直線及び前
記球Qが交わる点(ex,fx,gx)(x=1,2,
…,n)とにおいて、点(ec,fc,gc)に最も近
い点(em,fm,gm)(m=1,2,…or n)
に、X線検出器6の中心位置が一致するよう(=(e
c,fc,gc)が(em,fm,gm)になるよう)
に、Cアーム3の移動及び位置決めを実現する、等とす
ればよい。これによれば、Cアーム3の移動は、前記球
Qの想定により、図1における矢印C及びDに示す回転
動作「のみ」実施すればよく、かつ、該移動は最短距離
でもって、上記(5)式を近似的に満たし得ることとな
る。
けるX線検出器6の中心位置の座標値(ec,fc,g
c)を基準とし(=Cアーム3を移動することなく)、
既知となった座標値(x1,y1,z1)を、例えば
(x1,y1+Δ1,z1+Δ2)(ただし、例えば−
10cm≦Δ1orΔ2≦10cm)等と変化させるこ
とにより、この(x1,y1+Δ1,z1+Δ2)と
(ec,fc,gc)(=(e0,f0,g0))とに
より定義されるベクトルB((5)式におけるベクトル
Ax=(ax,bx,cx)に該当する。)が、(3)
式におけるベクトルAに一致、あるいは近似するような
Δ1及びΔ2を求める、等といった手法を採ることも考
えられよう。なお、この場合においては、明らかな通
り、寝台2及び天板2bの移動のみを実施すればよいこ
とが分かる。
現例として、「画像表示部D上における透視像DZの拡
大率を変化させない」とか、「寝台2の上下動のみの調
整を行う」等といった、表現により表される条件を課す
場合も考えられよう。
り、寝台2及び/又はCアーム3は、(5)式を満たす
ような適切な位置決めがなされ、結果、注目部位SPR
の像は、画像表示部D上において中心に表示されること
になる。つまり、本第一実施例の冒頭に述べた「調整」
は、自動的に、迅速かつ効率的に実施されることとな
る。したがって、本第二実施形態・第一実施例によれ
ば、上記第一実施形態と同様、被検体に対する無用な被
曝を強いることがなく、その被爆量を低減することがで
きる。
実施例における位置決めの精度を向上させることをその
趣旨とする。すなわち、上記第一実施例では、各処理に
おいて、適度な近似を働かせることを前提としているか
ら、一度演算を実施するのみで、注目部位SPRの像を
画像表示部D上の中心に表示できるどうかは必ずしも確
実ではない。殊に、上記で導入したプリセット値dt
は、そもそも、比較的大雑把に定められる性質の値であ
ることから、上記のような事態が発生することが一般に
考えられることとなる。
例によって取得された結果に基づいて、上記「調整」に
係る精度の更なる向上を図る。具体的には、上記第一実
施例の演算結果により、移動及び位置決めされた新たな
相対的位置関係にある寝台2及びCアーム3により取得
された透視像DZ´(不図示)について、該透視像DZ
´中の注目部位SPRに対し上記と同様な指定入力を行
う。この結果、上記(1)式に相当する表現式、すなわ
ち、 (x,y,z)=(a1,b1,c1)・t+(e´,f´,g´)…(6) を得る。ここに、ベクトルA1=(a1,b1,c
1)、座標値(e´,f´,g´)の意味合いは、上記
(1)式におけるのと同様である。例えば、座標値(e
´,f´,g´)に関していえば、これは、いま行われ
た指定入力に係る部位に対応するX線検出器6上の実空
間上における座標値である。ここで「指定入力に係る部
位」とは、上記では「中心部位SPC」であったが、こ
の場合においてもむろん同様に考えてよい。
と(1)式とを連立させることによれば、注目部位SP
Rの新たな座標値(x1´,y1´,z1´)を求める
ことができる。この場合、プリセット値dtの影響は排
除されるから、座標値(x1´,y1´,z1´)はそ
れに関わりのないものとして得られることになる。後
は、上記図7ステップU5に関し述べたのと同様に、改
めて寝台2及び/又はCアーム3の移動及び位置決めを
実施すればよい。以上のことから、本第二実施例では、
より精度高く、注目部位SPRの像を画像表示部D上の
中心に表示させることが可能となる。
及び第二実施例に関する応用であって、プリセット値d
tを用いずに、そもそも最初から注目部位SPRがX線
検出器6上の中心位置に投影されるような寝台2及び/
又はCアーム3の移動及び位置決めを実行する手法に関
するものである。
その像中の注目部位SPRに対し、入力部74を通じた
指定入力をし、該注目部位SPRを通るX線軌跡の表現
式を得る(図10ステップV1乃びV2)。この点、上
記第一実施例と何ら変わるところはなく、結果、上記
(1)式に相当する式が得られることになる。ただし、
ここでは説明の便宜のため、(1)式におけるベクトル
Aを、ベクトルAa=(aa,ba,ca)に、座標値
(e,f,g)を(ea,fa,ga)に置き換えた表
現とする(その本質が異ならないのは言うまでもな
い。)。 (x,y,z)=(aa,ba,ca)・t+(ea,fa,ga)…(1)´
あるように、Cアーム3の角度を自動的に所定量変化さ
せ、この後の状態でもう一度透視像DZ´´(不図示)
を得る。そして、図10ステップV4及びV5にあるよ
うに、この新たな透視像DZ´´中の注目部位SPRに
対し、入力部74を通じた指定入力を再度行い、該注目
部位SPRを通るX線軌跡の表現式を改めて得る。つま
り、この場合の指定入力に係る部位に対応するX線検出
器6上の実空間上における座標値を(eb,fb,g
b)とし、該座標値(eb,fb,gb)とX線管球5
のセンターとを結ぶベクトルをAb=(ab,bb,c
b)とすれば、 (x,y,z)=(ab,bb,cb)・t+(eb,fb,gb)…(7) が得られる。
この図によれば、上記操作(Cアーム3の角度所定量変
化)により、注目部位SPRを通る二つのX線軌跡が得
られることとなるのがわかる(なお、このような図示の
状況は、上記第二実施例における(1)式と(6)式を
図示表現する場合にも当てはまる。)。後は、上記第二
実施例と同様に、(1)´式及び(7)式を連立させる
ことにより、注目部位SPRの座標値(x1,y1,z
1)を求めた後(図10ステップV6)、上記第一実施
例と同様に、該座標値(x1,y1,z1)を有する注
目部位SPRを、X線検出器6上の中心位置に投影し得
る、寝台2及び/又はCアーム3の移動及び位置付けを
実施すればよい(図10ステップV7)。
明らかなように、そもそも当初からプリセット値dtが
不要である。したがって、上記第二実施例で目論んだ効
果が、始めから享受し得ることとなる。
用形態を適用することが可能である。すなわち、上記第
一、第二及び第三の各実施例における処理を経ることに
よって、注目部位SPRの像が画像表示部D上の中心に
表示されるようになったら、それ以降、例えば装置使用
者が寝台2ないし天板2b、あるいはCアーム3の移動
指令を、入力部74を通じて直接に発した場合(マニュ
アル操作による移動)にあっても、注目部位SPR像の
中心表示が維持されるような構成を採用することが可能
である。つまり、上記のようなマニュアル操作が介在す
ると、一般に注目部位SPR像の画像表示部D上におけ
る表示位置は変更される(中心から外れる)ことになる
が、この変更を打ち消すような寝台2及び/又はCアー
ム3の移動・位置決めが自動的に実行されるような構成
である。
確定されたベクトルAx=(ax,bx,cx)並びに
座標値(x1,y1,z1)及び(e0,f0,g0)
を基準として、上記マニュアル操作により与えられた量
による変位(例えば一般には、寝台2の移動であれば
(x1+Δx,y1+Δy,z1+Δz)として、Cア
ーム3の移動ないし回転であれば(e0+Δe,f0+
Δf,g0+Δg)としてそれぞれ与えられよう。)を
打ち消すような新たな(5)式形式による表現を、上記
第一実施例中で述べたような手順により求めるようにす
ればよい。
形態及び第二実施形態の双方に関わる本アンギオ装置1
の運用法について説明する。ここで「双方に関わる」
「運用法」とは、つまり上記第一実施形態における主要
な概念「撮影位置情報」と第二実施形態における主要な
概念「指定入力」を、いわば組み合わせた形態で、本実
施形態に係るアンギオ装置1を運用することを意味す
る。以下具体的に説明する。
例では、取得された二つの透視像中の各注目部位SPR
に対し指定入力を行い、これに基づいて、該注目部位S
PRがX線検出器6上の中心位置に投影されるよう、す
なわち該注目部位SPRの像が画像表示部D上の中心に
表示されるように、寝台2及び/又はCアーム3を適切
に移動・位置決めするものであった。
三実施例のような運用を実施する以前に、当該注目部位
SPRの像を含む、撮影済み(=画像メモリMに記憶済
み)の透視像を取得している場合も当然に考えられる。
また、この透視像は、上記第一実施形態で述べたように
撮影位置情報を付随している。
場合であって、かつ、該透視像が現時点で取得されてい
る透視像とは異なる撮影位置で取得されたものである場
合には、上記第二実施形態における第三実施例で、二つ
目の透視像を取得するのに必要なCアーム3の角度変化
工程(図10ステップV3)を省いてもよい。なぜな
ら、前記撮影された透視像に付随する撮影位置情報によ
り、上記(7)式に相当する表現式を得ることができる
からである。ただし、このような場合においては、上記
第一実施形態のように、選択された画像に付随する撮影
位置情報「そのもの」を利用して寝台2及び/又はCア
ーム3を移動するといった単純な工程とはならず、当該
画像中の注目部位に対する指定入力以降の工程(図10
ステップV4以降、参照)が必要となることは言うまで
もない。
態における第一及び第二実施例においても、同様に考え
ることができる。すなわち、これら第一及び第二実施例
では、それらの処理において必要とされていた透視像D
Z又はDZ´の取得が必要でない場合があり得る。その
ような場合とはつまり、既に撮影されたものであって、
該透視像DZ又はDZ´に代わり得る注目部位SPRの
像を含んだ透視像が存在している場合に他ならない。
は、上記第二実施形態においても有効に利用することが
できる。そして、このことによれば、上記第二実施形態
における各実施例に比してもまだ、被検体に対する被曝
量の更なる低減を図ることができる。
撮影装置によれば、撮影位置を定めるに際して、被検体
に対し無用な被曝を強いることなく、その被曝量を低減
することができる。
例を示す概要図である。
る姿勢を説明する説明図であって、(a)はCアームの
RAO方向又はLAO方向、(b)はCranial方
向又はCaudal方向の姿勢変化に関する。
すブロック図である。
記憶された画像を選択することにより、当該画像と同一
の撮影位置にアンギオ装置をセッティングする処理の流
れを示すフローチャートである。
透視像の注目部位に対する指定入力に基づいて、該注目
部位の像を画像表示部上の中心の位置に表示させるため
の処理の流れを示すフローチャートである。
図である。
次元空間、X線軌跡等を示す説明図である。
り、透視像の注目部位に対する指定入力に基づいて、該
注目部位の像を画像表示部上の中心の位置に表示させる
ための処理の流れを示すフローチャートである。
る三次元空間、X線軌跡等を示す説明図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 被検体を載置し移動可能な天板を備えた
寝台と、その一端及び他端にそれぞれ対向するよう備え
られたX線発生手段及びX線検出手段を備えた略C字形
状となる支持器とを有し、前記天板、前記寝台及び前記
支持器それぞれの種々の位置ないし姿勢に応じた種々の
撮影位置にて前記被検体に関するX線画像を撮影可能な
X線画像撮影装置において、 前記X線画像から得られる情報に基づいて、前記天板、
前記寝台及び前記支持器のいずれか少なくとも一つの位
置ないし姿勢を自動的に設定する制御手段を有すること
を特徴とするX線画像撮影装置。 - 【請求項2】 前記X線画像から得られる情報は、当該
X線画像が撮影された際における撮影位置に対応する前
記天板、前記寝台及び前記支持器の位置ないし姿勢に関
する情報を含む撮影位置情報であって、 前記制御手段は、 当該X線画像が撮影された際における撮影位置に一致す
るように、前記天板、前記寝台及び前記支持器のいずれ
か少なくとも一つの位置ないし姿勢を自動的に設定する
ことを特徴とする請求項1記載のX線画像撮影装置。 - 【請求項3】 請求項2記載のX線画像撮影装置におい
て、 前記X線画像から得られる情報は、前記撮影位置情報に
加え、X線照射条件を含み、 当該X線画像に写る被検体と、前記設定後に撮影しよう
とする被検体とが同一である場合には、 前記制御手段は、 当該設定に際し前記撮影位置情報とともに取得された前
記X線照射条件に一致するよう当該設定後におけるX線
照射条件を自動的に設定すること特徴とするX線画像撮
影装置。 - 【請求項4】 前記X線画像から得られる情報は、当該
X線画像中の注目部位の像に対する指定入力により取得
される、該指定入力に係る部位に対応する前記X線検出
手段上の実空間上における座標値であって、 前記制御手段は、 前記注目部位が前記X線検出手段の中心に投影されるよ
うに、前記天板、前記寝台及び前記支持器のいずれか少
なくとも一つの位置ないし姿勢を自動的に設定すること
を特徴とする請求項1記載のX線画像撮影装置。 - 【請求項5】 前記制御手段は、前記設定において、 前記天板から前記被検体中の注目部位までの高さの値で
あるプリセット値を利用することを特徴とする請求項4
記載のX線画像撮影装置。 - 【請求項6】 前記制御手段は、前記設定において、 前記座標値として、異なる撮影位置における二つのX線
画像中の注目部位の像に対する二回の指定入力により取
得される二つの座標値を利用することを特徴とする請求
項4記載のX線画像撮影装置。 - 【請求項7】 被検体を載置し移動可能な天板を備えた
寝台と、その一端及び他端にそれぞれ対向するよう備え
られたX線発生手段及びX線検出手段を備えた略C字形
状となる支持器とを有し、前記天板、前記寝台及び前記
支持器それぞれの種々の位置ないし姿勢に応じた種々の
撮影位置にて前記被検体に関するX線画像を撮影可能な
X線画像撮影装置において、 前記撮影位置に関する情報及び該撮影位置におけるX線
照射条件から少なくとも構成される検査情報を、被検体
ごとに記憶する記憶手段と、 ある被検体に関する撮影を実施する場合であって、か
つ、前記天板、前記寝台及び前記支持器の位置ないし姿
勢を、当該被検体に関し記憶されている撮影位置と概略
同じ撮影位置として設定する場合には、当該撮影位置に
おけるX線照射条件に一致するよう、当該設定時におけ
るX線照射条件を自動的に設定する制御手段を有するこ
とを特徴とするX線画像撮影装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000390987A JP4836323B2 (ja) | 2000-12-22 | 2000-12-22 | X線画像撮影装置 |
US09/984,530 US6764217B2 (en) | 2000-10-30 | 2001-10-30 | X-ray diagnosis apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
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