JP2002185133A - フレキシブル配線回路基板およびフレキシブル配線回路基板の製造方法 - Google Patents

フレキシブル配線回路基板およびフレキシブル配線回路基板の製造方法

Info

Publication number
JP2002185133A
JP2002185133A JP2000380138A JP2000380138A JP2002185133A JP 2002185133 A JP2002185133 A JP 2002185133A JP 2000380138 A JP2000380138 A JP 2000380138A JP 2000380138 A JP2000380138 A JP 2000380138A JP 2002185133 A JP2002185133 A JP 2002185133A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
circuit board
conductor layer
conductor
plating layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000380138A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuru Motogami
満 本上
Shuichi Wakagi
秀一 若木
Yasufumi Miyake
康文 三宅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2000380138A priority Critical patent/JP2002185133A/ja
Publication of JP2002185133A publication Critical patent/JP2002185133A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温高湿環境下において長期にわたって通電
しても、絶縁不良を生じることの少ない接続端子部を有
するフレキシブル配線回路基板、および、そのようなフ
レキシブル配線回路基板の製造方法を提供すること。 【解決手段】 凹凸形状の表面を有する導体層11を用
意した後、その表面に絶縁層12を積層し、次いで、導
体層11をエッチングして所定の導体パターンとした
後、接続端子部16となる導体層11の縁部15が露出
するように開口された絶縁保護層17を形成して、その
導体層11の縁部15に、ニッケルめっき層20と、金
めっき層21とを順次形成する。これによって、絶縁層
12の表面に、導体層11の表面の凹凸形状が転写さ
れ、その転写された絶縁層12の表面に、ニッケルめっ
き層20が食い込むので、金めっき層21を形成すると
きに、ニッケルめっき層21の接触部分22に金めっき
液が侵入することが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フレキシブル配線
回路基板およびフレキシブル配線回路基板の製造方法に
関し、詳しくは、電子部品や電子機器などに用いられる
フレキシブル配線回路基板、および、そのフレキシブル
配線回路基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 フレキシブル配線回路基板は、可撓性
を有する配線回路基板として、電子部品や電子機器など
に広く用いられている。このようなフレキシブル配線回
路基板は、例えば、図5に示すように、ポリイミド樹脂
などからなる絶縁樹脂層1の上に、所定の導体パターン
として形成される銅箔などからなる導体層2が接着剤層
8を介して積層されており、さらに、その導体層2の上
に、ポリイミド樹脂などからなる絶縁保護層3が接着剤
層9を介して形成されている。
【0003】そして、このようなフレキシブル配線回路
基板には、外部の配線回路基板などと接続するための接
続端子部4が形成されている。すなわち、接続端子部4
としては、例えば、絶縁保護層3および接着剤層9を公
知の方法によって開口することにより導体層2の縁部5
を露出させて、この縁部5を接続端子部4とし、その縁
部5の上面および側面を、腐食防止のために、ニッケル
めっき層6および金めっき層7によって被覆するものが
知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような接
続端子部4は、電解めっきによって金めっき層7を形成
するときに、図6に示すように、金めっき液が、ニッケ
ルめっき層6と接着剤層8との界面に侵入して、その界
面に金めっき層7が形成されるとともに、金めっき液が
残留して、金めっき液成分中の塩素イオンなどのイオン
性不純物が残渣として残り、高温高湿環境下で長期にわ
たって通電すると、絶縁不良を生じることがある。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
ものであって、その目的とするところは、高温高湿環境
下において長期にわたって通電しても、絶縁不良を生じ
ることの少ない接続端子部を有するフレキシブル配線回
路基板、および、そのようなフレキシブル配線回路基板
の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、絶縁層と、前記絶縁層の上に所定の導体
パターンとして形成される導体層とを備えるフレキシブ
ル配線回路基板において、前記導体層の縁部が接続端子
部とされており、前記接続端子部には、前記導体層の表
面を覆い前記絶縁層に接触するように延びるめっき層が
形成されており、前記絶縁層における前記めっき層が接
触する接触部分の表面が、凹凸形状を有するとともに、
前記めっき層が、前記接触部分に食い込んだ状態となっ
ていることを特徴としている。
【0007】このように、めっき層が接触部分に食い込
んだ状態となっていれば、そのめっき層をさらにめっき
する場合において、絶縁層とめっき層との界面に、さら
にめっきするためのめっき液が侵入することを有効に防
止することができる。そのため、界面に、さらにめっき
層が形成されることや、イオン性不純物が残渣として残
ることもなく、高温高湿環境下で長期にわたって通電し
ても、絶縁不良を生じることが少なく、優れた電気的特
性を発現することができる。
【0008】また、本発明においては、前記接触部分の
表面粗さが、3μm以上であることが好ましい。接触部
分の表面粗さが3μm以上であると、めっき層をしっか
りと食い込ますことができる。
【0009】また、本発明においては、前記接触部分の
凹凸形状が、前記絶縁層の表面に凹凸形状の表面を有す
る導体層を積層して、前記接触部分に前記導体層の表面
の凹凸形状を転写した後、前記接触部分における前記導
体層を除去することにより形成されていることが好まし
い。接触部分の凹凸形状を、このような導体層の転写に
よって形成すれば、フレキシブル配線回路基板を製造す
る工程において、接触部分の凹凸形状を形成するための
特別な工程を要さずとも、簡易かつ確実に接触部分の凹
凸形状を形成することができ、めっき層を食い込ますこ
とができる。
【0010】また、この場合には、前記導体層の表面の
表面粗さが、3μm以上であることが好ましい。導体層
の表面の表面粗さが3μm以上であると、転写後の接触
部分において、めっき層をしっかりと食い込ますことが
できる。
【0011】また、本発明は、凹凸形状の表面を有する
導体層に絶縁層を積層して、前記絶縁層の表面に前記導
体層の表面の凹凸形状を転写する工程、前記導体層をエ
ッチングして、所定の導体パターンとする工程、所定の
導体パターンとされた前記導体層の縁部に、前記導体層
の表面を覆い前記絶縁層に接触するように延びるめっき
層を形成する工程、を含む、フレキシブル配線回路基板
の製造方法をも含むものである。
【0012】このようなフレキシブル配線回路基板の製
造方法によれば、絶縁層の表面に、導体層の表面の凹凸
形状が転写され、その転写された絶縁層の表面に、導体
層の縁部を覆うめっき層が接触するように形成されるの
で、めっき層は、絶縁層の表面に食い込むようにして形
成される。このように、めっき層が食い込んだ状態とな
っていれば、そのめっき層をさらにめっきする場合にお
いて、絶縁層とめっき層との界面に、さらにめっきする
ためのめっき液が侵入することを有効に防止することが
できる。そのため、界面に、さらにめっき層が形成され
ることや、イオン性不純物が残渣として残ることもな
く、高温高湿環境下で長期にわたって通電しても、絶縁
不良を生じることが少なく、優れた電気的特性を発現す
ることができる。
【0013】また、この場合には、前記導体層の表面の
表面粗さが、3μm以上であることが好ましい。導体層
の表面の表面粗さが3μm以上であると、転写後の絶縁
層の表面において、めっき層をしっかりと食い込ますこ
とができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のフレキシブル配
線回路基板の製造方法の一実施形態を示す、工程断面図
である。まず、図1を参照して、本発明のフレキシブル
配線回路基板の製造方法の一例について説明する。
【0015】この方法では、まず、図1(a)に示すよ
うに、凹凸形状の表面を有する導体層11として、表面
に凹凸形状が形成される金属箔を用意する。金属箔とし
ては、例えば、銅、ニッケル、金、はんだ、または、こ
れらの合金などの箔が挙げられる。また、その厚みは、
通常、3〜70μm、好ましくは、9〜35μmであ
る。
【0016】表面の凹凸形状は、その中心線表面粗さ
(Ra)が、3μm以上、さらには、3〜15μm、と
りわけ、5〜10μmであることが好ましい。表面の中
心線表面粗さが3μm以上であると、後述する転写後の
絶縁層12の表面の接触部分22において、ニッケルめ
っき層20をしっかりと食い込ますことができる。ま
た、このような中心線表面粗さ(Ra)は、例えば、非
接触表面粗さ計(WYKO社製)で測定した中心線から
の高さの最大値と最小値との差によって求めることがで
きる。
【0017】このような表面の凹凸形状は、例えば、金
属箔の表面に、過硫酸アンモニウム水溶液などを用いる
ソフトエッチング、黒化処理、サンドブラスト、めっき
などの粗面化処理を行なうことによって形成することが
できる。
【0018】また、このような表面に凹凸形状が形成さ
れる金属箔としては、銅箔が好ましいが、その銅箔とし
ては、圧延銅箔および電解銅箔のいずれでもよいが、電
解銅箔がより好ましく用いられる。
【0019】なお、凹凸形状は、次に述べる絶縁層12
が積層される表面に形成されていればよく、その裏面に
形成されていなくてもよい。
【0020】次に、図1(b)に示すように、導体層1
1の凹凸形状を有する表面に、絶縁層12を積層する。
絶縁層12は、例えば、樹脂フィルムを、接着剤を介し
て導体層11の表面に貼着することにより、絶縁樹脂層
13および接着剤層14として積層形成すればよい。
【0021】樹脂フィルムとしては、例えば、ポリイミ
ド樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポ
リエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート
樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル
樹脂などの合成樹脂のフィルムが挙げられる。好ましく
は、ポリイミド樹脂のフィルムが挙げられる。また、樹
脂フィルムによって形成される絶縁樹脂層13の厚み
は、通常、6〜75μm、好ましくは、10〜30μm
である。
【0022】また、接着剤としては、例えば、ポリイミ
ド系接着剤、エポキシ系接着剤、エポキシ−ニトリルブ
チルゴム系接着剤、エポキシ−アクリルゴム系接着剤、
アクリル系接着剤、ブチラール系接着剤、ウレタン系接
着剤などの熱硬化性接着剤、例えば、合成ゴム系接着剤
などの熱可塑性接着剤、例えば、感圧性接着剤であるア
クリル系粘着剤などが挙げられる。好ましくは、ポリイ
ミド系接着剤、エポキシ系接着剤、エポキシ−ニトリル
ブチルゴム系接着剤、エポキシ−アクリルゴム系接着
剤、アクリル系接着剤が挙げられる。また、接着剤層1
4の厚みは、通常、5〜50μm、好ましくは、10〜
30μmである。
【0023】絶縁層12の貼着は、特に限定されない
が、これら、導体層11、接着剤層14および絶縁樹脂
層13を重ね合わせた状態で、例えば、100〜180
℃、好ましくは、140〜160℃において、1〜10
MPa、好ましくは、2〜4MPaの圧力で圧着させれ
ばよい。
【0024】このように、導体層11の凹凸形状を有す
る表面に、絶縁層12を積層することにより、接着剤層
14における導体層11と接触する表面には、導体層1
1の表面の凹凸形状が転写される。
【0025】次いで、図1(c)に示すように、導体層
11をエッチングして所定の導体パターンにする。エッ
チングは、公知の方法でよく、例えば、サブトラクティ
ブ法などが用いられる。サブトラクティブ法では、例え
ば、導体層11の上に、所定の導体パターンに対応させ
てエッチングレジストを形成し、そのエッチングレジス
トをレジストとして導体層11をエッチングして、その
後にエッチングレジストを除去すればよい。
【0026】なお、このように形成された導体パターン
において、導体層11の縁部(端部)15が、外部の回
路配線基板などと接続するための接続端子部16とされ
る。
【0027】また、導体層11がエッチングによって除
去された後の接着剤層14の表面には、上記したよう
に、導体層11の表面の凹凸形状が転写されることによ
って、その導体層11の表面の凹凸形状と同様の凹凸形
状が形成されている。なお、接着剤層14の表面は、導
体層11の表面の凹凸形状の転写によって、その中心線
表面粗さが3μm以上、さらには、3〜15μm、とり
わけ、5〜10μmとなっていることが好ましい。接着
剤層14の表面の中心線表面粗さが3μm以上である
と、後述するように、ニッケルめっき層20をしっかり
と食い込ますことができる。
【0028】次いで、図1(d)に示すように、所定の
導体パターンとされた導体層11の上に、接続端子部1
6が露出するように開口された絶縁保護層17を形成す
る。
【0029】絶縁保護層17の形成は、例えば、接続端
子部16に対応する部分を予め開口した樹脂フィルム
を、接着剤を介して導体層11の表面に貼着することに
より、絶縁保護層17を、絶縁樹脂層18および接着剤
層19として積層形成すればよい。樹脂フィルムおよび
接着剤は、上記と同様の樹脂フィルムおよび接着剤を用
いればよく、また、上記と同様の条件で圧着させればよ
い。また、接続端子部16に対応する部分を開口するに
は、絶縁保護層17を、ドリル加工、レーザ加工、パン
チング加工、エッチング加工など公知の方法によって開
口すればよい。
【0030】これによって、導体層11の上に、接続端
子部16およびその接続端子部16に隣り合う凹凸形状
を有する接着剤層14の表面が露出するように開口され
た絶縁保護層17が形成される。なお、絶縁保護層17
において、絶縁樹脂層18の厚みは、6〜75μm、さ
らには、10〜30μmであることが好ましく、また、
接着剤層19厚みは、5〜50μm、さらには、10〜
30μmであることが好ましい。
【0031】また、このような絶縁保護層17は、後述
する図3(d)にも示すように、接着剤を使用せず、絶
縁樹脂層18のみで絶縁保護層17を形成してもよい。
【0032】例えば、絶縁端子部16に対応する部分が
開口されるように、樹脂溶液をスクリーン印刷すること
によって形成することができる。その場合は、例えば、
ポリイミド樹脂の前駆体(感光性ポリアミック樹脂な
ど)の溶液を、接続端子部16に対応する部分が開口さ
れるようにスクリーン印刷して、乾燥した後、250℃
以上で加熱することによって、硬化(イミド化)させれ
ばよい。
【0033】また、感光性樹脂の溶液を塗布した後、露
光および現像により、接続端子部16に対応する部分が
開口されるようにパターンニングした後、硬化してもよ
い。その場合は、例えば、ポリイミド樹脂の前駆体(感
光性ポリアミック樹脂など)の溶液を、導体層11の上
に塗布した後、乾燥させて皮膜を形成し、フォトマスク
を介して露光した後、必要により加熱後、現像すること
によって、その皮膜を、接続端子部16に対応する部分
が開口されたパターンとした後、250℃以上で加熱す
ることによって、硬化(イミド化)させればよい。
【0034】そして、図1(e)に示すように、接続端
子部16に、めっき層としてのニッケルめっき層20
と、金めっき層21とを順次形成する。
【0035】ニッケルめっき層20の形成は、電解ニッ
ケルめっき、無電解ニッケルめっきのいずれでもよい
が、電解ニッケルめっきにより形成することが好まし
い。ニッケルめっき層20は、導体層11の縁部15の
上面および側面を覆い、接着剤層14の凹凸形状を有す
る表面まで延びるように形成する。これによって、ニッ
ケルめっき層20は、図2に示すように、接着剤層14
の凹凸形状を有する表面に、その接触する接触部分22
において食い込むようにして形成される。なお、ニッケ
ルめっき層20の厚みは、0.5〜15μm、さらに
は、3〜9μmであることが好ましい。
【0036】また、金めっき層21の形成は、電解金め
っき、無電解金めっきのいずれでもよいが、電解金めっ
きにより形成することが好ましい。金めっき層21は、
ニッケルめっき層20を覆うようにして、接着剤層14
の凹凸形状を有する表面にまで延びるように形成する。
なお、金めっき層21の厚みは、0.05〜3μm、さ
らには、0.1〜2μmであることが好ましい。
【0037】このような方法によれば、接着剤層14の
表面に、導体層11の表面の凹凸形状が転写され、その
転写された接着剤層14の表面に、導体層11の縁部1
5を覆うニッケルめっき層20が、図2に示すように、
接着剤層14の凹凸形状の表面の接触部分22に食い込
むようにして形成されるので、金めっき層21を形成す
るときに、接着剤層14とニッケルめっき層20との界
面に、金めっき層21を形成するための金めっき液が侵
入することが有効に防止される。そのため、その界面
に、金めっき層21が形成されることや、金めっき液が
残留して、金めっき液成分中の塩素イオンなどのイオン
性不純物が残渣として残ることもない。したがって、こ
のようにして得られるフレキシブル配線回路基板では、
高温高湿環境下で長期にわたって通電しても、絶縁不良
を生じることが少なく、優れた電気的特性を発現するこ
とができる。
【0038】また、上記の図1に示す方法においては、
導体層11の凹凸形状を有する表面に、樹脂フィルムを
接着剤を介して貼着することにより、絶縁樹脂層13お
よび接着剤層14として絶縁層12を積層形成したが、
例えば、図3(a)に示すように、凹凸形状の表面を有
する導体層11を用意した後、図3(b)に示すよう
に、導体層11の凹凸形状を有する表面に、例えば、ポ
リイミド樹脂の前駆体(ポリアミック酸など)などの樹
脂溶液を直接塗布し、これを乾燥および硬化させるか、
あるいは、導体層11の凹凸形状を有する表面に、例え
ば、粘着性を有するポリイミド樹脂の前駆体(ポリアミ
ック酸樹脂など)などの粘着性樹脂フィルムを直接貼着
し、これを硬化させることにより、絶縁樹脂層13のみ
で絶縁層12を積層形成してもよい。その後、図1に示
す方法と同様に、図3(c)に示すように、導体層11
をエッチングして所定の導体パターンとした後、図3
(d)に示すように、所定の導体パターンとされた導体
層11の上に、接続端子部16となる導体層11の縁部
15が露出するように開口された絶縁保護層17を形成
し、その導体層11の縁部15に、ニッケルめっき層2
0と、金めっき層21とを順次形成すればよい。なお、
図3(d)においては、接続端子部16に対応する部分
が開口される樹脂の溶液をスクリーン印刷した後、乾燥
し、硬化させることにより、絶縁樹脂層18のみで絶縁
保護層17が積層形成されている。
【0039】この方法によっても、絶縁樹脂層13の表
面に、導体層11の表面の凹凸形状が転写され、その転
写された絶縁樹脂層13の表面に、導体層11の縁部1
5を覆うニッケルめっき層20が、図4に示すように、
絶縁樹脂層13の凹凸形状の表面の接触部分22に食い
込むようにして形成されるので、金めっき層21を形成
するときに、絶縁樹脂層13とニッケルめっき層20と
の界面に、金めっき層21を形成するための金めっき液
が侵入することが有効に防止される。そのため、その界
面に、金めっき層21が形成されることや、金めっき液
が残留して、金めっき液成分中の塩素イオンなどのイオ
ン性不純物が残渣として残ることもない。したがって、
このようにして得られるフレキシブル配線回路基板で
は、高温高湿環境下で長期にわたって通電しても、絶縁
不良を生じることが少なく、優れた電気的特性を発現す
ることができる。
【0040】そして、このようにして得られたフレキシ
ブル配線回路基板は、信頼性が高く、例えば、プラズマ
ディスプレイパネルやエレクトロルミネッセンスなど高
電圧下にて使用される、または、携帯電話やハードディ
スクなどの高精細な部分に使用されるフレキシブル配線
回路基板として、有効に用いられる。
【0041】なお、以上の説明においては、ニッケルめ
っき層20が食い込む絶縁層12(接着剤層14または
絶縁樹脂層13)の接触部分22の凹凸形状を、導体層
11の表面に形成される凹凸形状の転写によって形成し
たが、これに限定されることなく、例えば、絶縁保護層
17における接続端子部16に対応する部分を開口形成
した後、その開口部分に露出する絶縁層12(接着剤層
14または絶縁樹脂層13)を、公知の方法によって粗
面化することにより、その表面を凹凸形状に形成した
後、ニッケルめっき層20を形成するようにしてもよ
い。
【0042】なお、接触部分22の凹凸形状を、導体層
11の表面に形成される凹凸形状の転写によって形成す
れば、フレキシブル配線回路基板を製造する工程におい
て、接触部分22の凹凸形状を形成するための特別な工
程を要さずとも、簡易かつ確実に接触部分22の凹凸形
状を形成することができ、ニッケルめっき層20を、そ
の接触部分22に確実に食い込ますことができる。
【0043】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明は、何ら実施例およ
び比較例に限定されることはない。
【0044】実施例1 厚さ18μmの電解銅箔を、過硫酸アンモニウム水溶液
を用いてソフトエッチングすることにより、中心線表面
粗さ(Ra)が8μmの表面を有する導体層を用意した
(図1(a)参照)。
【0045】この導体層に、厚さ25μmのポリイミド
樹脂フィルムを、厚さ15μmのエポキシ系接着剤を介
して圧着することにより、絶縁層を形成した(図1
(b)参照)。なお、圧着の条件は、150℃、3MP
aであった。
【0046】次いで、導体層の上に、所定の導体パター
ンに対応させてエッチングレジストを形成し、そのエッ
チングレジストをレジストとして導体層を、塩化第2鉄
水溶液を用いてエッチングした後、エッチングレジスト
を、水酸化ナトリウム水溶液を用いた脱膜により除去す
ることによって、導体層を所定の導体パターンに形成し
た(図1(c)参照)。
【0047】その後、所定の導体パターンとされた導体
層の上に、接続端子部となる導体層の縁部が露出するよ
うに開口された厚さ25μmのポリイミド樹脂フィルム
を、厚さ25μmのエポキシ系接着剤を介して圧着する
ことにより、絶縁保護層を形成した(図1(d)参
照)。
【0048】そして、接続端子部となる導体層の縁部
に、電解ニッケルめっきと、電解金めっきとにより、順
次、厚さ6μmのニッケルめっき層と、厚さ0.5μm
の金めっき層とを形成した。なお、これらニッケルめっ
き層および金めっき層は、導体層の縁部の上面および側
面を覆い、絶縁層の接着剤層の表面まで延びるように形
成した(図1(e)参照)。
【0049】このようにして得られたフレキシブル配線
回路基板のニッケルめっき層と絶縁層の接着剤層との界
面を、電子顕微鏡で観察したところ、ニッケルめっき層
が、絶縁層の接着剤層に凹凸状に食い込んでいる状態が
確認された(図2参照)。
【0050】実施例2 厚さ35μmの圧延銅箔を、過硫酸アンモニウム水溶液
を用いてソフトエッチングすることにより、中心線表面
粗さ(Ra)が4μmの表面を有する導体層を用意した
(図3(a)参照)。
【0051】この導体層に、ポリアミック酸樹脂の溶液
を直接塗布し、130℃で乾燥後、270℃で硬化させ
ることにより、絶縁層を形成した(図3(b)参照)。
なお、絶縁層の厚みは、25μmであった。
【0052】その後、実施例1と同様の操作により、導
体層を所定の導体パターンに形成した(図3(c)参
照)。そして、その導体層の上に、ポリアミック酸樹脂
の溶液を、接続端子部となる導体層の縁部が露出するよ
うにスクリーン印刷した後、130℃で乾燥することに
より皮膜を形成した。次いで、270℃で加熱すること
によって、硬化(イミド化)させることにより、絶縁保
護層を形成した(図3(d)参照)。
【0053】その後、実施例1と同様の操作により、そ
の接続端子部となる導体層の縁部に、順次、厚さ6μm
のニッケルめっき層と、厚さ0.5μmの金めっき層と
を形成した(図3(e)参照)。
【0054】このようにして得られたフレキシブル配線
回路基板のニッケルめっき層と絶縁層との界面を、電子
顕微鏡で観察したところ、ニッケルめっき層が、絶縁層
に凹凸状に食い込んでいる状態が確認された(図4参
照)。
【0055】比較例1厚さ18μmの圧延銅箔を、粗面
化処理することなく用いた以外は、実施例1と同様の操
作により、フレキシブル配線回路基板を得た。なお、用
いた圧延銅箔の中心線表面粗さ(Ra)は、2μmであ
った。
【0056】得られたフレキシブル配線回路基板のニッ
ケルめっき層と絶縁層の接着剤層との界面を、電子顕微
鏡で観察したところ、金めっき層が、ニッケルめっき層
と絶縁層の接着剤層との界面に侵入した状態、および、
金めっき液の残渣により腐蝕した銅が、導体パターンの
周りに析出した状態が確認された。
【0057】評価 実施例1、2および比較例1のフレキシブル配線回路基
板を、85℃/85%RHの高温高湿環境下において通
電試験した。なお、線間電圧は、100Vとした。その
結果を表1に示す。
【0058】
【表1】 表1から明らかなように、比較例1は、1000時間で
絶縁不良となる一方で、実施例1、2は、高温高湿環境
下で長期にわたって通電しても、絶縁不良を生じず、優
れた電気的特性を発現していることがわかる。
【0059】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のフレキシブ
ル配線回路基板の製造方法によれば、めっき層が絶縁層
の表面に食い込むようにして形成されるので、そのめっ
き層をさらにめっきする場合において、絶縁層とめっき
層との界面に、さらにめっきするためのめっき液が侵入
することを有効に防止することができる。そのため、界
面に、さらにめっき層が形成されることや、イオン性不
純物が残渣として残ることもない。そのため、このよう
にして得られるフレキシブル配線回路基板では、高温高
湿環境下で長期にわたって通電しても、絶縁不良を生じ
ることが少なく、優れた電気的特性を発現することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフレキシブル配線回路基板の製造方法
の一実施形態を示す、工程断面図であって(a)は、凹
凸形状の表面を有する導体層を用意する工程、(b)
は、導体層の凹凸形状を有する表面に、樹脂フィルム
を、接着剤を介して貼着することにより、絶縁層を積層
する工程、(c)は、導体層をエッチングして所定の導
体パターンにする工程、(d)は、所定の導体パターン
とされた導体層の上に、接続端子部が露出するように開
口された絶縁保護層を形成する工程、(e)は、接続端
子部に、ニッケルめっき層と、金めっき層とを順次形成
する工程、を示す。
【図2】図1(e)の要部拡大断面図である。
【図3】本発明のフレキシブル配線回路基板の製造方法
の他の実施形態を示す、工程断面図であって(a)は、
凹凸形状の表面を有する導体層を用意する工程、(b)
は、導体層の凹凸形状を有する表面に、樹脂溶液を直接
塗布しこれを乾燥および硬化させるか、あるいは、粘着
性樹脂フィルムを直接貼着しこれを硬化させることによ
り、絶縁層を積層する工程、(c)は、導体層をエッチ
ングして所定の導体パターンにする工程、(d)は、所
定の導体パターンとされた導体層の上に、接続端子部が
露出するように開口された絶縁保護層を形成する工程、
(e)は、接続端子部に、ニッケルめっき層と、金めっ
き層とを順次形成する工程、を示す。
【図4】図2(e)の要部拡大断面図である。
【図5】従来のフレキシブル配線回路基板の接続端子部
を示す断面図である。
【図6】図5の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
11 導体層 12 絶縁層 15 縁部 16 接続端子部 20 ニッケルめっき層 21 金めっき層 22 接触部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 康文 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 5E343 AA18 AA33 BB23 BB24 BB44 BB67 CC03 CC46 DD43 DD76 EE52 ER18 GG14 GG20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁層と、前記絶縁層の上に所定の導体
    パターンとして形成される導体層とを備えるフレキシブ
    ル配線回路基板において、 前記導体層の縁部が接続端子部とされており、 前記接続端子部には、前記導体層の表面を覆い前記絶縁
    層に接触するように延びるめっき層が形成されており、 前記絶縁層における前記めっき層が接触する接触部分の
    表面が、凹凸形状を有するとともに、 前記めっき層が、前記接触部分に食い込んだ状態となっ
    ていることを特徴とする、フレキシブル配線回路基板。
  2. 【請求項2】 前記接触部分の表面粗さが、3μm以上
    であることを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブ
    ル配線回路基板。
  3. 【請求項3】 前記接触部分の凹凸形状が、 前記絶縁層の表面に凹凸形状の表面を有する導体層を積
    層して、前記接触部分に前記導体層の表面の凹凸形状を
    転写した後、前記接触部分における前記導体層を除去す
    ることにより形成されていることを特徴とする、請求項
    1または2に記載のフレキシブル配線回路基板。
  4. 【請求項4】 前記導体層の表面の表面粗さが、3μm
    以上であることを特徴とする、請求項3に記載のフレキ
    シブル配線回路基板。
  5. 【請求項5】 凹凸形状の表面を有する導体層に絶縁層
    を積層して、前記絶縁層の表面に前記導体層の表面の凹
    凸形状を転写する工程、 前記導体層をエッチングして、所定の導体パターンとす
    る工程、 所定の導体パターンとされた前記導体層の縁部に、前記
    導体層の表面を覆い前記絶縁層に接触するように延びる
    めっき層を形成する工程、を含むことを特徴とする、フ
    レキシブル配線回路基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記導体層の表面の表面粗さが、3μm
    以上であることを特徴とする、請求項5に記載のフレキ
    シブル配線回路基板の製造方法。
JP2000380138A 2000-12-14 2000-12-14 フレキシブル配線回路基板およびフレキシブル配線回路基板の製造方法 Pending JP2002185133A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000380138A JP2002185133A (ja) 2000-12-14 2000-12-14 フレキシブル配線回路基板およびフレキシブル配線回路基板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000380138A JP2002185133A (ja) 2000-12-14 2000-12-14 フレキシブル配線回路基板およびフレキシブル配線回路基板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002185133A true JP2002185133A (ja) 2002-06-28

Family

ID=18848377

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000380138A Pending JP2002185133A (ja) 2000-12-14 2000-12-14 フレキシブル配線回路基板およびフレキシブル配線回路基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002185133A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1633174A2 (en) * 2004-09-01 2006-03-08 Nitto Denko Corporation Wired circuit board

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1633174A2 (en) * 2004-09-01 2006-03-08 Nitto Denko Corporation Wired circuit board
EP1633174A3 (en) * 2004-09-01 2006-08-30 Nitto Denko Corporation Wired circuit board
US7355128B2 (en) 2004-09-01 2008-04-08 Nitto Denko Corporation Wired circuit board
US7937832B2 (en) 2004-09-01 2011-05-10 Nitto Denko Corporation Method of producing a wired circuit board

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7132607B2 (en) Wired circuit board
US7521779B2 (en) Roughened printed circuit board
US20070101571A1 (en) Printed wiring board, its manufacturing method and circuit device
JP4351129B2 (ja) 配線回路基板
CN110402020B (zh) 一种柔性印刷线路板及其制造方法
US20030136578A1 (en) Flexible wiring boards for double-side connection
JP2003243807A (ja) 配線基板及びその製造方法
JP3487562B2 (ja) プリント配線基板およびその製造方法
CN114126239A (zh) 具有内埋薄膜电阻的线路板及其制作方法
JP4481797B2 (ja) フレキシブルプリント配線板及びその製造方法
JP2002185133A (ja) フレキシブル配線回路基板およびフレキシブル配線回路基板の製造方法
JP2005317901A (ja) 回路部品モジュールおよびその製造方法
JP2000091048A (ja) 導通補助材及びその製造方法
JP4549807B2 (ja) 多層プリント配線板の製造方法、多層プリント配線板及び電子装置
JP2002353597A (ja) 金属転写シート、その製造方法および配線回路基板
JPH05152692A (ja) フレキシブルプリント基板
JP2000151061A (ja) 電子回路用基板、電子回路およびその製造方法
JP2014212272A (ja) フレキシブルプリント配線板及びその接続構造
JPH0946027A (ja) プリント配線板のレジスト印刷方法
WO2011135670A1 (ja) 部品内蔵基板の製造方法及びこれを用いた部品内蔵基板
JP2862721B2 (ja) プリント基板
JP2004335907A (ja) フレキシブル埋め込み回路基板およびその製造方法
JPH0427188A (ja) フレキシブル回路基板およびその製法
JPH0415993A (ja) 多層プリント配線板の製造方法
JP2010225990A (ja) 印刷素子内蔵プリント配線板