JP2000151061A - 電子回路用基板、電子回路およびその製造方法 - Google Patents
電子回路用基板、電子回路およびその製造方法Info
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Abstract
用基板であって、電子部品が薄くなる傾向にあっても実
装する電子部品による段差を吸収することができ、また
生産性が高く、精密で薄く、そして平滑な電子回路用基
板、電子回路およびその製造方法の提供する。 【解決手段】 本発明による電子回路用基板は、基板シ
ートの表面に金属箔からなる接点端子を有する電気回路
が形成され、電子部品用孔が設けられている電子回路用
基板であって、接点端子の突出部が電子部品用孔上に突
出しており、金属箔が接着剤を介して基板シートに設け
られている。その電子回路用基板に電子部品を実装した
電子回路とその製造方法。
Description
精密な電子回路用基板・電子回路が得られ、さらに生産
性の高い電子回路用基板・電子回路に関する。また、該
電子回路用基板・電子回路の製造方法に関する。特に、
ICカード用基板、ICカードの製造に適する。
強化および記憶情報量の大容量化等の高い性能を有する
ことから、電子回路の需要が急激に増大している。近年
では、その電子回路のさらなる薄型化、平滑化、および
曲げ外力に対する強化などを達成しようと多くの努力が
なされている。
方法が求められている。
手段として、実装する電子部品の薄型化・小型化、回路
基板およびパッケージングの改善などが挙げられる。そ
こで、電子回路が薄型化すると同時に、実装する電子部
品も薄くなってきている。しかし、電子部品が薄くなる
傾向にあってもなお、電子回路表面には段差が生じると
いう問題は残る。
を改善する方法が開示されている。
は、印刷回路を設けた回路基板に半導体チップ、チップ
コンデンサ、アンテナ素子を搭載し、該電子部品に対応
した部分をくり抜き加工し、かつ接着剤を塗布したフィ
ルムをスペーサ層として積層し、最後に上下からスペー
サ層と同じ種類のフィルムでラミネートを施して電子回
路を得る方法が記載されている。
な従来のスペーサを用いる方法では、電子部品による段
差がなくなるが、基板上に電子部品であるICチップや
チップコンデンサを実装しているので、これらの各電子
部品の厚さに加えて基板の厚さも加わってしまう。ま
た、平滑化する工程も追加されてしまい、作業性が悪く
なり、製造コストもかかることになる。
照とした電子回路用基板であって、従来法では吸収する
ことのできなかった電子部品の厚さによる段差を吸収す
ることができ、また生産性が高く、精密で平滑な電子回
路用基板、該電子回路用基板に電子部品を実装した電子
回路、およびその製造方法を提供する。
めになされた電子回路用基板は、基板シートの表面に金
属箔からなる接点端子を有する電気回路が形成されてお
り、電子部品用孔が設けられており、前述の接点端子の
突出部が電子部品用孔上に突出しており、金属箔が接着
剤を介して基板シートに設けられている。
接着剤が熱可塑性接着剤であることが好ましい。
板に電子部品が実装され、表装シートが電子部品実装済
みの電子回路用基板の両面に設けられている電子回路も
提供する。
トの表面に金属箔からなる接点端子を有する電気回路が
形成され、電子部品用孔が設けられており、接点端子の
突出部が電子部品用孔上に突出している電子回路用基板
の製造方法は、接着剤を介して離形フィルムを表面に有
する基板シートに、電子部品用孔を抜く工程と、該基板
シートの離形フィルムを剥がし、基板シートの表面に金
属箔を貼り合わせる工程と、基板シートの裏面から該裏
面と電子部品用孔部の金属箔に、プロテクトフィルムを
貼り合わせる工程と、金属箔面をエッチングによって、
接点端子を有する電気回路を形成する工程と、基板シー
トの金属箔面にカバーフィルムを貼り合わせた後、プロ
テクトフィルムを剥がす工程と、を具える。
て、接着剤は熱可塑性接着剤であることが好ましい。
は、上述の方法によって得られた電子回路用基板に電子
部品を実装する工程と、カバーフィルムを剥がす工程
と、電子回路用基板の両面に表装シートを貼り合わせる
工程と、を具えている。
る。
を得るための電子回路用基板を提供し、特に基板シート
に電子部品用の孔を設け、金属箔からなる接点端子を有
する電気回路を設けた電子回路用基板およびその電子回
路用基板を用いた電子回路を提供するものである。ま
た、従来法では吸収することのできなかった電子部品の
厚さによる段差を吸収することができ、また生産性が高
く精密で平坦な電子回路用基板およびその電子回路用基
板を用いた電子回路の製造方法を提供することを目的と
している。
回路の構造を、図を参照しながら説明するが、図が本発
明を限定するものではない。
板の例の斜視図であり、図1(b)は、図1(a)のA
−A´線における断面図であり、図1(c)は本発明に
おける電子回路の断面図である。1は電子回路用基板、
2は基板シート、3は電子部品用孔、5は接点端子、5
aは接点端子の突出部、電気回路における一例として4
はスルーホール、6はコイルアンテナ、7はコンデンサ
上部(コンデンサの導電体部分の一方)、8はコンデン
サ下部(コンデンサの導電体部分の他方)、さらに9は
接着剤、10は電子部品、例えばICチップやチップコ
ンデンサや電池などであり、11は表装シートををそれ
ぞれ表している。
性のある素材であれば特に制限はなく、例えばポリエチ
レンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、お
よびポリイミドなどが挙げられるが、特にポリエチレン
テレフタレート、ポリプロピレン、およびポリ塩化ビニ
ルが好ましい。また、基板シート2の厚さは、実装する
電子部品10の厚さとほぼ同じであることが好ましい。
接点端子5は、電子部品用孔3の上にわずかに出ている
突出部分(接点端子の突出部5a)を有する。この孔の
上に出ている部分は、その厚さが100μm以下、好ま
しくは5μm以上100μm以下、更に好ましくは5μ
m以上50μm以下であり、幅が50μm以上、好まし
くは50μm以上1000μm以下、更に好ましくは5
0μm以上700μm以下であり、長さが50μm以
上、好ましくは50μm以上2000μm以下、更に好
ましくは50μm以上1500μm以下である。ここ
で、接点端子の突出部の大きさが厚さ5μm、幅50μ
m、長さ50μmより小さいとエッチング方法が写真法
による工法を採らざるをえないためコストアップとな
る。一方、厚さ100μm、幅1000μm、長さ20
00μmより大きいと電子部品実装にも問題が発生する
ばかりでなく、コストアップにもつながる。
く、基板シート2と金属箔13(図2参照)の双方との
接着性がよく、さらには、柔軟性を有するものがよい。
また、電気回路形成を金属箔13のエッチングにより行
うことから、この接着剤9は金属箔13を腐蝕しない耐
エッチング性のある材料でなければならない。具体的に
はポリエステル系、ポリブチレン系、エポキシ系、ポリ
ウレタン系の熱可塑性接着剤などが挙げられ、ポリエス
テル系、およびポリブチレン系の熱可塑性接着剤が特に
好ましい。
ニウム箔などが使用できるが、導電性、経済性から銅箔
が好ましい。
を用いた電子回路が表されている。上述した電子回路用
基板1の電子部品用孔3に、電子部品10を実装し、引
き続き接着剤層を有する表装シート11を電子回路用基
板1の両面に設けることにより電子部品10の厚さによ
る段差が生じない電子回路が得られる。
しては基板シート2と同様の材料が使用できるが、電子
回路の用途に合わせて例えば不透明である白色ポリエチ
レンテレフタレートシートや、印刷受理層を有するシー
トなどが好ましい。
トと金属箔の貼り合わせに用いた接着剤9と同一のもの
が使用できる。表装シート11の厚さは特に制限がない
が、接着剤層10〜50μmを含み、全体で25〜10
0μmである。
方法を図2を参照しながら説明する。
の例の製造方法を工程を追って表したものであり、図2
(a)は基板シート2の電子部品用孔3およびスルーホ
ール4の抜き加工後の平面図、図2(b)〜(f)は図
2(a)のB−B´線における各工程における電子回路
用基板1の断面図である。
を積層している基板シート2の適切な位置に、電子部品
用孔3および必要によりスルーホール4の抜き加工を行
う(図2(a)および図2(b))。ここで、電子部品
用孔3およびスルーホール4の数や大きさは必要に応じ
て行う。
を剥がし、金属箔13を基板シート2の接着剤9の上に
貼り合わせる。この金属箔13を貼り合わせた面を基板
シート2の表面とし、反対の面を裏面とする。(図2
(c))。
トフィルム14を貼り合わせる(図2(d))。この際
に、プロテクトフィルム14が、電子部品用孔3の内壁
と電子部品用孔3をふさぐ金属箔部分にも貼り合わされ
るようにする。
設けたフィルム14aよりなる複合基材であり、耐熱性
があり、かつ適度な伸縮度があるものがよい。フィルム
14aの材料としてはポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)およびそれらの
積層体などが好ましい。粘着剤14bは、プロテクトフ
ィルム14が電子部品用孔3の内壁にも貼り合わされて
いるので、後の工程でプロテクトフィルム14を剥がし
たときに糊残りが生じない材料がよく、アクリル系、ポ
リエステル系の粘着剤などが好ましい。このプロテクト
フィルム14の厚さは、20μm以上200μm以下、
好ましくは20μm以上100μm以下である。該厚さ
が20μmより薄いと、剥離時に基材強度がないため切
断されてしまうという問題が生じ、200μmより厚い
と、特にコ字状の電子部品用孔3の角部15に貼り合わ
せされない空隙部分が生じ、満遍なく貼り合わせること
ができなくなる。
せた後、基板シート2の表面に電気回路形成を行う。こ
の電気回路形成には、慣用のエッチング法が用いられ
る。つまり、金属箔13上に、エッチングレジストイン
キをスクリーン印刷によって所望のパターンに印刷し、
引き続き金属箔13をエッチングし、レジストインキを
剥離する(図2(e))。
テナ6、コンデンサ上部7、接点端子5が形成されるの
だが、この接点端子5の突出部5aは厚さ100μm以
下、幅50μm以上、長さ50μm以上である。本発明
では電子部品用孔3の角部15も含む基板シート2の裏
面にプロテクトフィルム14を貼り合わせたまま、金属
箔13のエッチングを行っているため、エッチング液が
回り込んでしまい、下から金属箔13を腐蝕して接点端
子5の突出部5aまでエッチングしてしまうことを防ぐ
ことができる。
ィルム16で貼り合わせた後、裏面のプロテクトフィル
ム14を剥がす。前記カバーフィルム16の基材及び粘
着剤はプロテクトフィルム14と同一のものが使用可能
であるが、粘着力はプロテクトフィルム14と同じか強
い方が接点端子の突出部を破損しないために好ましい。
銀イオンを用い、必要であればスルーホール4の穴埋め
処理をして、電気が導通するようにし(図2(f))、
さらに電子回路の一部となる表面のコンデンサ上部7に
対応するコンデンサ下部8を、前記銀インキで印刷す
る。
する電子回路用基板1を得る。
て、薄いだけでなく生産性が高く精密な電子回路用基板
1を得ることができる。
状の基板シート2に連続的に何枚もの電子回路用基板1
を上述したように製造し、最後に一枚の電子回路用基板
1の大きさに切断する。電子部品用孔3および必要であ
ればスルーホール4の抜き加工をするときに同時にガイ
ドパンチの孔17を抜き加工する。このガイドパンチに
よって、電気回路を形成する際のコンデンサの導電体部
分であるコンデンサ上部7と下部8および接点端子の突
出部5aなどの位置が正確に印刷され、コンデンサ上部
7と下部8の整合性もとることができる。
子回路用基板1の電子部品用孔3に電子部品10を実装
し、前述の接点端子の突出部5aに接続させる。次い
で、カバーフィルム16を剥がし電子回路用基板1の両
面に表装シート11を貼り合わせることにより、電子部
品10の厚さによる段差が生じない電子回路を製造する
ことができる。(図1(c))以下、具体例を用いて本
発明について説明する。
剤(東洋紡製、バイロン30ss)9を介して厚さ40
μmのポリプロピレンフィルムである離形フィルム12
を有する、縦56mm、横85.6mm、厚さ50μm
のポリエチレンテレフタレートフィルムを基板シート2
として用いた。この基板シート2に、電子部品用孔3
(5mm×5mm)およびスルーホール4(直径0.3
mm)の抜き加工を行った。
ら、温度120℃、圧力20kg/cm2 、速度3m/
分の条件下のラミネーターを用いて、厚さ35μmの銅
箔13を基板シート2の接着剤面に貼り合わせた。引き
続き、基板シート2の裏面にラミネーターを用いて10
m/分の速度で、厚さ40μmのポリプロピレンとポリ
エチレンの積層体14aのポリプロピレンの面に厚さ1
5μmのアクリル系粘着剤14b(サンエー化研製、M
H24)を設けたプロテクトフィルム14を貼り合わせ
た。
ンキ(十条ケミカル、AER−34)を10μmの厚さ
でスクリーン印刷し、引き続き該基板シートを600m
J/cmの紫外線(UV)でそのエッチングレジストイ
ンキをUV硬化した。
て銅箔13のエッチング加工をし、次にエッチングレジ
ストインキをアルカリ5%溶液を用いて剥離した。こう
して、電子回路基板1の表面上に銅のコンデンサ上部
7、コイルアンテナ6、接点端子5および接点端子の突
出部5aを形成することができた。このときの接点端子
の突出部5aは、厚さ35μm、幅500μm、長さ1
000μmであった。
前述のプロテクトフィルム14と同じものをカバーフィ
ルム16として用いて貼り合わたのち、裏面のプロテク
トフィルム14をほぼ180°の剥離角度で剥がした。
そして、表面上のコンデンサ上部7に整合した裏面のコ
ンデンサ下部8の印刷およびスルーホール4穴埋めを、
銀インキ(東洋紡製、DW250−5)で行い、150
℃にて乾燥した。この銀インキの厚さは18μmであっ
た。
た。得られたカバーフィルム16の厚さ55μmが貼り
合わされている電子回路用基板1の厚さは、123μm
であった。
mmのICチップ10を電子部品用孔3に実装する。次
に、カバーフィルム16を剥がした後、電子回路用基板
の両面に、厚さ50μmの白色ポリエチレンテレフタレ
ート(東レ製、E−20)に厚さ15μmのポリエステ
ル系熱可塑性接着剤(東洋紡製、バイロン30ss)を
有した表装シート11をロールラミネーターを使用し1
20℃、20kg/cm2 、3m/分のスピードで熱ラ
ミネートを行った。得られた電子回路の表面は、ICチ
ップによる段差がなく、その電子回路の厚さは、253
μmであった。
は、電子部品を基板に埋込む孔を設けることによって電
子部品を基板上に実装するよりも電子回路が薄型化、平
滑化できる。しかも電子部品接続端が該孔の上から突出
していることによって電子部品を実装する時も、電子部
品のバンプ部分を接点端子の突出部に接続するのみでよ
いので容易である。また、この接点端子の突出部は、非
常に薄く孔から突出しているので、通常の方法では切れ
てしまい、形成が困難であり、生産性が低くなっていし
まうのだが、本発明の製造方法を用いると、驚くほどに
生産性の高く、精密で薄くそして平滑な電子回路用基板
および電子回路を形成することが可能となる。
の例の斜視図であり、図1(b)は、図1(a)のA−
A´線における断面図であり、図1(c)は、本発明に
おける電子回路の例の断面図である。
用基板の例の製造方法にしたがった、製造工程を示す断
面図であり、図2(a)の電子回路用基板の正面図であ
り、図2(b)〜(f)は図2(a)のB−B´線にお
ける各工程での電子回路用基板の断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 基板シートの表面に金属箔からなる接点
端子を有する電気回路が形成され、電子部品用孔が設け
られている電子回路用基板であって、前記接点端子の突
出部が電子部品用孔上に突出しており、前記金属箔が接
着剤を介して基板シートに設けられていることを特徴と
する電子回路用基板。 - 【請求項2】 前記接着剤が熱可塑性接着剤であること
を特徴とする請求項1に記載の電子回路用基板。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の電子回
路用基板に電子部品が実装され、表装シートが電子部品
実装済みの電子回路用基板の両面に設けられていること
を特徴とする電子回路。 - 【請求項4】 基板シートの表面に金属箔からなる接点
端子を有する電気回路が形成され、電子部品用孔が設け
られており、前記接点端子の突出部が電子部品用孔上に
突出している電子回路用基板の製造方法であって、 接着剤を介して離形フィルムを表面に有する基板シート
に、電子部品用孔を抜く工程と、 前記基板シートの離形フィルムを剥がし、基板シートの
表面に金属箔を貼り合わせる工程と、 前記基板シートの裏面から該裏面と前記電子部品用孔部
の金属箔に、プロテクトフィルムを貼り合わせる工程
と、 前記金属箔面をエッチングによって、接点端子を有する
電気回路を形成する工程と、 基板シートの金属箔面にカバーフィルムを貼り合わせた
後、前記プロテクトフィルムを剥がす工程と、を具える
ことを特徴とする電子回路用基板の製造方法。 - 【請求項5】 前記接着剤が熱可塑性接着剤であること
を特徴とする請求項4に記載の電子回路用基板の製造方
法。 - 【請求項6】 電子回路の製造方法であって、 請求項4または請求項5に記載の製造方法により得られ
た電子回路用基板に電子部品を実装する工程と、 前記カバーフィルムを剥がす工程と、 電子回路用基板の両面に表装シートを貼り合わせる工程
と、を具えることを特徴とする電子回路の製造方法。
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