JP2002184626A - Pcb容器収納用カプセルの構造及び該カプセルの使用方法 - Google Patents

Pcb容器収納用カプセルの構造及び該カプセルの使用方法

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JP2002184626A
JP2002184626A JP2000382870A JP2000382870A JP2002184626A JP 2002184626 A JP2002184626 A JP 2002184626A JP 2000382870 A JP2000382870 A JP 2000382870A JP 2000382870 A JP2000382870 A JP 2000382870A JP 2002184626 A JP2002184626 A JP 2002184626A
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pcb
capsule
lid
cleaning
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Koji Oura
康二 大浦
Katsuyuki Ueda
勝征 植田
Toshimi Otsuka
利美 大塚
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容器内に収容されたPCB液中に構成部材を
浸漬して構成されたPCB容器において、該PCB容器
の輸送時から該PCB容器の内部構成部材の解体及びP
CB容器に至る全ての工程においてPCBの漏洩や飛散
の発生を防止し、安全性が向上しうるPCB容器の収納
用カプセルの構造及び該カプセルの使用方法を提供す
る。 【解決手段】 容器内に収容されたPCB液中に内部構
成部材が浸漬されてなるPCB容器を収納するPCB容
器収納用カプセルにおいて、前記カプセルは、前記PC
B容器が内部に固定されるカプセル本体と、該カプセル
本体を密閉可能に覆う蓋とを備え、前記蓋は、カプセル
本体内にPCB容器の洗浄液を給排する洗浄液管が接続
可能な洗浄用蓋と前記洗浄用蓋の使用時以外に使用可能
な蓋とを組替え自在に構成されてなることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トランス等の、容
器内に収容されたPCB(ポリ塩化ビフェニール)液中
にコイル、絶縁物等の内部構成部材が浸漬されてなるP
CB容器を収納するPCB容器収納用カプセルの構造及
び該カプセルの使用方法に関する。
【従来の技術】
【0002】トランス、コンデンサ等の、容器内に収容
されたPCB(ポリ塩化ビフェニール)液中にコイルや
絶縁体等の内部構成部材を浸漬してなるPCB容器にお
いては、該PCB容器を輸送し、また該PCB容器から
PCBを抜き出しあるいは該PCB容器を洗浄し、さら
には前記内部構成部材を解体するにあたっては、有害な
PCBを外部に漏洩することなくかつ前記容器や内部構
成部材に付着することなく前記容器内及び構成部材から
完全に除去することが望まれている。
【0003】図7は、かかるPCB容器からのPCB除
去手段を、比較例として示す動作フロー図であり、図に
おいて、先ず、被処理体であるトランス即ち容器内に収
容されたPCB油中にコイルや絶縁体の内部構成部材即
ちコア部が浸漬されているトランスを車両等の輸送手段
によって処理場所まで輸送し、所定位置に定置する(ス
テップ(0))。次いで、前記トランスの容器内からP
CB油を抜き出して後述する水熱分解装置に送出する
(ステップ(1))。次いで前記容器の内部及び前記コ
ア部を洗浄液にて洗浄して、該容器の内部及び前記コア
部に付着しているPCBを除去する(ステップ
(2))。次いで手作業にて前記コア部を容器から取り
出して該容器とコア部とを分別し、容器は洗浄手段に送
り(ステップ(3))、コア部については分解してコイ
ル、鉄心等の金属類や絶縁体等の樹脂、紙、及び木等の
有機物とを分別する。前記コイル、鉄心等の金属類や樹
脂は洗浄手段に送る(ステップ(4))。
【0004】次いで、紙、木等の有機物はミル装置によ
り水分を加え微粒粉状に粉砕しスラリー化して水熱分解
装置に送る(ステップ(5))。前記洗浄手段において
は、前記容器及び金属類を洗浄してPCBを完全に除去
した後、PCB除去体としてリサイクルあるいは廃棄処
分とする(ステップ(6))。また、前記スラリー化し
た有機物、PCB液及び洗浄廃液は水熱分解装置におい
て、アルカリ、酸素、純水等と反応させて水と排気ガス
(PCB除去体)とに分解して無害化する(ステップ
(7))。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】トランス等のPCB容
器を輸送し、また該PCB容器からPCB油を抜き出し
あるいは該PCB容器を洗浄し、さらにはコイル、鉄
心、絶縁体等を含むコア部からなる内部構成部材を解体
する際においては、通常は、図7に示されるように、前
記PCB油及び内部構成部材が収納されたままの状態で
PCB容器を輸送し、また、該内部構成部材を含むPC
B容器の洗浄及び内部構成部材の分解についても、PC
B容器を外気中に定置した状態で行っている。
【0006】このため、かかる通常技術によるPCB容
器の処理手段にあっては、PCB容器を輸送時において
は、容器の密閉不十分等により容器内のPCBが漏洩し
て安全なPCB容器の輸送が阻害される恐れがある。ま
た、所定の作業場所に定置後、前記内部構成部材を含む
PCB容器の洗浄及び内部構成部材の分解についても、
PCB容器を外気中に定置した状態でかかる作業を行う
こととなるため、内部構成部材に付着したPCBや該P
CBが混入した洗浄液が周囲に飛散し、あるいはPCB
容器の洗浄時において蒸気放散によりPCBが周囲に放
散される、等の発生の恐れがあり、作業安全性が阻害さ
れる。等の問題点を有している。
【0007】本発明はかかる課題に鑑み、容器内に収容
されたPCB液中に構成部材を浸漬して構成されたPC
B容器において、該PCB容器の輸送時から該PCB容
器の内部構成部材の解体及びPCB容器に至る全ての工
程においてPCBの漏洩や飛散の発生を防止し、安全性
が向上しうるPCB容器の収納用カプセルの構造及び該
カプセルの使用方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決するため、請求項1記載の発明として、トランス等
の、容器内に収容されたPCB(ポリ塩化ビフェニー
ル)液中にコイル、絶縁物等の内部構成部材が浸漬され
てなるPCB容器を収納するPCB容器収納用カプセル
において、前記カプセルは、固定手段により前記PCB
容器が内部に固定されるカプセル本体と、該カプセル本
体を密閉可能に覆う蓋とを備え、前記蓋は、前記カプセ
ル本体内に前記PCB容器の洗浄液を給排する洗浄液管
が接続可能な洗浄用蓋と前記洗浄用蓋の使用時以外に使
用可能な蓋とを組替え自在に構成されてなることを特徴
とするPCB容器収納用カプセルの構造を提案する。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1に加え
て、前記洗浄用蓋には、前記容器内のPCBを抜き出す
PCB抜出管を接続する接続部を備えてなる。また請求
項3記載の発明は、請求項1に加えて、前記固定手段
は、前記カプセル本体の内壁と前記PCB容器との間に
架設されたスプリングと、前記PCB容器を前記スプリ
ング側に押圧するジャッキ装置とを備えてなる。
【0010】請求項4ないし6記載の発明は前記カプセ
ルを使用する方法の発明に係り、請求項4の発明は、ト
ランス等の、容器内に収容されたPCB液中にコイル、
絶縁物等の内部構成部材が浸漬されてなるPCB容器を
収納するPCB容器収納用カプセルの使用方法におい
て、前記PCB容器を内部に固定可能なカプセル本体と
該カプセル本体を密閉可能に覆う蓋とよりなるカプセル
内に該PCB容器を収納した状態にて該PCB容器の輸
送を行うことを特徴とする。
【0011】請求項5の発明は、トランス等の、容器内
に収容されたPCB液中にコイル、絶縁物等の内部構成
部材が浸漬されてなるPCB容器を収納するPCB容器
収納用カプセルの使用方法において、前記カプセル内に
前記PCB容器を収納した状態にて、前記カプセルの蓋
を、前記カプセル本体内に前記PCB容器の洗浄液を給
排する洗浄液管が接続可能な洗浄用蓋に組み換えて、該
PCB容器からのPCBの抜き出し並びに容器及び蓋を
含むPCB容器の洗浄を行うことを特徴とする。請求項
5において、好ましくは、請求項6のように、前記カプ
セルの蓋を、前記カプセル本体内に前記PCB容器の洗
浄液を給排する洗浄液管が接続可能な洗浄用蓋に組み換
えて、前記カプセル内部の洗浄を行う。
【0012】請求項7記載の発明は、トランス等の、容
器内に収容されたPCB液中にコイル、絶縁物等の内部
構成部材が浸漬されてなるPCB容器を収納するPCB
容器収納用カプセルの使用方法において、前記容器及び
蓋の取扱い、並びに前記内部構成部材の分解を含む操作
を前記カプセル内に該PCB容器を収納した状態にて行
うことを特徴とする。
【0013】かかる発明によれば、PCB容器をカプセ
ル内に収納し、蓋にて該カプセルを密閉した状態にて輸
送するので、PCB容器内のPCB油がカプセルの外部
に漏洩するのが完全に回避される。また、前記カプセル
内に、前記PCB容器内のPCB油を抜き出すとともに
該PCB容器内に洗浄液を給排し、さらに前記カプセル
内に溜まった洗浄液を抜き出すための洗浄液管が接続さ
れた洗浄用蓋と、前記PCB容器の輸送時等の、該PC
B容器やカプセルの洗浄時以外に使用可能な蓋とを組替
え自在に構成しているため、前記PCB容器つまり容
器、蓋、及び内部構成部材をカプセル内に収納したまま
の状態にて、PCB油の抜き出し並びにPCB容器及び
カプセル内の洗浄を行うことができる。
【0014】これにより、前記PCB容器の輸送時にお
いては、該PCB容器内のPCB油がカプセルの外部に
漏洩するのが完全に回避され、かかるPCB油の漏洩に
より安全なPCB容器の輸送が阻害されるのが未然に防
止される。また、前記PCB容器からのPCB油の抜き
出し、及び洗浄液の飛散や蒸気放散が起こり易い洗浄工
程についても該PCB容器をカプセル内に収納したまま
の状態で行うことができるため、PCBや該PCBが混
入した洗浄液が漏洩したり、周囲に飛散するのが回避さ
れ、作業安全性が向上する。
【0015】また、前記PCB油の抜き出し及び該PC
B容器やカプセルを洗浄する際には、PCB油の抜き出
し及び洗浄のツールが装備された専用の洗浄用蓋を輸送
用等の蓋に組み換えればよいので、PCB油の抜き出し
及び前記洗浄を含む処理時間が短縮されて作業能率が向
上するとともに、洗浄時等においてPCBの蒸気放散の
可能性がある蓋の開放時間が短縮される。また、カプセ
ル自体も最終的に洗浄されるので、該カプセルの再利用
が可能となる。さらに、請求項4記載の発明によれば、
前記該PCB容器を前記スプリングとジャッキとにより
弾性支持しているので、輸送中等において、カプセルの
振動が前記スプリングにより緩和されることにより前記
PCB容器が防振されることとなり、かかる振動による
該PCB容器内のPCBの漏洩が阻止される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例
を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載され
ている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置など
は特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれ
のみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎな
い。
【0017】図1は本発明の実施例に係るPCB容器収
納用カプセルを示し、(A)はその断面図、(B)は
(A)におけるA矢方向における内部透視図である。図
2は洗浄用としての前記PCB容器収納用カプセルの断
面図である。図3はPCB容器収納用カプセルを用いた
作業要領の説明図、図4は洗浄要領の説明図である。図
5は水熱分解装置の構成を示すブロック図、図6はPC
B容器収納用カプセルの輸送要領の説明図である。
【0018】図1に示される本発明の実施例に係るPC
B容器収納用カプセルは、後述する洗浄時を除く作業時
に使用されるもので、図において、1は被処理体である
トランスで、蓋1bがなされた容器1aの内部空間9に
内部構成部材であるコイル、鉄心、絶縁体等を含むコア
1d(図3参照)がPCB油中に浸漬されて収納されて
いる。
【0019】2は前記トランス1が収納されるカプセル
で、次のように構成されている。2aは有底円筒状のカ
プセル本体、2bは該カプセル本体2aを覆うカプセル
蓋である。6は該カプセル本体2aの外周部の複数箇所
に設けられた吊下げ用のブラケット、10は前記トラン
ス1の支台、8は前記カプセル蓋2bをカプセル本体1
aにロックするための蓋ロック具である。4は前記容器
1aの外周とカプセル本体2aの内周との間に2個(複
数個であればよい)架設された固定用スプリング(圧縮
スプリング)、5は前記カプセル本体1aの内周に取り
付けられた固定用ジャッキ、11は該固定用ジャッキ5
を回転させるためのジャッキ用ハンドルで、図1(B)
に示すように、該2個の固定用スプリング4と固定用ジ
ャッキ5とは円周方向に等間隔に、かつ該固定用ジャッ
キ5の押圧力が前記容器1aを介して該固定用スプリン
グ4に伝達されるように対向して設けられている。3は
前記カプセル蓋2bの中央部にねじ込まれた固定用ハン
ドルで、その先端部にて前記トランス1の蓋1bを押圧
するようになっている。
【0020】図2は前記カプセル2を前記トランス1か
らのPCB油の抜き出し及び該トランス1内部の洗浄に
用いる場合の構成を示し、図において、かかるPCB油
の抜き出し及びトランス1内部の洗浄時には、前記カプ
セル2のカプセル蓋2bを取り外し、これに代えて洗浄
用蓋2cをカプセル本体2aに被せて固定し、該カプセ
ル本体2a内を密閉するようになっている。16は前記
カプセル2の下部に取り付けられた転動用のローラ、1
7は前記カプセルを位置決めするための位置決めシリン
ダである。18は双方向ポンプからなる液抜きポンプ
で、前記洗浄用蓋2cに水密シールがなされて挿通され
前記トランス1の容器1a内に接続されたフレキシブル
ホース15を介して、該容器1a内のPCB油の抜き出
し及び該容器1a内への洗浄液の給排を行うものであ
る。
【0021】19は洗浄ポンプで、前記洗浄用蓋2cに
水密シールがなされて挿通され前記カプセル本体2a内
に接続されたフレキシブルホース15を介して、該カプ
セル本体2a内の洗浄液の抜き出しを行うものである。
20は真空ポンプで、前記洗浄用蓋2cに水密シールが
なされて接続されたフレキシブルホース15を介して、
該カプセル本体2a内を真空引きし、カプセル2内及び
トランス1内を真空乾燥させるものである。21は蓋用
シリンダで上端部が固定用架台22に支持され、下端部
に前記洗浄用蓋2cが取り付けられて該蓋用シリンダ2
1を伸長させたとき前記洗浄用蓋2cが前記カプセル本
体2a上に被せられ、該蓋用シリンダ21を収縮させた
とき、前記各フレキシブルホース15を縮ませながら、
前記洗浄用蓋2cをカプセル本体2aからSの高さまで
持ち上げるようになっている。
【0022】かかる構成からなるカプセル2内に前記ト
ランス1を収納して所定の作業場所に輸送するにあたっ
ては、該カプセル2内の支台10上に前記トランス1を
載せ、前記固定用ジャッキ5により前記容器1aの外周
を押圧し、該押圧力が前記容器1aを介しての前記固定
用スプリング4の反力とバランスするように該固定用ジ
ャッキ5の押し込み量を調整し、さらに上部側の固定用
ハンドル3を回転させて前記トランス1の蓋1bを押圧
して、該トランス1をカプセル内本体2b内に固定す
る。次いで、前記カプセル本体2aにカプセル蓋2bを
被せて蓋ロック具8によりロックし、上部側の固定用ハ
ンドル3を回転させて前記トランス1の蓋1bを押圧す
る。これにより、前記カプセル2内は完全に密閉される
とともに該トランス1はカプセル2内に、水平方向(ト
ランス1の軸心に直角方向)において前記固定用スプリ
ング4に弾性支持されて確実に固定される。
【0023】図6は、前記のようにしてトランス1が収
納されたカプセル2を車両36に積載して輸送する状況
を示し、図において、前記カプセル2はコンテナ35内
に複数個納められ、所定の作業場所に輸送される。かか
る輸送時において、前記トランス1即ちPCB容器をカ
プセル2内に収納し、カプセル蓋2bにて該カプセル2
を密閉した状態にて輸送するので、トランス1内のPC
B油がカプセル2の外部に漏洩するのが完全に回避され
る。また、前記トランス1を前記カプセル本体2aの内
壁と該トランス1との間に架設された前記固定用スプリ
ング4と前記固定用ジャッキ5とにより弾性支持してい
るので、輸送中におけるカプセル2の振動が、前記固定
用スプリング4により緩和され、これにより前記トラン
ス1が防振され、かかる振動による該トランス1内のP
CBの漏洩が阻止される。
【0024】図3において、トランス1が収納された前
記カプセル2は、前記のようにして所定の作業場所に輸
送されると、小型クレーン31により処理室101に通
ずるコンベア32に載せられ、該コンベア32により該
処理室101内の作業場所に定置される。次いで、手作
業により前記トランス1の蓋1bが取り外されてカプセ
ル本体2a内に置かれる。さらに、カプセル2のカプセ
ル蓋2bが取り外され、これに代えて前記洗浄用蓋2c
が後述する手法にてカプセル本体2aに組み付けられ、
前記トランス1をカプセル本体2a内に収納したままの
状態にて、後述する手法によって、前記トランス1内の
PCB油がフレキシブルホース15を介して外部に抜き
出される。次いで、前記洗浄用の液抜きポンプ18、洗
浄ポンプ19、及び真空ポンプ20が前記フレキシブル
ホース15及び洗浄用蓋2cを介してカプセル2の内部
に接続され、前記トランス1をカプセル本体2a内に収
納したままの状態にて、前記カプセル本体2aに取り付
けられた超音波発振器29を用いての超音波によって前
記トランス1の容器1a、蓋1b、及び内部構成部材で
あるコア1dの粗洗浄が行われる。さらに、前記粗洗浄
終了後、前記真空ポンプ20を運転して前記トランス1
内の真空乾燥が行われる。そして、前記トランス1内を
乾燥させ、該トランス1内からPCB油及び洗浄液を除
去した後は、手作業により容器1a内のコア1dを抜き
出す。
【0025】次に、前記コア1dが抜き出された後のト
ランス1及び該トランス1が収納されているカプセル2
内を洗浄するにあたっては、図4に示されるように、前
記カプセル2のカプセル蓋2bを取り外し、これに代え
て前記蓋用シリンダ21により、フレキシブルホース1
5が水密シールがなされて挿通されあるいは固定された
洗浄用蓋2cをカプセル本体2aに被せて固定し、該カ
プセル本体2a内を密閉する。次いで、前記双方向ポン
プからなる液抜きポンプ18を運転し、フレキシブルホ
ース15を介して、前記トランス1の容器1a内、及び
トランス1の蓋1bが置かれたカプセル本体2a内に洗
浄液を循環させ、前記カプセル本体2aに取り付けられ
た超音波発振器29を作動させて超音波を発振し該トラ
ンス1内、蓋1b、及びカプセル本体2a内を洗浄す
る。また、前記カプセル本体2a内に溜まった洗浄液は
前記洗浄ポンプ19を運転し、フレキシブルホース15
を介して抜き出す。前記のようにして、カプセル本体2
a内及び該トランス1の洗浄がなされた後、真空ポンプ
20を運転し、前記洗浄用蓋2cに水密シールがなされ
て接続されたフレキシブルホース15を介して、該カプ
セル本体2a内を真空引きし、カプセル2内及びトラン
ス1を真空乾燥させる。
【0026】前記のようにしてトランス1内及び該カプ
セル本体2a内から抜き出されたPCB及び洗浄液は、
図5に示される水熱分解装置40に導入される。図5に
おいて、前記水熱分解装置40の一次反応器41には、
前記容器1aから抜き出されたPCB液、並びにPCB
を含んでいる前記有機物のスラリー、濃縮手段を経た容
器1a及び蓋1b洗浄後の洗浄液、前記無機物洗浄後の
洗浄液等が導入され、一次反応器41においてアルカリ
(NaOH)、純水、及び酸素と反応してPCBの分子
結合が分断される。該一次反応器41を出た、前記分子
結合が分断された気液混合体は、冷却器42にて降温さ
れ、減圧弁43にて降圧された後、気液分離器44にて
排気(CO )と排水(HO、及びNaCl)とに分
離されて無害化され、夫々外部に排出される。
【0027】かかる実施例によれば、前記トランス1即
ちPCB容器をカプセル2内に収納し、カプセル蓋2b
にて該カプセル2を密閉した状態にて輸送するので、ト
ランス1内のPCB油がカプセル2の外部に漏洩するの
が完全に回避される。また、前記カプセル本体2a内に
前記トランス(PCB容器)1内のPCB油を抜き出す
とともに該トランス1内に洗浄液を給排し、さらに前記
カプセル本体2a内に溜まった洗浄液を抜き出すための
フレキシブルホース(洗浄液管)が接続された洗浄用蓋
2cと、前記トランス1の輸送時等の、該トランス1や
カプセル本体2aの洗浄時以外に使用可能なカプセル蓋
2bとを組替え自在に構成しているため、前記トランス
(PCB容器)1をカプセル本体2a内に収納したまま
の状態にて、PCB油の抜き出し及びトランス(PCB
容器)1及びカプセル本体2a内の洗浄を行うことがで
きる。
【0028】これにより、前記トランス(PCB容器)
1の輸送時においては、該トランス1内のPCB油がカ
プセル2の外部に漏洩するのが完全に回避され、かかる
PCB油の漏洩により安全なPCB容器の輸送が阻害さ
れるのが未然に防止される。また、前記トランス(PC
B容器)1からのPCB油の抜き出し、及び洗浄液の飛
散や蒸気放散が起こり易い洗浄工程についても該トラン
ス(PCB容器)1をカプセル2内に収納したままの状
態で行うことができるため、PCBや該PCBが混入し
た洗浄液が漏洩したり、周囲に飛散するのが回避され、
作業安全性が向上する。
【0029】また、前記PCB油の抜き出し及びトラン
ス1やカプセル2を洗浄する際には、PCB油の抜き出
し及び洗浄のツールが装備された専用の洗浄用蓋2cを
輸送用等のカプセル蓋2bに組み換えればよいので、P
CB油の抜き出し及び前記洗浄を含む処理時間が短縮さ
れ作業能率が向上するとともに、洗浄時等においてPC
Bの蒸気放散の可能性がある蓋の開放時間が短縮され
る。また、カプセル2自体も最終的に洗浄されるので、
該カプセル2の再利用が可能となる。さらに、前記トラ
ンス1を前記固定用スプリング4と固定用ジャッキ5と
により弾性支持しているので、輸送中等において、カプ
セル2の振動が前記固定用スプリング4により緩和され
ることにより前記トランス1が防振されることとなり、
かかる振動による該トランス1内のPCBの漏洩が阻止
される。
【0030】
【発明の効果】以上記載のごとく、本発明によれば、P
CB容器の輸送時から、該PCB容器からのPCB油の
抜き出し、及び洗浄液の飛散や蒸気放散が起こり易い洗
浄工程についても、該PCB容器をカプセル内に収納し
たままの状態で輸送や洗浄作業を行うことができるた
め、安全なPCB容器の輸送が実現できるとともに、P
CBや該PCBが混入した洗浄液がカプセルの外部に漏
洩したり、周囲に飛散するのが回避され、作業安全性を
向上できる。
【0031】また、前記PCB油の抜き出し及び該PC
B容器やカプセルを洗浄する際には、PCB油の抜き出
し及び洗浄のツールが装備された専用の洗浄用蓋を輸送
用等の蓋に組み換えればよいので、PCB油の抜き出し
及び該PCB容器やカプセルの洗浄を含む処理時間が短
縮されて作業能率が向上するとともに、洗浄時等におい
てPCBの蒸気放散の可能性がある蓋の開放時間が短縮
され、安全性が向上する。また、前記カプセル自体も最
終的に洗浄されるので、該カプセルの再利用が可能とな
る。さらに、請求項4記載の発明によれば、前記該PC
B容器をスプリングとジャッキとにより弾性支持してい
るので、輸送中等において、カプセルの振動が前記スプ
リングにより緩和されることにより前記PCB容器が防
振されることとなり、かかる振動による該PCB容器内
のPCBの漏洩が阻止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係るPCB容器収納用カプ
セルを示し、(A)はその断面図、(B)は(A)にお
けるA矢方向における内部透視図である。
【図2】 洗浄用としての前記PCB容器収納用カプセ
ルの断面図である。
【図3】 PCB容器収納用カプセルを用いた作業要領
の説明図である。
【図4】 洗浄要領の説明図である。
【図5】 水熱分解装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図6】 PCB容器収納用カプセルの輸送要領の説明
図である。
【図7】 比較例を示す作業フロー図である。
【符号の説明】
1 トランス 1a 容器 1b 蓋 1d コア 2 カプセル 2a カプセル本体 2b カプセル蓋 2c 洗浄用蓋 3 固定用ハンドル 4 固定用スプリング 5 固定用ジャッキ 9 内部空間 10 支台 11 ジャッキ用ハンドル 15 フレキシブルホース 18 液抜きポンプ 19 洗浄ポンプ 20 真空ポンプ 21 蓋用シリンダ 29 超音波発振器 32 コンベア 40 水熱分解装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大塚 利美 長崎市飽の浦町1番1号 三菱重工業株式 会社長崎造船所内 Fターム(参考) 5E050 FA10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランス等の、容器内に収容されたPC
    B(ポリ塩化ビフェニール)液中にコイル、絶縁物等の
    内部構成部材が浸漬されてなるPCB容器を収納するP
    CB容器収納用カプセルにおいて、前記カプセルは、固
    定手段により前記PCB容器が内部に固定されるカプセ
    ル本体と、該カプセル本体を密閉可能に覆う蓋とを備
    え、前記蓋は、前記カプセル本体内に前記PCB容器の
    洗浄液を給排する洗浄液管が接続可能な洗浄用蓋と前記
    洗浄用蓋の使用時以外に使用可能な蓋とを組替え自在に
    構成されてなることを特徴とするPCB容器収納用カプ
    セルの構造。
  2. 【請求項2】 前記洗浄用蓋には、前記容器内のPCB
    を抜き出すPCB抜出管を接続する接続部を備えてなる
    ことを特徴とする請求項1記載のPCB容器収納用カプ
    セルの構造。
  3. 【請求項3】 前記固定手段は、前記カプセル本体の内
    壁と前記PCB容器との間に架設されたスプリングと、
    前記PCB容器を前記スプリング側に押圧するジャッキ
    装置とを備えてなることを特徴とする請求項1記載のP
    CB容器収納用カプセルの構造。
  4. 【請求項4】 トランス等の、容器内に収容されたPC
    B液中にコイル、絶縁物等の内部構成部材が浸漬されて
    なるPCB容器を収納するPCB容器収納用カプセルの
    使用方法において、前記PCB容器を内部に固定可能な
    カプセル本体と該カプセル本体を密閉可能に覆う蓋とよ
    りなるカプセル内に該PCB容器を収納した状態にて該
    PCB容器の輸送を行うことを特徴とする該PCB容器
    収納用カプセルの使用方法。
  5. 【請求項5】 トランス等の、容器内に収容されたPC
    B液中にコイル、絶縁物等の内部構成部材が浸漬されて
    なるPCB容器を収納するPCB容器収納用カプセルの
    使用方法において、前記カプセル内に前記PCB容器を
    収納した状態にて、前記カプセルの蓋を、前記カプセル
    本体内に前記PCB容器の洗浄液を給排する洗浄液管が
    接続可能な洗浄用蓋に組み換えて、該PCB容器からの
    PCBの抜き出し並びに容器及び蓋を含むPCB容器の
    洗浄を行うことを特徴とするPCB容器収納用カプセル
    の使用方法。
  6. 【請求項6】 前記カプセルの蓋を、前記カプセル本体
    内に前記PCB容器の洗浄液を給排する洗浄液管が接続
    可能な洗浄用蓋に組み換えて、前記カプセル内部の洗浄
    を行うことを特徴とする請求項5記載のPCB容器収納
    用カプセルの使用方法。
  7. 【請求項7】 トランス等の、容器内に収容されたPC
    B液中にコイル、絶縁物等の内部構成部材が浸漬されて
    なるPCB容器を収納するPCB容器収納用カプセルの
    使用方法において、前記容器及び蓋の取扱い、並びに前
    記内部構成部材の分解を含む操作を前記カプセル内に該
    PCB容器を収納した状態にて行うことを特徴とするP
    CB容器収納用カプセルの使用方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016155100A (ja) * 2015-02-25 2016-09-01 株式会社日立物流 微量pcb付着廃棄物の洗浄および運搬容器

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