JP2002184608A - 積層型バリスタ - Google Patents

積層型バリスタ

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JP2002184608A
JP2002184608A JP2000380219A JP2000380219A JP2002184608A JP 2002184608 A JP2002184608 A JP 2002184608A JP 2000380219 A JP2000380219 A JP 2000380219A JP 2000380219 A JP2000380219 A JP 2000380219A JP 2002184608 A JP2002184608 A JP 2002184608A
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varistor
internal electrodes
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internal
internal electrode
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JP2000380219A
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Toru Tominaga
亨 冨永
Junji Sugihara
淳司 杉原
Kuniyoshi Kawada
都美 河田
Masashi Morimoto
正士 森本
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程において内部電極の位置ずれが生じ
た場合にも、所望のサージ耐量を確保することが可能
で、しかも、静電容量が必要以上に大きくなることを抑
制することが可能な積層型バリスタを提供する。 【解決手段】 バリスタ素体1内に、バリスタ構成材料
層1aを介して互いに対向するように配設され、かつ、
互いに逆側に引き出された一対の内部電極2a,2bの
うちの、一方の内部電極2aの幅W1と、他方の内部電
極2bの幅W2の関係が、W1≧W2+2t(t:一対
の内部電極の間に介在するバリスタ構成材料層の厚み)
の条件を満たすようにする。また、バリスタ素体内に、
複数枚(3枚以上の場合も含む)の内部電極が配設され
た構造を有する積層型バリスタにおいて、交互に逆側に
引き出された内部電極のうちの、一方側に引き出された
内部電極の幅W1と、他方側に引き出された内部電極の
幅W2の関係が、W1≧W2+2t(但し、tは一対の
内部電極の間に介在するバリスタ構成材料層の厚み)の
条件を満たすようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、静電気サージな
どの異常電圧の侵入から電子デバイスを保護する用途に
使用されるバリスタに関し、特に低静電容量での使用に
適し、静電容量やサージ耐量のばらつきの小さい積層型
バリスタに関する。
【0002】
【従来の技術】バリスタは電圧に対して電気抵抗が非線
形的に変化する素子で、異常電圧吸収などの用途に広く
用いられている。
【0003】ところで、信号ラインに用いられるバリス
タとしては、機器の高速伝送化にともない、信号周波数
も高周波化し、低静電容量で、静電容量値が数pF〜数
十pFのバリスタへの要求が高まっている。これは、信
号周波数が高くなるほど静電容量の影響を受けやすくな
り、静電容量が大きいと、信号波形に悪影響を与えるこ
とによる。
【0004】また、近年、電子デバイスの表面実装化に
対応して、例えば、図6(a),(b),(c)に示すような
表面実装タイプの積層型バリスタが開発されるに至って
いる。なお、図6(a)は従来の積層型バリスタの外観構
成を示す斜視図、図6(b)は図6(a)のI−I線断面
図、図6(c)は図6(a)のII−II線断面図である。
【0005】この積層型バリスタは、バリスタ素体51
中に、バリスタ構成材料層51aを介して互いに対向す
るように2枚の内部電極52a,52bが配設され、か
つ、交互に逆側の端面に引き出されているとともに、端
面に引き出された内部電極52a,52bと導通するよ
うに、バリスタ素体51の両端面に一対の外部電極53
a,53bが配設された構造を有している。
【0006】このような積層型バリスタは、通常、図7
に示すように、Ag、Pd、Pt、Niなどを主成分と
する内部電極52a,52bが印刷された、バリスタ材
料から構成されるセラミックグリーンシート54を所定
枚数積層するとともに、その上下両面側に内部電極の印
刷されていないセラミックグリーンシート(外層シー
ト)55を積層、圧着した後、所定の条件で焼成し、外
部電極53a,53b(図6)を形成する工程を経て製
造される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
積層型バリスタにおいては、製造工程で内部電極にある
程度の位置ずれが生じることは避けられないのが実情で
ある。
【0008】そして、例えば、図8(b)に示すように、
内部電極52a,52bに位置ずれが生じると、内部電
極52a,52bの対向面積(有効面積)が設計値より
小さくなり、サージ耐量が小さい方にばらつくという問
題点がある。なお、サージ耐量は、バリスタ構成材料層
を介して互いに対向する内部電極の重なり面積(有効面
積)に比例するが、これは、バリスタ素体の単位面積あ
たりの許容電流(電流密度)がバリスタ素体固有の値を
持っていることによるものである。
【0009】そこで、一定のサージ耐量を確保するため
に、上記のような内部電極の位置ずれを考慮し、その分
だけ内部電極52a,52bの面積を大きくして、確実
に必要な対向面積(有効面積)を確保する方法が考えら
れるが、その場合、内部電極の位置ずれの程度が小さい
場合には、静電容量が必要以上に大きくなってしまうと
いう問題点がある。
【0010】本願発明は、上記問題点を解決するもので
あり、製造工程において内部電極の位置ずれが生じた場
合にも、所望のサージ耐量を確保することが可能で、し
かも、静電容量が必要以上に大きくなることを抑制する
ことが可能な積層型バリスタを提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願発明(請求項1)の積層型バリスタは、バリス
タ素体内に、バリスタ構成材料層を介して互いに対向す
るように配設され、かつ、互いに逆側に引き出された一
対の内部電極と、前記バリスタ素体の両端側に配設さ
れ、前記内部電極のうちの一方側に引き出された内部電
極と導通する外部電極と、逆側に引き出された内部電極
と導通する外部電極からなる一対の外部電極とを具備
し、かつ、前記一対の内部電極のうちの、一方の内部電
極の引出方向に直交する方向の長さ(幅)W1と、他方
の内部電極の、引出方向に直交する方向の長さ(幅)W
2の関係が、 W1≧W2+2t ……(1) (t:一対の内部電極の間に介在するバリスタ構成材料
層の厚み)の条件を満足することを特徴としている。
【0012】前記一対の内部電極のうちの、一方の内部
電極の引出方向に直交する方向の長さ(幅)W1と、他
方の内部電極の、引出方向に直交する方向の長さ(幅)
W2の関係が、上記の式(1)の条件を満足するようにし
た場合、製造工程において、内部電極が、その引出方向
に直交する方向(幅方向)に位置ずれを生じた場合に
も、幅の狭い方の内部電極(幅W2の内部電極)が、幅
の広い方の内部電極(幅W1の内部電極)の投影領域か
ら大きくはみ出してしまうことを抑制することが可能に
なり、内部電極の重なり面積(有効面積)にばらつきが
生じることを抑制して、所望のサージ耐量を確保するこ
とが可能になる。
【0013】すなわち、従来のように、一対の内部電極
の両方の面積を大きくしなくても、一方の内部電極の幅
W1を、他方の内部電極の幅W2より大きくすることに
より、内部電極が幅方向に位置ずれを生じても、幅の狭
い方の内部電極(幅W2の内部電極)が、幅の広い方の
内部電極(幅W1の内部電極)の投影領域内に収まりや
すくなり、内部電極の重なり面積(有効面積)のばらつ
きを効率よく抑制して、所望のサージ耐量を確保すると
ともに、無用な静電容量の増大を抑制することが可能に
なり、信頼性を向上させることが可能になる。
【0014】また、本願発明(請求項2)の積層型バリ
スタは、バリスタ素体内に、バリスタ構成材料層を介し
て互いに対向するように積層・配設され、かつ、交互に
逆側に引き出された複数の内部電極と、前記バリスタ素
体の両端側に配設され、前記交互に逆側に引き出された
複数の内部電極のうちの一方側に引き出された内部電極
と導通する外部電極と、逆側に引き出された内部電極と
導通する外部電極からなる一対の外部電極とを具備し、
かつ、前記交互に逆側に引き出された内部電極のうち
の、一方側に引き出された内部電極の、引出方向に直交
する方向の長さ(幅)W1と、他方側に引き出された内
部電極の、引出方向に直交する方向の長さ(幅)W2の
関係が、 W1≧W2+2t ……(1) (t:隣接する一対の内部電極の間に介在するバリスタ
構成材料層の厚み)の条件を満足することを特徴として
いる。
【0015】バリスタ素体内に、複数枚(3枚以上の場
合も含む)の内部電極が配設された構造を有する積層型
バリスタにおいても、交互に逆側に引き出された内部電
極のうちの、一方側に引き出された内部電極の、引出方
向に直交する方向の長さ(幅)W1と、逆側に引き出さ
れた内部電極の、引出方向に直交する方向の長さ(幅)
W2の関係が、上記の式(1)の条件を満足するようにし
た場合、製造工程において、内部電極が、その引出方向
に直交する方向(幅方向)に位置ずれを生じた場合に
も、幅の狭い方の内部電極(幅W2の内部電極)が、幅
の広い方の内部電極(幅W1の内部電極)の投影領域か
ら大きくはみ出してしまうことを抑制することが可能に
なり、内部電極の重なり面積(有効面積)にばらつきが
生じることを抑制して、所望のサージ耐量を確保すると
ともに、無用な静電容量の増大を抑制することが可能に
なる。
【0016】また、請求項3の積層型バリスタは、前記
バリスタ構成材料層の厚みtが、5〜100μmの範囲
にあることを特徴としている。
【0017】いわゆる中低圧の積層型バリスタにおいて
は、通常、バリスタ構成材料層の厚みtが、5〜100
μm(=0.005〜0.100mm)の範囲にあるが、
このような積層型バリスタにおいて、上記式(1)のW1
≧W2+2tの条件を満たすことにより、内部電極の重
なり面積(有効面積)のばらつきを抑えつつ、所望の有
効面積を確保することが可能になり、静電容量の増大を
招くことなく、所望のサージ耐量を確保することが可能
になる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を示
してその特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0019】[実施形態1]図1(a)は本願発明の一実
施形態(実施形態1)にかかる積層型バリスタの外観構
成を示す斜視図、図1(b)は図1(a)のI−I線断面
図、図1(c)は図1(a)のII−II線断面図であり、図2
(a)は本願発明の実施形態1にかかる積層型バリスタ
の、内部電極に位置ずれが生じていない状態を示す平面
透視図、図2(b)は内部電極に位置ずれが生じた状態を
示す平面透視図である。
【0020】この実施形態1の積層型バリスタは、バリ
スタ素体1中に、バリスタ構成材料層1aを介して互い
に対向するように一対の内部電極2a,2bが配設さ
れ、かつ、交互に逆側の端面に引き出されているととも
に、バリスタ素体1の両端部には、引き出された内部電
極2a,2bと導通するように、一対の外部電極3a,
3bが配設された構造を有している。
【0021】そして、この実施形態においては、一対の
内部電極2a,2bのうちの一方(内部電極2a)の引
出方向(図2の矢印Xの方向)に直交する方向(図2の
矢印Yの方向)の長さ(幅)W1の値を、表1に示すよ
うに、0.21mm,0.26mm,0.31mm,0.36
mm,0.41mmと変化させる一方、他方の内部電極2b
の、引出方向(Xの方向)に直交する方向(Yの方向)
の長さ(幅)W2を0.21mmに固定して、内部電極2
aと2bの幅W1とW2の関係が異なる複数種類の積層
型バリスタを作製した。
【0022】なお、各積層型バリスタにおいては、一対
の内部電極2a,2bの間に介在するバリスタ構成材料
層1aの厚み(内部電極2a,2bの間隔)t、全幅
W、全高T、全長L、をそれぞれ、以下の一定値(固定
値)とした。 t:0.05mm W:0.8mm T:0.8mm L:1.6mm そして、上記の各積層型バリスタについて、サージ耐量
を調べた。その結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】なお、表1において、*印を付した試料番
号1及び2の積層型バリスタは、本願発明の範囲外の比
較例である。すなわち、この実施形態では、一対の内部
電極2a,2bの間に介在するバリスタ構成材料層1a
の厚み(内部電極2a,2bの間隔)tが0.05mmで
あって、W2が0.21mmであるから、W1≧W2+2
tの条件を満たすためには、W1は、W2の値(0.2
1mm)に、2tの値(0.05mm×2=0.10mm)を
加えた値0.31mm(すなわち、0.21mm+0.10
mm=0.31mm)以上であることが必要となり、表1の
試料番号1及び2は本願発明の範囲外となる。
【0025】また、表1に示したサージ耐量の値(平均
値、最大値、最小値)は、それぞれ50個の試料(n=
50)について測定した結果である。表1より、W1≧
W2+2t(但し、tは一対の内部電極の間に介在する
バリスタ構成材料層の厚み)の条件を満足する試料番号
3,4,5の積層型バリスタにおいては、サージ耐量の
最小値がW1≧W2+2tの条件を満足しない試料番号
1及び2に比べて大きくなっていることがわかる。
【0026】これは、一対の内部電極2a,2bの幅W
1及びW2を、W1≧W2+2tの条件を満たすような
関係とすることにより、製造工程において、例えば、内
部電極2aが、図2(a)に示すような状態から、図2
(b)に示すような状態になるまで、Y方向にある程度の
位置ずれを生じた場合にも、内部電極2bが内部電極2
aの投影領域内に収まるためであり、内部電極2a及び
2bの重なり面積(有効面積)に変動が生じることを抑
制して、所望のサージ耐量を確保することが可能になる
ことによる。また、内部電極2bの面積が小さいため、
内部電極2aと2bの重なり面積が不必要に大きくなる
ことが抑制され、無用な静電容量の増大を抑制すること
が可能になる。
【0027】このように、内部電極2a,2bの幅W1
及びW2を、W1≧W2+2tの条件を満たすような関
係とすることにより、静電容量が大きくなることを抑制
して、望ましくない静電容量の増大を回避しつつ、所望
のサージ耐量を確保することが可能で、信頼性の高い積
層型バリスタを得ることが可能になる。なお、図2(b)
は、内部電極2aに位置ずれが生じた場合を示している
が、内部電極2bに位置ずれが生じた場合にも、内部電
極2aと内部電極2bの関係は相対的なものであること
から、上記実施形態の場合と同様に、内部電極2a,2
bの対向面積のばらつきを抑制、防止することが可能で
ある。
【0028】また、図3に、内部電極2bの位置は一定
として、内部電極2a,2bの相対的な位置を図2の矢
印Yの方向に所定量(0μm,50μm(=0.050m
m),100μm(=0.100mm))だけずらした場合
における、内部電極2aの幅W1と静電容量の関係を示
す。
【0029】図3より、内部電極2a,2bの位置ずれ
量が大きくなっても、内部電極2aの幅W1が0.31
mm以上のものについては、静電容量の変動が少ないこと
がわかる。
【0030】また、図4に、内部電極2aの幅W1を
0.21mm,0.26mm,0.31mm,0.36mm,
0.41mmと変化させた場合における、内部電極2a,
2bの位置ずれ量と静電容量の変動幅の関係を示す。な
お、図4において、静電容量の変動幅は、位置ずれを生
じさせた場合の静電容量の、位置ずれのない場合の静電
容量に対する割合(%)を示している。
【0031】図4より、内部電極2aの幅W1が0.3
1mm以上である場合には、内部電極2a,2bの位置ず
れ量が大きくなっても、静電容量の変動幅が小さいこと
がわかる。
【0032】[実施形態2]図5(a)は本願発明の他の
実施形態(実施形態2)にかかる積層型バリスタの外観
構成を示す斜視図、図5(b)は図5(a)のI−I線断面
図、図5(c)は図5(a)のII−II線断面図である。
【0033】この実施形態の積層型バリスタは、バリス
タ素体1中に、バリスタ構成材料層1aを介して互いに
対向し、交互に逆側の端面に引き出された複数枚(この
実施形態では合計7枚)の内部電極2(2a,2b)が
配設され、かつ、バリスタ素体1の両端部に、内部電極
2(2a,2b)と導通するように、一対の外部電極3
a,3bが配設された構造を有している。
【0034】そして、この実施形態2の積層型バリスタ
においては、内部電極2として、引出方向に直交する方
向の長さ(幅)がW1(図5(b))の内部電極2aと、
幅W2の内部電極2bが交互に積層されており、内部電
極2aは、内部電極2bより幅が広く、W1≧W2+2
tの条件を満たすように内部電極2a,2bの幅W1,
W2、及び一対の内部電極2a,2bの間隔(内部電極
2a,2b間に介在するバリスタ構成材料層の厚み)t
が設定されている。
【0035】このように3枚以上の内部電極2を備えた
積層型バリスタにおいても、交互に逆側に引き出された
各一対の内部電極2a,2bの幅W1及びW2を、W1
≧W2+2tの条件を満たすような関係とした場合に
は、製造工程において内部電極2a,2bの位置ずれが
生じた場合にも、上述の実施形態1の場合と同様に、内
部電極2a及び2bの重なり面積(有効面積)に変動が
生じることを抑制して、所望のサージ耐量を確保するこ
とが可能になる。また、内部電極2bの面積が小さいた
め、内部電極2aと2bの重なり面積が不必要に大きく
なることが抑制され、無用な静電容量の増大を抑制する
ことが可能になる。
【0036】したがって、望ましくない静電容量の増大
を回避しつつ、所望のサージ耐量を確保することが可能
で、信頼性の高い積層型バリスタを得ることが可能にな
る。
【0037】なお、本願発明は、上記実施形態に限定さ
れるものではなく、内部電極の具体的なパターン、内部
電極の配設枚数、バリスタ素体の寸法などに関し、発明
の要旨の範囲内において、種々の応用、変形を加えるこ
とが可能である。
【0038】
【発明の効果】上述のように、本願発明(請求項1)の
積層型バリスタは、一対の内部電極のうちの、一方の内
部電極の引出方向に直交する方向の長さ(幅)W1と、
他方の内部電極の、引出方向に直交する方向の長さ
(幅)W2の関係が、W1≧W2+2t(ただし、tは
一対の内部電極の間に介在するバリスタ構成材料層の厚
み)の条件を満足するようにしているので、製造工程に
おいて、内部電極が、その引出方向に直交する方向(幅
方向)に位置ずれを生じた場合にも、内部電極の重なり
面積(有効面積)にばらつきが生じることを抑制して、
所望のサージ耐量を確保することが可能になる。
【0039】また、バリスタ素体内に、複数枚(3枚以
上の場合も含む)の内部電極が配設された構造を有する
積層型バリスタにおいても、請求項2のように、交互に
逆側に引き出された内部電極のうちの、一方側に引き出
された内部電極の、引出方向に直交する方向の長さ
(幅)W1と、逆側に引き出された内部電極の、引出方
向に直交する方向の長さ(幅)W2の関係が、W1≧W
2+2tの条件を満足するようにしているので、製造工
程において、内部電極が、その引出方向に直交する方向
(幅方向)に位置ずれを生じた場合にも、内部電極の重
なり面積(有効面積)にばらつきが生じることを抑制し
て、所望のサージ耐量を確保することが可能になる。
【0040】また、いわゆる中低圧の積層型バリスタに
おいては、通常、バリスタ構成材料層の厚みtが、5〜
100μm(=0.005〜0.100mm)の範囲にあ
るが、このような積層型バリスタに、本願発明を適用し
(請求項3)、W1≧W2+2tの条件を満たすように
した場合、内部電極の重なり面積(有効面積)のばらつ
きを抑えつつ、所望の有効面積を確保することが可能に
なり、望ましくない静電容量の増大を回避しつつ、所望
のサージ耐量を確保することが可能になり、本願発明を
さらに実効あらしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本願発明の一実施形態(実施形態1)に
かかる積層型バリスタの外観構成を示す斜視図、(b)は
(a)のI−I線断面図、(c)は(a)のII−II線断面図で
ある。
【図2】(a)は本願発明の実施形態1にかかる積層型バ
リスタの、内部電極に位置ずれが生じていない状態を示
す平面透視図、(b)は内部電極に位置ずれが生じた状態
を示す平面透視図である。
【図3】本願発明の実施形態1にかかる積層型バリスタ
の内部電極の位置を所定の方向にずらした場合におけ
る、内部電極の幅と静電容量の関係を示す線図である。
【図4】本願発明の実施形態1にかかる積層型バリスタ
の内部電極の幅を変化させた場合における、内部電極の
位置ずれ量と静電容量の変動幅の関係を示す線図であ
る。
【図5】(a)は本願発明の他の実施形態(実施形態2)
にかかる積層型バリスタの外観構成を示す斜視図、(b)
は(a)のI−I線断面図、(c)は(a)のII−II線断面図
である。
【図6】(a)は従来の積層型バリスタの外観構成を示す
斜視図、(b)は(a)のI−I線断面図、(c)は(a)のII
−II線断面図である。
【図7】従来の積層型バリスタの製造方法を示す斜視図
である。
【図8】(a)は従来の積層型バリスタにおいて、内部電
極に位置ずれが生じていない状態を示す平面透視図、
(b)は内部電極に位置ずれが生じた状態を示す平面透視
図である。
【符号の説明】
1 バリスタ素体 1a バリスタ構成材料層 2a,2b 内部電極 3a,3b 外部電極 L 全長 T 全高 t バリスタ構成材料層の厚み(内部電
極の間隔) W 全幅 W1,W2 内部電極の幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河田 都美 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 森本 正士 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 Fターム(参考) 5E034 CA08 CB01 DA02 DA07 DC01 DC09 DC10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バリスタ素体内に、バリスタ構成材料層を
    介して互いに対向するように配設され、かつ、互いに逆
    側に引き出された一対の内部電極と、 前記バリスタ素体の両端側に配設され、前記内部電極の
    うちの一方側に引き出された内部電極と導通する外部電
    極と、逆側に引き出された内部電極と導通する外部電極
    からなる一対の外部電極とを具備し、かつ、 前記一対の内部電極のうちの、一方の内部電極の引出方
    向に直交する方向の長さ(幅)W1と、他方の内部電極
    の、引出方向に直交する方向の長さ(幅)W2の関係
    が、 W1≧W2+2t ……(1) (t:一対の内部電極の間に介在するバリスタ構成材料
    層の厚み)の条件を満足することを特徴とする積層型バ
    リスタ。
  2. 【請求項2】バリスタ素体内に、バリスタ構成材料層を
    介して互いに対向するように積層・配設され、かつ、交
    互に逆側に引き出された複数の内部電極と、 前記バリスタ素体の両端側に配設され、前記交互に逆側
    に引き出された複数の内部電極のうちの一方側に引き出
    された内部電極と導通する外部電極と、逆側に引き出さ
    れた内部電極と導通する外部電極からなる一対の外部電
    極とを具備し、かつ、 前記交互に逆側に引き出された内部電極のうちの、一方
    側に引き出された内部電極の、引出方向に直交する方向
    の長さ(幅)W1と、他方側に引き出された内部電極
    の、引出方向に直交する方向の長さ(幅)W2の関係
    が、 W1≧W2+2t ……(1) (t:隣接する一対の内部電極の間に介在するバリスタ
    構成材料層の厚み)の条件を満足することを特徴とする
    積層型バリスタ。
  3. 【請求項3】前記バリスタ構成材料層の厚みtが、5〜
    100μmの範囲にあることを特徴とする請求項1又は
    2記載の積層型バリスタ。
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