JPH08172026A - コンデンサ - Google Patents

コンデンサ

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JPH08172026A
JPH08172026A JP31441294A JP31441294A JPH08172026A JP H08172026 A JPH08172026 A JP H08172026A JP 31441294 A JP31441294 A JP 31441294A JP 31441294 A JP31441294 A JP 31441294A JP H08172026 A JPH08172026 A JP H08172026A
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capacitor
electrodes
electrode
counter
external lead
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JP31441294A
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Inventor
Yoribumi Sakamoto
頼史 阪本
Toshishige Yamamoto
利重 山本
Masafumi Fujii
雅文 藤井
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 誘電体板1の両主面に対向電極2、3が形成
されたコンデンサ10において、各対向電極2、3がコ
の字形状に、かつ逆向きに形成されると共に、外部引き
出し電極に点対称位置で接続されている。 【効果】 ショートが発生しにくく、大容量を有しなが
ら、しかも寄生インダクタンスを小さくすることができ
るコンデンサ10を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコンデンサに関し、より
詳細には特に高周波領域における論理回路のスイッチン
グノイズ等を効果的に除去することができる低インダク
タンスのコンデンサに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の電子回路の大容量化、高密度化、
動作の高速化に伴い、コンデンサの大容量化、高周波化
が要求されている。このような要求に対応できるコンデ
ンサのひとつとして、積層セラミックコンデンサが挙げ
られる。中でも、図6に示したタイプのチップ型積層セ
ラミックコンデンサ40は大容量化が可能であり、しか
もパッケージ等への実装が容易であるため盛用されてい
る。
【0003】図中41は誘電体板を示しており、積層さ
れた誘電体板41間には、左端を除く略全面に形成され
た内部電極42と、右端を除く略全面に形成された内部
電極43とが一層おきに形成されており、これら誘電体
板41、内部電極42及び内部電極43により積層体4
4が構成されている。また、この積層体44の両端部に
は内部電極42の一端が接続された外部引き出し電極4
5と、内部電極43の一端が接続された外部引き出し電
極46とが形成され、これら積層体44及び外部引き出
し電極45、46を含んでチップ型積層セラミックコン
デンサ40は構成されている。
【0004】このように構成されたチップ型積層セラミ
ックコンデンサ40では、内部電極42と内部電極43
との対向する積層面で容量が形成され、各容量値の総和
がチップ型積層セラミックコンデンサ40の総容量値と
なり、小型であっても大容量が得られる。
【0005】ところで一般に、コンデンサは理想的には
容量素子であるが、現実的には誘電体板材料の誘電損失
や電極の持つ抵抗及びインダクタンスを有しており、図
7に示したような等価回路で表され、使用する周波数に
よりその振るまいが大きく変化する。図8は一例とし
て、容量C=1nF、等価直列抵抗ESR(Equivalent
Series Resistance) =0.1Ω、等価直列インダクタ
ンスESL=1nHであるコンデンサのインピーダンス
|Z|の周波数特性を示したものである。ここで実線は
現実の周波数特性を、点線は誘電損失や電極抵抗を有さ
ないコンデンサの理想的な周波数特性すなわちコンデン
サのインダクタンス(ωL)成分及び容量成分(1/ω
C)の周波数特性をそれぞれ示している。図8から明ら
かなように、現実のコンデンサでは40MHz付近から
インピーダンスがずれ始めており、これは見かけの容量
が変化していることを示している。また、160MHz
で共振を生じており、それ以上の周波数ではインダクタ
として振るまう。コンデンサの代表的な用途として、回
路のノイズカットを行うバイパスコンデンサが挙げられ
るが、上記したようなコンデンサでは、ノイズの周波数
が300MHz以上になるとインピーダンスが高くなる
ため、高周波領域におけるノイズを効果的に除去するこ
とが困難になるという問題があった。
【0006】このような問題を解決するには、コンデン
サの自己共振周波数fO を高める必要がある。一般に、
コンデンサのfO は以下の式、
【0007】
【数1】
【0008】で表される。従ってfO を高めるには、E
SLあるいはCを小さくしなければならない。しかし、
上記したように近年の回路の大容量化に伴ってCは増大
する傾向にあり、Cを小さくすることはできず、ESL
を小さくすることが重要となる。
【0009】チップ型積層セラミックコンデンサ40で
は、図9に示したように誘電体板41をはさむ全ての内
部電極42、43で、外部引き出し電極46の一端から
電流が同一方向に流れており、電流による電磁界が相殺
されることはなく、ESLの値は略以下の式、
【0010】
【数2】
【0011】で表される。その結果相互インダクタンス
が正で大きな値となり、ESLの値を小さくすることが
できない。例えば、外部引き出し電極46幅a=0.5
mm、コンデンサ40高さc=0.5mm、コンデンサ
40長さd=1mm、μ0 :透磁率とすると、ESLは
約1.3nHと大きな値となる。
【0012】スイッチングノイズは論理回路のスイッチ
ングによってシステムの電源ラインに流れる電流(充放
電電流)により発生するノイズであり、電流路のインダ
クタンスと比例関係にある。この時、コンデンサは充放
電電流の供給源として働く。現在、電子回路の高速化に
伴い、この論理回路におけるスイッチングノイズが大き
な問題となってきており、前記スイッチングノイズを抑
制するためには、コンデンサにおける大容量化、低イン
ダクタンス化が望まれている。
【0013】既に大容量化が図られたチップ型積層セラ
ミックコンデンサ40において、スイッチングノイズを
より抑制するには、コンデンサ自体のESLを小さくす
ることが重要となる。
【0014】コンデンサ自体のESLを小さくするため
に、上下に隣接する内部電極を流れる電流の向きがほぼ
逆方向となるように前記内部電極が構成されたチップ型
積層コンデンサが提案されている(特公平4−7076
4号公報)。図10は前記チップ型積層コンデンサ50
の上面図であり、図中51、52はそれぞれ外部引き出
し電極を示しており、図中Aは外部引き出し電極間距離
を示している。誘電体板54上に形成された内部電極5
3の耳片部53aとこれら外部引き出し電極51、52
とは積層毎交互に電気的に接続されている。図11は内
部電極53の一連の配列を示した模式図であり、耳片部
53aは各々異なる4つの誘電体板54隅部に形成され
ている。図12はコンデンサ50中の内部電極53の方
向付け順序を示した図であり、2枚重ねられた内部電極
53の各耳片部53aが各々他方のシートの隅部に向け
られている。このように重ねられた内部電極53は一枚
置きに反対側の外部引き出し電極51、52に接続され
るため、図中矢印に示すように、それぞれ反対方向に電
流が流れることとなり、磁界が相殺され、結果として寄
生インダクタンスを小さくすることができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記構成
の積層コンデンサ50にあっては、外部引き出し電極5
1、52は短手方向に形成されるため外部引き出し電極
間距離Aは短くなり、安価な半田付け実装を行う場合、
ショートが発生する確立が高いという課題があった。な
お、図13に示すように、外部引き出し電極間距離Aを
大きくした積層コンデンサにすると、電流の向き(矢
印)が図12中矢印に示すような逆向き平行状態となら
ず、磁界が相殺されにくいため、寄生インダクタンスが
大きくなってしまう。
【0016】本発明はこのような課題に鑑みなされたも
のであり、ショートが発生しにくく、大容量を有しなが
ら、しかも寄生インダクタンスを小さくすることができ
るコンデンサを提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係るコンデンサは、誘電体板の両主面に対向
電極が形成されたコンデンサにおいて、前記各対向電極
がコの字形状に、かつ逆向きに形成されると共に、外部
引き出し電極に点対称位置で接続されていることを特徴
としている(1)。
【0018】また、本発明に係るコンデンサは、誘電体
板の両主面に対向電極が形成されたコンデンサにおい
て、前記各対向電極の両辺にジグザグ状にスリットが形
成されると共に、お互いが逆向きに配設され、外部引き
出し電極に齟齬状態で接続されていることを特徴として
いる(2)。
【0019】また、本発明に係るコンデンサは、上記
(1)又は(2)記載のコンデンサにおいて、誘電体板
及び対向電極が積層されていることを特徴としている
(3)。
【0020】
【作用】隣接した電極板を流れる電流の向きを逆向き平
行にできれば、負の値を有する相互インダクタンスの絶
対値が自己インダクタンスにほぼ等しくなり、結果とし
て寄生インダクタンスは零に近づく。
【0021】上記したコンデンサ(1)にあっては、前
記各対向電極がコの字形状に、かつそれぞれが逆向きに
形成されると共に、前記外部引き出し電極に点対称位置
で接続されている。このため、前記各対向電極に流れる
電流の向きは、前記コの字形状に制御されることとな
り、しかも前記各対向電極が前記外部引き出し電極に点
対称位置で接続されていることにより前記外部引き出し
電極に接続された前記各対向電極に流れる電流の向きは
180°反転することとなる。これにより、寄生インダ
クタンスの小さいコンデンサを得ることが可能となる。
また、前記外部引き出し電極間距離を長手方向に十分確
保することができ、ショートが発生しにくい構成とな
る。また、上記したコンデンサ(2)にあっては、前記
各対向電極の両辺にジグザグ状に前記スリットが形成さ
れると共に、お互いが逆向きに配設され、前記外部引き
出し電極に齟齬状態で接続されている。このため、前記
各対向電極に流れる電流の向きは、前記ジグザグ状に形
成された前記スリットにより制御されることとなり、し
かも前記各対向電極が前記外部引き出し電極に齟齬状態
で接続されていることにより前記外部引き出し電極に接
続された前記各対向電極に流れる電流の向きは180°
反転することとなる。これにより、上記したコンデンサ
(1)と同様の作用が得られ、しかも容量値を大きくと
ることが可能となる。
【0022】また、上記したコンデンサ(3)にあって
は、上記したコンデンサ(1)又は(2)において、前
記誘電体板及び前記対向電極が積層されている。これに
より、上記したコンデンサ(2)により得られる作用に
加え、さらに大容量化が図られた積層コンデンサを得る
ことが可能となる。
【0023】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係るコンデンサの
実施例を図面に基づいて説明する。図1は実施例1に係
るコンデンサの模式的斜視図を示しており、図中1はチ
タン酸バリウム等の高誘電率材料を用いて形成された誘
電体板を示している。誘電体板1の上面及び下面には誘
電体板1との同時焼成が可能なPb、Pt、Ag、Pd
−Ag等からなる金属ペーストを用いて対向電極2、3
が形成されている。対向電極2、3には、端部中央から
中心部に向けて所定箇所に略長方形形状のスリット6が
形成されており、平面視形状がコの字形状となってい
る。また、対向電極2と対向電極3とは互いに逆向きに
配設されている。また、図中4は対向電極2と外部引き
出し電極(図示せず)との接続部を示しており、5は対
向電極3と外部引き出し電極との接続部を示している。
このような構成のコンデンサ10を作製するには、まず
ガラス系焼結助剤を添加したチタン酸バリウムの粉末に
分散剤、有機バインダ、可塑剤を添加して混練した後、
ドクターブレード法により厚さが約50μmのシート状
に成形し、誘電体シートを得る。
【0024】次に、誘電体シートの両主面に、図1に示
した対向電極2、3に対応する対向電極パターンをメタ
ルマスクを用いたスクリーン印刷法によりそれぞれ形成
し、焼き上がり寸法が例えば縦2mm、横2mmとなる
ような大きさに前記誘電体シートを切断する。この時、
対向電極2、3の所定位置には、焼き上がり時の寸法が
例えば縦0.1mm、横1mmとなるような大きさのス
リット6が作成されている。次に、1250℃の大気中
で焼成して、例えば厚さ0.2mmのコンデンサ10を
作製する。
【0025】図2はコンデンサ10において、対向電極
2の極性が−、対向電極3の極性が+である場合の各対
向電極2、3に流れる電流の方向を示した模式図であ
る。矢印x、yはそれぞれの電流の向きを示しており、
互いに180°反転した方向となる。
【0026】図1、2から明らかなように実施例1に係
るコンデンサ10にあっては、各対向電極2、3がコの
字形状に、かつそれぞれが逆向きに形成されると共に、
外部引き出し電極に点対称位置で接続されている。この
ため、各対向電極2、3に流れる電流の向きは、前記コ
の字形状に制御されることとなり、しかも各対向電極
2、3が外部引き出し電極に点対称位置で接続されてい
ることから、各対向電極2、3に流れる電流の向きを1
80°反転させることができる。これにより、寄生イン
ダクタンスの小さなコンデンサ10を得ることができ
る。また、前記外部引き出し電極間距離を十分大きく確
保することができ、ショートの発生しにくいコンデンサ
を提供することができる。
【0027】図3は、実施例2に係るコンデンサの対向
電極を示した模式的平面図である。図中7、8は対向電
極を示しており、対向電極7、8の両辺にはジグザグ状
に略長方形形状のスリット12が形成されている。ま
た、対向電極7と対向電極8とはお互いが逆向きに配設
されている。図中9は対向電極7と外部引き出し電極
(図示せず)との接続部を示しており、11は対向電極
8と外部引き出し電極(図示せず)との接続部を示して
いる。このように対向電極7、8は外部引き出し電極に
齟齬状態で接続されている。
【0028】実施例2に係るコンデンサの作製方法は実
施例1と略同様であり、ここではその詳細な説明は省略
する。また、対向電極7の極性が−、対向電極8の極性
が+である場合の各対向電極7、8に流れる電流の方向
は図中矢印x〜wのようになり、矢印xと矢印y、矢印
zと矢印wは互いに180°反転した方向となる。ま
た、矢印xと矢印w、矢印zと矢印yも互いに180°
反転した方向となる。
【0029】図3から明らかなように実施例2に係るコ
ンデンサにあっては、各対向電極7、8の両辺にジグザ
グ状にスリット12が形成されると共に、お互いが逆向
きに配設され、外部引き出し電極に齟齬状態で接続され
ている。このため、各対向電極7、8に流れる電流の向
きは、ジグザグ状に形成されたスリット12により制御
されることとなり、しかも各対向電極7、8が外部引き
出し電極に齟齬状態で接続されていることにより前記外
部引き出し電極に接続された各対向電極7、8に流れる
電流の向きを180°反転させることができる。これに
より、寄生インダクタンスの小さなコンデンサを得るこ
とができる。また、前記外部引き出し電極間距離を十分
大きく確保することができ、ショートの発生しにくいコ
ンデンサを提供することができる。
【0030】なお、実施例1又は実施例2においては誘
電体板1枚と対向電極1組とを積層する単層のコンデン
サについて示したが、何らこれに限定されるものではな
く、別の実施例においては、誘電体板及び対向電極が複
数枚積層されたコンデンサであってもよい。
【0031】図4(a)は、実施例3に係るコンデンサ
の積層体を示した模式的斜視図であり、(b)は(a)
に示した積層体に外部引き出し電極が形成されて完成し
たコンデンサを示した模式的斜視図である。
【0032】誘電体板1a、1c、1eの上面の、外部
引き出し電極30との接続部(以下、単に接続部と記
す)4以外の左右所定幅とスリット6とを除く部分には
誘電体板1a、…との同時焼成が可能な金属ペーストを
用いて対向電極(以下、内部電極と記す)2がそれぞれ
形成されており、また、誘電体板1b、1dの上面、及
び誘電体板1eの下面における、接続部5以外の左右所
定幅とスリット6とを除く部分には同じく誘電体板1
b、…との同時焼成が可能な金属ペーストを用いて内部
電極3が形成されている。これら誘電体板1a〜1e及
び内部電極2、3が順次交互に積層される構成により積
層体が形成されている。該積層体端部の、接続部4近傍
及び接続部5近傍には誘電体板1a、…との同時焼成が
可能な前記金属ペーストを用いて外部引き出し電極30
及び外部引き出し電極31が形成されている。そして、
同極性を有する一層おきの内部電極2が外部引き出し電
極接続部4を介して外部引き出し電極30に接続され、
他の同極性を有する一層おきの内部電極3が接続部5を
介して外部引き出し電極31に接続されている。なお、
外部引き出し電極30、31に覆われた部分以外の積層
断面は、樹脂等(図示せず)により被覆されている。
【0033】内部電極2、3には、前述したようにスリ
ット6が形成され、平面視形状がコの字形状となってお
り、内部電極2、3はそれぞれ逆向きに形成されてい
る。これにより、実施例3に係るコンデンサにおいて
も、内部電極2の極性が−、内部電極3の極性が+であ
る場合の各内部電極2、3を流れる電流の方向は図2に
示した場合と同様となり、矢印x、yに示した電流の向
きから明らかなように、積層時においても、互いに18
0°反転した方向となる。
【0034】図4から明らかなように、実施例3に係る
コンデンサにあっては、実施例1に係るコンデンサを積
層した構成であって、しかも、誘電体板1及び内部電極
2、3が積層されているため、内部電極2、3に流れる
電流の向きをそれぞれ180°反転させ、大容量を有し
ながら、寄生インダクタンスの小さいコンデンサを得る
ことができる。また、外部引き出し電極30と外部引き
出し電極31との距離を十分大きく確保することがで
き、ショートの発生しにくいコンデンサを提供すること
ができる。
【0035】実施例3においては、積層する内部電極の
形状がコの字形状である場合について説明したが、何ら
これに限定されるものではなく、別の実施例において
は、積層する内部電極の形状が図3に示した形状のコン
デンサ、つまり実施例2に係るコンデンサを積層したも
のであってもよい。
【0036】図5は、比較例に係るコンデンサの対向電
極を示した平面図である。図中13、14は対向電極を
示しており、対向電極13、14は、所定箇所に略長方
形形状のスリット17が形成され、平面視形状がコの字
形状となっている。また、対向電極13と対向電極14
とは、逆向きに形成されている。実施例に係るコンデン
サにおいては各対向電極の外部引き出し電極との接続部
は点対称位置となっていたが、比較例においては、対向
電極13、14の一方の端部全体が外部引き出し電極
(図示せず)との接続部15、16となっている。その
ため、対向電極13、14を流れる電流の向きは矢印
u、vで示した方向となり、略同一方向となる。
【0037】このように、比較例に係るコンデンサにお
いては、対向電極13、14を流れる電流の向きはそれ
ぞれ180°反転した方向とはならず、寄生インダクタ
ンスを小さくすることはできない。
【0038】実際に、実施例1、図6に示した従来例及
び図5に示した比較例に係るコンデンサを作製し、ES
Lを調べた結果を説明する。まず、作製したコンデンサ
をアルミナ基板上に半田により実装する。その後、ウエ
ハプローブが当たるように施されたパターン電極を前記
アルミナ基板上に形成し、それぞれを半田により実装す
る。これらに対し、ネットワークアナライザーにより各
ESLを実測したところ、表1のような結果になった。
【0039】
【表1】
【0040】表1から明らかなように、従来例に係るコ
ンデンサではインダクタンスが1500pH、比較例に
係るコンデンサではインダクタンスが1000pHとな
ったのに対し、実施例1に係るコンデンサではインダク
タンスが250pHと小さな値となっていることが確認
された。
【0041】このように、実施例に係るコンデンサにあ
っては、寄生インダクタンスを小さくすることができ
る。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る積層コ
ンデンサにあっては、各対向電極がコの字形状に、かつ
それぞれが逆向きに形成されると共に、外部引き出し電
極に点対称位置で接続されている。このため、各対向電
極に流れる電流の向きは、前記コの字形状に制御される
こととなり、しかも各対向電極が外部引き出し電極に点
対称位置で接続されていることにより前記外部引き出し
電極に接続された各対向電極に流れる電流の向きを18
0°反転することとなる。これにより、寄生インダクタ
ンスの小さなコンデンサを得ることができる。また、前
記外部引き出し電極間距離を長手方向に十分確保するこ
とができ、ショートが発生しにくいコンデンサを得るこ
とができる。
【0043】また、上記したコンデンサ(2)にあって
は、各対向電極の両辺にジグザグ状にスリットが形成さ
れると共に、お互いが逆向きに配設され、外部引き出し
電極に齟齬状態で接続されている。このため、各対向電
極に流れる電流の向きは、前記ジグザグ状に形成された
スリットにより制御されることとなり、しかも各対向電
極が外部引き出し電極に齟齬状態で接続されていること
により前記外部引き出し電極に接続された各対向電極に
流れる電流の向きは180°反転することとなる。これ
により、上記したコンデンサ(1)と同様の効果が得ら
れ、しかも容量値を大きくとることを可能にすることが
できる。
【0044】また、上記したコンデンサ(3)にあって
は、上記したコンデンサ(1)又は(2)であって、誘
電体板及び対向電極が積層されている各対向電極の両辺
にジグザグ状にスリットが形成されると共に、お互いが
逆向きに配設され、外部引き出し電極に齟齬状態で接続
されている。このため、各対向電極に流れる電流の向き
は、前記ジグザグ状に形成されたスリットにより制御さ
れることとなり、しかも各対向電極が外部引き出し電極
に齟齬状態で接続されていることにより前記外部引き出
し電極に接続された各対向電極に流れる電流の向きを1
80°反転することとなる。これにより、上記したコン
デンサ(2)により得られる効果に加え、さらに大容量
化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るコンデンサを示した模式
的斜視図である。
【図2】実施例に係るコンデンサの対向電極を流れる電
流の向きを示した模式的平面図である。
【図3】別の実施例に係るコンデンサの対向電極を流れ
る電流の向きを示した模式的平面図である。
【図4】(a)、(b)はさらに別の実施例に係るコン
デンサを示した模式的斜視図である。
【図5】比較例に係るコンデンサの対向電極を流れる電
流の向きを示した模式的平面図である。
【図6】従来例に係るチップ型積層セラミックコンデン
サを示した部分的断面斜視図である。
【図7】チップ型積層セラミックコンデンサの回路構成
を示した等価回路図である。
【図8】従来のチップ型積層セラミックコンデンサにお
けるインピーダンス|Z|の周波数特性を示したグラフ
である。
【図9】従来の積層コンデンサの模式的縦断面図であ
る。
【図10】従来例に係る積層セラミックコンデンサの上
面図である。
【図11】積層セラミックコンデンサの積層体部分を分
解して示した斜視図である。
【図12】積層セラミックコンデンサの対向電極の方向
付け順序を示した図である。
【図13】積層セラミックコンデンサの外部引き出し電
極間距離を広くした場合の対向電極の方向付け順序を示
した図である。
【符号の説明】
10、40、50 コンデンサ 1、41、54 誘電体板 2、3、7、8、13、14、42、43、53、63
対向電極 30、31、45、46 外部引き出し電極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体板の両主面に対向電極が形成され
    たコンデンサにおいて、前記各対向電極がコの字形状
    に、かつ逆向きに形成されると共に、外部引き出し電極
    に点対称位置で接続されていることを特徴とするコンデ
    ンサ。
  2. 【請求項2】 誘電体板の両主面に対向電極が形成され
    たコンデンサにおいて、前記各対向電極の両辺にジグザ
    グ状にスリットが形成されると共に、お互いが逆向きに
    配設され、外部引き出し電極に齟齬状態で接続されてい
    ることを特徴とするコンデンサ。
  3. 【請求項3】 誘電体板及び対向電極が積層されている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンデン
    サ。
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