JP2002184580A - Oled繊維光源 - Google Patents

Oled繊維光源

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JP2002184580A JP2001246857A JP2001246857A JP2002184580A JP 2002184580 A JP2002184580 A JP 2002184580A JP 2001246857 A JP2001246857 A JP 2001246857A JP 2001246857 A JP2001246857 A JP 2001246857A JP 2002184580 A JP2002184580 A JP 2002184580A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】柔軟な有機発光ダイオード(OLED)繊維光
源を提供すること。 【解決手段】OLEDは、繊維コア22、陰極27、少
なくとも1つの有機放射放出層23、及び透明な陽極2
8を含んでいる。かかる繊維光源は、柔軟な新規照明製
品として使用したり、あるいは大面積の照明光源の内部
にコイル状に配置したりすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】本発明は発光素子に関するものであっ
て、更に詳しく言えば、有機発光ダイオードに関する。
【0002】エレクトロルミネセンス(EL)素子は、
60年以上も前から知られていた。エレクトロルミネセ
ンス素子1の略図を図1に示す。EL素子1は、賦活剤
イオン(たとえば、Mn)を添加した無機蛍光体層3
(たとえば、Zn)を含んでいる。蛍光体層3は、2つ
の絶縁層5及び6の間に挟まれている。絶縁層5及び6
の外側には、陰極7及び陽極8がそれぞれ配置されてい
る。
【0003】EL発光は次のようにして起こる。陽極8
と陰極7との間に印加された電圧が閾値を越えると、高
い電界で支援されたトンネル効果によって蛍光体層3と
絶縁層5、6との間の界面状態から電子が注入される。
(矢印によって示された)注入電子は、衝突励起機構に
よって蛍光体層3中の賦活剤を励起する。次に、励起さ
れた賦活剤は基底状態への放射遷移を行って光を放出す
る。電子は蛍光体層3と絶縁層5との間の界面から蛍光
体層3と絶縁層6との間の界面まで伝導帯中を移動し、
そこにおいて捕捉されて分極を引起こす。交流電圧波の
極性が逆転すると、蛍光体層中においては反対方向に沿
って同じ過程が起こる。このように、印加された電界の
下で蛍光体の電子帯中を移動する電子との衝突に基づ
き、無機蛍光体中の賦活剤イオンから光の放出が起こ
る。
【0004】たとえば米国特許第6074071、54
85355及び5876863号明細書中に記載されて
いるごとく、柔軟な繊維状エレクトロルミネセンス光源
は当業界において公知である。しかるに、これらのEL
素子は多くの照明用途にとって十分な輝度を達成するこ
とができない。
【0005】化学発光に基づく繊維光源もまた公知であ
る。これらの素子は、それをねじることによって繊維中
に含まれる2種の化学物質を接触させた場合に光を放出
する。それらの化学物質の化学反応によって光が放出さ
れるのであって、かかる化学反応は数時間にわたって進
行する。しかしながら、このような従来の化学発光性繊
維光源も十分な輝度を生じることがなく、かつ数時間程
度という極めて短い寿命しか有していない。
【0006】それに対し、有機発光素子(OLED)は
約10年前に知られたものである。これらの素子は、E
L素子とは根本的に異なるやり方で動作する。図2はO
LED11の略図である。OLED11は、平らなシー
ト状の光透過性基板19上に形成された2つの電極(た
とえば、陰極17及び光透過性陽極18)の間に配置さ
れた有機放射放出層(organic radiation emitting lay
er)13を含んでいる。有機放射放出層13は、陽極と
陰極との間に電圧が印加されると光を放出する。たとえ
ば、有機放射放出層13は陰極17及び陽極18と直接
に接触した重合体層から成り得る。層13、17及び1
8の間には、電極から有機層への電荷移動を防止するた
めの絶縁層が存在しない。電源14から電圧を印加する
と、陰極17から有機層13中に電子が直接に注入さ
れ、また陽極18から有機層13中に正孔が直接に注入
される。これらの電子及び正孔は有機層13中を移動
し、やがて再結合して励起分子又は励起子を生成する。
かかる励起分子又は励起子は、消滅する際に放射(すな
わち、可視光又は紫外線)を放出する。このようにOL
ED11は、EL素子の場合のように電子による賦活剤
イオンの励起に基づくのではなく、放射放出層中への電
子及び正孔の直接注入に基づく電子−正孔再結合によっ
て(図2中の矢印で示された)放射を放出する。
【0007】OLED素子は、EL素子又は化学発光素
子よりも遥かに輝度が高い。しかしながら、平らなシー
ト状の基板上に形成された平板状のOLED素子は、一
般にEL素子又は化学発光素子のように柔軟でない。こ
れまでにも、OLED素子において高度の機械的柔軟性
を達成しようという試みが行われてきた。たとえば、米
国特許第5844363号明細書及び「ネイチャー(nat
ure)」1992年6月11日号の第357巻477頁に
収載された論文には、基板19として使用される柔軟か
つ平坦な光透過性プラスチックPETシート上に形成さ
れたOLED素子11が記載されている。しかるに、こ
うして得られたOLED11は放射放出層13中への水
及び(又は)酸素の浸透のために非実用的な短い寿命を
有している。水及び(又は)酸素の浸透を排除するた
め、プラスチックシート19に遮断層(たとえば、Si
2 及びSi34)を追加することが試みられた。しか
しながら、かかる遮断層が長寿命の素子を生み出すこと
はなかった。別のアプローチは、極めて薄いガラスシー
ト基板19上にOLED11を作製することによって素
子に中等度の柔軟性を付与するというものである。しか
しながら、薄いガラスシート基板は中等度の柔軟性を有
するだけであって、安い原価や連続加工のためには役立
たない。本発明は、上記のごとき問題を解消又は少なく
とも低減させることを目的とする。
【0008】
【発明の概要】本発明の一側面に従えば、外側に第1の
電極を有する繊維コアと、第1の電極の外面上に配置さ
れた少なくとも1つの有機放射放出層と、有機放射放出
層上に配置された放射透過性の第2の電極とを含むこと
を特徴とする繊維状の有機放射放出素子が提供される。
【0009】本発明の別の側面に従えば、外面を有する
柔軟で細長いコア部材と、コア部材の外面を包囲する内
面を有する陰極と、陰極の外面を包囲しながらそれに接
触する内面を有する少なくとも1つの非平面状有機放射
放出層と、少なくとも1つの有機放射放出層の外面を包
囲しながらそれに接触する内面を有する放射透過性の陽
極と、陽極の外面の第1の部分に接触した第1の表面を
有する金属接触部材と、陰極及び金属接触部材に対して
電気的に接続された電源とを含むことを特徴とする柔軟
な繊維状の有機放射放出素子が提供される。
【0010】本発明の更に別の側面に従えば、外側に第
1の電極層を有するコアを形成する工程と、第1の電極
層の周囲に少なくとも1つの有機放射放出層を設置する
工程と、有機放射放出層の周囲に第2の電極層を設置す
る工程と、第1及び第2の電極層に対して電源を電気的
に接続する工程とを含むことを特徴とする柔軟な有機放
射放出素子の製造方法が提供される。
【0011】本発明の更に別の側面に従えば、外側に第
1の電極層を有する柔軟な繊維コア部材を第1のスプー
ルから第2のスプールに巻取る工程と、第1の被覆区域
内において第1の電極層の周囲に少なくとも1つの有機
放射放出層を設置する工程と、第2の被覆区域内におい
て少なくとも1つの有機放射放出層の周囲に第2の電極
層を設置する工程と、第2のスプールから被覆コアを巻
出しながら被覆コアを複数の柔軟な繊維断片に分割する
工程と、少なくとも第1の繊維断片上にある第1及び第
2の電極層に対して電源を電気的に接続する工程とを含
むことを特徴とする柔軟な繊維状有機放射放出素子の連
続的製造方法が提供される。
【0012】本発明の更に別の側面に従えば、外側に陰
極層を有する柔軟な繊維コア部材を第2の手段に巻取る
ための第1の手段と、第1の被覆区域内において陰極層
の周囲に少なくとも1つの有機放射放出層を設置するた
めの第3の手段と、第2の被覆区域内において少なくと
も1つの有機放射放出層の周囲に放射透過性の陽極層を
設置するための第4の手段とを含むことを特徴とする柔
軟な繊維状有機放射放出素子の連続的製造装置が提供さ
れる。
【0013】本発明の更に別の側面に従えば、第1のス
プールと、第2のスプールと、第1の電極層の周囲に少
なくとも1つの有機放射放出層を設置するための有機層
被覆室と、少なくとも1つの有機放射放出層の周囲に第
1の電極層を設置するための、繊維の複数の側面を被覆
し得る第1の電極被覆室とを含むことを特徴とする柔軟
な繊維状有機放射放出素子の連続的製造装置が提供され
る。
【0014】本発明のその他の特徴及び利点は、好適な
実施の態様に関する以下の詳細な説明及び添付の図面を
参照することによって自ずから明らかとなろう。
【0015】
【好適な実施の態様の詳細な説明】本発明者等は、高輝
度のOLED発光素子が繊維状又は管状の形状を有する
場合、それに柔軟性を付与し得ることを発見した。かか
るOLED素子は、EL素子又は化学発光素子よりも遥
かに高い輝度を有する。かかるOLED発光素子はま
た、化学発光素子よりも遥かに長い固有寿命を有してい
る。更にまた、図2に示された従来の平板状OLED素
子11と異なり、繊維状又は管状のOLED素子は柔軟
性を維持しながら防湿性を向上させることができる。こ
れは、外側に水分/空気遮断層を追加するか、かつ(あ
るいは)繊維コアの周囲に水分及び空気不透過性の外部
電極を形成することによって達成することができる。
「繊維」という用語は、横断面の直径(円形でない横断
面については幅又は高さ)よりも遥かに大きい長さを有
する柔軟な形状を意味する。本発明の好適な実施の態様
に従えば、「繊維」という用語は、比較的小さな曲率半
径(たとえば、10cm以下の曲率半径)を有する曲線
を成すように屈曲させ得ると共に、比較的大きい長さ/
直径比(たとえば、10:1以上の長さ/直径比)を有
する柔軟な形状を意味する。更にまた、曲率半径が1c
mより小さくかつ長さ/直径比が100:1以上であれ
ば最も好ましい。
【0016】図3は、本発明の好適な実施の態様に係わ
る柔軟な繊維状の有機放射放出素子21(たとえば、O
LED発光素子)を示している。図4は、図3中の線A
−A’に関する正面断面図である。「放射」という用語
は、可視光と共に紫外線(IR)及び赤外線(UV)を
も含んでいる。繊維状の有機放射放出素子21は、外側
に第1の電極27を有する繊維コアと、第1の電極27
の外面上に配置された少なくとも1つの有機放射放出層
23と、少なくとも1つの有機放射放出層23上に配置
された放射透過性の第2の電極28とを含んでいる。第
1の電極27は陰極であり得る一方、第2の電極28は
光透過性の陽極であり得る。とは言え、電極27及び2
8の極性は逆であってもよい。すなわち、電極27が陽
極でありかつ電極28が陰極であってもよい。好ましく
は、電極28の内面が少なくとも1つの有機放射放出層
23の外面を包囲しながらそれに接触しており、また少
なくとも1つの有機放射放出層23の内面が電極27の
外面を包囲しながらそれに接触している。かかる2つの
電極27及び28と有機放射放出層23とがOLED素
子を構成する。
【0017】本発明の好適な実施の一態様に従えば、繊
維コアは柔軟な繊維コア部材22とそれの外面上に配置
された第1の電極27とから成り得る。好ましくは、繊
維コア部材22は非平面状の外面(たとえば、円形の外
面)を有しており、また第1の電極27は繊維コア部材
22の外面全体を取巻いて形成されている。この場合、
電極27も非平面状の外面(たとえば、円形の外面)を
有することになる。本発明の別の好適な実施の態様に従
えば、繊維コア部材22を省略し、そして繊維コア全体
を第1の電極27(たとえば、細長い繊維の形状を有す
る金属電極)から構成することもできる。かかる電極2
7は、中空であっても中実であってもよい。かかる電極
は、非平面状の外面(たとえば、円形の外面)を有する
ことが好ましい。
【0018】柔軟なOLED素子21はまた、陰極27
及び陽極28に対して電気的に接続された電源24をも
含んでいる。電源24は、小型電池のごとき電圧源であ
ってもよいし、あるいはソケットに挿入されるプラグで
あってもよい。電源24は、図3に示されるごとく、リ
ード線127及び128によって陰極27及び陽極28
に接続される。電源はまた、ユーザが素子21を点滅す
るためのスイッチ及び(又は)電位差計のごとき輝度調
節器をも含むことができる。
【0019】本発明の好適な実施の一態様に従えば、繊
維状素子21はまた、放射透過性の陽極25の外面の第
1の部分に接触した金属接触部材25をも含んでいる。
接触部材25の目的は、繊維状素子21の長さ方向に沿
った電圧降下を低減させることにある。なぜなら、酸化
インジウムスズ(ITO)のごとき放射透過性の陽極材
料は所望の電圧降下値を得るのに十分なだけの高い導電
率を有しないことがあるからである。接触部材25は、
図3に示されるごとく陽極28の外面の一部分に接触し
た金属ストリップであってもよいし、あるいは図5に示
されるごとく陽極28の外面の周囲に巻付けられた(す
なわち、外面の全周を取巻く)金属線125であっても
よい。かかる金属線は、放射透過性の陽極を通して放射
を放出させるのに十分な量の陽極表面を露出させるの十
分な程度に細いものである。
【0020】所望ならば、OLED素子21はまた、図
3〜5に示されるごとく(図5には切欠き状態で示され
ている)、随意の放射透過性水分及び(又は)空気遮断
層26並びに(あるいは)随意の放射透過性封入材料2
9を含んでいてもよい。遮断層26の内面は陽極28の
外面を包囲しており、また封入材料29の内面は(遮断
層26が存在する場合には)遮断層26の外面又は陽極
28の外面を包囲している。
【0021】図4には繊維状の有機発光素子21が円形
の横断面を有するものとして示されているが、素子21
はその他の任意所望の横断面を有し得る。たとえば、素
子21は卵形の横断面、多角形の横断面、又は円形、卵
形及び多角形の横断面の組合せを有し得る。図6は正方
形の横断面を有する繊維状の有機発光素子121を示し
ているが、これは多角形の横断面の一例である。図4及
び6の実施の態様においては、層23は層27を完全に
包囲し、かつ層28は層23を完全に包囲している。図
7は、組合せ型の横断面を有する繊維状の有機発光素子
221を示している。図7の実施の態様においては、層
23は層27を部分的に包囲し、かつ層28は層23を
部分的に包囲している(すなわち、上層が下層の少なく
とも1つの湾曲した外面を包囲している)。図3〜7に
示されるごとく、素子21、121及び221は細長い
繊維状の形状を有していて、シート状を成す平坦な光透
過性素子基板を含んでいない。有機層23は、繊維コア
22/27の平坦な側面上に形成されるのではなく、繊
維コア22/27を完全に又は部分的に包囲しているこ
とが好ましい。素子21、121及び221の直径(非
円形の横断面については高さ又は幅)は、約1ミクロン
ないし約2mmの範囲内にあることが好ましく、さらに
好適には、10ミクロンないし0.1mmの範囲内にあ
ることが好ましい。
【0022】OLED素子21、121及び221の構
成要素22、23、25、26、27、28及び29
は、任意適宜の材料から成り得る。たとえば、これらの
構成要素は次のような材料から成り得る。十分なコア部
材22が存在する場合、それは柔軟http://www.asahi.c
om/international/update/1010/005.htmlな金属線(た
とえば、アルミニウム、銅又は鋼線)、柔軟なガラス繊
維あるいは柔軟なプラスチック繊維から成り得る。コア
部材の直径(非円形の横断面については高さ又は幅)
は、約1ミクロンないし約10mmの範囲内にあること
が好ましく、さらに好適には、10ミクロンないし0.
1mmの範囲内にあることが好ましい。
【0023】陽極28及び陰極27が有機放射放出層2
3中に電荷キャリヤ(すなわち、正孔及び電子)を注入
すると、それらのキャリヤは再結合して励起分子又は励
起子を生成する。かかる励起分子又は励起子が消滅する
際に光が放出される。かかる分子又は励起子によって放
出される放射の波長(すなわち、可視光の色あるいは紫
外線又は赤外線の波長)は、分子又は励起子の励起状態
と基底状態とのエネルギー差に依存する。通例、印加電
圧は約3〜10ボルトであるが、30ボルト又はそれ以
上にも達し得る。また、外部量子効率(放出光子/注入
電子)は0.01〜5%の範囲内にあるが、10%、2
0%、30%又はそれ以上にも達し得る。有機放射放出
層23は約50〜約500ナノメートルの厚さを有する
ことが好ましく、また電極27及び28の各々は約10
0〜約10000ナノメートルの厚さを有することが好
ましい。
【0024】陰極27は、一般に、比較的低い電圧で陰
極から電子が放出されるように小さい仕事関数値を有す
る材料から成っている。陰極27は、たとえば、カルシ
ウムあるいは金、インジウム、マンガン、スズ、鉛、ア
ルミニウム、銀、マグネシウム又はマグネシウム/銀合
金のごとき金属から成り得る。あるいはまた、電子注入
を向上させるために陰極を2つの二次層から構成するこ
ともできる。その実例としては、(層23に隣接した)
LiFのより薄い二次層と(コア部材22に隣接した)
アルミニウム又は銀のより厚い二次層とから成るもの、
あるいは(層23に隣接した)カルシウムのより薄い二
次層と(コア部材22に隣接した)アルミニウム又は銀
のより厚い二次層とから成るものが挙げられる。LiF
二次層は、1つ又は2つの単分子層(すなわち、原子
層)に相当する厚さを有し得る。
【0025】陽極28は、大きい仕事関数値を有する材
料から成るのが通例である。陽極28は、有機放射放出
層23内で生じた光が有機放射放出素子21の外部に放
出され得るように透明であることが好ましい。陽極28
は、たとえば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化ス
ズ、ニッケル又は金から成り得る。電極27及び28
は、たとえば真空蒸着(evaporation)、スパッタリン
グ及び化学蒸着のごとき通常の蒸着技術によって形成す
ることができ、またITOのごとき金属酸化物層につい
ては無電解めっき、電気めっき及びゾル−ゲル法のごと
き液体被覆技術によって形成することができる。
【0026】接触部材25及び125は、任意の導電性
金属(たとえば、アルミニウム又は銅)から成り得る。
水分遮断層26は、有機層23中への水分の浸透を防止
する任意の材料(たとえば、SiO2 、Si34又はオ
キシ窒化ケイ素)から成り得る。封入材料26はシリコ
ーン又はエポキシ樹脂から成り得る。所望ならば、封入
材料26に蛍光体又は蛍光染料のごとき発光材料を添加
することができる。かかる発光材料は、有機放射放出層
23から放出される第2のより短い波長の可視光又は紫
外線による照射に応答して、第1のより長い波長を有す
る可視光を放出する。たとえば、かかる発光材料は層2
3からの入射紫外線又は青色光に応答してそれぞれ黄色
光又は白色光を放出することがある。青色光と黄色光と
の混合物は、観察者にとって白色光に見える。このよう
にすれば、層23が白色光を放出しない場合でも、素子
21は観察者にとって白色光を放出するように見える。
かかる素子はまた、所望ならば、白色以外の任意の色の
光を放出することができる。
【0027】使用し得る蛍光体材料の実例としては、ガ
ーネット型構造を成して結晶化するY3Al512 (YA
G)格子中に添加されたセリウムに基づく蛍光体が挙げ
られる。具体例としては、(Y1-x-yGdxCey)3Al5
12(YAG:Gd,Ce)、(Y1-xCex)3Al5
12(YAG:Ce)、 (Y1-xCex)3(Al1-yGay)5
12(YAG:Ga,Ce)、 (Y1-x-yGdxCey)3(Al
5-zGaz)512(YAG:Gd,Ga,Ce)及び(Gd
1-xCex)Sc2Al312(GSAG) が挙げられる。か
かるYAG蛍光体は、一般に (Y1-x-yGdxCey)3(A
1-zGaz)512 (式中、x+y≦1、0≦x≦1、0
≦y≦1、かつ0≦z≦1である)として記述すること
ができる。発光バンドのピークの位置は、上記の蛍光体
に伴って大幅に変化する。ガーネット型組成に応じ、C
3+発光はルミネセンス効率の顕著な低下なしに緑色
(約540nm、YAG:Ga,Ce)から赤色(約6
00nm、YAG:Gd,Ce)にまで調整することが
できる。従って、有機放射放出素子21から放出される
青色光又は紫外線と共に適当な蛍光体材料又は蛍光体材
料ブレンドを使用すれば、広範囲の色温度に対応した白
色の視界を生み出すことができる。すなわち、かかる蛍
光体及び有機放射放出素子を使用することにより、通常
の蛍光灯に極めて近似した色、CRI及び輝度を有する
大面積の白色光エレクトロルミネセンスパネル状の光源
を製造することができる。
【0028】更にまた、2種以上の蛍光体材料を組合わ
せて有機放射放出素子と共に使用することにより、様々
な色、色温度及び演色指数を達成することもできる。使
用し得るその他の蛍光体は、アニール・デュガル及びア
ローク・スリヴァスタヴァ(Anil Duggal & Alok Srivas
tava) の名義で1999年12月22日に提出された、
「発光性表示装置及び製造方法」と称する米国特許出願
第09/469702号明細書中に記載されているが、
その内容は引用によって本明細書中に組込まれる。適当
な赤色発光無機蛍光体の実例はSrB47:Sm2+であ
って、式中においてコロンに続くSm2+は賦活剤を表わ
している。この蛍光体は、600nmより短い波長の可
視光の大部分を吸収し、そして650nmより長い波長
を有する濃赤色の線として光を放出する。適当な緑色発
光無機蛍光体の実例は SrGa24:Eu2+ である。
この蛍光体は、500nmより短い波長の光を吸収し、
そして535ナノメートルに最大発光ピークを有してい
る。適当な青色発光無機蛍光体の実例はBaMg2Al
1627:Eu2+である。BaMg2Al1627:Eu 2+
は、430nmより短い波長の光の大部分を吸収し、そ
して450nmに最大発光ピークを有している。発光材
料として使用し得る有機染料の実例としては、クマリン
460(青色)、クマリン6(緑色)及びナイルレッド
が挙げられる。
【0029】有機放射放出素子21はまた、効果的な色
の混合及び輝度の一様性を達成するため、TiO2、A
23又はSiO2のごとき散乱粒子から成る随意の放
射散乱層を含むこともできる。かかる散乱粒子は、封入
材料29中に混入することもできるし、あるいは所望な
らば独立した層として封入材料29上に設置することも
できる。
【0030】本発明の実施の態様においては、各種の有
機放射放出層23を使用することができる。かかる有機
放射放出層は、少なくとも1つの重合体層又は少なくと
も1つの有機分子含有層から成り得る。
【0031】好適な実施の一態様に従えば、有機放射放
出層23は単一の層から成る。有機放射放出層23は、
たとえば、ルミネセンスを示す共役重合体、電子輸送分
子及び発光材料を添加した正孔輸送重合体、又は正孔輸
送分子及び発光材料を添加した不活性重合体から成り得
る。また、有機放射放出層23はルミネセンスを示す小
さな有機分子の非晶質フィルムから成っていてもよく、
かかるフィルムにはルミネセンスを示すその他の分子を
添加することもできる。
【0032】本発明のその他の好適な実施の態様に従え
ば、有機放射放出層23は正孔注入、正孔輸送、電子注
入、電子輸送及びルミネセンスの機能を果たす2つ以上
の二次層から成る。機能する素子を得るために必要なの
は発光層のみである。とは言え、追加の二次層は一般に
正孔及び電子が再結合して光を生じるための効率を向上
させる。従って有機放射放出層23は、たとえば、正孔
注入用二次層、正孔輸送用二次層、ルミネセンス用二次
層及び電子注入用二次層を含む1〜4の二次層から成り
得る。また、1つ以上の二次層が正孔注入(hole injec
tion)、正孔輸送(hole transport)、電子注入(elec
tron injection)、電子輸送(electrontransport)及
びルミネセンス(luminescence)のごとき2つ以上の機
能を果たす材料から成っていてもよい。
【0033】以下、図4に示されるごとくに有機放射放
出層23が単一の層から成る好適な実施の態様について
説明を行う。実施の一態様に従えば、有機放射放出層2
3は共役重合体(conjugated polymer)から成る。「共
役重合体」という用語は、重合体の主鎖に沿って非局在
化π電子系を含む重合体を意味する。かかる非局在化π
電子系は重合体に半導電性を付与し、それにより重合体
主鎖に沿って高い移動度で正及び負電荷キャリヤを支持
する能力を付与する。かかる重合体膜は、電極間に電界
を印加した場合に重合体中に電荷キャリヤが注入されて
重合体から光が放出されるようにするため、十分に低い
濃度の外来電荷キャリヤを有している。共役重合体は、
たとえば、ジャーナル・オブ・モレキュラー・エレクト
ロニクス(Journal of Molecular Electronics)の第4巻
(1988年)の37〜46頁に収載されたアール・エ
ッチ・フレンド(R.H. Friend) の論文中に記載されてい
る。
【0034】電圧を印加すると光を放出する共役重合体
の一例は、PPV〔ポリ(p−フェニレンビニレン)〕
である。PPVは約500〜690ナノメートルのスペ
クトル範囲内の光を放出すると共に、熱亀裂及び応力誘
起亀裂に対して良好な抵抗性を有している。適当なPP
Vフィルムは、通例、約100〜1000ナノメートル
の厚さを有している。かかるPPVフィルムは、PPV
の前駆体のメタノール溶液を基体上に回転塗布してから
真空炉内で加熱することによって形成することができ
る。
【0035】PPVの発光特性を維持しながら、PPV
に様々な改質を施すことができる。たとえば、PPVの
フェニレン環は所望に応じてアルキル基、アルコキシ
基、ハロゲン原子及びニトロ基の中から互いに独立に選
ばれた1個以上の置換基を有することができる。本発明
の実施の態様においてはまた、PPVから誘導されたそ
の他の共役重合体を使用することもできる。かかるPP
V誘導体の実例としては、(1) フェニレン環を縮合環系
で置換すること(たとえば、フェニレン環をアントラセ
ン又はナフタレン環系で置換すること)によって誘導さ
れた重合体(これらの代替環系もまた、フェニレン環に
関連して上記に記載されたような種類の1個以上の置換
基を有することができる)、(2) フェニレン環を複素環
系(たとえば、フラン環)で置換することによって誘導
された重合体(かかるフラン環もまた、フェニレン環に
関連して上記に記載されたような種類の1個以上の置換
基を有することができる)、及び(3) 各々のフェニレン
環又はその他の環系に付随するビニレン基の数を増加さ
せることによって誘導された重合体が挙げられる。上記
のごとき誘導体は異なるエネルギーギャップを有してい
るため、所望の色範囲内の光を放出する有機放射放出層
23を形成する際に融通性を付与することができる。発
光性の共役重合体に関する追加の情報は米国特許第52
47190号明細書中に記載されているが、その内容は
引用によって本明細書中に組込まれる。
【0036】適当な共役重合体のその他の実例として
は、2,7−置換−9−置換フルオレン並びに9−置換
フルオレン低重合体及び重合体のごときポリフルオレン
類が挙げられる。ポリフルオレン類は、一般に、良好な
熱安定性及び化学安定性並びに高い固体蛍光量子収量を
有している。かかるフルオレン類、低重合体及び重合体
の9位置は、1個以上の硫黄、窒素、酸素、リン又はケ
イ素ヘテロ原子を有し得る2個のヒドロカルビル基、フ
ルオレン環上の9−炭素を用いて形成されたC5- 20環構
造又は1個以上の硫黄、窒素若しくは酸素ヘテロ原子を
含有しながら9−炭素を用いて形成されたC4-20環構
造、あるいはヒドロカルビリデン基で置換されていても
よい。更にまた、実施の一態様に従えば、フルオレンの
2及び7位置がアリール基で置換されると共に、該アリ
ール基は架橋又は連鎖延長の可能な基あるいはトリアル
キルシロキシ基で置換されていてもよい。フルオレン重
合体及び低重合体においては、2及び7’位置が置換さ
れていてもよい。フルオレン低重合体及び重合体の単量
体単位は、2及び7’位置において互いに結合してい
る。2,7’−アリール−9−置換フルオレン低重合体
及び重合体同士を更に反応させれば、末端の2,7’−
アリール基上に位置する(架橋又は連鎖延長の可能な)
随意の基が連鎖延長又は架橋を受けることによって更に
高分子量の重合体を生成させることができる。
【0037】上記のごときフルオレン類及びフルオレン
低重合体又は重合体は、通常の有機溶剤中に容易に溶解
し得る。それらは、回転塗布、吹付塗り、漬け塗り及び
ローラ塗りのごとき通常の技術によって薄膜又は被膜に
加工することができる。硬化後には、かかる膜は通常の
有機溶剤に対する抵抗性及び高い耐熱性を示す。かかる
ポリフルオレン類に関する追加の情報は米国特許第57
08130号明細書中に記載されているが、その内容は
引用によって本明細書中に組込まれる。
【0038】本発明の実施の態様に従って使用し得るそ
の他の適当なポリフルオレン類としては、青色のエレク
トロルミネセンスを示すポリ(フルオレン)共重合体
〔たとえば、ポリ(フルオレン−アントラセン)共重合
体〕が挙げられる。これらの共重合体は、2,7−ジブ
ロモ−9,9−ジーn−ヘキシルフルオレン(DHF)
のごときポリフルオレンサブユニットと、9,10−ジ
ブロモアントラセン(ANT)のごとき別のサブユニッ
トとを含んでいる。DHF及びANTから成る高分子量
の共重合体は、ニッケルを媒介として対応するアリール
ジブロミドを共重合させることによって調製することが
できる。最終重合体の分子量は、重合の様々な段階にお
いて末端キャッピング用試薬である2−ブロモフルオレ
ンを添加することによって制御することができる。かか
る共重合体は、400℃を越える分解温度によって示さ
れるごとくに熱安定性を有し、かつテトラヒドロフラン
(THF)、クロロホルム、キシレン及びクロロベンゼ
ンのごとき通常の有機溶剤中に可溶である。それらは約
455nmの波長を有する青色の光を放出する。かかる
ポリフルオレン類に関する追加の情報は、アドバンスト
・マテリアルズ(Adv.Mater.) の第10巻(1998
年)の993〜997頁に収載されたゲリット・クラー
ナー(Gerrit Klarner)等の論文「ジ−n−ヘキシルフル
オレン及びアントラセンから誘導された色彩堅牢性の青
色発光ランダム共重合体」中に記載されているが、その
内容は引用によって本明細書中に組込まれる。
【0039】図4に示されるような単一層の素子に関す
る別の実施の態様に従えば、有機放射放出層23は分子
的にドープされた重合体から成る。分子的にドープされ
た重合体とは、通例、不活性重合体結合剤中に分子的に
分散させた電荷輸送分子の二元固溶体から成るものであ
る。電荷輸送分子は、正孔及び電子がドープ重合体中を
移動して再結合する能力を高める。不活性重合体は、利
用可能なドーパント材料及びホスト重合体結合剤の機械
的性質に関して数多くの選択肢を与える。
【0040】分子的にドープされた重合体の一例は、正
孔輸送分子であるN,N’−ジフェニル−N,N’−ビ
ス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−
4,4’−ジアミン(TPD)及び発光材料であるトリ
ス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(Al
q)を分子的にドープしたポリ(メチルメタクリレー
ト)(PMMA)である。TPDは10-3cm2/ボルト
・秒の高い正孔ドリフト移動度を有する一方、Alqは
発光特性に加えて電子輸送特性を有する発光性の金属錯
体である。
【0041】ドーピング濃度は通例約50%である一
方、TPDとAlqとのモル比はたとえば約0.4〜
1.0の範囲内で変化し得る。ドープPMMAのフィル
ムを調製するためには、適当量のTPD、Alq及びP
MMAを含有するジクロロエタン溶液を混合し、そして
この溶液を所望の基体〔たとえば、酸化インジウムスズ
(ITO)電極〕上に漬け塗りすればよい。ドープPM
MA層の厚さは、通例約100ナノメートルである。電
圧の印加によって賦活された場合、緑色の発光が生じ
る。かかるドープ重合体に関する追加の情報は、アプラ
イド・フィジックス・レターズ(Appl. Phys. Lett.) の
第61巻(1992年)の761〜763頁に収載され
たジュンジ・キド(Junji Kido)等の論文「分子的にドー
プされた重合体に基づく有機エレクトロルミネセンス素
子」中に記載されているが、その内容は引用によって本
明細書中に組込まれる。
【0042】図8に示された本発明の別の好適な実施の
態様に従えば、有機放射放出層23は2つの二次層から
成っている。第1の二次層123は正孔輸送特性、電子
輸送特性及び発光特性を示すものであって、陰極27に
隣接して配置される。第2の二次層223は正孔注入用
二次層として役立つものであって、陽極28に隣接して
配置される。第1の二次層123は、電子輸送分子及び
発光材料(たとえば、染料又は重合体)を添加した正孔
輸送重合体から成る。正孔輸送重合体は、たとえばポリ
(N−ビニルカルバゾール)(PVK)から成り得る。
電子輸送分子は、たとえば2−(4−ビフェニル)−5
−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサ
ジアゾール(PBD)から成り得る。発光材料は、発光
色を変化させるための発光中心として役立つ小さな分子
又は重合体から成るのが通例である。たとえば、発光材
料は有機染料であるクマリン460(青色)、クマリン
6(緑色)又はナイルレッドから成り得る。これらの混
合物の薄膜を形成するためには、様々な量のPVK、電
子輸送分子及び発光材料を含有するクロロホルム溶液を
回転塗布すればよい。たとえば、適当な混合物は100
重量%のPVK、40重量%のPBD、及び0.2〜
1.0重量%の有機染料から成る。
【0043】第2の二次層223は正孔注入用二次層と
して役立つものであって、たとえばバイエル・コーポレ
ーション(Bayer Corporation) から入手可能なポリ
(3,4)エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレン
スルホネート(PEDT/PSS)から成り得る。この
材料は、回転塗布のごとき通常の方法によって設置する
ことができる。電子輸送分子及び発光材料を添加した正
孔輸送重合体に関する追加の情報は、IEEE・トラン
ザクションズ・オン・エレクトロン・デバイシズ(IEEE
Trans. on Elec. Devices)の第44巻(1997年)の
1269〜1281頁に収載されたチュン・チー・ウー
(Chung-Chih Wu) 等の論文「二極性キャリヤ輸送能力を
有する単一層のドープ重合体薄膜を使用した効率的な有
機エレクトロルミネセンス素子」中に記載されている
が、その内容は引用によって本明細書中に組込まれる。
【0044】図9に示された本発明の別の好適な実施の
態様に従えば、有機放射放出層23は発光性二次層から
成る第1の二次層323と正孔輸送用二次層から成る第
2の二次層423とを含んでいる。正孔輸送用二次層4
23は、たとえば容易かつ可逆的に酸化可能な芳香族ア
ミンから成り得る。かかる発光性二次層及び正孔輸送用
二次層の一例は、アプライド・フィジックス・レターズ
(Appl. Phys. Letters) の第73巻(1998年)の6
29〜631頁にエイ・ダブリュー・グライス(A.W. Gr
ice)等の論文「青色発光重合体ダイオードの高い輝度及
び効率」中に記載されているが、その内容は引用によっ
て本明細書中に組込まれる。この論文中に記載された素
子は、ITO電極28とカルシウム電極27との間に挟
まれた2つの重合体層を含んでいる。ITO電極28に
隣接した重合体層423は正孔輸送層であって、重合ト
リフェニルジアミン誘導体(ポリTPD)から成ってい
る。カルシウム電極27に隣接した青色発光重合体層3
23は、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)であ
る。
【0045】図10に示された本発明の別の好適な実施
の態様に従えば、有機放射放出層23は発光特性及び正
孔輸送特性を示す第1の二次層523と電子注入特性を
示す第2の二次層623とから成っている。第1の二次
層523はポリシランから成り、また第2の二次層62
3はオキサジアゾール化合物から成る。このような構造
は紫外(UV)光を生み出す。
【0046】ポリシランは、各種のアルキル及び(又
は)アリール側基で置換された線状のケイ素(Si)主
鎖から成る重合体である。π共役重合体と異なり、ポリ
シランは重合体の主鎖に沿って非局在化σ共役電子を有
する準一次元系の材料である。一次元的なダイレクトギ
ャップ特性を有するため、ポリシランは紫外域において
高い量子効率を有する鮮鋭なホトルミネセンスを示す。
適当なポリシランの実例としては、ポリ(ジ−n−ブチ
ルシラン)(PDBS)、ポリ(ジ−n−ペンチルシラ
ン)(PDPS)、ポリ(ジ−n−ヘキシルシラン)
(PDHS)、ポリ(メチルフェニルシラン)(PMP
S)及びポリ〔ビス(p−ブチルフェニル)シラン〕
(PBPS)が挙げられる。ポリシラン二次層523
は、たとえばトルエン溶液から回転塗布によって形成す
ることができる。電子注入用二次層623は、たとえば
2,5−ビス(4−ビフェニル)−1,3,4−オキサ
ジアゾール(BBD)から成り得る。UV発光性ポリシ
ラン有機放射放出層に関する追加の情報は、シン・ソリ
ッド・フィルムズ(Thin Solid Films)の第331巻(1
998年)の64〜70頁に収載されたヒロユキ・スズ
キ(Hiroyuki Suzuki) 等の論文「ポリシランからの近紫
外エレクトロルミネセンス」中に記載されているが、そ
の内容は引用によって本明細書中に組込まれる。
【0047】図11に示された本発明の別の好適な実施
の態様に従えば、有機放射放出層23は正孔注入用二次
層723、正孔輸送用二次層823、発光性二次層92
3、及び電子注入用二次層1023から成っている。正
孔注入用二次層723及び正孔輸送用二次層823は、
再結合領域に正孔を効率的に供給する。電子注入用二次
層1023は、再結合領域に電子を効率的に供給する。
【0048】正孔注入用二次層723は、たとえば無金
属フタロシアニン又は含金属フタロシアニンのごときポ
ルフィリン化合物から成り得る。正孔輸送用二次層82
3は、正孔輸送性の芳香族第三級アミンから成り得る。
ここで言う芳香族第三級アミンとは、炭素原子にのみ結
合された少なくとも1個の3価窒素原子を含有すると共
に、それらの炭素原子の少なくとも1個が芳香環の構成
員であるような化合物を指す。発光性二次層923は、
たとえば、青色の波長において発光する混合配位子アル
ミニウムキレートから成り得る。その実例はビス(R−
8−キノリノラト)(フェノラト)アルミニウム(III)
キレートであって、この場合のRはアルミニウム原子に
3個以上の8−キノリノラト配位子が結合するのを阻止
するために選ばれた8−キノリノラト核の環状置換基で
ある。電子注入用二次層1023は、アルミニウムのト
リスキレートのごとき金属オキシノイド電荷受容性化合
物から成り得る。かかる4層材料及び素子に関する追加
の情報は米国特許第5294870号明細書中に記載さ
れているが、その内容は引用によって本明細書中に組込
まれる。
【0049】層23は上記の例のみに限定されるわけで
はなく、任意の数の所望二次層から成り得ることを理解
すべきである。有機放射放出層23は、1種以上の所望
の色を有する光を放出する有機放射放出素子21を設計
するために使用することができる。たとえば、有機放射
放出素子21は紫外線、青色光、緑色光、赤色光、及び
その他任意の所望の色の光を放出することができる。
【0050】素子21は、上記のごとき蛍光体又は蛍光
染料の使用あるいは色の混合によって白色光(又はその
他の任意所望の色の光)を放出することができる。色の
混合によって所望の光を得るためには、相異なる色の光
を放出する少なくとも2つの有機発光層23が使用され
る。たとえば、素子21が赤色、緑色及び青色の有機発
光層を含むか、あるいは橙色及び青色の有機発光層23
を含む場合、それは白色光を放出する。相異なる色の有
機発光層は、任意適宜の順序で互いに重ねて配置するこ
とができる。たとえば、青色発光層上に緑色発光層を形
成し、次いでその上に赤色発光層を形成することができ
る。あるいはまた、それぞれの色の有機発光層の細いス
トリップを互いに隣接した状態で形成することもでき
る。たとえば、赤色、緑色及び青色発光材料の幅0.1
〜1mmのストリップを互いに並列した状態で形成すれ
ば、観察者はそれらの混合出力を白色として感知する。
有機発光材料のストリップを形成するためには、フォト
リソグラフィー及びエッチングを使用するか、あるいは
真空蒸着又は溶液被覆によりマスクを通して層27上に
有機材料を設置すればよい。
【0051】繊維状の有機放射放出素子21は、新規光
源、検査用光源、描写用光源、安全用光源、大面積光源
及び光ファイバ通信のごとき数多くの照明用途において
使用することができる。たとえば、図12に示されるご
とく、有機放射放出素子は新規な手持ち式の柔軟な細長
い繊維状照明装置321を構成する。かかる装置321
は、図3〜7に示された素子をプラスチックチューブ内
に挿入したものから成り得るのであって、手300で保
持することによって局所照明301をもたらす。あるい
はまた、図13に示されるごとく、装置321を身体の
一部(たとえば、携帯者の首302又は腕)に巻付ける
こともできる。更にまた、装置321を無生命の物体
(たとえば、フックやパイプ)に巻付けることにより、
「ハンズフリー」の局所光源として使用することもでき
る。このようにすれば、懐中電灯の場合のように片手を
光源保持のために使用することなく、両手を用いて作業
に取組むことができるので有利である。
【0052】図14には、図3〜7に示された素子を検
査目的のために使用する場合が示されている。この実施
の態様に従えば、柔軟な繊維状の有機放射放出素子42
1が検査すべきパイプ、ダクト又は隙間400の中に挿
入される。素子421は、検査すべき区域400の内部
で局所照明401をもたらす。所望ならば、検査すべき
区域400の静止画像又は連続画像を得るため、素子4
21に小型カメラ402を取付けることもできる。更に
また、カメラ402によって撮影された画像を処理し、
記録し、かつ(あるいは)表示するための電子機器40
3(たとえば、コンピュータ及びモニタ)に素子421
を取付けることもできる。柔軟な繊維状の素子421
は、パイプ、ダクト又は隙間400が湾曲している場合
に特に有利である。なぜなら、柔軟な繊維状の素子42
1は湾曲に沿って屈曲し、そして剛性の検査器具では見
えない区域の検査を可能にするからである。
【0053】あるいはまた、細長い繊維状の有機放射放
出素子21は実質的に一次元の物体であるが、この一次
元の物体を撚るか巻くかすることによって任意所望の二
次元又は三次元物体(たとえば、カーテン、シート又は
ボール)を形成することができる。二次元又は三次元の
発光物体の若干の実例を以下に示す。
【0054】図15には、柔軟な繊維状の有機放射放出
素子521を大面積光源において使用する場合が示され
ている。柔軟な繊維状の素子521を大面積の平坦なパ
ネル500上あるいは大面積のガラス管又はプラスチッ
ク管の内部においてコイル状に巻くことにより、大面積
の照明501が達成される。かかるパネル500又は管
は、所望の用途に応じ、剛性のものであっても柔軟なも
のであってもよい。繊維状の素子521は、図16に示
されるごとく管503の内部において真空又は不活性雰
囲気502中に密封するか、あるいは第1のパネル50
0と第2の平坦なパネル(図示せず)との間に密封する
ことが好ましい。素子521が真空又は不活性雰囲気中
に密封される場合には、所望ならば、封入材料29及び
(又は)水分遮断層26を省略してもよい。素子521
は、接続線505によって電源504に接続することが
できる。更にまた、所望ならば、蛍光体又は染料(使用
する場合)を封入材料29中に混入するのではなく、パ
ネル500又は管503の発光面上に塗布することもで
きる。
【0055】図17には、柔軟な繊維状の有機放射放出
素子621を指向性照明光源又は光ファイバ通信用途に
おいて使用する場合が示されている。この実施の態様に
おいては、光透過性の陽極層28が光透過性のコア部材
22の周囲に配置され、有機放射放出層23が陽極層2
8を包囲し、かつ光不透過性の陰極層27が有機放射放
出層23を包囲している。陰極層27は光を透過しない
から、層23から放出された放射(たとえば、可視光)
601はコア部材22を通して伝送され、そして繊維状
素子621の端面から放出される。
【0056】更にまた、陰極層27はアルミニウム、
銀、金、カルシウム、マグネシウム、インジウム、ス
ズ、鉛又はそれらの合金のごとき金属から形成される
が、かかる金属は水分及び空気に対して不透過性を有す
る。従って、水分遮断層26及び(又は)封入材料29
を省略することができる。すなわち、素子621の外周
に水分及び空気不透過性の金属層27を形成することに
より、空気及び水分に対する抵抗性を素子621に付与
することができる。それに対し、図2に示された従来の
素子11においては、プラスチック基板19上に金属酸
化物層18が形成される。これらの材料はいずれも、外
部から多少の水分及び空気が素子11内に侵入するのを
許す。なお、素子621からの端面発光を向上させるた
め、陰極層27は金又は銀のごとき反射性金属から成る
ことが好ましい。陽極層28の内面又は外面に接触して
金属接触部材25を形成することができるが、それを省
略してもよい。更にまた、繊維コア部材22を省略する
こともできるが、その場合には素子621の中心部が光
透過性の陽極28から成ればよい。
【0057】このようにして柔軟な繊維状の素子から指
向性をもって放出される光は、光ファイバ通信用途又は
医学的用途(たとえば、外科及び歯科用途)において使
用するために有利である。すなわち、光ファイバ通信シ
ステム中に、あるいは医療用装置(たとえば、歯科用ド
リル又は体腔内に挿入されるカメラを具備した消息子)
の一部として、柔軟な繊維状の発光素子を組込むことが
できる。あるいはまた、カメラの使用又は不使用の下
で、図14に示されるごとくパイプ、ダクト又は隙間を
検査するために素子621を使用することもできる。
【0058】次に、本発明の実施の一態様に従って図3
〜7に示された柔軟な有機放射放出素子21を製造する
方法を説明しよう。先ず最初に、外側に陰極層を有する
繊維コアが形成される。コアが繊維コア部材22を含む
場合には、繊維コア部材22の周囲に先ず陰極層27が
形成される。コアが繊維コア部材22を含まない場合に
は、繊維状又は線状の陰極27が用意される。次に、陰
極層27の周囲に少なくとも1つの有機放射放出層23
が設置される。次に、少なくとも1つの有機放射放出層
23の周囲に放射透過性の陽極層27が設置される。次
に、陰極層27及び陽極層28に対して電源24が電気
的に接続される。
【0059】所望ならば、陽極層28の外面の第1の部
分に接触して金属接触部材25が形成される。かかる接
触部材の第2の部分が電源24に対して電気的に接続さ
れる。更にまた、陽極層28及び接触部材25の周囲に
随意の水分遮断層26を形成することができる。次に、
陽極層28並びに部材25及び26(存在する場合)の
周囲に随意の封入材料29を形成することができる。な
お、繊維コア上にいずれかの層を形成するのに先立って
各々のOLED素子21に適した長さに繊維コアを切断
することもできるし、あるいは一部の層又は全ての層を
設置した後に繊維を適当な長さに切断することもでき
る。
【0060】陰極層27を形成する工程は、真空蒸着、
スパッタリング、電気めっき又は無電解めっきにより、
カルシウム層、金層、インジウム層、マンガン層、スズ
層、鉛層、アルミニウム層、銀層、マグネシウム層、マ
グネシウム−銀合金層、あるいは第1のカルシウム又は
フッ化リチウム二次層と第2のアルミニウム又は銀二次
層との組合せを繊維コア部材22の周囲に設置すること
から成る。更にまた、ある種の金属層を設置するために
は化学蒸着(CVD)を使用することもできる。
【0061】少なくとも1つの有機放射放出層23を形
成する工程は、真空蒸着又は溶液被覆により、少なくと
も1つの重合体層又は少なくとも1つの有機分子含有層
を陰極層27の周囲に形成することから成る。たとえ
ば、小さな有機分子及び(又は)重合体前駆物質を陰極
層27上に熱蒸着し、次いで熱処理によって前駆物質を
重合させることができる。あるいはまた、漬け塗り、吹
付塗り又はインクジェット処理(すなわち、ノズルを通
して陰極層27上に有機層23を分配しながら形成する
こと)のごとき溶液被覆によって陰極層27上に有機層
23を設置することもできる。
【0062】陽極層28を形成する工程は、スパッタリ
ング、真空蒸着又はめっきにより、ITO、酸化スズ、
ニッケル又は金層を少なくとも1つの有機放射放出層2
3の周囲に設置することから成る。更にまた、ITO又
は酸化インジウムのごとき酸化物陽極層はゾル−ゲル法
によって層23上に溶液被覆することができる。また、
ある種の金属層を設置するためには化学蒸着(CVD)
を使用することもできる。金属接触部材25を形成する
工程は、真空蒸着、スパッタリング又はめっきによって
陽極層28の外面の第1の部分に接触した金属ストリッ
プを設置するか、あるいは陽極層28の周囲に金属線を
取付けることから成る。
【0063】随意の遮断層26を形成する工程は、スパ
ッタリング、真空蒸着又は化学蒸着(CVD)によって
SiO2 又はSi34層を設置することから成る。随意
の封入材料29を形成する工程は、たとえば漬け塗り又
は吹付塗りにより、陽極層28又は遮断層26(存在す
る場合)上に(所望に応じて蛍光体又は蛍光染料を含有
する)シリコーン又はエポキシ樹脂を溶液被覆すること
から成る。その後、図3及び図12〜17に示されるご
とく、完成した繊維状のOLED素子は電源24に接続
されると共に、所望に応じてチューブ内又は照明パネル
上に配置される。
【0064】柔軟な繊維状の有機放射放出素子21、1
21及び221を製造するための好適な方法は、図18
に示される連続的な「スプール−スプール」法である。
この方法は次のような工程から成っている。先ず最初
に、被覆装置30において、外側に陰極層を有する柔軟
な繊維コア部材が第1のスプール31から第2のスプー
ル32に巻取られる。上記のごとく、コアが繊維コア部
材22を含む場合には、先ず繊維コア部材22の周囲に
陰極層27が形成される。コアが繊維コア部材22を含
まない場合には、繊維状又は線状の陰極27が用意され
る。スプール31及び32の寸法は、同じであっても異
なっていてもよい(図18には装置30が模式的に示さ
れているのであって、必ずしも一定の縮尺で描かれてい
るわけではない)。スプール31及び32が協働して回
転することにより、柔軟な繊維コアは第1のスプール3
1から第2のスプール32に移送される。
【0065】柔軟な繊維コアは被覆装置30内の様々な
被覆区域を通って移動し、その間にそれぞれの層が順次
に設置される。各々の被覆区域は、装置30の独立した
被覆室から成ることが好ましい。コアが繊維コア部材2
2を含む場合には、第1の被覆区域又は被覆室37内に
おいて繊維コア部材22の周囲に陰極層27が形成され
る。次に、第2の被覆区域又は被覆室33内において陰
極層27の周囲に少なくとも1つの有機放射放出層23
が設置される。次に、第3の被覆区域又は被覆室38内
において少なくとも1つの有機放射放出層23の周囲に
陽極層28が設置される。その後、被覆済みのコアが第
2のスプール32から巻出され、そしてのこ引き又はそ
の他の切断方法によって複数の柔軟な繊維断片に分割さ
れる。各々の繊維断片に関し、陰極及び陽極に対して電
源24を電気的に接続することによって発光素子が完成
する。
【0066】第4の被覆区域又は被覆室35内において
は、陽極層28の外面上に金属接触部材25が形成され
る。更に、第5の被覆区域又は被覆室36内において随
意の遮断層26を形成することができ、また第6の被覆
区域又は被覆室39内において陽極層28又は遮断層2
6の周囲に随意の封入材料29を形成することができ
る。
【0067】第1〜第6の被覆区域又は被覆室は、第1
のスプールから第2のスプールに向かって37、33、
38、35、36、39の順序で順次に配置された液体
被覆型又は蒸着型の被覆区域又は被覆室から成ることが
好ましい。勿論、いずれかの層を省略するのであれば、
対応する被覆室も省略すればよい。かかる被覆区域は、
全てが液体被覆型又は蒸着型のものであってもよいし、
あるいはそれらの組合せであってもよい。
【0068】導電性の陰極層27、陽極層28及び金属
接触部材25の液体被覆は、めっき浴内における電気め
っき又は無電解めっきから成り得る。あるいはまた、あ
る種の低温金属は吹付塗りによって繊維上に設置するこ
とができる。更にまた、ITOや酸化インジウムのごと
き金属酸化物の陽極層はゾル−ゲル法(すなわち、有機
金属酸化物層を設置した後、有機成分を蒸発させる方
法)によって設置することができる。有機層23は、漬
け塗り、吹付塗り又はインクジェット処理のごとき溶液
被覆によって陰極層27上に設置することができる。遮
断層26はゾル−ゲル法によって設置することができ、
また封入材料29は漬け塗り又は吹付塗りによって設置
することができる。
【0069】電極層及び水分遮断層25、26、27及
び28の蒸着は、スパッタリング、真空蒸着又は化学蒸
着(CVD)から成り得る。有機層23の蒸着は真空蒸
着から成り得る。これらの層を蒸着によって設置する場
合、繊維の複数の表面が設置すべき材料に暴露される。
たとえば、層27及び(又は)28を化学蒸着によって
設置する場合には、繊維の全ての側面が均等に被覆され
るようにして金属含有ガス源が被覆室37及び38内に
配置される。
【0070】層27及び28のごとき層をスパッタリン
グ又は真空蒸着によって設置する場合には、図19に示
されるごとく、柔軟な繊維をプーリ(たとえば、プーリ
44及び45)に掛けて走行させることができる。この
ようにすれば、繊維の少なくとも2つの側面(又は円形
の繊維の全ての側面)を設置すべき導電性材料42及び
43の供給源41(すなわち、真空蒸着用供給源又はス
パッタリングターゲット)に暴露することができる。図
19において、第1のプーリ44は第2のプーリ45と
異なる平面内に位置している。このようにすれば、繊維
がプーリ44に到達する前には、繊維の第1の側面が供
給源41の第1の部分から放出される材料42に暴露さ
れる。その結果、繊維の第1の側面上に電極層27が設
置される。次いで、繊維がプーリ44及び45の間を走
行する際には、繊維の第2の側面が供給源41の第2の
部分から放出される材料43に暴露される。その結果、
繊維22の第2の側面上に電極層27が設置される。
【0071】あるいはまた、図20に示されるごとく、
繊維の複数の表面を設置すべき材料に暴露することもで
きる。この場合、プーリ44はそれの軸線47の回りに
おいて矢印46の方向に回転し、それによって繊維22
を第1のスプール31から第2のスプール32に向けて
走行させる。プーリ44の軸線47はまた、矢印48の
方向に角αだけ連続的に揺動する。その結果、プーリ4
4が直立している場合には、任意の線B−Bよりも上方
に位置する繊維22の部分又は側面が供給源41からの
材料42に暴露されることになる。また、プーリ44が
垂直方向に対して角αだけ傾斜している場合には、繊維
22の別の部分又は側面が供給源41からの材料42に
暴露されることになる。
【0072】図21には、繊維の複数の表面を設置すべ
き材料に暴露するための別の実施の態様が示されてい
る。図21においては、設置すべき材料の供給源(たと
えば、真空蒸着用供給源又はスパッタリングターゲッ
ト)51、52、53及び54が被覆室37の外周に沿
って配列されている結果、それらは繊維22の複数の表
面に対向することになる。真空蒸着用の供給源51〜5
4はクヌーセン蒸発セルから成り得る一方、スパッタリ
ング用の供給源51〜54は電子ビームスパッタリング
ターゲットから成り得る。4個の供給源51〜54が図
示されているが、所望のプロセスパラメータに応じて2
個、3個又は5個以上の供給源を使用することができ
る。更にまた、図19〜21には被覆室37内における
陰極層27の形成が示されているが、図19〜21に示
された方法は、被覆室38内における陽極層28の形
成、被覆室33内での真空蒸着による有機層23の形
成、及び被覆室36内でのスパッタリングによる遮断層
26の形成にも等しく適用することができる。
【0073】図22には、被覆室33内での漬け塗りに
よる有機層23の形成が示されている。被覆室33は、
有機重合体又は有機分子の液体61を満たした浴を収容
している。中間スプール62〜65を用いて陰極層27
を有する繊維を浴61内に通過させれば、繊維の全ての
側面が有機層23で被覆される。あるいはまた、吹付塗
り又はインクジェット処理により、ノズルを用いて繊維
上に有機層23を設置することもできる。その場合に
は、図21に示されるごとくにノズル51、52、53
及び54を配列すればよい。更にまた、図22は被覆室
33内における有機層23の形成を示しているが、図2
2に示された方法は、被覆室37及び38内でのめっき
による陰極層27又は陽極層28の形成、並びに被覆室
39内における封入材料29の形成にも等しく適用する
ことができる。
【0074】本明細書中に開示された実施の態様を考察
すれば、本発明のその他の実施の態様は当業者にとって
自明であろう。本明細書中の詳細な説明はもっぱら例示
を目的としたものに過ぎないのであって、本発明の範囲
及び精神は前記特許請求の範囲によって規定されるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のEL素子の略図である。
【図2】従来のOLED素子の側断面図である。
【図3】本発明の好適な実施の一態様に係わる繊維状の
OLED発光素子の側面図である。
【図4】図3中の線A−A’に関するOLED発光素子
の正面断面図である。
【図5】本発明の好適な実施の一態様に係わるOLED
発光素子の切欠き側面図である。
【図6】本発明の別の実施の態様に係わるOLED発光
素子の(図3中の線A−A’に関する)正面断面図であ
る。
【図7】本発明の更に別の実施の態様に係わるOLED
発光素子の(図3中の線A−A’に関する)正面断面図
である。
【図8】本発明の好適な実施の一態様に係わる有機放射
放出層の(図3中の線A−A’に関する)部分正面断面
図である。
【図9】本発明の好適な実施の一態様に係わる有機放射
放出層の(図3中の線A−A’に関する)部分正面断面
図である。
【図10】本発明の好適な実施の一態様に係わる有機放
射放出層の(図3中の線A−A’に関する)部分正面断
面図である。
【図11】本発明の好適な実施の一態様に係わる有機放
射放出層の(図3中の線A−A’に関する)部分正面断
面図である。
【図12】本発明の好適な実施の一態様に係わる柔軟な
繊維状の発光素子の斜視図である。
【図13】本発明の好適な実施の一態様に係わる柔軟な
繊維状の発光素子の斜視図である。
【図14】本発明の好適な実施の一態様に係わる柔軟な
繊維状の発光素子の側断面図である。
【図15】本発明の好適な実施の一態様に従って大面積
のパネルディスプレイ中に組込まれた柔軟な繊維状の発
光素子の上面図である。
【図16】本発明の好適な実施の一態様に係わる柔軟な
繊維状の発光素子の側断面図である。
【図17】本発明の好適な実施の一態様に係わる柔軟な
繊維状の発光素子の斜視図である。
【図18】本発明の好適な実施の一態様に係わる、柔軟
な繊維状の発光素子を製造するための装置の側断面図で
ある。
【図19】本発明の好適な実施の一態様に係わる、図1
8の装置の被覆室の側断面図である。
【図20】本発明の好適な実施の一態様に係わる、図1
8の装置の被覆室の側断面図である。
【図21】本発明の好適な実施の一態様に係わる、図1
8の装置の被覆室の正面断面図である。
【図22】本発明の好適な実施の一態様に係わる、図1
8の装置の被覆室の側断面図である。
【符号の説明】
21 有機放射放出素子 22 繊維コア部材 23 有機放射放出層 24 電源 25 金属接触部材又は金属ストリップ 26 水分及び(又は)空気遮断層 27 第1の電極又は陰極 28 第2の電極又は陽極 29 封入材料 30 被覆装置 31 第1のスプール 32 第2のスプール 33 第2の被覆区域又は被覆室 35 第4の被覆区域又は被覆室 36 第5の被覆区域又は被覆室 37 第1の被覆区域又は被覆室 38 第3の被覆区域又は被覆室 39 第6の被覆区域又は被覆室 41 真空蒸着用供給源又はスパッタリングターゲット 44 第1のプーリ 45 第2のプーリ 51 真空蒸着用供給源又はスパッタリングターゲット 52 真空蒸着用供給源又はスパッタリングターゲット 53 真空蒸着用供給源又はスパッタリングターゲット 54 真空蒸着用供給源又はスパッタリングターゲット 61 液体浴 125 金属線 127 リード線 128 リード線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 33/12 H05B 33/12 E 33/26 33/26 Z (72)発明者 ライオネル・モンティー・レヴィンソン アメリカ合衆国、ニューヨーク州、ニスカ ユナ、リンダ・レーン、1番 Fターム(参考) 3K007 AB11 AB18 BA03 BA04 BA07 BB00 BB06 CA06 CB01 DA01 EA01 EB00 FA01 FA02

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外側に第1の電極を有する繊維コアと、
    前記第1の電極の外面上に配置された少なくとも1つの
    有機放射放出層と、前記有機放射放出層上に配置された
    放射透過性の第2の電極とを含むことを特徴とする繊維
    状の有機放射放出素子。
  2. 【請求項2】 前記繊維コアが、(a) 非平面状の第1の
    表面を有する繊維コア部材と前記第1の表面上に配置さ
    れかつ非平面状の外面を有する前記第1の電極とから成
    るか、あるいは(b) 非平面状の外面を有する細長い繊維
    状の第1の電極から成る請求項1記載の有機放射放出素
    子。
  3. 【請求項3】 前記繊維コアが、非平面状の第1の表面
    を有する柔軟な繊維コア部材と前記コア部材の外面全体
    を包囲する前記第1の電極とから成る請求項2記載の有
    機放射放出素子。
  4. 【請求項4】 前記素子が円形、卵形、多角形又はそれ
    らの組合せから成る横断面を有する柔軟で細長い繊維状
    を成す請求項2記載の有機放射放出素子。
  5. 【請求項5】 前記第2の電極の内面が前記少なくとも
    1つの有機放射放出層の外面を包囲しながらそれに接触
    し、かつ前記少なくとも1つの有機放射放出層の内面が
    前記第1の電極の外面を包囲しながらそれに接触してい
    る請求項4記載の有機放射放出素子。
  6. 【請求項6】 前記第1の電極が放射透過性の陽極から
    成り、かつ前記第2の電極が陰極から成る請求項5記載
    の有機放射放出素子。
  7. 【請求項7】 前記第2の電極の外面の第1の部分に接
    触した金属接触部材を更に含む請求項5記載の有機放射
    放出素子。
  8. 【請求項8】 前記第1の電極が陰極から成り、前記第
    2の電極が陽極から成り、かつ前記金属接触部材が前記
    陽極の外面の第1の部分に接触した金属ストリップ又は
    前記陽極の外面の全周を包囲する金属線から成る請求項
    7記載の有機放射放出素子。
  9. 【請求項9】 前記陽極の外面を包囲する内面を有する
    放射透過性の封入材料と、放射透過性の水分遮断層とを
    更に含む請求項8記載の有機放射放出素子。
  10. 【請求項10】 前記コア部材が柔軟な金属線、柔軟な
    ガラス繊維又は柔軟なプラスチック繊維から成り、前記
    陰極がカルシウム、金、インジウム、マンガン、スズ、
    鉛、アルミニウム、銀、マグネシウム、マグネシウム−
    銀合金、あるいは第1のカルシウム又はフッ化リチウム
    二次層と第2のアルミニウム又は銀二次層との組合せか
    ら成り、前記少なくとも1つの有機放射放出層が少なく
    とも1つの重合体層又は少なくとも1つの有機分子含有
    層から成り、前記陽極がITO、酸化スズ、ニッケル又
    は金層から成り、前記遮断層がSiO2 又はSi34
    から成り、かつ前記封入材料がシリコーン又はエポキシ
    樹脂から成る請求項9記載の有機放射放出素子。
  11. 【請求項11】 前記封入材料中に含有され、かつ前記
    有機放射放出層から放出された可視光又は紫外線による
    照射に応答して可視光を放出する蛍光体又は蛍光染料を
    更に含む請求項10記載の有機放射放出素子。
  12. 【請求項12】 前記陰極及び前記金属接触部材に対し
    て電気的に接続された電源を更に含む請求項7記載の有
    機放射放出素子。
  13. 【請求項13】 前記素子が手持ち式の柔軟で細長い繊
    維状の照明装置を構成する請求項12記載の有機放射放
    出素子。
  14. 【請求項14】 前記細長い繊維は実質的に一次元の物
    体であるが、前記一次元の物体を撚るか巻くかすること
    によって二次元又は三次元の発光物体が形成される請求
    項12記載の有機放射放出素子。
  15. 【請求項15】 (a) 前記細長い繊維が管の内部又は平
    坦なパネル上においてコイル状に巻かれ、かつ真空又は
    不活性雰囲気中に密封されるか、あるいは(b) 前記細長
    い繊維がパイプ、ダクト及び隙間を検査するための小型
    カメラを具備する請求項12記載の有機放射放出素子。
  16. 【請求項16】 前記陰極及び前記陽極に対して電気的
    に接続された電源を更に含み、かつ前記細長い繊維が指
    向性の端面発光照明装置を構成する請求項7記載の有機
    放射放出素子。
  17. 【請求項17】 前記素子が平面状の光透過性素子基板
    を含まない請求項1記載の有機放射放出素子。
  18. 【請求項18】 外面を有する柔軟で細長いコア部材
    と、前記コア部材の外面を包囲する内面を有する陰極
    と、前記陰極の外面を包囲しながらそれに接触する内面
    を有する少なくとも1つの非平面状有機放射放出層と、
    前記少なくとも1つの有機放射放出層の外面を包囲しな
    がらそれに接触する内面を有する放射透過性の陽極と、
    前記陽極の外面の第1の部分に接触した第1の表面を有
    する金属接触部材と、前記陰極及び前記金属接触部材に
    対して電気的に接続された電源とを含むことを特徴とす
    る柔軟な繊維状の有機放射放出素子。
  19. 【請求項19】 前記陽極の外面を包囲する内面を有す
    る放射透過性の水分遮断層と、前記遮断層の外面を包囲
    する内面を有する光透過性の封入材料とを更に含む請求
    項18記載の素子。
  20. 【請求項20】 前記コア部材が柔軟な金属線、柔軟な
    ガラス繊維又は柔軟なプラスチック繊維から成り、前記
    陰極がカルシウム、金、インジウム、マンガン、スズ、
    鉛、アルミニウム、銀、マグネシウム、マグネシウム−
    銀合金、あるいは第1のカルシウム又はフッ化リチウム
    二次層と第2のアルミニウム又は銀二次層との組合せか
    ら成り、前記少なくとも1つの有機放射放出層が少なく
    とも1つの重合体層又は少なくとも1つの有機分子含有
    層から成り、前記陽極がITO、酸化スズ、ニッケル又
    は金層から成り、前記金属接触部材が前記陽極の外面の
    第1の部分に接触した金属ストリップ又は前記陽極の外
    面の全周を包囲する金属線から成り、前記遮断層がSi
    2 又はSi34層から成り、かつ前記封入材料が前記
    有機放射放出層から放出された可視光又は紫外線による
    照射に応答して可視光を放出する蛍光体又は蛍光染料を
    含有するシリコーン又はエポキシ樹脂から成る請求項1
    9記載の素子。
  21. 【請求項21】 前記素子が手持ち式の柔軟で細長い繊
    維状の照明装置を構成する請求項19記載の素子。
  22. 【請求項22】 前記素子が管の内部又は平坦なパネル
    上においてコイル状に巻かれ、かつ真空又は不活性雰囲
    気中に密封される請求項19記載の素子。
  23. 【請求項23】 前記素子が平面状の光透過性素子基板
    を含まない請求項18記載の素子。
  24. 【請求項24】 外側に第1の電極層を有するコアを形
    成する工程と、前記第1の電極層の周囲に少なくとも1
    つの有機放射放出層を設置する工程と、前記有機放射放
    出層の周囲に第2の電極層を設置する工程と、前記第1
    及び第2の電極層に対して電源を電気的に接続する工程
    とを含むことを特徴とする柔軟な有機放射放出素子の製
    造方法。
  25. 【請求項25】 前記第1の電極層が陰極層から成り、
    前記第2の電極層が放射透過性の陽極層から成り、かつ
    コアを形成する前記工程が繊維コア部材の周囲に陰極層
    を形成することから成る請求項24記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記陽極層の外面の第1の部分に接触
    した第1の部分及び前記電源に対して電気的に接触した
    第2の部分を有する金属接触部材を形成する工程を更に
    含む請求項25記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記陽極層の周囲に封入材料を形成す
    る工程と、封入材料を形成する前記工程に先立って前記
    陽極層の周囲に水分遮断層を形成する工程とを更に含む
    請求項26記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記繊維コア部材が柔軟な金属線、柔
    軟なガラス繊維又は柔軟なプラスチック繊維から成り、
    陰極層を形成する前記工程が、真空蒸着、スパッタリン
    グ又はめっきにより、カルシウム層、金層、インジウム
    層、マンガン層、スズ層、鉛層、アルミニウム層、銀
    層、マグネシウム層、マグネシウム−銀合金層、あるい
    は第1のカルシウム又はフッ化リチウム二次層と第2の
    アルミニウム又は銀二次層との組合せを前記繊維コア部
    材の周囲に設置することから成り、少なくとも1つの有
    機放射放出層を形成する前記工程が、真空蒸着又は溶液
    被覆により、少なくとも1つの重合体層又は少なくとも
    1つの有機分子含有層を前記陰極層の周囲に設置するこ
    とから成り、陽極層を形成する前記工程が、スパッタリ
    ング、真空蒸着又はめっきにより、ITO、酸化スズ、
    ニッケル又は金層を前記少なくとも1つの有機放射放出
    層の周囲に設置することから成り、金属接触部材を形成
    する前記工程が、真空蒸着、スパッタリング又はめっき
    によって前記陽極層の外面の第1の部分に接触した金属
    ストリップを設置するか、あるいは前記陽極層の周囲に
    金属線を取付けることから成り、遮断層を形成する前記
    工程がスパッタリング、真空蒸着又は化学蒸着(CV
    D)によってSiO2又はSi3 4 層を設置することか
    ら成り、かつ封入材料を形成する前記工程が、前記有機
    放射放出層から放出された可視光又は紫外線による照射
    に応答して可視光を放出する蛍光体又は蛍光染料を含有
    するシリコーン又はエポキシ樹脂を溶液被覆することか
    ら成る請求項27記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記素子が手持ち式の柔軟で細長い繊
    維状の照明装置を構成するか、あるいは前記素子が管の
    内部又は平坦なパネル上においてコイル状に巻かれかつ
    真空又は不活性雰囲気中に密封される請求項26記載の
    方法。
  30. 【請求項30】 前記第1の電極層が放射透過性の陽極
    層から成り、前記第2の電極層が陰極層から成り、かつ
    前記素子が指向性の端面発光照明装置を構成する請求項
    24記載の方法。
  31. 【請求項31】 外側に第1の電極層を有する柔軟な繊
    維コア部材を第1のスプールから第2のスプールに巻取
    る工程と、第1の被覆区域内において前記第1の電極層
    の周囲に少なくとも1つの有機放射放出層を設置する工
    程と、第2の被覆区域内において前記少なくとも1つの
    有機放射放出層の周囲に第2の電極層を設置する工程
    と、前記第2のスプールから被覆コアを巻出しながら前
    記被覆コアを複数の柔軟な繊維断片に分割する工程と、
    少なくとも第1の繊維断片上にある前記第1及び第2の
    電極層に対して電源を電気的に接続する工程とを含むこ
    とを特徴とする柔軟な繊維状有機放射放出素子の連続的
    製造方法。
  32. 【請求項32】 前記第1の電極層が陰極層から成り、
    前記第2の電極層が放射透過性の陽極層から成り、かつ
    コアを形成する前記工程が第3の被覆区域内において繊
    維コア部材の周囲に陰極層を形成することから成る請求
    項31記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記陽極層の外面の第1の部分に接触
    した第1の部分及び前記電源に対して電気的に接触した
    第2の部分を有する金属接触部材を第4の被覆区域内に
    おいて形成する工程を更に含む請求項32記載の方法。
  34. 【請求項34】 第5の被覆区域内において前記陽極層
    の周囲に封入材料を形成する工程を更に含む請求項33
    記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記柔軟な繊維コア部材が柔軟な金属
    線、柔軟なガラス繊維又は柔軟なプラスチック繊維から
    成り、陰極層を形成する前記工程が、真空蒸着、スパッ
    タリング、めっき又は化学蒸着により、カルシウム層、
    金層、インジウム層、マンガン層、スズ層、鉛層、アル
    ミニウム層、銀層、マグネシウム層、マグネシウム−銀
    合金層、あるいは第1のカルシウム又はフッ化リチウム
    二次層と第2のアルミニウム又は銀二次層との組合せを
    前記繊維コア部材の周囲に設置することから成り、少な
    くとも1つの有機放射放出層を形成する前記工程が、真
    空蒸着又は溶液被覆により、少なくとも1つの重合体層
    又は少なくとも1つの有機分子含有層を前記陰極層の周
    囲に設置することから成り、陽極層を形成する前記工程
    が、スパッタリング、真空蒸着、めっき、化学蒸着又は
    ゾル−ゲル被覆により、ITO、酸化スズ、ニッケル又
    は金層を前記少なくとも1つの有機放射放出層の周囲に
    設置することから成り、金属接触部材を形成する前記工
    程が、真空蒸着、スパッタリング、めっき又は化学蒸着
    によって前記陽極層の外面の第1の部分に接触した金属
    ストリップを設置するか、あるいは前記陽極層の周囲に
    金属線を取付けることから成り、かつ封入材料を形成す
    る前記工程が、前記有機放射放出層から放出された可視
    光又は紫外線による照射に応答して可視光を放出する蛍
    光体又は蛍光染料を含有するシリコーン又はエポキシ樹
    脂を溶液被覆することから成る請求項34記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記第1〜第5の被覆区域が、前記第
    1のスプールから前記第2のスプールに向かって第3、
    第1、第2、第4及び第5の被覆区域の順序で順次に配
    列された液体塗布区域から成る請求項35記載の方法。
  37. 【請求項37】 陰極層を形成する前記工程が、無電解
    めっき又は電気めっきによって前記繊維コア部材の周囲
    に陰極層を設置することから成り、少なくとも1つの有
    機放射放出層を形成する前記工程が、少なくとも1つの
    重合体層又は少なくとも1つの有機分子含有層を前記陰
    極層の周囲に溶液被覆することから成り、陽極層を形成
    する前記工程が、無電解めっき、電気めっき又はゾル−
    ゲル被覆によって前記少なくとも1つの有機放射放出層
    の周囲に陽極層を設置することから成り、金属接触部材
    を形成する前記工程が、無電解めっき又は電気めっきに
    よって前記陽極層の外面の第1の部分に接触した金属ス
    トリップを設置することから成り、かつ封入材料を形成
    する前記工程が、シリコーン又はエポキシ樹脂を溶液被
    覆することから成る請求項36記載の方法。
  38. 【請求項38】 スパッタリング、真空蒸着又は化学蒸
    着によって陰極層又は陽極層を形成する前記工程に際
    し、設置すべき材料に対して前記繊維の複数の表面を暴
    露する工程を更に含む請求項35記載の方法。
  39. 【請求項39】 外側に陰極層を有する柔軟な繊維コア
    部材を第2の手段に巻取るための第1の手段と、第1の
    被覆区域内において前記陰極層の周囲に少なくとも1つ
    の有機放射放出層を設置するための第3の手段と、第2
    の被覆区域内において前記少なくとも1つの有機放射放
    出層の周囲に放射透過性の陽極層を設置するための第4
    の手段とを含むことを特徴とする柔軟な繊維状有機放射
    放出素子の連続的製造装置。
  40. 【請求項40】 第3の被覆区域内において繊維コア部
    材の周囲に陰極層を形成するための第5の手段と、第5
    の被覆区域内において前記陽極層の周囲に封入材料を形
    成するための第6の手段とを更に含む請求項39記載の
    装置。
  41. 【請求項41】 第1のスプールと、第2のスプール
    と、第1の電極層の周囲に少なくとも1つの有機放射放
    出層を設置するための有機層被覆室と、前記少なくとも
    1つの有機放射放出層の周囲に第1の電極層を設置する
    ための、繊維の複数の側面を被覆し得る第1の電極被覆
    室とを含むことを特徴とする柔軟な繊維状有機放射放出
    素子の連続的製造装置。
  42. 【請求項42】 前記有機層被覆室が少なくとも1個の
    真空蒸着用供給源、有機液体浴又は有機液体分配ノズル
    を収容し、かつ前記第1の電極被覆室が少なくとも1個
    の真空蒸着用供給源、少なくとも1個のスパッタリング
    ターゲット又は液体金属浴を収容すると共に、前記装置
    が、少なくとも1個のスパッタリングターゲット、少な
    くとも1個の真空蒸着用供給源、又は繊維の複数の側面
    を被覆し得る液体金属浴を収容した第2の電極被覆室
    と、液体浴又は液体分配ノズルを収容した封入材料被覆
    室とを更に含む請求項41記載の装置。
  43. 【請求項43】 前記第1及び第2の電極被覆室が、前
    記被覆室の周囲に配置された複数のスパッタリングター
    ゲット又は真空蒸着用供給源、あるいは前記繊維を巻取
    って前記繊維の全ての側面をスパッタリングターゲット
    又は真空蒸着用供給源に暴露するための少なくとも1個
    のプーリを含む請求項42記載の装置。
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