JP3099267B2 - ブナシメジの栽培方法 - Google Patents

ブナシメジの栽培方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、栽培ビンに詰め込
んだ培地に種菌を接種し、培養工程を経てブナシメジを
栽培するブナシメジの栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、キノコの培養工程では、種菌を
培養して繁殖させるとともに、繁殖した菌糸に栄養分を
吸収させて熟成させる。この時期の温度,湿度,炭酸ガ
ス濃度,光等の環境条件はキノコの種類により異なり、
これらの環境条件が適切に保たれない場合にはキノコの
収量が減少する。特に、培養温度は栄養菌糸の生長に大
きく影響し、ブナシメジの場合、炭酸ガス濃度320〜
900〔ppm〕,湿度70〔%〕の環境下において、
培養温度が15〔℃〕以下では種菌の繁殖が大きく低下
するとともに、30〔℃〕以上では生長が著しく低下
し、害菌の繁殖や乾燥などの影響が出る。したがって、
ブナシメジの最適な培養温度は20〜25〔℃〕程度で
ある。
【0003】また、培養期間も収量に大きく影響する。
例えば、一定の培養温度下での培養日数を異ならせた場
合、培養日数が少なければ収量は減少し、培養日数を多
くするに従って収量が増加する。そして、最大収量を得
る最適培養日数が存在し、この最適培養日数よりも多く
なった場合には逆に収量が減少する。
【0004】そして、従来、このような培養温度及び培
養期間の設定は、実際の栽培を通した経験則、即ち、各
生産者のノウハウに頼っているのが実情である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
におけるブナシメジの栽培方法は、次のような問題点が
あった。
【0006】第一に、最適な培養温度(最適環境)を維
持するには、高度の冷暖房機器及び断熱材等を設置した
栽培施設が必要になり、設備面及び管理面における大幅
なコストアップを強いられる。
【0007】第二に、最適環境を維持できれば、常に最
大収量を確保できることになるが、実際には、培養時に
発生する炭酸ガスを外気により希釈するため、外部環境
の影響は避けられず、最大収量を常時確保することは困
難である。
【0008】本発明はこのような従来の技術に存在する
課題を解決したものであり、培養温度が変化しても、常
に最大収量又はそれに近い高収量を確保できるととも
に、設備面及び管理面における大幅なコストダウンを図
ることができるブナシメジの栽培方法の提供を目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段及び実施の形態】本発明に
係るブナシメジの栽培方法では、予め、最大収量を得る
培養温度Tと培養期間Pの積算値Xに基づいて培養定数
Kを設定する。培養温度Tと培養期間Pはある温度範囲
内においてほぼ反比例し、最大収量を得るブナシメジの
培養期間Pと培養温度Tの積算値Xはほぼ一定となるた
め、この積算値Xをそのまま又は必要により修正し、培
養定数Kとして設定する。
【0010】一方、培養工程では、培養開始から培養温
度Tdをサンプリング期間Pp(=1時間)置きに検出
することにより、当該サンプリング期間Ppとこのサン
プリング期間Ppにおける培養温度Tdの積算値Xpを
培養開始から順次求めるとともに、当該積算値Xpを培
養定数Kから順次減算し、得られた減算値Knを培養温
度Tdで除算することにより残存培養期間Prを求め、
求めた残存培養期間Prを表示部2により表示するとと
もに、当該残存培養期間Prに従って培養を行う。
【0011】そして、残存培養期間Prが零になったら
アラーム3により報知する。これにより、培養温度Td
が変化しても、最大収量を得れる培養期間、即ち、残存
培養期間Prが設定されるため、常に最大収量又はそれ
に近い高収量が確保されるとともに、設備面及び管理面
における大幅なコストダウンが図られる。
【0012】
【実施例】次に、本発明に係る好適な実施例を挙げ、図
面に基づき詳細に説明する。
【0013】まず、本実施例に係るブナシメジの栽培方
法を実施できる栽培システムの構成について、図3を参
照して説明する。
【0014】同図中、符号1で示す栽培システムにおい
て、4はメモリ等の必要な機能部を含むマイクロプロセ
ッサ(MPU:演算部)であり、予め設定された演算プ
ログラムに従って各種演算処理を実行する。また、マイ
クロプロセッサ4にはリセットスイッチ5及びタイマ部
6を接続するとともに、さらに、マイクロプロセッサ4
の入力側には培養温度Tdを検出する温度センサ7を、
マイクロプロセッサ4の出力側には表示部2及びアラー
ム3をそれぞれ接続する。なお、温度センサ7は栽培ビ
ンに挿入してもよいし、栽培ビンの外側面に取付けても
よい。栽培システム1はこのように構成されるため、特
殊な機器が不要であり、低コストに実施できる。
【0015】次に、このような栽培システム1の動作を
含む本実施例に係るブナシメジの栽培方法について、各
図を参照して説明する。
【0016】まず、予め、最大収量を得る培養温度Tと
ブナシメジの培養期間(培養時間)Pの積算値Xに基づ
いて培養定数Kを設定する。
【0017】培養日数(培養期間P)に対するブナシメ
ジの栽培ビン1本当たりの収量の関係は、培養温度Tを
パラメータとすると図2のようになる。同図から培養温
度Tが高くなれば、最大収量が得られる培養日数は少な
くなる。即ち、培養温度Tと培養期間Pはある温度範囲
(18〜30℃)内においてほぼ反比例し、最大収量を
得る培養期間Pと培養温度Tの積算値Xはほぼ一定とな
る。同図の場合、各培養温度Tにおける積算値X(=T
×P)は、24〔℃〕×80〔日〕=1920,22
〔℃〕×88〔日〕=1936,20〔℃〕×100
〔日〕=2000,18〔℃〕×107〔日〕=192
6となる。これらの積算値Xの平均は、約1945とな
り、さらに、培養期間Pを時間で表した場合には、19
45×24〔時〕=46680となる。よって、時間で
得られた積算値X=46680をそのまま培養定数Kと
して設定する。この場合、積算値Xをそのまま培養定数
Kとして用いたが、培養定数Kの値は必要により増減さ
せることができる。なお、図2中、Z1〜Z4は最大収
量に対する97%収量の範囲を示す。
【0018】一方、栽培時には、栽培ビンに詰め込んだ
培地にブナシメジの種菌を接種して培養を行う。培養工
程における栽培システム1は、図1に示すフローチャー
トに従って動作する。
【0019】まず、栽培システム1のリセットスイッチ
5により各部を初期化する(ステップS1)。温度セン
サ7からは培養温度が連続して検出され、マイクロプロ
セッサ4に付与される(ステップS2)。これにより、
マイクロプロセッサ4は培養開始から、予め設定したサ
ンプリング期間Pp毎、即ち、実施例では1時間置きに
サンプリングして培養温度Tdの取り込みを行う(ステ
ップS3)。
【0020】そして、マイクロプロセッサ4では、1時
間置きにサンプングした培養温度Tdとこの培養温度T
dにおけるサンプリング期間Ppの積算値Xpを求める
(ステップS4)。実施例のサンプリング期間Ppは1
時間であるため、培養温度Tdの値がそのまま積算値X
pとなる。また、求めた積算値Xpは培養定数Kから順
次減算し、この減算結果となる減算値Knを順次求める
(ステップS5)。具体的には、培養開始時の培養温度
Td0を22〔℃〕,培養開始から1時間目の培養温度
Td1を22〔℃〕,同2時間目の培養温度Td2を23
〔℃〕,同3時間目の培養温度Td3を23〔℃〕とし
た場合、同3時間目における減算値Kn(=K−Td1
…)は、46680−22−22−23−23=465
90となる。
【0021】さらに、各減算値Knを培養温度Tdによ
り除算して残存培養期間Prを求める(ステップS
6)。今、培養工程が培養開始から7日目に至り、7日
目の終了時の減算値Knが42504,この時点の培養
温度Tdが23〔℃〕であったものと想定する。この
後、培養温度Tdが23〔℃〕のまま継続するとすれ
ば、残存培養期間Prは42504/23=1848
〔時間〕=77〔日〕として求めることができる。この
場合、残存培養期間Prの算出に用いる培養温度Td
は、このような演算時点の値であってもよいし、培養開
始からこの時点までの培養温度Td…を平均した値であ
ってもよい。最大収量を得る残存培養期間Prは、減算
値Knを求める毎に求められ、1時間毎に更新される。
残存培養期間Prは基本的に残存期間の目安となるもの
であり、残存培養期間Prの算出に用いる培養温度Td
は、どのような値を用いたとしても、残存培養期間Pr
が少なくなるに従って正確度が高まり、残存培養期間P
rが零になった時点が、最大収量を得る培養期間Pの終
期となる。
【0022】したがって、残存培養期間Prが零になっ
たらアラーム3により報知し、培養工程を終了させる
(ステップS7,S8)。この場合、アラーム3によ
り、3日前,1日前,10時間前等において予備的な報
知を行うこともできる。また、残存培養期間(残存培養
日数)Prは表示部2により表示する(ステップS
6)。さらに、表示部2には培養温度Tdを表示する。
【0023】よって、培養工程では培養温度Tdが変化
しても、最大収量を得れる培養期間、即ち、残存培養期
間Prが設定されるため、常に最大収量又はそれに近い
高収量を確保できるとともに、設備面及び管理面におけ
る大幅なコストダウンを図ることができる。一方、培養
工程が終了したなら、菌掻き工程,芽出し工程,生育工
程を経てブナシメジを生長させた後、収穫を行う。
【0024】以上、実施例について詳細に説明したが本
発明はこのような実施例に限定されるものではなく、細
部の構成,手法,数値等において、本発明の要旨を逸脱
しない範囲で任意に変更,追加,削除することができ
る。
【0025】
【発明の効果】このように本発明に係るブナシメジの栽
培方法は、予め、最大収量を得る培養温度と培養期間の
積算値に基づく培養定数を設定し、培養工程では、培養
開始から培養温度をサンプリング期間置きに検出するこ
とにより、当該サンプリング期間とこのサンプリング期
間における培養温度の積算値を培養開始から順次求める
とともに、積算値を培養定数から順次減算し、得られた
減算値を培養温度で除算して残存培養期間を求め、求め
た残存培養期間を表示部により表示するとともに、当該
残存培養期間に従って培養を行い、残存培養期間が零に
なったらアラームにより報知するようにしたため、次の
ような顕著な効果を奏する。
【0026】 培養温度が変化しても、最適な培養期
間が自動的に設定されるため、常に最大収量又はそれに
近い高収量を確保できる。
【0027】 高度の冷暖房機器及び断熱材等を設置
した栽培施設が不要となるため、設備面及び管理面にお
ける大幅なコストダウン図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係るブナシメジの栽培方法を説明す
るための培養工程の処理手順を示すフローチャート、
【図2】同栽培方法の原理を説明するためのブナシメジ
の培養日数に対する収量を示す相関図、
【図3】同栽培方法を実施できる栽培システムのブロッ
ク構成図、
【符号の説明】
2 表示部 3 アラーム

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 栽培ビンに詰め込んだ培地に種菌を接種
    し、培養工程を経てブナシメジを栽培するブナシメジの
    栽培方法において、予め、最大収量を得る培養温度と培
    養期間の積算値に基づく培養定数を設定し、前記培養工
    程では、培養開始から培養温度をサンプリング期間置き
    に検出することにより、当該サンプリング期間とこのサ
    ンプリング期間における培養温度の積算値を培養開始か
    ら順次求めるとともに、当該積算値を前記培養定数から
    順次減算し、得られた減算値を培養温度で除算して残存
    培養期間を求め、求めた残存培養期間を表示部により表
    示するとともに、当該残存培養期間に従って培養を行
    い、残存培養期間が零になったらアラームにより報知す
    ることを特徴とするブナシメジの栽培方法。
  2. 【請求項2】 前記サンプリング期間は1時間であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のブナシメジの栽培方法。
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