JP2002184238A - 電気絶縁用樹脂組成物及び電気絶縁用樹脂組成物を用いた電気機器の製造法 - Google Patents

電気絶縁用樹脂組成物及び電気絶縁用樹脂組成物を用いた電気機器の製造法

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JP2002184238A
JP2002184238A JP2000385089A JP2000385089A JP2002184238A JP 2002184238 A JP2002184238 A JP 2002184238A JP 2000385089 A JP2000385089 A JP 2000385089A JP 2000385089 A JP2000385089 A JP 2000385089A JP 2002184238 A JP2002184238 A JP 2002184238A
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electrical insulating
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Isao Umagami
伊三雄 馬上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 近年の要求性能を満足すべく、熱伝導率が高
く、低臭気で、耐加水分解性に優れた電気絶縁用樹脂組
成物を提供する 【解決手段】 (A)ポリエポキシドとα,β−不飽和
一塩基酸とを反応させて得られる不飽和エポキシエステ
ルに下記一般式 【化1】 (ただし、R、R及びRはアルキル基である。)
で示される脂肪酸のモノグリシジルエステルを反応させ
て得られる樹脂、(B)2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート、(C)ジアリルフタレート、(D)無機充填剤
及び(E)チタネート系カップリング剤を含有してなる
電気絶縁用樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気絶縁用樹脂組成
物及び電気機器の製造法に関し、更に詳しくは、モート
ル、トランスなどの電気機器用コイルの熱放散性を向上
させ、かつ電気絶縁処理時の臭気及び電気絶縁処理した
電気機器から発生する臭気を低減させると共に、耐加水
分解性に優れた電気絶縁用樹脂組成物及びこれを用いた
電気機器の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】モータ、トランス等の電気機器は、鉄コ
アの固着又は防錆、コイルの絶縁又は固着等を目的とし
て、電気絶縁用樹脂組成物で処理されている。電気絶縁
用樹脂組成物としては、硬化性、空乾性、固着性、電気
絶縁性、経済性などのバランスに優れた不飽和ポリエス
テル樹脂の組成物が広く用いられている。
【0003】近年の電気機器は、小型・軽量化、高出力
化が進んだため、蓄熱温度がより高くなり、特に、電気
自動車に用いられる回転器や、電動工具に用いられる回
転器などの電気機器に用いられる回転機器は、運転時に
過大な負荷により発生した熱が放散されずに蓄熱され電
気機器の温度が上昇するため、電気絶縁用樹脂組成物に
も、発熱による温度上昇を小さくするために、熱伝導率
を高め大気雰囲気中への熱放散性を向上させた樹脂組成
物が求められている。このことから、不飽和ポリエステ
ル樹脂に無機充填剤を添加し、電気機器の運転時に生ず
る発熱による温度上昇を小さくし、熱伝導率を高め大気
雰囲気中への熱放散性を向上させた不飽和ポリエステル
樹脂が用いられてきた。
【0004】電気絶縁用樹脂組成物には、ベース樹脂を
芳香族系や脂肪族系の非反応性希釈剤に溶解させた溶剤
型と、ベース樹脂を反応性希釈剤に溶解させた無溶剤型
がある。無溶剤型の反応性希釈剤には、これまでスチレ
ンモノマー又はビニルトルエン等のスチレン誘導体が用
いられてきたが、特有の強い臭いや、皮膚に炎症を起こ
す場合が有り、適切な取り扱いが必要となる。このた
め、安全性向上、環境改善にも役立つ非スチレン系のコ
イル含浸用樹脂組成物が求められるようになってきた。
更に、屋外などで使用される電気機器は、屋内で用いら
れる電気機器と比べ、加水分解などの環境負荷が厳し
く、電気絶縁用樹脂組成物として、従来の不飽和ポリエ
ステル樹脂を用いた場合、加水分解により、電気絶縁性
が急激に低下してしまう場合があった。このため、耐環
境負荷を向上させた電気絶縁用樹脂組成物が求められる
ようになってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、近年
の要求性能を満足すべく、熱伝導率が高く、低臭気で、
耐加水分解性に優れた電気絶縁用樹脂組成物を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、不飽和エポキシエステルにモノエポキシドを反応
させることにより得られた樹脂に、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、ジアリルフタレート、無機充填剤及
びチタネート系カップリング剤を混合することによっ
て、熱放散性が良好でかつ低臭気であり、耐加水分解性
が優れることを見出した。
【0007】本発明は、(A)ポリエポキシドとα、β
−不飽和一塩基酸とを反応させて得られる不飽和エポキ
シエステルに一般式
【化2】 (ただし、R、R、Rはアルキル基である)で示
される脂肪酸のモノグリシジルエステルを反応させて得
られる樹脂、(B)2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、(C)ジアリルフタレート、(D)無機充填剤及び
(E)チタネート系カップリング剤を含有してなる電気
絶縁用樹脂組成物に関する。
【0008】また、本発明は、上記の電気絶縁用樹脂組
成物を用いて電気機器を絶縁処理することを特徴とする
電気機器の製造法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】(A)、(B)、(C)、
(D)、(E)の各成分は、これらの合計100重量部
に対して(A)成分20〜80重量部、(B)成分5〜
30重量部、(C)成分5〜30重量部、(D)成分1
0〜50重量部、(E)成分0.01〜1.0重量部と
することが好ましい。本発明に用いられる(A)成分の
樹脂は、ポリエポキシドとα,β−不飽和一塩基酸を反
応させて、樹脂酸価を好ましくは10〜20の不飽和エ
ポキシエステルとし、次いで前記一般式で表される脂肪
酸のモノグリシジルエステルを反応させて得られる樹脂
酸価が好ましくは10以下の樹脂である。不飽和エポキ
シエステルの製造条件には制限が無く、例えば、付加触
媒を用いて100℃〜120℃で、5〜10時間反応さ
せて合成される。本発明に用いられるポリエポキシド
は、分子あたり1個以上のエポキシ基を含有する化合物
で、多価アルコール若しくは、多価フェノールのグリシ
ジルポリエーテル、エポキシ化脂肪酸若しくは、乾性油
酸、エポキシジオレフィン、エポキシ化ジ不飽和酸のエ
ステル、エポキシ化飽和ポリエステル等がある。α,β
−不飽和一塩基酸としては、メタクリル酸、アクリル
酸、クロトン酸等があり、併用してもさしつかえない。
【0010】脂肪酸のモノグリシジルエステルとして
は、一般式
【化3】 (ただし、R、R、Rはアルキル基である。アル
キル基は炭素数10〜15のものが好ましい。)で示さ
れるもので、例えばカージュラE(シェル化学、エポキ
シ当量240〜250、アルキル基の炭素数12〜1
4)がある。
【0011】付加触媒としては、塩化亜鉛、塩化リチウ
ムなどのハロゲン化物、ジメチルサルファイト、メチル
フェニルサルファイトなどのサルファイト類、ジメチル
スルホキサイド、メチルスルホキサイド、メチルエチル
スルホキサイドなどのスルホキサイド類、N,N−ジメ
チルアニリン、ピリジン、トリエチルアミン、ヘキサメ
チレンジアミンなどの3級アミン及びその塩基酸又は臭
酸塩、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリメチ
ルドデシルベンジルアンモニウムクロライドなどの4級
アンモニウム塩、パラトルエンスルホン酸などのスルホ
ン酸類、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタンな
どのメルカプタン類などが用いられる。不飽和エポキシ
エステルと脂肪酸のモノグリシジルエステルとの反応
は、不飽和エポキシエステル100重量部に対して脂肪
酸のモノグリシジルエステルを3〜30重量部させるこ
とが好ましく、特に条件については制限しない。
【0012】本発明の電気絶縁用樹脂組成物は、架橋性
モノマーである(B)成分及び(C)成分の2−ヒドロ
キシエチルメタクリレートとジアリルフタレートを必須
成分とする。2−ヒドロキシエチルメタクリレートとジ
アリルフタレートの混合比率に関し、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート単独、又は、2−ヒドロキシエチル
メタクリレートの配合比率が多くなると、耐加水分解性
が低下してしまう傾向がある為、2−ヒドロキシエチル
メタクリレートとジアリルフタレートの配合比率は、
(B)成分100重量部に対し、(C)成分80〜30
0重量部が好ましく、(C)成分100〜200重量部
がより好ましい。電気絶縁用樹脂組成物において、
(B)成分の配合量が5重量部未満であると粘度が高く
なり、コイル含浸性が低下してしまい、30重量部を超
えると耐加水分解性が低下してしまう傾向がある。ま
た、(C)成分の配合量が5重量部未満であると耐加水
分解性が低下してしまい、30重量部を超えると粘度が
高くなりコイル含浸性が低下してしまう傾向がある。
【0013】本発明に用いられる(D)成分の無機充填
剤は、電気機器を運転するときの放熱性を向上させるこ
とを主な目的として配合される。放熱性の観点からは配
合量が多い程よいが、この配合量が多くなると電気絶縁
用樹脂組成物の粘度が高くなり、含浸性が低下する。こ
のことから、(A)成分、(B)成分、(C)成分、
(D)成分及び(E)成分の合計量を100重量部とす
るとき、無機充填剤は50重量部を超えない範囲とする
ことが好ましく、45重量部を超えない範囲とすること
がより好ましい。また、放熱性を向上させるためには、
無機充填剤を10重量部以上配合する。無機充填剤の配
合量が10重量部未満であると、熱伝導性が低くなり放
熱性が低下する。無機充填剤としては、炭酸カルシウ
ム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、二酸化ケ
イ素などが挙げられる。
【0014】本発明に用いられる(E)成分のチタン系
カップリング剤は、無機充填剤の添加により高くなった
粘度を低下することができ、かつ、沈降速度を遅延させ
ることを目的に配合される。粘度低下の観点からは配合
量が多いほど粘度は低下するが、この配合量が多くなる
と無機充填剤の沈降が速くなり、無機充填剤が分離す
る。また、配合量が少なすぎると粘度の低下に効果がな
い。このことから、チタン系カップリング剤の配合量と
しては、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)
成分及び(E)成分の合計量100重量部に対して、
0.01〜1.0重量部の範囲で配合することが好まし
く、特に、0.02〜0.1重量部の範囲で配合するこ
とがより好ましい。チタン系カップリング剤としては、
チタニウムステアレート、ジ−i−プロキシチタン ジ
イソステアレート、(2−n−ブトキシカルボニルベン
ゾイルオキシ)トリブトキシチタン、2−エチルヘキサ
ノイルオキシトリ(2−プロポキシ)チタン(いずれも
日本曹達株式会社製)等を用いることができる。
【0015】本発明になる電気絶縁用樹脂組成物には、
硬化剤として、例えばベンゾイルパーオキサイド、アセ
チルパーオキサイド等のアシルパーオキサイド、ターシ
ャリブチルパーオキサイド、キュメンヒドロパーオキサ
イド等のヒドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパ
ーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケ
トンパーオキサイド、ジターシャリブチルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサ
イド、ターシャリブチルパーオキシアセテート等のオキ
シパーオキサイドなどを用いる。硬化剤の配合量として
は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成
分、(E)成分の合計量100重量部に対して0.3〜
5重量部が好ましく、1〜2重量部がより好ましい。
【0016】また、必要に応じて促進剤及び重合禁止剤
を添加することもできる。促進剤としては、例えばナフ
テン酸マンガン、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、
オクテン酸コバルト等が用いられる。重合禁止剤として
は、例えばハイドロキノン、ターシャリブチルカテコー
ル、p−ベンゾキノン等のキノン類が用いられる。
【0017】本発明の電気絶縁用樹脂組成物は、船舶搭
載モートル、自動車搭載モートル、エアコンファン、扇
風機、洗たく機等のモートル、テレビ、ステレオ、コン
パクトディスクプレーヤー等の電源トランス等の絶縁処
理に適用される。
【0018】
【実施例】以下実施例により本発明を説明する。下記例
中、部は、重量部を意味する。 製造例1 不飽和エポキシエステルに脂肪酸のモノグリシジルエス
テルを反応させることにより得られる樹脂(A−1)の
合成 4,4−イソピリデンジフェノールのジグリシジルエー
テル(シェル化学製、EP−828,エポキシ当量18
8)376部、メタクリル酸172部、ベンジルジメチ
ルアミン2部、ハイドロキノン0.05部を仕込み11
5℃で反応させ、樹脂酸価が18の不飽和エポキシエス
テルを合成した。不飽和エポキシエステル100部とカ
ージュラE7部を反応させて樹脂酸価5の生成物を得
た。 製造例1 不飽和ポリエステル樹脂(A−2)の合成 ジシクロペンタジエン330部、無水マレイン酸230
部及び水42部を反応釜に仕込み、窒素ガス気流下に、
140℃で2時間反応させて、ジシクロペンタジエニル
モノマレートを合成した。ついで、エチレングリコール
170部、ジエチレングリコール1100部、無水マレ
イン酸750部、イソフタル酸290部を反応釜に仕込
み、窒素ガス気流中で200〜220℃に昇温し、この
範囲に温度を維持して脱水縮合反応を行わせ、酸価が2
0となったところで冷却した。
【0019】実施例1 不飽和エポキシエステルに脂肪酸のモノグリシジルエス
テルを反応させることにより得られた樹脂(A−1)5
0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15部、ジ
アリルフタレート15部、平均粒径8μmの二酸化ケイ
素20部、チタニウムステアレート0.05部、及び硬
化剤としてA−1、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト及びジアリルフタレートの合計量に対して1.0重量
%のベンゾイルパーオキサイドを撹拌混合して電気絶縁
用樹脂組成物を調製した。
【0020】実施例2 不飽和エポキシエステルに脂肪酸のモノグリシジルエス
テルを反応させることにより得られた樹脂(A−1)2
0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20部、ジ
アリルフタレート20部、平均粒径8μmの二酸化ケイ
素40部、チタニウムステアレート0.05部、及び硬
化剤としてA−1、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト及びジアリルフタレートの合計量に対して1.0重量
%のベンゾイルパーオキサイドを撹拌混合して電気絶縁
用樹脂組成物を調製した。
【0021】比較例1 不飽和ポリエステル樹脂(A−2)50部、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート15部、ジアリルフタレート
15部、平均粒径8μmの二酸化ケイ素20部、チタニ
ウムステアレート0.05部、及び硬化剤としてA−
2、2−ヒドロキシエチルメタクリレート及びジアリル
フタレートの合計量に対して1.0重量%のベンゾイル
パーオキサイドを撹拌混合して電気絶縁用樹脂組成物を
調製した。
【0022】比較例2 不飽和エポキシエステルに脂肪酸のモノグリシジルエス
テルを反応させることにより得られた樹脂(A−1)5
0部、スチレン30部及び硬化剤としてA−1、スチレ
ンの合計量に対して1.0重量%のベンゾイルパーオキ
サイドを撹拌混合して電気絶縁用樹脂組成物を調製し
た。
【0023】比較例3 不飽和エポキシエステルに脂肪酸のモノグリシジルエス
テルを反応させることにより得られた樹脂(A−1)5
0部、スチレン30部、平均粒径8μmの二酸化ケイ素
20部、チタニウムステアレート0.05部、及び硬化
剤としてA−1、スチレンの合計量に対して1.0重量
%のベンゾイルパーオキサイドを撹拌混合して電気絶縁
用樹脂組成物を調製した。
【0024】得られた電気絶縁用樹脂組成物について、
熱伝導率、ツイストペアを用いた耐環境負荷、臭気及び
この電気絶縁用樹脂組成物を用いて電気絶縁処理したト
ランスの運転時温度上昇を調べた。その結果を表1に示
す。特性の試験方法は、以下の通りである。 熱伝導率:直径50mm、厚さ10mmの円盤状の金型
内に電気絶縁用樹脂組成物を注型し、温度150℃で3
時間硬化させて試験片を作製し、熱伝導率測定装置(ダ
イナテック株式会社製、シーマテック(商品名))を用
いて測定した。ツイストペアを用いた耐環境負荷:直径
1.0mmの1EIWを用いてツイストペアを作製し
た。この試験片を、120℃/10分間予熱し、指定し
た電気絶縁用樹脂組成物に2分間浸漬した後、引き上げ
た。15分間放置後、130℃/2時間加熱乾燥させ
た。更に、この試験片を反転させ、同様に、1回目の処
理に用いた電気絶縁用樹脂組成物で、2回目の処理を行
った。これを、耐環境負荷用試験片とした。耐環境試験
は、指定した薬剤に、耐環境負荷用試験片を浸漬させ、
密閉系で25℃で所定期間放置した後、取り出し、絶縁
破壊電圧を測定した。薬剤は、30%硫酸水溶液及び1
%水酸化ナトリウム水溶液を用いた。
【0025】運転時温度上昇:コア寸法が83mm×8
0mm×50mmのトランスのコア内部に温度センサー
を付け、電気絶縁用樹脂組成物を、室温、133hPa
の減圧下に注入し、温度160℃で3時間硬化させた。
冷却後、トランスの温度を測定し、100Vの電圧を2
時間印加した後の温度を再び測定し、電圧印加前後の温
度差から、温度上昇を求めた。
【0026】スチレンガス濃度:電気絶縁用樹脂組成物
10gを直径60mmの金属シャーレに入れて硬化させ
たものを試験片とした。次に、4リットルの丸型缶をフ
タを開けた状態で150℃で2時間熱処理し、常温で冷
却した後、試験片を入れてフタを閉め、120℃で2時
間熱処理した直後にスチレンガス濃度計(新コスモス電
機(株)製、XP−316A型)を用いてスチレンガス
濃度を測定した。
【0027】
【表1】
【0028】表1から、本発明の実施例になる電気絶縁
用樹脂組成物は、比較例になる電気絶縁用樹脂組成物と
比較して、ベース樹脂に不飽和エポキシエステルに脂肪
酸のモノグリシジルエステルを反応させることにより得
られた樹脂組成物を用いることにより、耐環境負荷が向
上する。また、架橋性モノマーとして、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレートとジアリルフタレートを併用する
ことにより、耐環境負荷が低下することなく、電気絶縁
処理時の臭気及び電気絶縁処理した電気機器から発生す
る臭気を低減できる。更に、無機充填剤を配合すること
により熱伝導率が大きくなり、かつ揺変度が低いため、
トランスコイル内への含浸性が優れることにより、電気
絶縁用樹脂組成物を処理したトランス運転時の温度上昇
を低減できる。
【0029】
【発明の効果】本発明の電気絶縁用樹脂組成物を電気機
器に含浸させて絶縁処理することによって、熱放散性及
び耐加水分解性に優れ、かつ電気絶縁処理時の臭気及び
電気絶縁処理した電気機器から発生する臭気を低減させ
た電気機器の製造が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 27/32 H01F 27/32 A Fターム(参考) 4J011 AA05 CA02 CB00 CB03 DA02 PA02 PA13 PA47 PB22 PB40 PC02 4J027 AE01 AE07 BA02 BA08 BA22 CA11 CA29 CA36 CB03 CC02 CD08 4J036 AA01 AB01 AC01 AJ05 AK01 AK19 CA21 CA28 5E044 AC01 CA02 5G305 AA11 AB23 AB26 AB36 BA09 CA12 CB04 CB08 CB27 CD01 CD06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリエポキシドとα,β−不飽和
    一塩基酸とを反応させて得られる不飽和エポキシエステ
    ルに下記一般式 【化1】 (ただし、R、R及びRはアルキル基である。)
    で示される脂肪酸のモノグリシジルエステルを反応させ
    て得られる樹脂、(B)2−ヒドロキシエチルメタクリ
    レート、(C)ジアリルフタレート、(D)無機充填剤
    及び(E)チタネート系カップリング剤を含有してなる
    電気絶縁用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電気絶縁用樹脂組成物
    を用いて電気機器を絶縁処理することを特徴とする電気
    機器の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014235973A (ja) * 2013-06-05 2014-12-15 日東シンコー株式会社 電気絶縁用樹脂組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014235973A (ja) * 2013-06-05 2014-12-15 日東シンコー株式会社 電気絶縁用樹脂組成物

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