JP2003157721A - 電気絶縁用樹脂組成物及び電気機器 - Google Patents

電気絶縁用樹脂組成物及び電気機器

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JP2003157721A
JP2003157721A JP2001354817A JP2001354817A JP2003157721A JP 2003157721 A JP2003157721 A JP 2003157721A JP 2001354817 A JP2001354817 A JP 2001354817A JP 2001354817 A JP2001354817 A JP 2001354817A JP 2003157721 A JP2003157721 A JP 2003157721A
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silicon dioxide
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weight
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JP2001354817A
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Isao Umagami
伊三雄 馬上
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱伝導率が高く、電気機器への含浸性が良好
で、耐環境性が優れ更に長期保管後の沈降した二酸化ケ
イ素がハードケーキにならず、再分散が可能となる樹脂
組成物を提供するものである。 【解決手段】 不飽和エポキシエステルを更にモノエポ
キシドと反応させることにより得られた樹脂組成物に、
スチレン及びその誘導体、平均粒径20μm以下の二酸
化ケイ素、一次粒子の平均粒径が500nm以下の疎水
性二酸化ケイ素及びチタネート系カップリング剤を混合
することによって、熱放散性に優れた電気機器の製造が
可能となると共に、長期保管後に樹脂組成物中の二酸化
ケイ素が沈降してもハードケーキにならず、再分散が可
能であり、生産性を損なうことなく、電気絶縁処理がで
きる。また、耐環境負荷が優れており、屋外で使用され
る電機機器の信頼性向上に寄与出来る。更に、電気機器
への含浸性が良好のため、運転時の電気機器の熱放散性
が良好であり、電気機器の温度上昇を低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気絶縁用樹脂組
成物及び電気機器に関し、さらに詳しくは不飽和ポリエ
ステル樹脂と無機充填剤を主成分とする電気絶縁用樹脂
組成物及びこの電気絶縁用樹脂組成物を用いて電気絶縁
処理されてなる電気機器に関する。
【産業上の利用分野】本発明は電気機器絶縁処理用樹脂
組成物に関し、更に詳しくは、モートル、トランスなど
の電気機器用コイルの熱放射性を向上させる電気機器絶
縁処理用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】モータ、トランス等の電気機器は、鉄コ
アの固着または防錆、コイルの絶縁または固着等を目的
として、電気絶縁用樹脂組成物で処理されている。電気
絶縁用樹脂組成物としては、硬化性、空乾性、固着性、
電気絶縁性、経済性などのバランスに優れた不飽和ポリ
エステル樹脂の組成物が広く用いられている。
【0003】近年の電気機器は、小型・軽量化、高出力
化が進んだため、蓄熱温度がより高くなり、特に、電子
レンジ、インバータエアコンなどの電気機器に用いられ
る変圧器やリアクトルコイルは、運転時に過大な負荷に
より発生した熱が放散されずに蓄熱され電気機器の温度
が上昇する傾向があるため、使用される各材料は、より
耐熱性及び熱放散性が高いものが求められるようになっ
てきた。
【0004】更に、小型化の要求に伴い、コイルの占積
率が一段と上がった為、含浸性が優れたものが求められ
るようになってきた。特に、電気絶縁処理により、占積
率が高いコイルを有する電気機器の熱放散性を向上させ
ようとする場合、クラックが発生すると、熱伝導率が低
い空気層が出来、コイルの外気への熱放散が著しく低下
してしまい、稼動する電気機器の温度上昇を、期待通り
に低減する事が出来ない。
【0005】そこで、樹脂組成物の熱伝導率を上げると
共に、コイルへの樹脂組成物の含浸性を向上させ、更
に、耐クラック性が優れた樹脂組成物が求められる。そ
の結果、稼動する事によって発生した電気機器の熱が、
大気雰囲気中へ放散し易くなり、電気機器の温度上昇を
低減する事が出来る為、電気機器の小型・軽量化、高出
力化が可能となる。また、電気機器の構成部材が同じ場
合、電気機器の信頼性向上に寄与できる。
【0006】更に、屋外などで使用される電気機器は、
屋内で用いられる電気機器と比べ、加水分解などの環境
負荷が厳しく、電気絶縁用樹脂組成物として、従来の不
飽和ポリエステル樹脂を用いた場合、加水分解により、
電気絶縁性が急激に低下してしまう場合が有った。この
ため、耐環境負荷を向上させた電気絶縁用樹脂組成物が
求められるようになってきた。
【0007】以上より、不飽和ポリエステル樹脂に無機
充填剤を添加させて熱伝導率を高めると共に、電気機器
への含浸性が良好な無機充填剤混合不飽和ポリエステル
樹脂が用いられてきたが、不飽和ポリエステル樹脂に無
機充填剤を混合すると、経日放置により、混合していた
無機充填剤が沈降してハードケーキとなり、再分散が困
難となり、電気絶縁組成物中に占める無機充填剤の含有
量が変化し、熱伝導率が変わってしまい、期待した電気
機器の熱放散性が得られない場合があった。電気絶縁用
樹脂組成物中の無機充填剤の量が多くなると、粘度及び
揺変度が高くなり電気機器への含浸性が低下し熱放散性
が低下すると共に、硬化物皮膜が厚くなり、クラックが
発生し易くなる傾向がある。また、電気絶縁用樹脂組成
物中の無機充填剤の量が少なくなると、含浸性は向上す
るが、樹脂の熱伝導率が低下するため、電気機器の放熱
性が低下する傾向がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】電気絶縁用樹脂組成物
において、近年の要求性能を満足すべく、低粘度、且
つ、低揺変度で、熱伝導率が高く、更に、経日放置によ
って沈降した無機充填剤の再分散性が容易な電気絶縁用
樹脂組成物が要求されるようになった。本発明は、低粘
度且つ低揺変度で電気機器への含浸性が良好で、熱伝導
率が高く、電気機器の運転時に発生する熱を放散し易く
する事ができ、更に、経日放置によって沈降した無機充
填剤の再分散性が容易な電気絶縁用樹脂組成物及びこの
電気絶縁用樹脂組成物を用いて電気絶縁処理されてなる
電気機器を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、不飽和エポキシエステルを更にモノエポキシドと
反応させることにより得られた樹脂組成物に、スチレン
及びその誘導体、平均粒径20μm以下の二酸化ケイ
素、一次粒子の平均粒径が500nm以下の疎水性二酸
化ケイ素及びチタネート系カップリング剤を混合するこ
とによって、 (1) 従来の不飽和エポキシエステルを更にモノエポキ
シドと反応させることにより得られた樹脂組成物に、ス
チレン及びその誘導体、平均粒径20μm以下の二酸化
ケイ素、表面処理を行っていない一次粒子の平均粒径が
500nm以下の二酸化ケイ素及びチタネート系カップ
リング剤を混合した場合よりも、粘度を低く、且つ、揺
変度を低くする事が出来ると共に、長期保管後に沈降し
た二酸化ケイ素がハードケーキとはならずに再分散が容
易に可能であり、電気機器への含浸性が良好のため、運
転時の電気機器の熱放散性が良好であり、電気機器の温
度上昇を低減できることを見出した。 (2) 従来の不飽和ポリエステル樹脂に、スチレン及び
その誘導体、平均粒径20μm以下の二酸化ケイ素、一
次粒子の平均粒径が500nm以下の疎水性二酸化ケイ
素及びチタネート系カップリング剤を混合した場合より
も、耐加水分解性が優れる事を見出した。本発明は、 (A)ポリエポキシドとα、β-不飽和-塩基酸とを反応
させて得られる不飽和エポキシポリエステルに一般式
【0010】
【式2】 (ただし、R 、R 、R はアルキル基である)
Rで示される脂肪酸のモノグリシジルエステルを反応さ
せて得られる樹脂組成物10〜70重量部 (B)スチレン及びその誘導体10〜70重量部 (C)平均粒径20μm以下の二酸化ケイ素5〜70重
量部、 (D)一次粒子の平均粒径が500nm以下の疎水性二
酸化ケイ素0.001〜10重量部、 (E)チタネート系カップリング剤0〜1重量部を含有
してなる電気機器絶縁処理用樹脂組成物に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる(A)成分
は、ポリエポキシドとα、β-不飽和-塩基酸を反応させ
て、樹脂酸価を10〜20とし、ついで脂肪酸のモノグ
リシジルエステルを反応させて樹脂酸価が10以下の樹
脂組成物を含有する。不飽和エポキシエステルの製造条
件には制限が無く、例えば、触媒を用いて100℃〜1
20℃で、5〜10時間反応させて合成される。本発明
に用いられるエポキシドとは、分子あたり1個以上のエ
ポキシ基を含有する化合物で、多価アルコールもしく
は、多価フェノールのグリシジルポリエーテル、エポキ
シ化脂肪酸もしくは、乾性油酸、エポキシジオレフィ
ン、エポキシ化ジ不飽和酸のエステル、エポキシ化飽和
ポリエステル等がある。α、β-不飽和-塩基酸として
は、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸等があり、
併用してもさしつかえない。脂肪酸のモノグリシジルエ
ステルとしては、式
【0012】
【式3】 (ただし、R 、R 、R はアルキル基である)
で示されるもので、例えばカジュ−ラE(シェル化学、
エポキシ当量240〜250)がある。付加触媒として
は、塩化亜鉛、塩化リチウムなどのハロゲン化物、ジメ
チルサルファイト、メチルフェニルサルファイトなどの
サルファイト類、ジメチルスルホキサイド、メチルスル
ホキサイド、メチルエチルスルホキサイドなどのスルホ
キサイド類、N−Nジメチルアニリン、ピリジン、トリ
エチルアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの3級アミ
ン及びその塩基酸または臭酸塩、テトラメチルアンモニ
ウムクロライド、トリメチルドデシルベンジルアンモニ
ウムクロライドなどの4級アンモニウム塩、パラトルエ
ンスルホン酸などのスルホン酸類、エチルメルカプタ
ン、プロピルメルカプタンなどのメルカプタン類などが
用いられる。不飽和エポキシエステルと脂肪酸のモノグ
リシジルエステルとの反応は、不飽和エポキシエステル
100重量部に対して脂肪酸のモノグリシジルエステル
を3〜30重量部させることが好ましく、特に条件につ
いては制限しない。
【0013】本発明に用いられる(B)成分の架橋性モ
ノマーは、スチレン及びその誘導体が用いられる。スチ
レン以外にも、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、
ターシャリーブチルスチレン、ジビニルベンゼン、各種
アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステ
ル、各種アリルエステル、各種アリルエーテル等が挙げ
られる。架橋性モノマーの使用量は、(A)成分10〜
70重量部に対して70〜10重量部の範囲とされる。
【0014】本発明に用いられる(C)成分の平均粒径
20μm以下の二酸化ケイ素は、電気機器を運転すると
きの放熱性を向上させることを主な目的として配合され
る。放熱性の観点からは配合量が多い程よいが、この配
合量が多くなると電気絶縁用樹脂組成物の粘度及び揺変
度が高くなり、含浸性が低下する。このことから、
(A)成分の不飽和エポキシエステル、(B)成分のス
チレン及びその誘導体の総量を100重量部とすると
き、(C)成分の平均粒径20μm以下の二酸化ケイ素
は70重量部を超えない範囲であるのが好ましく、50
重量部を超えない範囲であるのがより好ましい。また、
放熱性を向上させるためには、平均粒径20μm以下の
二酸化ケイ素を10重量部以上配合するのが好ましい。
平均粒径20μm以下の二酸化ケイ素の配合量が10重
量部未満であると熱伝導性が低くなり放熱性が低下する
傾向がある。
【0015】本発明に用いられる(D)成分の一次粒子
の平均粒径が500nm以下の疎水性二酸化ケイ素は、
長期保管後に沈降した(C)成分の二酸化ケイ素がハー
ドケーキとはならずに再分散が容易に出来る事を主な目
的として配合される。長期保管後に沈降した二酸化ケイ
素の再分散性の容易化の観点からは配合量が多い程よい
が、この配合量が多くなると電気絶縁用樹脂組成物の粘
度及び揺変度が高くなり、含浸性が低下する。このこと
から、(A)成分の不飽和エポキシエステル、(B)成
分のスチレン及びその誘導体、(C)成分である平均粒
径20μm以下の二酸化ケイ素の総量を100重量部と
するとき、(D)成分の一次粒子の平均粒径が500n
m以下の疎水性二酸化ケイ素は10重量部を超えない範
囲であるのが好ましく、5重量部を超えない範囲である
のがより好ましい。また、長期保管後に沈降した二酸化
ケイ素の再分散性の容易化の観点からは、(D)成分で
ある一次粒子の平均粒径が500nm以下の疎水性二酸
化ケイ素は0.001重量部以上配合するのが好まし
い。一次粒子の平均粒径が500nm以下の疎水性二酸
化ケイ素の配合量が0.001重量部未満であると、長
期保管後に沈降した二酸化ケイ素がハードケーキとな
り、再分散が困難となる傾向がある。
【0016】一次粒子の平均粒径が500nm以下の疎
水性二酸化ケイ素としては、表面処理を行っていない二
酸化ケイ素の表面をオクチルシラン、ジメチルジクロロ
シラン、ジメチルシリコーンオイルまたはヘキサメチル
ジシラザン等を用いて化学処理を行い、表面を疎水性に
したものを用いる事が出来る。
【0017】本発明に用いられる(E)成分のチタン系
カップリング剤は、二酸化ケイ素の添加により高くなっ
た粘度及び揺変度の低下を目的に配合される。粘度及び
揺変度の低下の観点からは配合量が多いほど粘度及び揺
変度は低下するが、この配合量が多くなると粘度が低く
なりすぎて、(C)成分の平均粒径20μm以下の二酸
化ケイ素の沈降速度が速くなり、長期保管後に沈降した
二酸化ケイ素がハードケーキとなり、再分散が困難とな
る傾向がある。また、配合量が少なすぎると粘度及び揺
変度の低下に効果がなく、コイルへの含浸性が低下する
傾向がある。
【0018】このことから、チタン系カップリング剤の
配合量としては、0.01〜1重量部の範囲で、特に、
0.05〜0.5重量部の範囲が好ましい。チタン系カ
ップリング剤としては、チタニウムステアレート、ジ−
i−プロキシチタン ジイソステアレート、(2―n−
ブトキシカルボニルベンゾイルオキシ)トリブトキシチ
タン、2−エチルヘキサノイルオキシトリ(2−プロポ
キシ)チタン(いずれも日本曹達株式会社製)等を用い
ることができる。
【0019】本発明になる電気機器絶縁処理用樹脂組成
物には、硬化剤として、例えばベンゾインパーオキサイ
ド、アセチルパーオキサイド等のアシルパーオキサイ
ド、ターシャリブチルパーオキサイド、キュメンヒドロ
パーオキサイド等のヒドロパーオキサイド、メチルエチ
ルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサ
イド等のケトンパーオキサイド、ジターシャリブチルパ
ーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等のジアルキル
パーオキサイド、ターシャリブチルパーオキシアセテー
ト等のオキシパーオキサイドなどを用いる。硬化剤の添
加量としては、(A)成分、(B)成分、(C)成分、
(D)成分及び(E)成分の総量100重量部に対して
0.1〜5重量部が好ましい。
【0020】また、必要に応じて促進剤及び重合禁止剤
を添加することもできる。促進剤としては、例えばナフ
テン酸マンガン、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、
オクテン酸コバルト等が用いられる。重合禁止剤として
は、例えばハイドロキノン、ターシャリブチルカテコー
ル、P−ベンゾキノン等のキノン類が用いられる。
【0021】本発明の樹脂組成物はエアコン用ファン、
扇風機、洗たく機等のコンデンサーモートル、テレビ、
ステレオ、コンパクトディスクプレーヤー等の電源トラ
ンス等の電気機器の絶縁処理に適用される。
【0022】
【実施例】以下実施例により本発明を説明する。下記例
中の部は、重量部を意味する。 製造例1 不飽和エポキシエステルにモノエポキシドを
反応させることにより得られる樹脂(A−1)の合成 4、4−イソピリデンジフェノールのジグリシジルエー
テル(シェル化学製、EP−828,エポキシ当量18
8)376部、メタクリル酸172部、ベンジルジメチ
ルアミン2部、ハイドロキノン0.05部をしこみ11
5℃で反応させ、樹脂酸価が18の不飽和エポキシエス
テルを合成した。不飽和ポキシエステル100部とカー
ジュラE7部を反応させて樹脂酸価5の生成物を得た。 製造例2 不飽和ポリエステル(A−2)の合成 無水マレイン酸784部、テレフタル酸166部、イソ
フタル酸166部、ジエチレングリコール847部、エ
チレングリコール186部を反応釜に仕込み、窒素ガス
気流中で200〜220℃に昇温させ、次に、ジシクロ
ペンタジエン528部を添加し、以下、常法により脱水
縮合反応させ、酸価が20となったところで冷却した。
【0023】実施例1 不飽和エポキシエステルにモノエポキシドを反応させる
ことにより得られる樹脂(A−1)25部、スチレン3
5部、平均粒径2μmの二酸化ケイ素39部、オクチル
シランで表面処理を行った一次粒子の平均粒径が20n
mの二酸化ケイ素1部、チタニウムステアレート0.1
0部、及びベンゾイルパーオキサイド0.6部を撹拌混
合して電気絶縁用樹脂組成物を調製した。
【0024】実施例2 不飽和エポキシエステルにモノエポキシドを反応させる
ことにより得られる樹脂(A−1)25部、スチレン3
5部、平均粒径2μmの二酸化ケイ素39部、オクチル
シランで表面処理を行った一次粒子の平均粒径が20n
mの二酸化ケイ素1部及びベンゾイルパーオキサイド
0.6部を撹拌混合して電気絶縁用樹脂組成物を調製し
た。
【0025】比較例1 不飽和エポキシエステルにモノエポキシドを反応させる
ことにより得られる樹脂(A−1)25部、スチレン3
5部、平均粒径2μmの二酸化ケイ素39部、表面処理
を行わない一次粒子の平均粒径が20nmの二酸化ケイ
素1部、チタニウムステアレート0.10部、及びベン
ゾイルパーオキサイド0.6部を撹拌混合して電気絶縁
用樹脂組成物を調製した。
【0026】比較例2 不飽和エポキシエステルにモノエポキシドを反応させる
ことにより得られる樹脂(A−1)25部、スチレン3
5部、平均粒径2μmの二酸化ケイ素39部、表面処理
を行わない一次粒子の平均粒径が20nmの二酸化ケイ
素1部及びベンゾイルパーオキサイド0.6部を撹拌混
合して電気絶縁用樹脂組成物を調製した。
【0027】比較例3 不飽和エポキシエステルにモノエポキシドを反応させる
ことにより得られる樹脂(A−1)25部、スチレン3
5部、平均粒径2μmの二酸化ケイ素40部、チタニウ
ムステアレート0.10部、及びベンゾイルパーオキサ
イド0.6部を撹拌混合して電気絶縁用樹脂組成物を調
製した。
【0028】比較例4 不飽和エポキシエステルにモノエポキシドを反応させる
ことにより得られる樹脂(A−1)25部、スチレン3
5部、平均粒径2μmの二酸化ケイ素40部及びベンゾ
イルパーオキサイド0.6部を撹拌混合して電気絶縁用
樹脂組成物を調製した。
【0029】比較例5 不飽和ポリエステル(A−2)25部、スチレン35
部、平均粒径2μmの二酸化ケイ素39部、オクチルシ
ランで表面処理を行った一次粒子の平均粒径が20nm
の二酸化ケイ素1部、チタニウムステアレート0.10
部、及びベンゾイルパーオキサイド0.6部を撹拌混合
して電気絶縁用樹脂組成物を調製した。
【0030】得られた電気絶縁用樹脂組成物について、 (1) 粘度及び揺変度 (2) 二酸化ケイ素の沈降性 (3) 沈降した二酸化ケイ素の状態 (4) 沈降した二酸化ケイ素の再分散性 (5) 熱伝導率 (6) トランス運転時の温度上昇 (7) 含浸性 (8) ツイストペアを用いた耐環境負荷 を調べた。 その結果を表1に示す。
【0031】なお、これら特性の試験方法は、以下の通
りである。 (1)粘度及び揺変度:JIS C 2105に準じて測
定した。 (2)二酸化ケイ素の沈降性:直径18mmの試験管中に
ワニスを100mmの高さに入れ、常温で所定期間保管
後、ワニス全体の高さに対する二酸化ケイ素の高さを測
定した。 (3)沈降した二酸化ケイ素の状態:直径60mmのマヨ
ネーズ瓶にワニスを100mmの高さに入れ、常温で所
定期間保管後、直径3mm、高さ200mmのガラス棒
を落下させ、ガラス棒がマヨネーズ瓶の底まで到達する
か否かを試験した。ガラス棒がマヨネーズ瓶の底まで到
達した場合をハードケーキ無し、ガラス棒がマヨネーズ
瓶の底まで到達しなかった場合をハードケーキ有りと判
断した。 (4)沈降した二酸化ケイ素の再分散性:直径300mm
のぺ−ル缶にワニスを200mmの高さに入れ、常温で
所定期間保管後、直径20mmの十字型4枚羽根をぺ−
ル缶の中心に、高さは底から100mmにセットし、回
転数1000回転/分の速度で1時間攪拌させ、目視に
より、沈降した二酸化ケイ素が分散出来た場合を再分散
可能、 沈降した二酸化ケイ素が分散出来ない場合を再
分散不可能と判断した。
【0032】(5)熱伝導率:直径50mm、厚さ10mmの
円盤状の金型内に電気絶縁用樹脂組成物を注型し、温度
150℃で3時間硬化させて試験片を作製し、熱伝導率
測定装置(ダイナテック株式会社製、シーマテック(商
品名))を用いて測定した。 (6)トランス運転時の温度上昇 コア寸法が83mm×80mm×50mmのトランスのコア内
部に温度センサーを付け、電気絶縁用樹脂組成物を、室
温、133hPaの減圧下に注入し、温度160℃で3時
間硬化させた。冷却後、トランスの温度を測定し、10
0Vの電圧を2時間印加した後の温度を再び測定し、電
圧印加前後の温度差から、温度上昇を求めた。 (7) 含浸性 (6)項のトランス運転時の温度上昇で電気絶縁処理した
トランスの二次側コイルを切断し、コイル断面のエナメ
ル線間を実体顕微鏡で観察し、樹脂組成物の含浸状態を
評価した。 (8) ツイストペアを用いた耐環境負荷 直径1.0mmの1EIWを用いてツイストペアを作製
する。この試験片を、120℃/10分間予熱し、指定
した電気絶縁用樹脂組成物に2分間浸漬した後、引き上
げる。15分間放置後、130℃/2時間加熱乾燥させ
る。更に、この試験片を反転させ、同様に、1回目の処
理に用いた電気絶縁用樹脂組成物で、2回目の処理を行
った。これを、耐環境負荷用試験片とする。耐環境試験
は、指定した薬剤に、耐環境負荷用試験片を浸漬させ、
密閉系で25℃で所定期間放置した後、取り出し、絶縁
破壊電圧を測定した。薬剤は、30%硫酸水溶液及び1
%水酸化ナトリウム水溶液を用いた。
【0033】表1から本発明の実施例になる電気絶縁用
樹脂組成物は、不飽和エポキシエステルを更にモノエポ
キシドと反応させることにより得られた樹脂組成物に、
スチレン及びその誘導体、平均粒径20μm以下の二酸
化ケイ素、一次粒子の平均粒径が500nm以下の疎水
性二酸化ケイ素及びチタネート系カップリング剤を混合
することによって、熱放散性に優れた電気機器の製造が
可能となると共に、長期保管後に樹脂組成物中の二酸化
ケイ素が沈降してもハードケーキにならず、再分散が可
能であり、生産性を損なうことなく、電気絶縁処理がで
きる。また、耐環境負荷が優れており、屋外で使用され
る電機機器の信頼性向上に寄与出来る。更に、電気機器
への含浸性が良好のため、運転時の電気機器の熱放散性
が良好であり、電気機器の温度上昇を低減できる。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明になる電気機器絶縁用樹脂組成物
は、電気機器に含浸させて絶縁処理することによって、
熱放散性に優れた電気機器の製造が可能となると共に、
長期保管後に樹脂組成物中の二酸化ケイ素が沈降しても
ハードケーキにならず、再分散が可能であり、生産性を
損なうことなく、電気絶縁処理ができる。また、耐環境
負荷が優れており、屋外で使用される電機機器の信頼性
向上に寄与出来る。更に、電気機器への含浸性が良好の
ため、運転時の電気機器の熱放散性が良好であり、電気
機器の温度上昇を低減できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリエポキシドとα、β-不飽和-塩
    基酸とを反応させて得られる不飽和エポキシポリエステ
    ルに一般式 【式1】 (ただし、R 、R 、R はアルキル基である)
    Rで示される脂肪酸のモノグリシジルエステルを反応さ
    せて得られる樹脂組成物10〜70重量部 (B)スチレン及びその誘導体10〜70重量部 (C)平均粒径20μm以下の二酸化ケイ素5〜70重
    量部、 (D)一次粒子の平均粒径が500nm以下の疎水性二
    酸化ケイ素0.001〜10重量部、 (E)チタネート系カップリング剤0〜1重量部を含有
    してなる電気機器絶縁処理用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電気絶縁用樹脂組成物を
    用いて電気絶縁処理されてなる電気機器
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