JP2002183912A - 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及び該磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果型磁気ヘッド及び該磁気ヘッドの製造方法

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JP2002183912A
JP2002183912A JP2000376352A JP2000376352A JP2002183912A JP 2002183912 A JP2002183912 A JP 2002183912A JP 2000376352 A JP2000376352 A JP 2000376352A JP 2000376352 A JP2000376352 A JP 2000376352A JP 2002183912 A JP2002183912 A JP 2002183912A
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Atsuko Tanaka
温子 田中
Matahiro Komuro
又洋 小室
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極間隔を決定するためのホトレジストパタ
ーンを形成する時点で下地パターンの段差が大きいと、
安定的な狭トラック形成が不可能となる事、磁気抵抗効
果膜をエッチングでパターンニングする時のオーバーエ
ッチングによって、下部絶縁膜の膜厚が薄くなり、絶縁
耐圧が悪化する事。 【解決手段】 磁気抵抗効果膜30の最上面と磁区制御
膜50の最上面と保護絶縁膜40の最上面が同一平面上
にあるように、オーバーエッチング量及びデポ膜厚を制
御することにより、リードヘッドのトラック幅形成にお
けるホトレジストパターン形成時の下地の段差をなくす
もの。また磁区制御膜50の下に、積層された磁気抵抗
効果膜30のうち外部磁気記録媒体からの磁界により磁
化方向が変化する第一の強磁性層が存在せず、前記第一
の強磁性層以外の磁化方向が固定された第二の強磁性層
または密着層、磁歪制御層、分離層等の層膜厚の一部分
を存在させること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気媒体から情報
信号を読み取るための磁気抵抗効果型磁気ヘッド及び該
磁気ヘッドの製造方法に係り、特に静電気による絶縁層
の破壊を防止し且つ電極層形成における電極間隔の狭小
化を安定的に可能にする構造を有する磁気抵抗効果型磁
気ヘッド及び該磁気ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の磁気抵抗効果型磁気ヘッドとし
て、例えば特開平4−358310号公報に記載されているよ
うに、巨大磁気抵抗効果を利用したスピンバルブヘッド
が提案されている。このスピンバルブヘッドは、磁気抵
抗効果膜として、磁気記録媒体からの磁界により磁化方
向が変化する第一の強磁性層と、磁化方向が固定された
第二の強磁性層と、前記第一及び第二の強磁性層との間
に挟まれた非磁性導体層とから構成され、第二の強磁性
層がその磁化方向を固定する反強磁性層もしくは永久磁
石層が積層された構成となっている。
【0003】このスピンバルブヘッドの磁区制御方式と
しては、例えば特開平3−125311号公報に記載されてい
る如く、異方性磁気抵抗効果を利用したハードバイアス
方式が知られている。このハードバイアス方式とは、磁
気抵抗効果膜の感磁部を残して両端部を切り落とし、そ
の磁気抵抗効果膜の両端部に永久磁石膜を配置し、永久
磁石膜の作る磁界によって感磁部を単一の磁区状態に保
つものである。
【0004】このハードバイアス方式のスピンバルブヘ
ッドは、磁区制御膜の強さによっては再生波形の歪みが
生じたり、再生出力が低下したりすることがあるため、
特開平9−282618号公報に記載されている如く、電極膜
の相対抗する端部が磁気抵抗効果膜の幅方向の端部位置
に比べて内側に配置された、電極内決め方式を採用する
ことにより、磁区制御膜の強さにかかわらず、磁気抵抗
効果膜からバルクハウゼンノイズの発生を抑制すること
ができ、出力を高く保つことが知られている。
【0005】一方、磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、磁気
抵抗効果膜の周囲をオーバーミリングする際に下部ギャ
ップ膜が薄くなり絶縁耐圧性が低下することを防止する
ため、例えば特開平7−296333号公報に記載されている
ように、磁気抵抗効果膜をイオンミリングして磁気抵抗
効果膜の感磁部を形成する際に、オーバーミリングされ
た領域に保護絶縁膜を設けることが知られている。
【0006】また、このような磁気抵抗効果型薄膜磁気
ヘッドに関する技術が記載された他の文献としては、特
開平11-175922号公報及び特開平7-57220号公報が挙げら
れる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述の電極内決め方式
を採用した実際の磁気ヘッドの製造は、磁気抵抗効果膜
を成膜した後、磁気抵抗効果膜の感磁部の再生トラック
幅と垂直に交わる方向の幅を決定するためにホトレジス
トパターンを形成し、次いでイオンミリングでエッチン
グし、この際、オーバーエッチングによる下部ギャップ
膜の絶縁耐圧性の低下を防止するために前述の如く保護
絶縁膜を形成し、次に磁区制御膜を形成するために磁区
制御膜パターン部分の磁気抵抗効果膜をイオンミリング
でエッチングを行っていた。
【0008】この従来技術による磁気ヘッドは、磁気抵
抗効果膜と磁区制御膜との電気的接続を確保するために
前記保護絶縁膜を形成することができず、このため前記
磁区制御膜パターン部分の磁気抵抗効果膜をイオンミリ
ングでエッチングする際にオーバーエッチングが発生
し、これによって下部ギャップ膜の絶縁耐圧性が悪化し
てしまうと言う不具合があった。
【0009】また従来技術による磁気ヘッドは、次工程
で電極間隔を決定するためのホトレジストパターンを形
成する際、その時点で下地パターンとなる磁気抵抗効果
膜と磁区制御膜と保護絶縁膜とのパターン段差が大きく
なるものであった。一般に磁気ヘッドは、磁気ディスク
の狭トラック化に対応して、高精度にパターニングし易
いようホトレジスト膜厚を薄膜化する必要があるが、前
述の下地のパターン段差が大きいために薄膜のホトレジ
ストを均一に塗布することができず、従来技術による磁
気ヘッドは、狭トラック形成が困難であると言う不具合
があった。更に近年の磁気ヘッドは、トラック幅がホト
レジストの露光装置の波長よりも狭くなる傾向にあるた
めプロセス裕度がなく、前記下地パターン段差による直
接光のハレーションやホトレジスト膜厚が均一でないた
めにトラック幅を安定して高精度に形成することが困難
であると言う不具合もあった。
【0010】本発明は、前述の従来技術による不具合を
除去することを目的とし、具体的には磁気抵抗効果型磁
気ヘッドのリードヘッドトラックを形成する際に下地の
段差をなくし、狭トラック対応の磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッド及び該磁気ヘッドの製造方法を提供することを第1
の目的とし、磁気抵抗効果膜をエッチングでパターンニ
ングする際のオーバーエッチングによる絶縁耐圧の悪化
を防止することができる磁気抵抗効果型磁気ヘッド及び
該磁気ヘッドの製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記第1及び第2の目的
を達成するため本発明は、下部シールド膜と上部シール
ド膜の間に、少なくとも磁気抵抗効果或いは巨大磁気抵
抗効果を有する薄膜を含む磁気抵抗効果膜と、前記磁気
抵抗効果膜に縦バイアス磁界を与える磁区制御膜と、前
記磁気抵抗効果膜に検知電流を供給する電極膜と、磁気
媒体との対向部分において前記磁気抵抗効果膜と下部シ
ールド層との間にある下部絶縁膜と、前記磁気抵抗効果
膜と上部シールド層との間にある上部絶縁膜とを有する
磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、 前記磁気抵抗効
果膜と磁区制御膜とのパターン段差部を覆い前記磁気抵
抗効果膜と前記上下シールド膜との絶縁を確保するため
の保護絶縁膜を有し、前記電極膜の一部が前記磁気抵抗
効果膜もしくは前記磁区制御膜上に積層され、前記電極
膜の電極間隔が前記磁気抵抗効果膜の幅よりも狭く形成
され、前記磁気抵抗効果膜の最上面と前記磁区制御膜の
最上面と前記保護絶縁膜の最上面が同一平面上にあるこ
とを第1の特徴とする。
【0012】また本発明は、前記第2の目的を達成する
ため下部シールド膜と上部シールド膜の間に、少なくと
も磁気抵抗効果或いは巨大磁気抵抗効果を有する薄膜を
含む磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜に縦バイア
ス磁界を与える磁区制御膜と、前記磁気抵抗効果膜に検
知電流を供給する電極膜と、磁気媒体との対向部分にお
いて前記磁気抵抗効果膜と下部シールド層との間にある
下部絶縁膜と、前記磁気抵抗効果膜と上部シールド層と
の間にある上部絶縁膜とを有する磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッドにおいて、前記磁気抵抗効果膜と磁区制御膜とのパ
ターン段差部を覆い前記磁気抵抗効果膜と前記上下シー
ルド膜との絶縁を確保するための保護絶縁膜を有し、前
記電極膜の一部が前記磁気抵抗効果膜もしくは前記磁区
制御膜上に積層され、前記電極膜の電極間隔が前記磁気
抵抗効果膜の幅よりも広く形成され、前記磁気抵抗効果
膜の最上面と前記磁区制御膜の最上面と前記保護絶縁膜
の最上面が同一平面上にあることを第2の特徴とする。
【0013】更に本発明は、下部シールド膜と上部シー
ルド膜の間に、少なくとも磁気抵抗効果或いは巨大磁気
抵抗効果を有する薄膜を含む磁気抵抗効果膜と、前記磁
気抵抗効果膜に縦バイアス磁界を与える磁区制御膜と、
前記磁気抵抗効果膜に検知電流を供給する電極膜と、磁
気媒体との対向部分において前記磁気抵抗効果膜と下部
シールド層との間にある下部絶縁膜と、前記磁気抵抗効
果膜と上部シールド層との間にある上部絶縁膜とを有す
る磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、 前記磁気抵抗
効果膜と磁区制御膜とのパターン段差部を覆い前記磁気
抵抗効果膜と前記上下シールド膜との絶縁を確保するた
めの保護絶縁膜を有し、前記電極膜の一部が前記磁気抵
抗効果膜もしくは前記磁区制御膜上に積層され、前記電
極膜の電極間隔が前記磁気抵抗効果膜の幅と同等幅に形
成され、前記磁気抵抗効果膜の最上面と前記磁区制御膜
の最上面と前記保護絶縁膜の最上面が同一平面上にある
ことを第3の特徴とする。
【0014】更に本発明は、前記各特徴の何れかに記載
の磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、磁区制御膜の下
に、積層された磁気抵抗効果膜のうち外部磁気記録媒体
からの磁界により磁化方向が変化する第一の強磁性層が
存在せず、前記第一の強磁性層以外の反強磁性層等の層
膜厚の一部分が存在することを第4の特徴とする。
【0015】更に本発明による磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ドの製造方法は、 前記磁気抵抗効果膜と磁区制御膜と
のパターン段差部を覆い前記磁気抵抗効果膜と前記上下
シールド膜との絶縁を確保するための保護絶縁膜を設け
る工程と、前記電極膜の一部を前記磁気抵抗効果膜もし
くは前記磁区制御膜上に積層する工程と、前記電極膜の
電極間隔を前記磁気抵抗効果膜の幅よりも狭く又は広く
又は同等幅に形成する工程とにより、前記磁気抵抗効果
膜の最上面と前記磁区制御膜の最上面と前記保護絶縁膜
の最上面とを同一平面上にすることを第5の特徴とす
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態による
磁気抵抗効果型磁気ヘッド及び該磁気ヘッドの製造方法
を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態
による磁気抵抗効果型磁気ヘッドの再生ヘッド部の磁気
媒体対抗面から見た構成図であり、図2は磁気抵抗効果
型磁気ヘッドの再生ヘッド部分の形成プロセスを説明す
るための図である。
【0017】本実施形態による磁気抵抗効果型磁気ヘッ
ドの再生ヘッド部は、図1(a)に示す如く、基板(図
示せず)上に形成された下部シールド膜10及び下部ギ
ャップ膜20と、該下部ギャップ膜20上に形成され、
磁気ディスクからの外部磁界に応じて抵抗値が変化する
磁気抵抗効果膜30と、該磁気抵抗効果膜30を保護す
る保護絶縁膜40と、磁界によって磁気抵抗効果膜30
の感磁部を単一の磁区状態に保つための磁区制御膜50
と、磁気抵抗効果膜30にセンス(検知)電流を導くた
めの電極膜60と、これらを絶縁するための上部ギャッ
プ膜70及び上部シールド膜80等とから構成されてい
る。
【0018】前記磁気抵抗効果膜30は、図1(b)に
拡大して示す如く、下地との密着性を高める下地層31
と、磁化方向が固定された固定層33と、該固定層33
の磁化方向を決定する反強磁性層32と、該固定層33
と自由層35に挟まれた非磁性導体膜である分離層34
と、磁気記録媒体からの磁界により磁化方向が変化する
自由層35と、スピンフィルタ層36と、これらを保護
する保護層37等とから構成されている。
【0019】次に、この様に構成された磁気抵抗効果型
磁気ヘッドの再生ヘッド部分の製造工程を図2を参照し
て説明する。図2(a)〜(h)は、本実施形態による
磁気ヘッドの再生ヘッド部分の製造プロセス図を示す図
であり、この工程は次(a)〜(h)の通りである。 (a)Al2O3等の非磁性絶縁材料の下地(図示せず)上
に、NiFe、CoNbZr等の軟磁性膜である下部シールド膜1
0をスパッタ、めっき等で形成する。この下部シールド
膜10の形成方法は、前記めっきのみに限ることなく、
任意のホトレジストパターンでエッチングを行ってパタ
ーンを形成したり、または、めっきによって下部シール
ド膜を形成する時の一つの方法として、任意のホトレジ
ストパターンのフレームを形成してからめっきを行うこ
とによるフレームめっき法でパターン形成を行う方法に
よっても良い。
【0020】次に本工程は、下部シールド膜10のパタ
ーン段差を解消するために、平坦化工程を行う。この平
坦化処理を行う理由は、下部シールド膜10の段差が1
〜3μm程度あるため、後工程で説明する再生ヘッドのト
ラック幅形成のためのホトレジストを塗布する際にホト
レジスト膜厚の不均一化を生じさせ、安定的なトラック
幅の形成が困難となってしまうからである。
【0021】(b)次に本工程は、前記平坦化工程を経
た下部磁気シールド膜10の上にAl2O3、SiO2等の絶縁
材料からなる下部ギャップ膜20を形成する。 (c)下部ギャップ膜20の上に、再生ヘッドの感磁部
となる磁気抵抗効果膜30を成膜する。ここで再生ヘッ
ドのトラック幅を先に形成する方法をとる場合には、下
地膜がほぼ平坦であるためホトレジスト工程において狭
トラック化に対する大きな障害が生じない。しかし、従
来では磁気抵抗効果膜30を成膜後、磁気抵抗効果膜3
0の感磁部のトラック幅方向に垂直に交わる方向である
磁気抵抗効果膜30の感磁部の高さを決定する場合、そ
の後の再生ヘッドのトラック幅を決定するために磁気抵
抗効果膜30の両端を削るホトレジスト工程において、
下地膜31に段差が生じ、狭トラック幅形成において安
定的なホトレジストパターンを形成することが困難であ
った。そこで、本実施形態では以下に示すプロセスをと
ることにより、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの再生ヘッド
のトラック幅を形成するためのホトレジストパターンを
狭トラック化に対応した高精度で安定的に形成する。
【0022】(d)このプロセスは、まず、磁気抵抗効
果膜30上に磁気抵抗効果膜の感磁部のトラック幅方向
に垂直に交わる方向である磁気抵抗効果膜30の感磁部
の高さを決定するためのホトレジストパターンを形成
し、イオンミリング等で磁気抵抗効果膜の両端をエッチ
ングをする。このエッチングは、積層された磁気抵抗効
果膜両端の全層を完全にエッチングする必要があるた
め、下地の下部ギャップ膜20をオーバーエッチングし
てしまう可能性がある。そのためホトレジストを剥離す
る前に、磁気抵抗効果膜30両端をエッチングした部分
に保護絶縁膜40を成膜し、下部ギャップ膜20の絶縁
性を確保する。この保護絶縁膜40の膜厚は、積層され
た磁気抵抗効果膜全層の膜厚と、前記のオーバーエッチ
ングにより下部ギャップ膜厚がエッチングされた膜厚と
を足し算した膜厚とほぼ同等とする。即ち、本プロセス
により保護絶縁膜40の形成後は、磁気抵抗効果膜の膜
厚方向の高さと保護絶縁膜の膜厚方向の高さが基板平面
を基準として同等になり、磁気抵抗効果膜の最上面と保
護絶縁膜の最上面とがほぼ同一平面上にあるようにみえ
る。
【0023】(e)次に本工程は、磁気抵抗効果膜30
の両端部に永久磁石膜を配置し、永久磁石膜の作る磁界
によって感磁部を単一の磁区状態に保つための磁区制御
膜50を形成する。特に本実施形態においては、電極膜
を後工程で成膜し、再生ヘッドのトラック幅を決定する
ためのホトレジスト工程が磁区制御膜のパターニングと
別工程となる場合には、この磁区制御膜50の最上面と
前記磁気抵抗効果膜30の最上面と前記保護絶縁膜の最
上面とがほぼ同一平面上にする。これが本発明の第1の
特徴である。
【0024】前記磁気抵抗効果膜30の膜厚および磁区
制御膜50の膜厚は磁気抵抗効果型磁気ヘッドの磁気特
性上から決定される値であり、ヘッド形成のプロセスか
ら決定することはできない。しかし、磁気抵抗効果膜3
0と磁区制御膜50の最上面を同等の高さにするため
に、膜厚の小さい磁区制御膜の下部に膜厚の小さい分相
当の膜厚のかさあげをすることにより解決できる。実際
の方法は、磁気抵抗効果膜30上に磁区制御膜パターン
以外の部分にホトレジストを形成し、磁区制御膜パター
ン部の磁気抵抗効果膜30をイオンミリング等でエッチ
ングをする。
【0025】この際、積層された磁気抵抗効果膜30の
うち磁区制御膜50の働きが必要な層は完全にエッチン
グを行うが、下部に位置する層はエッチングせずに磁区
制御膜の下部に残す方法によって可能である。図1にお
いて、磁気抵抗効果膜30のうち、磁区制御膜の働きが
必要な層は、外部磁気記録媒体からの磁界により磁化方
向が変化する自由層35であり、その下に積層された固
定層の磁化方向を決定する反強磁性層32は必ずとも磁
区制御膜の働きが必要ではない。
【0026】これは、図2(e)を拡大した図3に示す
如く、図3(a)の磁区制御膜50の下に、積層された
磁気抵抗効果膜30のうち外部磁気記録媒体からの磁界
により磁化方向が変化する第一の強磁性層が存在せず、
前記第一の強磁性層以外の磁化方向が固定された第二の
強磁性層又は第二の強磁性層の磁化方向を固定する、図
3(b)に示す反強磁性層32、下地層31、分離層3
4等の層膜厚の一部分が存在する構造となる。これが本
発明の第2の特徴である。本実施形態は、前記方法を採
用することにより、磁区制御膜50のパターンで磁気抵
抗効果膜30をエッチングするときに、磁気抵抗効果膜
30を完全にエッチングする必要がなくなり、下部絶縁
膜へのオーバーエッチングによる絶縁耐圧性の低下の心
配がなくなる。尚、図3中の図2と同じ符号を付したも
のは図1のものと同一のものを示すため説明を省略す
る。このように本実施形態においては、磁気抵抗効果膜
30を磁区制御膜50のパターンでエッチングする時
に、磁気抵抗効果膜30の中でも上部に位置する自由層
35を完全にエッチングするが、下部に位置する反強磁
性層32はエッチングせずに磁区制御膜50の下部に残
すものである。
【0027】このことにより磁気抵抗効果膜30の膜厚
と、磁区制御膜50と磁区制御膜50の下部に残された
積層された磁気抵抗効果膜30のうちの一部の膜厚の和
と、保護絶縁膜40の膜厚から下部絶縁膜をオーバーエ
ッチングした膜厚を引いた値とが、ほぼ同等になる。ま
た、磁区制御膜50のパターンで磁気抵抗効果膜30両
端をエッチングする際に、磁気抵抗効果膜30両端を完
全にエッチングする必要がなくなり、下部絶縁膜のオー
バーエッチングによる絶縁耐圧性を防止することができ
る。
【0028】(f)次に本工程は、電極膜60を磁区制
御膜50および磁気抵抗効果膜30と電気的に接続した
状態になるよう成膜し、電極パターンのホトレジストを
形成する。このホトレジストをマスク材として、また
は、別の材料をマスク材として電極膜60を反応性イオ
ンエッチング等でエッチングを行う。この電極膜形成方
法としては、電極膜を成膜する前に電極パターン以外の
部分にレジストパターンを形成し、その後電極膜を成膜
して、リフトオフにより電極パターンを形成する方法も
考えられる。それぞれの場合にも、上述した本実施形態
によれば、下地の段差の影響がなく、再生ヘッドのトラ
ック幅形成のためのホトレジストパターンを狭トラック
化に対応し高精度で安定的に形成し、再生ヘッドの出力
を安定して得ることができる。
【0029】(g)前述の電極膜60が形成された後、
本工程は、その上に上部ギャップ膜70、上部シールド
膜80を形成し、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの再生ヘッ
ドが完成する。
【0030】以上述べた如く本実施形態による磁気ヘッ
ド及びその製造方法は、磁気抵抗効果膜の最上面と磁区
制御膜の最上面と保護絶縁膜の最上面が同一平面上にあ
るようにオーバーエッチング量及びデポ膜厚を制御する
ことにより、リードヘッドのトラック幅形成におけるホ
トレジストパターン形成時の下地の段差をなくすことが
でき、これにより、リードヘッドトラックを形成する際
に下地の段差をなくすことができる。尚、本明細書で述
べる前記同一平面上とは、必ずしも一致した平面である
必要はなく、数十Åの段差は、レジストの膜厚から考え
ると平面と考えられる。また、磁気抵抗効果膜、磁区制
御膜、保護絶縁膜との境目はエッチング及びデポのホト
レジストパターンからのシフトにより、多少の段差が生
じる可能性があるが、ホトレジストの膜厚及び塗布の均
一性から考えると極小部の段差は、狭トラック形成の可
否には大きな影響を及ぼさないことが確認されている。
【0031】更に本実施形態による磁気ヘッド及びその
製造方法は、磁区制御膜の下に、積層された磁気抵抗効
果膜のうち外部磁気記録媒体からの磁界により磁化方向
が変化する第一の強磁性層が存在せず、前記第一の強磁
性層以外の反強磁性層または磁化方向が固定された第二
の強磁性層、下地層、分離層等の層膜厚の一部分が存在
することにより、磁気抵抗効果膜をエッチングでパター
ンニングする際のオーバーエッチングによる絶縁耐圧の
悪化を防止することができる。
【0032】更に本実施形態は、磁区制御膜または電極
膜を形成する際に、磁気抵抗効果膜の全層をエッチング
すると、オーバーエッチングにより絶縁耐圧が悪化して
しまうが、上記の構造をとることにより、磁気抵抗効果
膜のうち、外部磁気記録媒体からの磁界により磁化方向
が変化する第一の強磁性層をエッチングできるが、前記
第一の強磁性層以外の反強磁性層等の層膜厚の一部分を
エッチングしないで残す事ができ、絶縁耐圧の悪化を防
止することができる。
【0033】
【発明の効果】以上述べた如く本発明は、磁気抵抗効果
膜の最上面と磁区制御層の最上面と保護絶縁膜の最上面
とが同一平面上にあるように、オーバーエッチング量及
びデポ膜厚を制御することにより、リードヘッドのトラ
ック幅形成におけるホトレジストパターン形成時の下地
の段差をなくし、磁気抵抗効果型磁気ヘッドの再生ヘッ
ドトラックを狭トラック化に対応して高精度で安定的に
形成できる。
【0034】更に本発明は、本発明は、磁区制御層の下
に、積層された磁気抵抗効果膜のうち外部磁気記録媒体
からの磁界により磁化方向が変化する第一の強磁性層が
存在せず、前記第一の強磁性層以外の磁化方向が固定さ
れた第二の強磁性層または第二の強磁性層の磁化方向を
固定する反強磁性層、下地層、分離層等の層膜厚の一部
分を存在させることにより、磁区制御膜の下部の下部ギ
ャップ膜の絶縁耐圧性を確保し、狭ギャップ化に対応し
た絶縁耐圧性の高い磁気抵抗効果型磁気ヘッドの再生ヘ
ッドを作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による磁気抵抗効果型磁気
ヘッド構造の再生ヘッド部分を磁気媒体対向面から見た
図。
【図2】本実施形態による磁気抵抗効果型磁気ヘッド構
造の再生ヘッド部分の形成プロセスを示す図。
【図3】図2(e)の拡大図であって、磁気抵抗効果型
磁気ヘッド構造の再生ヘッド部分を磁気媒体対向面から
見た図。
【符号の説明】
10:下部シールド膜,20:下部ギャップ膜,30:
磁気抵抗効果膜,31:下地層,32:反強磁性層,3
3:固定層,34:分離層,35:自由層,36:スピ
ンフィルタ層,37:保護層,40:保護絶縁膜,5
0:磁区制御膜,60:電極膜,70:上部ギャップ
膜,80:上部シールド膜。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部シールド膜と上部シールド膜の間
    に、少なくとも磁気抵抗効果或いは巨大磁気抵抗効果を
    有する薄膜を含む磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果
    膜に縦バイアス磁界を与える磁区制御膜と、前記磁気抵
    抗効果膜に検知電流を供給する電極膜と、磁気媒体との
    対向部分において前記磁気抵抗効果膜と下部シールド層
    との間にある下部絶縁膜と、前記磁気抵抗効果膜と上部
    シールド層との間にある上部絶縁膜とを有する磁気抵抗
    効果型磁気ヘッドにおいて、 前記磁気抵抗効果膜と磁区制御膜とのパターン段差部を
    覆い前記磁気抵抗効果膜と前記上下シールド膜との絶縁
    を確保するための保護絶縁膜を有し、 前記電極膜の一部が前記磁気抵抗効果膜もしくは前記磁
    区制御膜上に積層され、前記電極膜の電極間隔が前記磁
    気抵抗効果膜の幅よりも狭く形成され、 前記磁気抵抗効果膜の最上面と前記磁区制御膜の最上面
    と前記保護絶縁膜の最上面が同一平面上にあることを特
    徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 下部シールド膜と上部シールド膜の間
    に、少なくとも磁気抵抗効果或いは巨大磁気抵抗効果を
    有する薄膜を含む磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果
    膜に縦バイアス磁界を与える磁区制御膜と、前記磁気抵
    抗効果膜に検知電流を供給する電極膜と、磁気媒体との
    対向部分において前記磁気抵抗効果膜と下部シールド層
    との間にある下部絶縁膜と、前記磁気抵抗効果膜と上部
    シールド層との間にある上部絶縁膜とを有する磁気抵抗
    効果型磁気ヘッドにおいて、 前記磁気抵抗効果膜と磁区制御膜とのパターン段差部を
    覆い前記磁気抵抗効果膜と前記上下シールド膜との絶縁
    を確保するための保護絶縁膜を有し、 前記電極膜の一部が前記磁気抵抗効果膜もしくは前記磁
    区制御膜上に積層され、前記電極膜の電極間隔が前記磁
    気抵抗効果膜の幅よりも広く形成され、 前記磁気抵抗効果膜の最上面と前記磁区制御膜の最上面
    と前記保護絶縁膜の最上面が同一平面上にあることを特
    徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 下部シールド膜と上部シールド膜の間
    に、少なくとも磁気抵抗効果或いは巨大磁気抵抗効果を
    有する薄膜を含む磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果
    膜に縦バイアス磁界を与える磁区制御膜と、前記磁気抵
    抗効果膜に検知電流を供給する電極膜と、磁気媒体との
    対向部分において前記磁気抵抗効果膜と下部シールド層
    との間にある下部絶縁膜と、前記磁気抵抗効果膜と上部
    シールド層との間にある上部絶縁膜とを有する磁気抵抗
    効果型磁気ヘッドにおいて、 前記磁気抵抗効果膜と磁区制御膜とのパターン段差部を
    覆い前記磁気抵抗効果膜と前記上下シールド膜との絶縁
    を確保するための保護絶縁膜を有し、 前記電極膜の一部が前記磁気抵抗効果膜もしくは前記磁
    区制御膜上に積層され、前記電極膜の電極間隔が前記磁
    気抵抗効果膜の幅と同等幅に形成され、 前記磁気抵抗効果膜の最上面と前記磁区制御膜の最上面
    と前記保護絶縁膜の最上面が同一平面上にあることを特
    徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2又は3に記載の磁気抵抗
    効果型磁気ヘッドにおいて、 磁区制御膜の下に、積層された磁気抵抗効果膜のうち外
    部磁気記録媒体からの磁界により磁化方向が変化する第
    一の強磁性層が存在せず、前記第一の強磁性層以外の反
    強磁性層等の層膜厚の一部分が存在することを特徴とす
    る磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 下部シールド膜と上部シールド膜の間
    に、少なくとも磁気抵抗効果或いは巨大磁気抵抗効果を
    有する薄膜を含む磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果
    膜に縦バイアス磁界を与える磁区制御膜と、前記磁気抵
    抗効果膜に検知電流を供給する電極膜と、磁気媒体との
    対向部分において前記磁気抵抗効果膜と下部シールド層
    との間にある下部絶縁膜と、前記磁気抵抗効果膜と上部
    シールド層との間にある上部絶縁膜とを有する磁気抵抗
    効果型磁気ヘッドの製造方法であって、 前記磁気抵抗効果膜と磁区制御膜とのパターン段差部を
    覆い前記磁気抵抗効果膜と前記上下シールド膜との絶縁
    を確保するための保護絶縁膜を設ける工程と、前記電極
    膜の一部を前記磁気抵抗効果膜もしくは前記磁区制御膜
    上に積層する工程と、前記電極膜の電極間隔を前記磁気
    抵抗効果膜の幅よりも狭く又は広く又は同等幅に形成す
    る工程とにより、前記磁気抵抗効果膜の最上面と前記磁
    区制御膜の最上面と前記保護絶縁膜の最上面とを同一平
    面上にすることを特徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘッド
    の製造方法。
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