JP2002181219A - 電磁弁 - Google Patents

電磁弁

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JP2002181219A
JP2002181219A JP2000380377A JP2000380377A JP2002181219A JP 2002181219 A JP2002181219 A JP 2002181219A JP 2000380377 A JP2000380377 A JP 2000380377A JP 2000380377 A JP2000380377 A JP 2000380377A JP 2002181219 A JP2002181219 A JP 2002181219A
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inner diameter
outer diameter
path cross
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JP2000380377A
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Masao Nakayama
雅夫 中山
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大型化や駆動回路の高コスト化を生じることな
く吸引力ピークを高めることのできる電磁弁の提供。 【解決手段】固定子16の内径部16aの磁路断面積S
1と外径部16bの磁路断面積S2とを、S1>S2と
の関係にすることにより、過渡時における固定子16の
外径部16bと内径部16aとの間の磁束密度上昇のア
ンバランス化が抑制される。このことにより、内径部1
6aが飽和磁束密度に達するタイミングが遅れたり、あ
るいは飽和磁束密度に達しなくなる。したがって、固定
子16全体としての吸引力の上昇が鈍化し難くなる。そ
してこのように吸引力の上昇鈍化が防止されるため固定
子16の励磁初期において吸引力のピークを十分に高く
することができる。こうして課題が達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁弁に関する。
特に電磁コイルの内径側に配置された内径部と電磁コイ
ルの外径側に配置された外径部とを有する固定子を備
え、電磁コイルへ通電して固定子を励磁することで、固
定子側へ可動子を吸引して該可動子に連動する弁体を駆
動する電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、 燃費の向上等を図るため、 ガソ
リン式内燃機関のシリンダに燃料噴射弁を設け、燃焼室
内に燃料を直接噴射するシステムが採用されている。
【0003】しかし、このように燃焼室内へ直接燃料を
噴射する場合、特に圧縮行程末期での噴射を考えると、
インテークマニホルド内に燃料を噴射するポート噴射タ
イプの内燃機関と比較して、高圧の雰囲気中へ燃料噴射
を行わなければならない。更に、良好な燃焼のために
は、燃料噴射後における燃焼室内での燃料の移動位置、
燃料の成層状態あるいは霧化状態等を考慮しなくてはな
らず、燃料噴射タイミングや燃料噴射時間において高い
精度が要求される。
【0004】このような筒内燃料噴射システムでは、燃
料噴射弁に供給される燃料圧力を極めて高くすること
で、燃料噴射タイミングや燃料噴射時間の高精度化を実
現する必要がある。そして、このためには 高い燃料圧
力に抗して燃料噴射弁を高速駆動する必要がある。
【0005】このような目的で提案されている燃料噴射
弁としては、例えば特開平11−351039号公報等
に掲載の駆動回路を用いたものが知られている。この駆
動回路では、初期段階で電磁コイルに短時間に高電圧を
印加して固定子による可動子の吸引力にピークを発生さ
せることで燃料噴射弁を高速で開動作させている。ま
た、この従来例では、励磁電流の立ち上がりを一層速め
ることで、吸引力ピークを早期に発生させ、燃料噴射弁
をより高速に開動作させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような吸引力ピー
クを早める改良以外に、吸引力ピーク自体を高めること
も高い燃料圧力に抗して燃料噴射弁を高速駆動させるた
めには必要である。吸引力ピークを高める手法として
は、固定子や可動子の吸引面積を大きくする手法及び電
磁コイルの電流を大きくする手法が考えられる。しか
し、固定子や可動子の吸引面積を大きくする手法では電
磁弁の体格が大きくなり内燃機関などへの搭載性が悪化
する。また電磁コイルの電流を大きくする手法では、電
磁コイルに印加する電圧を大きくしなくてはならず、駆
動回路のコストが大幅に上がるという問題が生じる。
【0007】本発明は、大型化や駆動回路の高コスト化
を生じることなく、吸引力ピークを高めることのできる
電磁弁の提供を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1記載の電磁弁は、電磁コイルの内径側に配置された
内径部と電磁コイルの外径側に配置された外径部とを有
する固定子を備え、電磁コイルへ通電して固定子を励磁
することで、固定子側へ可動子を吸引して該可動子に連
動する弁体を駆動する電磁弁であって、固定子の内径部
の磁路断面積S1と外径部の磁路断面積S2とは、S1
>S2の関係を有することを特徴とする。
【0009】電磁コイルに流れる励磁電流が安定化した
後においては、固定子の内径部の磁路断面積S1と外径
部の磁路断面積S2とは、S1=S2であることが、可
動子の吸引力を最高に維持するために必要である。しか
し、電磁コイルに励磁電流が流れ始める過渡時において
は、S1=S2では初期において最高の吸引力を得られ
ていないことが判明した。
【0010】S1=S2では、励磁電流の立ち上がり時
には、固定子の外径部の磁束密度の上昇に比較して、内
径部の磁束密度の方がより大きく上昇するという現象が
生じる。これは磁束増加時に固定子の表面に渦電流が発
生して固定子内部の磁束密度の上昇を抑制する効果を生
じるが、固定子の外径部よりも内径部の方が表面積が小
さいため、磁束密度の上昇が外径部よりも内径部の方が
大きくなるためと考えられる。
【0011】励磁過渡時における、このような固定子の
外径部と内径部との間の磁束密度上昇のアンバランスに
より、固定子の内径部が早期に飽和磁束密度に達して、
固定子全体としての吸引力の上昇が早期に鈍るという現
象が生じる。そして、このような吸引力の上昇の鈍化の
ために、固定子の励磁初期において吸引力のピークが十
分に高くならないものと考えられる。
【0012】しかし、本発明のごとく、固定子の内径部
の磁路断面積S1と外径部の磁路断面積S2とを、S1
>S2との関係にすることにより、過渡時における固定
子の外径部と内径部との間の磁束密度上昇のアンバラン
スが抑制されて、内径部が飽和磁束密度に達するタイミ
ングが遅れたり、あるいは飽和磁束密度に達しなくな
る。したがって、固定子全体としての吸引力の上昇が鈍
化し難くなる。そして、吸引力の上昇鈍化が防止される
ため固定子の励磁初期において吸引力のピークを十分に
高くすることができる。
【0013】このようにS1>S2と設定することによ
り、電磁弁の大型化や駆動回路の高コスト化を生じるこ
となく、駆動回路により生じる吸引力ピークを高めるこ
とができる。
【0014】請求項2記載の電磁弁では、請求項1記載
の構成において、固定子の内径部の磁路断面積S1と外
径部の磁路断面積S2とは、S1>S2の関係において
電磁コイルに流れる電流の立ち上がり時に吸引力のピー
クが最大になる比率又は該比率近傍に設定されたことを
特徴とする。
【0015】固定子の内径部の磁路断面積S1と外径部
の磁路断面積S2とをS1>S2との関係にする場合に
おいても、S1:S2の比率により、電磁コイルに流れ
る電流の立ち上がり時の吸引力ピークが変化する。した
がって、吸引力ピークが最大になる比率又は該比率近傍
に、磁路断面積S1,S2を設定することにより、電磁
弁の大型化や駆動回路の高コスト化を生じることなく、
駆動回路により生じる吸引力ピークを一層高めることが
できる。
【0016】請求項3記載の電磁弁では、請求項1記載
の構成において、固定子の内径部の磁路断面積S1と外
径部の磁路断面積S2とは、S1>S2の関係において
電磁コイルに流れる電流の立ち上がり時に固定子の内径
部の磁束密度と外径部の磁束密度とが最も近似する比率
又は該比率近傍に設定されたことを特徴とする。
【0017】固定子の内径部の磁路断面積S1と外径部
の磁路断面積S2とをS1>S2との関係にする場合に
おいても、磁束密度のアンバランスの程度が少なくなる
と、電磁コイルに流れる電流の立ち上がり時の吸引力ピ
ークが高い方に変化する。したがって、電磁コイルに流
れる電流の立ち上がり時に固定子の内径部の磁束密度と
外径部の磁束密度とが最も近似する比率又は該比率近傍
に設定することにより、電磁弁の大型化や駆動回路の高
コスト化を生じることなく、駆動回路により生じる吸引
力ピークを一層高くさせることができる。
【0018】請求項4記載の電磁弁では、請求項1〜3
のいずれか記載の構成において、固定子の内径部及び外
径部は、それぞれ先端面が可動子の吸引方向に直交する
面として形成されていることを特徴とする。
【0019】このように固定子の内径部及び外径部の各
先端面を、可動子の吸引方向に直交する面とすることに
より、固定子の内径部と外径部とが共に可動子に対する
吸引力を発生させる。このことから、両吸引力の合力に
より駆動回路により生じる吸引力ピークを高くすること
ができる。
【0020】請求項5記載の電磁弁では、請求項1〜4
のいずれか記載の構成において、電磁コイルへの通電制
御は、通電初期において一時的に定常電圧よりも高圧に
昇圧することを特徴とする。
【0021】このようにすることにより通電初期におい
て、極めて高い吸引力ピーク状態を実現することが可能
となり、電磁弁を極めて高速に開閉動作させることがで
きる。
【0022】請求項6記載の電磁弁では、請求項1〜5
のいずれか記載の構成において、内燃機関の燃焼室内に
直接燃料を噴射する燃料噴射弁の弁駆動機構として用い
られていることを特徴とする。
【0023】直接燃焼室内に燃料を噴射する内燃機関に
おいて、燃料圧力が高圧であっても燃料噴射弁を極めて
高速に開閉動作させることができ、高精度の燃料噴射タ
イミング制御や燃料噴射時間制御を実現できる。
【0024】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1は、上述し
た発明が適用された燃料噴射弁2の要部断面構成図を示
す。この内、(A)は軸方向の切断面で見た断面図、
(B)は(A)におけるX−X線断面図である。本燃料
噴射弁2は、車載用の筒内噴射式ガソリンエンジンに用
いられ、燃焼室内に直接燃料噴射を行わせるための燃料
噴射弁である。尚、燃焼室内に露出されるノズルボディ
4は先端の一部分のみ示している。
【0025】ここで、ノズルボディ4の最先端部4aに
は噴孔4bが、必要な角度に燃料が噴射されるように燃
料噴射弁2の軸方向とは角度を持って形成されている。
噴孔4bはノズルボディ4の内部に形成されたサック4
cを介して高圧燃料が供給される燃料供給路6に接続さ
れている。ノズルボディ4内部に配置された弁体として
のニードル8は、燃料噴射弁2内部の弁駆動機構10に
より駆動されてサック4c部分の周辺をシート部とし
て、燃料噴射弁2の開閉を行っている。
【0026】弁駆動機構10は、電磁コイル12、可動
子14及び固定子16を備えている。この内、可動子1
4にはニードル8が取り付けられ、可動子14とニード
ル8とは一体に移動するように構成されている。また可
動子14は、固定子16の中心孔17に配置されたバネ
部材18により、固定子16の軸方向において固定子1
6から離れる方向に付勢されている。
【0027】固定子16は、小径円筒状の内径部16
a、大径円筒状の外径部16b及びこれら内径部16a
と外径部16bとを基端側にて連絡している中間部16
cを備えている。内径部16aの先端面16dと外径部
16bの先端面16eとは、固定子16の軸方向におけ
る同じ位置に、固定子16の軸方向に直交する面を形成
している。この先端面16d,16eに対向するように
円板状の可動子14が配置されている。なお、可動子1
4はニードル8がノズルボディ4内部でガイドされてい
ることにより、固定子16の軸方向のみに移動可能に支
持されている。
【0028】ここで、固定子16の内径部16aの磁路
断面積S1と、外径部16bの磁路断面積S2とは、S
1>S2の関係に設定されている。ここで電磁コイル1
2は、図2の概略回路図に示す燃料噴射弁駆動回路20
により励磁電流が制御される。すなわち、燃料噴射弁駆
動回路20は、高圧チャージ制御部22、充電コンデン
サC、電流制御部24及びタイミング制御部26を備え
ている。高圧チャージ制御部22および電流制御部24
には12VバッテリBから電磁コイル12の励磁用電力
が供給されている。
【0029】タイミング制御部26が内燃機関制御用の
電子制御ユニットから噴射指令信号を受けると、図3
(A)のタイミングチャートに示すごとく、タイミング
制御部26は、既に高圧チャージ制御部22によって充
電コンデンサCに充電されている高電圧を、電流制御部
24のスイッチング機能によって電磁コイル12に印加
する。
【0030】この時、充電コンデンサCの放電に伴なう
過渡現象により電磁コイル12に流れる電流は、急速に
上昇してピーク値に達する。そして可動子14および固
定子16には図1(A)に破線矢印にて示すごとく磁気
回路が形成されて、固定子16による可動子14の吸引
力もピークに達する。このことにより可動子14が固定
子16側に強力に吸引されるので、ノズルボディ4内外
の差圧に抗して、ニードル8をノズルボディ4から離す
ことができる。こうして燃料噴射弁2が開弁し、噴孔4
bから燃料が燃焼室内に直接噴射される。
【0031】その後、タイミング制御部26は、電流制
御部24に指示して電磁コイル12に対して定常時の開
弁電圧を印加する。このことにより12VバッテリBか
らの保持電流が電磁コイル12に流されて、燃料噴射弁
2の開弁状態が維持される。この保持電流による吸引力
は初期における吸引力ピークよりも小さいが、既にニー
ドル8はノズルボディ4から離れているので、小さい吸
引力でも開弁状態を維持できる。
【0032】そして、燃料噴射量に対応する開弁時間が
経過すると、タイミング制御部26は、電流制御部24
による電磁コイル12への保持電流の供給を停止する。
このことにより固定子16の吸引力は消滅するので、可
動子14はバネ部材18の付勢力により固定子16から
離れ、ニードル8はノズルボディ4に着座して燃料噴射
弁2は閉じられる。こうして燃料噴射は終了する。その
後、タイミング制御部26は高圧チャージ制御部22を
駆動して充電コンデンサCに高電圧を充電し、次の燃料
噴射弁2の開弁に備える。
【0033】尚、上述したごとく燃料噴射弁2を開弁す
るために電磁コイル12に励磁電流を流す場合に初期に
なされる高電圧印加時には、固定子16の内径部16a
に生じる磁束密度のピーク値DHp1と、外径部16b
に生じる磁束密度のピーク値DHp2とは、図3(A)
に示すごとくほぼ同等の値、すなわち最も近似する状態
となる。この図3(A)のタイミングチャートは、固定
子16として電磁SUSを用い、磁路断面積S1と磁路
断面積S2との比率が、S1:S2=1:0.71(≒
3:2)に設定された弁駆動機構10を用いている。
【0034】比較例として、従来のごとく、S1:S2
=1:1に設定した場合のタイミングチャートを図3
(B)に示す。尚、図1(B)に示したごとく中心孔1
7の半径r、外径部16bの外周半径R及び磁路断面積
合計(S1+S2)は、図3(A)の場合と同じであ
る。図3(B)の場合には、燃料噴射弁駆動回路20に
より図3(A)と同一の制御を行っても、内径部16a
の磁束密度のピーク値DHpxの方が、外径部16bの
磁束密度のピーク値DHpyよりも大きくなり、明らか
な差Δhを生じる。そして初期における固定子16によ
る可動子14の吸引力ピークfは、本実施の形態1の場
合の吸引力ピークFよりも低くなる。
【0035】尚、中心孔17の半径r、外径部16bの
外周半径R及び磁路断面積合計(S1+S2)を一定と
して、磁路断面積S1と磁路断面積S2との比率を変え
ることにより生じる吸引力の変化を図4及び図5の実験
データに示す。図4は比率(S1:S2)に応じて変化
するピーク吸引力の大きさを数値で示したものであり、
図5は電磁コイル12の励磁初期における吸引力の時間
変化のタイミングチャートを示したものである。
【0036】ここで、No.1はS1<S2、No.2
はS1=S2、No.3〜5はS1>S2である。この
内、No.1,2は比較例であり、No.3〜5は本発
明の実施例である。図4及び図5から判るように、従来
と同じS1=S2であるNo.2よりも、S1>S2で
あるNo.3〜5の方がピーク吸引力は明らかに大きく
なっている。
【0037】また、No.3〜5とは逆にS1<S2と
したNo.1は、No.2よりも、ピーク吸引力が低下
していることが判る。以上説明した本実施の形態1によ
れば、以下の効果が得られる。
【0038】(イ).従来例のNo.2(S1=S2)
では、励磁電流の立ち上がり時に、固定子16の外径部
16bの磁束密度の上昇に比較して、内径部16aの磁
束密度の方がより大きく上昇するという現象が生じる。
これは磁束増加時に固定子16の表面に渦電流が発生し
て固定子16内部の磁束密度の上昇を抑制する効果を生
じるが、固定子16の外径部16bよりも内径部16a
の方が表面積が小さいため、磁束密度の上昇が外径部1
6bよりも内径部16aの方が大きくなるためと考えら
れる。
【0039】従来例のNo.2(S1=S2)では、励
磁過渡時における、このような固定子16の外径部16
bと内径部16aとの間の磁束密度上昇のアンバランス
により、図6(B)の過渡時磁束密度分布図に示すごと
く、固定子16の内径部16aが早期に飽和磁束密度に
達して、固定子16全体としての吸引力の上昇が早期に
鈍るという現象が生じる。そして、このように吸引力の
上昇鈍化のため、固定子16の励磁初期において吸引力
のピークが十分に高くならない。尚、図6は、弁駆動機
構10の一部のみを示し、磁束密度はハッチングの密度
にて示している。ハッチングの内、クロスハッチングが
飽和磁束密度領域を示している。
【0040】しかし、実施例のNo.3〜5(S1>S
2)では、図6(A)に示すごとく、固定子16の内径
部16aの磁路断面積S1と外径部16bの磁路断面積
S2とを、S1>S2との関係にすることにより、過渡
時における固定子16の外径部16bと内径部16aと
の間の磁束密度上昇のアンバランス化が抑制される。こ
のことにより、内径部16aが飽和磁束密度に達するタ
イミングが遅れたり、あるいは飽和磁束密度に達しなく
なる。したがって、固定子16全体としての吸引力の上
昇が鈍化し難くなる。そしてこのように吸引力の上昇鈍
化が防止されるため固定子16の励磁初期において吸引
力のピークを十分に高くすることができる。
【0041】このように、S1>S2に設定することに
より、燃料噴射弁2の大型化や燃料噴射弁駆動回路20
の高コスト化を生じることなく、吸引力ピークを高める
ことができる。
【0042】(ロ).特に、実施例のNo.4では、固
定子16の内径部16aの磁路断面積S1と外径部16
bの磁路断面積S2とを、S1:S2≒3:2に設定す
ることで、励磁電流の立ち上がり時の吸引力ピークを最
高の状態にしている。
【0043】このように磁路断面積S1,S2の関係
を、吸引力ピークが最大になる比率に設定することによ
り、燃料噴射弁2の大型化や燃料噴射弁駆動回路20の
高コスト化を生じることなく、吸引力ピークを十分に高
めることができる。
【0044】(ハ).また、図6(A)に示したごと
く、固定子16の内径部16aと外径部16bとにおけ
る過渡時の磁束密度のアンバランスを抑制するように、
磁路断面積S1,S2の比率を調整している。このこと
により励磁電流の立ち上がり時の吸引力ピークを高くす
ることができる。したがって燃料噴射弁2の大型化や燃
料噴射弁駆動回路20の高コスト化を生じることなく、
吸引力ピークを十分に高めることができる。
【0045】(ニ).固定子16の内径部16a及び外
径部16bは、それぞれ先端面16d,16eが可動子
14の吸引方向に直交する面として形成されている。こ
のことにより、固定子16の内径部16aと外径部16
bとが共に可動子14に対する吸引力を発生させること
から、その合力により吸引力ピークを高くすることがで
きる。
【0046】[その他の実施の形態] ・前記実施の形態1において、燃料噴射弁駆動回路20
による電磁コイル12へ通電は、通電初期において一時
的に定常電圧よりも高圧に昇圧する制御であった。これ
以外に、単に定常電圧まで昇圧するタイプの電磁弁に用
いても良く、この場合も、電磁弁の大型化や駆動回路の
高コスト化を生じることなく、早期に吸引力を高める効
果を得ることができる。
【0047】・前記実施の形態1の燃料噴射弁2は車載
用の筒内噴射式ガソリンエンジンに適用されたものであ
った。これ以外にも、他の各種内燃機関あるいは他の用
途の内燃機関の燃料噴射弁にも適用できる。更に、この
ような電磁弁は燃料噴射弁以外の電磁弁、例えば、吸気
バルブや排気バルブを電磁駆動するための電磁弁に適用
することができる。この場合も電磁弁を極めて高速に開
閉動作させることができ、高精度の開閉弁タイミング制
御や開閉弁時間制御を実現できる。
【0048】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明の実施の形態には、次のような形態を含む
ものであることを付記しておく。 (1).請求項1記載の構成において、固定子の内径部
の磁路断面積S1と外径部の磁路断面積S2とは、約
3:2の比率に設定したことを特徴とする電磁弁。
【0049】(2).上記(1)記載の構成において、
固定子は電磁SUSにより形成されていることを特徴と
する電磁弁。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1としての燃料噴射弁の要部断面構
成図。
【図2】実施の形態1にて用いられる燃料噴射弁駆動回
路の概略回路図。
【図3】実施の形態1における弁駆動機構の固定子によ
る吸引機能と従来例の固定子による吸引機能とを比較し
て示すタイミングチャート。
【図4】実施例と比較例との形状及び機能の比較説明
図。
【図5】実施例と比較例との励磁初期の吸引力の立ち上
がりを比較するタイミングチャート。
【図6】実施例と比較例との励磁初期における磁束密度
分布説明図。
【符号の説明】
2…燃料噴射弁、4…ノズルボディ、4a…最先端部、
4b…噴孔、4c…サック、6…燃料供給路、8…ニー
ドル、10…弁駆動機構、12…電磁コイル、14…可
動子、16…固定子、16a…内径部、16b…外径
部、16c…中間部、16d,16e…先端面、17…
中心孔、18…バネ部材、20…燃料噴射弁駆動回路、
22…高圧チャージ制御部、24…電流制御部、26…
タイミング制御部、B…12Vバッテリ、C…充電コン
デンサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G066 AA02 AB02 AD07 BA19 BA61 BA67 CC01 CC05U CD30 CE23 CE24 CE25 CE26 CE29 CE34 3H106 DA07 DA13 DA23 DB02 DB12 DB26 DB32 DC02 DC17 DD09 EE04 EE34 EE48 GA13 KK18

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電磁コイルの内径側に配置された内径部と
    電磁コイルの外径側に配置された外径部とを有する固定
    子を備え、電磁コイルへ通電して固定子を励磁すること
    で、固定子側へ可動子を吸引して該可動子に連動する弁
    体を駆動する電磁弁であって、 固定子の内径部の磁路断面積S1と外径部の磁路断面積
    S2とは、S1>S2の関係を有することを特徴とする
    電磁弁。
  2. 【請求項2】請求項1記載の構成において、固定子の内
    径部の磁路断面積S1と外径部の磁路断面積S2とは、
    S1>S2の関係において電磁コイルに流れる電流の立
    ち上がり時に吸引力のピークが最大になる比率又は該比
    率近傍に設定されたことを特徴とする電磁弁。
  3. 【請求項3】請求項1記載の構成において、固定子の内
    径部の磁路断面積S1と外径部の磁路断面積S2とは、
    S1>S2の関係において電磁コイルに流れる電流の立
    ち上がり時に固定子の内径部の磁束密度と外径部の磁束
    密度とが最も近似する比率又は該比率近傍に設定された
    ことを特徴とする電磁弁。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか記載の構成におい
    て、固定子の内径部及び外径部は、それぞれ先端面が可
    動子の吸引方向に直交する面として形成されていること
    を特徴とする電磁弁。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか記載の構成におい
    て、電磁コイルへの通電制御は、通電初期において一時
    的に定常電圧よりも高圧に昇圧することを特徴とする電
    磁弁。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか記載の構成におい
    て、内燃機関の燃焼室内に直接燃料を噴射する燃料噴射
    弁の弁駆動機構として用いられていることを特徴とする
    電磁弁。
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