JP2002180268A - ガラス溶融処理用金属材料及びその製造方法 - Google Patents

ガラス溶融処理用金属材料及びその製造方法

Info

Publication number
JP2002180268A
JP2002180268A JP2000385328A JP2000385328A JP2002180268A JP 2002180268 A JP2002180268 A JP 2002180268A JP 2000385328 A JP2000385328 A JP 2000385328A JP 2000385328 A JP2000385328 A JP 2000385328A JP 2002180268 A JP2002180268 A JP 2002180268A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
platinum
iridium
rhodium
alloy
diffusion layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000385328A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4646395B2 (ja
Inventor
Takayuki Shimamune
孝之 島宗
Shigeharu Akatsuka
重治 赤塚
Shigetoshi Sato
重俊 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furuya Metal Co Ltd
Original Assignee
Furuya Metal Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furuya Metal Co Ltd filed Critical Furuya Metal Co Ltd
Priority to JP2000385328A priority Critical patent/JP4646395B2/ja
Publication of JP2002180268A publication Critical patent/JP2002180268A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4646395B2 publication Critical patent/JP4646395B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B5/00Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture
    • C03B5/16Special features of the melting process; Auxiliary means specially adapted for glass-melting furnaces
    • C03B5/167Means for preventing damage to equipment, e.g. by molten glass, hot gases, batches
    • C03B5/1672Use of materials therefor
    • C03B5/1675Platinum group metals

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemically Coating (AREA)
  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】1550℃以上の高温域での物理的、化学的にも最
も安定な材料の一つであるイリジウムを基材(主体)と
した構造体の酸化性雰囲気中での酸化消耗を防ぐことが
できるガラス溶融処理用金属材料及びその製造方法を提
供する。 【解決手段】第1に、イリジウム又はイリジウム基合金
からなる構造体1の表面に、表面層3の接合性を強化す
ると共に高温域での化学的、物理的な安定性を図る白
金、ロジウムとイリジウムとの三元系合金からなる中間
拡散層2を設け、この中間拡散層2の表面を白金又は白
金合金からなる前記表面層3にて被覆する。第2に、前
記構造体1の表面に白金、ロジウムとイリジウムと含む
塗布液を塗布した後、熱分解処理によって前記表面に白
金、ロジウムとイリジウムとの三元系合金からなる中間
拡散層2を形成し、且つ熱処理によってイリジウムと白
金、ロジウムを相互拡散させ、その後、中間拡散層2の
表面安定化のための酸化処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学ガラス、光フ
ァイバーガラスその他の高性能ガラス(高品位ガラス)
を溶融処理するガラス溶解槽や、この溶解槽に付随する
攪拌機、ハンドル類等を製作するために使用するガラス
溶融処理用金属材料及びその製造方法に係り、特に1000
℃以上の高温域での耐熱材料として要求される化学的、
物理的に極めて安定なガラス溶融処理用金属材料と、そ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光学ガラスの進歩又環境問題等か
ら使用するガラス材料の内、特に重金属類の使用が制限
されている中で、より優れた高性能ガラス(高品位ガラ
ス)が要求されるようになってきている。そのために、
光学ガラス類を製造するに当り、その溶解温度がきわめ
て高くなっている。最近では1600℃以上での溶解が広く
行われるようになってきている。
【0003】そこで、従来においてはこの溶解のために
極めて高価ではあるが、高温安定性で、しかも溶融ガラ
ス中への溶解(剥離又は溶出された不純物の混入)が殆
ど起らず、更には長期に亘り安定な白金合金が使われる
ようになっている。即ち、白金合金は1500℃程度での使
用においも化学的、物理的な面から極めて安定で、溶融
ガラス中への溶出も殆ど無い材料であることは良く知ら
れている。又、白金の場合は加工性がよいことから比較
的に広範囲で使われる理由になっている。但し、白金の
場合は加熱により粒成長が起り易く、又、粒界からの破
壊が起る等により変形が起り易いと言う問題がある。従
って、この粒成長を制限するために白金中に酸化ジルコ
ニウムの微少粒を添加したガラス専用の溶解容器用材料
の開発が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし乍ら、この様な
白金合金でも基本的には白金と同等の物理的並びに化学
的な強度しか備えていないために、1500℃以下の使用で
は問題になることは殆ど無いが、この1500℃以上の使用
では粒成長が起り易く、又、粒界からの破壊が起る等に
より変形が起り易くなり、結果として使用可能な装置寿
命が短くなると言う問題がある。
【0005】そのために、物理的強度が大きな白金にロ
ジウムを加えた合金が一部では使用されているが、これ
は1550℃以上の高温域での使用が可能であり、安定性も
飛躍的に向上するが、溶融ガラス中に鉛を含む場合、ロ
ジウムが選択的に鉛と反応して合金を作り、この合金か
ら抜け出てしまうと言う問題があるためにその使用は限
られていた。又、材料自体が極めて高価であると言う問
題があった。
【0006】又、1550℃以上の高温域での安定性と言う
点では、最近は融点が2400℃以上ときわめて高く、物理
的、化学的にも安定なイリジウムが注目されている。即
ち、イリジウムは坩堝としてタンタル酸リチウム等の電
子デバイス用単結晶の製造用等として広く使われている
ことは良く知られているところである。特に従来では困
難と言われていたイリジウムも近年の加工技術の進歩に
より加工が可能となり、又、高温域での物理的な強度や
化学的な耐食性を変えずに加工性を向上させた合金の開
発によってより使い易くなっていると言う事実がある。
【0007】ところで、イリジウムの場合、極めて安定
とは言っても空気中や酸素気流中等の酸化性雰囲気中で
は酸化し易く、その酸化物(IrO3)は1060℃以上で
は揮発してしまうと言う問題が残されている。即ち、イ
リジウムの揮発速度は、ロジウムや白金の数倍に達する
ことが知られている。これを避けるために、従来ではイ
リジウムで例えばガラス溶解槽等の構造体(坩堝)を作
り、この構造体の表面(槽内面)に白金箔を張り付ける
と言うことが行なわれている。この様に白金箔を構造体
の表面に設けることで、空気中又は酸素気流中等の酸化
性雰囲気中でのイリジウム基材の耐酸化性を図る上では
有効且つ安定ではあるが、大量の材料が必要となると共
に、その製作においても実質的に2倍以上の手間が掛か
るばかりか、価格的にも2倍以上と極めて高価になると
言う問題がある。従って、その用途範囲は限られてい
た。
【0008】そこで、従来ではイリジウムの表面に白金
をメッキすると言う試みが行われているが、加熱、冷却
によりイリジウムとの材料の違いによる熱膨張率の差か
ら表面層が剥離することが多く、結果として実用性に欠
けるものであった。
【0009】又、接合性(密着性)の面で問題が無い場
合でも白金族金属同士では相互拡散が比較的に起り易い
ために、イリジウムと白金との合金になってしまう。従
って、初期の使用段階では問題が少ないものの、ある期
間を経過すると相互拡散によりイリジウムが表面に出て
きてイリジウム酸化物(IrO3)となるために揮発が
増加し、結果として装置寿命が短くなると言う問題にな
る。尚、溶融ガラスが接触している部分では問題は起ら
ないが、空気との接触部分では酸化がイリジウムの酸化
が顕著に起り、その酸化による消耗が加速される。従っ
て、従来では事実上、イリジウムを基材(主体)とした
ガラス溶解槽や、この溶解槽に付随する攪拌機、ハンド
ル類等の製造は極めて限られた用途範囲でしか使えない
ものであった。
【0010】本発明はこの様な従来事情に鑑みてなされ
たもので、その目的とする処は、1550℃以上の高温域で
物理的、化学的にも最も安定な材料の一つとして知られ
ているイリジウムの酸化を抑制する白金や白金合金から
なる表面層のイリジウムに対する接合性が効果的に強化
されて装置寿命の延命を図り、高い信頼性が得られるガ
ラス溶融処理用金属材料と、その製造方法を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を達成するための手段】課題を達成するために本
発明は、イリジウム又はイリジウム基合金からなる基材
の表面に、表面層の接合性を強化すると共に高温域での
安定性を図る少なくとも白金とロジウムとの合金からな
る中間拡散層を設け、該中間拡散層の少なくとも一部を
酸化物とし、更にこの中間拡散層の表面を白金又は白金
合金からなる前記表面層にて被覆してなることを要旨と
するガラス溶融処理用金属材料である。又、本発明では
中間拡散層を、特に白金、ロジウムとイリジウムとの三
元系合金から形成することが望ましい。そして、上記ロ
ジウムとしてロジウム樹脂酸塩、或いは有機ロジウム錯
体を加えたロジウム化合物を使用することが望ましい。
更に、白金合金としては白金に微細な酸化ジルコニウム
を分散混入させてなる微細混合物、又は、白金とロジウ
ムとの合金に微細な酸化ジルコニウムを分散混入させて
なる微細混合物を使用することが望ましい。
【0012】而して、本発明のガラス溶融処理用金属材
料によれば、イリジウム又はイリジウム基合金からなる
基材の表面に、表面層の接合性を強化する少なくとも白
金とロジウム、特に望ましくは白金、ロジウムとイリジ
ウムとの三元系合金からなる少なくとも一部に酸化物を
有する中間拡散層を設け、その表面に白金や白金合金か
らなる表面層を設ける。即ち、イリジウム又はイリジウ
ム基合金からなる基材表面との接合性を強化すると共に
高温域での安定性を図る中間拡散層を介して当該表面を
高温域での酸化消耗による揮発が少ない白金又は白金合
金からなる表面層にて被覆してなることで、特に1550℃
以上の高温域の空気中や酸素気流中等の酸化性雰囲気中
に長時間晒されても化学的な耐食性を変えずに安定で物
理的にも十分な機械的強度(耐久強度)を有し、しか
も、中間拡散層に含まれているロジウム成分それ自体が
高温域での物理耐性を与える。即ち、高温域の酸化性雰
囲気中でのイリジウムの酸化揮発を防ぐことを強化する
役目を成すことで、より一層安定性が増すことにより、
更に長寿命な金属材料となる。
【0013】又、本発明ではイリジウム又はイリジウム
基合金からなる基材の表面に、少なくとも白金とロジウ
ムとを含む塗布液を塗布した後、熱分解処理によって前
記表面に少なくとも白金とロジウムとの合金で尚且つ少
なくとも一部に酸化物を有する中間拡散層を形成し、且
つ熱処理によってイリジウムと白金、ロジウムを相互拡
散させた後、白金とロジウムとを含む塗布液を塗布して
熱分解処理を行うことによって前記中間拡散層の表面に
白金とロジウムとの合金からなる前記表面層を形成する
ようにしたことを要旨とするガラス溶融処理用金属材料
の製造方法である。又、本発明では上記中間拡散層を作
る少なくとも白金とロジウムとを含む塗布液が、イリジ
ウムをも含む塗布液であり、この塗布液の塗布とその熱
分解処理とを複数回行った後に、熱処理によって相互拡
散させることにより白金、ロジウムとイリジウムとの三
元系合金からなる一部にロジウム酸化物とイリジウム中
間拡散層を形成するようにしたことである。又、上記中
間拡散層を作るロジウムがロジウム化合物で、この化合
物がロジウム樹脂酸塩であり、又、上記白金合金を含む
塗布液が、白金に微細な酸化ジルコニウムを分散混入さ
せてなる塗布液であり、又、上記白金合金を含む塗布液
が、白金とロジウムとの合金に酸化ジルコニウムを分散
混入させてなる塗布液である。又、白金と酸化ジルコニ
ウムとの微細混合物からなる表面層の形成するに当り、
非塩化物白金塩とジルコニウム化合物ゾルとを含む塗布
液を使用し、この塗布液を塗布した後の熱分解処理する
ことにより、表面層を形成する。又、上記熱分解処理条
件としては特に限定されるものではないが、空気中400
〜900℃の範囲で行うことが望ましく、特に望ましくは5
00〜700℃である。
【0014】而して、本発明のガラス溶融処理用金属材
料の製造法方によれば、イリジウム又はイリジウム基合
金で作製した基材の表面に少なくとも白金とロジウムと
を含む塗布液、特に白金、ロジウムとイリジウムを含む
塗布液の塗布と空気中400〜900℃での熱分解処理を複数
回繰り返すことによって前記基材の表面に白金、ロジウ
ムとイリジウムとの三元系合金からなる中間拡散層を形
成する。次に、このものを熱処理することによってイリ
ジウムと白金、ロジウムとを相互拡散させると共にイリ
ジウム、ロジウムの一部に酸化イリジウムと酸化ロジウ
ムを生成する。これにより、イリジウム又はイリジウム
基合金からなる基材の表面には少なくともイリジウム、
ロジウムの一部に酸化イリジウム、酸化ロジウムを含む
白金、ロジウムとイリジウムとの三元系合金からなる中
間拡散層が形成される。その後、白金又は白金合金を含
む塗布液、特にこの時白金と酸化ジルコニウムとの微細
混合物からなる表面層を形成するに当り、非塩化物白金
塩とジルコニウム化合物ゾルとを含む塗布液を前記中間
拡散層の表面に塗布する塗布と空気中400〜900℃での熱
分解処理を複数回繰り返すことによって前記中間拡散層
の表面に高温域での酸化による揮発が少ない白金と酸化
ジルコニウムとの微細混合物からなる表面層を形成す
る。この時、中間拡散層のイリジウムの一部が酸化イリ
ジウムになっていることから、このイリジウム酸化物の
存在(部分)で表面層へのイリジウム並びに表面白金の
中間拡散層及び基材イリジウムの拡散が抑制される。こ
れにより、白金と酸化ジルコニウムとの微細混合物から
なる表面層はその状態が保持されることとなることか
ら、特に1550℃以上の高温域の空気中や酸素気流中に長
時間晒されても化学的な耐食性を変えずに安定で物理的
にも十分な機械的強度(耐久強度)を有し、しかも、中
間拡散層に含まれているロジウム成分それ自体が高温域
での物理耐性を与える。即ち、高温域の酸化性雰囲気中
でのイリジウムの酸化揮発を防ぐことを強化する役目を
成すことで、より一層安定性が増すことにより、更に長
寿命な金属材料が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の具体例について説
明する。本発明において例えばガラス溶解槽を製作する
場合には図1に例示したように、まず始めに基材となる
本体(坩堝)等の構造体1をイリジウム金属で作る。こ
の場合、溶融処理する光学ガラス、光ファイバーガラス
その他の高性能ガラス(高品位ガラス)の溶解温度等の
用途目的に応じて選択的にロジウムを含む等のイリジウ
ム基合金を用いて構造体1を作ることもできる。この様
にイリジウム又はイリジウム基合金は用途目的によって
任意に選択すればよいが、イリジウムやイリジウム基合
金は例えば1000℃以上の高温域での使用において物理
的、化学的に極めて安定な金属ではあるが、空気中や酸
素気流中等の酸化成雰囲気中に晒された場合、表面が酸
化すると共に酸化物である酸化イリジウムの蒸気圧が高
いために、イリジウムの揮発が起り酸化消耗してしまう
ことから、この酸化消耗を防ぐためにイリジウムやイリ
ジウム基合金から作製される構造体1の表面に白金、ロ
ジウムとイリジウムとの合金からなる中間拡散層2を形
成し、次にこの中間拡散層2の表面に酸化性雰囲気中で
の耐酸化性に優れた特性を有する白金からなる表面層3
を形成することで、イリジウム又はイリジウム基合金か
らなる構造体1を保護強化する。
【0016】即ち、本発明ではまずイリジウム又はイリ
ジウム基合金からなる構造体1の表面を安定させるため
に、又、表面層3との接合性(密着性)をより良好に強
化するために、更にはイリジウムと材質が異なる表面層
3との材質上の熱膨張差を緩和して、たとえ急熱・急冷
と言った過酷な温度変化に対しても表面層3の剥離が起
らないようにするために、該表面層3と基材イリジウム
との間に白金とロジウムを含む塗布液を基材イリジウム
の表面に塗布した後、熱分解処理、そして必要に応じて
熱処理を行うことによって表面層3の基材イリジウムと
の接合性を強化する中間拡散層2を設ける。これによ
り、例えば1500℃に急熱された後、300℃位まで急冷さ
れると言った急熱・急冷が繰り返し行なわれても表面層
3の剥離が起らないようにする。
【0017】中間拡散層2を作る塗布液としては特に限
定されるものではないが、白金とロジウムを含む塗布液
の被覆過程中に前記表面の酸化を防ぐために、尚且つ、
ロジウムが酸化物ではなく、金属として析出させるため
に塗布液に塩素等のハロゲン元素を含ませないことが好
ましく、ジニトロジアンミン白金水溶液のような白金以
外の完全に揮発するような液を選択して使うことが望ま
しく、これにロジウム樹脂酸塩又は有機ロジウム錯体を
加えた液を使用することが望ましい。例えば、ジニトロ
ジアンミン白金を水とイソプロピルアルコールとの混合
溶液に溶解し、それにロジウムブチラートを添加した混
合溶液を塗布液とし、この塗布液をイリジウム又はイリ
ジウム基合金の表面に塗布し、乾燥処理した後400〜900
℃程度により熱分解処理を行うことで、当該表面に白金
からなる中間拡散層2を生成するものである。尚、この
時、これらの塗布液材料、溶媒は前述に限られるもので
はなく、ここで用いる塗布液はたとえ大気中で熱分解処
理が行われても金属が析出するものであり、この時、よ
り安定な中間拡散層2を生成するために、溶媒は前述に
限られるものではなく、任意のものでも良いが、ここで
はたとえ空気中で熱分解処理されても金属が析出するも
のであり、熱分解処理を、酸素を断った窒素やアルゴン
ガス等の不活性雰囲気中又は水素等の還元性雰囲気中で
行う場合には塩化物や硝酸塩溶液であっても良い。又、
有機錯体であっても勿論良いものである。
【0018】本発明において前述の中間拡散層2及び表
面層3を生成(成膜)する熱分解処理を空気中400〜900
℃の範囲で行うことが本発明を成立させる上で重要であ
る。その理由は、400℃以下では、確かに金属としての
析出は起るが、結晶化が十分に進まず状態が不安定にな
るからである。即ち、この状態で析出させたものを後で
長時間熱を加えて加熱してもなかなか安定なものとはな
り難いと言うことがあるからであり、900℃を越える
と、熱分解処理中の昇温、降温時の温度差が大きくなり
すぎる。従って、この処理途中でも熱膨張、熱収縮の差
から表面層3の剥離が起り易くなると言う問題になる。
又、熱プロセスが複雑になることも問題になるからであ
る。尚、900℃を越える温度で必ずしもできないことも
ないが、手間が掛かる等の後処理が大変になると言う虞
れがある。従って、本発明においては中間拡散層2を作
る白金とロジウムを含む塗布液を、イリジウム又はイリ
ジウム基合金からなる構造体1の表面に塗布した後、そ
して、表面層3を作る後述の白金を含む塗布液を、中間
拡散層2の表面に塗布した後の熱分解処理を空気中400
〜900℃で行うことが問題を起すことなく、しかも、生
産性良く行う上で重要であり、特に好ましくは500〜700
℃である。
【0019】上記中間拡散層2の形成に当っては、その
厚さは必要に応じて任意に調整すれば良いが、この調整
は塗布、熱分解処理の回数により行うことができる。通
常は2〜5回程度が望ましい。この様にしてイリジウム
又はイリジウム基合金から作製した構造体1の表面に白
金とロジウムとの合金からなる中間拡散層2を形成した
後、これを熱拡散させて該表面の安定化を図る。即ち、
熱拡散により白金とロジウムとの合金からなる中間拡散
層2中に基材イリジウムを拡散させて該中間拡散層2を
白金、ロジウムとイリジウムとの三元系からなる合金と
する。それにより、たとえ空気中や酸素気流中等の酸化
成雰囲気中に直接晒されても酸化物の蒸気圧を低下する
ことによって消耗を防ぐことができる。この場合の熱拡
散処理温度並びに雰囲気条件としては特に限定されるも
のではないが、500〜900℃程度で空気中で行うことが好
ましい。又、この処理時間においては条件によって異な
るが、1〜10時間程度が好ましい。つまり、これによっ
て白金、ロジウムとイリジウムとの三元合金からなる中
間拡散層2を形成すると共にその表面のイリジウムとロ
ジウムの一部を酸化物としてそれを表面に分散混入させ
ることにより、このイリジウムとロジウムとの酸化物は
障壁層となって当該表面に形成される表面層3のバルク
内への拡散を抑え、それにより、イリジウムの酸化揮発
を防ぐ酸化保護層としての役割を長期に亘って維持する
ようにすることができる。
【0020】この様にしてイリジウム又はイリジウム基
合金からなる構造体1の表面に中間拡散層2を形成した
後に、その表面に高温域における空気中や酸素気流中で
の耐酸化性に優れた特性を有する白金からなる表面層3
を形成するものであるが、この表面層3の形成は前述の
中間拡散層2と同様の条件で行えば良い。この場合、表
面層を形成する材料として白金に変えて例えば白金を含
む塗布液にテトラブチルジルコネートのようなジルコニ
ウム化合物を加えた塗布液を中間拡散層2の表面に塗布
し、空気中400〜800℃で熱分解処理を行うことで、白金
中に酸化ジルコニウムの分散層が形成された表面層3が
中間拡散層2の表面に生成される。これにより、加熱使
用時においても白金の結晶成長が抑制される結果とな
り、化学的、物理的な耐久強度が増すと言う効果が得ら
れる。
【0021】又、白金、ロジウムその他の金属元素を加
えた合金とすることもできる。この場合も特に限定され
るものではないが、より安定な表面層3を形成するため
に前述のように白金以外は樹脂酸塩や有機錯体を使用す
ることで酸化を防ぐ。つまり、酸化物の生成を防ぐ必要
があるからである。
【0022】この様にして中間拡散層2の表面に、高温
域における空気中や酸素気流中での耐酸化性に優れた特
性を有する白金又は白金合金からなる表面層3を形成す
るものであるが、中間拡散層2との安定化のために1000
℃程度で焼鈍することが有効である。この場合、白金又
は白金合金からなる表面層3の厚さは特に限定されるも
のではないが、より安定なものにする場合には1〜5μ
m程度が好ましく、塗布、熱分解処理を5〜20回程度繰
り返す。特に好ましくは5〜10回程度である。
【0023】又、本発明においてはより安定な表面層3
を形成するために前述の白金と酸化ジルコニウムとの微
細混合物からなる表面層3の形成するに当り、非塩化物
白金塩とジルコニウムゾルとを含む塗布液を使用するこ
とが望ましい。
【0024】尚、イリジウムやイリジウム基合金からな
る前述の構造体1の中間拡散層2や表面層3による被覆
は空気中や酸素気流中に晒される構造体の表面部分のみ
に行うことも任意であり、これらは用途に応じて選択的
に行うものである。又、予め構造体1を作り、その表面
に形成するも、或いは板状のイリジウム又はイリジウム
基合金基材の表面を中間拡散層2と表面層3とで前述の
仕法により被覆した後に、該板状基材を曲げ加工等の適
宜の加工手段により加工することで、表面層3を有する
イリジウム又はイリジウム基合金からなる構造体1を製
作するも良く、任意である。
【0025】次に、本発明を実施例1乃至4によって更
に具体的に説明する。 実施例1 厚さ0.2mmのイリジウム板を基材(以後、イリジウム基
板と称する)とし、このイリジウム基板の表面に活性化
のためにグラスビーズをメディアとしてブラストをか
け、希塩酸を用いて洗浄する洗浄処理を行う。次に、こ
のイリジウム基板の表面に、ジニトロジアンミン白金を
モノイソプロパールアミンと脱イオンの混合液に加熱溶
解し、更にイソプロピルアルコールを加えた溶液にトリ
ブチルロジメートのブチアルコールを混合した混合溶液
を塗布液として塗布した。尚、この時のロジウム量を白
金の10モル%とし、イリジウム基材の表面に塗布し、こ
れを空気中500℃で10分間熱分解処理を行った。この塗
布と熱分解処理とを3回繰り返すことで、白金とロジウ
ムの合計量にして4g/m2の被覆を行い。これを800℃
の空気中で3時間熱処理(拡散処理)を行った。する
と、白金、ロジウムと基材イリジウムが相互拡散すると
共に表面に酸化イリジウムと酸化ロジウムからなる中間
拡散層が生成された。この時、中間拡散層の表面は黒色
であった。次に、中間拡散層の表面にジニトロジアンミ
ン白金溶液を塗布した後、空気中600℃で10分間熱分解
処理を行った。この塗布と熱分解処理とを5回繰り返す
ことで、白金量にして5g/m2になるように調整した。
これにより、白金からなる表面層を有する金属材料を作
製した。
【0026】この様にして作製した金属材料と同時に作
った試料について以下の評価を行った。この試料を1600
℃の高温域に1時間保持した後に空冷によって5分間で
300℃まで降下させ、更に再加熱によって1600℃まで上
昇させる急熱・急冷による耐久強度試験を行った。する
と、この急熱・急冷を10回繰り返した後に、顕微鏡で観
察して見たところ、表面層の剥離は全く認められず、
又、エックス線回折で調べて見たところ、表面層への基
材イリジウムの拡散も全く認められなかった。
【0027】比較例1 前述の実施例1と同様にしてイリジウム基板の表面に白
金からなる表面層を直接設けて作製した金属材料の試料
を実施例1と同様の条件にて急熱・急冷を繰り返したと
ころ、6回目で一部の表面層に剥離が起り、又、イリジ
ウムの拡散が認められた。
【0028】実施例2 実施例1と同様にして準備処理したイリジウム基板の表
面に白金:ロジウム:イリジウム=70:15:15からなる
中間拡散層を設けた。この際、塗布液は実施例1と同様
の条件にて作製し、これに大研化学(株)社製のイリジ
ウム樹脂酸塩のブチルアルコール溶液を加えた混合溶液
を作り、この混合溶液をブラストによる前処理を行った
イリジウム基板の表面に塗布し、空気中500℃で熱分解
処理を行った。この塗布と熱分解処理とを3回繰り返す
ことで、白金、ロジウムとイリジウムとからなる中間拡
散層(合金層)をイリジウム基板の表面に形成した。こ
の時、エックス線回折により調べてみたところ中間拡散
層には僅かではあるが酸化イリジウムの存在が認められ
た。そして、これを750℃の空気中で熱処理(拡散処
理)を行った。これについて、EPMA分析を行った結
果、中間拡散層の表面組成は白金:ロジウム:イリジウ
ム=52:11:37の割合(%)であることが分かった。
尚、この時の表面は黒色となり酸化物になっていること
が分かった。そして、この白金、ロジウム、イリジウム
との三元合金からなる中間拡散層の表面に実施例1と同
様にして白金からなる表面層を、白金量にして5g/m2
になるように調整して作った塗布液を塗布することで形
成した。これにより、白金からなる表面層を有する金属
材料を作製した。尚、処理条件としては空気中350℃に
設定した以外は実施例1と同様である。
【0029】この様にして作製した金属材料と同時に作
った試料について実施例1と同様の試験条件により急熱
・急冷を繰り返す評価を行った。すると、急熱・急冷を
10回繰り返した後に、顕微鏡で観察して見たところ、表
面層の剥離は全く認められなかった。又、この試料につ
いて1600℃で30時間加熱した後に、エックス線回折によ
り調べて見たところ、表面層への基材イリジウムの拡散
も全く認められなかった。
【0030】実施例3 実施例1と同様に白金とロジウムからなる中間拡散層を
イリジウム基板の表面に形成した後、この中間拡散層の
表面に白金中に白金量が10%に相当するジルコニウム塩
を加えた。即ち、実施例1と同様にジニトロジアンミン
白金にテトラブチルジルコネートをブチルアルコールに
溶解した溶液を加えた塗布液を中間拡散層の表面に塗布
した後、空気中600℃で10分間熱分解処理を行った。こ
の塗布と熱分解処理とを5回繰り返すことで、白金から
なる表面層を有する金属材料を作製した。
【0031】この様にして作製した金属材料と同時に作
った試料についてエックス回折で観察して見たところみ
たところ、表面層が白金と酸化ジルコニウムとの混合物
からなることが分かった。又、この試料について1600℃
で20時間の連続加熱を行った後に、顕微鏡で観察して見
たところ、表面層には全く剥離が起らず、又、その表面
層の変化も全く見られなかった。
【0032】実施例4 イリジウムに15wt%ロジウムと2wt%ルテニウムを含有す
る厚さ mmのイリジウム基合金板を基材(以後、イリ
ジウム合金基板と称する)とし、このイリジウム合金基
板の表面に前述の実施例1と同様の処理条件によって白
金、ロジウムとイリジウムとの三元系合金からなる中間
拡散層を形成した。その後、空気中850℃で4時間保持
して中間拡散層の熱分解処理(拡散処理)を行った。こ
れについて、エックス線回折で調べてみたところ、中間
拡散層の表面は灰黒色となり、拡散したイリジウムとロ
ジウムの一部が酸化物となっていることが分かった。
尚、この時、中間拡散層の表面組成は白金:イリジウム
=65:35であり、又僅かではあるがロジウムの存在が認
められた。そして、この中間拡散層の表面に実施例3と
同様の処理条件にて白金と酸化ジルコニウムとの微細混
合物からなる表面層を形成した。但し、表面層の形成は
空気中750℃で20分間の熱分解処理を行った。この塗布
と熱分解処理とを5回繰り返すことで、白金量にして5
g/m2になるように調整した表面層にて被覆を行った。
これにより、白金と酸化ジルコニウムとの微細混合物か
らなる表面層を有する金属材料を作製した。
【0033】この様にして作製した金属材料と同時に作
った試料について1600℃で溶融したガラス中に、その半
分が空気中に露出するように浸漬させて5時間保持した
後、取り出して空冷によって急冷する操作を20回繰り返
した後に、顕微鏡で観察して見たところ、表面層の剥離
は全く認められなかった。又、重量変化も全く無かった
ことから溶出はないものと考えられる。又、蛍光エック
ス線によって表面層中のイリジウム含有量を調べて見た
ところ、試験前と全く変わらなかったことから表面層へ
のイリジウムの拡散も全く無いものと考えられる。
【0034】
【発明の効果】本発明のガラス溶融処理用金属材料及び
その製造方法は叙上の如く構成してなることから下記の
作用効果を奏する。 .本発明によれば、イリジウム又はイリジウム基合金
からなる基材の表面に、該基材と白金又は白金合金から
なる表面層との接合性を強化すると共に高温域での安定
性を図る例えば白金、ロジウムとイリジウムとの三元系
合金からなる中間拡散層を設けてこの拡散層の表面を前
記表面層にて被覆してなる。即ち、表面層の基材表面に
対する接合性と高温域の化学的、物理的な安定性とを中
間拡散層の存在による相互拡散より強化することで、15
00℃に1時間保持された後に5分間で300℃まで急冷降
下される過酷な使用においても基材と表面層との材質の
違いによる熱膨張差は中間拡散層により緩和される。従
って、表面層の基材との接合性と高温域での安定性が白
金、ロジウムとイリジウムとの三元系合金からなる中間
拡散層によって効果的に強化された高い信頼性と長寿命
が期待し得る。特に、中間拡散層に含まれているロジウ
ム成分それ自体が高温域での物理耐性を与える。即ち、
高温域の酸化性雰囲気中でのイリジウムの酸化揮発を防
ぐことを強化する役目を成すことで、より一層安定性が
増すことにより、更に長寿命が期待し得るガラス溶融処
理用金属材料を提供することができる。
【0035】.又、イリジウム又はイリジウム基合金
からなる基材の表面に、一部を酸化物とする例えば白
金、ロジウムとイリジウムとの三元系合金からなる中間
拡散層を設け、その表面に白金又は白金合金からなる表
面層を設けてなる。即ち、中間拡散層の一部又はその表
面にイリジウムとロジウムの一部を酸化物として分散存
在させることによって、このイリジウムとロジウムの酸
化物が障害層となって当該最表面の白金又は白金合金か
らなる表面層への基材イリジウムの拡散を抑えることが
できる。これにより、表面層は基材イリジウムの酸化揮
発を防ぐ酸化保護層としての役割を長期に亘って維持す
ることとなることから、特に1550℃以上の高温域の酸化
性雰囲気中に長時間晒されても化学的な耐食性を変えず
に安定で物理的にも十分な機械的強度(耐久強度)を有
し、しかも、酸化消耗が極めて少ない長期使用に亘って
より安定で長寿命が期待できるガラス溶融処理用金属材
料を提供することができる。
【0036】.本発明によれば、イリジウム又はイリ
ジウム基合金で作製した基材の表面に、例えば白金、ロ
ジウムとイリジウムを含む塗布液の塗布と空気中400〜8
00℃での熱分解処理を複数回繰り返すことによって前記
基材の表面に白金、ロジウムとイリジウムとの三元系合
金からなる中間拡散層を形成した後、熱処理することに
よってイリジウムと白金、ロジウムとを相互拡散させる
と共に中間拡散層の一部又はその表面にイリジウムとロ
ジウムの一部を酸化物として分散型に存在させる。即
ち、イリジウム又はイリジウム基合金からなる基材の表
面には少なくとも一部又は表面にイリジウムとロジウム
との酸化物を分散混合した白金、ロジウムとイリジウム
との三元系合金からなる中間拡散層が形成される。そし
て、この中間拡散層の表面に白金又は白金合金を含む塗
布液の塗布と空気中での熱分解処理を複数回繰り返すこ
とによって中間拡散層の表面に白金又は白金合金からな
る表面層を形成する。この時、中間拡散層の一部又は表
面がイリジウムとロジウムの酸化物になっていることか
ら、この酸化物の存在で白金又は白金合金からなる表面
層への基材イリジウムの拡散が抑制される。従って、白
金又は白金合金からなる表面層はその状態が保持され、
基材イリジウムの酸化揮発を防ぐ酸化保護層としての役
割を長期に亘って維持することとなることから、特に15
50℃以上の高温域の空気中や酸素気流中に長時間から晒
されても化学的な耐食性を変えずに安定で物理的にも十
分な機械的強度(耐久強度)を有し、しかも、酸化消耗
が極めて少ない長期使用に亘ってより安定で長寿命が期
待できる。特に、中間拡散層に含まれているロジウム成
分それ自体が高温域での物理耐性を与える。即ち、高温
域の酸化性雰囲気中でのイリジウムの酸化揮発を防ぐこ
とを強化する役目を成すことで、より一層安定性が増す
ことにより、更に長寿命なガラス溶融処理用金属材料を
製造することができる。
【0037】従って、本発明によれば、1550℃以上の高
温域での物理的、化学的にも最も安定な材料の一つとし
て知られているイリジウムを主体とした構造体でありな
がら酸化性雰囲気中に長時間晒されても酸化する虞れが
ない酸化防止を図った上で、表面層の接合性が白金、ロ
ジウムとイリジウムとの三元系合金からなる中間拡散層
により効果的に強化されたガラス溶解層等を製作するこ
とができて装置寿命の延命を図り、高い信頼性が得られ
るガラス溶融処理用金属材料と、その製造方法を提供す
ることにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ガラス溶融処理用金属材料の実施の一例
を示した部分断面図
【符号の説明】
1:構造体(基材) 2:中間拡散層 3:表面層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 重俊 東京都豊島区南大塚2丁目37番5号 株式 会社フルヤ金属内 Fターム(参考) 4K026 AA08 BA01 BA12 BB10 CA02 DA02 DA11 EA08 EB11 4K044 AA06 AB10 BA08 BB02 BC11 CA04 CA15 CA53 CA62

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イリジウム又はイリジウム基合金からな
    る基材の表面に、表面層の接合性を強化する少なくとも
    白金とロジウムとの合金からなる中間拡散層を設け、該
    中間拡散層の少なくとも一部を酸化物とし、更にこの中
    間拡散層の表面を白金又は白金合金からなる前記表面層
    にて被覆してなることを特徴とするガラス溶融処理用金
    属材料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の中間拡散層が、白金、ロ
    ジウムとイリジウムとの三元系合金からなることを特徴
    とするガラス用溶融金属材料。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の白金合金が、白金に微細
    な酸化ジルコニウムを分散混入させてなることを特徴と
    するガラス溶融処理用金属材料。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の白金合金が、白金とロジ
    ウムとの合金に微細な酸化ジルコニウムを分散混入させ
    てなることを特徴とするガラス溶融処理用金属材料。
  5. 【請求項5】 イリジウム又はイリジウム基合金からな
    る基材の表面に、少なくとも白金とロジウムとを含む塗
    布液を塗布した後、熱分解処理によって前記表面に少な
    くとも白金とロジウムとの合金で尚且つ少なくとも一部
    に酸化物を有する中間拡散層を形成し、且つ熱処理によ
    ってイリジウムと白金、ロジウムを相互拡散させた後、
    白金又は白金合金を含む塗布液を塗布して熱分解処理を
    行うことによって前記中間拡散層の表面に白金又は白金
    合金とからなる表面層を形成するようにしたことを特徴
    とするガラス溶融処理用金属材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の少なくとも白金とロジウ
    ムとを含む塗布液が、イリジウムをも含む塗布液であ
    り、この塗布液の塗布とその熱分解処理とを複数回行っ
    た後に、熱処理によって相互拡散させることにより白
    金、ロジウムとイリジウムとの三元系合金からなる中間
    拡散層を形成するようにしたことを特徴とするガラス溶
    融処理用金属材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載のロジウムがロジウ
    ム化合物であり、このロジウム化合物がロジウム樹脂酸
    塩であることを特徴とするガラス溶融処理用金属材料の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の白金合金を含む塗布液
    が、白金に微細な酸化ジルコニウムを分散混入させてな
    る塗布液であり、この塗布液の塗布と熱分解処理によっ
    て白金と酸化ジルコニウムとの微細混合物からなる表面
    層を形成するようにしたことを特徴とするガラス溶融処
    理用金属材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項5記載の白金合金を含む塗布液
    が、白金とロジウムとの合金に微細な酸化ジルコニウム
    を分散混入させてなる塗布液であり、この塗布液の塗布
    と熱分解処理によって白金、ロジウムと酸化ジルコニウ
    ムとの微細混合物からなる表面層を形成するようにした
    ことを特徴とするガラス溶融処理用金属材料の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の白金と酸化ジルコニウ
    ムとの微細混合物からなる表面層を形成するに当り、非
    塩化物白金塩とジルコニウム化合物ゾルとを含む塗布液
    を使用し、この塗布液を塗布した後に熱分解処理を行う
    ことにより表面層を形成するようにしたことを特徴とす
    るガラス溶融処理用金属材料の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項5乃至10何れか1項記載の中間
    拡散層及び表面層を形成する熱分解処理を、空気中400
    〜900℃で行うことを特徴とするガラス溶融処理用金属
    材料の製造方法。
JP2000385328A 2000-12-19 2000-12-19 ガラス溶融処理用金属材料及びその製造方法 Expired - Fee Related JP4646395B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000385328A JP4646395B2 (ja) 2000-12-19 2000-12-19 ガラス溶融処理用金属材料及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000385328A JP4646395B2 (ja) 2000-12-19 2000-12-19 ガラス溶融処理用金属材料及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002180268A true JP2002180268A (ja) 2002-06-26
JP4646395B2 JP4646395B2 (ja) 2011-03-09

Family

ID=18852612

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000385328A Expired - Fee Related JP4646395B2 (ja) 2000-12-19 2000-12-19 ガラス溶融処理用金属材料及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4646395B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102006003531A1 (de) * 2006-01-24 2007-08-02 Schott Ag Verfahren und Vorrichtung zum blasenfreien Transportieren, Homogenisieren und Konditionieren von geschmolzenem Glas
WO2009044090A1 (en) * 2007-10-05 2009-04-09 Johnson Matthey Public Limited Company Improved metal protection
JP2009249215A (ja) * 2008-04-03 2009-10-29 Asahi Glass Co Ltd 白金構造体およびその製造方法
JP2010502550A (ja) * 2006-08-31 2010-01-28 コーニング インコーポレイテッド 耐熱金属槽の酸化孔食を最少化するための方法および装置
WO2011021487A1 (ja) * 2009-08-18 2011-02-24 株式会社フルヤ金属 複合構造体及びその製造方法
WO2011027813A1 (ja) * 2009-09-04 2011-03-10 株式会社フルヤ金属 ガラス融液の均質化方法及びガラス溶融装置用部品
JP2012180243A (ja) * 2011-03-02 2012-09-20 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラス物品製造装置及びガラス物品製造方法
JP2015110519A (ja) * 2015-01-27 2015-06-18 株式会社フルヤ金属 ガラス製造装置の成形部
WO2015156309A1 (ja) * 2014-04-11 2015-10-15 株式会社フルヤ金属 ガラス溶解用スターラー及びガラス溶解炉
JP2016533313A (ja) * 2013-10-18 2016-10-27 コーニング インコーポレイテッド ガラス製造装置および方法

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002167674A (ja) * 2000-11-29 2002-06-11 Furuya Kinzoku:Kk ガラス溶融処理用金属材料及びその製造方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002167674A (ja) * 2000-11-29 2002-06-11 Furuya Kinzoku:Kk ガラス溶融処理用金属材料及びその製造方法

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101371575B1 (ko) * 2006-01-24 2014-03-07 쇼오트 아게 유리 용탕의 균질화 방법
WO2007085374A1 (de) * 2006-01-24 2007-08-02 Schott Ag Verfahren und vorrichtung zum blasenfreien transportieren, homogenisieren und konditionieren von geschmolzenem glas
JP2009523696A (ja) * 2006-01-24 2009-06-25 ショット アクチエンゲゼルシャフト 泡を含まない方法で溶融ガラスを輸送、均質化およびコンディショニングするための方法および装置
EP2184264A1 (de) * 2006-01-24 2010-05-12 Schott AG Vorrichtung zum blasenfreien Transportieren, Homogenisieren und Konditionieren von geschmolzenem Glas
DE102006003531A1 (de) * 2006-01-24 2007-08-02 Schott Ag Verfahren und Vorrichtung zum blasenfreien Transportieren, Homogenisieren und Konditionieren von geschmolzenem Glas
JP2010502550A (ja) * 2006-08-31 2010-01-28 コーニング インコーポレイテッド 耐熱金属槽の酸化孔食を最少化するための方法および装置
WO2009044090A1 (en) * 2007-10-05 2009-04-09 Johnson Matthey Public Limited Company Improved metal protection
JP2009249215A (ja) * 2008-04-03 2009-10-29 Asahi Glass Co Ltd 白金構造体およびその製造方法
WO2011021487A1 (ja) * 2009-08-18 2011-02-24 株式会社フルヤ金属 複合構造体及びその製造方法
WO2011027813A1 (ja) * 2009-09-04 2011-03-10 株式会社フルヤ金属 ガラス融液の均質化方法及びガラス溶融装置用部品
JP2012180243A (ja) * 2011-03-02 2012-09-20 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラス物品製造装置及びガラス物品製造方法
JP2016533313A (ja) * 2013-10-18 2016-10-27 コーニング インコーポレイテッド ガラス製造装置および方法
JP2019163205A (ja) * 2013-10-18 2019-09-26 コーニング インコーポレイテッド ガラス製造装置および方法
WO2015156309A1 (ja) * 2014-04-11 2015-10-15 株式会社フルヤ金属 ガラス溶解用スターラー及びガラス溶解炉
JP2015202968A (ja) * 2014-04-11 2015-11-16 株式会社フルヤ金属 ガラス溶解用スターラー及びガラス溶解炉
US10858276B2 (en) 2014-04-11 2020-12-08 Furuya Metal Co., Ltd. Stirrer for glass melting, and glass melting furnace
JP2015110519A (ja) * 2015-01-27 2015-06-18 株式会社フルヤ金属 ガラス製造装置の成形部

Also Published As

Publication number Publication date
JP4646395B2 (ja) 2011-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4588868B2 (ja) ガラス溶融処理用金属材料及びその製造方法
JP5457018B2 (ja) 白金イリジウム合金及びその製造方法
JP2002180268A (ja) ガラス溶融処理用金属材料及びその製造方法
JP2006164961A (ja) 積層型透明電極層の製造方法及びこの方法に使用する積層型透明電極形成用の積層体
JP2002294301A (ja) 金属微粒子および該微粒子の製造方法、該微粒子を含む透明導電性被膜形成用塗布液、透明導電性被膜付基材、表示装置
RU2761278C2 (ru) Закаляемые покрытия с алмазоподобным углеродом
KR101400899B1 (ko) 스텐레스 스틸을 스핀코팅법을 이용하여 산화 그래핀 또는 환원된 산화 그래핀으로 코팅하는 방법 및 이에 의한 산화 그래핀 또는 환원된 산화 그래핀이 코팅된 스텐레스 스틸
JP4022891B2 (ja) 配線膜用Al合金膜および配線膜形成用スパッタリングターゲット材
EP2617860B1 (en) Alloy material for high temperature service having excellent oxidation resistance properties, and process for production thereof
JP2004277780A (ja) 銀系合金の積層構造並びにそれを用いた電極、配線、反射膜及び反射電極
US20080311414A1 (en) Method of forming thin metal film and thin metal film manufactured by the forming method
CN101208378A (zh) 具有陶瓷材料外层的耐腐蚀物件
JP2013155050A (ja) 被覆金属加工体及びその製造方法
JP2013209724A (ja) Ag合金膜及びその形成方法
WO2021111974A1 (ja) Ag合金膜、Ag合金スパッタリングターゲット
JP6908164B2 (ja) Ag合金膜
JP6678501B2 (ja) スパッタリングターゲット及びその製造方法
JP6308672B2 (ja) 白金ロジウム合金及びその製造方法
WO2021112004A1 (ja) Ag合金スパッタリングターゲット
JP6965963B2 (ja) Ag合金スパッタリングターゲット
JP2021091950A (ja) Ag合金スパッタリングターゲット
KR100498656B1 (ko) 내식성동재및그제조방법
JP4176136B2 (ja) Ag合金薄膜
JP2015067461A (ja) グラフェンシート製造基板用銅箔
KR20240066921A (ko) 고내식성 타이타늄 합금의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071207

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20071207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100907

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101109

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101207

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees