JP2002180170A - 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔 - Google Patents
電解コンデンサ電極用アルミニウム箔Info
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Abstract
適度な腐食減量が得られ、優れた静電容量を達成でき、
とくに陽極用として好適な電解コンデンサ電極用アルミ
ニウム箔を提供する。 【解決手段】 アルミニウムの純度が99.9%以上で
あって、Fe:100ppm以下、Si:100ppm
以下、Pb:0.1〜2.0ppm、Cu:5〜50p
pm、Ti:0.1〜1ppm、V:0.4〜5pp
m、Zr:0.4〜5ppmを含有し、残部が不可避的
不純物からなる。
Description
極用アルミニウム箔、とくに、交流エッチングにより適
度な腐食減量が得られ、単位面積当たりの静電容量が高
く、陽極用として好適な電解コンデサ電極用アルミニウ
ム箔に関する。
サ用電極として用いる場合には、電極表面積を拡大して
単位面積当たりの静電容量を増大させるため、化学的エ
ッチング処理あるいは電気化学的エッチング処理が施さ
れ粗面化される。とくに、150V以下の電圧で使用さ
れる低電圧電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔につい
ては、通常、交流エッチングが施される。
化、高性能化の要求が強く、電極用アルミニウム箔の薄
肉化により電解コンデンサの小型化、軽量化、さらには
コスト低減を図るためには、静電容量との相対関係にお
いて粗面化処理後の腐食減量が少ないものが望まれる。
99.9%以上の高純アルミニウムが用いられている
が、アルミニウム純度の確保だけでは含有不純物のバラ
ツキによりエッチング処理時のアルミニウム溶解にバラ
ツキが生じ、安定した静電容量および腐食減量が得難い
ため、種々の合金元素を添加し、エッチング性を改善し
た電解コンデンサ用アルミニウム箔が種々提案されてい
る。
Mgを選択的に添加した低電圧電解コンデンサ陽極用ア
ルミニウム箔(特公平1−46576号公報)、Si、
Fe、Cuを含有させた電解コンデンサ陽極用アルミニ
ウム箔(特開平2−51212号公報)、Si、Fe、
Cuを含み、さらにTi、V、Bを規制した電解コンデ
ンサ陽極用アルミニウム箔(特開平6−220561号
公報)が提案されている。
極用アルミニウム箔は、エッチング処理による腐食減量
が一定せず、静電容量に不安定が生じることがあり、品
質の面で十分に安定しないという問題がある。
ム箔のエッチング処理時の腐食減量のバラツキの要因を
解明するため、さらに、純度99.9%以上のアルミニ
ウム箔をベースとして、各種合金成分およびそれらの組
合わせと、粗面化処理工程におけるアルミニウム箔の腐
食減量との関係について広範囲な実験、検討を重ねた結
果としてなされたものであり、その目的は、エッチング
処理において安定して適度な腐食減量が得られ、単位面
積当たりの優れた静電容量が達成できる電解コンデンサ
電極用、とくに陽極用として好適な電解コンデンサ電極
用アルミニウム箔を提供することにある。
めの本発明の請求項1による電解コンデンサ電極用アル
ミニウム箔は、アルミニウムの純度が99.9%以上で
あって、Fe:100ppm以下、Si:100ppm
以下、Pb:0.1〜2.0ppm、Cu:5〜50p
pm、Ti:0.1〜1ppm、V:0.4〜5pp
m、Zr:0.4〜5ppmを含有し、残部が不可避的
不純物からなることを特徴とする。
ミニウム箔は、請求項1において、VとZrとの合計含
有量が1〜6ppmであることを特徴とする。
用アルミニウム箔は、請求項1〜2において、Pb、T
i、VおよびZrの含有量の関係が、Pb(ppm)≦
〔−2×{Ti(ppm)+V(ppm)+Zr(pp
m)}/7〕+3.3であることを特徴とする。
意義および限定理由について説明する。アルミニウムは
99.9%(質量%)以上の純度が必要である。アルミ
ニウムの純度が低くなると、エッチング処理時、アルミ
ニウム箔の自己腐食性が強くなり、静電容量を低下させ
る。
不可避的に含まれる元素であるが、あるが、これらの元
素を多量に含有すると、アルミニウム箔の自己腐食性が
強くなり、エッチング処理により形成されるピット壁が
溶解し、静電容量が低下するため、Si:100ppm
以下(0ppmを含む)、Fe:100ppm以下(0
ppmを含む)に制限する。
に、0.1〜2.0ppmの範囲とする。0.1ppm
未満では、粗面化処理の際、結晶粒界などで局部的なエ
ッチングが起こり、均一な溶解が得られず溶解減量が過
度に多くなりすぎる傾向がある。2.0ppmを越えて
含有すると、アルミニウム箔の表面での溶解が進み,所
望の静電容量が得難くなる。Pbのさらに好ましい含有
範囲は0.2〜1.0ppmである。
を促進する作用を有するが、多過ぎるとアルミニウム箔
の自己腐食性が強くなり静電容量を低下させる。Cuの
好ましい含有量は5〜50ppm以下の範囲であり、さ
らに好ましい範囲は、7ppm〜20ppmである。
よるエッチピットの形成を均一にするよう機能する。と
くに、交流エッチングにおいて、カソード半サイクル時
に形成される皮膜に適当量の欠陥を与える効果があるた
め、エッチピットの分散を良好にする.Tiの好ましい
含有量は0.1〜1ppmの範囲、VおよびZrの好ま
しい含有量は、それぞれ0.5〜5ppmの範囲であ
る。
m未満,Zrが0.5ppm未満では、交流エッチング
のカソード半サイクル時に形成されるエッチ皮膜量が少
な過ぎてエッチピットの進行が不均一になるため、静電
容量が低下する。Tiが1ppm、Vが5ppm、Zr
が5ppmを越えると、エッチング処理時、ピット内部
に過剰にエッチ皮膜が形成し、ピットが箔の厚さ方向に
進行しなくなるため,表面積拡大効果が減少して静電容
量を低下させる。
することにより、適度なエッチ皮膜がピット壁を保護す
る作用を有する。VとZrの合計含有量が1ppm未満
では、エッチ皮膜量が少なくなり易く、静電容量の低下
を招く。VとZrの合計含有量が6ppmを越えると、
エッチ皮膜がピット内部で過剰に形成し易くなるため、
静電容量の低下を生じる。
箔の溶解性に影響を及ぼし、静電容量を増大させるPb
と、エッチピットの分散を良好にするTi、V、Zrの
含有量の関係を下記の式を満足する特定範囲とすること
により、これらの成分の相互作用によって静電容量、腐
食減量を一層改良する効果がある。 Pb(ppm)≦〔−2×{Ti(ppm)+V(pp
m)+Zr(ppm)}/7〕+3.3
明する。なお、これらの実施例は本発明の一実施態様を
示すものであり、本発明がこれらに限定されるものでは
ない。
用いて、表1に示す組成を有するアルミニウム(合金N
o.A〜I)を造塊し、得られた鋳塊を600℃の温度
で10時間均質化処理した後、面削、熱間圧延および冷
間圧延を行い、厚さ100μmの箔とした。
塩酸、0.31モル/l硝酸、0.014モル/lリン
酸からなる25℃の溶液中で、10Hzの交流を使用し
て、150mA/cm2 の電流密度で10分間通電する
ことによりエッチング処理した。
材とし、各試験材について腐食減量および静電容量の測
定を行った。測定結果を表2に示す。なお、腐食減量
は、交流エッチング前後の重量差を測定することにより
算出し、静電容量は、アジピン酸アンモニウム水溶液で
20Vに化成し、ECRメータを用いて測定した。
材No.1〜9は、エッチング処理時の腐食減量が少な
くなって適度な腐食減量が得られ、高い静電容量が達成
されている。なお、VとZrの合計含有量が1ppm未
満の試験材No.1、VとZrの合計含有量が6ppm
を越える試験材No.2およびA式が負となり、請求項
3記載の関係式を満たさない試験材No.9において
は、静電容量が若干低いものとなった。
用いて、表3に示す組成を有するアルミニウム(合金N
o.J〜U)を造塊し、得られた鋳塊を実施例1と同様
に処理して厚さ100μmの箔とした。
にエッチング処理し、エッチング処理後のアルミニウム
箔を試験材とし、各試験材について、実施例1と同様に
腐食減量および静電容量の測定を行った。測定結果を表
4に示す。
試験材はいずれも、十分な静電容量が得られない。すな
わち、試験材No.10およびNo.11は、それぞれ
SiおよびFeの含有量が100ppmを越えているた
め、いずれも自己腐食性が大きくなり静電容量が低下し
ている。試験材No.12はSiおよびFeの含有量を
いずれも100ppmより多くしたものであるため静電
容量が低い。
が多く、且つアルミニウム純度が低いため、静電容量が
さらに低下している。試験材No.14はPb含有量が
少ないため、溶解減量がきわめて多くなり静電容量も低
下している。試験材No.15はPb含有量が多いた
め、溶解減量が大きくなり静電容量の低下率も大きくな
っている。試験材No.16はCu含有量が多いため自
己腐食性が大きくなり、ピットの進行が過度に促進され
静電容量が劣るものとなった。
ため、交流エッチングのカソード半サイクル時に形成さ
れる皮膜量が少なく、エッチピットの進行が不均一にな
り静電容量が低下している。試験材No.18はTiの
含有量が多いため、過剰な皮膜が形成されピットの進行
が妨げられて表面積拡大効果が減少し静電容量が低下し
ている。試験材No.19はVおよびZrの含有量が少
ないため、交流エッチングのカソード半サイクル時に形
成される皮膜量が少なく、エッチピットの進行が不均一
になり静電容量が低下している。試験材No.20はV
およびZrの含有量が多いため、過剰な皮膜が形成され
ピットの進行が妨げられて表面積拡大効果が減少し静電
容量が低下している。
ング処理、とくに交流エッチングによ適度な腐食減量が
得られ、優れた静電容量を達成できる電解コンデンサ電
極用アルミニウム箔が提供される。当該電解コンデンサ
電極用アルミニウム箔は電解コンデンサ陽極用アルミニ
ウム箔として好適である。
Claims (3)
- 【請求項1】 アルミニウムの純度が99.9%以上で
あって、Fe:100ppm以下、Si:100ppm
以下、Pb:0.1〜2.0ppm、Cu:5〜50p
pm、Ti:0.1〜1ppm、V:0.4〜5pp
m、Zr:0.4〜5ppmを含有し、残部が不可避的
不純物からなることを特徴とする電解コンデンサ電極用
アルミニウム箔。 - 【請求項2】 VとZrとの合計含有量が1〜6ppm
であることを特徴とする請求項1記載の電解コンデンサ
電極用アルミニウム箔。 - 【請求項3】 Pb、Ti、VおよびZrの含有量の関
係が、Pb(ppm)≦〔−2×{Ti(ppm)+V
(ppm)+Zr(ppm)}/7〕+3.3であるこ
とを特徴とする請求項1または2記載の電解コンデンサ
電極用アルミニウム合金箔。
Priority Applications (1)
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JP2000372544A JP2002180170A (ja) | 2000-12-07 | 2000-12-07 | 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007247023A (ja) * | 2006-03-17 | 2007-09-27 | Showa Denko Kk | 電解コンデンサ電極用アルミニウム材、電解コンデンサ用電極材ならびにアルミニウム電解コンデンサ |
JP2008150692A (ja) * | 2006-12-20 | 2008-07-03 | Mitsubishi Alum Co Ltd | 電解コンデンサ電極用アルミニウム材 |
JP2012255213A (ja) * | 2012-07-25 | 2012-12-27 | Showa Denko Kk | 電解コンデンサ電極用アルミニウム材、電解コンデンサ用電極材ならびにアルミニウム電解コンデンサ |
CN109694963A (zh) * | 2018-12-27 | 2019-04-30 | 中铝东南材料院(福建)科技有限公司 | 新能源电池铝塑膜铝箔用冷轧带材及其制备方法 |
-
2000
- 2000-12-07 JP JP2000372544A patent/JP2002180170A/ja active Pending
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CN109694963B (zh) * | 2018-12-27 | 2020-12-25 | 中铝东南材料院(福建)科技有限公司 | 新能源电池铝塑膜铝箔用冷轧带材及其制备方法 |
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