JP2000199026A - 電解コンデンサ電極用硬質アルミニウム箔及びその製造方法 - Google Patents
電解コンデンサ電極用硬質アルミニウム箔及びその製造方法Info
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Abstract
得るための、電解コンデンサ電極用硬質アルミニウム箔
を提供する。 【解決手段】 このアルミニウム箔は、アルミニウム純
度が99.9%以上であって、Fe,Si,Cu及びそ
の他の不可避不純物を含む。アルミニウム箔中のサブグ
レイン又はセルの平均粒径が1〜10μmである。ま
た、(100)方位を有する結晶粒の平均粒径が5〜2
0μmであり、且つその密度が400個/mm2以上で
ある。このようなアルミニウム箔は、従来公知の圧延ア
ルミニウム箔の製造方法において、冷間圧延温度を70
〜120℃とすることによって、好適に得ることができ
る。また、冷間圧延後に、温度180〜250℃で5〜
40時間の中間焼鈍を施し、中間焼鈍後の仕上冷間圧延
の圧下率を15〜50%とすることによっても、好適に
得ることができる。
Description
解コンデンサ用電極箔を得ることのできる電解コンデン
サ電極用硬質アルミニウム箔及びその製造方法に関する
ものである。特に、交流エッチング法で静電容量の高い
電解コンデンサ低圧用陽極箔を得ることのできる電解コ
ンデンサ陽極用硬質アルミニウム箔及びその製造方法に
関するものである。
造するためには、電解コンデンサ用アルミニウム箔にエ
ッチング処理を施し、箔表面に微細な孔を多数形成し
て、箔表面の表面積を拡大することが行なわれている。
特に、電解コンデンサ低圧用陽極箔を製造するには、電
解コンデンサ用アルミニウム箔に交流エッチング処理を
施し、箔表面に多数の微細な孔(いわゆる海綿状ピッ
ト)を形成して、箔表面の表面積を拡大することが行な
われている。この表面積の拡大は、電解コンデンサ低圧
用陽極箔の静電容量を高めるためには、最も有効な方法
である。
ッチング処理を施して、海綿状ピットを効率的に形成さ
せるためには、不純物の少ないアルミニウム箔を用いる
ことが有効であると言われていた。そのため、特に、ア
ルミニウム箔中の結晶組織の状態に関しては、考慮が払
われていなかった。
せるには、結晶組織の状態も重要であるとして、特開平
4−333541号公報に記載されたような技術が提案
されている。この技術は、結晶方位を規制したものであ
って、圧延方位(110)面に対する立方体方位(10
0)面の比〔(100)/(110)〕を、一定値以下
に規制したものである。これは、(100)面の結晶粒
が、エッチング処理によって溶解しやすいため、過溶解
して海綿状ピットが合体・脱落し、表面積の拡大が図れ
なくなるのを防止しようというものである。
4−333541号公報記載の技術と同様に、アルミニ
ウム箔中の結晶組織の状態が、海綿状ピットの形成に、
どのような影響を及ぼすか検討していたところ、(10
0)面の割合を一定値以下に規制しても、必ずしも、効
率的に海綿状ピットが形成されるとは限らないことが判
明した。即ち、(100)面の割合を一定値以下に規制
すると、エッチング処理により溶解しにくくなって、海
綿状ピット自体が生成しにくくなることもあった。
果、海綿状ピット生成の核となるのは、結晶粒中のサブ
グレイン又はセルの粒界であることが分かり、サブグレ
イン又はセルの粒界が多くなればなるほど海綿状ピット
が形成されやすいことが分かった。また、一旦形成され
た海綿状ピットの合体・脱落を防止するためには、立方
体方位(100)面を有する結晶粒の大きさが関係して
いることが分かった。つまり、立方体方位を有する結晶
粒の大きさが大きいほど、形成された海綿状ピットが合
体・脱落しやすくなることが分かった。本発明は、これ
らの知見に基づいてなされたものである。
Si,Cu及びその他の不可避不純物を含み、アルミニ
ウム純度が99.9%以上のアルミニウム箔であって、
サブグレイン又はセルの平均粒径が1〜10μmである
と共に、(100)方位を有する結晶粒の平均粒径が5
〜20μmであり、且つその密度が400個/mm2以
上であることを特徴とする電解コンデンサ電極用硬質ア
ルミニウム箔及びその製造方法に関するものである。
ルミニウム純度が99.9%以上のものである。アルミ
ニウム純度が99.9%未満であると、アルミニウム箔
中に含まれている不純物であるFe,Si及びCuの含
有量が相対的に多くなり、エッチング処理によって過溶
解が生じ、海綿状ピットが合体・脱落するので、好まし
くない。なお、不純物であるFe,Si及びCuは、そ
の含有量が多すぎなければ、ある程度含有されている方
が良い。これらの不純物によって、得られるアルミニウ
ム箔の引張強度を高くすることができ、また、海綿状ピ
ットも形成されやすくなる場合があるからである。ま
た、本発明に係るアルミニウム箔においては、Fe,S
i及びCuの他に、不可避不純物が含有されている場合
があることは、言うまでもない。
が1〜10μmのサブグレイン又はセルを有している。
サブグレイン又はセルの平均粒径が10μmを超える
と、サブグレイン又はセルの粒界が少なくなるので、好
ましくない。即ち、この粒界は、海綿状ピット生成の核
となるものであるから、この粒界が少ないと微細な海綿
状ピットが生成しにくくなり、表面積が拡大しにくくな
るので、好ましくない。また、サブグレイン又はセルの
平均粒径を1μm未満とすることは、工業的に困難であ
る。
の測定方法について説明する。まず、本発明に係るアル
ミニウム箔を、硝酸:メタノール=1:2の容積比を持
つ溶液中(液温−20℃)で電解研磨して薄膜を作製す
る。この薄膜を、100kVの加速電圧で2000倍に
拡大してTEM観察する。観察したサブグレイン又はセ
ルの面積を測定し、この面積を持つ仮想円の直径を、サ
ブグレイン又はセルの粒径とする。そして、20視野を
TEM観察し、各々のサブグレイン又はセルの粒径の平
均値を平均粒径とする。
いて、(100)方位を有する結晶粒(以下、「(10
0)方位粒」と言う。)の平均粒径は5〜20μmであ
る。(100)方位粒の平均粒径が20μmを超える
と、エッチング処理によって、海綿状ピットが合体・脱
落しやすくなり、表面積の拡大が図れないので、好まし
くない。また、(100)方位粒の平均粒径を5μm未
満とすると、全体として、(100)方位粒が少なくな
る傾向が生じ、エッチング処理による溶解性が低くな
り、表面積の拡大が図れなくなる傾向が生じる。
m2以上であり、好ましくは400〜1000個/mm
2 であるのが良い。(100)方位粒の密度が400
個/mm2未満であると、エッチング処理による溶解性
が低くなり、表面積の拡大が図れなくなる傾向が生じ
る。
以下の方法により測定する。まず、本発明に係るアルミ
ニウム箔を、硝酸:メタノール=1:2の容積比を持つ
溶液中(液温−20℃)で電解研磨して薄膜を作製す
る。この薄膜を、100kVの加速電圧で2000倍に
拡大してTEM観察する。観察した(100)方位粒
(制限視野電子線回折により方位確認)の面積を測定
し、この面積を持つ仮想円の直径を、(100)方位粒
の粒径とする。そして、20視野をTEM観察し、各々
の(100)方位粒の粒径の平均値を平均粒径とする。
また、(100)方位粒の密度は、同様にTEM観察し
て、(100)方位粒の個数を数え、〔(100)方位
粒の数/全視野面積(mm2)〕なる式で算出した。
その表面に自然酸化皮膜を有するものであるが、この自
然酸化皮膜の成長速度を、1.3×10-7 nm/se
c.以下とするのが好ましい。成長速度がこれより速い
と、3ケ月経過すると酸化皮膜の厚さが1.01nm以
上となり、エッチング処理時に、初期ピットが生成しに
くくなる傾向が生じる。従って、本発明に係るアルミニ
ウム箔であっても、エッチング処理によって、十分な表
面積の拡大を図れなくなる場合がある。このような自然
酸化皮膜の成長速度を抑制する方法としては、本発明に
係るアルミニウム箔を製造する際に用いる圧延油の組
成、圧延後の洗浄の種類,方法及び条件、洗浄後の後処
理等を工夫することによって行なう。具体的には、アル
カリ洗浄後、硝酸等の酸化性酸によって後処理したり、
キレート剤でアルミニウム箔表面を防錆すれば良い。
について説明する。まず、製造後2日のアルミニウム箔
と、製造後90日のアルミニウム箔を準備する。各々の
アルミニウム箔を、XPS(光電子分光分析装置。X線
源はAl−kαである。)により、〔Al 2p〕のピ
ークを波形分離し、次の式により酸化皮膜の厚さを求め
た。即ち、d=2.8×ln(1.4×IO/Im+
1)なる式で求めた。ここで、dは、酸化皮膜の厚さで
単位はnmである。また、IOは、〔Al 2p〕のピ
ークを波形分離したときの、酸化物結合ピークの面積で
あり、Imは、〔Al 2p〕のピークを波形分離した
ときの、金属結合ピークの面積を示す。そして、90日
のアルミニウム箔の酸化皮膜厚さから、2日のアルミニ
ウム箔の酸化皮膜厚さを引いた値を、経時秒数(88日
に相当する秒数)で除した値を、酸化皮膜成長速度とし
た。
で製造することができるが、具体的には、以下の如き二
つの方法を採用するのが好ましい。第一の方法は、F
e,Si,Cu及びその他の不可避不純物を含み、アル
ミニウム純度が99.9%以上のアルミニウム鋳塊に、
熱間圧延及び冷間圧延を施して(但し、中間焼鈍及び最
終焼鈍は施さない。)、電解コンデンサ電極用硬質アル
ミニウム合金箔を製造する方法において、冷間圧延温度
を70〜120℃とすることを特徴とする電解コンデン
サ電極用硬質アルミニウム合金箔の製造方法である。
とおりである。まず、Fe,Si,Cu及びその他の不
可避不純物を含み、アルミニウム純度が99.9%以上
のアルミニウム鋳塊を準備する。アルミニウム純度を9
9.9%以上とする理由、及びFe,Si,Cuの他元
素が含有されている理由は、上記したとおりである。こ
のアルミニウム鋳塊に、従来公知の均質化処理及び熱間
圧延を施す。均質化処理及び熱間圧延の種々の条件も、
従来採用されている条件で良い。熱間圧延を終えた後、
冷間圧延を施す。この方法の特徴は、冷間圧延時の温度
条件を70〜120℃とすることである。この温度範囲
で冷間圧延を行なうことによって、サブグレイン又はセ
ルの平均粒径を1〜10μmの範囲に調整しやすくな
り、また、(100)方位粒の平均粒径を5〜20μm
の範囲に及びその密度を400個/mm2以上に調整し
やすくなるのである。また、この方法の特徴は、中間焼
鈍及び最終焼鈍を施さないことである。中間焼鈍や最終
焼鈍を施すと、一定の温度範囲の冷間圧延で調整され
た、サブグレイン又はセルの平均粒径が大きくなった
り、(100)方位粒の平均粒径が大きくなる恐れがあ
り、好ましくない。
びその他の不可避不純物を含み、アルミニウム純度が9
9.9%以上のアルミニウム鋳塊に、熱間圧延,冷間圧
延,中間焼鈍及び仕上冷間圧延を施して(但し、最終焼
鈍は施さない。)、電解コンデンサ電極用硬質アルミニ
ウム合金箔を製造する方法において、中間焼鈍を温度1
80〜250℃で5〜40時間の条件で施し、仕上冷間
圧延の圧下率を15〜50%とすることを特徴とする電
解コンデンサ電極用硬質アルミニウム合金箔の製造方法
である。なお、仕上冷間圧延の圧下率は、仕上冷間圧延
前のアルミニウム薄板の厚さをt0とし、仕上冷間圧延
後のアルミニウム箔の厚さをt1としたとき、〔(t0−
t1)/t0〕×100で算出されるものである。
とおりである。まず、第一の方法と同様のアルミニウム
鋳塊を準備する。このアルミニウム鋳塊に、第一の方法
と同様に従来公知の均質化処理及び熱間圧延を施す。熱
間圧延を終えた後、冷間圧延を施す。冷間圧延も従来公
知の方法で、且つ従来採用されている条件で行なえば良
い。冷間圧延によって所望厚さのアルミニウム薄板を得
た後、中間焼鈍を施す。この方法の特徴は、中間焼鈍の
温度条件を180〜250℃とし、中間焼鈍の時間を5
〜40時間とすることである。このように、従来の中間
焼鈍とは異なり、比較的低温で、また比較的短い時間で
中間焼鈍を施すことによって、(100)方位粒の平均
粒径を5〜20μmの範囲に調整しやすくなり、且つそ
の密度を400個/mm2以上に調整しやすくなる。ま
た、この方法の特徴は、中間焼鈍を終えた後、圧下率1
5〜50%で仕上冷間圧延を施すことである。このよう
に、比較的低い圧下率で仕上冷間圧延を施すことによっ
て、(100)方位粒の密度を減少させずに、サブグレ
イン又はセルの平均粒径を1〜10μmの範囲に調整し
やすくなる。更に、この方法の特徴は、最終焼鈍を施さ
ない点にも存する。最終焼鈍を施すと、特定条件下にお
ける中間焼鈍及び仕上冷間圧延で調整された、サブグレ
イン又はセルの平均粒径が大きくなったり、(100)
方位粒の平均粒径が大きくなる恐れがあり、好ましくな
い。
サ電極用硬質アルミニウム合金箔には、従来公知のエッ
チング処理が施され、電解コンデンサ用電極箔として用
いられる。特に、交流エッチング処理を施し、電解コン
デンサ低圧用陽極箔として好適に用いられる。
が、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明
は、サブグレイン又はセルの平均粒径の調整と、(10
0)方位粒の平均粒径とその密度との調整によって、電
解コンデンサ電極用アルミニウム箔のエッチング特性が
向上するとの知見に基づくものであるとして、解釈され
るべきである。
m及びその他不可避不純物を含む99.98%純度のア
ルミニウム鋳塊(厚さ500mm)に、560℃で5時
間の均質化処理を施す。この後、熱間圧延を施して、厚
さ6mmのアルミニウム板を得た。このアルミニウム板
に、冷間圧延を繰り返し施して、0.1mmの厚さのア
ルミニウム箔を得た。この冷間圧延は、全て80〜12
0℃の範囲内で行なった。最後に、このアルミニウム箔
をアルカリ洗浄し、硝酸を用いて脱スマット処理を施
し、電解コンデンサ電極用硬質アルミニウム箔を得た。
ム板を得た。このアルミニウム板に冷間圧延を繰り返し
施して、厚さ0.12mmのアルミニウム薄板を得た。
このアルミニウム薄板に、温度180℃で5時間の中間
焼鈍を施した。中間焼鈍後、17%の圧下率で、仕上冷
間圧延を施し、0.1mmの厚さのアルミニウム箔を得
た。最後に、実施例1と同様のアルカリ洗浄及び脱スマ
ット処理を施して、電解コンデンサ電極用硬質アルミニ
ウム箔を得た。
の方法で電解コンデンサ電極用硬質アルミニウム箔を得
た。
の方法で電解コンデンサ電極用硬質アルミニウム箔を得
た。
の方法で電解コンデンサ電極用硬質アルミニウム箔を得
た。
例2と同様の方法で電解コンデンサ電極用硬質アルミニ
ウム箔を得た。
他は、実施例2と同様の方法で電解コンデンサ電極用硬
質アルミニウム箔を得た。
ム板を得た。このアルミニウム板に冷間圧延を繰り返し
施して、厚さ0.2mmのアルミニウム薄板を得た。こ
のアルミニウム薄板に、温度180℃で5時間の中間焼
鈍を施した。中間焼鈍後、50%の圧下率で、仕上冷間
圧延を施し、0.1mmの厚さのアルミニウム箔を得
た。最後に、実施例1と同様のアルカリ洗浄及び脱スマ
ット処理を施して、電解コンデンサ電極用硬質アルミニ
ウム箔を得た。
他は、実施例8と同様の方法で電解コンデンサ電極用硬
質アルミニウム箔を得た。
m及びその他不可避不純物を含む99.99%純度のア
ルミニウム鋳塊(厚さ500mm)に、600℃で5時
間の均質化処理を施す。この後、熱間圧延を施して、厚
さ6mmのアルミニウム板を得た。このアルミニウム板
に、冷間圧延を繰り返し施して、0.1mmの厚さのア
ルミニウム箔を得た。この冷間圧延は、全て70〜90
℃の範囲内で行なった。最後に、このアルミニウム箔を
アルカリ洗浄し、硝酸を用いて脱スマット処理を施し、
電解コンデンサ電極用硬質アルミニウム箔を得た。
m及びその他不可避不純物を含む99.99%純度のア
ルミニウム鋳塊(厚さ500mm)に、560℃で5時
間の均質化処理を施す。この後、熱間圧延を施して、厚
さ6mmのアルミニウム板を得た。このアルミニウム板
に、冷間圧延を繰り返し施して、0.2mmの厚さのア
ルミニウム薄板を得た。このアルミニウム薄板に、温度
250℃で40時間の中間焼鈍を施した。中間焼鈍後、
50%の圧下率で、仕上冷間圧延を施し、0.1mmの
厚さのアルミニウム箔を得た。最後に、アルカリ洗浄を
施して、電解コンデンサ電極用硬質アルミニウム箔を得
た。
実施例8と同様の方法で電解コンデンサ電極用硬質アル
ミニウム箔を得た。
ム板を得た。このアルミニウム板に冷間圧延を繰り返し
施して、厚さ0.115mmのアルミニウム薄板を得
た。このアルミニウム薄板に、温度250℃で40時間
の中間焼鈍を施した。中間焼鈍後、13%の圧下率で、
仕上冷間圧延を施し、0.1mmの厚さのアルミニウム
箔を得た。最後に、実施例1と同様のアルカリ洗浄及び
脱スマット処理を施して、電解コンデンサ電極用硬質ア
ルミニウム箔を得た。
の方法で電解コンデンサ電極用アルミニウム箔を得た。
ム板を得た。このアルミニウム板に冷間圧延を繰り返し
施して、厚さ0.22mmのアルミニウム薄板を得た。
このアルミニウム薄板に、温度250℃で40時間の中
間焼鈍を施した。中間焼鈍後、55%の圧下率で、仕上
冷間圧延を施し、0.1mmの厚さのアルミニウム箔を
得た。最後に、実施例1と同様のアルカリ洗浄及び脱ス
マット処理を施して、電解コンデンサ電極用アルミニウ
ム箔を得た。
は、実施例2と同様の方法で電解コンデンサ電極用アル
ミニウム箔を得た。
3に係る電解コンデンサ電極用硬質アルミニウム箔及び
比較例1〜3に係る電解コンデンサ電極用アルミニウム
箔について、上記した方法で、サブグレイン又はセルの
平均粒径、(100)方位粒の平均粒径とその密度、及
び酸化皮膜の成長速度を測定し、表1に示した。
サ電極用硬質アルミニウム箔及び比較例1〜3に係る電
解コンデンサ電極用アルミニウム箔に、以下の条件でエ
ッチング処理及び化成処理を施し、以下の方法で静電容
量(μF/cm2)を測定し、その結果を表2に示し
た。なお、静電容量の値(%)は、実施例8の電解コン
デンサ電極用硬質アルミニウム箔を用いて得られた静電
容量の値を100%として、それに対する相対比較で求
めたものである。また、エッチング処理及び化成処理を
終えた箔に、以下に示した急速加熱を施し、最終的な箔
の引張強度を測定し、その結果も表2に示した。
+1.0重量%硫酸水溶液(液温60℃)中にアルミニ
ウム箔を浸漬し、60Hzで0.4A/cm2の正弦波
交流を用いて、第一次エッチングを1分間施した。この
後、8.0重量%塩酸+0.1重量%硫酸水溶液(液温
30℃)中に、第一次エッチング処理したアルミニウム
箔を浸漬し、60Hzで0.3A/cm2の正弦波交流
を用いて、第二次エッチングを5分間施した。最後に、
水洗及び乾燥してエッチング処理を終了した。 〔化成処理〕:上記のエッチング処理を終えた各箔を、
EIAJ法に則って、対抗電極をSUS 304とし
て、20Vf.で化成処理を行なった。
電極箔(大きさ:巾10mm×長さ50mm)1枚を、
13重量%五硼酸アンモニウム水溶液(液温30℃)中
に浸漬し、対向電極として静電容量が40000μF/
cm2以上のエッチドアルミニウム箔を用い、120H
zの直列等価回路でLCRメーターを用いて、静電容量
(μF/cm2)を測定した。 〔急速加熱後の引張強度〕:上記の化成処理を終えた各
電極箔を、大気中で400℃×5分間の条件で加熱処理
を行なった。この加熱処理後における各電極箔の引張強
度(MPa)をインストロン型万能引張試験機により測
定した。
〜13に係る電解コンデンサ電極用硬質アルミニウム箔
にエッチング処理等を施して得られた電極箔は、比較例
1〜3に係る電解コンデンサ電極用アルミニウム箔にエ
ッチング処理等を施して得られた電極箔に比べて、高い
静電容量を持つことが分かる。また、電極箔に急速加熱
を施した場合、実施例1〜13の電極箔は、比較例1〜
3の電極箔に比べて、概ね高引張強度を持つことが分か
る。
極用硬質アルミニウム箔にエッチング処理を施すと、高
静電容量の箔が得られる理由については、定かではな
い。しかしながら、本発明者等は、以下のように考えて
いる。即ち、サブグレイン又はセルの平均粒径が1〜1
0μmというように、比較的小さいので、粒界の生じる
割合が多くなる。そして、エッチング処理による初期ピ
ットは、この粒界を核として生じると考えられため、初
期ピットが多数生成しやすくなる。そして、エッチング
処理で溶解しやすい(100)方位粒の平均粒径が5〜
20μmと比較的小さく、且つその密度(個数)が40
0個/mm2以上と多いため、微細なピット孔が多数生
成しやすくなる。従って、微細な海綿状ピットが形成さ
れ、エッチング処理によって、表面積が大幅に拡大する
と考えられるのである。依って、本発明に係る電解コン
デンサ電極用硬質アルミニウム箔を用いれば、高静電容
量の電極箔が得られるという効果を奏する。特に、交流
エッチング処理及び化成処理を施せば、高静電容量の電
解コンデンサ低圧用陽極箔が得られるという効果を奏す
る。
急速加熱処理すれば、電極箔の引張強度が向上し、電極
箔として耐久性に優れ取り扱いやすいものが得られると
いう予期せぬ効果を奏する。
Claims (3)
- 【請求項1】 Fe,Si,Cu及びその他の不可避不
純物を含み、アルミニウム純度が99.9%以上のアル
ミニウム箔であって、サブグレイン又はセルの平均粒径
が1〜10μmであると共に、(100)方位を有する
結晶粒の平均粒径が5〜20μmであり、且つその密度
が400個/mm2 以上であることを特徴とする電解
コンデンサ電極用硬質アルミニウム箔。 - 【請求項2】 Fe,Si,Cu及びその他の不可避不
純物を含み、アルミニウム純度が99.9%以上のアル
ミニウム鋳塊に、熱間圧延及び冷間圧延を施して(但
し、中間焼鈍及び最終焼鈍は施さない。)、電解コンデ
ンサ電極用硬質アルミニウム箔を製造する方法におい
て、冷間圧延温度を70〜120℃とすることを特徴と
する電解コンデンサ電極用硬質アルミニウム箔の製造方
法。 - 【請求項3】 Fe,Si,Cu及びその他の不可避不
純物を含み、アルミニウム純度が99.9%以上のアル
ミニウム鋳塊に、熱間圧延,冷間圧延,中間焼鈍及び仕
上冷間圧延を施して(但し、最終焼鈍は施さない。)、
電解コンデンサ電極用硬質アルミニウム箔を製造する方
法において、中間焼鈍を温度180〜250℃で5〜4
0時間の条件で施し、仕上冷間圧延の圧下率を15〜5
0%とすることを特徴とする電解コンデンサ電極用硬質
アルミニウム箔の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37365798A JP3959106B2 (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | 電解コンデンサ電極用硬質アルミニウム箔 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37365798A JP3959106B2 (ja) | 1998-12-28 | 1998-12-28 | 電解コンデンサ電極用硬質アルミニウム箔 |
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