JP2002179928A - 感熱性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

感熱性熱可塑性樹脂組成物

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JP2002179928A
JP2002179928A JP2000383412A JP2000383412A JP2002179928A JP 2002179928 A JP2002179928 A JP 2002179928A JP 2000383412 A JP2000383412 A JP 2000383412A JP 2000383412 A JP2000383412 A JP 2000383412A JP 2002179928 A JP2002179928 A JP 2002179928A
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resin composition
block copolymer
heat
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JP2000383412A
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Akiko Miki
晶子 三木
Masaya Onishi
雅也 大西
Akihiro Yabui
章博 藪井
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般の射出成形および押出し成形などの成形
方法での加工が可能であり、機械的特性において優れ、
各種分野への使用が可能であり、室温域で良好な透明性
を有するが、高温で不透明となる感熱性熱可塑性樹脂組
成物を提供すること。 【解決手段】 非結晶性ポリエステル樹脂(A)および
シアン化ビニル−芳香族ビニル共重合体(B)を含んで
なることを特徴とする感熱性熱可塑性樹脂組成物、およ
び、非晶性ポリエステル樹脂(A)、シアン化ビニル−
芳香族ビニル共重合体(B)、エポキシ化ジエン系ブロ
ック共重合体(C)および/またはジエン系ブロック共
重合体(D)を含んでなることを特徴とする感熱性熱可
塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室温域で良好な透
明性を有するが、高温で不透明となるという特異な性質
を有し、成形性、二次加工性に優れ、物性バランスのと
れた感熱性熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】感熱応答性を示す物質としては、ポリ−
N−イソプロピルアクリルアミドやポリメトキシメチル
ビニルエーテル等の水溶性高分子物質が知られている。
これらは、吸水するとゾル・ゲル相転移を生じ、かつ、
高温下で不透明なゲル状態となり、低温下で透明なゾル
状態となるという特異な性質を有する。
【0003】しかし、こうした感熱応答性を示す水溶性
高分子は、水溶液として用いなければならないため、利
用分野に制限があり、かつ製造工程が煩雑であるなどの
欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の課題
は、一般の射出成形および押出し成形などの成形方法で
の加工が可能であり、機械的特性において優れ、各種分
野への使用が可能であり、室温域で良好な透明性を有す
るが、高温で不透明となる感熱性熱可塑性樹脂組成物を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意研究をした結果、非結晶性ポリエステ
ル樹脂(A)およびシアン化ビニル−芳香族ビニル共重
合体(B)、さらにエポキシ化ジエン系ブロック共重合
体(C)および/またはジエン系ブロック共重合体
(D)を含んでなる樹脂組成物が、室温域で良好な透明
性を有するが、高温域で不透明となるという特異な性質
を有し、成形性、二次加工性に優れ、物性バランスのと
れた感熱性熱可塑性樹脂組成物となることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0006】即ち本発明は、室温では透明で、高温領域
においては不透明となる感熱性熱可塑性樹脂組成物を提
供するものである。また、本発明は、室温では透明で、
80℃以上においては不透明となる前記の感熱性熱可塑
性樹脂組成物を提供するものである。また、本発明は、
2種類以上の非晶性を有する熱可塑性樹脂のブレンド物
からなり、それらの室温での屈折率の差が0.05以下
であることを特徴とする前記の感熱性熱可塑性樹脂組成
物を提供するものである。また、本発明は、非晶性を有
する熱可塑性樹脂のガラス転移温度の差が10度以上で
あることを特徴とする前記の感熱性熱可塑性樹脂組成物
を提供するものである。また、本発明は、非晶性を有す
る熱可塑性樹脂として、非結晶性ポリエステル樹脂
(A)およびシアン化ビニル−芳香族ビニル共重合体
(B)を含んでなることを特徴とする前記の感熱性熱可
塑性樹脂組成物を提供するものである。また、本発明
は、非晶性を有する熱可塑性樹脂として、非晶性ポリエ
ステル樹脂(A)、シアン化ビニル−芳香族ビニル共重
合体(B)、エポキシ化ジエン系ブロック共重合体
(C)および/またはジエン系ブロック共重合体(D)
を含んでなることを特徴とする前記の感熱性熱可塑性樹
脂組成物を提供するものである。また、本発明は、エポ
キシ化ジエン系ブロック共重合体(C)が、ビニル芳香
族化合物からなるブロックと共役ジエン化合物からなる
ブロックとからなるブロック共重合体またはその部分水
添物を、エポキシ化したものであることを特徴とする前
記の感熱性熱可塑性樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、エポキシ化ジエン系ブロック共重合体
(C)が、ビニル芳香族化合物からなるブロックと共役
ジエン化合物からなるブロックとからなるブロック共重
合体またはその部分水添物をエポキシ化したものであっ
て、ビニル芳香族化合物からなるブロックが60wt%
以上であることを特徴とする前記の感熱性熱可塑性樹脂
組成物を提供するものである。また、本発明は、厚み3
mmの成形片に成形して測定した場合、室温域でのヘイ
ズ値が15以下で、80℃でのヘイズ値が40以上であ
ることを特徴とする前記の感熱性熱可塑性樹脂組成物を
提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明の内容を詳細に説明す
る。
【0008】(非結晶性ポリエステル樹脂(A))本発
明に用いられる非結晶性ポリエステル樹脂(A)の末端
基はカルボン酸および/または水酸基であり、好ましく
は、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび/また
はエチレングリコールからなるジアルコール成分と、テ
レフタル酸が主成分であるジカルボン酸成分との共重合
体であり、さらに好ましくは、1、4−シクロヘキサン
ジメタノールとポリエチレンテレフタレートとを共重合
した非結晶性のポリエステルで、特表平9−50944
9号公報などに開示されているものである。この非結晶
性ポリエステル樹脂のジカルボン酸成分には、10モル
%以下の割合でイソフタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、セバシン
酸、アジピン酸、グルタル酸、アゼライン酸などの芳香
族又は、脂環式ジカルボン酸が含まれていてもよい。
又、エチレングリコール及び1、4−シクロヘキサンジ
メタノールのグリコール成分混合物にも10モル%以下
の割合でジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオ
ール、ヘキサンジオール、テトラメチルシクロブタンジ
オールなどが含まれていてもよい。
【0009】(シアン化ビニル−芳香族ビニル共重合体
(B))本発明で用いるシアン化ビニル−芳香族ビニル
共重合体は、シアン化ビニル化合物および芳香族ビニル
化合物を重合してなる共重合体である。シアン化ビニル
化合物としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロ
ニトリルなどが挙げられる。芳香族ビニル化合物につい
て、例えばスチレン、o−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、m−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチ
レン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン
などのアルキル置換スチレン、α−メチルスチレン、α
−メチル−p−メチルスチレンなどのα−アルキル置換
スチレン、クロルスチレンなどのハロゲン置換スチレン
などが挙げられ、これらの2種以上のモノマーからなる
共重合体も含まれる。また必要に応じて、エチレン系不
飽和カルボン酸エステル、アミド基を有するビニル化合
物などのその他の共重合可能な化合物を共重合して使用
することができる。また必要に応じて、2種以上のシア
ン化ビニル化合物、2種以上の芳香族ビニル化合物が同
時に共重合してもよい。AS樹脂としては、具体的にア
クリロニトリル−スチレン共重合体、メタクリロニトリ
ル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−
α−メチルスチレン3元共重合体等が挙げられる。
【0010】(エポキシ化ジエン系ブロック共重合体
(C))本発明に用いられるエポキシ化ジエン系ブロッ
ク共重合体(C)は、ビニル芳香族化合物からなるブロ
ックと共役ジエン化合物からなるブロックとからなるブ
ロック共重合体、またはその部分水添物をエポキシ化し
たものである。
【0011】ここで、ブロック共重合体の数平均分子量
は5,000〜1,000,000、好ましくは10,
000〜800,000の範囲であり、分子量分布[重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比
(Mw/Mn)]は10以下である。またブロック共重
合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこ
れらの任意の組み合せのいずれであってもよい。例えば
X−Y−X、Y−X−Y−X、(X−Y−)4Si、X
−Y−X−Y−X、等の構造を有するビニル芳香族化合
物(X)ブロック−共役ジエン化合物(Y)ブロック共
重合体である。さらにジエン系ブロック共重合体の共役
ジエン化合物の不飽和結合は、部分的に水素添加したも
のでもよい。
【0012】ジエン系ブロック共重合体を構成するビニ
ル芳香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、p−第3級ブチルスチレ
ン、ジビニルベンゼン、p−メチルスチレン、1,1−
ジフェニルスチレン等のうちから1種または2種以上が
選択でき、中でもスチレンが好ましい。また、共役ジエ
ン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、
1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブ
タジエン、ピぺリレン、3−ブチル−1,3−オクタジ
エン、フェニル−1,3−ブタジエン等のうちから1
種、または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソ
プレン及びこれらの組合せが好ましい。
【0013】本発明に供するブロック共重合体の製造方
法としては上記した構造を有するものであればどのよう
な製造方法もとることができる。例えば、特公昭40−
23798号、特公昭47−3252号、特公昭48−
2423号、特開昭51−33184号、特公昭46−
32415号、特開昭59−166518号、特公昭4
9−36957号、特公昭43−17979号、特公昭
46−32415号、特公昭56−28925号などの
各公報に記載された方法により、リチウム触媒等を用い
て不活性溶媒中でビニル芳香族化合物−共役ジエン化合
物ブロック共重合体を合成することができる。さらに特
公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公
報、あるいは特開昭59−133203号公報に記載さ
れた方法により、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下
に水素添加して、本発明に供する部分的に水添したブロ
ック共重合体を合成することができる。
【0014】上記したジエン系ブロック共重合体をエポ
キシ化することにより本発明で使用されるエポキシ化ジ
エン系ブロック共重合体が得られる。
【0015】本発明におけるエポキシ化ジエン系ブロッ
ク共重合体は上記のブロック共重合体を不活性溶媒中で
ハイドロパーオキサイド類、過酸類等のエポキシ化剤と
反応させることにより得ることができる。過酸類として
は過ギ酸、過酢酸、過安息香酸を例示することができ
る。ハイドロパーオキサイド類の場合、タングステン酸
と苛性ソーダの混合物を過酸化水素と、あるいは有機酸
を過酸化水素と、あるいはモリブデンヘキサカルボニル
をターシャリブチルハイドロパーオキサイドと併用して
触媒効果を得ることができる。
【0016】エポキシ化剤の量には厳密な制限はなく、
それぞれの場合における最適量は、使用する個々のエポ
キシ化剤、所望されるエポキシ化度、使用する個々のブ
ロック共重合体等の可変要因によって決まる。
【0017】得られたエポキシ化ジエン系ブロック共重
合体の単離は適当な方法、例えば貧溶媒で沈澱させる方
法、重合体を熱水中に攪拌の下で投入し溶媒を蒸留除去
する方法、直接脱溶媒法などで行うことができる。
【0018】得られたエポキシ化(水添)ジエン系ブロ
ック共重合体のエポキシ当量は、好ましくは320〜8
000の範囲である。
【0019】さらに該エポキシ化ジエン系ブロック共重
合体は、非結晶性ポリエステル樹脂(A)との屈折率の
差が0.008以下となるように調整したものが好まし
く、具体的な調整方法としては、構成成分の種類、分子
構造、組成比、及び、エポキシ当量を変えることで調整
される。
【0020】(ジエン系ブロック共重合体(D))本発
明に用いられるジエン系ブロック共重合体(D)は、ビ
ニル芳香族化合物からなるブロックと共役ジエン化合物
からなるブロックとからなるブロック共重合体、または
その部分水添物である。さらに該ジエン系ブロック共重
合体は、非結晶性ポリエステル樹脂(A)との屈折率の
差が0.008以下となるように調整したものが好まし
く、具体的な調整方法としては、構成成分の種類、分子
構造、組成比を変えることで調整される。また、本発明
に供するブロック共重合体の数平均分子量は5,000
〜1,000,000、好ましくは10,000〜80
0,000の範囲であり、分子量分布[重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/M
n)]は10以下である。またブロック共重合体の分子
構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの任意
の組み合せのいずれであってもよい。例えばX−Y−
X、Y−X−Y−X、(X−Y−)4Si、X−Y−X
−Y−X、等の構造を有するビニル芳香族化合物(X)
ブロック−共役ジエン化合物(Y)ブロック共重合体で
ある。さらにジエン系ブロック共重合体の共役ジエン化
合物の不飽和結合は、部分的に水素添加したものでもよ
い。
【0021】ジエン系ブロック共重合体を構成するビニ
ル芳香族化合物および共役ジエン化合物としては、エポ
キシ化ジエン系ブロック共重合体(C)の詳細で記載し
たビニル芳香族化合物および共役ジエン化合物を使用す
ることが出来る。
【0022】本発明に供するブロック共重合体の製造方
法としては上記した構造を有するものであればどのよう
な製造方法もとることができ、エポキシ化ジエン系ブロ
ック共重合体(C)の詳細で記載した方法を使用するこ
とが出来る。
【0023】本発明に係る感熱性熱可塑性樹脂組成物の
構成成分(A)と(B)との比は、成形体の室温での透
明性および高温領域での曇度の点から、10〜90:9
0〜10(重量%表示であり、合計100重量%であ
る)の範囲にあることが好ましい。前記範囲を超えた場
合は、高温領域での曇度が十分でない。
【0024】本発明に係る感熱性熱可塑性樹脂組成物の
構成成分(C)および/または(D)の好ましい配合割
合は、(A)と(B)の総和100重量部に対して、0
〜40重量部であり、この範囲であれば、(C)と
(D)は単独でも併用して使用しても良く、また、
(C)および/または(D)を配合することで衝撃強度
などの機械物性のバランスが良くなるが、40重量部を
越えると物性バランスを損ない好ましくない。
【0025】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、
室温での透明性を損なわない範囲で、例えば、充填材、
硬化促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、硫黄硬化剤、
分解防止剤、プロセス油、顔料、酸化亜鉛、ステアリン
酸、安定剤、粘着性付与剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃
剤、滑剤、発泡剤、着色剤、架橋助剤など、通常の熱可
塑性材料に用いられる添加剤を必要に応じて、単独ある
いは混合して添加することができる。また、本発明の熱
可塑性樹脂組成物の特性を損なわない範囲であれば、熱
硬化性樹脂を配合することも可能である。
【0026】また、(A)、(B)、(C)、および
(D)の各成分、さらには前記の添加剤を混合して本発
明の熱可塑性樹脂組成物を製造する方法としては、従来
公知の方法が使用できる。例えば、ロール、ブラベンダ
ーミキサー、各種押出機、ニーダー、バンバリーミキサ
ー、タンブリングミキサー、ヘンシェルミキサー、リボ
ンブレンダー、スーパーミキサー、圧延混合機(mil
l mixer)、連続式混練り機などの公知の混練機
により溶融混練することによって、またドライブレンド
したものを射出成形することにより混合物を得ることが
できる。最も好ましい混合装置は、一軸あるいは二軸押
出機であり、これにより連続的に効率よく混練りし、ペ
レット化することができる。
【0027】本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造する際
には、各成分を一括で混合してもよく、任意の成分をあ
らかじめ予備混合したのち、残りの成分を添加して混合
してもよい。
【0028】尚、本発明の熱可塑性樹脂組成物が、高温
領域において不透明になる理由としては、次のように推
定される。即ち、樹脂の屈折率はガラス転移温度を境に
急激に変化する。本発明においてはガラス転移温度が異
なる複数の非晶性熱可塑性樹脂を原料に用いており、複
数の樹脂のガラス転移温度の内、一番低いガラス転移温
度以上の温度になると、樹脂間の屈折率の差が大きくな
り、不透明になると考えられる。
【0029】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。なお実施例中、%及び部の表示は特に限定のな
い限り重量基準である。
【0030】(エポキシ化ジエン系ブロック共重合体の
調整) [調整例1]攪拌機、還流冷却管、および温度計を備え
たジャケット付反応器にポリスチレン−ポリブタジエン
−ポリスチレンのブロック共重合体[スチレン/ブタジ
エン重量比=70/30]300g、酢酸エチル180
0gを仕込み溶解した。ついで、過酢酸の30重量%酢
酸エチル溶液150gを連続滴下させ、攪拌下40℃で
3時間エポキシ化反応をおこなった。反応液を常温にも
どして反応器より取り出し、多量のメタノールを加えて
重合体を析出させ、濾別後水洗し、乾燥させてエポキシ
変性ブロック共重合体を得た。得られたエポキシ化ジエ
ン系ブロック共重合体を共重合体C−1とする(共重合
体のエポキシ当量760)。
【0031】[調整例2]攪拌機、還流冷却管、および
温度計を備えたジャケット付反応器にポリスチレン−ポ
リブタジエン−ポリスチレンのブロック共重合体[スチ
レン/ブタジエン重量比=40/60]300g、酢酸
エチル1500gを仕込み溶解した。ついで過酢酸の3
0wt%酢酸エチル溶液165gを連続滴下させ、攪拌
下40℃で3時間エポキシ化反応を行った。反応液を常
温にもどして反応器より取り出し、多量のメタノールを
加えて重合体を析出させ、濾別後水洗し、乾燥させてエ
ポキシ変性ブロック共重合体を得た。得られたエポキシ
化ジエン系ブロック共重合体を共重合体C−2とする。
(共重合体のエポキシ当量490)。
【0032】(実施例1〜7)非晶性ポリエステル樹脂
(イーストマンケミカルカンパニー製、PETG、67
63)、シアン化ビニル−芳香族ビニル共重合体(ダイ
セル化学製、AS樹脂、050SF)、調整例1で得ら
れた共重合体C−1、およびジエン系ブロック共重合体
(旭化成(株)製、スチレン/ブタジエン重量比=70
/30、アサフレックス810)を、表1に示す配合で
タンブラーにて混合した。その後、東芝(株)製TEM
35B二軸押出機を用いて230℃にて混練しペレット
化した。こうして得られたペレットを、東芝(株)IS
100P射出成形機を用いて、220℃の条件で試験片
に成形し、曇度、全光線透過率、引張り強度、曲げ弾性
率、アイゾット衝撃強度の各物性を測定した。得られた
測定値を表1に示す。
【0033】(比較例1〜6)非晶性ポリエステル樹脂
(イーストマンケミカルカンパニー製、 PETG、6
763)、シアン化ビニル−芳香族ビニル共重合体(ダ
イセル化学製、AS樹脂、050SF)、調整例1で得
られた共重合体C−1、調整例2で得られた共重合体C
−2、およびジエン系ブロック共重合体(JSR(株)
製、スチレン/ブタジエン重量比=40/60、TR2
000)を、表2に示す配合でタンブラーにて混合し
た。その後、東芝(株)製TEM35B二軸押出機を用
いて230℃にて混練しペレット化した。こうして得ら
れたペレットを、東芝(株)IS100P射出成形機を
用いて、220℃の条件で試験片に成形し、曇度、全光
線透過率、引張り強度、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強
度の各物性を測定した。得られた測定値を表2に示す。
【0034】以上から分かるように実施例の感熱性熱可
塑性樹脂組成物は、室温での透明性が良好であり、80
℃に加熱することで不透明になる。更に、80℃に加熱
後、室温に冷却すると、再び透明になる。
【0035】(各物性の測定方法) (1)曇度及び全光線透過率:厚み3mmのカラープレ
ートを作製し、JISK6714に準じて測定した。測
定は室温、80℃加熱、80℃加熱後、室温まで
冷却した試験片について行った。 (2)引張り強度:ASTM D−638に準じて測定
した。 (3)曲げ弾性率:ASTM D790に準じて、23
℃で測定した。 (4)アイゾット衝撃強度:ノッチ付試験片(3.2m
m厚)を作製し、23℃で、ASTM D256に準じ
て測定した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の熱可塑性
樹脂組成物は、室温では透明であるが、高温領域におい
て不透明になる特異な性質を有しており、更に成形性な
どの物性バランスに優れ、成形品やシートに適してい
る。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室温では透明で、高温領域においては不
    透明となる感熱性熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 室温では透明で、80℃以上においては
    不透明となる感熱性熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 2種類以上の非晶性を有する熱可塑性樹
    脂のブレンド物からなり、それらの室温での屈折率の差
    が0.05以下であることを特徴とする請求項1〜2に
    記載の感熱性熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の非晶性を有する熱可塑
    性樹脂のガラス転移温度の差が10度以上であることを
    特徴とする請求項1〜3に記載の感熱性熱可塑性樹脂組
    成物。
  5. 【請求項5】 非晶性を有する熱可塑性樹脂として、非
    結晶性ポリエステル樹脂(A)およびシアン化ビニル−
    芳香族ビニル共重合体(B)を含んでなることを特徴と
    する請求項1〜4に記載の感熱性熱可塑性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 非晶性を有する熱可塑性樹脂として、非
    晶性ポリエステル樹脂(A)、シアン化ビニル−芳香族
    ビニル共重合体(B)、エポキシ化ジエン系ブロック共
    重合体(C)および/またはジエン系ブロック共重合体
    (D)を含んでなることを特徴とする請求項1〜4に記
    載の感熱性熱可塑性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 エポキシ化ジエン系ブロック共重合体
    (C)が、ビニル芳香族化合物からなるブロックと共役
    ジエン化合物からなるブロックとからなるブロック共重
    合体またはその部分水添物を、エポキシ化したものであ
    ることを特徴とする請求項6に記載の感熱性熱可塑性樹
    脂組成物。
  8. 【請求項8】 エポキシ化ジエン系ブロック共重合体
    (C)が、ビニル芳香族化合物からなるブロックと共役
    ジエン化合物からなるブロックとからなるブロック共重
    合体またはその部分水添物をエポキシ化したものであっ
    て、ビニル芳香族化合物からなるブロックが60wt%
    以上であることを特徴とする請求項6〜7に記載の感熱
    性熱可塑性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 厚み3mmの成形片に成形して測定した
    場合、室温域でのヘイズ値が15以下で、80℃でのヘ
    イズ値が40以上であることを特徴とする請求項1〜8
    に記載の感熱性熱可塑性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017200964A (ja) * 2016-05-02 2017-11-09 長瀬産業株式会社 光線制御用フィルム、積層体

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