JP2002179724A - マンガン錯体含有触媒成分および触媒並びにそれを用いるポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

マンガン錯体含有触媒成分および触媒並びにそれを用いるポリオレフィンの製造方法

Info

Publication number
JP2002179724A
JP2002179724A JP2000380712A JP2000380712A JP2002179724A JP 2002179724 A JP2002179724 A JP 2002179724A JP 2000380712 A JP2000380712 A JP 2000380712A JP 2000380712 A JP2000380712 A JP 2000380712A JP 2002179724 A JP2002179724 A JP 2002179724A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
acid
polymerization
catalyst component
manganese complex
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000380712A
Other languages
English (en)
Inventor
The Ban Hoang
ホアン・テ・バン
Toshio Kase
俊男 加瀬
Masanao Kawabe
正直 川辺
Yoshifumi Fukui
祥文 福井
Hiroyuki Ozaki
裕之 尾崎
Jiju Jin
ジン・ジジュ
Masahide Murata
昌英 村田
Satoru Miyazawa
哲 宮沢
Hideaki Hagiwara
英昭 萩原
Kenji Tsuchihara
健治 土原
Yasuzo Suzuki
靖三 鈴木
Michihiko Asai
道彦 浅井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen Chemical Corp
Zeon Corp
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Nippon Steel Chemical Co Ltd
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tonen Sekiyu Kagaku KK, Tonen Chemical Corp, Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST, Nippon Steel Chemical Co Ltd, Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Tonen Sekiyu Kagaku KK
Priority to JP2000380712A priority Critical patent/JP2002179724A/ja
Publication of JP2002179724A publication Critical patent/JP2002179724A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 α−オレフィンの重合用触媒成分および/ま
たは触媒として全く知られていなかった、VII族遷移
金属錯体であるマンガン錯体を用いた、α−オレフィン
重合用触媒成分および触媒並びにそれを用いるポリオレ
フィンの製造方法を提供すること。 【解決手段】 マンガン錯体をマグネシウム化合物に担
持してなるα−オレフィン重合用触媒成分、マンガン錯
体をマグネシウム化合物に担持してなる触媒成分および
有機アルミニウム化合物を含有するα−オレフィン重合
用触媒、並びにマンガン錯体をマグネシウム化合物に担
持してなる触媒成分および有機アルミニウム化合物を含
有するα−オレフィン重合用触媒を用いてα−オレフィ
ンを重合するポリオレフィンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マンガン錯体含有
触媒成分および触媒並びにそれを用いるポリオレフィン
の製造方法に関し、さらに詳しくは、VII族の遷移金
属錯体であるマンガン錯体を用いる、新規なα−オレフ
ィン重合用触媒成分および触媒並びにそれを用いるポリ
オレフィンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、周期律表のIII族、IV族、V
族、VI族およびVIII族遷移金属錯体をα−オレフ
ィンの重合用触媒成分および/または触媒として用いる
研究は、広範になされていた。しかしながら、VII族
遷移金属錯体をα−オレフィンの重合用触媒成分および
/または触媒に用いる例は報告されていなかった。
【0003】近年、マンガネーゼ(III)(アセチル
アセトナト)(下記式(1)、以下、Mn(aca
c)と略す。)とアルキルハライド化合物を組み合わ
せた触媒を用いて、スチレンおよびメタクリル酸メチル
を重合させる事例が報告されている(高分子学会予稿
集、第48巻、No.8、1716頁、1999年)。
さらに、Mn(acac)とジエチルアルミニウムク
ロライドとを組み合わせた触媒を用いて、80℃、15
時間にてスチレンを重合し、アタクチック−ポリスチレ
ンを製造し得ることも報告されている(高分子学会予稿
集、第49巻、No.2、207頁、2000年)。し
かしながら、これらの重合は、ラジカル機構で進行して
いると考えられ、α−オレフィンの重合とは、その機構
が異なるものである。
【0004】
【化10】 (式中、Meはメチル基を示す。)
【0005】また、1,2−シクロヘキサンジアミノ−
N,N’−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−サリシリデ
ン)マンガネーゼ(III)クロライド(下記式
(3)、以下、Mn(salen)Clと略す。)は、
オレフィンのエポキシ化触媒としてよく知られているも
のの、α−オレフィン重合用触媒としての使用例は、知
られていなかった(J.Am.Chem.Soc.、第
116巻、6937頁、1994年)。
【0006】
【化11】 (式中、Meはメチル基を示す。)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、従
来、α−オレフィンの重合用触媒成分および/または触
媒として全く知られていなかった、VII族遷移金属錯
体であるマンガン錯体を用いた、α−オレフィン重合用
触媒成分および触媒並びにそれを用いるポリオレフィン
の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、マンガン錯体
をマグネシウム化合物に担持することにより、該マンガ
ン錯体がα−オレフィン重合用触媒成分および触媒とな
り得ることを見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明の第1の発明によれば、
マンガン錯体をマグネシウム化合物に担持してなるα−
オレフィン重合用触媒成分が提供される。
【0010】また、本発明の第2の発明によれば、第1
の発明において、下記式(1)、(2)または(3)で
表される、1種以上のマンガン錯体を用いるα−オレフ
ィン重合用触媒成分が提供される。
【0011】
【化12】
【化13】
【化14】 (式中、Meはメチル基を示す。)
【0012】また、本発明の第3の発明によれば、マン
ガン錯体をマグネシウム化合物に担持してなる触媒成分
および有機アルミニウム化合物を含有するα−オレフィ
ン重合用触媒が提供される。
【0013】また、本発明の第4の発明によれば、第3
の発明において、下記式(1)、(2)または(3)で
表される、1種以上のマンガン錯体を用いるα−オレフ
ィン重合用触媒が提供される。
【0014】
【化15】
【化16】
【化17】 (式中、Meはメチル基を示す。)
【0015】さらに、本発明の第5の発明によれば、マ
ンガン錯体をマグネシウム化合物に担持してなる触媒成
分および有機アルミニウム化合物を含有するα−オレフ
ィン重合用触媒を用いてα−オレフィンを重合するポリ
オレフィンの製造方法が提供される。
【0016】さらに、本発明の第6の発明によれば、第
5の発明において、さらに電子供与性化合物を含有する
α−オレフィン重合用触媒を用いてα−オレフィンを重
合するポリオレフィンの製造方法が提供される。
【0017】また、本発明の第7の発明によれば、第5
または6の発明において、下記式(1)、(2)または
(3)で表される、1種以上のマンガン錯体を用いるポ
リオレフィンの製造方法が提供される。
【0018】
【化18】
【化19】
【化20】 (式中、Meはメチル基を示す。)
【0019】また、本発明の第8の発明によれば、第5
または7の発明において、α−オレフィンがエチレンで
あるポリオレフィンの製造方法が提供される。
【0020】また、本発明の第9の発明によれば、第6
または7の発明において、α−オレフィンがプロピレン
であるポリオレフィンの製造方法が提供される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明のマンガン錯体含有
触媒成分および触媒並びにそれを用いるポリオレフィン
の製造方法について各項目毎に詳細に説明する。
【0022】1.マンガン錯体 本発明のα−オレフィン重合用触媒成分として用いるマ
ンガン錯体としては、例えば、マンガネーゼ(II)
(アセチルアセトナト)、Mn(acac)、マン
ガノセン(下記式(2)、以下、Mn(Cp)と略
す。)、Mn(salen)Cl、マンガンアセテー
ト、マンガンシクロヘキサンブチレートなどが挙げられ
るが、この中、Mn(acac)、Mn(Cp)
Mn(salen)Clの使用が好ましい。
【0023】
【化21】
【0024】上記のα−オレフィン重合用触媒成分であ
るマンガン錯体と有機アルミニウム化合物を、そのまま
溶媒に溶解し、均一系重合用触媒として用いても、エチ
レン重合に対しては、低活性ながらも重合活性を示す。
しかしながら、上記のマンガン錯体をマグネシウム化合
物に担持した不均一系重合用触媒として用いると、対応
する均一系触媒の50〜100倍の重合活性を示す。
【0025】2.α−オレフィン重合用触媒成分の製造
方法 本発明のα−オレフィン重合用触媒成分は、上記マンガ
ン錯体と5〜500倍モルのマグネシウム化合物をトル
エン溶媒中にて、90℃程度の温度にて、4時間程度、
反応させることにより製造する。得られた触媒成分中の
マンガン錯体の担持量は、ICP(Inductive
ly Coupled Plazma)にて測定でき、
通常、0.1から0.5ミリモル/g、好ましくは0.
2〜0.4ミリモル/gである。
【0026】上記担体として用いられるマグネシウム化
合物は、例えばMg(OR)(OR)で表されるジ
アルコキシマグネシウム(R、Rは炭素数1〜10
のアルキル基で同じでも異なっていてもよい。)、Mg
(OR)Xで表されるアルコキシハロゲン化マグネシ
ウム(Rは前記と同意義。Xはハロゲン原子を示
す。)、MgXで表されるジハロゲン化マグネシウム
(Xは前記と同意義。)などが挙げられる。
【0027】具体的には、マグネシウムメトキシド、マ
グネシウムエトキシド、フッ化マグネシウム、塩化マグ
ネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウムおよ
びこれらの無水物が挙げられるが、特に無水塩化マグネ
シウムが好ましい。
【0028】3.α−オレフィン重合用触媒 本発明のα−オレフィン重合用触媒は、上記のマンガン
錯体をマグネシウム化合物に担持してなるα−オレフィ
ン重合用触媒成分と、有機アルミニウム化合物の二成
分、またはそれに電子供与性化合物を加えた三成分を含
有するものである。前者のα−オレフィン重合用触媒
は、エチレン重合に好適に用いられ、後者のα−オレフ
ィン重合用触媒は、プロピレン重合に好適に用いられ
る。
【0029】(i)有機アルミニウム化合物 本発明で用いられる有機アルミニウム化合物は、一般式
AlX3−n(但し、Rはアルキル基またはア
リール基、Xはハロゲン原子、アルコキシ基または水素
原子を示し、nは1≦n≦3である任意の数である。)
で示されるものであり、例えばトリアルキルアルミニウ
ム、ジアルキルアルミニウムモノハライド、モノアルキ
ルアルミニウムジハライド、アルキルアルミニウムセス
キハライド、ジアルキルアルミニウムモノアルコキシド
およびジアルキルアルミニウムモノハイドライドなどの
炭素数1〜18個、好ましくは炭素数2〜6個のアルキ
ルアルミニウム化合物またはその混合物もしくは錯化合
物が挙げられる。
【0030】具体的には、トリメチルアルミニウム、ト
リエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、ト
リイソプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミ
ニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジメチルアル
ミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライ
ド、ジエチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミ
ニウムアイオダイド、ジイソブチルアルミニウムクロラ
イドなどのジアルキルアルミニウムモノハライド、メチ
ルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジク
ロライド、メチルアルミニウムジブロマイド、エチルア
ルミニウムジブロマイド、エチルアルミニウムジアイオ
ダイド、イソブチルアルミニウムジクロライドなどのモ
ノアルキルアルミニウムジハライド、エチルアルミニウ
ムセスキクロライドなどのアルキルアルミニウムセスキ
ハライド、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチル
アルミニウムエトキシド、ジエチルアルムニウムフェノ
キシド、ジプロピルアルミニウムエトキシド、ジイソブ
チルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウ
ムフェノキシドなどのジアルキルアルミニウムモノアル
コキシド、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチ
ルアルミニウムハイドライド、ジプロピルアルミニウム
ハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド
などのジアルキルアルミニウムハイドライドなどが挙げ
られる。
【0031】また、酸素原子または窒素原子を介して2
個以上のアルミニウムが結合した有機アルミニウム化合
物も使用可能である。そのような化合物としては、例え
ば、(CAlOAl(C、(C
AlOAl(C 、((C
Al)Nなどが挙げられる。
【0032】また、本発明で用いられる有機アルミニウ
ム化合物として、下記一般式(4)または(5)で表さ
れるメチルアルモキサン化合物も挙げられる。
【0033】
【化22】
【化23】 (式中、nは0〜40、好ましくは2〜30の整数であ
る。)
【0034】一般式(4)および(5)で表される化合
物は、トリメチルアルミニウムと水の反応により得られ
る生成物である。メチルアルモキサンは、他のトリアル
キルアルミニウムと水から得られるアルモキサン、例え
ばエチルアルモキサン、プロピルアルモキサン、ブチル
アルモキサン、イソブチルアルモキサン、メチルエチル
アルモキサン、メチルブチルアルモキサン、メチルイソ
ブチルアルモキサンなどと複数種、併用して用いること
もできる。
【0035】メチルアルモキサンは公知の方法で調製す
ることができ、具体的には以下のような方法が例示され
る。トリメチルアルミニウムをトルエン、ベンゼン、エ
ーテルなどの適当な有機溶剤を用いて直接水と反応させ
る方法、(ロ)トリメチルアルミニウムと結晶水を有す
る塩水和物、例えば硫酸銅、硫酸アルミニウムの水和物
と反応させる方法、(ハ)トリメチルアルミニウムとシ
リカゲルなどに含浸させた水分と反応させる方法、
(ニ)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミ
ニウムを混合し、トルエン、ベンゼン、エーテルなどの
適当な有機溶剤を用いて直接水と反応させる方法、
(ホ)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミ
ニウムを混合し、結晶水を有する塩水和物、例えば硫酸
銅、硫酸アルミニウムの水和物と加熱反応させる方法、
(ヘ)シリカゲルなどに水分を含浸させ、トリイソブチ
ルアルミニウムで処理した後、トリメチルアルミニウム
で追加処理する方法、(ト)メチルアルモキサンおよび
イソブチルアルモキサンを公知の方法で合成し、これら
二成分を所定量混合し、加熱反応させる方法、(チ)ベ
ンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素溶媒に硫酸銅5
水塩などの結晶水を有する塩を入れ、−40〜40℃位
の温度条件下でトリメチルアルミニウムと反応させる方
法。この場合、使用する水の量は、トリメチルアルミニ
ウムに対してモル比で通常0.5〜1.5である。この
ようにして得られたメチルアルモキサンは、上記一般式
(4)または(5)に示すような線状または環状の有機
アルミニウムの重合体である。
【0036】上記の中で、本発明の有機アルミニウム化
合物としての使用が特に好ましいものは、ジエチルアル
ミニウムクロライドおよびメチルアルモキサンである。
【0037】(ii)電子供与性化合物 本発明で用いられる電子供与性化合物としては、カルボ
ン酸類、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル類、カ
ルボン酸ハロゲン化物、アルコール類、エーテル類、ケ
トン類、アミン類、アミド類、ニトリル類、アルデヒド
類、アルコレート類、有機基と炭素もしくは酸素を介し
て結合したリン、ヒ素およびアンチモン化合物、ホスホ
アミド類、チオエーテル類、チオエステル類、炭素エス
テルなどが挙げられる。これらのうちカルボン酸類、カ
ルボン酸無水物、カルボン酸エステル類、カルボン酸ハ
ロゲン化物、アルコール類、エーテル類が好ましく用い
られる。
【0038】(a)カルボン酸類 カルボン酸の具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、ピバリン
酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などの脂肪
族モノカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、
アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸などの
脂肪族ジカルボン酸、酒石酸などの脂肪族オキシカルボ
ン酸、シクロヘキサンモノカルボン酸、シクロヘキセン
モノカルボン酸、シス−1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸、シス−4−メチルシクロヘキセン−1,2−ジ
カルボン酸などの脂環式カルボン酸、安息香酸、トルイ
ル酸、アニス酸、p−第三級ブチル安息香酸、ナフトエ
酸、ケイ皮酸などの芳香族モノカルボン酸、フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタル酸、トリメリト
酸、ヘミメリト酸、トリメシン酸、ピロメリト酸、メリ
ト酸などの芳香族多価カルボン酸などが挙げられる。
【0039】(b)カルボン酸無水物 カルボン酸無水物としては、上記のカルボン酸類の無水
物が使用し得る。
【0040】(c)カルボン酸エステル カルボン酸エステルとしては、上記のカルボン酸類のモ
ノまたは多価エステルを使用することができ、その具体
例として、ギ酸ブチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、イソ
酪酸イソブチル、ピバリン酸プロピル、ピバリン酸イソ
ブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、マロン酸ジ
エチル、マロン酸ジイソブチル、コハク酸ジエチル、コ
ハク酸ジブチル、コハク酸ジイソブチル、グルタル酸ジ
エチル、グルタル酸ジブチル、グルタル酸ジイソブチ
ル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジブチル、セ
バシン酸ジイソブチル、マレイン酸ジエチル、マレイン
酸ジブチル、マレイン酸ジイソブチル、フマル酸モノメ
チル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジイソブチル、酒石
酸ジエチル、酒石酸ジブチル、酒石酸ジイソブチル、シ
クロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息
香酸エチル、p−トルイル酸メチル、p−第三級ブチル
安息香酸エチル、p−アニス酸エチル、o−ナフトエ酸
エチル、o−ナフトエ酸イソブチル、ケイ皮酸エチル、
フタル酸モノメチル、フタル酸モノエチル、フタル酸モ
ノブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタ
ル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオ
クチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジ
アリル、フタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジエチル、
イソフタル酸ジイソブチル、テレフタル酸ジエチル、テ
レフタル酸ジブチル、ナフタル酸ジエチル、ナフタル酸
ジブチル、トリメリト酸トリエチル、トリメリト酸トリ
ブチル、ピロメリト酸テトラメチル、ピロメリト酸テト
ラエチル、ピロメリト酸テトラブチルなどが挙げられ
る。
【0041】(d)カルボン酸ハロゲン化物 カルボン酸ハロゲン化物としては、上記のカルボン酸類
の酸ハロゲン化物を使用することができ、その具体例と
して、酢酸クロライド、酢酸ブロマイド、酢酸アイオダ
イド、プロピオン酸クロライド、酪酸クロライド、酪酸
ブロマイド、酪酸アイオダイド、ピバリン酸クロライ
ド、ピバリン酸ブロマイド、アクリル酸クロライド、ア
クリル酸ブロマイド、アクリル酸アイオダイド、メタク
リル酸クロライド、メタクリル酸ブロマイド、メタクリ
ル酸アイオダイド、クロトン酸クロライド、マロン酸ク
ロライド、マロン酸ブロマイド、コハク酸クロライド、
コハク酸ブロマイド、グルタル酸クロライド、グルタル
酸ブロマイド、アジピン酸クロライド、アジピン酸ブロ
マイド、セバシン酸クロライド、セバシン酸ブロマイ
ド、マレイン酸クロライド、マレイン酸ブロマイド、フ
マル酸クロライド、フマル酸ブロマイド、酒石酸クロラ
イド、酒石酸ブロマイド、シクロヘキサンカルボン酸ク
ロライド、シクロヘキサンカルボン酸ブロマイド、1−
シクロヘキセンカルボン酸クロライド、シス−4−メチ
ルシクロヘキセンカルボン酸クロライド、シス−4−メ
チルシクロヘキセンカルボン酸ブロマイド、塩化ベンゾ
イル、臭化ベンゾイル、p−トルイル酸クロライド、p
−トルイル酸ブロマイド、p−アニス酸クロライド、p
−アニス酸ブロマイド、o−ナフトエ酸クロライド、ケ
イ皮酸クロライド、ケイ皮酸ブロマイド、フタル酸ジク
ロライド、フタル酸ジブロマイド、イソフタル酸ジクロ
ライド、イソフタル酸ジブロマイド、テレフタル酸ジク
ロライド、ナフタル酸ジクロライドなどが挙げられる。
また、アジピン酸モノメチルクロライド、マレイン酸モ
ノエチルクロライド、マレイン酸モノメチルクロライ
ド、フタル酸ブチルクロライドのようなジカルボン酸の
モノアルキルハロゲン化物も使用し得る。
【0042】(e)アルコール類 アルコール類は、一般式ROHで表される。式におい
てRは炭素数1〜12個のアルキル、アルケニル、シ
クロアルキル、アリール、アルアルキルである。その具
体例としては、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、
ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、2−エチ
ルヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコ
ール、アリルアルコール、フェノール、クレゾール、キ
シレノール、エチルフェノール、イソプロピルフェノー
ル、p−t−ブチルフェノール、n−オクチルフェノー
ルなどである。
【0043】(f)エーテル類 エーテル類は、一般式RORで表される。式におい
てR、Rは炭素数1〜12個のアルキル、アルケニ
ル、シクロアルキル、アリール、アルアルキルであり、
とRは同じでも異なっていてもよい。その具体例
としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジイソ
アミルエーテル、ジ−2−エチルヘキシルエーテル、ジ
アリルエーテル、エチルアリルエーテル、ブチルアリル
エーテル、ジフェニルエーテル、アニソール、エチルフ
ェニルエーテルなどである。
【0044】上記の中で、本発明の電子供与性化合物と
しての使用が特に好ましいものは、安息香酸エチルおよ
びフタル酸ジブチルである。
【0045】4.α−オレフィン 本発明で用いられるα−オレフィンは、炭素数2〜20
のα−オレフィンであり、具体的には、エチレン、プロ
ピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3
−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3
−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、
4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘ
キセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル
−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オク
テン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、
1−ヘキサデセン、1−オクタデセンなどの直鎖ないし
分岐型のオレフィン類などが挙げられる。好ましくは、
エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1
−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−
1−ペンテン、1−オクテン、3−メチル−1−ブテン
などが挙げられ、特に好ましくはエチレンおよびプロピ
レンであり、これらは、単独でも、あるいは上記モノマ
ーの少なくとも1つ以上と任意の割合で用いてもよい。
【0046】5.ポリオレフィンの製造方法 上記のα−オレフィン重合用触媒を用いるα−オレフィ
ンの重合反応は、液相で重合させる場合、ノルマルブタ
ン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘ
キサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロ
ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの不活性
炭化水素中またはα−オレフィン液状モノマー中で行う
ことができる。重合温度は、通常0〜100℃、好まし
くは30〜80℃の範囲である。重合圧力は、例えば1
〜60気圧でよい。得られる重合体の分子量の調節は、
水素または他の公知の分子量調節剤を存在せしめること
により行われる。本発明の触媒を用いた重合反応は、連
続またはバッチ式で行い、その条件は、通常用いられる
条件でよく、(共)重合反応は一段でも、二段以上で行
ってもよい。
【0047】また、溶液重合の場合、マンガン錯体濃度
は、0.1〜10ミリモル/lが好ましく、マンガン錯
体1モル当たり、有機アルミニウム化合物の使用量を5
0〜1000モルとすることが好ましい。さらに、電子
供与性化合物を用いる場合は、マンガン錯体1モル当た
り、電子供与性化合物の使用量を10〜200モルとす
ることが好ましい。
【0048】6.ポリオレフィン 本発明の重合反応において得られるポリオレフィン、特
にポリエチレンおよびポリプロピレンは、下記の特徴を
有するものである。 (i)ポリエチレン マンガン錯体をマグネシウム化合物に担持しない均一系
触媒を用いたエチレン重合では、助触媒としてメチルア
ルモキサンを用いた場合のみ、低活性ながらポリエチレ
ンが得られる。該ポリエチレンは、いずれも重量平均分
子量(以下、Mwと略す。)が100万以上の高分子量
ポリエチレンであり、分子量分布(Mw/数平均分子量
(以下、Mnと略す。))は、2〜3程度の比較的狭い
ものである。また、ポリエチレンの融点は、いわゆる高
密度ポリエチレンであることを示す。さらに、生成ポリ
エチレンの13C−NMR測定より、分岐が全く見られ
ず、基本的に配位重合にて重合が進行したものと考えら
れる。
【0049】一方、マンガン錯体をマグネシウム化合物
に担持した本発明の不均一系触媒を用いたエチレン重合
では、対応する均一系触媒と比較して50〜100倍の
重合活性の増加が見られた。生成ポリエチレンは、不均
一系触媒としたことにより、分子量分布は、広がってい
るものの、均一系触媒の場合と同様に、Mwは、極めて
高く、また、その融点より高密度ポリエチレンであるこ
とが分かった。
【0050】(ii)ポリプロピレン マンガン錯体をマグネシウム化合物に担持しない均一系
触媒を用いたプロピレン重合では、重合活性が全くな
い。
【0051】一方、本発明の不均一系触媒を用いたプロ
ピレン重合では、Mn(acac) またはMn(sa
len)Clをマグネシウム化合物に担持した触媒成分
を用いた場合、低活性ながらポリプロピレンが得られる
ことが分かった。この触媒系に電子供与性化合物(例え
ば、安息香酸エチル)を添加すると、マンガンに対する
安息香酸エチルのモル比が50〜100にて重合活性が
最大となり、かつ、生成ポリプロピレンの立体規則性も
向上することが確認された。また、生成ポリプロピレン
の融点は、160〜162℃であることから、通常のア
イソタクチックポリプロピレンが生成していることが分
かった。さらに、13C−NMR測定より、高立体規則
性ポリプロピレンの生成が明らかで、アイソタクチック
立体特異性配位重合が進行したものと考えられる。
【0052】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるも
のではない。なお、得られたポリオレフィンは、次の方
法にて物性を測定した。 (1)分子量および分子量分布:東ソー(株)製GPC
(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)HLC−
8121GPC/HTを用いた。溶媒はトリクロロベン
ゼン、測定温度は135℃、溶媒流速は1ml/分で、
カラムは、東ソー(株)製単分散ポリスチレン標準試料
を用い、検量線を求め、ユニバーサル法によって求め
た。
【0053】(2)融点:DSC((株)マックサイエ
ンス製 DSC3200S)を用いて測定した。 (3)ミクロ構造解析:13C−NMR(日本電子
(株)製 JNM−LA600)を用い、溶媒はC
Cl、温度は125℃にて測定を行った。
【0054】実施例1 (1)エチレン重合用触媒成分の調製 窒素置換した内容積200mlのガラス製シュレンク
に、11.4gの無水塩化マグネシウム(東邦チタニウ
ム社製)と、1.28gのMn(acac)を導入
し、90℃にて4時間、反応させた後、トルエンにて洗
浄し、乾燥することにより触媒成分を調製した。マンガ
ン錯体の担持率を、ICP(Inductively
Coupled Plazma)にて測定したところ、
0.25ミリモル/gであった。
【0055】(2)エチレンの重合 窒素置換した100cmのオートクレーブに、25m
lのトルエン、4ミリモルのジメチルアルミニウムクロ
ライド(以下、DEACと略す。)(1ミリモル/ml
濃度)、Mn(acac)を担持した無水塩化マグネ
シウム担体98mgを仕込んだ後、7lのエチレンを導
入し、40℃にて6時間エチレンの重合を行った。酸性
メタノールの導入により、重合を停止後、得られたポリ
エチレンを60℃にて8時間減圧乾燥した。得られたポ
リエチレンのMwは、3,272,000、Mw/Mn
は、6.4、融点は、136.7℃であった。また、エ
チレンの重合活性は、30.0kg−ポリエチレン(以
下、PEと略す。)/モル−マンガン(以下、Mnと略
す。)・時間であった。結果を表1に示す。
【0056】比較例1 無水塩化マグネシウムに担持しない均一系の触媒成分を
用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエチレン重合
を行った。得られたポリエチレンのMwは、3,46
0,000、Mw/Mnは、2.8、融点は、136.
7℃であった。また、エチレンの重合活性は、0.4k
g−PE/モル−Mn・時間であった。結果を表1に示
す。
【0057】実施例2 Mn(Cp)を無水塩化マグネシウムに担持した触媒
成分(担持率:0.21ミリモル/g)を用いたこと、
有機アルミニウム化合物として、メチルアルモキサン
(以下、MAOと略す。)を用い、有機アルミニウム化
合物/マンガン錯体のモル比を200から500に変え
たこと、および重合温度を40℃から70℃としたこと
以外は実施例1と同様にしてエチレン重合を行った。得
られたポリエチレンの融点は、137.6℃であった。
また、エチレンの重合活性は、11.0kg−PE/モ
ル−Mn・時間であった。結果を表1に示す。
【0058】比較例2 無水塩化マグネシウムに担持しない均一系の触媒成分を
用いたこと以外は、実施例2と同様にしてエチレン重合
を行った。得られたポリエチレンのMwは、1,90
0,000、Mw/Mnは、2.8、融点は、137.
0℃であった。また、エチレンの重合活性は、6.3k
g−PE/モル−Mn・時間であった。結果を表1に示
す。
【0059】実施例3 Mn(salen)Clを無水塩化マグネシウムに担持
した触媒成分(担持率:0.27ミリモル/g)を用い
たこと、および重合温度を40℃から70℃としたこと
以外は実施例1と同様にしてエチレン重合を行った。得
られたポリエチレンの融点は、135.2℃であった。
また、エチレンの重合活性は、25.0kg−PE/モ
ル−Mn・時間であった。結果を表1に示す。
【0060】比較例3 無水塩化マグネシウムに担持しない均一系の触媒成分を
用いたこと以外は、実施例3と同様にしてエチレン重合
を行った。エチレンの重合活性は、0kg−PE/モル
−Mn・時間であり、ポリエチレンは、得られなかっ
た。結果を表1に示す。
【0061】比較例4 無水塩化マグネシウムに担持しない均一系の触媒成分を
用いたこと、および有機アルミニウム化合物として、M
AOを用い、有機アルミニウム化合物/マンガン錯体の
モル比を200から500に変えたこと以外は、実施例
3と同様にしてエチレン重合を行った。得られたポリエ
チレンのMwは、1,410,000、Mw/Mnは、
3.0、融点は、138.7℃であった。また、エチレ
ンの重合活性は、0.1kg−PE/モル−Mn・時間
であった。結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】実施例4 (1)プロピレン重合用触媒成分の調製 窒素置換した内容積200mlのガラス製シュレンク
に、11.4gの無水塩化マグネシウムと、1.28g
のMn(acac)を導入し、90℃にて4時間、反
応させた後、トルエンにて洗浄し触媒成分を調製した。
マンガン錯体の担持率は、ICP(Inductive
ly Coupled Plazma)にて測定した。
【0064】(2)プロピレンの重合 窒素置換した100cmのオートクレーブに、25m
lのトルエン、4ミリモルのDEAC(1ミリモル/m
l濃度)、98mg(0.02ミリモル)の無水塩化マ
グネシウム担持Mn(acac)を仕込んだ後、7l
のプロピレンを導入し、40℃にて20時間プロピレン
の重合を行った。酸性メタノールの導入により、重合を
停止後、得られたポリプロピレンを60℃にて8時間減
圧乾燥した。得られたポリプロピレンのMwは、51
0,000、Mw/Mnは、9.0であった。また、プ
ロピレンの重合活性は、0.05kg−ポリプロピレン
(以下、PPと略す。)/モル−Mn・時間であった。
結果を表2に示す。
【0065】比較例5 無水塩化マグネシウムに担持しない均一系の触媒成分を
用いたこと以外は、実施例4と同様にしてプロピレン重
合を行った。プロピレンの重合活性は、0kg−PP/
モル−Mn・時間であり、ポリプロピレンは、得られな
かった。結果を表2に示す。
【0066】実施例5 Mn(salen)Clを無水塩化マグネシウムに担持
した触媒成分を用いたこと、および重合温度を40℃か
ら70℃としたこと以外は実施例4と同様にしてプロピ
レン重合を行った。得られたポリプロピレンのMwは、
195,000、Mw/Mnは、2.6でアタクチック
ポリプロピレンあった。また、プロピレンの重合活性
は、0.36kg−PP/モル−Mn・時間であった。
結果を表2に示す。
【0067】実施例6 電子供与性化合物としての安息香酸エチル(以下、EB
と略す。)を、マンガン錯体に対してモル比にて50追
加導入したこと、および重合温度を40℃から70℃と
したこと以外は実施例4と同様にしてプロピレン重合を
行った。得られたポリプロピレンのMwは、690,0
00、Mw/Mnは、3.1、融点は、160.8℃、
13C−NMRによるアイソタクチックペンタッド分率
([mmmm]分率)は、93.9であった。また、プロ
ピレンの重合活性は、0.40kg−PP/モル−Mn
・時間であった。結果を表2に示す。さらに、沸騰ヘプ
タンにて溶解分離したアタクチックポリプロピレンのM
wは、30,000から40,000であり、チーグラ
ー−ナッタ触媒で生成する、それに比べて10倍以上で
あることが判明した。
【0068】実施例7 Mn(salen)Clを無水塩化マグネシウムに担持
した触媒成分を用いたこと、電子供与性化合物としての
EBを、マンガン錯体に対してモル比にて50追加導入
したこと、および重合温度を40℃から70℃としたこ
と以外は実施例4と同様にしてプロピレン重合を行っ
た。得られたポリプロピレンのMwは、471,00
0、Mw/Mnは、2.8、融点は、157.5℃、
13C−NMRによるアイソタクチックペンタッド分率
([mmmm]分率)は、80.3であった。また、プロ
ピレンの重合活性は、0.70kg−PP/モル−Mn
・時間であった。結果を表2に示す。
【0069】実施例8 電子供与性化合物としてのフタル酸ジブチル(以下、D
NBPと略す。)を、マンガン錯体に対してモル比にて
50追加導入したこと、および重合温度を40℃から7
0℃としたこと以外は実施例4と同様にしてプロピレン
重合を行った。得られたポリプロピレンのMwは、29
5,000、Mw/Mnは、4.2であった。また、プ
ロピレンの重合活性は、0.05kg−PP/モル−M
n・時間であった。結果を表2に示す。
【0070】
【表2】
【0071】参考例1 重合温度を40℃から70℃としたこと以外は、実施例
1と同様にしてエチレン重合を行った。エチレンの重合
活性は、54.4kg−PE/モル−Mn・時間であっ
た。また、空気中に上記で用いた触媒成分を12時間暴
露した後に、同様にしてエチレン重合を行った。エチレ
ンの重合活性は、41.3kg−PE/モル−Mn・時
間であり、空気への暴露によっても、上記Mn(aca
c)を無水塩化マグネシウムに担持した触媒成分の劣
化が少ないことが判明した。
【0072】参考例2 触媒成分を12時間空気中に暴露した後に、実施例3と
同様のエチレン重合を行った。エチレンの重合活性は、
実施例3の25.0kg−PE/モル−Mn・時間に対
し、12.1kg−PE/モル−Mn・時間であり、空
気への暴露によっても、上記Mn(salen)Clを
無水塩化マグネシウムに担持した触媒成分の劣化が少な
いことが判明した。
【0073】
【発明の効果】本発明は、α−オレフィンの重合用触媒
成分および/または触媒として全く知られていなかっ
た、VII族遷移金属錯体であるマンガン錯体を用い
た、α−オレフィン重合用触媒成分および触媒並びにそ
れを用いるポリオレフィンの製造方法を提供するもので
あり、特にエチレン重合において高活性、およびプロピ
レン重合において高立体規則性を示すこと、さらに、本
発明の触媒成分は、空気中にても安定であることより、
その工業的価値は極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 10/00 C08F 10/00 (74)上記4名の代理人 100106596 弁理士 河備 健二 (71)出願人 301021533 独立行政法人産業技術総合研究所 東京都千代田区霞が関1−3−1 (74)上記1名の復代理人 100106596 弁理士 河備 健二 (72)発明者 ホアン・テ・バン 東京都台東区柳橋二丁目22番13号 財団法 人 化学技術戦略推進機構内 (72)発明者 加瀬 俊男 東京都台東区柳橋二丁目22番13号 財団法 人 化学技術戦略推進機構内 (72)発明者 川辺 正直 東京都台東区柳橋二丁目22番13号 財団法 人 化学技術戦略推進機構内 (72)発明者 福井 祥文 東京都台東区柳橋二丁目22番13号 財団法 人 化学技術戦略推進機構内 (72)発明者 尾崎 裕之 東京都台東区柳橋二丁目22番13号 財団法 人 化学技術戦略推進機構内 (72)発明者 ジン・ジジュ 東京都台東区柳橋二丁目22番13号 財団法 人 化学技術戦略推進機構内 (72)発明者 村田 昌英 東京都台東区柳橋二丁目22番13号 財団法 人 化学技術戦略推進機構内 (72)発明者 宮沢 哲 茨城県つくば市東一丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 萩原 英昭 茨城県つくば市東一丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 土原 健治 茨城県つくば市東一丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 鈴木 靖三 茨城県つくば市東一丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 浅井 道彦 茨城県つくば市東一丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA03 AB40 4H050 AA03 AB40 WB11 WB13 WB14 WB17 WB21 4J028 AA01A AB00A AC45A BA00A BA01B BB00A BB01B BC15B BC16B BC17B BC18B BC19B BC24B BC25B CA15A CA16A CB23C CB25C CB27C CB35A CB36A CB43C CB44C CB54C CB57C CB58C EA01 EB01 EB02 EB03 EB04 EB05 EB07 EB08 EB09 EB10 EC01 FA01 FA02 4J128 AA01 AB00 AC45 BA00A BA01B BB00A BB01B BC15B BC16B BC17B BC18B BC19B BC24B BC25B CA15A CA16A CB23C CB25C CB27C CB35A CB36A CB43C CB44C CB54C CB57C CB58C EA01 EB01 EB02 EB03 EB04 EB05 EB07 EB08 EB09 EB10 EC01 FA01 FA02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンガン錯体をマグネシウム化合物に担
    持してなるα−オレフィン重合用触媒成分。
  2. 【請求項2】 下記式(1)、(2)または(3)で表
    される、1種以上のマンガン錯体を用いる請求項1に記
    載のα−オレフィン重合用触媒成分。 【化1】 【化2】 【化3】 (式中、Meはメチル基を示す。)
  3. 【請求項3】 マンガン錯体をマグネシウム化合物に担
    持してなる触媒成分および有機アルミニウム化合物を含
    有するα−オレフィン重合用触媒。
  4. 【請求項4】 下記式(1)、(2)または(3)で表
    される、1種以上のマンガン錯体を用いる請求項3に記
    載のα−オレフィン重合用触媒。 【化4】 【化5】 【化6】 (式中、Meはメチル基を示す。)
  5. 【請求項5】 マンガン錯体をマグネシウム化合物に担
    持してなる触媒成分および有機アルミニウム化合物を含
    有するα−オレフィン重合用触媒を用いてα−オレフィ
    ンを重合するポリオレフィンの製造方法。
  6. 【請求項6】 上記に加えてさらに電子供与性化合物を
    含有するα−オレフィン重合用触媒を用いてα−オレフ
    ィンを重合する請求項5に記載のポリオレフィンの製造
    方法。
  7. 【請求項7】 下記式(1)、(2)または(3)で表
    される、1種以上のマンガン錯体を用いる請求項5また
    は6に記載のポリオレフィンの製造方法。 【化7】 【化8】 【化9】 (式中、Meはメチル基を示す。)
  8. 【請求項8】 α−オレフィンがエチレンである請求項
    5または7に記載のポリオレフィンの製造方法。
  9. 【請求項9】 α−オレフィンがプロピレンである請求
    項6または7に記載のポリオレフィンの製造方法。
JP2000380712A 2000-12-14 2000-12-14 マンガン錯体含有触媒成分および触媒並びにそれを用いるポリオレフィンの製造方法 Pending JP2002179724A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000380712A JP2002179724A (ja) 2000-12-14 2000-12-14 マンガン錯体含有触媒成分および触媒並びにそれを用いるポリオレフィンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000380712A JP2002179724A (ja) 2000-12-14 2000-12-14 マンガン錯体含有触媒成分および触媒並びにそれを用いるポリオレフィンの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002179724A true JP2002179724A (ja) 2002-06-26

Family

ID=18848842

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000380712A Pending JP2002179724A (ja) 2000-12-14 2000-12-14 マンガン錯体含有触媒成分および触媒並びにそれを用いるポリオレフィンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002179724A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1568716A1 (en) * 2004-02-24 2005-08-31 Stichting Dutch Polymer Institute Catalyst system comprising magnesium halide
JP2009040943A (ja) * 2007-08-10 2009-02-26 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム組成物
US7544749B2 (en) * 2003-02-07 2009-06-09 Basell Polyolefine Gmbh Polymerization catalysts, organic transition metal compounds, process for preparing polyolefins and polyolefins

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7544749B2 (en) * 2003-02-07 2009-06-09 Basell Polyolefine Gmbh Polymerization catalysts, organic transition metal compounds, process for preparing polyolefins and polyolefins
EP1568716A1 (en) * 2004-02-24 2005-08-31 Stichting Dutch Polymer Institute Catalyst system comprising magnesium halide
WO2005092935A1 (en) * 2004-02-24 2005-10-06 Stichting Dutch Polymer Institute Catalyst system comprising magnesium halide
JP2009040943A (ja) * 2007-08-10 2009-02-26 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴム組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3891905B2 (ja) 末端ビニル基含有プロピレン−アルケニルアルミニウム共重合体の製造方法および共重合体
JP2002179724A (ja) マンガン錯体含有触媒成分および触媒並びにそれを用いるポリオレフィンの製造方法
EP1231224B1 (en) Catalyst composition for polymerization of olefins and method for preparing the same
JPH061803A (ja) オレフィンの重合法
JP4524275B2 (ja) ビニル基および極性基含有プロピレン系共重合体及びそれを用いる重合体の製造方法。
JP2709630B2 (ja) α―オレフイン重合用触媒
US4960744A (en) Catalyst system for the polymerization of propylene and process
EP0965600B1 (en) Process for preparing polymer by using copper compound
JP2719963B2 (ja) α―オレフイン重合用触媒
JP2835369B2 (ja) オレフィン重合体の製造方法
JP2873064B2 (ja) ポリα―オレフィンの製造方法
CA2256493C (en) Catalyst for .alpha.-olefin polymerization
JP2727105B2 (ja) オレフインの重合方法
JPS61151207A (ja) ポリ1−ブテンの製造法
JP2873056B2 (ja) α―オレフィン重合用触媒成分
JP2709629B2 (ja) α―オレフイン重合用触媒
KR0178954B1 (ko) 개질실리카 담지 중합촉매 및 그 제조방법
JPH11349622A (ja) プロピレン共重合体の製造方法
JP2873061B2 (ja) α―オレフィン重合用触媒
JPH07126319A (ja) エチレン重合体又は共重合体の製造方法
JP2706036B2 (ja) オレフィンブロック共重合体の製造方法
JPH04264108A (ja) α−オレフィンの重合方法
JPH11322832A (ja) プロピレン共重合体の製造方法
KR100742627B1 (ko) 폴리올레핀 중합용 촉매의 제조방법
CN113278100A (zh) 一种共轭双烯高效聚合稀土催化剂组合物及其应用

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071115

A977 Report on retrieval

Effective date: 20090819

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090915

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20091008

RD14 Notification of resignation of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7434

Effective date: 20091008

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100202