JP2002179698A - 新規ペプチド、及び当該ペプチドを用いた組成物 - Google Patents

新規ペプチド、及び当該ペプチドを用いた組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 臓器機能の低下した患者に対しても、副作用
が問題とならず、かつ有効に抗菌効果を奏するような作
用を有するペプチドを提供することである。 【解決手段】 本発明の新規ペプチドは、Lys-Arg-Leu-
Phe-Arg-Arg-Trp-Gln-Trp-Arg-Met-Lys-Lys-Tyrからな
ることを特徴とする。さらに、本発明の新規ペプチド
は、殺菌及び/又は発育阻止作用を有することを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なペプチドに
関し、特に、殺菌及び/又は発育阻止作用を有する、新
規なペプチド及び該ペプチドを用いた組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒトに病原性を有する真菌の多くは二相
性であり、即ち、環境条件に応じて酵母形と、菌糸形の
両者を取り得る。一部は二相性でないものもある。酵母
形は卵円形の単細胞の状態であり、出芽により分裂増殖
する。菌糸形は、円筒形の細胞が縦に連なったり、ある
いは多核性の1個の細胞が長く延びて菌糸と呼ばれる糸
状の構造が枝分かれした状態を示すものである。
【0003】このような真菌として、カンジダ、クリプ
トコッカス、アスペルギルスなどを挙げることができ
る。カンジダは、正常人の口腔咽頭、消化器などに常在
するし、クリプトコッカスは、はとやネズミなどの糞、
土の中などに多く含まれるほか、室内のごとき湿気の多
い場所に多く存在し、空気に運ばれて人と接触してい
る。アスペルギルスも昔から鳥の糞や土の中などに見つ
かっているが、最近では病院内のエアコンダクト、フィ
ルタなどに多く見つかっている。これらの真菌は、正常
人に対する感染能力は低いが、感染すると外毒素、内毒
素、プロテアーゼなどの組織破壊物質を放出する。これ
らの真菌の多くは、抗癌剤、免疫抑制剤、ステロイド
剤、広域抗生剤などの投与を受けている患者に発生し、
日和見感染としての性格を有している。正常人ではこれ
ら真菌に対して細胞性免疫が十分に働き、感染防御に役
立っているが、上記患者ではそれが低下しているために
感染を許すことになる。特に、悪性疾患患者、臓器移植
患者あるいは集中治療室で治療を受ける患者等では深在
性カンジダ症をはじめとする深在性真菌症あるいはカン
ジダ血症などを招き、重篤な転記をとることが多い。
【0004】このような真菌によって引き起こされる真
菌症の治療薬としては、ポリエン系のアンホテリシンB
が知られている。また、フルシトシン、イミダゾール系
のケトコナゾール、ミコナゾールなどの抗真菌剤も知ら
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の抗真菌剤は、用量依存的な腎毒性などの副作用が強い
という問題点がある。特に、カンジダなどの真菌のエル
ゴステロールに作用起点を持つ抗真菌剤があり、該抗真
菌剤が生体細胞膜のコレステロールなどのステロール類
と類似しているために、副作用を生じるという問題があ
る。また、臓器機能の低下した患者に対しては、抗真菌
剤の正常細胞に及ぼす影響が大きすぎて、従来の抗真菌
剤の使用が困難である。また、特に、non‐albicans カ
ンジダ属による感染には、抗真菌剤の効果が非常に低い
ことが報告されている。さらに、アズール系の抗真菌剤
に対する耐性機構が存在する耐性菌が存在することが明
らかとなった。したがって、臓器機能の低下した患者に
対しても、副作用が問題とならず、かつ有効に抗菌効果
を奏する抗真菌剤があれば望ましい。しかし、このよう
な抗真菌剤はこれまで知られていない。
【0006】そこで、本発明の目的は、臓器機能の低下
した患者に対しても、副作用が問題とならず、かつ有効
に抗菌効果を奏するような作用を有するペプチドを提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、発明者らは、生体や牛乳に存在する抗菌性ペプチド
を鋭意研究した結果、抗真菌剤として有力な機能を有す
る新規ぺプチドを見出した。
【0008】本発明の新規ペプチドは、Lys-Arg-Leu-Ph
e-Arg-Arg-Trp-Gln-Trp-Arg-Met-Lys-Lys-Tyrからなる
ことを特徴とする。
【0009】また、本発明の組成物は、Lys-Arg-Leu-Ph
e-Arg-Arg-Trp-Gln-Trp-Arg-Met-Lys-Lys-Tyrからなる
新規ペプチドを、殺菌及び/又は発育阻止作用を有する
組成物として有効量含有することを特徴とする。
【0010】また、本発明の組成物の好ましい実施態様
としては、前記殺菌及び/又は発育阻止作用を有する組
成物が、抗真菌剤であることを特徴とする。
【0011】また、本発明の組成物の好ましい実施態様
としては、前記殺菌及び/又は発育阻止作用を有する組
成物が、洗浄剤であることを特徴とする。
【0012】また、本発明の組成物の好ましい実施態様
としては、前記殺菌及び/又は発育阻止作用を有する組
成物が、薬剤であることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の新規ペプチドは、Lys-Ar
g-Leu-Phe-Arg-Arg-Trp-Gln-Trp-Arg-Met-Lys-Lys-Tyr
からなるペプチドであり、ペプチド合成法などの常套手
段を用いて製造することができる。上記でいうLysはリ
シン、Argはアルギニン、Leuはロイシン、Pheはフェニ
ルアラニン、Trpはトリプトファン、Glnはグルタミン、
Metはメチオニン、Tyrはチロシンを示す。本発明の新規
ペプチドは、殺菌及び/又は発育阻止作用を有する。
【0014】本発明のペプチドは、ぺプチド合成法で取
得することができる。ペプチド合成には、液相法及び固
相法が存在するが、本発明のペプチドは、液相法及び固
相法のいずれの方法も使用することができる。
【0015】液相法は、反応を溶液状態で行い反応混合
物から生成物を単離精製し、この生成物を中間体として
次のペプチド伸長反応に用いる方法である。一方、固相
法は、反応溶媒に不溶の固相担体にアミノ酸を結合さ
せ、このアミノ酸に準じ縮合反応を行いペプチド鎖を伸
長させていく方法である。
【0016】ペプチドの化学合成は、カルボキシル基を
保護したアミノ酸にアミノ基を保護したアミノ酸を脱水
縮合させ、ペプチド結合を形成させ、次にアミノ保護基
を除去後、遊離したアミノ基に次のアミノ基保護アミノ
酸を順次、C末端からN末端に向かって一つずつ延長して
いく方法が基本である。脱水縮合反応では、カルボキシ
ル基を活性化して、結合させようとするアミノ基と反応
させる。この活性化には、ジシクロへキシカルボジイミ
ド(DCC)法、活性エステル法、酸無水物法、アジド法等
があるがその反応性の高さとラセミ化その他の副反応を
考慮して選ばれる。縮合反応時の副反応を防止するため
にアミノ酸のアミノ基、カルボキシル基、側鎖(R)の官
能基には保護基が導入される。これらの保護基は、縮合
反応の条件で安定であり、必要なときには速やかに除去
されるものが好ましい。また、アミノ基の保護基とカル
ボキシル基の保護基とは互いに選択的に除去されること
が好ましい。
【0017】アミノ基の保護基としては、例えばベンジ
ルオキシカルボニル(Bz)、t-ブチルオキシカルボニル(B
oc)、p-ビフェニルイソプロピロオキシカルボニル、9
−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)等が挙げ
られる。カルボキシ基の保護基としては、たとえばアル
キルエステル、ベンジルエステル等を形成し得る基が挙
げられる。但し、固相法の場合は、C末端のカルボキシ
ル基はクロロトリチル樹脂、クロルメチル樹脂、オキシ
メチル樹脂、P−アルコキシベンジルアルコール樹脂等
の担体に結合している。縮合反応は、カルボジイミド等
の縮合剤の存在下、あるいはN−保護アミノ酸活性エス
テル又はペプチド活性エステルを用いて実施する。
【0018】縮合反応終了後、保護基は除去されるが、
固相の場合はさらにペプチドのC末端と樹脂との結合を
切断する。さらに、本発明のペプチドは通常の方法に従
い精製される。たとえば、イオン交換クロマトグラフィ
ー、逆相液体クロマトグラフィー、アフィニティークロ
マトグラフィー等が挙げられる。
【0019】合成したペプチドは、エドマン分解法でC-
末端からアミノ酸配列を読み取るプロティンシークエン
サー、GC−MS等で分析される。
【0020】次に、本発明を組成物として用いる場合に
ついて説明する。即ち、本発明の新規ペプチドは、その
作用から殺菌及び/又は発育阻止作用を有する組成物と
して使用することができる。本発明の組成物は、Lys-Ar
g-Leu-Phe-Arg-Arg-Trp-Gln-Trp-Arg-Met-Lys-Lys-Tyr
からなる新規ペプチドを、殺菌及び/又は発育阻止作用
を有する組成物として有効量含有する。
【0021】本発明の組成物を薬剤として使用する場合
には、本発明で使用するペプチドの投与経路としては、
経口投与、非経口投与、直腸内投与のいずれでもよい
が、経口投与が好ましい。本発明のペプチドの投与量は
化合物の種類、投与方法、患者の症状、年齢等により異
なるが、血液量が成人で約5Lと仮定すると、通常1回1
〜10mg/kg、好ましくは、5〜10mg/kgを1日当た
り1回 〜複数回(約5〜7回)である。本発明のペプチ
ドを含有する組成物は、製剤用担体と結合して調整した
製剤の形で投与される。製剤用担体としては、製剤分野
において常用され、かつ本発明のペプチドと反応しない
物質が用いられる。
【0022】具体的には、たとえば、乳糖、ブドウ糖、
マンニット、デキストリン、シクロデキストリン、でん
粉、ショ糖、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム、合成ケ
イ酸アルミニウム、カルボキシメチルセルロースナトリ
ウム、ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシメチル
セルロースカルシウム、イオン交換樹脂、メチルセルロ
ース、ゼラチン、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピ
ロリドン、ポリビニルアルコール、軟質無水ケイ酸、ス
テアリン酸マグネシウム、タルク、トラガント、ベント
ナイト、ビーガム、酸化チタン、ソルビタン脂肪酸エス
テル、ラウリル硫酸ナトリウム、グリセリン、脂肪酸グ
リセリンエステル、精製ラノリン、グリセロゼラチン、
ポリソルベート、マクロゴール、植物油、ろう、流動パ
ラフィン、白色ワセリン、フルオロカーボン、非イオン
性界面活性剤、プロピレングルコール、水等が挙げられ
る。
【0023】剤型としては、錠剤、カプセル剤、顆粒
剤、散剤、シロップ剤、懸濁剤、坐剤、軟膏、クリーム
剤、ゲル剤、貼付剤、注射剤等が挙げられる。これらの
製剤は常法に従って調製される。なお、液体製剤にあっ
ては、適用に際して、水又は他の適当な溶媒に溶解又は
懸濁する形であってもよい。また錠剤、顆粒剤を、周知
の方法でコーティングしてもよい。注射剤の場合には、
本発明のペプチドを水に溶解させて調製されるが、必要
に応じて生理食塩水あるいはブドウ糖溶液に溶解させて
もよく、また緩衝剤や保存剤を添加してもよい。
【0024】これらの製剤に対して、本発明のペプチド
を0.001〜0.01%、好ましくは、0.005〜
0.01%の割合で含有させることができる。かかる範
囲としたのは、0.001未満とする本発明のペプチド
の効果を得られない場合があり、0.02以上では、溶
血が起こらないからである。
【0025】次に、本発明の組成物を抗真菌剤として使
用する場合について説明する。抗真菌剤としての他の用
途としては、抗菌性コンタクトレンズ、洗浄剤、抗かび
剤、うがい薬などを挙げることができる。
【0026】例えば、本発明のペプチドを洗浄剤、抗か
び剤等の抗真菌剤として使用する場合には、洗浄する対
象の医療機器、真菌による汚染の程度等により、本発明
のペプチドの最適量が異なる。洗浄剤などに添加して使
用する場合、洗浄剤中に含まれる本発明のペプチドの濃
度を、0.1〜10μMの範囲とすることができる。このよう
な低濃度であっても十分抗菌効果を発揮することができ
るからである。本発明のペプチドの濃度は、好ましく
は、0.3〜5μMの範囲であり、更に好ましくは、0.6〜2.
5μMの範囲である。もっとも、この範囲に特に限定され
ることはない。なぜなら、本発明のペプチドの作用機序
から、生体内での体液などと等張の溶液中では作用がな
くなるため、生細胞に対して安全性を維持することがで
きるからである。
【0027】うがい薬に関しても、うがい薬中に含まれ
る本発明のペプチドの濃度を、0.1〜10μMの範囲とする
ことができる。このような低濃度であっても十分抗菌効
果を発揮することができるからである。本発明のペプチ
ドの濃度は、好ましくは、0.3〜5μMの範囲であり、更
に好ましくは、0.6〜2.5μMの範囲である。
【0028】
【実施例】ここで、本発明の一実施例を説明するが、本
発明は、下記の実施例に限定して解釈されるものではな
い。また、本発明の趣旨を逸脱することなく、本発明を
適宜変更して実施することが可能である。
【0029】実施例1 本発明者等は、まず、抗菌性ペプチドとして知られてい
るラクトフェリシンBに着目した。ラクトフェリシンB
は、大腸菌、黄色ブドウ球菌、クロストリジウム菌に対
して抗菌性を有するのに、人体に良性のビフィズス菌に
対しては抗菌性を有しない。
【0030】一方、最近開発されたDhvar4という人工
の抗菌性ペプチドについても着目した。その結果、Dhva
r4の抗菌性ペプチドのアミノ酸配列と類似性を有する部
分を、ラクトフェリシンB中に見出した。この類似する
部分は、アミノ酸が一致しているわけではないが、性質
の似たアミノ酸が繰り返し現れることに着目した。
【0031】そして、性質の似たアミノ酸をペプチド合
成法により、実際にペプチドを合成した。ペプチド合成
は、常法のアミノ酸合成法により、島津製のペプチドシ
ンセサイザーを使って行った。
【0032】合成したペプチドは、Lys-Arg-Leu-Phe-Ar
g-Arg-Trp-Gln-Trp-Arg-Met-Lys-Lys-Tyrであった。本
ペプチドの抗菌効果を確認するために、カンジダに対す
る抗菌作用を調べた。カンジダの菌株は、イギリスのグ
ラスゴーデンホスピタルによって、患者の口腔内から分
離されたものを供与された。このカンジダ菌を対象とし
て、本ペプチドの抗菌効果を調べた。
【0033】結果を図1に示す。図の縦軸は、代表的な
カンジダ菌の致死率を示す。横軸は、本ペプチドの濃度
を示す。図1から明らかなように、本ペプチドは、0.63
μMという非常に低濃度で98%の致死率を示した。さら
に、1.25μMで100%の致死率を示した。
【0034】これに対して、既存の物質であるHST-5
(ヒスタチン5)では、0-50μMの範囲で100%の致死率
を得られなかった。
【0035】これらの結果から、本発明のペプチドは、
低濃度でさえも、真菌に対して優れた抗菌効果を有する
ことが分かる。
【0036】実施例2 次に、本発明を義歯洗浄剤として用いた場合の効果を調
べた。1.5μM、2μM及び2.5μMの濃度の本発明のペプチ
ドを、市販の洗浄剤に添加して洗浄後の義歯の抗菌効果
を調べた。その結果、いずれの濃度においても、良好な
抗真菌効果を示した。
【0037】実施例3 次に、抗真菌剤の濃度と溶血率との関係について、本発
明のペプチドと他の抗真菌剤との比較を行った。
【0038】まず、等張溶液中で種々の濃度のペプチド
と赤血球を混ぜ、2時間37℃にてインキュベーションし
て、上清中に出てくるヘモグロビンの量を測定した。赤
血球は、0型の25歳健常男性より採取した新鮮血であ
る。
【0039】結果を図2に示す。図2中、縦軸は溶血率
を、横軸は各組成物及び抗菌剤の濃度を示す。Hist 5
(ヒスタチン5)、及びAmpho B(アンホテリシンB)は
既存の抗真菌剤を示す。
【0040】通常、経口投与を考えた場合、体表若しく
は、種々の組織の表面の抗真菌剤の影響が問題となる。
また、血中投与した場合も同様に血管の抗真菌剤の影響
が問題となる。これらの体表若しくは種々の組織の表面
は、何らかの上皮細胞で覆われており、血管内は、血管
上皮細胞で覆われている。このような上皮細胞は、外来
物質に対して特殊な性質(角化や錯角化の重層)でバリ
アーとして作用するので、上皮細胞の抗真菌剤に対する
耐性を調べれば、生細胞への安全性を示す目安にもな
る。
【0041】赤血球は、裸の細胞であり、このような上
皮細胞と比較すると非常に脆弱な細胞である。したがっ
て、赤血球に対して為害作用がないことは、他の組織細
胞に対しても安全であるといえる。
【0042】図2に示すように、抗真菌剤の濃度と溶血
率との関係について、本発明のペプチドと他の抗真菌剤
との比較を行った結果、本発明のペプチドにおいては、
赤血球の溶血が起こらず、生体内で十分に安定で、安全
に使用できることが分かる。また、本ペプチドが血中に
移行した場合でも溶血反応が引き起こされることなく安
全に使用できると考えられる。
【0043】
【発明の効果】本発明の新規ペプチドによれば、真菌に
対して非常に低濃度で致死的効果を与える一方で、この
ような低濃度では、生細胞に対して影響がないという有
利な効果を奏する。
【0044】 配列表 出願人氏名: 発明の名称:新規ペプチド、及び当該ペプチドを用いた組成物 配列の数: 配列の数: 配列の長さ: 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直線状 配列の種類:ペプチド 起源:牛乳 配列 Lys-Arg-Leu-Phe-Arg-Arg-Trp-Gln-Trp-Arg-Met-Lys-Lys-Tyr 1 5 10
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明のペプチドと従来の抗真菌剤と
の抗菌作用を示す図である。
【図2】 図2は、抗真菌剤の濃度と溶血率との関係に
ついて、本発明のペプチドと他の抗真菌剤との比較を示
す図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Lys-Arg-Leu-Phe-Arg-Arg-Trp-Gln-Trp-
    Arg-Met-Lys-Lys-Tyrからなる新規ペプチド。
  2. 【請求項2】 Lys-Arg-Leu-Phe-Arg-Arg-Trp-Gln-Trp-
    Arg-Met-Lys-Lys-Tyrからなる新規ペプチドを、殺菌及
    び/又は発育阻止作用を有する組成物として有効量含有
    することを特徴とする組成物。
  3. 【請求項3】 前記殺菌及び/又は発育阻止作用を有す
    る組成物が、抗真菌剤である請求項2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記殺菌及び/又は発育阻止作用を有す
    る組成物が、洗浄剤である請求項2記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記殺菌及び/又は発育阻止作用を有す
    る組成物が、薬剤である請求項2に記載の組成物。
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