JP2002179632A - 2,5−ジアリールアミノテレフタル酸類の製造方法 - Google Patents

2,5−ジアリールアミノテレフタル酸類の製造方法

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JP2002179632A
JP2002179632A JP2000378757A JP2000378757A JP2002179632A JP 2002179632 A JP2002179632 A JP 2002179632A JP 2000378757 A JP2000378757 A JP 2000378757A JP 2000378757 A JP2000378757 A JP 2000378757A JP 2002179632 A JP2002179632 A JP 2002179632A
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Kasho Yao
家昌 矢尾
Munetsugu Nemoto
宗胤 根本
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キナクリドン中間体を高収率で高純度に製造
する。 【解決手段】 芳香環に置換基を有していても良い2,
5−ジアリールアミノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸
アルキルエステル(A)に、塩基性下で、酸素または酸
素を含むガス(B)を導入して、酸化し加水分解する芳
香環に置換基を有していても良い2,5−ジアリールア
ミノテレフタル酸類(C)の製造方法において、系を塩
基性とするのに、塩基性化合物(D)を分割添加するこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤色およびマゼン
タ色顔料として一般的なキナクリドン顔料の中間物であ
る2,5−ジアリールアミノテレフタル酸類の新規な製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に知られている2,5−ジアリー
ルアミノテレフタル酸類の製造方法としては次の様なも
のがある。 (1)Liebigs Annalen Vol.40
4 p.272(1914)に記載された方法では、
2,5−ジアリールアミノ−3,6−ジヒドロテレフタ
ル酸アルキルエステルを、ヨウ素もしくは酸素で酸化
し、2,5−ジアリールアミノテレフタル酸エステルを
得た後、更に加水分解して、2,5−ジアリールアミノ
テレフタル酸を製造する。
【0003】(2)ベルギー特許第579,621号明
細書では、含水アルコール溶剤中2,5−ジアリールア
ミノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸アルキルエステル
を、ニトロベンゼンスルホン酸塩で酸化し、同時に加水
分解して、2,5−ジアリールアミノテレフタル酸を製
造する。これ以外のニトロベンゼン系の化合物も酸化剤
として使用した例もある(米国特許第4124768号
明細書)。
【0004】(3)ドイツ特許第1144285号公報
と同第1147953号公報では、2,5−ジアリール
アミノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸アルキルエステ
ルを、アントラキノンスルホン酸を酸化触媒として、塩
基性含水アルコール溶媒中で、酸化し加水分解して、
2,5−ジアリールアミノテレフタル酸を製造する。
【0005】(4)米国特許第4,981,997号明
細書では、2,5−ジアリールアミノ−3,6−ジヒド
ロテレフタル酸アルキルエステルを、第四アンモニウム
化合物の存在下、アントラキノンスルホン酸を酸化触媒
として、塩基性含水アルコール溶媒中、酸化し加水分解
され、2,5−ジアリールアミノテレフタル酸を製造す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の製造方法では、いずれも反応系内を塩基性となすため
の塩基性化合物の全量を一括して最初に仕込んでしまう
ため、2,5−ジアリールアミノテレフタル酸類の収率
が依然として低いという問題がある。従って本発明が解
決しようとする課題は、経済性を考慮した工業的製造法
として、2,5−ジアリールアミノテレフタル酸類を高
収率で高純度に製造することが課題である。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、反応時間のど
の経過時点においても、反応系の塩基性度がある一定範
囲内に保たれていることが、2,5−ジアリールアミノ
テレフタル酸類を高収率で得るために重要であることを
見い出した。
【0008】そして、反応系内をこの様な状態とするに
は、反応系を塩基性とするに当たり、最初の原料仕込み
時に、必要な塩基性化合物の全量の一部を仕込んで反応
を開始し、その残量をさらに分割して反応系に添加する
様にすることが有効であり、最初の原料仕込み時に必要
な塩基性化合物の全量を一括で仕込んで反応する従来の
方法に比べて、2,5−ジアリールアミノテレフタル酸
類の収率が著しく向上することを見い出し、本発明を完
成するに至った。
【0009】即ち本発明は、芳香環に置換基を有してい
ても良い2,5−ジアリールアミノ3,6−ジヒドロテ
レフタル酸アルキルエステル(A)に、塩基性下で、酸
素または酸素を含むガス(B)を導入して、酸化し加水
分解する芳香環に置換基を有していても良い2,5−ジ
アリールアミノテレフタル酸類(C)の製造方法におい
て、系を塩基性とするのに、塩基性化合物(D)を分割
添加することを特徴とする、芳香環に置換基を有してい
ても良い2,5−ジアリールアミノテレフタル酸類
(C)の製造方法を提供する。
【0010】
【発明の実施形態】以下、本発明について詳細に説明す
る。本発明の製造方法で使用する、芳香環に置換基を有
していても良い2,5−ジアリールアミノ3,6−ジヒ
ドロテレフタル酸アルキルエステル(A)は、次の式
(I)で表され、2つのXは、芳香環への置換基であ
り、それぞれ同一でも異なっていても良い水素原子、ア
ルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、ス
ルファモイル基である。2つのXの芳香環上の置換位置
は、同一でも異なっていても良い。芳香環がフェニレン
環の場合は,3,4,または5位であるが、4位が好ま
しい。Cn2n+1は、アルキルエステル部分のアルキル
基であり、n=1〜4である。このアルキル基として
は、低級アルキル基、具体的にはメチル基、エチル基、
プロピル基等が挙げられる。
【0011】式(I)
【0012】
【化1】
【0013】前記成分(A)としては、例えば、2,5
−ジフェニルアミノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジ
メチル、2,5−ジフェニルアミノ−3,6−ジヒドロ
テレフタル酸ジエチル、2,5−ジトルイジノ−3,6
−ジヒドロテレフタル酸ジメチル、2,5−ジアニシジ
ノアミノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジメチル、
2,5−ジクロロフェニルアミノ−3,6−ジヒドロテ
レフタル酸ジメチル、2,5−ジブロモフェニルアミノ
−3,6−ジヒドロテレフタル酸ジメチル等が挙げられ
る。これらは、サクシノコハク酸またはその誘導体と、
置換基を有していても良い芳香族モノアミンとを反応さ
せることにより得ることが出来る。
【0014】前記成分(A)は、それを溶解する溶媒に
溶解し、溶媒溶液として気液反応に供するのが好まし
い。場合によっては、成分(A)の全てが溶解していな
い懸濁液であっても良い。
【0015】成分(A)を溶解する溶媒としては、有機
溶媒を含む液媒体があり,例えば総炭素数1〜8のモノ
アルコール類が望ましく,例えば,メタノール,n−プ
ロパノール,イソプロパノール,イソブタノール,n−
ブタノール等が挙げられ,なかでも,反応速度が速く,
しかも蒸留等により回収が容易に可能であることからn
−ブタノールが望ましい。必要ならば,水を併用しても
良い。
【0016】この溶媒溶液または溶媒懸濁液の成分
(A)の濃度は特に制限されるものではないが、攪拌が
より容易である点で、20〜35重量%となる様に調製
するのが好ましい。
【0017】本発明では,成分(A)と、後述する酸素
または酸素を含むガス(B)との反応を促進する酸化触
媒(E)を併用するのが好ましい。この際の酸化触媒
〔酸素移送(動)剤と呼ばれる場合がある〕としては、
各種キノン化合物やクロラニル並びにそれらのスルホン
酸誘導体,それらのカルボン酸誘導体,それらのスルホ
ン酸塩誘導体,それらのカルボン酸塩誘導体等が挙げら
れる。
【0018】酸化触媒(E)としては、具体的には、ア
ントラキノン、ナフトキノン、フェナトレンキノン、ア
ントラキノンスルホン酸、アントラキノンジスルホン
酸、ナフトキノンスルホン酸、フェナトレンキノンスル
ホン酸およびその塩等がある。またアントラキノン、ナ
フトキノン、フェナトレンキノンのカルボン酸及びその
塩も使用できる。
【0019】反応終了後の酸化触媒の回収が容易であ
り、反応速度も速い点で、「反応温度においては,塩基
性とされた,反応に用いた有機溶媒を含む液媒体に易溶
であるが,塩基性とされた,40℃未満において反応に
用いた有機溶媒を含む液媒体に不溶性または難溶性のキ
ノン化合物」が好ましい。有機溶媒として,総炭素数1
〜8のモノアルコール類を含む液媒体を用いる場合にお
ける,好適な酸化触媒は、アントラキノン、ナフトキノ
ン、フェナトレンキノンである。このような好適な酸化
触媒は,回収すれば再利用することが出来るので,都合
が良い。有機溶媒を含む液媒体が更に水を含んでいる場
合には,回収再利用の観点から,水溶性の酸化触媒は用
いないほうが好ましい。
【0020】酸化触媒の使用量は,一般に成分(A)の
総使用量の0.3〜8.0重量%相当量、中でも2.0
〜8.0重量%相当量の範囲が望ましい。
【0021】本発明の製造方法においては、従来反応に
用いられていた第4級アンモニウム塩を使用する必要が
なく、それを使用していた際の不都合は生じないし、そ
れを除去するために工程は特に必要とされない。
【0022】酸素または酸素を含むガス(B)として
は、例えば酸素ガス、空気(酸素含有率約21体積%)
等が挙げられる。成分(B)は、必要ならば不活性ガ
ス,例えば窒素ガスや,ヘリウム,アルゴン等の希ガス
にて希釈して用いることも出来る。しかしながら、成分
(B)としては、入手の容易性や反応の穏やかさの点
で、空気を用いるのが好ましい。
【0023】成分(A)と成分(B)との使用割合は、
成分(A)1モル当たり成分(B)中の酸素が1.5モ
ル以上、好ましくは2.0〜3.0モルとなる様にす
る。
【0024】また本発明では,反応系を塩基性とし,少
なくとも成分(A)を出来るだけ溶媒に溶解させて,酸
化と加水分解を生起させる。従来の2,5−ジアリール
アミノテレフタル酸(C)類の製造方法では、最初の原
料仕込み時に,加水分解を促進するために,必要とされ
る塩基性化合物の総量が反応系に一括に仕込まれる。従
って,反応系の塩基性度は,最初の原料仕込み直後が最
も高く,酸化と加水分解の反応時間の経過に伴い,塩基
性度が徐徐に低下していく傾向にある。この様な反応カ
ーブで反応を行った場合には,2,5−ジアリールアミ
ノテレフタル酸(C)類の収率や純度が比較的低い。
【0025】本発明者等は,こうした実状を打破するべ
く検討を重ねた結果,必要とされる塩基性化合物の総量
を分割し,反応時間のどの経過時点においても、反応系
の塩基性度がある一定範囲内に保たれる様に反応系に添
加し,前記したのと異なる反応カーブとなる様にして反
応することで,2,5−ジアリールアミノテレフタル酸
(C)類の収率や純度をより高められることを知見し
た。これが,本発明の最大の特徴である。系内の塩基性
度は,系が水を含む場合にはpHで表現出来,この様な
系の場合は,pH13〜14の範囲となる様に塩基性化
合物を添加して制御するのが好ましい。
【0026】本発明において反応系に加える塩基性化合
物(D)としては特に限定はないが,例えばアルカリ金
属の水酸化物,アルカリ金属のアルコキシド,及び有機
強塩基等が挙げられ,なかでもアルカリ金属の水酸化物
が好ましい。
【0027】上記,強塩基性無機化合物としては,例え
ば水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,カリウム−t−
ブトキシド,カリウムメトキシド,カリウムエトキシ
ド,ナトリウムメトキシド,ナトリウムエトキシド等が
挙げられ,なかでも水酸化ナトリウム,水酸化カリウム
が特に望ましい。上記塩基の総使用量は,一般に成分
(A)の総使用量の2.0〜3.0モル%相当量の範囲
が望ましい。
【0028】本発明においては,必要とされる塩基性化
合物(D)の総量を分割し,反応系に添加する。n分割
された塩基性化合物は,n回に分けて添加することが出
来る。この際の分割数nは,特に制限されるものではな
いが,例えば2〜∽(無限大)である。分割添加の時間
間隔も特に制限されないが,例えば10〜30分であ
る。また,n回目の添加と(n+1)回目の添加との時
間間隔と,(n+1)回目の添加と(n+2)回目の添
加との時間間隔が,異なっていても良いが,個々の時間
間隔は同一とするほうが好ましい。
【0029】好ましい分割数nは2〜10であるが,反
応系の微動する塩基性度を例えばpH測定器にてモニタ
ーしながら,反応中,その変動に応じて分割数∽(無限
大)とした極少量の塩基性化合物を連続的に添加するこ
とも出来る。
【0030】尚,本発明においては,成分(B)を反応
系に加える前に,予め,塩基性化合物(D)の少なくと
も一部を,成分(A)を必須成分として含む系内に加え
ておくのが好ましい。塩基性化合物の総量を均等に三分
割した場合を例に本発明を説明すると,成分(A)と第
一の塩基性化合物とを必須成分として含む反応系に成分
(B)を加えて反応を開始し,系内の塩基性度が低下し
始めたら,第二の塩基性化合物を系内に添加する様に
し、同様に系内の塩基性度が低下し始めたら,第三の塩
基性化合物を系内に添加する様にすることが出来る。
【0031】本発明において塩基性化合物(D)は、そ
のまま系内に加える様にしても良いが、水溶液として加
える様にしても良い。成分(A)を必須成分として含む
系内に,予め,含ませておく塩基性化合物はそのまま系
内に含ませることが出来る。第二回目以降の塩基性化合
物は,それ自体を系内に添加しても良いが、系内の塩基
性度をより細かく調整できる点で,水溶液として添加す
るのが好ましい。
【0032】本発明の製造方法では,閉鎖系または開放
系とした,成分(A)を必須成分として含有する反応系
に,成分(B)を混合する様にして行うことが出来る
が,開放系とした前記反応系に成分(B)をバブリング
する様にして行うのが,操作が容易であり好ましい。
【0033】本発明の製造方法において、反応温度は、
通常80〜100℃であり、2,5−ジアリールアミノ
テレフタル酸類(C)の純度と収率の面を考えると、系
内を85〜95℃とするのが好ましい。反応時間は、通
常1〜10時間,中でも1〜5時間となる様にするのが
好ましい。
【0034】こうして本発明の製造方法が最適に実施さ
れた場合には,2,5−ジアリールアミノテレフタル酸
類(C)を含む反応液を40℃未満となる様に冷却する
ことにより,用いた酸化触媒を固体として析出させるこ
とが出来る。この際,反応液に含まれる芳香環に置換基
を有していても良い2,5−ジアリールアミノテレフタ
ル酸は,依然として溶解しているので,濾過により,酸
化触媒を確実に回収することが出来る。
【0035】次いで、酸化触媒(E)が除去された反応
液を酸性化合物にて酸性とすることで,2,5−ジアリ
ールアミノテレフタル酸類(C)を固体として析出させ
ることが出来,濾過することにより,単離することが出
来る。
【0036】こうして得られた2,5−ジアリールアミ
ノテレフタル酸類(C)は,そのままでも,従来よりは
高純度かつ高収率であるが,水や湯にて洗浄したり,再
結晶等を行うことにより,さら高純度とすることが出来
る。
【0037】本発明で得られる2,5−ジアリールアミ
ノテレフタル酸類(C)は、次の式(II)で表すこと
が出来る。但し式(II)中のXは前記と同義である。
【0038】式(II)
【0039】
【化2】
【0040】こうして、2,5−ジアリールアミノテレ
フタル酸類(C)としては、例えば、2,5−ジフェニ
ルアミノ−3,6−テレフタル酸、2,5−ジトルイジ
ノ−3,6−テレフタル酸、2,5−ジアニシジノアミ
ノ−3,6−テレフタル酸、2,5−ジクロロフェニル
アミノ−3,6−テレフタル酸、2,5−ジブロモフェ
ニルアミノ−3,6−テレフタル酸等が得られる。
【0041】本発明に従って得た,2,5−ジアリール
アミノテレフタル酸類(C)は,環化に用いて,そのま
まキナクリドン顔料の製造に用いることができる。
【0042】こうして、適当な2,5−ジアリールアミ
ノテレフタル酸類(C)を用いて、例えば、対応する無
置換キナクリドン、2,9−または4,11−ジメチル
キナクリドン、2,9−または4,11−ジメトキシキ
ナクリドン、2,9−または4,11−ジクロロキナク
リドン、2,9−または4,11−ジブロモキナクリド
ン等が得られる。
【0043】
【実施例】以下、実施例及び比較例を用いて本発明を具
体的に説明する。前記の明細書中に提示された本発明
は、その精神又は範囲においてこれらの実施例により制
約されない。当業者は、以下の方法の条件の既知の変法
を使用することができることは容易に理解するであろ
う。特記されない限り、すべての温度は摂氏で、「部」
は『重量部』を表わす。
【0044】HPLCで測定の標準として用いた2,5
−ジアリールアミノテレフタル酸は、既知のニトロベン
ゼン酸化加水分解プロセスで合成した。こうして得られ
た2,5−ジ−(p−トルイジノ)−テレフタル酸の純
度は98.5%、2,5−ジフェニルアミノノテレフタ
ル酸の純度は98.7%、および2,5−ジ−(p−ク
ロロアニリノ)−テレフタル酸の純度は98.3%、で
あった。
【0045】(実施例1)攪拌機、コンデンサー、温度
計、空気バブリング導管および電熱加熱ジャケットを備
えたフラスコ中に、2,5−ジ−(p−トルイジノ)−
3,6−ジヒドロテレフタル酸メチルエステル30部,
アントラキノン2.4部,n−ブタノール85部を85
℃まで昇温した後、空気を200mL/分の速度でバブ
リングしながら、第一回目の48%苛性ソーダ4.0部
を添加し、反応温度を1.5時間に掛けて90℃まで加
熱し、その後、90℃保温する。反応途中20分間隔
で、第二、第三、第四回目の48%苛性ソーダ各3.5
部を追加する。トータル2.5時間で反応終了した。こ
うして得られた反応液を冷却し、析出したアントラキノ
ンを濾過して回収し、次いで濾液を塩酸で中和して、
2,5−ジ−(p−トルイジノ)−テレフタル酸を析出
させ、それを濾過し、固形分をメタノール洗浄し、湯洗
し、乾燥した。こうして、2,5−ジ−(p−トルイジ
ノ)−テレフタル酸26.4部を得た(収率95.3
%)。HPLCで測定による純度は、98.5%であっ
た。
【0046】(比較例1)第一回目の48%苛性ソーダ
4.0部に代えて、48%苛性ソーダ14.5部を用い
て、第二、第三、第四回目の48%苛性ソーダの添加を
行わなかった以外は実施例1と同様な操作を行って、
2,5−ジ−(p−トルイジノ)−テレフタル酸23.
2部を得た(収率83.7%)。HPLCで測定による
純度は、97.6%であった。
【0047】実施例1と比較例1とを対比すれば明らか
な様に、本発明の実施例1では、高収率と高純度を兼備
していることが明らかである。
【0048】(実施例2)n−ブタノール85部に代え
て,n−ブタノール71部と水14部とを併用する様に
し,第一回目の48%苛性ソーダ4.0部に代えて,第
一回目の48%苛性ソーダ5.0部を用いる様にし,か
つ第二回目以降の48%苛性ソーダ各3.5部に代え
て,第二回目以降の48%苛性ソーダ4.0部を用いる
様にした以外は実施例1と同様の操作を行って,2,5
−ジ−(p−トルイジノ)−テレフタル酸26.0部を
得た(収率93.9%)。HPLCで測定による純度
は、98.3%であった。
【0049】(実施例3)2,5−ジ−(p−トルイジ
ノ)−3,6−ジヒドロテレフタル酸メチルエステル3
0部に代えて,2,5−ジフェニルアミノ−3,6−ジ
ヒドロテレフタル酸メチルエステル30部を用いた以外
は実施例1と同様の操作を行って,2,5−ジフェニル
アミノテレフタル酸26.5部を得た(収率96.0
%)。HPLCで測定による純度は、98.8%であっ
た。
【0050】(実施例4)実施例1の装置を用いて、
2,5−ジフェニルアミノ−3,6−ジヒドロテレフタ
ル酸メチルエステル30部,アントラキノン2.4部,
n−ブタノール71部と水14部を80℃まで昇温した
後、空気を200mL/分の速度でバブリングしなが
ら、一回目の48%苛性ソーダ4.5部を添加し、反応
温度を1.5時間に掛けて90℃まで加熱し、その後、
90℃保温する。反応途中20分間隔で、二、三、四回
目の48%苛性ソーダ各4.0部を追加する。トタール
2.5時間で反応終了。冷却、ろ過、アントラキノンを
回収し、ろ液を塩酸で中和した後、ろ過、メタノール洗
浄、湯洗、乾燥。2,5−ジフェニルアミノテレフタル
酸26.0部を得た(収率94.2%)。HPLCで測
定による純度は、98.4%であった。
【0051】(実施例5)実施例1の装置を用いて、
2,5−ジ−(p−トルイジノ)−3,6−ジヒドロテ
レフタル酸メチルエステル30部,アントラキノン−2
−スルホン酸ナトリウム塩0.6部,n−ブタノール8
5部を85℃まで昇温した後、空気を200mL/分の
速度でバブリングしながら、一回目の48%苛性ソーダ
4.0部を添加し、反応温度を1.5時間に掛けて90
℃まで加熱し、その後、90℃保温する。反応途中20
分間隔で、二、三、四回目の48%苛性ソーダ各3.5
部を追加する。トタール2.5時間で反応終了。冷却、
ろ過、ろ液を塩酸で中和した後、ろ過、メタノール洗
浄、湯洗、乾燥。2,5−ジ−(p−トルイジノ)−テ
レフタル酸25.1部を得た(収率90.6%)。HP
LCで測定による純度は、97.9%であった。
【0052】(比較例2)第一回目の48%苛性ソーダ
4.0部に代えて、48%苛性ソーダ14.5部を用い
て、第二、第三、第四回目の48%苛性ソーダの添加を
行わなかった以外は実施例5と同様な操作を行って、
2,5−ジ−(p−トルイジノ)−テレフタル酸23.
2部を得た(収率83.7%)。HPLCで測定による
純度は、97.2%であった。
【0053】実施例5と比較例2とを対比すれば明らか
な様に、本発明の実施例5では、高収率と高純度を兼備
していることが明らかである。
【0054】(実施例6)実施例1の装置を用いて、
2,5−ジ−(p−トルイジノ)−3,6−ジヒドロテ
レフタル酸メチルエステル30部,アントラキノン2.
4部,n−ブタノール71部と水14部を85℃まで昇
温した後、空気を200mL/分の速度でバブリングし
ながら、48%苛性ソーダ5.0部を添加し、その後、
系内のpHが13.5〜14.0に保たれる様に、1.
5時間を要して連続的に48%苛性ソーダ12.0部を
滴下した。同時に、反応温度を1.5時間に掛けて90
℃まで加熱し、90℃保温する。トタール2.5時間で
反応終了。冷却、ろ過、アントラキノンを回収し、ろ液
を塩酸で中和した後、ろ過、メタノール洗浄、湯洗、乾
燥。2,5−ジ−(p−トルイジノ)−テレフタル酸2
6.3部を得た(収率94.9%)。HPLCで測定に
よる純度は、98.4%であった。
【0055】(実施例7)実施例1の装置を用いて、
2,5−ジ−(p−クロロアニリノ)−3,6−ジヒド
ロテレフタル酸メチルエステル30部,アントラキノン
2.4部,n−ブタノール71部と水14部を85℃ま
で昇温した後、空気を200mL/分の速度でバブリン
グしながら、一回目の48%苛性ソーダ4.5部を添加
し、反応温度を1.5時間に掛けて95℃まで加熱し、
その後、90℃保温する。反応途中20分間隔で、二、
三、四回目の48%苛性ソーダ各4.0部を追加する。
トタール2.5時間で反応終了。冷却、ろ過、アントラ
キノンを回収し、ろ液を塩酸で中和した後、ろ過、メタ
ノール洗浄、湯洗、乾燥。2,5−ジ−(p−クロロア
ニリノ)−テレフタル酸26.1部を得た(収率93.
3%)。HPLCで測定による純度は、98.5%であ
った。あった。
【0056】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、塩基性化合
物を反応系内に分割添加して酸化と加水分解を行うの
で、芳香環に置換基を有していても良い2,5−ジアリ
ールアミノテレフタル酸を、高純度,高収率で製造する
ことができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香環に置換基を有していても良い2,
    5−ジアリールアミノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸
    アルキルエステル(A)に、塩基性下で、酸素または酸
    素を含むガス(B)を導入して、酸化し加水分解する芳
    香環に置換基を有していても良い2,5−ジアリールア
    ミノテレフタル酸類(C)の製造方法において、系を塩
    基性とするのに、塩基性化合物(D)を分割添加するこ
    とを特徴とする、芳香環に置換基を有していても良い
    2,5−ジアリールアミノテレフタル酸類(C)の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 芳香環に置換基を有していても良い2,
    5−ジアリールアミノ−3,6−ジヒドロテレフタル酸
    アルキルエステル(A)の1モルに対して、塩基性化合
    物(D)を2〜3モルとする請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 分割添加を連続的に行う請求項1または
    2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 水溶液とした塩基性化合物(D)を用
    い、その水溶液を滴下する様にする請求項1,2または
    3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 酸化触媒(E)として,反応温度におい
    ては,塩基性とされた,反応に用いた有機溶媒を含む液
    媒体に易溶であるが,塩基性とされた,40℃未満にお
    いて反応に用いた有機溶媒を含む液媒体に不溶性または
    難溶性のキノン化合物を用いる請求項1,2,3または
    4記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105384652A (zh) * 2015-11-27 2016-03-09 百合花集团股份有限公司 制备2,5-二(取代)芳胺基对苯二酸的方法
CN105384652B (zh) * 2015-11-27 2017-12-19 百合花集团股份有限公司 制备2,5‑二(取代)芳胺基对苯二酸的方法

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