JP2002179272A - 紙葉搬送装置 - Google Patents

紙葉搬送装置

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JP2002179272A
JP2002179272A JP2000377518A JP2000377518A JP2002179272A JP 2002179272 A JP2002179272 A JP 2002179272A JP 2000377518 A JP2000377518 A JP 2000377518A JP 2000377518 A JP2000377518 A JP 2000377518A JP 2002179272 A JP2002179272 A JP 2002179272A
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roller
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JP2000377518A
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English (en)
Inventor
Nobuhiko Onda
信彦 恩田
Jiyunichi Murakoso
純一 村社
Kazuo Tamamushi
一雄 玉虫
Isato Minamishin
勇人 南新
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙葉搬送装置に関し、紙葉の不送りや重送の
発生しにくい紙葉搬送装置を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 紙葉搬送装置は、紙葉を送り出すピック
ローラと、ピックローラの前方に配設され且つ回転軸に
可動に取付けられたフィードローラと、フィードローラ
に近接して配置されて該ピックローラによって送りださ
れた紙葉を1枚ずつに分離するセパレータと、フィード
ローラを回転軸の軸方向に変位させてフィードローラと
セパレータとの間の間隔を可変とするアクチュエータ
と、アクチュエータを制御する制御手段とからなる構成
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紙葉搬送装置に関す
る。より詳細には、本発明は例えば現金自動支払い機
(CD)や自動預金支払い機(ATM)や印刷装置など
に設けられる紙葉搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】CDやATMは紙幣を搬送するために紙
幣搬送装置を有する。印刷装置は印刷用紙を搬送するた
めに用紙搬送装置を有する。本発明による紙葉搬送装置
は、紙幣や印刷用紙及びその他の紙葉を搬送する搬送装
置である。紙葉搬送装置は、紙葉搬送路の紙葉繰り出し
部に、紙葉を送り出すピックローラと、ピックローラの
前方に配設されたフィードローラと、フィードローラに
近接して配置されてピックローラによって送りだされた
紙葉を1枚ずつに分離するセパレータとを有する。現金
や印刷用紙などの紙葉は束にして積み重ねられており、
ピックローラは紙葉の束から1枚ずつ紙葉を取り出し、
紙葉搬送路へ送り込む。しかし、2枚の紙葉が同時にピ
ックローラによって送りだされることがある。フィード
ローラ及びセパレータは紙葉分離装置を構成し、2枚の
紙葉がピックローラによって送りだされたとしても1枚
のみの紙葉を通過させ、もう1枚の紙葉の通過を阻止す
る。
【0003】複数のフィードローラが1つの回転軸に取
付けられており、複数のセパレータがフィードローラの
回転軸と平行な軸線上にフィードローラと交互に配置さ
れている。フィードローラとセパレータとは側部から見
たときに一部が重なって見える。以下この重なりをオー
バーラップと呼ぶ。紙葉はフィードローラとセパレータ
との間のオーバーラップを通過する。セパレータは摩擦
力を利用して2枚目以降の紙葉の通過を阻止し、そのた
めに、通常は摩擦係数の大きなゴム材料を含んでいる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】セパレータが紙葉を分
離する性能は、(a)セパレータと紙葉との間の摩擦係
数、(b)紙葉同志の摩擦係数、(c)紙葉のこしの強
さ、(d)フィードローラとセパレータとの間の間隔、
(e)セパレータの形状、(f)オーバーラップの程度
(オーバーラップ量と呼ぶ)、に依存する。このうち、
(a)〜(c)は紙葉の種類や状態等の性質によってあ
る範囲内で絶えず変動している。一方(d)〜(f)は
設計によって決定される値であり、装置運用中は意のま
まである。そのため、以下の課題があった。
【0005】(1)紙葉の性質(摩擦係数やこしの強
さ)が平均から大きく外れた紙葉を分離する場合には、
オーバーラップ量はその紙葉にとっては最適値とはなっ
ていないため、不送りや重送が発生してしまうことがあ
る。特に紙幣を扱う装置の場合には、官封券と流通券と
で摩擦係数やこしの強さが大きく異なるため、不送りや
重送が発生しやすい。
【0006】(2)オーバーラップ量は紙葉の分離性能
を左右する重要な因子であるが、オーバーラップ量の設
定許容値は紙葉の厚さ程度(例えば±0.1〜±0.2
mm程度)であるため、製造時にオーバーラップ量をこ
の許容値内に設定し、且つ長期間維持するのは容易では
ない。 (3)紙葉を長期間にわたって多数枚繰り出すと、セパ
レータの表面が徐々に磨耗するために、オーバーラップ
量は次第に小さくなり、重送が発生しやすくなる。
【0007】(4)オーバーラップに進入した紙葉をフ
ィードローラの回転軸に垂直な方向で搬送路側から見る
と、紙葉は波打っている(セパレータとの接触部分が波
の山、フィードローラとの接触部分が波の谷)。一方、
セパレータは通常円筒を中心軸にその垂直な面でスライ
スした形状をしているため、波打っている紙葉はセパレ
ータのエッジ部分(円筒面と切断面の接線部分)とだけ
接触する。すると、紙葉とセパレータとの間には十分な
摩擦力が作用せず、紙葉は重送されやすい。また、セパ
レータもエッジ部分が集中的に磨耗する。
【0008】このように、従来の分離機構では、ローラ
やセパレータの配置やその形状は製造当時のままで長期
間使用されるため、多種多様な紙葉を長期間にわたって
安定に1枚ずつ分離することは困難であった。本発明の
目的は、紙葉の不送りや重送の発生しにくい紙葉搬送装
置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの特徴によ
る紙葉搬送装置は、紙葉を送り出すピックローラと、ピ
ックローラの前方に配設され且つ回転軸に可動に取付け
られたフィードローラと、フィードローラに近接して配
置されて該ピックローラによって送りだされた紙葉を1
枚ずつに分離するセパレータと、フィードローラを回転
軸の軸方向に変位させてフィードローラとセパレータと
の間の間隔を可変とするアクチュエータと、アクチュエ
ータを制御する制御手段とからなることを特徴とする。
【0010】この構成によれば、フィードローラを回転
軸に可動に取付け、フィードローラとセパレータとの間
の間隔を可変とするアクチュエータを設けたことによ
り、紙葉の搬送状態に応じてフィードローラとセパレー
タとの間の間隔を制御して、紙葉の不送りや重送の発生
しやすい状態を紙葉の不送りや重送の発生しにくい状態
へ調整することができる。
【0011】本発明の他の特徴による紙葉搬送装置は、
紙葉を送り出すピックローラと、ピックローラの前方に
配設されたフィードローラと、フィードローラに近接し
て配置されてピックローラによって送りだされた紙葉を
1枚ずつに分離するセパレータと、セパレータの位置を
変化させて該フィードローラとセパレータとの間のオー
バーラップ量を可変とするアクチュエータと、アクチュ
エータを制御する制御手段とからなることを特徴とす
る。
【0012】この構成によれば、セパレータの位置を変
化させて該フィードローラとセパレータとの間のオーバ
ーラップ量を可変とするアクチュエータをを設けたこと
により、紙葉の搬送状態に応じてオーバーラップ量を制
御して、紙葉の不送りや重送の発生しやすい状態を紙葉
の不送りや重送の発生しにくい状態へ調整することがで
きる。
【0013】本発明の他の特徴による紙葉搬送装置は、
紙葉を送り出すピックローラと、ピックローラの前方に
配設されたフィードローラと、フィードローラに近接し
て配置されてピックローラによって送りだされた紙葉を
1枚ずつに分離するセパレータと、セパレータの表面形
状をフィードローラとセパレータとの間に進入した紙葉
の撓みに一致させるようにセパレータの表面を変形させ
るアクチュエータと、アクチュエータを制御する制御手
段とからなることを特徴とする。
【0014】この構成によれば、セパレータの表面形状
をフィードローラとセパレータとの間に進入した紙葉の
撓みに一致させるようにセパレータの表面を変形させる
アクチュエータを設けることにより、セパレータの表面
の形状を制御して、紙葉の不送りや重送の発生しやすい
状態を紙葉の不送りや重送の発生しにくい状態へ調整す
ることができる。
【0015】これらの3つの手段を単独で採用すること
ができるが、これらの3つの手段を2つずつ又は3つ同
時に組み合わせて採用することもできる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施例について図面
を参照して説明する。図1は本発明を適用した自動預金
支払い機(ATM)の例を示す図である。ATM10
は、操作パネル12と、入出金部14と、カード処理部
16と、通帳処理部18と、現金カセット20と、紙幣
リサイクルユニット(BRU)22と、制御部24とを
含む。現金カセット20は通常官封券を含み、BRU2
2は顧客が入金した流通券を含む。ATM10は、現金
カセット20から官封券を、BRU22から流通券を顧
客に出金する。
【0017】図2は図1の紙幣リサイクルユニット(B
RU)22を示す図である。BRU22は複数のスタッ
カ26と、鑑別部28と、リジェクト部30とを有し、
紙葉搬送路32がこれらの各部と入出金部14とを接続
して設けられている。また、紙葉搬送路32は図1の現
金カセット20にも接続される。紙葉搬送路32は適切
に配置された搬送ローラや方向制御手段を含む。紙葉搬
送路32は、スタッカ26及び入出金部14において紙
葉取り出し部34を含む。
【0018】紙葉取り出し部34は、紙葉の束に対し
て、紙葉を送り出すピックローラ36と、ピックローラ
36の前方に配設され且つ回転軸に可動に取付けられた
フィードローラ38と、フィードローラ38に近接して
配置されてピックローラ38によって送りだされた紙葉
を1枚ずつに分離するセパレータ40とを含む。図3及
び図4はピックローラ36と、フィードローラ38と、
セパレータ40の基本的な配置を示す図である。42は
紙葉(この例では紙幣)を示す。複数のピックローラ3
6は回転軸37に取付けられ、積層された紙葉42の表
面に当接している。積層された紙葉42は支持部44に
載置され、支持部44は積層された紙葉42の表面をピ
ックローラ36に押圧するように付勢されている。
【0019】複数のフィードローラ38は間隔をおいて
回転軸39に取付けられている。セパレータ40はフィ
ードローラ38の回転軸39と平行な軸線上で2つのフ
ィードローラ38の間の位置に配置されている。フィー
ドローラ38とセパレータ40とは側部から見たときに
一部が重なって見える。この重なりをオーバーラップと
呼ぶ。オーバーラップ量はtで示されている。紙葉搬送
路32の搬送ローラ32aがフィードローラ38の下流
に配置されている。紙葉通過検知センサ44が搬送ロー
ラ32aのすぐ下流に配置される。紙葉通過検知センサ
44は例えば一対の発光素子と受光素子で構成され、発
光素子から受光素子へ光ビームが投射される。
【0020】フィードローラ38は図示しない歯車機構
でピックローラ36と連結されており、ピックローラ3
6とフィードローラ38は図示しないローラ駆動モータ
によって同一速度で間欠的に回転され、紙葉42を1枚
ずつ紙葉搬送路32へ送りだす。紙葉42はフィードロ
ーラ38とセパレータ40との間のオーバーラップを通
過する。セパレータ40は摩擦力を利用して2枚目以降
の紙葉42の通過を阻止する。セパレータ40はその表
面に摩擦係数の大きなゴム材料を含む。
【0021】図5は図3及び図4のフィードローラ38
及びセパレータ40の一部を示す図である。図5の上半
部は2つのフィードローラ38及びその間にあるセパレ
ータ40を部分断面平面図で示しており、図5の下半部
はフィードローラ38及びセパレータ40を側面図で示
している。フィードローラ38の回転軸39はその表面
に軸方向に延びる溝39aを有し、フィードローラ38
の軸穴のピン38aが溝39aに摺動自在に嵌合されて
いる。これにより、フィードローラ38は矢印Aによっ
て示されるように回転軸39の軸線方向に移動可能に回
転軸39に取付けられている。フィードローラ38は回
転軸39と一緒に回転することができる。
【0022】第1のスリーブ46aが一対のフィードロ
ーラ38の中間で回転軸39に固定され、第2のスリー
ブ46bが一対のフィードローラ38の外側で回転軸3
9に固定される。第1のスリーブ46aはセパレータ4
0と軸方向で同じ位置に配置される。aはフィードロー
ラ38とセパレータ40との間の間隔を示す。円筒コイ
ル形状の形状記憶合金48が各フィードローラ38と第
2のスリーブ46bとの間で回転軸39の回りに配置さ
れ、円筒コイル形状のバイアスバネ50が各フィードロ
ーラ38と第1のスリーブ46aとの間で回転軸39の
回りに配置される。リード線52が回転軸39の表面に
沿って軸方向に延び、スリップリング54がリード線5
2に接続されて回転軸39に取付けられる。ブラシ56
がスリップリング54に接触せしめられ、よって形状記
憶合金48に電流を供給することができる。
【0023】また、セパレータ40は圧電素子58によ
り支持部60に取付けられている。圧電素子58は図示
しないリード線により電圧を供給され、よってセパレー
タ40は図5の矢印Bで示されるようにフィードローラ
38に近づき又は離れるように変位可能である。制御手
段62はローラ制御手段64を介してローラ駆動モータ
66を制御する。ローラ駆動モータ66はピックローラ
36及びフィードローラ38を制御する。また、制御手
段62は形状記憶合金48に印加する電流及び圧電素子
58に印加する電圧を制御する。形状記憶合金48に供
給する電流を制御することにより、形状記憶合金48が
伸縮し、フィードローラ38とセパレータ40との間の
軸方向の間隔aが変化する。この例では、形状記憶合金
48はフィードローラ38とセパレータ40との間の間
隔aを可変とする第1のアクチュエータとして作用す
る。圧電素子58に印加する電圧を制御することによ
り、圧電素子58が伸縮し、フィードローラ38とセパ
レータ40との間のオーバーラップ量tが変化する。こ
の例では、圧電素子58はセパレータ40の位置を変化
させてフィードローラ38とセパレータ40との間のオ
ーバーラップ量tを可変とする第2のアクチュエータと
して作用する。
【0024】図6はフィードローラ38とセパレータ4
0のジオメトリを示す図である。まず、図6を参照し
て、セパレータ40から紙葉42に作用する力Pが、分
離部(フィードローラ38及びセパレータ40)の構造
及び寸法とどのような関係にあるかを説明する。ここ
で、力Pに、セパレータ40と紙葉42との間の摩擦係
数μを乗じたものが、セパレータ40から紙葉42に作
用する摩擦力になる。
【0025】図6における記号の説明は次の通りであ
る。Pはセパレータ40から紙葉42に作用する力。a
はフィードローラ38とセパレータ40間の間隔。bは
セパレータ40の幅。lは2つのフィードローラ38間
の間隔。tはオーバーラップ量。なお、フィードローラ
38から紙葉42に作用する力もあるが、ここでは省略
した。
【0026】ここで、紙葉42を、フィードローラ38
との接触部に支持端があり、セパレータ40との2箇所
の接触部で集中荷重Pを受ける、単純支持梁でモデル化
する。図7はこの場合の解析モデルを示す図である。図
7においては、図6と同じものには同じ符号を付与して
ある。xは回転軸39の軸方向の距離、yは回転軸39
に対して垂直な方向の距離を示す。
【0027】材料力学の梁の撓み理論を応用して解析す
る。ここで、Eは紙葉42の縦弾性係数(ヤング率)で
あり、Iは紙葉の断面2次モーメントであるとする。紙
葉の撓み曲線は、下記式(1)で表される。
【0028】
【数1】 ここで、x=aで、y=tより、 t=(P/6EI)a2 (2a+3b) (2) 従って、力Pと分離部の寸法の関係は次式で表される。
【0029】 P=6EI(t/(a2 (2a+3b)) (3) 力Pは、tに正比例し、また、bを含んだaの3次式に
反比例する。力Pをtに関する一次関数としてあらわす
とき、aとbが大きいほど一時関数の勾配は小さくな
る。特には、aを大きくするほど、Pの変化が少ない、
ということができる。
【0030】ここでオーバーラップ量tの設定許容値の
拡大方法について説明する。tがある設定値t0 からδ
t変化したときに力PがP0 からδP変化したとする。
設定許容値を拡大することは、δtに対するδPを小さ
くすることである。δtとδPの関係は(3)式の両辺
をtで微分することで、次式のように表される。 δP=(dP/dt)δt (4) (dP/dt)=6EI(1/(a2 (2a+3b)) (5) aをパラメータとしたときの、bとdp/dtの関係の
グラフを図8に示す。ただし、a1、a2、・・・a
5、a6は等間隔で、a1<a2<、・・・a5<a6
とする。
【0031】(5)式及び図8より、aとbを大きくす
るほど、dP/dtは小さくなり、すなわち、オーバー
ラップ量tの設定許容値は大きくなる。また、(5)式
及び図8より、dP/dtに与える影響は、bよりもa
の方が大きいので、オーバーラップ量tの設定許容値を
大きくするには、aを大きくする方が望ましい。従っ
て、(5)式によりaの値を決め、それから、(3)式
によりtの値を決めることができる。
【0032】さらに、図6に示すように、aはフィード
ローラ38とセパレータ40との間の間隔であり、bは
セパレータ40の幅である。一般に機構の要素の幅を変
更するより要素と要素との間の間隔を変更する方が容易
である。従って、変更容易なaでdP/dtを調整でき
ることは本発明の実施にあたり有利な点である。以上の
検討結果をもとに、紙葉の繰り出し状況と分離機構の寸
法設定方法を述べる。図9は制御手段62の動作を説明
するために紙葉通過検知センサの出力信号を示す図であ
る。図9(A)は正常なとき、(B)は不送りぎみのと
き、(C)は重送ぎみのとき、を示す。
【0033】制御手段62には紙葉通過検知センサ44
からの信号が入力される。図9は紙葉42の繰り出し状
況と紙葉通過検知センサ44の出力信号の関係を示して
いる。図9において、紙葉42の前端が紙葉通過検知セ
ンサ44を通過した時点がLEで示され、その紙葉42
の後端が紙葉通過検知センサ44を通過した時点がTE
で示されている。さらに、次の紙葉42の前端が紙葉通
過検知センサ44を通過した時点がNLEで示され、そ
の紙葉42の後端が紙葉通過検知センサ44を通過した
時点がNTEで示されている。図9においては、紙葉4
2の後端が紙葉通過検知センサ44を通過(TE)して
から次の紙葉の前端が紙葉通過検知センサ44を通過
(NLE)するまでの時間Tを利用する。
【0034】正常なときには、時間Tは一定になる。こ
の値をT0(基準値)とする。不送りぎみのときには、
次の紙葉がオーバーラップをなかなか通過しないので、
このときの時間T1はT1>T0となる。重送ぎみのと
きには、次の紙葉は正常時よりもオーバーラップを搬送
路32側へ進んだところで停止している。そのため、次
の紙葉をピックローラ36とフィードローラ38で送り
だしたとき、この紙葉の前端は予定よりも早く紙葉通過
検知センサ44に達することになる。従って、このとき
の時間T2はT2<T0となる。
【0035】制御手段62は時間Tを基準値T0と比較
することで、正常か、不送りぎみか、重送ぎみかを判定
し、不送りぎみのときはオーバーラップ量tを大きくす
るように圧電素子58を駆動する。同時に形状記憶合金
48を駆動して、フィードローラ38とセパレータ40
との間の間隔aを調整し、オーバーラップ量tの設定許
容値を拡大する。すなわち、要約すると下記の通りであ
る。
【0036】(1)不送りぎみのときには、(a)セパ
レータ40から紙葉42に作用する力Pが大きすぎるた
めに、紙葉42がオーバーラップを通過しにくくなって
いる状況。従って、(b)オーバーラップ量tを小さく
して、紙葉42がオーバーラップを通過しやすくする。
(c)フィードローラ38とセパレータ40との間の間
隔aを大きくして、tの設定許容値を拡大する。(d)
(b)と(c)の方針で、tとaを調整して、(3)式
で所望の力となるtとaを設定する。
【0037】(2)重送ぎみのときには、(a)セパレ
ータ40から紙葉42に作用する力Pが小さすぎるため
に、紙葉42がオーバーラップを通過しやすくなってい
る状況。従って、(b)オーバーラップ量tを大きくし
て、紙葉42がオーバーラップを通過しにくくする。
(c)フィードローラ38とセパレータ40との間の間
隔aを大きくして、tの設定許容値を拡大する。(d)
(b)と(c)の方針で、tとaを調整して、(3)式
で所望の力となるtとaを設定する。
【0038】図10はフィードローラ38の変位機構の
他の実施例を示す。図10においては、フィードローラ
38を変位させる第1のアクチュエータとしてソレノイ
ド70を使用している。ソレノイド70はフィードロー
ラ38と第2のスリーブ46bとの間に配置される。ソ
レノイド70は中心軸の部分が中空になっており、フィ
ードローラ38の回転軸39がこの中空部に通るように
なっている。その他の構成は図5と同様であり、図10
の例の作用は図5と同様である。
【0039】図11はフィードローラ38の変位機構の
他の実施例を示す。図11においては、フィードローラ
38を変位させる第1のアクチュエータとして圧電素子
72を使用している。圧電素子72はフィードローラ3
8と第2のスリーブ46bとの間に配置される。その他
の構成は図5と同様であり、図10の例の作用は図5と
同様である。
【0040】図12はセパレータ40の変位機構の他の
実施例を示す。図12において、セパレータ40は支持
部60に設けたスライドガイド74に矢印Bの方向に移
動可能に配置され、セパレータ40を変位させる第2の
アクチュエータとして形状記憶合金76がセパレータ4
0と支持部60の間に配置される。バイアスバネ78が
形状記憶合金76と並列に配置される。制御手段62は
形状記憶合金48に印加する電流を制御する。図12の
例の作用は図5と同様である。
【0041】図13はセパレータ40の変位機構の他の
実施例を示す。図12において、セパレータ40を変位
させる第2のアクチュエータとしてソレノイド80を使
用している。その他の構成は図12と同じであり、図1
3の例の作用は図5と同様である。図14及び図15は
セパレータ40の表面形状を変化させるようにしたセパ
レータの実施例を示す図である。セパレータ40は金属
や樹脂でできたベース部82と、ベース部82の外周に
ライニングしたゴムの表面層84とからなる。本実施例
では、ベース部82に第3のアクチュエータとしての圧
電素子86を2次元状の配置で埋め込んである。具体的
には、ベース部82の表面に複数の穴をマトリックス状
にあけ、その穴に圧電素子86を配置する。制御手段8
8は圧電素子86に印加する電圧を制御する。このよう
にして、圧電素子86に印加する電圧を制御することに
より、フィードローラ38とセパレータ40との間のオ
ーバーラップ量tを制御することができる。
【0042】セパレータ40の表面形状は図6及び図7
に示すジオメトリ及び上記した関係式から求めることが
できる。紙葉42がセパレータ40と接触する範囲(a
≦x≦a+b)における紙葉42の形状を(1)式と
(3)式を用いて計算すると次式を得る。
【0043】
【数2】 セパレータ40の断面形状を(6)式で表される曲線に
すると、セパレータ40の表面全体が紙葉42と接触す
るために、セパレータ40と紙葉42との間に摩擦が有
効に作用する。
【0044】制御手段88は、オーバーラップ量t、フ
ィードローラ38とセパレータ40との間の間隔a、及
びセパレータ40の幅bを(6)式に代入して、セパレ
ータ40の断面形状を計算し、その断面形状になるよう
に圧電素子86に印加する電圧を制御して、ゴムの表面
層84を図7の破線のように変形させる。t、a、b
は、分離機構の設計値、あるいは図5の実施指令におい
て制御手段62が設定する値を使用する。
【0045】図16及び図17はセパレータ40の変形
例を示す図である。この例では、図14及び図15の圧
電素子86の代わりに、第3のアクチュエータとしての
複数の形状記憶合金90がセパレータ40のベース部8
2の表面の穴に埋め込んである。形状記憶合金90に印
加する電流を制御して、ゴムの表面層84を変形させ
る。その他の構成及び作用は図14及び図15のセパレ
ータ40と同様である。ところで、形状記憶合金90に
印加する電流を減少させて形状記憶合金90の変位を小
さくする場合、通常はバイアスバネを使用するが、本実
施例では、ゴムの表面層84がバイアスバネの役割を兼
ねる。
【0046】以上は本発明をATMを例として説明した
が、本発明はATMに限定されるものではない。また、
紙葉とは、1枚の紙だけでなく、複写用紙のように複数
の紙がセットになったものを含むものである。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
紙葉の分離機構において、取り扱う紙葉の摩擦係数やこ
しの強さ等の性質が変化して不送りや重送が発生しやす
くなったときに、フィードローラとセパレータとの間の
間隔も調整してオーバーラップ量の設定許容値を拡大
し、また、セパレータを変位させてフィードローラとセ
パレータとの間のオーバーラップ量を調整し、紙葉の不
送りや重送といった障害を防止して紙葉を安定に1枚ず
つ搬送することができる。
【0048】さらに、セパレータの形状をオーバーラッ
プを通過する紙葉の形状と一致させることにより、紙葉
とセパレータとを密着させ、分離に必要な摩擦力を紙葉
に十分作用させることで、紙葉を安定に1枚ずつ搬送す
ることができる。以上の効果により、本発明によれば、
多種多様な紙葉を長期間にわたって安定に1枚ずつ搬送
することができる紙葉搬送装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したATMの例を示す図である。
【図2】図1の紙幣リサイクルユニットを示す図であ
る。
【図3】ピックローラと、フィードローラと、セパレー
タの基本的な配置を示す平面図である。
【図4】ピックローラと、フィードローラと、セパレー
タの基本的な配置を示す側面図である。
【図5】図3及び図4のフィードローラ及びセパレータ
の一部を示す図である。
【図6】フィードローラとセパレータのジオメトリを示
す図である。
【図7】解析モデルを示す図である。
【図8】フィードローラとセパレータの間の間隔(a)
をパラメータとしたときの、セパレータの幅(b)とd
p/dtの関係を示す図である。
【図9】制御手段の動作を説明するために紙葉通過検知
センサの出力信号を示す図である。
【図10】フィードローラの変位機構の他の実施例を示
す図である。
【図11】フィードローラの変位機構の他の実施例を示
す図である。
【図12】セパレータの変位機構の他の実施例を示す図
である。
【図13】セパレータの変位機構の他の実施例を示す図
である。
【図14】セパレータの表面形状を変化させるようにし
たセパレータの実施例を示す略断面図である。
【図15】図14のセパレータの部分破断斜視図であ
る。
【図16】セパレータの変形例を示す略断面図である。
【図17】図16のセパレータの部分破断斜視図であ
る。
【符号の説明】
34…紙葉取り出し部 36…ピックローラ 38…フィードローラ 40…セパレータ 42…紙葉 44…紙葉通過検知センサ 48…形状記憶合金 58…圧電素子 62…制御手段 70…ソレノイド 72…圧電素子 76…形状記憶合金 80…ソレノイド 82…ベース部 84…表面層 86…圧電素子 90…形状記憶合金
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 玉虫 一雄 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 南新 勇人 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 3F343 FA04 FB07 FC01 GA02 GB02 GC01 GD01 JA01 JD09 JD33 KB05 LA04 LA12 LC03 LC05 LC06 MA03 MA09 MA26 MA27 MA59 MB04 MB14 MC06 MC11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙葉を送り出すピックローラと、 該ピックローラの前方に配設され且つ回転軸に可動に取
    付けられたフィードローラと、 該フィードローラに近接して配置されて該ピックローラ
    によって送りだされた紙葉を1枚ずつに分離するセパレ
    ータと、 該フィードローラを回転軸の軸方向に変位させて該フィ
    ードローラと該セパレータとの間の間隔を可変とするア
    クチュエータと、 該アクチュエータを制御する制御手段とからなることを
    特徴とする紙葉搬送装置。
  2. 【請求項2】 紙葉を送り出すピックローラと、 該ピックローラの前方に配設されたフィードローラと、 該フィードローラに近接して配置されて該ピックローラ
    によって送りだされた紙葉を1枚ずつに分離するセパレ
    ータと、 該セパレータの位置を変化させて該フィードローラと該
    セパレータとの間のオーバーラップ量を可変とするアク
    チュエータと、 該アクチュエータを制御する制御手段とからなることを
    特徴とする紙葉搬送装置。
  3. 【請求項3】 紙葉を送り出すピックローラと、 該ピックローラの前方に配設されたフィードローラと、 該フィードローラに近接して配置されて該ピックローラ
    によって送りだされた紙葉を1枚ずつに分離するセパレ
    ータと、 該セパレータの表面形状を該フィードローラと該セパレ
    ータとの間に進入した紙葉の撓みに一致させるように該
    セパレータの表面を変形させるアクチュエータと、 該アクチュエータを制御する制御手段とからなることを
    特徴とする紙葉搬送装置。
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