JP2002178337A - 断熱金型の作製法 - Google Patents

断熱金型の作製法

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JP2002178337A JP2000378659A JP2000378659A JP2002178337A JP 2002178337 A JP2002178337 A JP 2002178337A JP 2000378659 A JP2000378659 A JP 2000378659A JP 2000378659 A JP2000378659 A JP 2000378659A JP 2002178337 A JP2002178337 A JP 2002178337A
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heat
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Kazuharu Yasuda
和治 安田
Isao Umei
勇雄 梅井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 断熱層を有する金型を作製する場合、断熱加
工時及び加工後に、十分な密着強度を有する金型を作製
すること。 【解決手段】 金型と耐熱性樹脂の断熱層との間に接着
層として直鎖型ポリイミドを有する金型の作製法であっ
て、直鎖型ポリイミドの前駆体を該金型表面に塗布して
イミド化した後に、表面処理を行うことによって表面を
活性化した後に、断熱層となる芳香族系重合体の前駆体
を塗布することを特徴とする合成樹脂成形用の断熱金型
の作製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂の成形に
用いられる断熱金型の作製法に関する。更に詳しくは、
金属からなる主金型の金型キャビティ面が断熱層で被覆
される金型の金属キャビティ面と断熱層の間に接着層を
有し、該接着層の表面処理を行うことによって断熱層が
強固に金属キャビティ面に接着した断熱金型の作製法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金属からなる主金型のキャビティ
面を断熱層で被覆した断熱金型において、主金型と断熱
層の密着性をあげるために接着層を設けることが知られ
ている(特許 第2727303号)。また金属からな
る主金型の型キャビティを形成する型壁面に0.05〜
2mm厚のポリイミドを被覆した合成樹脂成形用の金型
の製法において、型壁面に直鎖型高分子量ポリイミド前
駆体溶液を塗布し、次いで、該ポリイミド前駆体のイミ
ド化率が35〜65%になるまで加熱し、更に、所定の
塗膜厚みになるまで塗布、加熱を2回以上繰り返し、最
後に、イミド化率が90%以上になるまで加熱して断熱
金型を作製する方法がある(特開平7−10853
5)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、接着層に直
鎖型ポリイミドを用いた場合、塗布したポリイミドを完
全にイミド化させると上層に塗布する耐熱性樹脂である
ポリイミドとの密着性が十分に得られないといった問題
が生じることがある。またこの問題を解決するために下
層のポリイミドを半イミド化した状態で上層にポリイミ
ド前駆体を塗布し、最後に完全にイミド化する方法があ
るが、この方法の場合には完全にイミド化するまで、接
着層のポリイミド層と主金型との間の密着性が十分得ら
れていないため、上層のポリイミドを塗布、焼き付けす
る際に膨れが発生したりして、最終的にイミド化後も十
分な密着性が得られないといった問題が生じていた。本
発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、金
型の断熱層の加工時も加工後においても、断熱層が強固
に主金型に密着した断熱金型を作製することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、金属
からなる主金型の金型キャビティ面に断熱層が強固に密
着した断熱金型を、加工過程においても問題なく作製す
る方法を提供するものである。すなわち本発明は、1.
金型と耐熱性樹脂の断熱層との間に接着層として直鎖型
ポリイミドを有する金型の作製法であって、直鎖型ポリ
イミドの前駆体を該金型表面に塗布してイミド化した後
に、表面処理を行うことによって表面を活性化した後
に、断熱層となる芳香族系重合体の前駆体を塗布するこ
とを特徴とする合成樹脂成形用の断熱金型の作製法、
【0005】2.表面処理が、フレーム処理であること
を特徴とする上記1に記載の断熱金型の作製法、 3.表面処理が、放電処理であることを特徴とする上記
1に記載の断熱金型の作製法、 4.表面処理が、化学薬品処理であることを特徴とする
上記1に記載の断熱金型の作製法、 5.表面処理を行う前の直鎖型ポリイミドのイミド化率
が80%以上であることを特徴とする上記1〜4のいず
れかに記載の断熱金型の作製法、 6.直鎖型ポリイミド表面の塗れ性が、良好となるよう
に表面処理を行うことを特徴とする上記1〜5のいずれ
かに記載の断熱金型の作製法、に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明に用いる主金型材質は、熱伝導率が20W
/K・m 以上の金属で、鉄又は鉄を50重量%以上含
有する鋼材、アルミニウム又はアルミニウムを50重量
%以上含有する合金、亜鉛合金、銅合金、たとえばベリ
リウム銅合金、等の一般に合成樹脂の金型に使用される
金属を包含する。特に鋼材が最も良好に使用できる。主
金型は型壁面がクロムメッキ及び/又はニッケルメッキ
されていることが好ましい。
【0007】本発明では、金型との密着力をあげるため
に主金型あるいは該金型に処理されたメッキと断熱層の
間に接着層を介在させて密着力を高める。この接着層と
しては、主金型の金属面と断熱層の両者に対して密着力
が優れ、しかも耐熱性に優れた材料で有ることが選択さ
れる。接着層としての直鎖型ポリイミドは、金型表面と
断熱層との両者に対して密着力に優れ、しかも耐熱性に
優れることから、熱可塑性ポリイミドや加熱によって軟
化する熱硬化性ポリイミド等、の直鎖型ポリイミドが好
ましい。
【0008】ここで述べるポリイミドとは、ピロメリッ
ト酸(PMDA)系ポリイミド、ビフェニルテトラカル
ボン酸系ポリイミド、トリメリット酸を用いたポリアミ
ドイミド、ビスマレイミド系樹脂(ビスマレイミド/ト
リイジン系等)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸系ポ
リイミド、アセチレン末端ポリイミド、熱可塑性ポリイ
ミド等である。接着層の厚みは、0.5〜50μmで有
ることが好ましく、特に1〜20μmが適している。
【0009】該接着層を形成するのに特に適したポリイ
ミド前駆体としては、ポリアミド酸が挙げられ、その具
体例としては、三井化学社製「LARC−TPI」や、
ユニチカ製「Uイミド」等をあげることができる。ま
た、断熱層として用いる材料、例えば東レ社製「トレニ
ース♯3000」を用いてもよい。一般に接着層の塗布
は、金型鋼材面、或いは金型鋼材面表面に被覆したメッ
キ層表面に、所望の厚みにスプレー塗布する。スプレー
塗布時には適切な溶媒等を用いて粘度を調整する。金型
に塗布した接着層は、加熱してイミド化するが、本法で
は金型鋼材と十分な密着性が得られるように十分にイミ
ド化する加熱温度と加熱時間を選択する。十分にイミド
化する温度と時間は、接着層に使用する材料によって異
なるが、具体例として前述した三井化学社製「LARC
−TPI」、ユニチカ製「Uイミド C」、東レ社製
「トレニース♯3000」の場合、加熱温度280℃以
上、好ましくは290℃以上で30分以上加熱すること
が望ましい。
【0010】また接着層として用いる直鎖型ポリイミド
は、後述の断熱層として用いるポリイミドと同一のもの
でもかまわないが、接着層としての直鎖型ポリイミド
は、後述の断熱層として効果のあるものとは異なる種類
を接着層材料として選択する方が好ましい。本発明にお
ける接着層となるポリイミドは、断熱層を塗布する前
に、下層の金型鋼材あるいは鋼材上のメッキ層と十分に
密着性が得られるように十分にイミド化される事が望ま
しい。十分にイミド化されるとは、該接着層のイミド化
率が80%、好ましくは90%以上になるまで加熱硬化
させることを意味する。また、十分にイミド化した接着
層は、上層に付与する断熱層と十分な密着力が得られな
い場合があるため、断熱層を塗布する前に表面処理を行
って活性化することが望ましい。
【0011】表面処理の方法としては、一般に樹脂の表
面改質手法が広く用いられるが、特にフレーム処理、放
電処理、化学薬品処理等が好ましい。これらの中でも生
産性、経済性、作業性の点でフレーム処理が最も好まし
い。フレーム処理は、一般に加熱用に使用される一般の
バーナーが広く使用でき、ガスの種類等に特に制限はな
いが、メタン、プロパン、ブタン等の低級炭化水素系ガ
ス等が一般に用いられる。
【0012】フレーム処理条件は、処理されるものの大
きさ、形状によるが、表面塗れ性が向上する程度行うの
が好ましい。具体的には、表面塗れ性が塗れ指数で、好
ましくは330μm/cm以上、更に好ましくは400
μm/cm以上となるまで処理を行う。該塗れ指数と
は、JIS K6768「ポリエチレン及びポリプロピ
レンフィルムのぬれ試験方法」に準じて塗れ指数を判定
したものである。フレーム処理時の火炎の種類に特に制
限はないが、酸化炎がより効果的である。
【0013】本発明における金型表面に形成される断熱
層に用いられる耐熱性樹脂とは、ガラス転移温度が15
0℃以上の耐熱性樹脂であり、主鎖に芳香族環を有する
芳香族系重合体であり、好ましくはガラス転移温度が1
90℃以上、あるいは及び連続使用の温度が150℃以
上の耐熱性樹脂である。耐熱性樹脂は、溶液として金型
壁面に塗布することが好ましく、従って溶液となる非結
晶性芳香族重合体、あるいはポリアミド酸等のポリイミ
ド前駆体が良好に使用される。ここで述べるポリイミド
とは、ピロメリット酸(PMDA)系ポリイミド、ビフ
ェニルテトラカルボン酸系ポリイミド、トリメリット酸
を用いたポリアミドイミド、ビスマレイミド系樹脂(ビ
スマレイミド/トリイジン系等)、ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸系ポリイミド、アセチレン末端ポリイミ
ド、熱可塑性ポリイミド等である。
【0014】断熱層は、熱伝導率が0.5W/K・m以
下で有ることが、断熱層の厚みを3mm以下の厚みにす
るために必要である。断熱層は、厚いほど断熱効果は上
がるが、反面、層の厚みが薄い程、成形品の冷却時にお
ける成形品の冷却効率が良くなり、成形サイクルの短縮
という点で効果的である。両者のバランスを考慮する
と、該断熱層の厚みは、好ましくは0.05〜0.4m
m、更に好ましくは、0.07〜0.3mmである。
【0015】本発明に特に好適な耐熱性樹脂としては、
直鎖型熱硬化性ポリイミドがあげられるが、断熱層を金
型表面に形成するためには、直鎖型熱硬化性ポリイミド
の前駆体溶液を塗布し、加熱することで形成することが
できる。この前駆体の塗布に際しては、粘度、表面張
力、チキソトロピー性等を調整するための添加物を加え
たり、主金型との密着性を高めるための添加剤を加える
ことができる。該断熱層の塗布法としては、簡便で厚み
調整が容易なスプレー塗布が好ましい。更に塗布した断
熱層は一般に加熱して硬化させるが、断熱層に直鎖型熱
硬化ポリイミドを用いた場合、所望の厚みになるまで何
度か重ね塗りをする。重ね塗りを行う場合は、完全にイ
ミド化をせず、半イミド化の状態まで加熱し、重ね塗り
をしていく。半イミド化の条件は、使用する材料によっ
て異なるが、ポリイミドを断熱材に用いる場合は、14
0〜170℃の範囲で、数十分間程度加熱する。所望の
厚みまで塗布したら、最終的に完全イミド化するまで加
熱硬化する。一般にポリイミドの完全イミド化には加熱
温度280℃以上、好ましくは290℃で加熱時間30
分間以上行う。断熱層を形成するのに適した直鎖型熱硬
化性ポリイミドの前駆体溶液の具体例としては、東レ社
製「トレニース♯3000」をあげることができる。
【0016】本発明の断熱層として良好に使用されるポ
リイミド以外の芳香族系重合体としては、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリアリルスルホン、ポリ
アリレート、ポリフェニレンエーテル、ポリベンツイミ
ダゾール等である。その他、次の重合体の中から選択す
ることもできる。ポリフェニル、ポリ−m−フェノキシ
レン、ポニフェニレンサルファイド、ポリベンジル、ポ
リフェネチル、ポリ−p−キシレン、ポリテレフタール
アミド、ポリスルファニルジベンザミド、ポリヒドラジ
ド、ポリオキサミド、フェノールフタレインポリマー、
ハイドロキノンポリエステル、ポリヒドロキシベンゾイ
ックアシッド、ポリベンゾチアゾール、ポリキノキザリ
ン、ポリフェニレントリアゾール、ポリジチアゾール、
ポリオキサジアゾール、ポリアミジン、パイロライズド
ポリアクリロニトリル、ポリ(ビニルイソシアネート)
ラダーポリマーなどである。
【0017】これらの重合体の溶剤への溶解を良くする
目的で、分子量を小さくしたり、共重合体とすることは
必要に応じて行われる。上記の断熱層として金型表面に
被覆された重合体の金型との密着力は強いほど望ましい
が、合成樹脂の射出成形時に剥離しない密着力が必要で
ある。密着力は、塗膜の密着強度評価に一般的に使用さ
れる90°剥離試験を用いて評価する。これは、試験片
に対して垂直方向に塗膜等を引き剥がすときの剥離強度
を測定するものである。本発明による方法を用いると金
型表面に垂直方向に、20mm/分の速度で塗膜(断熱
層)を引っ張ったときの剥離強度が1200g/10m
m幅以上の密着力が得られる。好ましい条件では200
0g/10mm幅以上、さらに好ましい条件では400
0g/10mm幅以上の密着強度を得ることも可能であ
る。
【0018】また本発明に用いる金型表面に形成された
断熱層の表面に、更にメッキ処理を施したり、高硬度の
トップコート層を設けても良い。本発明の金型で成形さ
れる合成樹脂材料は、一般に射出成形やブロー成形でき
る熱可塑性樹脂であるが、射出成形できるシリコーンゴ
ム等の熱硬化性樹脂であってもかまわない。熱可塑性樹
脂は、一般に熱可塑性樹脂と称されるものを意味する。
例えば、ポリスチレンや、ハイインパクトポリスチレ
ン、ミデイアムインパクトポリスチレンのようなゴム補
強スチレン系樹脂、スチレンーアクリロニトリル共重合
体(SAN樹脂)、アクリロニトリルーブチルアクリレ
ートラバーースチレン共重合体(AAS樹脂)、アクリ
ロニトリルーエチレンプロピルラバーースチレン共重合
体(AES)、アクリロニトリルー塩化ポリエチレンー
スチレン共重合体(ACS)、変性ポリフェニレンエー
テル(m−PPE)、ABS樹脂(例えば、アクリロニ
トリルーブタジエンースチレン共重合体、アクリロニト
リルーブタジエンースチレンーアルファメチルスチレン
共重合体、アクリロニトリルーメチルメタクリレートー
ブタジエンースチレン共重合体)等のスチレン系樹脂。
ポリメチールメタクリレート(PMMA)等のアクリル
系樹脂、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリ
エチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)等のオ
レフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン
等の塩化ビニル系樹脂、エチレン塩化ビニル酢酸ビニル
共重合体、エチレン塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル
系樹脂。ポリエチレンテレフタレート(PETP、PE
T)、ポリブチレンテレフタレート(PBTP、PB
T)等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート(P
C)、変性ポリカーボネート等のポリカーボネート系樹
脂、ポリアミド66、ポリアミド6、ポリアミド46等
のポリアミド系樹脂、ポリオキシメチレンコポリマー、
ポリオキシメチレンホモポリマー等のポリアセタール
(POM)樹脂、その他のエンジニアリング樹脂、スー
パーエンジニアリング樹脂、例えば、ポリエーテルスル
ホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、熱可
塑性ポリイミド(TPI)、ポリエーテルケトン(PE
K)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ
フェニレンサルファイド(PSU)、等が挙げられる。
さらに、セルロースアセテート(CA)、セルロースア
セテートブチレート(CAB)、エチルセルロース(E
C)等のセルロース誘導体、液晶ポリマー、液晶アロマ
チックポリエステル等の液晶系ポリマー、熱可塑性ポリ
ウレタンエラストマー(TPU)、熱可塑性スチレンブ
タジエンエラストマー(SBC)、熱可塑性ポリオレフ
ィンエラストマー(TPO)、熱可塑性ポリエステルエ
ラストマー(TPEE)、熱可塑性塩化ビニルエラスト
マー(TPVC)、熱可塑性ポリアミドエラストマー
(TPAE)等の熱可塑性エラストマー、等が挙げられ
る。
【0019】本発明における熱可塑性樹脂は、本発明の
成形過程において上述のような熱可塑性樹脂を合成して
もよい。一種もしくはそれ以上の熱可塑性樹脂のブレン
ド体を本発明方法によって成形してもよい。また2種類
以上の樹脂から成るポリマーアロイ材料を使用しても良
い。更に、熱可塑性樹脂は、充填材 かつ/又は添加材
等を含有してもよい。以下、実施例により本発明を更に
詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0020】
【実施例1】以下の断熱金型を作製し、鋼材にて密着力
テストを実施した。 鋼材形状:75×120mm、肉厚6.0mmの鋼材平
板上に2μm厚の鏡面状硬質クロムメッキ処理を施し
た。 接着層:上記鋼材表面にポリイミドコーティング剤、
「Uイミド タイプC」(ユニチカ(株)商品名)を約
10μm塗布し、300℃で加熱硬化した。Uイミドを
イミド化した後、一端鋼材を放冷し、表面をガスバーナ
ーにてフレーム処理した。フレーム処理条件は、バーナ
ーからの炎の長さ8.0cmの先端から3.0cmの位
置がポリイミド表面に当たるようにした状態で炎を移動
速度7.5cm/sで動かし、トータル処理時間2分間
で行った。 断熱層:フレーム処理後、直鎖型ポリイミド前駆体、ポ
リイミドワニス「トレニース♯3000」(東レ(株)
商品名)を塗布し、160℃に加熱した。更に同操作を
4度行ってポリイミドを重ね塗りした後に、290℃に
加熱してイミド化したポリイミドの断熱層を200μm
形成させた。 表面塗れ性評価:フレーム処理後の表面を和光純薬工業
製の塗れ指数標準液で測定した結果、塗れ指数は480
μN/cmであった。 密着強度試験:上記試験片の断熱層の密着強度を、断熱
層に10mm幅の切り込みを入れ、該断熱層を金型表面
に垂直方向に20mm/分の速度で引っ張る90°剥離
試験にて評価した結果、密着強度は4.8kg/10m
m幅であった。
【0021】
【比較例1】実施例1における鋼材でフレーム処理だけ
を施さずに試験片を作製した。 表面塗れ性評価;Uイミド塗布、イミド化後の表面を塗
れ性を実施例1と同様な方法で測定した結果、塗れ指数
は320μN/cmで、断熱層作製後、該断熱層の密着
強度を実施例1と同じ方法で測定したところ1.1kg
/10mm幅であった。
【0022】
【実施例2】成形品意匠面側を転写する側の金型キャビ
ティ面を加工した断熱金型を用いて成形品を作成した。 金型の製作 成形品形状:210×300mm、側壁高さ20mm、
成形品肉厚2.0mmの箱形形状で成形品表面に多数の
開口部を有する成形品 主金型:鋼材(S55C)製金型のキャビ、コア表面を
鏡面仕上げし、更に型表面に2μm厚の鏡面状硬質クロ
ムメッキ処理を施した。
【0023】接着層処理:上記金型表面にポリイミドコ
ーティング剤、「Uイミド タイプC」(ユニチカ
(株)商品名)を約10μm塗布し、加熱硬化してイミ
ド化した。イミド化後表面をフレーム処理した。フレー
ム処理条件は、バーナーからの炎の長さ8.0cmの先
端から4.0cmの位置がポリイミド表面に当たるよう
にした状態で炎を移動速度3.0cm/sで動かし、ト
ータル処理時間6分間で行った。
【0024】断熱層:直鎖型ポリイミド前駆体、ポリイ
ミドワニス「トレニース♯3000」(東レ(株)商品
名)を塗布し、160℃に加熱した。更に同操作を3度
行ってポリイミドを重ね塗りした後に、290℃に加熱
してイミド化したポリイミドの断熱層を100μm形成
させた。 表面硬化層:ポリシロキサンとエポキシ樹脂を主成分と
する溶液「YP−9327」(東芝シリコーン(株)
製)を塗布し、150℃で加熱硬化して鏡面状に研磨し
た硬質の薄膜を形成した。
【0025】成形品を形成しないPL(パーテイングラ
イン)面にも同様の方法で加工し、断熱層の密着強度を
実施例1と同じ方法で測定した結果、密着強度は5.1
kg/10mm幅であった。上記断熱金型を用い、ハイ
インパクトポリスチレンを材料として成形品を作製し
た。断熱加工を施した意匠面側の成形品表面にウエルド
ライン等の不良現象はみられず、外観良好な成形品が得
られた。この成形品を300個成形したが、断熱層の剥
離現象等は全くみられなかった。
【0026】
【発明の効果】本発明による方法で断熱金型を作製する
ことにより、従来の技術では得ることのできなかった密
着強度に優れた断熱層を有する断熱金型の作製が可能と
なる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AE03 BB26Y BB26Z BB34Y BB44Y BB49Y BB68Y BB72Y CA12 CA13 CA18 DA23 DA29 DB02 DB05 DB06 DB07 DC16 EA07 EB35 EB37 EB39 EB44 EB47 4F202 AA13 AJ03 AJ09 AJ13 AK14 CA11 CA15 CB01 CD22

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型と耐熱性樹脂の断熱層との間に接着
    層として直鎖型ポリイミドを有する金型の作製法であっ
    て、直鎖型ポリイミドの前駆体を該金型表面に塗布して
    イミド化した後に、表面処理を行うことによって表面を
    活性化した後に、断熱層となる芳香族系重合体の前駆体
    を塗布することを特徴とする合成樹脂成形用の断熱金型
    の作製法。
  2. 【請求項2】 表面処理が、フレーム処理であることを
    特徴とする請求項1に記載の断熱金型の作製法。
  3. 【請求項3】 表面処理が、放電処理であることを特徴
    とする請求項1に記載の断熱金型の作製法。
  4. 【請求項4】 表面処理が、化学薬品処理であることを
    特徴とする請求項1に記載の断熱金型の作製法。
  5. 【請求項5】 表面処理を行う前の直鎖型ポリイミドの
    イミド化率が80%以上であることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載の断熱金型の作製法。
  6. 【請求項6】 直鎖型ポリイミド表面の塗れ性が、良好
    となるように表面処理を行うことを特徴とする請求項1
    〜5のいずれかに記載の断熱金型の作製法。
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