JPH07156279A - 透明なガラス繊維強化樹脂の成形法 - Google Patents

透明なガラス繊維強化樹脂の成形法

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JPH07156279A
JPH07156279A JP5309177A JP30917793A JPH07156279A JP H07156279 A JPH07156279 A JP H07156279A JP 5309177 A JP5309177 A JP 5309177A JP 30917793 A JP30917793 A JP 30917793A JP H07156279 A JPH07156279 A JP H07156279A
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JP
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mold
glass fiber
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heat resistant
resin
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JP5309177A
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Hiroshi Kataoka
紘 片岡
Isao Umei
勇雄 梅井
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明性に優れたガラス繊維強化熱可塑性樹脂
の成形方法 【構成】 ガラス繊維と樹脂成分の屈折率が実質的に一
致したガラス繊維強化熱可塑性樹脂組成物を、断熱層を
被覆した金型で成形する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は透成なガラス繊維強化熱
可塑性樹脂成形品の成形法である。
【0002】
【従来の技術】ガラス繊維(以後GFと略称)を配合し
た熱可塑性樹脂はGFと樹脂相の屈折率が一致すれば基
本的には透明になる。しかし、この透明組成物を通常の
射出成形で成形すると透明な成形品にならない。その原
因は成形品表面が粗面になり、成形品表面で乱反射が起
ることにある。
【0003】GF配合樹脂の表面を平滑にする成形法と
して種々の方法があり、例えば金型温度を高くして該樹
脂の軟化温度に近い状態で成形すれば良くなり、又、射
出圧力を高くしても良くなり、更に射出速度を大きくし
ても良くなる。しかし、これらの要因の中で最も大きな
影響のあるのは金型温度であり、金型温度を高くする程
好ましい。しかし、金型温度を高くすると、可塑化され
た樹脂の冷却固化に必要な冷却時間が長くなり成形能率
が下がる。このため、金型温度を高くすることなく型表
面の再現性を良くし、又金型温度を高くしても必要な冷
却時間が長くならない方法が要求されている。金型に加
熱用、冷却用の孔をそれぞれとりつけておき交互に熱
媒、冷媒を流して金型の加熱、冷却を繰り返す方法も行
われているが、この方法は熱の消費量も多く、冷却時間
が長くなる。
【0004】金型キャビティを形成する型壁面を熱伝導
率の小さい物質で被覆することにより金型表面再現性を
良くする方法は米国特許第3544518号明細書で射
出成形について開示されている。押出ブロー成形につい
ても、同様に型壁面を熱伝導率の小さい物質で被覆する
方法が米国特許第5041247号明細書に開示されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】GF配合樹脂成形品の
表面を平滑にして、透明なGF強化熱可塑性樹脂成形品
を経済的に成形する方法が要求されている。本発明はこ
の要求に答えたものである。
【0006】
【発明を解決するための手段及び作用】すなわち、本発
明は、熱可塑性樹脂の成形に於て、金属からなる主金型
の金型キャビティを形成する型壁面を、熱伝導率が0.
002cal/cm・sec・℃以下の耐熱性重合体か
らなる断熱層で0.05〜2mm厚に被覆した金型を用
い、樹脂成分とガラス繊維の屈折率が実質的に一致した
ガラス繊維強化熱可塑性樹脂組成物を成形することを特
徴とする透明なガラス繊維強化熱可塑性樹脂成形品の成
形法。
【0007】以下に本発明について詳しく説明する。本
発明の射出成形に使用できる合成樹脂は一般の射出成形
等に使用できる透明なGF強化熱可塑性樹脂である。本
発明では断熱層の厚みが0.05〜2mmの範囲で選択
される。0.05mm以下では成形品表面を平滑にする
効果は小さく、2mm以上では冷却に必要な時間が長く
なり成形効率が低下する。
【0008】本発明で成形される樹脂組成物は、樹脂成
分とGFの屈折が実質的に一致した組成物であり、例え
ば、次のメチルメタクリレート(以後、MMAと略称)
系重合体(以後、PMMAと略称)、スチレン(以後、
STと略称)−アクリロニトリル(以後、ANと略称)
系共重合体(以後、SANと略称)、ガラス繊維(以
後、GFと略称)の3成分から基本的に成る屈折率が実
質的に一致した組成物は良好に使用できる。
【0009】PMMAは屈折率1.49付近であり、S
ANの屈折率は1.56〜1.67であり、PMMAと
SANを均一に混合することにより、GFの屈折率1.
51〜1.56に合わせることができ、透明なGF強化
樹脂組成物が得られる。更に詳しく述べれば、(A)M
MAが84重量%以上であるMMAを主体としたアクリ
ル樹脂10〜80重量%(樹脂基準)と(B)St88
〜73重量%、AN12〜27重量%から基本的に成る
SAN90〜20重量%(樹脂基準)とが均一に混合さ
れた透明な樹脂成分と、GF5〜60重量%(全組成物
基準)が溶融状態で混合することによる、樹脂成分とG
Fの屈折率が実質的に一致し、透明性を有するGF強化
樹脂組成物を使用することができる。
【0010】こゝに述べるアクリル樹脂とは、MMAが
84重量%以上のMMAが主体の樹脂であり、共重合で
きるモノマーとしては、アルキルアクリレート(アルキ
ル基がメチル、エチル、プロピル、ブチル、2エチルヘ
キシル等)が良好に使用できる。好ましくはMMAが9
0〜98重量5の共重合体である。MMAが98重量%
以上の重合体は成形中の熱分解が起こりやすく、90重
量%以下の重合体はPMMAの特性が現れにくい。
【0011】SANはSt88〜73重量%AN12〜
27重量%から基本的に成るランダム共重合体であるこ
とが好ましく、この組成領域からはずれるとアクリル樹
脂と均一に相溶できなくなる。特に好ましいSAN組成
はSt78〜74重量%、AN22〜26重量%から成
る共重合体である。StにANを共重合してゆくと、ポ
リスチレンに対するSANの特性(耐化学薬品性等)が
現れてくるのはAN含有率が22重量%以上であり、事
実現在市販されているSANに於てはAN含有率22〜
30重量%のものがほとんどである。従ってAN22〜
30重量%範囲のSANとPMMAから均一に相溶した
組成物が得られることは、性能的にも経済的にも重要な
意味を持つものである。
【0012】PMMAとSANの混合比率は、該混合物
の屈折率がGFの屈折率と一致する比率であり、PMM
A/SAN=10〜80/90〜20の範囲から選定さ
れる。この混合比率は、使用するGFの屈折率、PMM
Aの組成、SANの組成により異り、その都度決定され
る。GFは一般にFRP、FRTPと云われているGF
強化樹脂に使用されるものである。
【0013】GF添加量は5〜60重量%(全組成物基
準)で、この範囲で必要に応じて選択できる。5重量%
以下では添加効果が現れにくく、60重量%以上は添加
することが困難になる。好ましくは10〜30重量%で
あり、この範囲の組成物が、性能、成形性等から最も良
好に使用できる。GFは通常に使用される直径のものが
使用でき、5〜50μmの直径のGFが使用できる。G
F直径が小さい程、本発明のGF強化樹脂の透明性は良
くなり、5〜15μmのGFが特に好ましい。又、GF
は樹脂と密着している程、本発明のGF強化樹脂の透明
性は良くなり好ましい。GFと樹脂を密着性を良くする
ため、GF表面を、ビニルシラン、アミノシラン、クロ
ム化合物等の一般に使用される表面処理剤で処理するこ
とは有効である。
【0014】本発明に述べる、樹脂成分とGFの屈折率
が実質的に一致するとは、透明性が確認できる範囲に一
致することを示し屈折率が±0.005の範囲、更に好
ましく±0.002の範囲で一致することが好ましい。
又、樹脂成分の屈折率の波長による変化と、GFの屈折
率の波長による変化は異なるため、全可視光の波長の範
囲で一致させることは困難であり、一般に可視光波長範
囲の中心付近で屈折率を合せ、短波長側及び長波長側で
屈折率が若干ずれることを実質的に一致すると表現し
た。
【0015】本発明を射出成形を中心に説明したが、射
出圧縮成形、押出圧縮成形等の、合成樹脂を金型内で賦
型する成形法も使用できる。本発明に述べる主金型材質
とは、一般に金型に用いられる材質で良く、例えば、鉄
又は鉄を主成分とする鋼材、アルミニウム又はアルミニ
ウムを主成分とする合金、亜鉛合金、ベリリウム−銅合
金等の一般に合成樹脂の成形に使用されている金属金型
を包含する。特に鋼材が良好に使用できる。尚、これら
の主金型材質は、一般に、熱伝導率が0.05cal/
cm・sec・℃以上である。
【0016】本発明で断熱層に用いる耐熱性重合体とは
ガラス転移温度が150℃以上、好ましくは190℃以
上、及び/又は融点が250℃以上、好ましくは280
℃以上の耐熱性重合体である。耐熱性重合体の熱伝導率
は0.002cal/cm・sec・℃以下であり、一
般の重合体はこの熱伝導率以下である。又、該耐熱性重
合体の破断伸度は10%以上の強靭な重合体が好まし
い。破断伸度の測定法はASTMD638に準じて行
い、測定時の引っ張り速度は5mm/分である。
【0017】本発明で断熱層として良好に使用できる重
合体は、主鎖に芳香環を有する耐熱性重合体であり、有
機溶剤に溶解する各種非結晶性耐熱重合体、各種ポリイ
ミド等が良好に使用できる。非結晶性耐熱重合体として
は、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリル
スルホン、ポリアリレート、ポリフェニレンエーテル、
ポリベンツイミダゾール等である。これ等の代表的な耐
熱性重合体の繰り返し単位を次に示す。
【0018】
【化1】
【0019】
【化2】
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】ポリイミドは各種あるが、直鎖型高分子量
ポリイミドが良好に使用できる。一般に直鎖型高分子量
ポリイミドは破断伸度が大きく、耐久性に優れている。
本発明に良好に使用できる直鎖型の高分子量ポリイミド
の例を表1に示した。なお、Tgはガラス転移温度、
又、nはくりかえし単位の数を表わす。
【0024】
【表1】
【0025】直鎖型ポリイミドのTgは構成成分によっ
て異り、その例を表2および表3に示した。Tgが15
0℃以上の重合体が使用され、好ましくは190℃以
上、更に好ましくは230℃以上である。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】本発明に良好に使用できる、溶剤に溶解で
きる各種可溶性ポリイミドを表4に示す。
【0029】
【表4】
【0030】射出成形は複雑な形状の成形品を一度の成
形で得られるところに経済的価値がある。この複雑な金
型表面を耐熱性重合体で被覆し、且つ強固に密着させる
には、耐熱性重合体溶液、あるいは/及び耐熱性重合体
前駆体溶液を塗布し、次いで加熱して耐熱性重合体を形
成させることが最も好ましい。従って、本発明の耐熱性
重合体、あるいは耐熱性重合体前駆体は溶剤に溶解でき
ることが好ましい。
【0031】前記の非結晶性耐熱性重合体、可溶性ポリ
イミド、あるいはポリイミド前駆体はテトラヒドロフラ
ン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、
N−メチルピロリドン等の各種溶剤に溶解し、本発明に
使用される。直鎖型ポリイミド前駆体は、例えば芳香族
ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物を開環重付
加反応させることにより合成される。
【0032】
【化6】
【0033】これ等ポリイミド前駆体は加熱して脱水環
化反応させることによりポリイミドを形成する。最も好
ましい直鎖型ポリイミド前駆体はポリアミド酸でありそ
の代表例の繰り返し単位と、それをイミド化したポリイ
ミドの繰り返し単位を次に示す。
【0034】
【化7】
【0035】
【化8】
【0036】
【化9】
【0037】
【化10】
【0038】上記のポリイミド前駆体のポリマーはN−
メチルピロリドン等の溶媒に溶かし、金型壁面に塗布さ
れる。これら耐熱性重合体溶液、あるいは耐熱性重合体
前駆体溶液には、コーティング時の粘度を調整したり、
溶液の表面張力を調整、チキソトロピー性を調整するた
めの添加物を加えたり、及び/又は金型との密着性を上
げるための微少の添加物を加えることができる。
【0039】断熱層に使用する耐熱性重合体について、
非結晶性耐熱性重合体、ポリイミドで説明したが、本発
明は基本的にこれ等に限定されるものではない。可とう
性が付与されたエポキシ樹脂、シリコーン系樹脂等は成
形条件等によっては使用できる。本発明の耐熱性重合体
皮膜と主金型との密着力が大きいことが必要であり、室
温で0.5kg/10mm巾以上、好ましくは0.8k
g/10mm巾以上、更に好ましくは1kg/10mm
巾以上である。これは密着した断熱層を10mm巾に切
り、接着面と直角方向に20mm/分の速度で引張った
時の剥離力である。この剥離力は測定場所、測定回数に
よりかなりバラツキが見られるが、最小値が大きいこと
が重要であり、安定して大きい剥離力であることが好ま
しい。本発明に述べる密着力は金型の主要部の密着力の
最小値である。
【0040】ポリイミド等の断熱材の薄層の表面の平滑
性等を更に向上させるため、あるいは表面の耐擦傷性を
更に向上させるため、あるいは離型性を良くするため、
ポリイミド層等の厚みの1/10付近より薄い別材質を
ポリイミド表面等に塗布することも必要に応じてでき、
本発明に含まれる。合成樹脂のシートや型物の表面に、
耐擦傷性向上のために使用されている、一般にハードコ
ートと言われている塗料を塗布することもできる。例え
ば、熱硬化型のシリコーン系ハードコート剤、特に、シ
リコーン系ハードコート剤にエポキシ系物質を配合した
密着性に優れたハードコート剤は良好に使用でき、本発
明にとって好ましいものである。又、離型性を良くする
ためにフッ素樹脂やシリコーン系重合体を塗布すること
も良好にできる。
【0041】本発明では主金型の温度を熱可塑性樹脂の
(軟化温度−20℃)以下に冷却して成形される。好ま
しくは(軟化温度−30℃)以下、室温以上で成形され
る。本発明の於ける樹脂の軟化温度とは合成樹脂が容易
に変形し得る温度であり、非結晶性樹脂ではビカット軟
化温度(ASTM D1525)である。
【0042】
【実施例】次の金型と各物質を用いる。 主 金 型:鋼材(S55C)でつくられ、100mm
×100mmの正方形、厚さ2mmの平板状型キャビテ
ィを有し、型表面は鏡面状であり、更に表面は硬質クロ
ムメッキされている。鋼材の熱伝導率約0.2cal/
cm・sec・℃ 正方形の辺部にサイドゲートを有する。 ポリイミド:直鎖型ポリイミド前駆体、ポリイミドワニ
ス「トレニース#3000」(東レ(株)商品名)。硬
化後のポリイミドのTgは300℃、熱伝導率0.00
05cal/cm・sec・℃ 破断伸度60% PMMA :MMA97重量%、メチルアクリレート3
重量%から成る共重合体 屈折率1.491
【0043】S A N:St75重量%、AN25重
量%から成る共重合体。屈折率1.574 G F:屈折率が1.555のEガラスに、アミノ
シランで表面処理されている直径が13μmのGFチョ
ップ。 透明なGF強化透明樹脂組成物:PMMA22.9重量
%、SAN77.1重量%から成る樹脂配合物に、更に
GF20重量%を配合混練して、屈折率が1.555の
透明なGF強化樹脂組成物をつくる。 ポリイミドを被覆した主金型:主金型の型壁面にポリイ
ミドを塗布し、160℃に加熱して半硬化し、更に、塗
布、半硬化を4回繰り返して、最後に290℃に加熱し
て、合計で100μm厚のポリイミド層を形成し、ポリ
イミド被覆金型をつくる。 それぞれの配合樹脂と金型を用いて射出成形を行いその
光学的性質を表5に示す。
【0044】
【表5】
【0045】樹脂成分とGFの屈折率が実質的に一致し
た配合物をポリイミド被覆金型で射出成形すると、透明
性に優れた成形品が得られる。
【0046】
【発明の効果】本発明の成形法により、透明性に優れた
GF強化樹脂成形品が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29C 45/37 7415−4F // B29K 101:12 105:12 309:08

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂の成形に於て、金属からな
    る主金型の金型キャビティを形成する型壁面を、熱伝導
    率が0.002cal/cm・sec・℃以下の耐熱性
    重合体からなる断熱層で0.05〜2mm厚に被覆した
    金型を用い、樹脂成分とガラス繊維の屈折率が実質的に
    一致したガラス繊維強化熱可塑性樹脂組成物を成形する
    ことを特徴とする透明なガラス繊維強化熱可塑性樹脂成
    形品の成形法。
JP5309177A 1993-12-09 1993-12-09 透明なガラス繊維強化樹脂の成形法 Withdrawn JPH07156279A (ja)

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